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2011年10月16日 イイね!

保存版“華麗なる一発屋!!!”…グランビア、グランド・ハイエース/ハイエース・レジアス、レジアス編

保存版“華麗なる一発屋!!!”…グランビア、グランド・ハイエース/ハイエース・レジアス、レジアス編
“華麗なる一発屋!!!”今回はトヨタの壮大なる一発屋兄弟ミニバンである『♯CH10系グランビア、グランド・ハイエース/♯CH40系ハイエース・レジアス、レジアス、ツーリング・ハイエース』をまとめて取り上げました!

尚お断りですが4つ子となりますのでそれぞれに特別仕様などの追加もありますが何せ数が多く全てを取り上げるのは困難なのと把握不足でありますのでおおまかな概要と思って頂けたら と。。。(汗)

まず最初に登場したのが『グランビア』になりますねー、グランビアは95/8に次期1BOXとして今やすっかり定着した「ミニバン」という言葉がまだ日本では馴染みのない時代に産まれています。
当時、将来の衝突安全基準改正が決まり既存1BOXではこれのクリアが不可という点が歴然となり各社既存型に代る新基準の次期1BOXタイプを続々開発を始める中、日産が91yに旧世代台のバネット系→セレナ/ラルゴ、三菱が94yに(旧)デリカスターワゴン→(新)デリカスペースギア、マツダが95/6に(旧)ボンゴワゴン→(新)ボンゴフレンディを発売、安全基準適合の為ボンネット/ノーズを付けたこれらの車種が出始めこれにオデッセイや等も絡みこの頃から“ミニバン”の通称で呼ばれるようになったと記憶しています。
こんな中でのトヨタミニバン第1号がグランビアでした!

トヨタ初の“ミニバン”としてデビューした前期型グランビア


グランビアは既存ハイエースに代るトヨタ最上級1BOX(ミニバン)としての役割を背負って登場、89yに登場以来高い人気と圧倒的販売量を誇る好評100系ハイエースのエクステリアを基本踏襲しながら3ナンバーボディとノーズ付きミニバンスタイルを取り入れたモノでした。
グランビアは先記のセレナ/ラルゴ、フレンディが鼻が付いたのみでエンジンはアンダーフロアという基礎的には従来型キャブオーバーの造りだったモノに対してデリカスペースギアと同様にエンジンをせっかく付けた鼻の中に収容した新世代のモノでした。
ハイエース100系は5ナンバーサイズでしたが鼻が付いた分、同じサイズでは当然室内は狭くなってしまう為3ナンバーサイズ化、これ以降ラージクラス(ハイエース、キャラバン/ホーミー)はこの後3ナンバーボディに移行、広大な室内を損なう事なくミニバン化しましたがこれらの下、つまりタウン/ライトエースノア、セレナ/ラルゴ、フレンディ等は5ナンバーボディのしがらみから旧型と較べ高い安全性と引き換えに室内は単なる多人数乗車ができる 程度のモノとなってしまったので旧1BOXユーザーからも広さを重視するユーザー層からは新たにこのラージクラスミニバンが注目される分野になってゆきました。
ただ、まだ当時は従来型1BOXが許されている時代でもあり新カテゴリーとなるグランビアは“未来”の多人数乗車のパイロット的モデルという役割が強く当時安定株であった100系ハイエースを扱うトヨペット店ではなくエントリー1BOXのライトエースしか持たないオート店扱いとされいました、このためトヨタではオート店扱い<トヨペット店扱い車の方が高級 という戦略上、車格はハイエースを抜いていながら各部意匠やデザイン、材質等は上級グレードでもハイエースに較べ良く言えばシンプル、簡素、悪く言えば劣る味付けがなされていました。

↓グランビアのインパネと室内、広大なスペースは100系ハイエース以上!


グランビアの概要ですがエンジン、脚廻り他は次の通り。

(エンジン)
・ガソリン直4気 3RZ-FE型 ハイメカツインカム2.7L 145ps/23.2kg-m
・ディーゼルターボ直4 1KZ-TE型 3L 130ps/ 29.5kgm/2000rpm

(サスペンション)
Fr:ダブルウィッシュボーン Rr:セミトレーリングアーム

(ミッション&駆動)
・4AT
・FR/4WD

グランビアの自分流のインプレはサスは柔らか過ぎて頼りなかったですね、車重(2t弱)があるこの手のクルマで乗り心地重視すればこうした結果なのでしょうが重い分ロールも酷くこの部分では後発のエルグラのハイウェイスターに完全に負けてましたねー。

エンジンですがガソリン3R-Zは明らかにアンダーパワー、ストレスない走りをしようと思えばがさつなエンジン音がこもりその割にはあまり進まない感じでトルクも不足、これを嫌いDを選んだ場合、やはりD特有の騒音は多少気にしなければなりませんが加速、巡航や気になる黒煙も新世代Dエンジンだけありガソリン以上に魅力的でした!

室内はさすがに広大で後部は“一つの部屋”ほどのスペース、横方向も100系ハイエースより広がりかなりの余裕、但し運転席(助手席も多分そうだと・・・)はウォークスルー時のスペース確保の為、ギリギリまで隅にシートが配置され慣れるまでは非常に違和感を覚えました~。
隅っこに座らされ右肩口が常に窮屈な感じで年に何回あるか分からないウォークスルーの為にこの思いを常日頃するの?と少々疑問を感じました、小柄な方やウォークスルーの機会が多いご家族ならいいのかもしれません…

このグランビア、先記のようにハイエースより意識的に下のレベルと設定した為、前期(初期)に限っては非常にシンプルな味付けでありエクステリアに派手さはなくインテリアも最上級グレードであってもハイエースの中級グレード程度の味付け、トヨタ車の割にはシンプルなイメージに少々驚きましたねー、もちろんそれなりの値段がするクルマですから質素までは言い過ぎですがクラウンやマークⅡの絢爛豪華を見慣れていると拍子抜けって感じ、個人的にはこういった部分は好感持てましたがやはり高額車ですしトヨタ派には受け入れられず発売後の評判は今一つな感じでした。
こうした点のテコ入れで96年には上級Qグレードに「エクセレントパッケージ」「ラグジュアリーパッケージ」の豪華仕様を設定、特別仕様車としてより豪華なG-Limited、同パールマイカセレクションが追加されやや豪華さが味付けされています。

↓旧来型ながらグランビア上級はお馴染100系ハイエース!


97/5、同社のエスティマと同ルシーダ/エミーナを倣ってグランビアの兄弟(外板共通)ながら5ナンバー枠とした『ハイエース・レジアス』が発売されます!(あくまで寸法という意味の5ナンバーで実際は一部3ナンバー)

名前の通りこちらはトヨペット店扱い(ビスタ併売)で既存100系ハイエースの先行モデル的位置付けがなされたハイエース・レジアスは車庫他事情により5ナンバー枠を守りたいユーザー向けのモノ、エスティマ同様に主に幅を狭めたグランビア、スタイルバランスは意外に崩れておらずまたグランビアよりスポーティで若々しい味付けがエクステリア/インテリアになされグランビアより主にヤングファミリーに高評価でした。
ハイエース・レジアスにはグランビアにはなかった4ナンバー、商用バンモデルも設定。(エンジンなど乗用と異なります=ガソリン2L 1R-Z型 D=3L 5L型)

↓97/5追加のグランビアの5ナンバー版「ハイエース・レジアス」


↓ハイエース・レジアスのインパネ&室内


ハイエース・レジアス、搭載エンジンや脚廻りはグランビア共通です。

97/5、ライバル日産が従来のE24型キャラバン/ホーミーをモデルチェンジさせ『キャラバン/ホーミーエルグランド』(E50型)を発売、グランビア同様にフルサイズミニバンとなった新星エルグランドはグランビアと較べスタイル/エクステリアが直線基調の非常に若々しくスポーティかつ押し出しの強い迫力ある顔付で大人気となり後発ながらグランビアを一気に上回る爆発的な人気、評判を得ました、慌てたトヨタはまず97/9、グランビアをマイチェン、中期型となりました(タイトル画像)、エルグランドの迫力に少しでも対抗しようとグリルをハニカム調→横線基調の力強いイメージに変更、テールランプもガーニッシュタイプも豪華なデザインになっておりエルグランドが搭載して絶賛のV6エンジン(VG33E)に対抗し新エンジンのV6 5VZ-FE型ハイメカツインカム 3.4L 180ps/30.5kgmを新搭載、ようやく大柄ボディをストレスなく走らせるに相応しいパワーを得ています。
5VZはトルクフルで充分パワフル、4発のがさつさはなくなり静粛で力強い走りを実現していますがそれなりに走るとガスがぶ飲みは覚悟しなければならなかったですね、知人がこれを乗っていましたが嘆きをよく聞かされました(汗)
尚V6搭載により4発ガソリンの3R-Zは98年にカタログ落ちしています(ハイエース・レジアスにエンジン変更はなし)

しかしこのマイチェンでもエルグランドの足元にも及ばず99/8、更にトヨタはテコ入れを行います。
以下がこの時の変更点です。

①ハイエース・レジアス→レジアスに車名変更
②グランビア/レジアスのマイチェン(意匠変更)
③Dターボ(1KZ-TE)をインタークーラー装着により130→140psにパワーUP
④新車種(兄弟)の追加設定→グランド・ハイエース/ツーリング・ハイエース

この変更(マイチェン)は対エルグラを徹底したもので①は従来のハイエース・レジアスをビスタ/トヨペット店併売から分離、トヨペットには④のツーリング・ハイエースを設定、ビスタ専売となったレジアスにハイエースの名前は冠されなくなっています。
ツーリング・ハイエースはレジアスをよりスポーティなイメージに振ったモノでこれはシリーズの新車種も含めエルグランドを意識した押し出し強い顔付と豪華なテールが与られ従来型のシンプルさがなくなった代り立派な、贅沢な顔とお尻でライバルに挑んでいます。

↓新車種でペット店の若者担当の「ツーリング・ハイエース」(レジアス双子)


