偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! いよいよチェイサーの巻も終盤に入って参りました!
引き続きその歴史を辿りUP/DOWNを検証します!
戦後の日本で最もいい時代=バブル期の入り口で登場した3代目X70系チェイサー、バブルの勢いと併せてメーカーの本気のテコ入れもあり販売台数1万~2万台のだったところを一気に6万台オーバーという実績を伴うモデルへ成長、もちろん本家マークⅡのそれには及ばないながら初代/2代目がマークⅡの“オマケ”的な受け入れから重要なトヨタの車種編成上の戦略モデルに成長しました!
初代~2代目がマークⅡのスポーティ版的性格を鮮明にしていたのに対し70系ではオリジナリティ、独自性を持たせたそれまでのマークⅡvsチェイサーの性格を逆転させたかのようにチェイサーに高級感とパーソナル性を与えた事が“少数派”の支持を取り付け人気UP!!!となった3代目X70型、その後継として88/8に登場したのが4代目X80系チェイサーです。
X80系でも70時代に培った“マークⅡの少数で高級バージョン、パーソナルイメージ”を続投しますが残念な部分は70ではマークⅡとボディ(スタイル)をオリジナルとし独自性がより鮮明だった部分を初代30/40系~2代目60系同様に単なるマークⅡの着せ替え版=双子に戻ってしまった点でした。
70系のカクカクデザインを抑え旧70マークⅡ4HTのスラントノーズを継承し全体のフォルムを丸味を持たせた当時のトヨタのデザイントレンドを採用、マークⅡの顔やお尻をリ・デザインしいい意味でも悪い意味でもチェイサーらしい主張はしていましたが同時期の80クレスタが初代50系から貫く“オリジナル”を通していた為、チェイサーは再びマークⅡの変わり種!?に成下がった印象になった感があり、正直「な~んだ…」的感覚でこのFMCを個人的には捉えていましたね~。。。
それでもマークⅡと比較して凝った造形のグリル、RrスタイルはマークⅡがテールランプの間にナンバープレート位置を持ってきた平凡なデザインに対しチェイサーでは横一文字のテールにガーニッシュを装着しナンバーもバンパー下に移しより高級かつ凛々しさを強調、以前はマークⅡに対し“手抜き”的デザインが風説だったところに ~チェイサー、マークⅡより金かけてんじゃ?~ と感じれるレベルになっていました。
尚、先代同様チェイサーは4HTモデルのみ(マークⅡ双子)、マークⅡはセダン/4HT(バン、ワゴン)、クレスタはセダンというラインナップです!
↓88/8に登場した4代目X80系チェイサー(前期2000アバンテG)
↓横一文字&センターガーニッシュが凛々しい80系チェイサーのRrビュー
(前期2000アバンテG)
このリ・デザインが成功したのか?マークⅡとのボディ共用化はさほどマイナスポイントにはならずチェイサー人気も70と比較して極端に下がる事もなく販売も順調に推移していたようでチェイサーにとっては喜ぶべき事ですが個人的には一度オリジナリティが高められた後だけあり納得できない感がありました、ワタクシ、やはり少数派民族なので贔屓モデルの再度の双子化は残念で…
↓再びボディを共有するX80系マークⅡHT(前期型)
悔しい?のは同じ兄弟車のクレスタがチェイサーが双子化になった分なのか?コストがかけられベースをマークⅡセダンに置きながらも全くのオリジナルなボディをまとっていた事です。
マークⅡセダンにはない新たな感覚のプレスドアを採用しながら全体のデザインに50/60~70の伝統を醸し出し非常にフォーマル感、パーソナル性が高められ歴代3兄弟でも最もクレスタ人気が高かったのもこの80系のように思います。
↓こちらは伝統的に保守的なデザインで通すX80系マークⅡセダン
↓マークⅡセダンベースながら独自のオリジナル、個性を持つX80系クレスタ
それでは80チェイサーのモデル概要です。
