2018年05月15日
マンタイのポルシェが総合優勝!!流石だね
ニュルブルクリンク24時間レース:ポルシェ912号車マンタイ・レーシングが逆転で6度目の優勝飾る
2018年のニュルブルクリンク24時間レースは、ポルシェの912号車マンタイ・レーシング(フレデリック・マコヴィッキィ/ニック・タンディ/リチャード・リエッツ/パトリック・ピレ)が総合優勝を飾った。
ポルシェがニュルブルクリンク24時間レースで前回勝利したのは2011年。今回の優勝により、マニュファクチャラーとして12回目の優勝を飾った。また今回912号車をドライブした4人にとっては初優勝だ。
912号車は最初のスティントでスローパンクチャーに見舞われた一方、姉妹車の911号車(ケビン・エストレ/ローレンス・バンスール/アール・バンバー/ロマン・デュマ)はレース序盤をリードしていた。しかしスタートから14時間が経過したところでデュマがクラッシュし、リタイア。そこからは912号車と4号車ブラック・ファルコン・メルセデスAMG-GT3がバトルを繰り広げた。
明け方に雨が降り始めて以降、何度も首位が入れ替わった。しかし912号車が速度違反により3分のタイムペナルティを科されるなど、状況は4号車に味方した。
だが残り時間が3時間となったところで霧が悪化してレースが中断。これにより4号車の持っていた5分のリードが消滅した。この後の優勝争いは、912号車と4号車による、90分間のスプリントレースとなった。
レース再開後、4号車はスピンを喫してしまい912号車の逆転を許す。4号車は戦列に復帰し912号車の後ろに戻ったが、最終的には912号車がトップチェッカー、4号車はそこから26秒後方でレースを終えた。
3位には5号車ブラック・ファルコン・メルセデスAMG-GT3(トーマス・イェーガー/ルカ・シュトルツ/イェルマー・ブールマン/ヤン・セイファース)が入った。5号車はリスタート後にスピンをして表彰台を逃す可能性もあったが、6号車ブラック・ファルコン・メルセデスAMG-GT3や7号車アストン・マーティン・ヴァンテージGT3との争いを制して見事表彰台を獲得した。4位に7号車、5位に6号車という結果となっている。
6位に1号車ランド・モータースポーツのR8 LMS、7位に3号車フェニックス・アウディとアウディ勢が入賞。BMWは101号車ロウ・レーシングM6 GT3が冷却トラブルとドライブ・バイ・ワイヤにトラブルを抱えて夜明け前にリタイア、姉妹車の102号車は4周遅れの13位でレースを終えた。
日本勢は、90号車スバルWRX STI(カルロ・ヴァンダム/山内英輝/ティム・シュリック/井口卓人)がSP3Tクラス優勝(総合62位)、42号車NOVEL Racing Lexus RCF(ドミニク・ファーンバッハー/マリオ・ファーンバッハー/吉本大樹/佐々木孝太)はSP8Tクラス2位(総合45位)、56号車TOYOTA GAZOO Racing(松井孝充/土屋武士/中山雄一/蒲生尚弥)は総合96位だった。
「タフで、フェアなバトルだった」とマコウィッキ。ポルシェ博士に捧げる勝利に
第46回ADACチューリッヒ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間レース)は5月13日、決勝レースの赤旗中断が現地時間14時に解除され、再開後逆転しトップに立ったマンタイ・レーシングの912号車ポルシェ911 GT3 R(リヒャルド・リエツ/パトリック・ピレ/フレデリック・マコウィッキ/ニック・タンディ)が優勝を飾った。レース後、ポルシェ陣営から喜びのコメントが出されている。
深夜2時頃から雨が降りはじめ、ウエットコンディションに転じた2018年のニュルブルクリンク24時間。トップを走っていた僚友の911号車のクラッシュ後、首位に浮上したのは序盤パンクチャーに見舞われた912号車だった。
レースは途中から雨となり、さらに朝から霧が深まりはじめる。そんななか、トップ争いは912号車と、メルセデスAMGチーム・ブラックファルコンの4号車メルセデスAMG GT3との争いになる。912号車は雨のなかで接触、それにともなうペナルティも課せられたが、11時59分のレース中断、そして14時のレース再開の時点で、2台は同一周回。残り1時間30分で2台によるマッチレースが始まった。
912号車は、日本でもスーパーGTで活躍したマコウィッキがステアリングを握る。対するのは、4号車メルセデスのアダム・クリストドロウだ。2台は競り合いながら、129周目の1コーナーでアウトからマコウィッキがオーバーテイク。接触しクリストドロウはハーフスピンを喫し、これで勝負あり。マコウィッキは追撃を振り切り嬉しい勝利を飾った。
「リードを奪うために、タフだったけど、完全にフェアな戦いをすることができたよ」とレース後マコウィッキは語った。
「この勝利は本当に嬉しいよ。スタートからパンクチャーがあって、それは良くなかったけど、僕たちは毎ラップ向上することができた。クルマはドライにもウエットにも合っていたし、最後までハードにプッシュすることができたんだ」
また、ポルシェ・モータースポーツの副代表で、GTカー担当のステファン・バリザー博士は「雨、赤旗、最後のスプリント勝負と、信じられないほどの世紀のレースだったと言える」とコメントしている。
「他の耐久レースで、残りの1時間半ふたりのドライバーが戦うレースなんてないだろう。フレッド(マコウィッキ)はセンセーショナルな追い抜きで勝利を手にした。遅ればせながら、ウォルフガング・ウルリッヒ博士の75歳の誕生日を祝うことができたと思う」
【ニュル24時間】ファルケンモータースポーツ、ポルシェ911 GT3Rが総合9位 BMW M6 GT3は15位
住友ゴムグループは、5月10日から13日にドイツで開催された「第46回 ニュルブルクリンク24時間耐久レース」にファルケンモータースポーツチームとして2台体制で参戦し、「ポルシェ 911 GT3R」は総合9位、「BMW M6 GT3」は総合15位で完走した。
住友ゴムグループは1999年以降、世界一過酷なレースとも言われるニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦。昨年はBMW M6 GT3は総合8位で完走、ポルシェ 911 GT3Rは接触によるアクシデントによりリタイアとなっていた。
決勝当日、Porsche 911 GT3Rは2番手、BMW M6 GT3は21番手からスタート。深夜から雨が降り始め、終盤では濃霧の影響でレースが一時中断するなど、激しいコンディション変化があったが、ファルケンタイヤはドライ、ウエットグリップ性能や耐久性能など、総合性能の高さを発揮した。その結果、ファルケンモータースポーツチームのポルシェ 911 GT3Rは総合9位、BMW M6 GT3は総合15位で完走を果たした。