また④、もう一方のグランド・ハイエースはグランビアのトヨペット店バージョン、これまでオート店扱いという部分でどこか地味だった事もありで販売力もより強いトヨペット向けに設定、100系ハイエースの上位モデルとしてグランビアに較べより豪華絢爛となりある意味トヨタの本領発揮の派手なイメージが与えられ初期のグランビアとはまるで違う印象となっていました。搭載エンジンはグランビアと同一。

↓トヨペット店 絢爛豪華担当の「グランド・ハイエース」(グランビア双子)


②、グランビアもグランド・ハイエースに絢爛豪華は任せながらも大型グリルを装着し従来型の大人しいイメージをやや派手めにチェンジしています。

↓グランビア後期も押し出し強いルックスに変更


②、レジアスはツーリング・ハイエースがデビューした事もあり従来のスポーツイメージはこれに譲りグランド・ハイエース寄りの高級感がプラスされています、搭載エンジンは旧ハイエース・レジアス~レジアスと同一。

↓レジアスのRrビュー


一気に4車種に増殖しているので各車の役割をまとめると・・・
・グランビア=嫌味のないシンプルさを維持しながらより質感をUP
・グランド・ハイエース=グランビアを基によりTOPミニバンとして豪華、高級さをアピール
・レジアス=従来の若々しさと高級感を折衷
・ツーリング・ハイエース=従来型ハイエース・レジアスのスポーティさをより強調。

尚、③はやはりエルグランドの好評ディーゼルに対抗し戦力を高めたモノながらエルグランドのQD32ETi3.2L 直4 150psというスペックにはまだ敵わずフィーリング的にワタシも乗り較べた経験ありますがQDあっぱれでした!

以上のように4車種、3つの販売店連合軍でエルグランドに勝負を挑んだグランビアファミリー、2000年代に入ってからも小変更、特別仕様、装備充実等の様々な攻撃をライバルに仕掛けましたが近年のトヨタvs日産では珍しい程の日産強し!!でエルグラに全く歯が立たず02/5にて4車は新車種のフルサイズミニバンのアルファードG/Vに譲り揃って製廃となります。

↓02/5~は打倒エルグランドに後続アルファードがバトンタッチ!!


連合軍と言えば聞こえは良いながらあまりにも車種乱立がエルグランドに対して選ぶ方が混乱し販売、人気とも最後までエルグラに差をつけられましたがLクラスミニバン第2世代となったアルファードはこちらもフルチェンで2代目E51型に進化したエルグラに対してハイブリッドや廉価2.4Lモデルでようやくこれを超える人気、販売を実現、グランビア連合時代の雪辱を果たし今や2代目アルファードと兄弟車ベルファイアでミニバンTOPシュアを誇るモノとなっているのはご承知の通りです、グランビア連合時代はさすがのトヨタも大慌てし無造作、無節操な車種展開から4車種が揃ってコケルという醜態を晒しとても愉快・・・いや、心配しましたが現況を見ると笑い話ですねー(^_^;)

グランビア、グランド・ハイエース、ハイエース・レジアス、レジアス、ツーリング・ハイエースとタイプするだけで疲れちゃいますがこれらの失敗あってこそアルファードの大成功ですよね!? 『王者の壮大な失敗ミニバン“一発屋”!!!』として記憶しておきたい、そんな連合軍です!
Posted at 2017/11/17 19:51:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 一発屋 | クルマ
2011年10月06日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編⑥

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編⑥偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…いよいよチェイサー最終回、最終型となる『X100系6代目チェイサー』を取り上げます!

77yにマークⅡの双子兄弟モデルとしてデビュー、時にマークⅡよりスポーティに、時に豪華なパーソナルイメージへとお家の事情で後年加わったクレスタを含んで若干ながらコンセプトの変更がなされ“マークⅡの安物” “マークⅡやクレスタよりわざとデザインを落としている” “兄弟と較べるとチェイサーはね~…” と陰口ばかり叩かれる事の多いやや悲運のモデルでしたが96/9発売の最終X100系は最後にして初めてマークⅡを上回る人気を得ており特にスポーツグレードのツアラー系に至っては製廃後、特に後続モデルの不人気や安全基準の規制等、時代の流れから後年~現在では縦6エンジンが廃止された事もあり高人気を中古で持続、製廃10年を経ながらも一部グレード→ツアラーVのMT はまだまだUP!!UP!!の人気を得ており状態がいいモノは100万オーバーのプライスが付いているという事もご承知の事と思います!
業者オークションの乗用車コーナーをヒマにまかせて覗くと同じ年式、同じような状態でマークⅡとチェイサーのV MTの値段差を見ていると一時は10万~15万以上の開きがあり(チェイサーが高い)歴代の両車ではあり得なかった事で驚いたりしちゃいます(^^;)

X100系でも従来通りのピラード4HTボディでマークⅡとボディを供用する双子モデルながら60以来久しぶりに原点に還りマークⅡを若々しくリファイン、スポーティ路線に回帰し意匠の雰囲気のみならずボディの前後=オーバーハングを切り詰め“走り”の部分に本気で振ったスタイリング、佇まいが人気の要因で同時にFMCしたマークⅡが以前のチェイサーのように“手抜き?”と思われる程の素っ気ないデザインとなりクレスタも非常に地味なイメージになってしまった事もチェイサー人気の大きな要因だった気がします。
チェイサーはマークⅡ含めて90系のぼってりした丸味は抑えられ60~80系に回帰したような直線基調の軽快感溢れるすっきりしたデザインも好評でした。
100系のマークⅡとチェイサーでは普及グレード(グランデ/アバンテ)を含めるとやはりマークⅡの販売がチェイサーの約2倍と上回りましたが実にツアラー系では圧倒的にチェイサーが選ばれていたのもこれまでにない現象だったようです!

↓96/9、最終型X100系チェイサー誕生!(前期2.5ツアラーV)



マークⅡで伝統のスラント化されたノーズはデッキと共に(オーバーハング)をバランスが崩れない程度に絞り込み異形丸目4灯の精悍な顔付と初代30/40をモチーフした3分割の角型テールランプは非常に若々しくスポーティでワタシも個人的に兄弟のみならずこのクラスのライバル車達含めても純粋に“カッコいい!”と思え こちら にも記載しましたが現愛機が何らかの事情で手放さなければならなくなったとすれば代替候補の1つです(^^;)

↓異形丸4の精悍なヘッドライトと初代をモチーフした3分割角型テール!!


↓ベースとなったX100系マークⅡ(㊤前期2.5グランデ/㊦同2.5ツアラーS)



尚、従来マークⅡは70系のワゴンと80系セダンを90系時代も細々と販売、セダンは主用途は営業用(タクシー)が多いながらも一部グレード整理してオーナー向けもラインナップしていましたが95/12に80マークⅡセダンをベースにした完全営業向けの『クラウンコンフォート』がデビューしこれを後続としてX100系マークⅡ(従来で言う4HT)デビューとほぼ同時に生産終了、84yからFMCせず生き永らえていたワゴンも製廃、ワゴンはカルディナとクラウンワゴンを一時後続に据えた後に97/4、カムリグラシアワゴンと双子となる『マークⅡクオリス』となっています。
これによりフルラインナップが崩れオーナー向けとなるセダンボディを失ったマークⅡに対し(コンフォートも一部オーナー仕様はありましたがその造り、佇まいは営業用然としており殆どオーナー層に選ばれてはいませんでした)その受け皿的役目を請け負ったのがX100系クレスタでした。
その為か?非常に100系クレスタは従来型(50~90)でもマークⅡ/チェイサーに対して派手さを抑えたイメージでしたがより地味な印象になり存在感はかなり希薄、3兄弟ファミリーでチェイサーに代り最少販売車種となってしまいました。
この頃になるとセダンモデル需要減退が顕著になっていた事もありますが100系クレスタはどう見てもそれこそ以前のチェイサーのように“手抜き”的作品に個人的には見えてしまいこちらも最終型というのありヤル気のなさを感じたり…
まぁ、チェイサーファンとしては最終でクレスタの分まで気合が入った感じでそれはそれで歓迎でしたがかつて兄弟の中でもひときわオリジナルでパーソナル感を漂わせ注目されていたクレスタの最終モデルは残念でしたネ~…

↓こちらも最終型となるX100系クレスタ(㊤/㊦2.5スーパールーセント前期型)



100系登場時、バブル崩壊後の日本は大不況の時期でありそれに加え台頭するミニバンブームも影響しセダンタイプモデルは販売減退、これまで売上ではトヨタの大黒柱的存在だったマークⅡ兄弟といえども開発費を70~80のようにふんだんにかける事はもうできず100系ではシャーシは90からキャリーオーバーし全体の造りも90系以上のコストダウンがなされました。しかし安全対策には時代の要求もありしっかり対応、トヨタ独自の衝突安全ボディ『GOA』の採用やABSと90時代は運転席のみだったSRSエアバッグを助手席及びサイドにも採用し全モデルに標準装備されています。

↓全車に運転席/助手席エアバッグを搭載!


ただコストダウン化している割にインパネ等の造り、デザインは90系よりも高級感があり裏側はイザ知らずこの頃はさすがトヨタ!見えるところで前作が不評でしたのですかさず改良されておりツアラー系にはスポーテイ雰囲気満点のカーボン調パネルが、アバンテ系の木目パネルも90時代より上質な雰囲気を漂わせていました。
上級モデルにはクラウン譲りのオートスイングルーバーも装備され少なくても室内での見え見えコストダウンは感じられません!

