久しぶりにこんなのが出品!
いやー、まだ残ってたんですね、このモデルも菱車以外で非常に好みだった1台、しかもより好きだった前期モノのセダン…
往時は今も昔もマイナーないすゞセダンとしてはバカ売れしたんでかなり街中で見かけたものですが今や残存はどの位なんだろうか?(誤解なきように申せば1950〜60年代はいすゞはトヨタ、日産と並び“御三家”と言われてましたんですぜ、若者諸君w)
マニアックないすゞファンからしたら売れ過ぎてメジャー扱い?117やベレット、フローリアンやベレル、ワスプにエルフィン(後ろ2台は誰も知らんってw)のような価値も見出されておらず動態保存も少ないでしょう、ジェミニに限らず往時普通に売れて普通に走ってた普通のクルマ程20〜30年になると残るのは絶望的ですしネ〜。
⇒『昭和61年(1986)JT600型2代目ジェミニ1500C/Cディーゼル』!!
このジェミニ(デビュー当時はFRのPFジェミニと併売のためFFジェミニと呼ぶ)を見ると我々世代では嫌でも思い浮かぶのが“街の遊撃手”のCM!!
このCMは2台のFFジェミニが街中(海外)をアクロバット走行するモノでしたがその演出が鮮やか、一部では車体下で繋げているとかの噂もありましたがキビキビと元気のいいジェミニのドライビングを如実にアピールするいいCM、選曲から映像に渡るまで語り草ですよねー。
CM通りにこのジェミニの運動性能は卓越、デビューは85年(〜90年)でしたが当初はスポ車ファンを唸らせるDOHCのZZは旧来からのFRジェミニが担当していたのでFF版は普及版で強いてスポーツ度合いはアピールもしなかったですがFF用に新開発された“シグナス”と呼ぶ1.5LOHCガソリン(4XC1型)と同Deエンジン(4EC1型/同ターボ)のみのラインナップ、スペックには大きくソソられる部分もなくともすれば地味なイメージながら実際乗ればその元気さは実感、そして件のCMが大きく貢献し何の変哲もないエンジンながらこのジェミニは非常にスポーティという印象が高かったです。
FR時代より車格をやや落とし大衆車クラスに移行しカローラやサニーに挑むいすゞとしてはやや無謀とも思われたFFジェミニですがそれが功を奏しコンパクト&軽量になった事も成功の要因、パワフルで気持ちのいい吹け上がりのシグナスエンジンはDeであってもそれまでの“De=鈍重”という印象は皆無、いすゞらしくガラガラとエルフ的なエンジン音は相変わらずでしたが1.5Lとは思えないトルクフルで頼もしさはさすがいすゞのDe!と膝を叩く出来栄え、ターボ付きならガソリンモデル以上の軽快さを味わえ個人的にも当時数多かったDe乗用のイメージを一新してくれるものでした、それでも古くなると冬場の始動性に苦慮する部分はありましたがカローラDeの1C型1.8L、サニーDeのCD17 1.7Lと比較しても排気量は小さいながらドライバビリティではジェミニDが勝っていました!
さて、出品車を見てみますが31年モノの初期モデルでそのDe車です、当時から既にいすゞはDeに力を入れラインナップも充実させていましたがやはりCMの影響か?お洒落な外観にちなんでか特に都市部ではガソリンモデルが多数だったのでDeの残存は希少に思います。
↓総評R、内外Cという年式からしたら上々の内容!
走行も実走11万km台、Deエンジンは慣らしが終わった程度は大げさとしてもまだまだ大丈夫、燃料ポンプの在庫があるかは不明ですがこれさえ神経遣っていればエンジンそのものはまだまだ現役!