住友ゴム 2018年ニュルブルクリンク24時間 レースレポート
『ニュルブルクリンク24時間耐久レース』でFALKEN Motorsportsチームの2台が完走
住友ゴムグループは、5月10日(木)~13日(日)にドイツで開催された世界最大級のツーリングカーレース『第46回ADACチューリッヒ ニュルブルクリンク24時間耐久レース』にファルケン・モータースポーツチームとして2台体制で参戦し、ポルシェ911 GT3 Rは総合9位、BMW M6 GT3は総合15位で完走しました。
ポルシェ911 GT3 Rは2番手、BMW M6 GT3は21番手から決勝をスタートしました。
深夜から雨が降り始め、終盤では濃霧の影響でレースが一時中断するなど、激しいコンディション変化がありましたが、2台が装着するファルケンタイヤはドライ、ウエットグリップ性能や耐久性能など、総合性能の高さを発揮しました。
その結果、完走することさえ難しいと言われる本レースでファルケン・モータースポーツチームのポルシェ911 GT3Rは総合9位、BMW M6 GT3は総合15位で完走を果たしました。
『ニュルブルクリンク24時間耐久レース』でFALKENタイヤ装着車両がクラス優勝
住友ゴム工業(株)がタイヤを供給しているスバルWRX STIが、5月10日(木)~13日(日)にドイツで開催された世界最大級のツーリングカーレース『第46回ADACチューリッヒ ニュルブルクリンク24時間耐久レース』のSP3Tクラスにおいて5度目となるクラス優勝を果たしました。
本年のレースはスタート時点では快晴でしたが、深夜から雨が降り始め、終盤では濃霧の影響でレースが一時中断するなど、激しいコンディション変化がありましたが、FALKENタイヤはドライ、ウエットグリップ性能や耐久性能など、総合性能の高さを発揮しました。その結果、スバルWRX STIは総合62位、SP3Tクラスで5度目となる優勝を果たしました。
ニュルブルクリンク24時間:912号車ポルシェが4号車メルセデスを下し逆転勝利
第46回ADACチューリッヒ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間レース)は5月13日、決勝レースの赤旗中断が現地時間14時に解除され、1時間30分の戦いが展開されたが、ここで逆転しトップに立ったマンタイ・レーシングの912号車ポルシェ911 GT3 R(リヒャルド・リエツ/パトリック・ピレ/フレデリック・マコウィッキ/ニック・タンディ)が優勝を飾った。
深夜2時頃から雨が降り、いったんは小康状態だったものの、夜が明けた頃からふたたび雨が降りはじめたニュルブルクリンク24時間。レースは終盤を迎えていたが、11時59分、レース中断を告げるレッドフラッグが提示されていた。
しばらく霧は深いままで、13時頃にメインストレート上の霧こそ薄くなったものの、強い雨が降るなかリスタートが告げられた。13時45分、ふたたびグリッドに並べられたマシンがフォーメーションラップに出るが、コースは完全にヘビーウエット。そのなかで残り1時間30分の戦いが展開されていった。首位に立っていたメルセデスAMGチーム・ブラックファルコンの4号車メルセデスと、2番手の912号車ポルシェは同一周回。3番手争いも4台が同一周回という展開だ。
グランプリコース周辺が非常に霧が濃い状態だったが、中断時トップの4号車メルセデスを駆るアダム・クリストドロウは、ハイペースで同一周回の2番手だった912号車ポルシェを駆るマコウィッキとの差を広げようとするが、なかなか2台は差がつかない。また、007号車アストンマーチンとブラックファルコンの2台のメルセデスAMGの間でも、激しい表彰台圏内の争いが展開されていった。
2台によるトップ争いは129周目の1コーナーで決した。ドッティンガー・ホーエからスリップストリームにつけたマコウィッキは、グランプリコースに入りふたたびスリップへ。1コーナーでアウトにマシンを振ると、ギリギリまでブレーキングを遅らせ、クロスラインでアウトからオーバーテイク! 2台は接触し姿勢を乱すが、わずかなカウンターステアで立て直したマコウィッキに対し、クリストドロウはハーフスピンを喫してしまった。
あきらめないクリストドロウは猛プッシュでマコウィッキを追撃するが、その後ガードレールにヒットしてしまい、マコウィッキとの差は3秒にまで広がる。一時ふたたび差を詰めたものの、最後はジワジワとギャップが広がった。
トップを守ったマコウィッキはそのままフィニッシュ! 現行型のポルシェ911 GT3 Rにとって最後のニュルブルクリンクで、ポルシェに嬉しい勝利をもたらした。また、マンタイ・レーシングの優勝は最多記録を更新する6回目となる。2位はブラックファルコンの4号車メルセデスAMGという結果となった。3位争いは、ブラックファルコンの2台のメルセデスと、007号車アストンマーチンの争いとなったが、5号車メルセデスがこれを制し、表彰台の両脇をメルセデス勢が固めている。
SP-PROクラスに参戦するTOYOTA GAZOO Racingの土屋武士/松井孝充/中山雄一/蒲生尚弥組56号車レクサスLCは、明け方にグランプリコースで雨に起因するエンジントラブルに見舞われ大きく順位を落としたものの、しっかりと総合99位でフィニッシュ。目標を完遂し、喜びに沸いた。
一方、SP3Tクラスに参戦するスバル/STIのカルロ・バンダム/ティム・シュリック/山内英輝/井口卓人組90号車スバルWRX STIは、序盤のトラブルを克服した後はウエットコンディションにも助けられ快調に周回していたものの、残り1時間ほどというところで、電気系のトラブルでストップ。しかし必死の作業でふたたびコースインし、総合62位/SP3Tクラス優勝という結果を残した。
また、SP8クラスに参戦したNovel Racingの佐々木孝太/吉本大樹/ドミニク・ファーンバッハー/マリオ・ファーンバッハー組42号車レクサスRC Fは小さなトラブルを抱えながら、ドライバーたちが好ペースで周回。総合45位/クラス2位、43号車レクサスIS F CCS-Rの東徹次郎/小山佳延/松井猛敏/佐々木孝太組も順調に走行を重ね総合46位/クラス3位と表彰圏内を獲得している。梅本淳一と奥村浩一が乗り込んだ125号車ルノー・クリオも、総合90位/クラス5位でフィニッシュした。
【ニュル24時間】トヨタGAZOOレーシング、SP-Proクラス1位・総合96位で完走
トヨタGAZOOレーシングは、5月10日から13日にドイツで開催された第46回ニュルブルクリンク24時間耐久レースに「レクサス LC」で参戦、SP-Proクラス1位、総合96位で完走した。