↓カーボンパネルを採用したツアラー系と美しい木目パネルのアバンテ系のインパネ&インテリア
(ツアラーV㊤1.8ラフィーネ㊥2.5アバンテ㊦)




それでは100チェイサーのモデル概要です。

(サイズ)
:全長4715全幅1755高1400(4WDは1415) ホイールベース2730(以上mm)
(車重)
1410kg(2.5アバンテG)
(定員)
5名
(エンジン)
4S-FE型 水冷直4 1800cc ハイメカDOHC 16バルブ EFI 120ps  
1G-FE型 水冷直6 2000cc ハイメカDOHC 24バルブ EFI 140ps
1JZ-GE型 冷直6 2500cc DOHC 24バルブ EFI VVT-i 200ps
1JZ-GTE型 水冷直6 2500cc DOHC 24バルブ EFI VVT-i IC付ツインターボ 280ps
2JZ-GE型 水冷直6 3000cc DOHC 24バルブ EFI VVT-i 220ps 
2L-TE型ディーゼル 水冷直4 2400cc OHCターボ 電子制御燃料噴射ポンプ97ps
(以上ps表示はネット値)

(駆動)
FR/4WD
(ミッション)
5MT/4速AT(OD付/ECT-iE/ECT-E/ECT)
(脚回り)
ALL(Fr/Rr)ダブルウィッシュボーン4輪独立懸架
(ボディ)
4ドアHT
(バリェーション)
1800 (型式SX100)
XL/ラフィーネ
2000EFI 24バルブ (型式GX100)
アバンテ/ツアラー
2500 TC24(型式JZX100/4WD JZX105)
アバンテ/アバンテFour/アバンテG/アバンテFour Gパッケージ/ツアラーS
2500 TC24 ツインターボ (型式JZX100)
ツアラーV
3000 TC24(型式JZX101)
アバンテG
2400ディーゼルターボ(型式LX100)
XL/アバンテ

ホイールベースは先記の通り90系のシャーシのため変更はありません、もちろん3ナンバーサイズです。
幅/高さは先代よりもサイズアップ、80/90で言われ続けていた室内空間増大という改良がなされます。
乗車した感覚では80/90からの劇的な広がりはないものの頭上の広がりは顕著、FRの4HTボディとしてはスタイルとの妥協も計算しこれが限界なのかな?と思えます。
これ以上の空間が欲しいならこの時代、既にアッパーミドルでもFF化が標準化していたのであえてマークⅡ/チェイサーを選ぶなら気にならないでしよう、てかしてはダメです(笑)
しかしやはり外寸の割には狭いのは初代~最終型まで見事に引き継がれました!!
冒頭で述べた通り全長は前後の絞りで90よりは短くなりこれがマークⅡ/90チェイサーと比較して走りの部分で大いに軽快感を引き立たせていました!

↓チェイサーらしいスタイルを破綻なく維持しながらオバーハングを切り詰めた100系のプロポーション!!


搭載エンジンは90を全て継承しますが1JZ/2JZエンジンは新たに『BEAMS』と呼ばれる高出力と低燃費を両立させる新世代のエンジンを謳ったモノで上級高出力エンジンに可変バルタイ(VVT-i)を採用、2.5LNAの1JZ-GEで180ps→200psパアワーアップ、ツインターボの1JZ-GTE及び3Lの2JZ-GEではスペック的には変わらないながらもドライバビリティ、フィーリングは従来型とは性質を異にしています!
トヨタの可変バルタイ、ワタクシ2JZは経験ありませんが1JZはターボ/NAともある実験で乗り較べホンダのV-TECや三菱のMIVEC程劇的なフィーリングの違いは感じませんが特にNAでは中回転以上での領域での吹け上がりは従来型よりも素早くタコメーターの針が上がるのを感じ取れ ~これならターボいらんか?~ と思える程でした!
もう一つの売りである“低燃費”はオーナーではなかったので分かりませんが少なくともカタログでは大排気量とは思えない10・15モードでL/10㎞オーバーという素晴らしい?数字が並んでいます。

↓後にメジャーとなる“BEAMS”をこの代から採用し大々的にアピール!


↓BEAMSの本質である可変バルタイ機構=『VVT-i』


↓VVT-iを採用した1JZ-GTE㊤と2JZ-GE㊦


 
尚、2L 1G-FEが吸排気系見直しで5psアップの140psとなっており1.8L 4S-FE/2.4L 2L-TEは従来型を採用、ただ、本家マークⅡからはリストラ策の一環でこの二つのエンジンはカタログ落ちしておりディーゼルモデルはクレスタとチェイサー、1.8Lはチェイサー単独になっています。
これはマークⅡ販売店には直近の下級コロナプレミオが存在しており1.8Lはそちらに譲りクレスタではやはり同系でビスタに1.8Lモデルがあるもののチェイサー販売店のオート店(現ネッツ)には直近下級スプリンターに1.8Lモデルが存在しないためチェイサーのみリストラを免れたものです。
ディーゼルは2.2Lのコロナプレミオ/ビスタ/スプリンター全てに3C系が存在しておりマークⅡのDモデルのみ単なるリストラでした、ディーゼル乗用車人気の衰退もあり以後チェイサー/クレスタからもディーゼルモデルは廃止されますますが真っ先にDモデルを設定したマークⅡが最初にこれを廃止したのも皮肉ですね。。。

バリェーション的にもほぼ90系後期を継承しますがツアラー系に廉価版となる2L 1G搭載の『ツアラー』が加わり2.5ターボのツアラーV、2,5NAの同Sと共にツアラーシリーズを形成しています。
駆動は基本FR、アバンテFour及び同Gパッケージが4WDとしてラインナップ、ラフィーネを1.8L専属にする代りにDにもアバンテを設定しています。

↓ツアラー系以外の100系チェイサーのバリェーション展開





脚廻りの味付けは90時代とほぼ同様のALLダブルウィッシュボーンでアバンテ系以下は乗り心地優先、ツアラーはハードでフィーリングに特に変化はありませんがVVT-iと90に較べ見切りが良く着座位置も心持ち高くなりアイポイントが変化したせいもあるのか非常に乗り易く=飛ばし易く!?なっていた印象です。
相変わらずツインターボでは不足気味の足で強化は必須ですが3L/2.5L NA以下ではアバンテ含めて1.5t近くのボディを載せるのにを充分な性能でした。
アバンテ系以下でも80/90系よりはしっかりした印象もありましたねー…

↓90系を継承したFr/RrダブルウィッシュボーンIRSの脚廻り



100系となり電子制御サスTEMSはよりきめ細かい電子制御を行うスカイフックTEMSに進化、ATもこれまでの電子制御ETC-Sを更に進化させたECT-iE/ECT-Eを採用、iEを3.0アバンテG/ツアラーVに、Eを2.5アバンテ系/ツアラーSに搭載しています。(4WD/1G-FE=電子制御ECT、1.8/2.4D=4AT 5MTはツアラーVとツアラーのみに設定)
ETC-iEはインテリジェントATといわれECT-Eと併せて燃費や登坂降坂をも考慮した自動変速を行う夢のAT!更にiEでは各ドライバーの運転趣向を判断し〈燃費指向←→パワー走行指向〉まで行うものでした。

ツアラーに特化した新装備としてVのMTにははトルセンLSDを標準装備(ATにop)、徹底した走り趣向をここでも訴求しチェイサー史上最もスポーティに振られこのような走りキャラクター設定がマニアックな人気要因の一つだと…

↓V、MTには走り屋には“必須”のLSDを標準装備!


また、ツアラーシリーズ全てに消費電力は下がりながらもハロゲンの明るさ、寿命を大幅に上回るディスチャージライト(他にキセノン/HIDとも呼ばれますネ!)をトヨタしては初採用、BMWで91yに初めて自動車に採用以来注目のアイテムでした!
日本では大型の三菱ふそうスーパーグレートが初採用して以来現在は汎用などの普及もあり一般的になりましたがまだまだ高価で希少な時代に標準装備され大きく注目されておりこれを初めて味わった時(スパグレですが…)ハロゲンと較べ絶大な明るさと綺麗な白/青の光は見かけもながらすっかり加齢で目が衰え夜間のドライブに若干の不安が出始めたワタクシは一気に魅せられてしまいましたねー。
かつてシールドビーム→ハロゲンに進化した時代を知る年代ですがその時よりも衝撃の明るさ&見易さに感激したのを憶えています!

↓HIDをトヨタでは初採用し大注目されたツアラーシリーズ(ツアラーS前期)


ツアラーシリーズには欧州車では一般的だったゲート式ATセレクターが採用され操作性の向上とスポーティイメージを高めています。
ゲート式、今やメジャーになりましたしこの頃でも外車では当たり前でしたが国産でこれは馴染みがなくストレートのセレクターに馴れた身には操作性に独特さがあり違和感がありました、しかし馴れると扱い易く何故もっと早く普及しなかったかが不思議に思います。

↓ツアラー系に採用されたゲート式ATセレクターレバー


↓最高峰“V”と共にツアラーシリーズを形成する『2.5ツアラーS』㊤と『2.0ツアラー』㊦



ツアラーには別枠?にてトヨタ特装(TECS)扱いで持込み車検となるTRDスポーツの設定も注目、TRD製グリル/各エアロパーツをまとうその佇まいは一層ツアラーの魅力を高めていた“特別仕様”でした!

↓ツアラー系特装モデルである『TRDスポーツ』


TRDバージョンまで投入しスポーツ路線を本気で進むチェイサーは当然の如くレースにも参加、ご承知の通り4発の3S-GE型エンジンをミッドシップに改造搭載して全日本ツーリングカー選手権 (JTCC)に登場しサーキットでも活躍していました!!

それではモデル改歴です(主要のみ)

(98/8)
MCで後期型となります。
前後意匠変更に加え2.0L 1G-FE型エンジンもBEAMS VVT-i機構を採用し出力を140ps→160psにアップします。
Fr/Rrは好評の為大幅な変更はなくFrはグリルデザインを、Rrはテールランプを3分割をハーフクリアレンズの丸型2灯に改めライバルのスカイライン真っ青なデザインとなっていました!