(サイズ)
:全長4690全幅1695高1375 ホイールベース2680(以上mm)
(車重)
1350kg(アバンテTC24)
(定員)
5名
(エンジン)
4S-Fi型 水冷直4 1800cc ハイメカDOHC セントラルインジェクション(Ci)105ps
1G-FE型 水冷直6 2000cc ハイメカDOHC 24バルブ EFI 135ps
1G-GE型 冷直6 2000cc DOHC 24バルブ EFI 150ps
1G-GTE型 水冷直6 2000cc DOHC 24バルブ EFI IC付ツインターボ 210ps
1G-GZE型 水冷直6 2000cc DOHC 24バルブ EFI S/C(スーパーチャージャー)170ps
2L型ディーゼル 水冷直4 2400ccOHC85ps
2L-T型ディーゼル 水冷直4 2400cc OHCターボ 94ps
(以上ps表示はネット値)
(駆動)
FR
(ミッション)
5MT/4速AT(OD付/同2ウェイ/電子制御ECT-S)
(脚回り)
Fr ストラット/Rr トレーディングリンク(XL、XG、ラフィーネ )
Frストラット/Rr ダブルウィッシュボーン(SXL、アバンテ系、GTツインターボ)
(ボディ)
4ドアHT
(バリェーション)
1800 (型式SX80)
XL/XG/ラフィーネ
2000EFI 24バルブ (型式GX81)
SXL/アバンテ
2000 TC24(型式GX81)
アバンテ
2000 TC24 ツインターボ (型式GX81)
GT TWIN TURBO
2000 TC24S/C(型式GX81)
アバンテG
2400 ディーゼル (型式LX80)
XL
2400ディーゼルターボ(型式LX80)
XL/XG
80系はシャーシを新設計、全長、ホイールベースも拡大され前後トレッドと幅も拡大、特に全幅では5ナンバーぎりぎりの数値となっています。
代って全高はチェイサー(マークⅡ)HT史上で一番低い1375mmというモノ、これは当時カリーナEDを始めと異様とも思える程の背の低い、クーペ並の新鋭4HTブームが到来しており正統派!?である旧来の4HTであるチェイサーもこれに呼応したものでした。
エンジンは全てネット表示に変更、そして1800の1S-U→4S-Fiに、2000の1G-EU→1G-FEに換装されました!
新たにS型G型とも『F』の文字がエンジン形式に入っていますがこれは現在にも続く狭角4バルブDOHCを表すもので今やお馴染の『ハイメカツインカム』というヤツ、これは従来のDOHCの高出力、大パワーを狙ったモノではなく一つのギアで2本のカムを作動(従来型DOHCは2本のカムを2つのギアで駆動)この為狭角で効率の高いクロスフロー式ペントルーフ型燃焼室の採用が可能となりかつコストは従来のDOHCに較べて安く性能的には従来型DOHCには及ばないながらもツインカム化により高効率の燃焼により燃費やトルク、psもSOHCに較べ向上が謳い文句!!
この“ハイメカ”技術の開発によりトヨタは1Gから始め次々に一般仕様の各SOHCエンジンをツインカム化、これに倣い日産他メーカーも追従、今やシングルカムの方が珍しく猫も杓子もツインカム!バントラにまでDOHCが載せられるという60年代~80年代のDOHCの希少さを知る者にとっては驚愕時代!その始まりがこの時期でした…
尚トヨタは従来型DOHCを“ツインカム24(16)バルブ”または“スポーツツインカム”、ハイメカを“24(16)バルブ”または“ハイメカツインカム”と呼び分けその性格の違いを印象付けています。
エンジンバリェーションはデーゼルと1G TC24/ツインターボは70系からのキャリーオーバー、上記の1G-FEと4S-Fiの他1G TC24(1G-GE)にS/C=スパーチャージャーを装着した1G-GZEも新たにラインナップに加わっています!
