”あのクルマの系譜”…その14はかつてのマツダの象徴=ロータリーエンジン(以下RE)を更に象徴し同社のイメージリーダーであったコスモに焦点を当てます!
60年代、とにかくパワーやMAXスピードが求められた時代にマツダ(当時東洋工業)が威信を掛けて開発したコスモ(コスモスポーツ)、世界初の量産REエンジン搭載の完全2座のスポーツカーとして現在ではトヨタ2000GT、ホンダSシリーズ、フェアレディSR及びS30とならび国産スポーツ創成期を飾った名車として君臨しておりますネ!
そんなコスモも時代の趨勢から製廃となってから早20余年、コスモ以後のサバンナ→RX-7→RX-8に”REの顔”は奪われてしまっていますがそのセンセーショナルなデビューからOLDファンには今でもRE=コスモというイメージこびりついているかもしれません。
そんな事云いながらも20数年の月日は長い、忘却の彼方に行きかけているそんなコスモを振り返ります、それではあのクルマの系譜・マツダコスモ やってみましょう!
4代目最終型コスモ(ユーノスコスモ)
(1990~1996)
・バブル末期にデビュー、先代から引き継ぎマツダ最上級パーソナルクーペとして訴求される。
・当時5チャンネル化を推し進めるマツダの高級車専門店『ユーノス』ブランドの中でTOPモデルの立ち位置が与えられ正式名称は『ユーノス・コスモ』
・先代でルーチェと兄弟車となるも4代目は専用設計でルーチェ後続のセンティアとは別車種。
・世界、日本は勿論、マツダ初の3ローターREで大きな注目を得る。
・初代コスモ(コスモスポーツ)をオマージュしたスタイリングとライバルとしたトヨタソアラ、日産レパードをも上回る贅を尽くす装備は話題を得る、日本初のGPSカーナビ(CCS)搭載。
・ボディは2ドアクーペのみ。
・搭載エンジンは全てREで13B-REW型 654cc×2 20B-REW型 654×3 それぞれシーケンシャルツインターボ搭載
・駆動はFR、ミッションは4ATのみ 5MTも考慮されるも当時3ローターの大パワーを受け止めるMTが開発できずATのみのラインナップ。
・バブル崩壊による高級車需要の減退、パワーはあるもあまりの高燃費(実質L/2~3㎞程度)が要因で人気/販売とも芳しい結果は残せず6年のモデルライフを終了以後後続モデルの設定はなされず現在に至る。
3代目コスモ
(後期型2HT 1984~1990)
(前期型4HT 1981~1984)
(前期型2HT 1981~1984)
・先代までコスモ=高級パーソナルクーペ ルーチェ=高級サルーン と棲み分けていたものを統合、ルーチェとの兄弟モデルとなる。
・デビュー時はまず2HTから発売、日にちをずらして4HTやサルーン(セダン)やREを追加。
・ボディタイプは2HT/4HTとセダン(サルーン)で構成、2HTはコスモ専用で4HT及びサルーンはルーチェのフェイスリフト、2HTは先代のイメージを80年代風にリデザインしたスタイリングでHT系は角目4灯式リトラクタブルヘッドライトが採用される。
・搭載エンジンは直4 2L、RE12A(573cc×2)、同6PI、同ターボ、RE13B(83~4HTのみ)、直4 2.2L De
駆動はFR、ミッションは5MT/3AT
・サバンナRX-7と共に82年に追加されたREターボモデルはライバル各社のDOHCやDOHCターボを上回るパフォーマンスが話題を呼んだ。
・83y、先鋭的過ぎて評判の悪いリトラを4HTから不採用として固定式ライトに変更
・84y、2HTも固定式ライト化し全リーズ後期型に移行。
・86y、ルーチェが単独FMCした事によりコスモはサルーンを廃し、HT系のみに絞って次期型デビューの90年まで継続。
2代目コスモ
(前期型 1975~1979)
(前期型L 1977~1979)
(後期型 1979~1981)
(後期型L 1979~1981)
・RE普及のイメージリーダーとして役割を果たして1972年に引退したコスモスポーツから3年を経てスポーツとはガラリと異なる高級パーソナルクーペとして復活。
・先代が2座の完全スポーツカーだったのに対しマツダがREにより力を入れていた北米市場の要望により高級クーペ化が成功、日本でもREがOILショックで逆風の中、REパワーにより唯一排ガス規制の性能劣化を感じさせないパワー等で主に富裕層に大人気となる、この当時200万クラスの2ドアクーペはコスモといすゞ117クーペのみの希少な存在。
・最高峰13B REを搭載するリミデットは当時5ナンバー国産最速を誇り200万オーバーの高額車ながら大ヒットを飛ばす。
・デビュー時はファストバックのクーペモデルのみ(ネーミングはコスモ、或いはコスモAP)でデビュー、77年以降はルーフ後端デザインを変更し後席の居住性を上げたコスモLを追加、Lはアメリカで流行のランドゥトップ(ソフトトップ)をルーフ後端に採用。
・AP(アンチポリューション)システムにて発売時より昭和51→53年排ガス適合モデルであった。
・搭載エンジンは直4 1.8L 同2L、RE12A、RE13B
・先代スポーツがRE代名詞的存在だったが燃費が叫ばれる時期のデビューによりレシプロ1.8L(2Lは後追加)を設定、低グレードのリーズナブルさを市場に広く訴求する戦法を取る。
・駆動はFR、ミッションは3AT、4MT/5MT
初代コスモ(コスモスポーツ)
(1967~1972)
・REの元祖であるNSUヴァンケル社のパテントを使いながら独自に2ローターREを開発、世界初の2ローターRE市販車として著名。
・次世代の夢のエンジンとしてマツダが血の出る努力にて開発したREエンジン、既存のレシプロとは異次元のスムーズさと大パワーを認知させる為流線形の完全2座スポーツカーとしてデビュー、ハンドメイドに近い製造、量産向けではなく趣味性の高いモデルのため当時の価格で約150万円は超高額であり販売台数は極僅か、あくまでマツダのイメージリーダーとしての役割が大きかった。
・搭載エンジンはREのみ、RE10A型(491cc×2)及びRE10B型(同)
・68年以前が10A型110ps、以降が10B型128ps、このMCにて5速化とパワーアップによりMAX200kmを達成。
・ボディは2シータークーペのみ。
・ミッションは4MT/5MT
・国産スポーツカーの創成期を飾るトヨタ2000GT、スカイラインGT-R、フェアレディSR/S30、ホンダSシリーズと並び現在では超プレミアムの名車として定着。
あのクルマの系譜~マツダコスモ編~…
終
Posted at 2019/11/29 19:05:10 | |
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