↓98/8、MCで後期型となります(㊤後期2.0ツアラー/㊦2.5アバンテG)



(01/6)
人気UP!!!で好評だった100系チェイサー、兄弟のマークⅡが00/10に時期型X110系にFMCした後も継続されモデルライフは異例の5年を数えました。
しかしクレスタと合わせた3兄弟の販売低下、セダンモデル需要縮少の荒波を避ける事はできずリストラ策が取られ01/6にチェイサーはクレスタと統合、X110マークⅡとシャーシを共用しながらマークⅡとは全く性格を異にするパーソナルセダンの ヴェロッサ に産まれ代り77年6月にデビューからちょうど24年でチェイサーはその歴史の幕を閉じました…。

↓“本家”マークⅡはセダン市場の厳しい中でも00/10に8代目(最終)がデビュー


↓チェイサーはクレスタと統合され“新車種“『ヴェロッサ』へ…



常にマークⅡやクレスタの影に怯え?顔色を伺った?“偉大なる“UP! DOWNのチェイサー!!!”、最後にして3兄弟中最高人気を獲得し華々しい最後を遂げ現在の中古車市場でも未だ影響力を及ばす100系ツアラーVの存在が貴重な置き土産だったかもしれませんね。。。
チェイサー、その24年の歴史をあくまで兄弟との比較ではなく評価/販売台数から考慮し改めて振り返りますと…
初代X30/40系(UP!!!)→2代目X60系(DOWN!!!)→3代目X70系(UP!!!)→4代目X80系(DOWN!!!)→5代目X90系(UP!!!)→6代目X100系(大幅なUP!!!)
になると思います。見事にシーソーのようにUP!!!DOWN!!!を繰り返すチェイサーですが最後の100系で誕生以来、ライバルとしていたスカイラインにようやく評価も人気も届き有終の美を飾ったと思います!!

後続のヴェロッサが強過ぎる個性で大コケ、結局チェイサーのDNAはマークⅡから改称された現行マークXに継承されますが同車のスポーティな味付けを見るとかつてのマークⅡよりも初代や最終チェイサーのDNAを感じるのはワタシだけでしょうか…!?
4HTがステータスで大人気、注目の的で元気だった頃の生き証人チェイサー、個人的に記憶に強く留めておきたいモデルに認定してチェイサーの巻を終わりにしたいと思います!!

チェイサーシリーズ・・・終
Posted at 2017/08/23 00:19:38 | コメント(1) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年10月05日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編⑤

 保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編⑤
偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 25弾はチェイサー最終1コ前となる92/10発売の『X90系5代目チェイサー』を取り上げます!

90系はこの時期、徐々にセダン人気の衰退も始まりさすがのマークⅡ(チェイサー/クレスタ)の神がかり的販売も70~80系のようにはいかずバブル終焉と共にダウン傾向になりますがそれでも他車に較べればダントツ、今でもまだまだ見かけるモデルですね!
ワタシも仕事上のしがらみでトヨタに乗らなきゃならない立場におりならば!!と2台目のチェイサーは80時代に登場していた1JZ-GTEを味わいたく中古ながらこれの搭載モデルに1年程乗っていました!

90系はボディ、シャーシを併せて全車3ナンバーモデルに移行、この時期に極端に丸くなったトヨタのデザインテイストを注ぎ込みながらも伝統のロングノーズに小さめのキャビン、尻をピーンと張った堂々としたスタイリングを維持、カローラ(110系)やコロナ(190系)が極端に丸味帯びた中でも流麗な柔らかいラインの中にも直線的なティストは残しFrには初代30系のグリルデザインを70系に続いて取り入れ古くからのチェイサーファンをリスペクトしていました!

↓92/10~、5代目となったX90系チェイサー(前期3.0アバンテG)


ただ90系では時代の流れもあり車格は完全3ナンバーに上がりながらも随所にコストダウン化が図られ残念な事に70/80では見惚れる(?)程の内装の造り、仕上がり度はダウン、従来モデルを知る者には正直室内に入ると落胆しかなかった感じでしたね~。
これは単に見栄えだけではなく良く言えばシック/シンプルになったのかもしれませんがワタクシ的に遣い易く感嘆したサテライトスイッチも廃されてしまったインパネの造りやピラーやドア内張りの造りなどは表面もですが剥がした裏側なんかを見ると特に70系なんかは“過剰品質” “オーバーデコレーション”気味でしたからクラウン寄りの完成度だった同車がカローラ寄りになってしまったのがあからさまでガッカリでした、「これで300万オーバー?」って感じで…

↓90系最高峰、『3.0アバンテG』のインパネ&室内



↓コストダウンされながらも時代の要求もあり新たに装備されたエレクトロマルチビジョン(アバンテGにop設定)


兄弟であるマークⅡ/クレスタも当然同時にFMC、チェイサーは4HT専属でマークⅡはフルラインナップ、クレスタがセダン専属というシリーズ展開にに変更はありませんがこれもコストダウン、セダン人気の低下の煽りを受けマークⅡのセダンは80系を、バン/ワゴンは70系をMCして継続しています。
マークⅡ4HTとチェイサーはボディを供用するのも80系から継承しますがFr/Rrは大幅にリ・デザインされ70系ほどではなくとも完全双子だった初代(30/40)、60、80系と比較してオリジナリティを感じさせる演出がなされています。
尚、クレスタはやはり唯我独尊で別の世界、需要に訴求しています!

↓チェイサーと同時のFMCし90系となったマークⅡ/クレスタ
(㊤マークⅡ4HT2.5グランデG/㊥㊤同2.0グランデ/㊥㊦クレスタツアラーV/㊦同2.5スーパールーセント前期型)





スタイリングはマークⅡ4HTが60系より伝統のスラントノーズを基本とした流麗でスポーティさを表すのに対しチェイサーでは70以来久しぶりの直立した精悍な顔付、Rrビューはハイデッキスタイルは共通するもマークⅡがスポーティな細目横長のテールランプ、チェイサーはエレガントな大きめの横長テールを採用しかつての60系4HTのちょうど逆のテイストとなっていました。
クレスタは80から継承するプレスドアを採用、ツルンとした印象のチェイサー/マークⅡ4HTと比較して骨太感がありよりフォーマルでジェントルなイメージを強めています。
ワタクシ、こちら でも記載した通り90系では一番クレスタのデザインがお気に入りでしてホントはチェイサーではなくクレスタのVに萌え萌えでしたが中古で探すにはタマが極端に兄弟2車に較べ少なく妥協のチェイサーでしたので今もクレスタのVには心残りがあるかも…です!!

それでは90チェイサーのモデル概要です。

(サイズ)
:全長4750全幅1750高1390 ホイールベース2730(以上mm)
(車重)
1390kg(2.5アバンテG)
(定員)
5名
(エンジン)
4S-FE型 水冷直4 1800cc ハイメカDOHC 16バルブ EFI 120ps  
1G-FE型 水冷直6 2000cc ハイメカDOHC 24バルブ EFI 135ps
1JZ-GE型 冷直6 2500cc DOHC 24バルブ EFI 180ps
1JZ-GTE型 水冷直6 2500cc DOHC 24バルブ EFI IC付ツインターボ 280ps
2JZ-GE型 水冷直6 3000cc DOHC 24バルブ EFI 220ps 
2L-TE型ディーゼル 水冷直4 2400cc OHCターボ 電子制御燃料噴射ポンプ97ps
(以上ps表示はネット値)

(駆動)
FR
(ミッション)
5MT/4速AT(OD付/2ウェイ電子制御ECT-S)
(脚回り)
ALL(Fr/Rr)ダブルウィッシュボーン4輪独立懸架
(ボディ)
4ドアHT
(バリェーション)
1800 (型式SX90)
XL/ラフィーネ
2000EFI 24バルブ (型式GX90)
アバンテ
2500 TC24(型式JZX90)
アバンテ/アバンテG/ツアラーS
2500 TC24 ツインターボ (型式JZX90)
ツアラーV
3000 TC24(型式JZX91)
アバンテG
2400ディーゼルターボ(型式LX90)
XL/ラフィーネ

ボディもシャーシも完全3ナンバーモデル化しており外観は堂々とした大きさが更に丸味帯びたデザインで風格が強調されデビュー時は見る者を圧倒する程の押し出し感があったように感じます、メインエンジンも3ナンバー化に併せて2.5Lを主流としたモデル展開となりました!
しかしこの大きさに対して室内は伝統的なタイトさ、もちろん必要最低限以上の広さはあるもののボディの大きさに比較すると「なんでこんなに狭い?」って嘆きが出る始末orz…
身長174cmのワタシが楽な運転姿勢のシートポジションにすると真後ろではややレッグスペースが不足する感じがありヘッドスペースは80よりは快適になっているもFRの4HTという部分を差し引きしてもチェイサー(マークⅡHT)とうモデル、最初から最後まで“外寸と内寸の差”にいつも疑問符が付きまとっていた感じでしたね~、しかしドライバビリティに不満はなくDと1.8Lにアンダーパワー感とDでは騒音に若干の違和感はあるもののG/JZ系では不満はなく2Lの1G搭載モデルでも非力感はないシズシズと高級車らしい走りは及第点を得ていたと思います。

搭載エンジンはほぼ80後期と同一ながら遂に、と言うかようやくM型が完全淘汰され代って最上級3Lに搭載されたのは2.5L 1JZ系のスケールアップ版である2JZ-GE!
旧いM型と較べレスポンスはその設計年度を如実に伝えMの重圧なエンジン音を失いメカニカルノイズが高い軽々しい音質となったJZ系は回転も軽々しく大きな重量級ボディ(80系よりはサイズ拡大ながら若干の軽量化を実現)を俊敏に走らせていました。

↓長く搭載されたM型に代る新搭載3Lの2JZ-GE TC24エンジン!


↓最高性能バーションはお馴染2.5Lツインターボ1JZ-GTE型280psを継承


他にこれまでNAとターボのラインナップだったDモデルはターボのみとされ従来の2.4LD 2L-T型にボッシュ製電子制御燃料噴射ポンプを装着した2L-TE型とされ94ps→97psへと出力アップされました。

90系では脚廻りが見直されFrもWウィッシュボーン化、80からRrに採用されたWウィッシュボーンと併せこの代より廉価版においても4独サスを得ております。
これは廉価版の底上げというよりも全車共通化によるコストダウンという局面が強いものでした。
GTツインターボからグレード名変更されたツアラーV及び新設であるこれの廉価版ツアラーSではRrにスタビライザーを装着しより固めた脚としていましたがこれも伝統的にトヨタのハーダーサスの味付けでNAのSならば充分過ぎる性能ながらVでは役不足、TRC切って振り回そうものならタイヤより先にサスが悲鳴を上げる感じでATでイージーに乗るだけならともかくMTでそれなりに280psを生かそうと思えば強化は必須でした。
アバンテG以下ではストラット→Wウィッシュボーン化により軽快さはなくなりながらも重量級ボディをしっかり支え頼もしさは増しておりました!