S/Cはターボチャジャー程大袈裟な仕掛け?がいらず比較的リーズナブルで簡単な設計にてパワーアップができご存じの通りターボのタイムラグがなく低回転から排圧がかかり安定したトルクが確保できNAで慣れたドライバーには違和感なく安心安定した高性能が満喫できるエンジンとしてこの時期トヨタが凝ったモノでしたがターボが一般化して既に10年近くが経っており絶対パワーはターボに敵わない事とターボの技術が進化して急激なトルク変動も抑えられドライバビリティがさほどNAと比較して違和感も薄れた事がありトヨタの目論みは外れ普及する事なく廃れていきました。
ただ1G-GZはベースの1Gが秀逸だった事もあり非常にバランスが取れた乗り味でツインターボの暴力的な激しさもなくスポーツ好きには物足りないながら一般ユーザーには充分以上の高性能が気負いなく味わえるエンジンでしてワタクシはこのフィーリング、好きでしたネ~! ただ1Gもハイメカ化したりTC24/ツインターボもラインナップされている中であえてこれを選ぶという必要性はなく半端な立位置が災いし普及しなかったのが惜しいかも。。。
↓1G-GEをS/Cでパワーアップした1G-GZE㊧とハイメカツインカム化された1G-FE㊨
1Sをハイメカ化した4Sに組み合わされたCi=セントラルインジェクションは電子燃料噴射の制御システムをスロットルボディに一体化してコストを抑えた簡易型インジェクションで高性能とリーズナブル化を狙った新エンジンでした。
旧1Sと較べその回転の上がり方は仮でもツインカムらしく鋭い吹け上がりでやはり廉価版の常であるオーバーウェイト感の完全なる払拭には至っていませんが軽々しい音質は1S譲りで軽快感がありスピードが乗ってしまえば何ら不自由のないエンジンだったと思います。
↓70から継承する人気の1Gツインターボ/同TC24㊧と1Sをハイメカ化した注目の
4S-Fi㊨㊤とお馴染みデーゼル2L-T/2Lエンジン㊨㊥と㊨㊦
尚、この時からエンジン型式に排ガス対策を示す『U』が全てのエンジン表記から省かれています。
脚廻り、普及型のXL/XG、そして馴れ親しんだXGエクストラがネーミング変更された『ラフィーネ』には従来通りのFrストラット/RrリジットのままながらSXL以上の上級モデルはFrストラットはそのままにRrはWウィッシュボーンに変更されています。
↓上級モデルはRrをWウィッシュボーンの4独に変更!!
80系はマークⅡ/クレスタ含め様々乗りましたがこのRrサスの変更はそれまでのRrセミトレと較べて重厚な乗り心地となっていた感じが強いです。
特に70から追加されたハイパワーのツインターボでは明らかに脚がパワーに負けており元々定評あるライバルの日産スカイラインに追い付けないチェイサー(マークⅡ)唯一の失点でしたがこの変更によりセミトレのしなやかさが影を薄めた半面、文字通りしっかりと地に足を踏ん張る感覚が高まりワインティングでも70までのどこか不安が拭えなかった部分をかなり矯正してくれていました。
これはFrのキャンバー角を従来と比較し大幅に深くした事もあると思いますが“直線番町”的だった走りに安定したコーナリング性能をプラスし走りのイメージはかなり好感触になりましたねー…
但し全高の低さからなる居住性には非常に窮屈感がありホイールベースの拡大からなる足元、特に後席での広がりとトランクスペースも大きくなりながらも全てがヘッドスペースをつめた事がぶち壊しにする“狭っ苦しさ”が個人的には印象に残るモデルとなってしまいました。
グレード編成は先記のラフィーネとS/C搭載の『アバンテG』の新設以外は従来を継承しています!
アバンテGはエンジン性能的にはNo2ながら(1は当然ツンターボ)装備や位置付けはチェイサーシリーズの最高峰となりツインターボ同様のABS(4ESC)やTRCが設定されかつツインターボやアバンテにはないオートドライブやキーレスエントリーをも装備する贅を尽くしたグレードでした。
↓先代同様に最大級のパワーを誇る2000GTツインターボ
↓ハイメカ1G-FEを搭載したアバンテ24バルブ(前期型)
80系よりあの70ではこれ見よがしの毒々しい“ワイレッド”を基調にした大袈裟な高級さを謳う悪趣味?は飽きられたかベージュを基本とした70と較べると落ち着いた色調に変更(ボディカラーによってはワンレッドも継続)しています。
↓“キャバクラ”から品のいいラウンジ風味に変更された内装(ラフィーネ室内)
また細かい事ですが現代での常識装備となるアンカー調整機能付シートベルトやそれまでスィッチの前後を押す事でウィンドゥの開閉を行うのが当たり前だったP/Wが夜間の誤作動防止を念頭に入れ押す→開く、引く→閉まるという方式に改良されたのもこの代からとなり以降トヨタ車は全てこのタイプとなり他社も追従し現在はほぼこの形が当たり前となっています。
↓アンカー調整機能付シートベルトと新方式のスイッチとなったP/W
他にも先代で採用され非常に遣い易く好評だったサテライトスイッチ=これはステアリング左右のインパネに緊急性はないながら比較的良く使う空調、オーディオ、ハザードやフォグ、電動ミラー関係のスイッチを左右にまとめてハンドルから手を離しても視点を動かさずにこれらが操作できる優れモノでトヨタらしい気の効いた親切装備、ワタシもこれには脱帽でした(瞬時に操作が必要で慣れ親しんだ位置から移動したライトやワイパーをこれにしたクラスタースイッチは嫌いでしたが…汗)が80ではより機能を充実させ進化していました。
↓好評サテライトスイッチは70から発展継承!
