2020年12月27日
実際の競技に使うのが目的だろうけどロールケージとかオイルクーラーまで付いているし、カスタムするベース車としても悪くない?
公道を走れる入門レースカー!? TRDのヤリスカップカーはプロ目線でもお買い得
ロールケージや6点式ベルト、スポーツサスを標準装備
12月に幕を閉じたヴィッツレースを引き継ぐ形で、2021年に始まるトヨタのエントリー向けレースイベント「ヤリスカップ」。そのレース用マシン「ヤリスカップカー」もTRDによって架装され、リリースされることが発表されました。
カップカーのベースとなるのは、5ドアの「ヤリス」で、3気筒 1.5Lエンジン(M15A-FKS型)搭載車です。ナンバー付きレースなので公道走行可能で、なおかつモータースポーツ用のパーツを装着した状態で販売されます。
「ヤリスカップ」での使用を前提として装着されるアイテムは、6点式+サイドバーのロールケージ、リアの減衰力調整が可能なスポーツサスペンション、エンジンの耐久性を確保するオイルクーラー、サーキット内でのけん引時に必要となるフロントトランスポートストラップとリアトランスポートフック、6点式シートベルトになります。さらストリートユースとして嬉しいのはロールケージに干渉しないように専用設計となったフロアマットも付属してくること。また、ワンメイクレースの規則に合わせてエンジンは封印されています。
車両データとGPSによる位置情報を記録できるデータロガー「TOYOTA GAZOO Racing Recorder」もオプションとして設定(13万2000円)。サーキットでの走りをデータで分析してスキルアップにつなげることができます。
ラリーの入門モデルにも最適。CVTモデルも用意される
注目は6速MT仕様に加えて、CVT仕様も用意されていること。2ペダルでのモータースポーツの幅を広げてくれるのはもちろん、AT限定免許でもモータースポーツが楽しめるというわけです。
とはいえ、ヤリスカップだけをターゲットにしているわけではなさそうです。その証拠にヤリスカップカーのリーフレットには「レース、ラリー等による過酷な走行、エンジンの過回転。過積載等に起因する不具合については保証されません」という文言が確認できます。レースだけでなく、ラリーで使われる可能性も考慮しているということでしょう。
いま日本のラリーでは実質的にオートマクラスとなっているカテゴリーが非常に盛り上がっています。また、「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ」として開催されているビギナー向けのラリーイベントにもヤリスカップカーはぴったり。WRCのイメージを受け継ぎ、ラリーの世界もターゲットにしているといえそうです。
CVT仕様であればAT限定免許でもモータースポーツ用のBライセンスを取得すれば参戦可能です。ヤリスカップカーではCVTに限って大型の空冷オイルクーラーを装備して、耐久性を確保しているのも見逃せません。もっともラリーに出場するのであれば路面と干渉したときにエンジンなどを守るアンダーガードなどの追加装備は必要になるでしょうし、サスペンションもラリー向けのものが必要となります。
専用装備を考えるとバーゲンプライス
価格は6速MTが217万1100円、CVT仕様が238万100円。快適装備の有無などがあるので、単純にカタログモデルとは比較できませんが、ヤリスのXグレードの価格は6速MTが154万3000円、CVTが159万8000円となっています。前述したようにロールケージや専用フロアマット、スポーツサスペンションといった内容を考えるとバーゲンプライスといっても過言ではありません。寒冷地仕様も選択できます。
この手のモータースポーツ車両というと白ボディしか選択肢がないというケースが多いのですが、ヤリスカップカーはレッドやグリーン、ブルーにボルドーなど全12色を設定しているのも“ナンバー付き”のレースマシンならではといえそうです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
TRD、新型 "YARIS Cup Car(ヤリス カップカー)" コンプリート⾞両発売
TRDブランドでモータースポーツ活動および競技⽤部品の供給を⾏う株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメントは、“YARIS Cup Car”を発表・発売致した。
“YARIS Cup Car”は 2021 年より開催予定の“TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup”への参戦⾞両として開発されたコンプリート⾞両だ。これまでトヨタ ヴィッツ/トヨタ 86 をベースとして提供している“Racing”シリーズからのコンセプトはそのままに、レース参戦に必要となるロールケージ等の⾼コストな装備をリーズナブルにパッケージ化した。そのため。ユーザーが好みに合わせて変更可能なシートやホイール等は廉価仕様の装備に抑えてある。
先代“Vitz GR SPORT “Racing” Package”より設定を開始した CVT ⾞両は⾶躍的なパフォーマンスアップを実現。開発時のテストでは、2ペダルドライブの強みを活かした MT⾞両にも劣らない⾛⾏性能を確認済だとしている。※1
※1 弊社テストドライバーによる開発⾞両⾛⾏結果。ラップタイム・⾛⾏場所については開発情報につき⾮公開。
ベース⾞のパフォーマンスアップに伴い、CVT/MTの両仕様に最適化されたエンジンオイルクーラーを標準装備、安定的にレーシングスピードでの周回⾛⾏が可能な冷却性能を発揮する。MT⾞⽤はコンパクトな⽔冷式を採⽤、安全マージンを確保する。
サスペンションはシリーズとして初めて※2 リヤ側に減衰調整機構を設けた専⽤チューニングサスペンションセットを標準装備、ドライバビリティを向上させると共に、⾛⾏スタイルに合わせたセットアップが可能となっている。
※2 歴代 Racing シリーズを含むワンメイクレース⽤弊社コンプリート⾞両中にて初採⽤。
架装メーカーオプションに“TOYOTA GAZOO Racing Recorder(トヨタ ガズー レーシング レコーダー)”※3 を設定、⾞両情報と⾛⾏軌跡を統合記録し、サーキット⾛⾏での更なるタイムアップに活⽤可能だ。
※3 トヨタ⾃動⾞純正⽤品(ご参考︓https://toyotagazooracing.com/jp/gr/grparts/recorder/)。弊社にてロールケージ装着前取付。
専⽤設計のインパネ⾮貫通式ロールケージは、基本構造6点と運転席/助⼿席にサイドバー付。乗⾞定員に変更無し(5 名)を実現。JAF国内競技⾞両規則「スピード B」および「スピード SA」適合し、上記規則の求める最⼩パイプ径(Φ35mm)を上回るΦ40mm の設計としており、安全性を確保。
販売について、2020 年 12 ⽉ 11 ⽇(⾦)より全国トヨタ販売店にて発売する。保証は、架装部分について保証を受けられる期間は、⾞両がカスタマーに引き渡された⽇から1年間となる。ただし、その期間内でも⾛⾏距離が 20,000 kmまでとなる。なお、レース、ラリー等による過酷な⾛⾏、エンジンの過回転、過積載等に起因する不具合については保証されない。※4
※4 レース、ラリー等への使⽤以降は保証が消滅致します。
YARIS Cup Car ⽤ページ
https://www.trd-motorsports.jp/yariscupcar/
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自動車業界あれこれ | 日記
Posted at
2020/12/27 14:03:10
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