↓ALLダブルウィッシュボーンの4独となった脚廻り


グレード設定は永らくチェイサーの底辺を支えてきたXLとXGをXL及びラフィーネ(60/70までのXGエクストラ)に統合してXGを廃止、また、アバンテの影に隠れ地味ながら2L廉価として初代~80まで存在したSXLも廃止、先記の通りスポ根系のGT TWIN TURBOをツアラーVに改称、これのNA版にツアラーSを設定しています。
アバンテ系は唯一2L 1G系が生き残った2.0アバンテを旧SXLの立位置としこの代からメイン化したNA2.5Lのアバンテ/同G、そして最高峰にM→JZ系に換装した3.0アバンテGとなっています。

↓最高グレードとなる『アバンテG』は2,5/3.0に設定


↓アバンテGにop設定されたパワー機能付本革シート


↓“GT TWIN TURBO”より改称された『ツアラーV』とそのNA版『ツアラーS』


↓ツアラー系はアバンテ系とはイメージを異にするスパルタンなインテリア!!             


↓普及版2.5/2.0アバンテ及び廉価版となるラフィーネ/XL



80にてop設定のSRSエアバックは相変わらずop設定、この辺では当時『全車エアバッグ装備』を売りにしていた日産に遅れを取っておりローレル/スカイラインはおろか大衆車の粋にまでSRS(運転席)を標準装備化した日産に倣い後期モデルライフ中にチェサーも標準装備されています。

↓前期ではop、後期末期から標準装備となったSRSエアバッグ


それではモデル改歴です(主要のみ)

(93/10)
フルタイム4WDシステムを備えた『アバンテFour/同G Four』を追加設定しています。
Fourは雪国などに配慮した実用4駆バージョンであり2.5Lの1JZ-GE搭載のアバンテと同Gのみのラインナップでありスポーツ4駆に当時君臨したギャランVR-4やレガシィに対抗したツアラー系へのフィートバックはなされていません。
しかし実用4駆ながら三菱/富士重の努力からかつては特殊ユーザーにしか需要のなかった4WDが最多販売モデルのマークⅡ(チェイサー)にお目見えしたのも時代の流れを感じさせました!

↓『TOYOTA Four』としてこの時期広く普及した4WDシステム


(94/9)
90系デビューきっちり2年でMCが施され後期型となっています。
後期は70や80同様にお決まりの前後意匠変更をより高級感を持たせたイメージへ変身させるモノですがワタクシ個人的には70も80も90もシンプルな前期型に魅せられますねー、後期はいつも何故かオーバーデコレーションなイメージが顕著で好感が持てませんでした…
Frはグリル造形をより凝ったモノとしRrはテールレンズのマークⅡには採用されないホワイトレンズをまとったのが売りでした!

↓94/9~の後期型90チェイサー(後期2.5アバンテG )


 
↓後期型ツアラーV


↓後期型2.5アバンテG Four


比較的好評だった90系、後期型となっても変更はほぼフェイスリフトのみで目立った改良/変更はありませんでした。

(95/9)
全車に運転席SRSエアバッグを標準装備

(96/9)
モデルライフのジャスト4年にてFMC、いよいよチェイサーは6代目で最終モデルの100系となります!

↓96/9に最終型にFMC!!


バブル到来→バブル真っ盛り一転して不況が襲った時期にデビューした90系、時代の流れから余儀なくコストダウン化され完成度は日本の良き時代にデビューした60、70~80比較してイマイチでしたがセダン衰退期にかかりながらも相変わらずのUP人気を維持(マークⅡ)、チェイサーに関してはまるっきりのマークⅡ双子だった80時代よりも若干オリジナル度を増した点が評価されたのか人気UP!!で販売も好調でした!
特に走り屋層には貴重になりつつあった縦置き6発FRのツインカムツインターボのツアラーV、これに至ってはマークⅡと較べ少数モデルと言う部分もありクレスタの同グレードと共に一部ではマニアックな人気を獲得、スカイラインGT-Rなどと較べ後年中古になり値もこなれてきたのもこれの大きな要因でした。
100系はこのイメージに特化し久しぶりに初代の立位置に還ったマークⅡを上回るスポーティな出で立ちでデビューします!

果たして最終100系は有終の美を飾れるか?次回をお楽しみに!!

(次回6代目LX/SX/GX/JZX100系チェイサーに続く)
Posted at 2017/08/22 23:46:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年10月04日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編④

 保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編④偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! いよいよチェイサーの巻も終盤に入って参りました!
引き続きその歴史を辿りUP/DOWNを検証します!

戦後の日本で最もいい時代=バブル期の入り口で登場した3代目X70系チェイサー、バブルの勢いと併せてメーカーの本気のテコ入れもあり販売台数1万~2万台のだったところを一気に6万台オーバーという実績を伴うモデルへ成長、もちろん本家マークⅡのそれには及ばないながら初代/2代目がマークⅡの“オマケ”的な受け入れから重要なトヨタの車種編成上の戦略モデルに成長しました!

初代~2代目がマークⅡのスポーティ版的性格を鮮明にしていたのに対し70系ではオリジナリティ、独自性を持たせたそれまでのマークⅡvsチェイサーの性格を逆転させたかのようにチェイサーに高級感とパーソナル性を与えた事が“少数派”の支持を取り付け人気UP!!!となった3代目X70型、その後継として88/8に登場したのが4代目X80系チェイサーです。

X80系でも70時代に培った“マークⅡの少数で高級バージョン、パーソナルイメージ”を続投しますが残念な部分は70ではマークⅡとボディ(スタイル)をオリジナルとし独自性がより鮮明だった部分を初代30/40系~2代目60系同様に単なるマークⅡの着せ替え版=双子に戻ってしまった点でした。
70系のカクカクデザインを抑え旧70マークⅡ4HTのスラントノーズを継承し全体のフォルムを丸味を持たせた当時のトヨタのデザイントレンドを採用、マークⅡの顔やお尻をリ・デザインしいい意味でも悪い意味でもチェイサーらしい主張はしていましたが同時期の80クレスタが初代50系から貫く“オリジナル”を通していた為、チェイサーは再びマークⅡの変わり種!?に成下がった印象になった感があり、正直「な~んだ…」的感覚でこのFMCを個人的には捉えていましたね~。。。

それでもマークⅡと比較して凝った造形のグリル、RrスタイルはマークⅡがテールランプの間にナンバープレート位置を持ってきた平凡なデザインに対しチェイサーでは横一文字のテールにガーニッシュを装着しナンバーもバンパー下に移しより高級かつ凛々しさを強調、以前はマークⅡに対し“手抜き”的デザインが風説だったところに ~チェイサー、マークⅡより金かけてんじゃ?~ と感じれるレベルになっていました。
尚、先代同様チェイサーは4HTモデルのみ(マークⅡ双子)、マークⅡはセダン/4HT(バン、ワゴン)、クレスタはセダンというラインナップです!

↓88/8に登場した4代目X80系チェイサー(前期2000アバンテG)


↓横一文字&センターガーニッシュが凛々しい80系チェイサーのRrビュー
(前期2000アバンテG) 


このリ・デザインが成功したのか?マークⅡとのボディ共用化はさほどマイナスポイントにはならずチェイサー人気も70と比較して極端に下がる事もなく販売も順調に推移していたようでチェイサーにとっては喜ぶべき事ですが個人的には一度オリジナリティが高められた後だけあり納得できない感がありました、ワタクシ、やはり少数派民族なので贔屓モデルの再度の双子化は残念で…

↓再びボディを共有するX80系マークⅡHT(前期型)


悔しい?のは同じ兄弟車のクレスタがチェイサーが双子化になった分なのか?コストがかけられベースをマークⅡセダンに置きながらも全くのオリジナルなボディをまとっていた事です。
マークⅡセダンにはない新たな感覚のプレスドアを採用しながら全体のデザインに50/60~70の伝統を醸し出し非常にフォーマル感、パーソナル性が高められ歴代3兄弟でも最もクレスタ人気が高かったのもこの80系のように思います。

↓こちらは伝統的に保守的なデザインで通すX80系マークⅡセダン


↓マークⅡセダンベースながら独自のオリジナル、個性を持つX80系クレスタ


それでは80チェイサーのモデル概要です。

(サイズ)
:全長4690全幅1695高1375 ホイールベース2680(以上mm)
(車重)
1350kg(アバンテTC24)
(定員)
5名
(エンジン)
4S-Fi型 水冷直4 1800cc ハイメカDOHC セントラルインジェクション(Ci)105ps  
1G-FE型 水冷直6 2000cc ハイメカDOHC 24バルブ EFI 135ps
1G-GE型 冷直6 2000cc DOHC 24バルブ EFI 150ps
1G-GTE型 水冷直6 2000cc DOHC 24バルブ EFI IC付ツインターボ 210ps
1G-GZE型 水冷直6 2000cc DOHC 24バルブ EFI S/C(スーパーチャージャー)170ps 
2L型ディーゼル 水冷直4 2400ccOHC85ps
2L-T型ディーゼル 水冷直4 2400cc OHCターボ 94ps
(以上ps表示はネット値)

(駆動)
FR
(ミッション)
5MT/4速AT(OD付/同2ウェイ/電子制御ECT-S)
(脚回り)
Fr ストラット/Rr トレーディングリンク(XL、XG、ラフィーネ )
Frストラット/Rr ダブルウィッシュボーン(SXL、アバンテ系、GTツインターボ)
(ボディ)
4ドアHT
(バリェーション)
1800 (型式SX80)
XL/XG/ラフィーネ
2000EFI 24バルブ (型式GX81)
SXL/アバンテ
2000 TC24(型式GX81)
アバンテ
2000 TC24 ツインターボ (型式GX81)
GT TWIN TURBO
2000 TC24S/C(型式GX81)
アバンテG
2400 ディーゼル (型式LX80)
XL
2400ディーゼルターボ(型式LX80)
XL/XG