FFジェミニは86年にガソリンターボや今でもファンには人気のイルムシャーを追加、そして87年には併売してきたPF型FRジェミニを廃止してMC、後期型となりますしこの時から「FFジェミニ」の呼称はやめ「いすゞジェミニ」となります。
後期型はFrフェイスとテールをリデザイン、バリエーションも好調な事から大幅拡大していますが個人的には顔もお尻もゴテゴテとオーバーデコレート気味になり萎えた印象…
いすゞとは縁の深いJアローデザインでしたがせっかくの奇才のデザインをゴテゴテマスクが台無しにしてしまい後期はガックリな出で立ちでしたが市場にはそれほど影響なく後期型以降も販売は堅調、このジェミニ、販売力の弱いいすゞであれだけ売れたんですからね、トヨタが売ったら多分10倍は売れた?んではないかと思います。
↓オーバーデコレートなデザインになった後期型ZZ
ジェミニというクルマは代々、中の狭さが唯一の落第点、このサイズですから広々は無理としてもFR時代〜最終型まで同じようなサイズのライバルと較べても極端に中が狭い、後部座席なんてFF以降でも大人では辛い範疇でしたんで当時ファミリーカーという視点ではどうしても選べなかったんですわ、トランクもミニマム、広大なラゲッジを持つ3HBはデザイン的にNG、そもそも主力のセダンがこの狭さではカローラサニーの敵ではないですし…
↓C評価の内装、オリジナルを保ち割れ、破れもなく程度は良さそう!
上述の通り後期からはバリェーションが充実、スポーツモデルもPF型から変わるDOHC搭載のZZを設定、イルムシャーに加えロータス社とコンビを組む『ZZハンドリングbyロータス』はスポ車ファンには高い人気と支持を得ましたね!
現車、MTというのも嬉しい点?特にDeモデルの実力を生かすにはMTが必須、トルクが太いので手抜き運転でも充分に粘るしDeの良さをスポイルするATモデルはNGでしたがMTは快適そのものでした!
あっ、忘れちゃいけんのがこの代にはNAVi5モデルもあったんだw
これ、今のいすゞではエルフでお馴染みのスムーサーの原型、当時としたらセミATなんですがこれはNG、ATとMTの融合なんて当時言ってましたがあまりにも完成度が低くガクガクの発進、不快な振動は支持を得られず普及はしませんでした、電子制御5ATともとれる先進的なミッションでしたが1度乗るともうええわ!!て感じでしたね〜w
↓テンバータイヤ、プラ部分の経年劣化以外は綺麗な状態の様子!
ジェミニと言えばこれの次世代の最終(いすゞオリジナル)型で有名なニシボリックサス!
このフィーリングはラリーストには高評価ながら街乗りとして考えると個人的には?なんですが2代目の時代はまだ未採用、逆に2代目時代は平凡な前トラット、後トーションビームでしたしこの味付けが微妙にイイ感じ、ZZになると若干柔い印象で強化の必要性を感じますが普及/一般グレード(D/D、T/T、C/C、G/G)では乗り心地も良く腰もありやや日本車離れしたしなやかさを感じさせる出来栄え、いすゞは脚廻りに関しても古くはベレットの時代から独特な味付けが評価の高い部分、ベレットや最終ジェミニはややもすればマニア向け?って感じですが2代目ジェミニは素人でも玄人でも満足できる完成度を感じたモノです!
↓いすゞらしく今でも古さを感じないデザイン!シンプルな嫌みのない顔付の前期はかなり希少…
出品は東、落札は無事なされプレミア価格までは付きませんが皆さん思う程安くもない、ちょっと前ならば解体価格でしたでしょうがこれももはや希少品、しかもDeMTですしこれですと海外需要もありますしね、値段はそれなりに付くようです。
今は亡きいすゞ乗用の傑作が117ならば2代目ジェミニは後にも先にもいすゞ乗用の最多販売モデル、これを造っていた時代は勢いもあり誰もいすゞを“トラックメーカー”なんて言いませんでしたがねー、そんないすゞの華やか時代の生き証人、末永い残存を願わずにいられません(^^)/
Posted at 2017/12/02 17:51:57 | |
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