トヨタは、ボデイの軽量化や高剛性化、ドライバー支援技術、エアロダイナミクス、燃費向上技術など、レクサス LCに将来市販車への採用を目指す先行開発技術を搭載。土屋武士選手をはじめ、若手の松井孝允選手、蒲生尚弥選手、中山雄一選手の4名でレースに挑んだ。
10日・11日に行われた予選の結果、レクサスLCは8分34秒591を記録し、総合32位で決勝を迎えた。出走台数147台となった決勝レースは、現地時間12日15時30分にスタートし、松井選手がスタートドライバーを担当。スタート直後の接触で車両へのダメージが心配されたが、緊急ピットインまでには至らず、ルーティーンのピットインで処置を実施。その後も、パワートレーン・ブレーキ・タイヤ・電気系等のトラブルが発生したが、そのたびにドライバー、メカニック、エンジニアが迅速かつ確実に対応し、クルマを再びコースに送り出した。
13日早朝6時30分以降は、大きなトラブルなく周回を重ねていき、徐々に順位をアップ。そして、15時30分にチェッカーフラッグが振られ、レクサスLCは総合96位、SP-Proクラス1位で無事完走を果たした。
GAZOOレーシングカンパニープレジデントの友山茂樹氏はレースを終え「ここニュルブルクリンクで得られた知見や、鍛えた技術は、GRブランドの各モデルに採用されていくばかりでなく、今後トヨタ自動車が投入する市販車の数々に、必ずや活かしていく。トヨタの”もっといいクルマづくり”と、それを支える”人づくり(人材育成)”に終わりはない。そのためにも、これからもニュルへの挑戦を続けていく」とコメントしている。
トヨタ、レクサスLCでニュル24時間耐久レース SP-Proクラス1位・総合96位で完走
■レクサスLCは総合96位、SP-Proクラス1位で無事完走
TOYOTA GAZOO Racingは、2018年5月10日(木)から13日(日)にかけて、ドイツにあるニュルブルクリンクサーキットで開催された第46回ニュルブルクリンク24時間耐久レースにレクサスLC(56号車 : 土屋 武士/松井 孝允/蒲生 尚弥/中山 雄一)で参戦し、SP-Proクラス1位、総合96位で完走しました。
10日(木)、11日(金)に行われた予選の結果、レクサスLCは8分34秒591を記録し、総合32位で決勝を迎えました。出走台数147台となった決勝レースは、現地時間12日(土)15時30分にスタートし、松井選手がスタートドライバーを担当しました。
スタート直後に他車との接触があり、車両へのダメージが心配されましたが、緊急ピットインするまでには至らず、予定通りのピットインで処置を実施。その後も、パワートレイン、ブレーキ、タイヤ、電気系等のトラブルが発生しましたが、そのたびにドライバー、メカニック、エンジニアが迅速かつ確実に対応し、クルマを再びコースに送り出しました。
13日(日)早朝6時30分以降は、大きなトラブルなく周回を重ねていき、徐々に順位を上げていきました。そして、15時30分にチェッカーフラッグが振られ、レクサスLCは、総合96位、SP-Proクラス1位で無事完走を果たしました。
ニュルブルクリンク24時間耐久レース 2018を終えて、GAZOO Racing Company President 友山 茂樹氏は、「何度も予定外のピットインを強いられながら、何とか24時間を走り切りって完走できたことを感謝します。ドライバー、メカニック、エンジニア、サポートスタッフがそれぞれの役割を果たし、最後の最後まであきらめずにクルマを走らせようと努力した結果だと思います。 ここニュルブルクリンクで得られた知見や、鍛えた技術は、今後GRブランドの各モデルに採用されていくばかりでなく、今後トヨタ自動車が投入する市販車の数々に、必ずや活かしていきます。
トヨタの『もっといいクルマづくり』と、それを支える『人づくり(人材育成)』に終わりはありません。そのためにも、これからもニュルへの挑戦を続けていきます」と語りました。
ニュル24H:TOYOTA GAZOO Racing、トラブル多発も「未来に繋がる」収穫
第46回ADACチューリッヒ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間レース)は5月13日、レース途中からの雨と霧のなか、長い戦いのチェッカーフラッグを迎えた。SP-PROクラスに参戦するTOYOTA GAZOO Racingの土屋武士/松井孝充/中山雄一/蒲生尚弥組56号車レクサスLCは、総合99位でフィニッシュしたが、順位以上に得るものは大きかったようだ。
「もっといいクルマを作る」。「クルマを鍛える」。
トヨタ自動車の豊田章男社長が常に口にするこの言葉は、豊田社長自らがドライバー”モリゾウ”として、2007年にスタートさせたニュルブルクリンク24時間への挑戦のなかで生まれてきた言葉。今季、4人のドライバーたちとともにニュルへ挑んだレクサスLCは、今後のトヨタ/レクサスのクルマ作りに繋がる新技術が盛り込まれたマシンだ。
挑戦するクラスは、SP-PRO。1台だけのクラスで、完走すればクラス優勝だ。ただ、これは目的ではない。過酷なニュルでLCを鍛え上げ、新たな技術の蓄積を持ち帰る。そして、トヨタの若手メカニックを育て上げることが目的なのだ。
迎えたレースウイーク、TOYOTA GAZOO Racingの戦いは順調そのものだった。国内テストで仕上げたレクサスLCは、VLN等の参戦を通じ今回の“本番”に挑んでいたが、予選まではトラブルフリーでセッティングも決まっていた。しかしレースでは一変。さまざまなアクシデントが襲いかかることになる。
■襲いかかるトラブルも、異変に素早い対応
もともとLCはGT3カーとGT4カーの中間くらいのスピードをもつクルマだったが、松井孝允がステアリングを握ったスタート直後、GT4カーと競り合いながら周回を重ねる。しかし、そのなかでエキゾーストを破損。さらに蒲生尚弥に交代した後、ブレーキにトラブルを抱えてしまう。蒲生はすぐにトラブルに気付き、長いノルドシュライフェに入る前にピットにマシンを戻すことができた。
さらに、今度は3速を失うミッショントラブルで2時間ほどの作業を要してしまう。このときドライブしていたのは松井だが、その前にドライブしていた中山雄一から伝え聞いていた違和感をもとに、すぐにピットへ戻すことができたのだという。
「すごく良い経験をさせてもらいました。その一言に尽きますね」と松井は言う。
「スタートの混乱もありましたが、メカニックの方にクルマを直していただいたり、大事に至る前にトラブルに気付いてミッション交換ができました。蒲生選手も北コースに入る前にブレーキの異変に気付いたりしたので、みんなが異変に早く気付いたことで、チェッカーを受けられたのだと思います」