80系はシャーシを新設計、全長、ホイールベースも拡大され前後トレッドと幅も拡大、特に全幅では5ナンバーぎりぎりの数値となっています。
代って全高はチェイサー(マークⅡ)HT史上で一番低い1375mmというモノ、これは当時カリーナEDを始めと異様とも思える程の背の低い、クーペ並の新鋭4HTブームが到来しており正統派!?である旧来の4HTであるチェイサーもこれに呼応したものでした。

エンジンは全てネット表示に変更、そして1800の1S-U→4S-Fiに、2000の1G-EU→1G-FEに換装されました!
新たにS型G型とも『F』の文字がエンジン形式に入っていますがこれは現在にも続く狭角4バルブDOHCを表すもので今やお馴染の『ハイメカツインカム』というヤツ、これは従来のDOHCの高出力、大パワーを狙ったモノではなく一つのギアで2本のカムを作動(従来型DOHCは2本のカムを2つのギアで駆動)この為狭角で効率の高いクロスフロー式ペントルーフ型燃焼室の採用が可能となりかつコストは従来のDOHCに較べて安く性能的には従来型DOHCには及ばないながらもツインカム化により高効率の燃焼により燃費やトルク、psもSOHCに較べ向上が謳い文句!!
この“ハイメカ”技術の開発によりトヨタは1Gから始め次々に一般仕様の各SOHCエンジンをツインカム化、これに倣い日産他メーカーも追従、今やシングルカムの方が珍しく猫も杓子もツインカム!バントラにまでDOHCが載せられるという60年代~80年代のDOHCの希少さを知る者にとっては驚愕時代!その始まりがこの時期でした…
尚トヨタは従来型DOHCを“ツインカム24(16)バルブ”または“スポーツツインカム”、ハイメカを“24(16)バルブ”または“ハイメカツインカム”と呼び分けその性格の違いを印象付けています。

エンジンバリェーションはデーゼルと1G TC24/ツインターボは70系からのキャリーオーバー、上記の1G-FEと4S-Fiの他1G TC24(1G-GE)にS/C=スパーチャージャーを装着した1G-GZEも新たにラインナップに加わっています!
S/Cはターボチャジャー程大袈裟な仕掛け?がいらず比較的リーズナブルで簡単な設計にてパワーアップができご存じの通りターボのタイムラグがなく低回転から排圧がかかり安定したトルクが確保できNAで慣れたドライバーには違和感なく安心安定した高性能が満喫できるエンジンとしてこの時期トヨタが凝ったモノでしたがターボが一般化して既に10年近くが経っており絶対パワーはターボに敵わない事とターボの技術が進化して急激なトルク変動も抑えられドライバビリティがさほどNAと比較して違和感も薄れた事がありトヨタの目論みは外れ普及する事なく廃れていきました。
ただ1G-GZはベースの1Gが秀逸だった事もあり非常にバランスが取れた乗り味でツインターボの暴力的な激しさもなくスポーツ好きには物足りないながら一般ユーザーには充分以上の高性能が気負いなく味わえるエンジンでしてワタクシはこのフィーリング、好きでしたネ~! ただ1Gもハイメカ化したりTC24/ツインターボもラインナップされている中であえてこれを選ぶという必要性はなく半端な立位置が災いし普及しなかったのが惜しいかも。。。

↓1G-GEをS/Cでパワーアップした1G-GZE㊧とハイメカツインカム化された1G-FE㊨


1Sをハイメカ化した4Sに組み合わされたCi=セントラルインジェクションは電子燃料噴射の制御システムをスロットルボディに一体化してコストを抑えた簡易型インジェクションで高性能とリーズナブル化を狙った新エンジンでした。
旧1Sと較べその回転の上がり方は仮でもツインカムらしく鋭い吹け上がりでやはり廉価版の常であるオーバーウェイト感の完全なる払拭には至っていませんが軽々しい音質は1S譲りで軽快感がありスピードが乗ってしまえば何ら不自由のないエンジンだったと思います。

↓70から継承する人気の1Gツインターボ/同TC24㊧と1Sをハイメカ化した注目の
4S-Fi㊨㊤とお馴染みデーゼル2L-T/2Lエンジン㊨㊥と㊨㊦


尚、この時からエンジン型式に排ガス対策を示す『U』が全てのエンジン表記から省かれています。

脚廻り、普及型のXL/XG、そして馴れ親しんだXGエクストラがネーミング変更された『ラフィーネ』には従来通りのFrストラット/RrリジットのままながらSXL以上の上級モデルはFrストラットはそのままにRrはWウィッシュボーンに変更されています。

↓上級モデルはRrをWウィッシュボーンの4独に変更!!


80系はマークⅡ/クレスタ含め様々乗りましたがこのRrサスの変更はそれまでのRrセミトレと較べて重厚な乗り心地となっていた感じが強いです。
特に70から追加されたハイパワーのツインターボでは明らかに脚がパワーに負けており元々定評あるライバルの日産スカイラインに追い付けないチェイサー(マークⅡ)唯一の失点でしたがこの変更によりセミトレのしなやかさが影を薄めた半面、文字通りしっかりと地に足を踏ん張る感覚が高まりワインティングでも70までのどこか不安が拭えなかった部分をかなり矯正してくれていました。
これはFrのキャンバー角を従来と比較し大幅に深くした事もあると思いますが“直線番町”的だった走りに安定したコーナリング性能をプラスし走りのイメージはかなり好感触になりましたねー…
但し全高の低さからなる居住性には非常に窮屈感がありホイールベースの拡大からなる足元、特に後席での広がりとトランクスペースも大きくなりながらも全てがヘッドスペースをつめた事がぶち壊しにする“狭っ苦しさ”が個人的には印象に残るモデルとなってしまいました。

グレード編成は先記のラフィーネとS/C搭載の『アバンテG』の新設以外は従来を継承しています!
アバンテGはエンジン性能的にはNo2ながら(1は当然ツンターボ)装備や位置付けはチェイサーシリーズの最高峰となりツインターボ同様のABS(4ESC)やTRCが設定されかつツインターボやアバンテにはないオートドライブやキーレスエントリーをも装備する贅を尽くしたグレードでした。

↓先代同様に最大級のパワーを誇る2000GTツインターボ



↓ハイメカ1G-FEを搭載したアバンテ24バルブ(前期型)



80系よりあの70ではこれ見よがしの毒々しい“ワイレッド”を基調にした大袈裟な高級さを謳う悪趣味?は飽きられたかベージュを基本とした70と較べると落ち着いた色調に変更(ボディカラーによってはワンレッドも継続)しています。

↓“キャバクラ”から品のいいラウンジ風味に変更された内装(ラフィーネ室内)


また細かい事ですが現代での常識装備となるアンカー調整機能付シートベルトやそれまでスィッチの前後を押す事でウィンドゥの開閉を行うのが当たり前だったP/Wが夜間の誤作動防止を念頭に入れ押す→開く、引く→閉まるという方式に改良されたのもこの代からとなり以降トヨタ車は全てこのタイプとなり他社も追従し現在はほぼこの形が当たり前となっています。

↓アンカー調整機能付シートベルトと新方式のスイッチとなったP/W



他にも先代で採用され非常に遣い易く好評だったサテライトスイッチ=これはステアリング左右のインパネに緊急性はないながら比較的良く使う空調、オーディオ、ハザードやフォグ、電動ミラー関係のスイッチを左右にまとめてハンドルから手を離しても視点を動かさずにこれらが操作できる優れモノでトヨタらしい気の効いた親切装備、ワタシもこれには脱帽でした(瞬時に操作が必要で慣れ親しんだ位置から移動したライトやワイパーをこれにしたクラスタースイッチは嫌いでしたが…汗)が80ではより機能を充実させ進化していました。

↓好評サテライトスイッチは70から発展継承!


そして空調パネルにも楽しい(?)仕掛けがありスイッチによりオープン←→クローズしAUTO時はクローズのまま、きめ細かい空調を行う場合はオープンにするというアイデアは子供騙しながら乗ると何故か開け閉めしたくなったりして用もないのその操作をしては楽しんでたりと(笑)

↓開閉式の空調パネル


尚、上級アバンテ/同Gには後席ヘッドレストもレバー一つで格納ができ後席非乗車時は広い後方視界を確保できる等の至れりつくせりの装備がクラウン譲りで装備、併せてFrパワーシートも採用、調整は手動ながら電動ランバーサポートや細かな調節が可能でかつホールド性も高い本格的なスポーツシートがGTツインターボに採用されています。

↓GTツインターボのスポーツシート㊧とアバンテ/同Gのパワーシート


↓アバンテ以下の前期80系バリェーション


それではモデル改歴です。

(89/1)
それまでガソリンモデルのみだったラフィーネにDモデルを設定、2L-Tを搭載。

(89/8)
最高峰モデルとして三度M型エンジンを復活搭載、『3000アバンテG』を追加設定します!
これまでオーバー2L、3ナンバーはマークⅡの聖域で双子ながら歴代チェイサーには設定されなかった3ナンバーモデルが遂にと言うか、ようやくと言うか解禁されました。

↓チェイサーとしては初の3ナンバーモデルとなる『3000アバンテG』


世はバブル真っ盛りの平成に突入、外圧からなる普通車(3ナンバー)の税制の改正もあり三菱が一早くこれに呼応し3ナンバーモデルを一気に充実させトヨタもかつての30/40~60ではステータス扱いだったマークⅡ3ナンバー(70では未設定)をクレスタ/チェイサーにも拡大させて再登場させた訳です。

3LのアバンテGに搭載されたのは久々、三度の登場となるM型エンジン!
しかしそのM型はマークⅡ/チェイサーから消滅後もクラウン/ソアラ/スープラでは依然生き続け、もちろんその間には数々の改良とリフレッシュ、進化がなされており熟成された7M-GE型となっています!
7M-GEはシリンダー以外殆ど新設計と言っていい程のモノで“LASER”を名乗る軽量化も実現、かつての4M型2.6Lを3Lまで拡大しヘッドをDOHC化、もちろん“旬”である24バルブとしておりその実力はかつて51/53年規制適合直後の「重い、回らない、走らない」という悪印象はすっかり影を潜めトルクでグイグイと力強く引っ張りクラウン等に較べれば軽量のマークⅡ/チェイサーを2Lでは味わえない3Lならではの余裕と力強さを実現していました。。(型式MX83型)

↓カムバックM型となる7M-GE型は3L 直6 DOHC 200ps/27kgmという実力!