そして空調パネルにも楽しい(?)仕掛けがありスイッチによりオープン←→クローズしAUTO時はクローズのまま、きめ細かい空調を行う場合はオープンにするというアイデアは子供騙しながら乗ると何故か開け閉めしたくなったりして用もないのその操作をしては楽しんでたりと(笑)
↓開閉式の空調パネル
尚、上級アバンテ/同Gには後席ヘッドレストもレバー一つで格納ができ後席非乗車時は広い後方視界を確保できる等の至れりつくせりの装備がクラウン譲りで装備、併せてFrパワーシートも採用、調整は手動ながら電動ランバーサポートや細かな調節が可能でかつホールド性も高い本格的なスポーツシートがGTツインターボに採用されています。
↓GTツインターボのスポーツシート㊧とアバンテ/同Gのパワーシート
↓アバンテ以下の前期80系バリェーション
それではモデル改歴です。
(89/1)
それまでガソリンモデルのみだったラフィーネにDモデルを設定、2L-Tを搭載。
(89/8)
最高峰モデルとして三度M型エンジンを復活搭載、『3000アバンテG』を追加設定します!
これまでオーバー2L、3ナンバーはマークⅡの聖域で双子ながら歴代チェイサーには設定されなかった3ナンバーモデルが遂にと言うか、ようやくと言うか解禁されました。
↓チェイサーとしては初の3ナンバーモデルとなる『3000アバンテG』
世はバブル真っ盛りの平成に突入、外圧からなる普通車(3ナンバー)の税制の改正もあり三菱が一早くこれに呼応し3ナンバーモデルを一気に充実させトヨタもかつての30/40~60ではステータス扱いだったマークⅡ3ナンバー(70では未設定)をクレスタ/チェイサーにも拡大させて再登場させた訳です。
3LのアバンテGに搭載されたのは久々、三度の登場となるM型エンジン!
しかしそのM型はマークⅡ/チェイサーから消滅後もクラウン/ソアラ/スープラでは依然生き続け、もちろんその間には数々の改良とリフレッシュ、進化がなされており熟成された7M-GE型となっています!
7M-GEはシリンダー以外殆ど新設計と言っていい程のモノで“LASER”を名乗る軽量化も実現、かつての4M型2.6Lを3Lまで拡大しヘッドをDOHC化、もちろん“旬”である24バルブとしておりその実力はかつて51/53年規制適合直後の「重い、回らない、走らない」という悪印象はすっかり影を潜めトルクでグイグイと力強く引っ張りクラウン等に較べれば軽量のマークⅡ/チェイサーを2Lでは味わえない3Lならではの余裕と力強さを実現していました。。(型式MX83型)
↓カムバックM型となる7M-GE型は3L 直6 DOHC 200ps/27kgmという実力!
3000アバンテGは2000アバンテG(S/C)の装備に準じエンジン性能もツインターボを上回る名実共の最高グレードとなります!
(89/10)
特別仕様の『アバンテ・ロードリーTC24』設定。
(90/4)
特別仕様『アバンテ・ロードリーパールマイカ』を設定。
(90/8)
MCで後期型となります。
後期型、お約束の前後意匠の変更に加えて搭載エンジンの一部換装と安全対策の拡大がなされています!
新意匠となったFr/Rrビューはより高級感を醸し出す造形となっていますが個人的にはこれはやり過ぎと…
まず前期と較べゴテゴテとオーバーデコレーションになり前も後ろもライト部に無意味なアールが付けられ成金悪趣味的になってしまいとても好感の持てるモノではなかったです。。。
同時にMCしたマークⅡが前期より高級感を増しプロジェクターランプ等も採用し非常にスタイリッシュになった半面チェイサーはマークⅡに負けじと無理矢理豪華にしたような感じが鼻につきましたねー。
前期のマークⅡの素っ気なさが両モデルをこのように変貌させたのかもしれませんがチェイサーに関しては圧倒的にワタシは前期支持です!