夜に入ってからは、今度は雨が降り出す。このレクサスLCにとって、これまでウエットレースの経験はない。ドライバーのスケジュールを決めていた土屋武士は、リスクを避けるため初めてのニュルとなる中山に、夜の雨を回避させた。
さらに、今度は雨が予想外のトラブルを生じさせる。「雨でエアクリーナーが水を吸い、それがエアロセンサーを壊してしまった。濡れたことで慣性で吸われてしまったみたい。今まで水しぶきがあるウエットを走ったことがなかったから」」と土屋。
ただ、こちらも無事に交換し、それ以降はトラブルなくフィニッシュへ。レース後、チェッカーを受けた喜びに沸くテントには、このマシンに携わったチームメンバー、そして関連企業のスタッフと、驚くほどの人数が集まっていた。改めてこのクルマは、将来の市販車に向けた“実験車”なのだと感じさせた。
レース後、初めてのニュルブルクリンク24時間参戦となった中山雄一に感想を聞くと、「ドライバーとして、走るのはすごく大変でした。クルマもトラブルが多かったですが、大変な思いをしたことが良かったと思います。みんながクルマを直してくれて、明け方からはノントラブルでしたし、ここで頑張らせてもらえたことが嬉しかったです」と貴重な経験を積むことができたようだ。
また、蒲生は「疲れました(笑)。僕が乗っているときにいろいろトラブルもありましたし、僕たちのクルマにとっては天候も合っていなかったです。でも、本当に無事にフィニッシュすることができて良かったです」とホッとした表情をみせている。
■トヨタのクルマづくりに繋がる経験に
そして、4人のドライバーのまとめ役として、またクルマ作りを担う立場として参戦した土屋は、こう今年のレースを総括してくれた。
「ありとあらゆるトラブルが出た。でもそれには必ず原因があるので、それを追求して解決するという意味では、いろんなことが起きて良かったです。それに雨を初めて走れて素性も見れた」と土屋。
「レースという部分では、もちろん応援してくれる人の期待はできるだけ上位で……というのはあったと思うし、ノントラブルで集中して、どこまでいけるかも楽しみだったので、そこに対しては残念な気持ちはもちろんある」
「でもいちばんのプライオリティは、人を鍛え、クルマを鍛え成長するプロジェクト。スーパーGTでも言っているとおり、人は失敗や悔しいものから得るものの方が圧倒的に大きいですから」
「そういう意味で、言い方は難しいけど『楽しかったな』と思います。このレクサスLCの1年目としては最高のシチュエーションだった。1年目のスタッフも4人いるし、サーキットが初めてというスタッフもいる。これは絶対に未来に繋がるし、いろんな経験ができたのではないでしょうか」
「あとは個人的な部分で言えば、“引退”した僕にまたこんな素晴らしい経験をさせてもらえるなんて、本当にありがとうございますという気持ちですね。クルマ作りができる、ニュルを走れるなんてそうそうない経験ですから」
レース後、GRカンパニーの友山茂樹プレジデントは、「ここニュルブルクリンクで得られた知見や、鍛えた技術は、GRブランドの各モデルに採用されていくばかりでなく、今後トヨタ自動車が投入する市販車の数々に、必ずや活かしていきます」と語った。
「トヨタの『もっといいクルマづくり』と、それを支える『人づくり』に終わりはありません。そのためにも、これからもニュルへの挑戦を続けていきます」
激しいトップ争いを展開したドイツ車の戦いの一方で、別のスタンスの戦いを展開したTOYOTA GAZOO Racing。その挑戦は、これからも続いていきそうだ。
【ニュル24時間】アウディ、5度目の総合優勝はならず
ドイツで決勝レースが開催されたニュルブルクリンク24時間耐久レース。アウディスポーツのカスタマーレーシング勢は、5回目の総合優勝を果たすことはできなかった。アウディ勢最高位はアウディスポーツ・チームランド(SP9クラス)の総合6位だった。
アウディスポーツのカスタマーレーシングチームのひとつ、アウディスポーツ・チームランドは、今年のニュルブルクリンクにおいて、日曜日朝まで表彰台をかけて戦っていた。前回優勝したアウディドライバーの1人、ケルビン・ファン・デル・リンデ選手が、アストンマーティンとスリリングな3番手争いを展開していた。
しかし、インターミディエイトタイヤで走行していたリンデ選手は、高速S字区間のホーエアハトでガードレールに接触。修理のため3周分のタイムロスを余儀なくされた。最終的にリンデ選手は、弟のシェルドン、クリストファー・ミース、ルネ・ラストの各選手とともに、総合6位、クラス5位で完走を果たしている。
アウディ「R8 LMS」は、ニュルブルクリンク24時間耐久レースにおいて、過去に4回総合優勝を果たし、高い能力を示してきた。アウディは、3つの異なるクラスで優勝を目指して準備しレースに臨んだ。今回の結果は残念、としている。
【ニュル24時間】総合優勝はポルシェ911GT3 R、スバルはクラス優勝…ラスト1時間の大波乱
2018年ニュルブルクリンク24時間レース、総合優勝は912号車ポルシェ911GT3 R。2位の4号車メルセデスAMG GT3とは、終始トップ争いを続け終盤のゴール1時間ほど前にテールトゥノーズのホームストレートから第1コーナーのバトルの末、ポルシェがメルセデスを抜き去りトップ交代。そのまま逃げ切った。
今回のレースは夜半から降り出した雨がほとんど降りやまず、夜が明けてからもウェット路面のコンディション。多くの車がペースが上がらない中、トップ2台は異次元の走りを繰り返す。リードは終始メルセデスがとっていたものの、ポルシェもくらいつく形で、ルーチンのピットごとに順位が入れ替わるくらいの一進一退が続いてた。
ポルシェは、スタート直後のパンクと昼間にレッドコーションによる速度制限違反のペナルティによって、一時は4分程度もメルセデスに引き離されたが、雨の中奇跡の激走を見せ、メルセデスのテールを捉えるまでになった。ゴールまで残り1時間となったとき、ホームストレートで912号車が勝負をかけ、第1コーナーで外から4号車にかぶせてきた。4号車も譲らず続くS字で前にでようとするが、912号車と軽く接触しハーフスピンを喫してしまう。その後、4号車の必死の追い上げを振り切り、912号車が24時間レースを制した。
注目のスバルは、前日序盤のオイル漏れトラブルのあとは極めて順調に周回を重ねていた。AWDの90号車、スバル WRX STI NBRにとって雨をむしろ味方につけ、SP7やSP8クラスに匹敵するタイムで総合50位前後、SP8で走行するレクサスRCFより上位についたほどだ。このまま走り切ればクラス優勝は安泰と思われたが、今年もニュルの魔物はスバルの楽勝を許さなかった。