3000アバンテGは2000アバンテG(S/C)の装備に準じエンジン性能もツインターボを上回る名実共の最高グレードとなります!

(89/10)
特別仕様の『アバンテ・ロードリーTC24』設定。

(90/4)
特別仕様『アバンテ・ロードリーパールマイカ』を設定。

(90/8)
MCで後期型となります。
後期型、お約束の前後意匠の変更に加えて搭載エンジンの一部換装と安全対策の拡大がなされています!
新意匠となったFr/Rrビューはより高級感を醸し出す造形となっていますが個人的にはこれはやり過ぎと…
まず前期と較べゴテゴテとオーバーデコレーションになり前も後ろもライト部に無意味なアールが付けられ成金悪趣味的になってしまいとても好感の持てるモノではなかったです。。。
同時にMCしたマークⅡが前期より高級感を増しプロジェクターランプ等も採用し非常にスタイリッシュになった半面チェイサーはマークⅡに負けじと無理矢理豪華にしたような感じが鼻につきましたねー。
前期のマークⅡの素っ気なさが両モデルをこのように変貌させたのかもしれませんがチェイサーに関しては圧倒的にワタシは前期支持です!

↓90/8~の後期型Fr/Rr



エンジン換装は1800の4Sがciから一般的なEFIに変更、4S-FE型となりpsを115psに高めています。
そして新設計2.5Lとなる1JZ-GTE型がツインターボの1G-GTEに、排気量アップによりNAながら旧1G-GZEの性能を上回る1JZ-GE型に代って搭載となります。(型式JZX81型)
1JZ-GTE=ツインターボは遂に当時生きていた馬力自主規制枠いっぱいとなる280psを背負ってデビュー!(トルクは37kgm) これは平成元年の日産フェアレディZ(Z32型)→久しぶりのGT-R復活で話題のスカイラインR32 GT-Rで当時国内最高psを叩き出し大喝采を浴びた日産への反撃の第一歩でA70(JZA70)スープラ2.5ターボ/同Rとほぼ同時にデビューしたもの。
ZのVG30DETT(3L)、GT-RのRB26DETT(2.6L)と較べ280psとしては当時排気量は2.5Lという最小のモノ、数値上ではRBの36kgmを上回っているもののフィーリングでは敵わず実力も重いVGはともかく(VG30DETTは40kgm近いトルクながら重々しくて1JZに分がありましたね~…)同じ縦6、24バルブDOHC ツインターボのRB26がレース参加前提で開発された1級のシャシと駆動システムを持つGT-Rの足元にも及ばず日産信者からは“伊達280ps”と揶揄され不名誉な侮蔑的な言葉を浴びせられた1JZ-GTE、しかしレース参加前提というしがらみの中で開発されたRB26が税制上では3Lと同じカテゴリーとなってしまいその点2.5Lならば1段階低い税制で対応できるという誠にトヨタらしい発想で制定されておりこの目論見は見事に日産派以外のユーザーの気持ちを捉えGT-Rに較べれば性能は落ちながらも充分過ぎるパワーと“280ps”というステイタスで1G-GTE時代以上の支持をスープラを含め得ておりその1級品の性能と少量生産から新車時/中古になっても高値維持でなかなか手にできないGT-Rに較べ中古であればリーズナブルに手にできる1J-ZGTEの普及はRB26DETTのそれには比較できない数で未だ数少なくなった現代の走り屋層の注目のエンジンとなっていますネ!
2.5Lという排気量は税制改革をうまく捉え 初代三菱ディアマンテ(F1/2系) が90/5に設定し人気を得た排気量、従来の2L+5000円の負担で余裕ある力が得られステータス感の強い3ナンバーが付く、という部分から脚光を浴びておりトヨタもこれに追従したものでした。

↓憧れの280psを実現した1J-ZGTE型エンジン


↓280psを搭載する新設『2.5GT TWIN TURBO』


1J-ZGTE、後に愛車(JZX90チェイサー)にしましたが確かにGT-Rや下手したらエボⅣ以降の4G63にも劣る感じで「ホントに280ps?」って感じでしたが上記モデルが4駆、80~100系JZXやJZAではFRという部分が魅力でTRCを切れば即座にドリドリ走行が可能で遊びで走らせるにはGT-Rやエボより楽しくワタシも雨の中やワィンティングではTRCを切って夜な夜な回したりして楽しんでました(^^;)
FRには丁度いい以上のパワーでかつてのFR全盛時代の名残も感じられるこのモデル、高性能で安心で誰でもスっ飛ばせる4駆の“速さ”には敵わないものの4駆で回しながらのコントロールできる程、腕がないので1JZ+FR、今もたまに歳甲斐もなくこの味を味わいたくなります!!

↓こちらはNA版である1JZ-GE型エンジン(2.5L NA DOHC 24V 180ps/24kg)


↓NAの1JZ-GEを搭載する2.5アバンテ/同G



尚、このMCで全車にSRSエアバッグをop設定、3000/2500アバンテGには本革シートもop設定されています。

↓後期よりop設定されたSRSエアバッグとアバンテGに用意された本革仕様



(92/10)
モデルライフの4年を2カ月超えた92年10月、チェイサーは5世代目へFMCします。
5代目は80系後期で迎えた1JZ、2.5Lをメインにし全モデル(2L/1.8L含め)3ナンバーボディへ発展、新世代のハイクラスセダンへと進化していきました!

↓全種3ナンバー化した5代目X90系チェイサー


80系、モデルライフ途中に起こる時代のトレンド変化を巧みに取り入れ280psを誇るスポーツモデル、3ナンバーが新たに一般化した2.5Lモデルの設定、オリジナル度が高く意欲的だった70系程の人気は誇れずも大きく人気をDOWNさせる事もなく順調な立位置をキープ、続く90系もマークⅡの双子、少数派という部分では変わりありませんが70以来のその安定性を持続できるのか!! 次回をお楽しみに!

(次回5代目LX/SX/GX/JZX90系チェイサーに続く)
Posted at 2017/08/22 22:16:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年10月03日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編③

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編③偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 23弾も引き続きチェイサーの歴史を辿りUP/DOWNを検証します!

初代X30/40の“マークⅡのスポーツバージョン”という精神を引き継いだ先代X60系でしたがユーザー層の受取り方は“スポーティ”というよりは各部意匠の若々しいデザインが『安っぽい』というイメージにとられ30/40に較べ対マークⅡ/対クレスタはもちろんライバルとして照準を当てた日産スカイラインの人気UP度には到底適うモノではなく本来、チェイサーが目指す立位置ではない廉価版ながら装備充実、最上級『アバンテ』の外見を持つお買い得グレード=XGエクストラの存在のみが注目を浴びたという現状、“本家”マークⅡが30/40~60に至って史上最大の人気を誇っていた事もあり言葉悪いながらやや「惰性」的に造られていたチェイサー、さすがにその立場を見直し気合を入れ直してデビューさせたのが84/8にやはりマークⅡ/クレスタと共にFMCした『3代目X70系チェイサー』です!

70系では兄弟のマークⅡ/クレスタを含めて各モデルのオリジナル度を高めたのが特徴、バブルの入り口となる好景気と本家の空前の高い人気と販売という余裕もあり各モデルにコストをかけ丁寧にコンセプトを打ち出しました!!
チェイサーはこれを機会に車種編成を見直しセダンを廃止して4HTのみのボディ設定、代ってクレスタが従来4HTのみだったモノをセダンボディに変更、マークⅡは基幹車種として従来通りセダン/4HT(バン、ワゴン)のワイドバリェーションを維持しています。
デザイン的にはどちらかと言えばマークⅡの方が(4HTと比較)スポーティなデザインとなりチェイサーはフォーマルな出で立ちとなっています。
マークⅡ4HTと共通するのは外板パネルでは前後ドアのみ、インパネはクレスタと共通ながらチェイサー独自のスタイリングを持ち派手さを抑え先代までとは異なり主に年齢層の高いユーザーに支持されていた感じです。


↑フォーマルなスタイリングをまとったX70チェイサー(前期アバンテ)

↓先代までとは異なりスポーティで若々しいスタイリングとなった同マー クⅡ4HT
(前期グランデ)


↓4HT→セダンボディとなった兄弟車クレスタ(前期スーパールーセント)


スラントノーズにS120系クラウンで採用し注目されたクォーターピラーガーニッシュを採用しスポーティで若々しく挑戦的スタイルのマークⅡ4HT、X50系を彷彿させる角目4灯のマスクとロングノーズ/ロングデッキを強調した独自の個性を打ち出すクレスタに対しチェイサーは好評だった30/40系の斜め格子状グリルをモチーフにした彫の深いグリルと派手な演出を避けながらもスクエアな直線美を誇るデザインと兄弟2車より若干切り詰め全長を短くし軽快感をも表しているのが特徴でした!

↓クレスタのベースは4HTとは打って変わって地味なマークⅡセダン、前後ドアが クレスタと共通(後期GRサルーン)


↓マークⅡ4HTはチェイサーのおハコだった派手でスポーティな印象に衣替え! (後期グランデTC24)


尚、チェイサーのイメキャラは草刈正雄、夏木陽介と“国産”のイケメンを起用してきましたが70系では“海外イケメン”を登用、『ジャン・マイケル・ビンセント』氏が務めました~(前期のみ)

↓イメキャラは“舶来”のジャン・マイケル・ビンセント!