↓90/8~の後期型Fr/Rr
エンジン換装は1800の4Sがciから一般的なEFIに変更、4S-FE型となりpsを115psに高めています。
そして新設計2.5Lとなる1JZ-GTE型がツインターボの1G-GTEに、排気量アップによりNAながら旧1G-GZEの性能を上回る1JZ-GE型に代って搭載となります。(型式JZX81型)
1JZ-GTE=ツインターボは遂に当時生きていた馬力自主規制枠いっぱいとなる280psを背負ってデビュー!(トルクは37kgm) これは平成元年の日産フェアレディZ(Z32型)→久しぶりのGT-R復活で話題のスカイラインR32 GT-Rで当時国内最高psを叩き出し大喝采を浴びた日産への反撃の第一歩でA70(JZA70)スープラ2.5ターボ/同Rとほぼ同時にデビューしたもの。
ZのVG30DETT(3L)、GT-RのRB26DETT(2.6L)と較べ280psとしては当時排気量は2.5Lという最小のモノ、数値上ではRBの36kgmを上回っているもののフィーリングでは敵わず実力も重いVGはともかく(VG30DETTは40kgm近いトルクながら重々しくて1JZに分がありましたね~…)同じ縦6、24バルブDOHC ツインターボのRB26がレース参加前提で開発された1級のシャシと駆動システムを持つGT-Rの足元にも及ばず日産信者からは“伊達280ps”と揶揄され不名誉な侮蔑的な言葉を浴びせられた1JZ-GTE、しかしレース参加前提というしがらみの中で開発されたRB26が税制上では3Lと同じカテゴリーとなってしまいその点2.5Lならば1段階低い税制で対応できるという誠にトヨタらしい発想で制定されておりこの目論見は見事に日産派以外のユーザーの気持ちを捉えGT-Rに較べれば性能は落ちながらも充分過ぎるパワーと“280ps”というステイタスで1G-GTE時代以上の支持をスープラを含め得ておりその1級品の性能と少量生産から新車時/中古になっても高値維持でなかなか手にできないGT-Rに較べ中古であればリーズナブルに手にできる1J-ZGTEの普及はRB26DETTのそれには比較できない数で未だ数少なくなった現代の走り屋層の注目のエンジンとなっていますネ!
2.5Lという排気量は税制改革をうまく捉え 初代三菱ディアマンテ(F1/2系) が90/5に設定し人気を得た排気量、従来の2L+5000円の負担で余裕ある力が得られステータス感の強い3ナンバーが付く、という部分から脚光を浴びておりトヨタもこれに追従したものでした。
↓憧れの280psを実現した1J-ZGTE型エンジン
↓280psを搭載する新設『2.5GT TWIN TURBO』
1J-ZGTE、後に愛車(JZX90チェイサー)にしましたが確かにGT-Rや下手したらエボⅣ以降の4G63にも劣る感じで「ホントに280ps?」って感じでしたが上記モデルが4駆、80~100系JZXやJZAではFRという部分が魅力でTRCを切れば即座にドリドリ走行が可能で遊びで走らせるにはGT-Rやエボより楽しくワタシも雨の中やワィンティングではTRCを切って夜な夜な回したりして楽しんでました(^^;)
FRには丁度いい以上のパワーでかつてのFR全盛時代の名残も感じられるこのモデル、高性能で安心で誰でもスっ飛ばせる4駆の“速さ”には敵わないものの4駆で回しながらのコントロールできる程、腕がないので1JZ+FR、今もたまに歳甲斐もなくこの味を味わいたくなります!!
↓こちらはNA版である1JZ-GE型エンジン(2.5L NA DOHC 24V 180ps/24kg)
↓NAの1JZ-GEを搭載する2.5アバンテ/同G
尚、このMCで全車にSRSエアバッグをop設定、3000/2500アバンテGには本革シートもop設定されています。
↓後期よりop設定されたSRSエアバッグとアバンテGに用意された本革仕様
(92/10)
モデルライフの4年を2カ月超えた92年10月、チェイサーは5世代目へFMCします。
5代目は80系後期で迎えた1JZ、2.5Lをメインにし全モデル(2L/1.8L含め)3ナンバーボディへ発展、新世代のハイクラスセダンへと進化していきました!
↓全種3ナンバー化した5代目X90系チェイサー
80系、モデルライフ途中に起こる時代のトレンド変化を巧みに取り入れ280psを誇るスポーツモデル、3ナンバーが新たに一般化した2.5Lモデルの設定、オリジナル度が高く意欲的だった70系程の人気は誇れずも大きく人気をDOWNさせる事もなく順調な立位置をキープ、続く90系もマークⅡの双子、少数派という部分では変わりありませんが70以来のその安定性を持続できるのか!! 次回をお楽しみに!
(次回5代目LX/SX/GX/JZX90系チェイサーに続く)