SP9クラスのトップが入れ替わった直後、山内選手がドライブする90号車が突然スローダウン。その前にエンジン回転数がばらつくなど不調が出始めていたようで、最後はピットに戻る途中で停止してしまう。なんとかピットまでたどり着くと、ここでもメカニックが落ち着いた作業を見せて(おそらくコンピュータ交換)、残り22分でコース復帰を果たし、なんとか完走。総合62位、SP3Tクラス優勝を果たした。
SP-PROクラスにエントリーしていたレクサスLC(トヨタGAZOOレーシング)は、総合98位で完走。トヨタは、新しいLCでのニュルブルクリンクを特別公認クラスで持ち込んだ。何度かのトラブルを喫したものの、来年に向けたデータと経験を得た。
日本人ドライバーが参加する42号車レクサス RC Fは総合45位、43号車レクサス IS F CCRが総合46位。SP8クラスの3位と4位だった。
アウディ 2018年ニュルブルクリンク24時間 レースレポート
アウディ、ニュルブルクリンク24時間レースで6位フィニッシュ
◆アウディスポーツ・チーム・ランドが6位でフィニッシュ
◆46回目となる世界有数のレースは厳しいコンディションの中で開催
◆ボン・モータースポーツがTCRクラスで表彰台を獲得
2018年5月13日 ニュルブルク/ノイブルク アン デア ドナウ(ドイツ):今回で第46回を迎えた世界有数の耐久レース、ニュルブルクリンク24時間レースがドイツのアイフェルで開催されました。濃霧と雨による最悪のコンディションのなか、アウディスポーツ・カスタマーレーシングは、ディフェンディングチャンピオンとしてこのレースを迎えましたが、5回目の総合優勝を果たすことはできませんでした。
最終的には、ケルビン・バン・デル・リンデ/シェルドン・バン・デル・リンデ/クリストファー・ミース/レネ・ラスト組が、アウディ勢最高となる総合6位でチェッカーを受けました。決勝レースは、悪天候のため、終了まで残り3時間30分の時点で、1時間以上にわたって赤旗中断となる波乱の展開となりました。
アウディスポーツ・カスタマーレーシング責任者のクリス・ラインケは、次のようにコメントしています。「今年のレースで、Audi Sportカスタマーレーシングは10周年を迎えますが、多くのモータースポーツファンの皆さまの期待に応えることはできませんでした」
「私たちのカスタマーチームとドライバーは、3つの異なるクラスで優勝を目指して懸命に準備し、レースに臨みました。そのため、今回の結果は残念でなりません。今年は、途中でレースが中断されるほど、厳しいコンディションのなかで開催されました」
アウディR8 LMSは、この有名な耐久レースで、これまで過去に4回も総合優勝を果たし、非常に高い能力を示しています。2018年の耐久レースシーズンは2月にオーストラリアで開幕し、アウディは初戦のバサースト12時間レースで見事に優勝を飾っています。次の大会は、6月に開催されるスパ24時間レースです。
アウディスポーツ・チーム・ランドは、今年のニュルブルクリンクで、日曜日の朝まで表彰台をかけて戦っていました。昨年優勝したアウディドライバーの1人であるケルビン・バン・デル・リンデが、天候の悪化によりポジションを落とすまで、アストンマーチン・V12バンテージGT3とスリリングな3番手争いを展開していました。
しかし、インターミディエイトタイヤで走行していたリンデは、高速S字区間のホーエアハトでガードレールに接触し、修理のため3周分のタイムロスを余儀なくされます。最終的にリンデは、ミース、ラスト、兄弟のシェルドンとともに、6位でフィニッシュしました。
その後ろには、アウディスポーツ・チーム・フェニックスのクリストファー・ハーゼ/ニコ・ミューラー/フランク・スティプラー/フレデリック・ベルビッシュ組も続きました。ニュルブルクリンク24時間レースに初参戦したアウディスポーツ・チームBWTのクリストファー・ハーゼ/ニコ・ミューラー/マルクス・ヴィンケルホック/マイク・ロッケンフェラー組は、総合12位でチェッカーを受けました。
チームBWT・ミュッケ・モータースポーツのマルセル・フェスラー/クリスター・ジョンズ/ピエール・カッファー/ステファン・ミュッケ組は総合14位でした。
耐久レースのエキスパートチーム、カーコレクション・モータースポーツも、悪天候による影響を受けました。エイドリアン・デ・リーナー/サイモン・トルーマー/クリストファー・フリードリッヒ/ピエール・カッファー組は、総合20位でレースを終了しました。同じチームから参戦した、ステファン・アウスト/クリスチャン・ボールラース/ロニー・ザウレンマン/ピーター・シュミット組は56位でした。2015年に優勝したアウディスポーツ・チームWRTは、アクシデントによりリタイアとなりました。
アウディスポーツのカスタマーチームは、各クラスで素晴らしいパフォーマンスを展開しましたが、期待した結果を出すことはできませんでした。アウディR8 LMS GT4でSP8クラスに参戦したチーム・フェニックス・レーシングは、レース開始から10時間経過時点までトップを走行していました。
しかし、11時間経過時点に、4人の才能ある若手ドライバーで構成されたミラノ・ドンテ/シャオル・フゥ/マックス・ホーファー/ニコライ・モラー・マドセン組は、パワートレインのトラブルによりリタイアとなりました。激しいバトルが展開されたTCRクラスでは、アウディRS 3 LMSで参戦したチーム・プロスポーツ・パフォーマンスGmbHが、6時間経過時点までクラスをリードしていました。
熟練ドライバーのクリストファー・ブロイアー/ユルゲン・ネット/マルクス・オエストリッヒ/ケネス・ベスヴォルド組は、15時間経過時点までトップの座をキープし、18時間経過時点までは2番手を走行していましたが、マシントラブルによりリタイアとなりました。一方、昨年同様、ボン・モータースポーツが表彰台を獲得しました。ドイツのミュンスターを拠点とし、アウディRS3 LMSで参戦したこのチームは、ヘルマン・ボック/マックス・パートル/ライナー・パートル/フェルカー・ペエプマイヤー組が3位でフィニッシュしています。
ニュル24時間レースにダブルエントリーしている佐々木孝太選手に聞く
今年はRING RACING with NOVELチームの2台でニュルブルクリンク24時間レース・SP3クラスにダブルエントリーをしている佐々木孝太選手。スバル/STIチーム時代を含め、豊富なニュルブルクリンクの経験を買われ、まさに大車輪の活躍だ。
残り4時間となったところでドライバー交代を終えた佐々木選手に話を伺った。
--今年のニュルですが、ずっと乗っていませんか?