それではモデル概要です。

(サイズ)
:全長4630全幅1690高1385 ホイールベース2660(以上mm)
(車重)
1280kg(アバンテTC24)
(定員)
5名
(エンジン)
1S-U型 水冷直4 1800cc OHC ツーバレルシングルキャブ 100ps  
1G-EU型 水冷直6 2000cc OHC EFI 130ps
1G-GEU型 冷直6 2000cc DOHC 24バルブ 160ps
M-TEU型 水冷直6 2000cc OHC 145ps
2L型ディーゼル 水冷直4 2400ccOHC83ps
2L-T型ディーゼル 水冷直4 2400cc OHCターボ 96ps
(以上ps表示はグロス値)

(駆動)
FR
(ミッション)
5MT/4速AT(OD付/同2ウェイ/電子制御ECT-S)
(脚回り)
Fr ストラット/Rr トレーディングリンク(XL系、XG系 )
Frストラット/Rr セミトレーディングアーム(SXL、アバンテ系、GTツインターボ)
(ボディ)
4ドアHT
(バリェーション)
1800 (型式SX70)
XLエクストラ/XGエクストラ
2000EFI (型式GX71)
SXL/アバンテ
2000ターボ(型式MX71)
アバンテターボ
2000DOHC (型式GX71)
アバンテTWIN CAM24
2400 ディーゼル (型式LX70)
XL
2400ディーゼルターボ(型式LX70)
XL/XG/XGエクストラ

シャーシは旧60HTと較べ全長はやや短くなりながらホイールベースは拡大され居住性/取回し面で進展を見せています、とは言いながらも初代から最終100系まで受け継がれた外寸の割に狭い室内は70でもしっかり生きていますw

搭載エンジンは60系後期からほぼキャリーオーバー、変更されたのはディーゼルNAが2200ccL型→2400ccの2L型に換装された位です。

↓1G-GEU/1G-EU/1S-Uと2Lデーゼル/同ターボと全て“LASER”を名乗る新世紀エンジンを搭載!(M-TEUを除く)



70系となりより進化したのはATで60系での電子制御AT=ECTをより発展させたECT-Sが採用されました。
ECT-SはTC24/ターボに設定、“エコノミー”“パワー”“マニユアル”の3モードが選べマニュアルでは雪道に対応した2速発進やL固定が選べマニュアル感覚のドライブを可能としエコノミーとパワーでは走り重視か燃費重視かをマイコン制御、現代では当たり前のATながら当時は革新的なATでもありイージードライブ化が一気に普及、またこのきめ細かい変速パターンの選択が可能になった事により高性能エンジン搭載モデル=MTの図式が崩れATがチョイスされる比率が増大しています。

↓新設定のECT-S(右と左上、右下は2ウェイOD付4AT)


このECT-S、ワタシも 愛車 としてGX71 TC24のATに乗っていましたがメーカーが謳う程、マニュアルモードでもMTのような1G-Gの性能を余すところなく引き出す、というのは無理がありましたが雪道では重宝しましたね~…
エコノミー←→パワーと切り替えてもさほど燃費に違いは出なかった記憶がありますが様々なシチュエーションでも文字通りふんぞり返りながら“イージー”に自分の思いに近いドライブができるのは便利だったかも…まぁ、そういう運転は個人的に好みではなかったのであまり有難みは感じず頑固に「やっぱりクルマはMT」という思いが常に頭の片隅には当然ありましたが(未だに…汗)
尚、この代から今も続くODのON/OFFスイッチがシフトセレクター上に移され劇的な操作性の向上がなされています!

脚廻りは下級が後輪リジット、上級が4独という点も先代同様でしたがやはり上級にはTEMSと呼ばれた電子制御サスを採用、こちらの方もダンパーの減衰力をノーマル←→スポーツをそれぞれ自動/手動で切替設定が可能なモノ、ただこれはスポーツに設定しても物足りない脚で重量に負けていた感じ、TC24程度のパワーなら何とか追いつくも後に追加されたGTツインターボでは完全にプアでワインティング等でも安心した走りはできず強化の必要性を個人的には強く感じました、TC24程度なら脚廻りセッティングもイージーにでいいでしょうがツインターボを選ぶ層はやはり物足りなさを感じたのではないかなぁ と!?!?

↓上級モデル=4独サスの設定はもはや伝統


グレードも基本は60系からの継続ながら編成見直しがなされSGツーリングがカタログ落ち、セダン廃止により最廉価のDXも消滅しています。
60系で人気だったXGエクストラは健在でマークⅡやクレスタにもその後同趣向のモデル設定がなされましたが“元祖”だけありこの種のモデルではチェイサーの率が高かったように感じます。

↓SX60より引き継いだナンチャッテアバンテの『1800XGエクストラ(前期)』は70でも好評!


70系では良くも悪くもバブル入口と60時代から引き継ぐ所謂ハイソカーブームがまだ継続中という部分もあり内装がやたら派手で豪華な仕様となっていた事です。
40代以上には見慣れたこのケバイ“キャバクラ”シート、現代のコストダウンだらけのペキペキ内装を見慣れた若い方みたら信じられないかもしれませんね(笑)
とにかく派手な見かけで座ると沈み込むよなフカフカのルーズクッション、長毛の何とも言えない気持ちのいい肌触りのシート表面にウットリしながらその腰のなさから長距離では腰痛必死で今思えばまだまだBMやベンツと言った一流高級車には程遠い時代、これは何もマークⅡ/チェイサーだけでなく日産も三菱もマツダもこの時期はみんなこんな感じでしたねー…

↓上級の『アバンテTWIN CAM24』㊤と『アバンテ』㊦(共に前期)



それではモデル改歴です。

(85/10)
最高峰『GTツインターボ』及び『GTツインターボS』(GX71)を追加設定。
1G-GTEU型 直6 2000cc DOHC 24バルブ IC付きツインターボ185psをマークⅡ/クレスタ及びソアラ/スープラとほぼ同時に搭載、ps表示がグロス→ネットに変更された時期の新搭載の為、表示は185psながらグロスでは200psオーバーでありライバルのスカイラインがR30時代の84yにFJ20ETで叩き出したグロス205psを上回り更に85y以降のR31、RB20DETのネット180psをも超えこの時期、馬力だけを見れば“最速”エンジンの登場でした!
GTツインターボは従来の1G-Gにツインターボ+インタークーラー(IC)を装備、つい数年前までは4バルブDOHCやシングルターボだけでも狂喜乱舞していたのにメカ少年の夢を一気に叶えインパクト絶大でした。
1G-GTEUは重量からなるややトルク不足なオーバーウエィト感が拭えなかった1G-GEU搭載のGX71をツインターボにより背中がシートに押しつけられるジェット機のような加速を実現、脚はTC24から強化されながらもまだ頼りない直線番長ながらも落ち着いたスタイルのチェイサーやクレスタのツインターボの尻を下げながらの獰猛な加速は見ていても気持ちイイものでした~。

↓85/10に追加された最高峰&最速の『GTツインターボ(前期)』



尚、GTツインターボSはマークⅡ/クレスタには用意されないチェイサー専用グレードでGTツインターボの装備を落とし5MT専用の廉価モデル(GTツインターボにはMT/ATを用意)=この辺はまた“安物”をイメージさせる後ろ向きなイメージもありましたがGTツインターボは上に挙げた車種全てが高額モデルでしたからねー、その中で1G-GTを積む最廉価のチェイサーの『S』の存在意義はある程度あったかと思います(これにしても貧乏人のワタクシにはお呼びでないモデルでしたが(=_=;) )
しかしこれも大した需要はなかったらしく前期モデルのみの設定に終わりました。

↓82y、2バルブの2T-Gを200ccボアアップしターボ装着した『3T-GTEU』でも大騒ぎだったのに僅か3年で24バルブDOHCのIC/ツインターボが実現するとは!!(1G-GTEU型エンジン) 


この1G-GTEU追加と共に初代30/40以来、長きに渡り1G登場以前はメインエンジンであったM型(M-TEU型)は廃版、『アバンテターボ』はGTツインターボに譲りカタログ落ちとなっています、但し次期型80系で89yに3Lの7M型で三度M型はリフレッシュ&改良されてカムバックしますが…しぶといM型でした(笑)
一方の1G-EU(OHC EFI)はEFI-Dと呼ばれる新インジェクションを採用、より燃料噴射量を最適化、吸気系ポートの改良もあり圧縮比を高め燃焼効率を改善して低燃費とレスポンス向上へと進化しています。
また、小ネタ楽屋裏話的ですがこの時に日産がC31ローレルで採用し当時パテントを持っていた電動格納ミラーをパテント買いにより70系も装備しています!

(86/1)
その後チェイサーの特別仕様として認知される『アバンテ・ロードリー』を初めて設定。

(86/8)
MCで後期型となります。
デザイン面では好評な為、外観意匠の激変は避けています。
顔は例の格子状グリルをきめ細かいモノとし印象はよく言えばよりフォーマルに、悪く言えば地味で大人しいイメージになっています。
テールはデザイン的には変更なくレンズ処理の変更やモールの変更程度でした。

↓86/8~後期型の『アバンテTC24』㊤と『アバンテ』㊦



(86/12~88/1)
適宣時期にアバンテとアバンテTC24に特別仕様『ロードリー』を設定しています。

(88/8)
モデルライフのきっちり4年で次期4代目となるX80系にバトンタッチし70系は生産終了となりました。

↓88/8~の4代目X80系チェイサー(前期アバンテG)


バブル真っ只中と車種編成見直し、そしてオリジナルティ度を上げ先代60系より好評だった70チェイサー、その成果が表れ市場でも街中でも60のそれとは比較できない台数が流通、60時代は3兄弟でダントツの最下位ながら70では発売年の84yにはマークⅡの半数以上の登録がなされ(11万台に対する6万台強)クレスタとほぼ同数までシェアを拡大し以前から強かったXGエクストラに加えロードリーなる限定特別仕様も浸透し人気UP!!を果たしました。
しかしこの時期の70マークⅡの人気は異常とも思える程で一時はカローラの販売台数を抜くという偉業まで達成、中古車市場では同じような程度/色/装備/距離のグランデとアバンテでも20万円位の差が付いた時期もありました!
化け物マークⅡ人気のお裾分けもありかなりチェイサーの浸透率も高まった時期での4代目の登場、その奮闘ぶりは如何に!!

(次回4代目LX/SX/GX/MX/JZX80系チェイサーに続く)
Posted at 2017/08/22 21:20:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ

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