佐々木:
ほんとですよね。すでに6、7、8スティント(10時間くらい)乗ってるかな?
42号車のRCFは、ファーンバッハー兄弟と吉本大樹選手と自分のチームで上を狙っていく体制なんだけど、ファーンバッハー兄弟の体調が悪くなってしまって、乗車回数が増えたんですよ。
43号車のCCS-Rは、日本人チームのヘルプということでエントリーしたのですが、コースがかなりヘビーコンディションになってしまい、まだ経験が多くなこちらの乗車回数も増えました。
--雨の様子はいかがでしたか?
佐々木:
走る周によってまったくコンディションが違うので、かなり大変でした。クルマも2台の性能とかタイヤの太さも違ったり、合わせていくのは大変でしたね。ちょっと疲れました。
--途中、カルロ選手が乗るWRX/STIが近くにいたことは知っていましたか?
佐々木:
本当ですか!? 全く知らなかったです。順位も近かったんですか? 一つ後ろ? いやぁ、知らなかったです。でも、こういうコンディションはスバルにとってはいいですよね。
--かなり迫ってきていましたね。
佐々木:速かったでしょ? まあ、それはともかく、こんなおじさんドライバーにこれだけのスティントを任せてもらえるのはありがたいことですよ。残りも頑張りますよ!
★ ★ ★
若干お疲れの表情だった佐々木孝太選手。
残りのスティントも頑張ってほしいと思います!
(F WATANABE)
「ニュルブルクリンク24時間レース2018」残り6時間。序盤苦戦のWRX STIがジャンプアップ、 GRはメカニックが驚異の粘りを見せる!
Gazoo Racingは、序盤からトラブルの連鎖が続き、メカニックの頑張りが目立つ2018年のニュルとなっています。
マフラーの破損、ブレーキホースの破損、トランスミッションの交換、ECUの交換、パンク、エアインテーク系のトラブルで、1時間以上のピット作業が次々と続いています。
ルーティングのピット作業やそれに伴うタイヤなどの準備作業もあり、休む間のない18時間だったのではないでしょうか。
残りの時間、無事にレクサスLCが無事に走ってくれることを心から願っています。
スバル/STIチームは、こちらも序盤からパワーステアリングの油圧ホースが抜けるというトラブルが再び発生し、その修復のために大きくタイムロス。一時は141位まで順位を落としました。
しかし、午前3時ごろに山内選手から井口選手への流れのなかでトップを奪取。
残り6時間という段階で、総合55位近辺を走行中です。
SP3Tクラスの他車は、トラブルやペースの遅さなどもあり直接のライバルと見るのは無理があるというのが正直なところ。あと6時間で、総合順位でどのあたりまで上げていくのか。ぬれた路面の中で、AWDの力をどれだけ発揮できるのかといったことに注目したいと思います。
また、NOVELチームはダブルエントリーしている佐々木孝太選手の活躍もあり、43号車のISF CCS-RがSP8クラス3位・総合50位、42号車のRCFがSP8クラス4位・総合54位を走行中。終盤の粘りでダブル表彰台に期待したいと思います。
残り1/4となった2018年のニュルブルクリンク24時間レース。
最後まで応援よろしくお願いします!
(F WATANABE)
ニュルブルクリンク24時間は残り3時間半を残し霧のため赤旗中断に
第46回ADACチューリッヒ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間レース)は5月14日、レース終了まで残り3時間30分というところで、濃霧のため赤旗中断となった。現段階でトップはメルセデスAMGチーム・ブラックファルコンの4号車メルセデスAMG GT3となっている。
深夜2時頃から雨が降りはじめ、ウエットコンディションに転じた2018年のニュルブルクリンク24時間。レースは序盤快走していたマンタイ・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 Rがクラッシュしたことから、メルセデスAMGチーム・ブラックファルコンの4号車メルセデスAMG GT3とマンタイの912号車ポルシェの戦いに変化していった。
コース全域を濡らした雨は、深夜4時頃には小康状態に。すっかり空が明るくなってからは路面は少しずつ乾いていったが、10時前にはふたたびポツポツと雨が降り出してしまう。そんななか、7時前に912号車はハッツェンバッハでラップダウンの車両をかわそうとした際に、接触しスピン。この修復を強いられたほか、3分ものタイムペナルティが課されてしまうことに。また、トップの2台を追っていたアウディスポーツ・チーム・ランドの1号車アウディR8 LMSが左リヤタイヤのバーストに見舞われ遅れてしまう。
11時30分、912号車ポルシェはタイムペナルティを消化し、トップは4号車メルセデスに。2番手に912号車マンタイ、そして3番手にはアストンマーチン・レーシングの007号車V12バンテージGT3が続く展開となっていった。さらに5号車、6号車とブラックファルコンのメルセデスAMGが続く展開となった。
終盤に向けて戦いが展開されていったレースは11時前後から、少しずつ霧が出はじめてしまう。霧は少しずつ深さを増してしまい、11時59分、レース中断を告げるレッドフラッグが提示されてしまった。
SP-PROクラスに参戦するTOYOTA GAZOO Racingの土屋武士/松井孝充/中山雄一/蒲生尚弥組56号車レクサスLCは、明け方にグランプリコースでエンジントラブルに見舞われ、その修復に1時間半ほどを要してしまうことに。コースには復帰したものの、赤旗時には総合102番手となっている。
一方、SP3Tクラスに参戦するスバル/STIのカルロ・バンダム/ティム・シュリック/山内英輝/井口卓人組90号車スバルWRX STIは、序盤のトラブルを克服した後は快調に周回。ウエットコンディションのなかでAWDのパフォーマンスを発揮し、総合50番手までポジションを回復した。
SP8クラスに参戦するNovel Racingの佐々木孝太/吉本大樹/ドミニク・ファーンバッハー/マリオ・ファーンバッハー組42号車レクサスRC Fはライト等にもトラブルを抱えながら、総合51番手/クラス4番手、43号車レクサスIS F CCS-Rの東徹次郎/小山佳延/松井猛敏/佐々木孝太組は順調に走行を重ね総合48番手/クラス3番手につけている。
現在雨も降り続いており、再開の目途は立っていない。
【ニュル24時間】バラエティに富んだ参加車両もレースの醍醐味
「世界最大の草レース」ともいわれるニュルブルクリンク24時間耐久レース。現在はワークスチームが最新マシンを持ち込んで総合トップ争いをするが、もともとはアマチュアレーサーが多く参加するローカルレースだったからだ。いまでも一般の参加者に対して広く門が開かれている。
参加車両の多さもこのレースの特徴で、今年の決勝出走車両はなんと147台。約25kmととんでもなく長いコースで戦うニュル24時間レースだからこなせるが、通常のサーキットでは考えられない(コース内で大渋滞が起きてしまう)台数である。
総合トップを争うのは例年ポルシェ911やメルセデスAMG GT、アウディRS、そしてBMW M6などのSP9クラス(FIA GT3車両)の最新ハイパワーマシン。いっぽうで、147台もの車両があれば珍しいクルマや少数派もあり、それらの走りを見るのもニュル24耐の醍醐味だ。
総合上位を目指すランボルギーニ『ウラカン』やKTM『X-BOW』などに交じり、トヨタ『カローラ』、そして年季の入ったオペル『マンタ』などもありとにかく見ていて飽きない。いずれにせよ、カローラや古いマンタが最新のハイパワーレースマシンに交じって走るのだから凄いレースだ。
【ニュル24時間】雨中の激走! トップ争いはAMGとポルシェ、スバルはクラス1位復帰
ニュルブルクリンク24時間レースはスタートからちょうど12時間を迎えたところ。予報通りナイトセクションで雨が降り出し、レースも荒れ模様だ。現地は気温16度。ウェット路面。
総合1位は、それまで順調に走っていた911号車のポルシェ911 GT3-Rが脱落し、変わって4号車AMGメルセデスGT3がトップを走行。2位は912号車(ポルシェ911 GT3-R)が同一周回で追っている。3位は47号車(AMGメルセデスGT3)が1周遅れで走行中。予選で強さを見せたポルシェだが、リソースを912号車に集中して、安定した走りを見せるメルセデスを追い上げる。
なお総合4位は7号車、アストンマーティン バンテージGT3(SP9-LGクラス)が同一周回で47号車を追っている。
日本車勢では、総合60位に43号車のレクサスISF CCS-R、67位に42号車レクサスRCFが入っている。それぞれSP8クラスの3位と5位だ。
GAZOOレーシングの56号車、レクサスLCは、序盤のブレーキトラブルによる緊急ピットインと、2度目の緊急ピットインに手間取り総合115位と苦しい展開だ。56号車は予選ではトップ30位が見えているタイムだっただけに、残り後半での盛り上げに期待したい。
90号車、スバル WRX STIも、序盤にパワステオイルの漏れが発生し、ピットでは白煙を上げるほどだったが、メカニックの必死の作業により約50分ほどでコース復帰した。このピット作業でSP3Tクラスの最下位まで転落したが、ラップタイムではクラストップであるため、確実に上位2台(オペルアストラ、ゴルフ7 TCR)を追い上げ、現在総合71位、クラストップを走行中。AWDのスバルは、雨で他車がペースを落とす中、SP8クラスにも劣らないラップタイムで序盤のロスを取り戻した。
レースは折り返し。これからの天候もレース展開も予断を許さない状態だ。
ニュルブルクリンク24時間:12時間経過もレースは雨に。ポルシェ勢は首位陥落
第46回ADACチューリッヒ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間レース)は5月13日、スタートから折り返しとなる12時間を経過した。11時間あたりからサーキットには雨が降り出しており、ウエットコンディションのなか波乱の展開となり、メルセデスAMGチーム・ブラックファルコンの4号車メルセデスAMG GT3がトップに浮上した。
多くのファンが詰めかけ、現地時間15時30分にスタートが切られたニュルブルクリンク24時間。序盤からレースをリードしたのは、ポールポジションからスタートしたマンタイ・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 R。盤石の走りを披露し、トップを快走していった。
これにメルセデスAMGチーム・ブラックファルコンの4号車メルセデス、そして911号車の僚友である912号車ポルシェがジワジワとポジションアップし続いていく展開に。マンタイ・レーシングとブラックファルコンという、ニュルブルクリンクの主役たちがトップ争いを繰り広げていった。
ところが、すっかり暗くなった午前1時30分過ぎというところで、ロマン・デュマがドライブしていた911号車ポルシェはノルドシュライフェを走行中にコースサイドの砂に乗ってスピン。ガードレールに激しくヒットしてしまった。
これでトップ争いは、マンタイ・レーシングの僚友912号車ポルシェと、メルセデスAMGチーム・ブラックファルコンの4号車メルセデスAMG GT3が争う展開に。これにメルセデスAMGチーム・マンフィルターの47号車メルセデス、前年勝者のアウディスポーツ・チーム・ランドの1号車アウディR8 LMS、アストンマーチン・レーシングの007号車V12バンテージGT3らが続く展開となる。
また、アウディスポーツ・チーム・フェニックスの3号車アウディ、ローヴェ・レーシングの98号車BMW M6 GT3といったところも10時間過ぎあたりまでは同一周回で続き、ドイツ車のGT3カーを中心とした優勝争いはまだまだ激しさを増しそうだったが、その状況を一変させるかのように、今度は深夜のニュルブルクリンクに雷が鳴り始め、深夜2時を過ぎたあたりからサーキットには強い雨が降りはじめた。
この雨によってペースが鈍ったのが912号車ポルシェ。リヒャルド・リエツのドライブ中に、マヌエル・メツガーがドライブした4号車メルセデスAMGが急激にギャップを詰めていく。75周目、いよいよテール・トゥ・ノーズとなると、77周目にメツガーがリエツをオーバーテイク。これで4号車メルセデスAMGがトップに浮上した。
一方、日本メーカーの2車は序盤アクシデントに見舞われた。SP-PROクラスに参戦するTOYOTA GAZOO Racingの土屋武士/松井孝充/中山雄一/蒲生尚弥組56号車レクサスLCは、序盤のブレーキトラブルに加え、接触によるエキゾーストの修復も実施。また、3速を失いミッション交換を実施。2時間ほどのストップを喫し、大きく総合順位を落としてしまったが、コースに復帰している。
また、SP3Tクラスに参戦するスバル/STIのカルロ・バンダム/ティム・シュリック/山内英輝/井口卓人組90号車スバルWRX STIは、序盤のパワーステアリングのオイルパイプのトラブルの後は走行を重ねていたものの、排気音量制限に引っかかってしまうというトラブルでふたたびガレージイン。ただ、こちらは5分のタイムロスでふたたびコースに戻っており、SP3Tクラス首位を奪還している。ウエットに転じたことによってAWDのWRX STIは周囲と比べるとペースも速く、順位も取り戻しそうだ。
一方、SP8クラスに参戦するNovel Racingの佐々木孝太/吉本大樹/ドミニク・ファーンバッハー/マリオ・ファーンバッハー組42号車レクサスRC F、43号車レクサスIS F CCS-Rの東徹次郎/小山佳延/松井猛敏/佐々木孝太組はクラス表彰台圏内を争いながら走行中。42号車はガレージインする時間があったため、現在は43号車が先行している。
ウエットコンディションに転じたことで、まだまだアクシデントも多発しそうなニュルブルクリンク24時間。レースはまだ折り返しだ。
ニュルブルクリンク24時間スタート! 序盤からドイツ勢の激しい戦いが展開
第46回ADACチューリッヒ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間レース)は5月12日、現地時間15時30分に長い決勝レースの火ぶたが切られた。序盤から上位を占めるドイツ車のGT3カーによる激しい戦いが展開される一方、日本メーカーの2台はトラブルも起きている。
GT3カーをトップカテゴリーに、多種多様なマシンが集い難攻不落のニュルブルクリンクを舞台に争われるニュルブルクリンク24時間レース。今季も20万人に迫るのではないかという非常に多くのファンがヨーロッパ中から集まり、大歓声のなか15時30分のスタートのときを迎えた。
序盤からリードを奪ったのは、ポールポジションからスタートしたマンタイ・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 R(ケビン・エストーレ/ロマン・デュマ/バンスール/アール・バンバー組)。2~3周を過ぎる頃には早くもラップダウンが生まれはじめ、またピットインするチームも出はじめたことから、GT3勢の順位は混沌としていく。
そんななか、クラッシュやトラブルによりピットインするチームも多く出はじめ、そのなかには日本からSP-PROクラスに参戦するTOYOTA GAZOO Racingの土屋武士/松井孝充/中山雄一/蒲生尚弥組56号車レクサスLC、SP3Tクラスに参戦するスバル/STIのカルロ・バンダム/ティム・シュリック/山内英輝/井口卓人組90号車スバルWRX STIも含まれてしまう。
56号車レクサスLCは、序盤こそGT4カーたちと競り合っていたものの、開始から1時間を過ぎた頃にはブレーキにトラブルを抱え緊急ピットイン。ただ、こちらはパーツ交換をすれば修復できるもののようだ。また、スバルはパワーステアリング系のトラブルで、こちらも修復が行われた。2台ともに完走を目指し、ふたたびコースインできそう。
現在ニュルブルクリンクは少しずつ陽が傾きはじめており、しばらくはドライのまま走行が続きそうだ。ただ、レース後半である5月13日の早朝から雨の予報も出ており、まだまだ予断を許さない展開になりそうだ。
【ニュル24時間】決勝スタート!…予選タイムはクラストップのスバル、雪辱なるか
5月12日午後3時30分(現地時間)、2018年の「ニュルブルクリンク 24時間レース」がスタートした。天候はおおむね良好。気温は19度との予報だが、夜半や明日は雨の予想もあり今年も波乱が予想される。
注目の日本勢はSP-PROクラスに出場するレクサス「LC」(56号車:トヨタGAZOOレーシング)とSP3Tクラスのスバル「WRX STI NBRチャレンジ」(90号車:スバルテクニカルインターナショナル)の2台。
トヨタは昨年、レクサス「RC」(SP3T)で惜しくもアウディ「TT」(LMSエンジニアリング)と4分差でクラス優勝を逃している。今年は車両をレクサスLCに変え、SP-PROクラスでの参戦となる。SP-PROクラスは試作車や既存カテゴリに分類できない車両のための特別公認クラスであり、出場車両も今年は56号車のレクサスLCのみ。したがって、目標は完走したうえで総合順位をどこまで上げることができるかだ。ちなみに、予選タイムは8分49秒591で総合34位となっている。決勝レースのスターティングドライバーは松井孝充選手。
昨年は無念のリタイアに終わったスバルは、WRX STI NBRの2018年バ―ジョンで、クラス優勝を目指す。今年のSP3Tクラスは4台のみのエントリー。昨年クラス優勝のLMSエンジニアリングは参加していないため、スバルはクラス優勝候補の筆頭だ。昨年3位入賞しているMSC SinzigのアウディTTの存在も気になるところだが、予選のトラブルでスタートしていない。トヨタ同様に、目指すは総合順位で一つでも上を狙いたいところだ。
90号車の予選タイムは9分7秒581で、クラス1位。総合で51位のポジションからのスタート。カルロ・ヴァンダム選手が1番手のドライバーを務めている。
他にもSP8クラスの42号車(レクサス「RFC」)と43号車(レクサス「ISF CCS-R」)に、日本人ドライバーがエントリーしている。SP9(FIA-GT3)に次ぐカテゴリでこちらも激戦が予想される。
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自動車業界あれこれ | 日記
Posted at
2018/05/15 22:44:24
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