2020年12月29日
【ゴルフのアプローチ 08】安全面や環境面も重視して登場した3代目ゴルフ
1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。今回は3代目ゴルフ登場の経緯について見ていこう。
キープコンセプトの2代目からスタイリングを一新
3代目ゴルフは1991年8月に登場した。この当時、フォルクスワーゲンは拡大政策を推進してチェコのシュコダやスペインのセアトを傘下に収めるなどしていた。日本でも日産と提携しており、1984年からパサートがサンタナという車名でライセンス生産された。そんなこともあってか、このゴルフは発売前に日本の路上でもテストをしたといわれる。
国際化を進めたゴルフ3であるが、基本的な設計は先代モデルと大きく変わらず、ボディサイズもあまり変化がなかった。ただ、スタイリングについては、2代目が初代のまったくのキープコンセプトだったことを考えれば、だいぶ変わったといえる。もっともそれでも「正常進化」の範囲内であり、ゴルフらしさを守ろうという意識はしっかり働いていた。
スタイリング以外の変化としては、バリエーションの増加、安全面や環境面で充実したこと、それにエンジン排気量の拡大などがある。バリエーションは、のちの時代に比べればまだまだ少ないが、初めてワゴン版がつくられたほか、V6エンジン搭載車が加わっている。
エンジンは4気筒についても、従来の1.2/1.6/1.8Lという構成が、1.3/1.8/2.0Lへとそれぞれひとまわり大きくなった。またディーゼルも従来の1.6Lから1.9Lへと拡大している。ディーゼルはターボとノンターボがあったが、それぞれ直噴が初めて採用されたほか、1991年から酸化触媒が採用された。トランスミッションでは、エコマティックと称する2ペダル式のMTが採用され、これにはアイドリングストップ機構が備わっていた。
環境に対する配慮としては、樹脂部品がすべてリサイクル可能なものになったということも注目点だった。また、ボディサイズが大きくならなかったのも、環境性能を意識した面があったようである。環境に配慮した印象が強いのには、時代背景がある。ゴルフ3を開発していた頃、ドイツでは「緑の党」に象徴される環境運動が盛んになっていた。大気汚染に由来する酸性雨の問題が深刻化しており、速度無制限のアウトバーンに対する風当たりも強くなっていた。1973年と79年に襲った石油危機の影響からも、まだ脱しきれていなかった。
ドイツ(当時は西ドイツ)は、自動車立国ともいえるくらい自動車づくりに力を入れてプライドを持っていたが、ほかの国と同様に、この頃その自動車に対して疑問が持たれて、少し肩身が狭い時代だった。そんなこともあって、ゴルフ3はややダイナミックさに欠けて、いかにも優等生的であるが、とくにその後のゴルフ4や5に比べれば、少し地味な印象だったといえるかもしれない。大きなV6エンジンを積んだことについても、半ば本音でもあったろうが、上級モデルからのダウンサイズの役割があるという、やや言い訳じみた説明もしていた。
安全面が充実したのも、環境と同様、社会背景があったといえそうだが、とくに注目すべき技術としては、1992年から、運転席と助手席のエアバッグが初めて採用された。
スタイリングの変化でとくに目立つのは、ヘッドランプである。初代と2代目が丸型ランプだったのに対し、初めて異形ヘッドランプが採用された。ただ、これは楕円型であり、先代までとの連続性が感じられるように考えてデザインされたものだった。フロントマスクは「小顔」になった印象で、それはボディの四隅が丸められ、フロントエンドが絞り込まれていたからである。これは空力のためであり、燃費向上のために先代よりもさらに空力性能を追求。Cd値は0.30~0.33とかなり優秀なものになっていた。また全長が4020mmで旧型からほとんど変わっていないのに対し、トレッドは広がっており、車体はちょっと太っているように見える。
バンパーにはまだブラックの部分は残されているがボディ同色となり、形状としてもボディ本体と融合するようになった。ボディサイドでは、ショルダーラインの少し低めの位置に全長にわたって大きな段差のラインが入れられており、これが横から見た際の3代目ゴルフの特徴となっている。ボディは全体に角がスムーズに丸められて、車体の工作精度が上がり、またボディ剛性も上がって品質の向上が感じられた。
ゴルフ3は、歴代ゴルフの中ではやや地味な存在ではあるが、華やいだイメージのある次のゴルフ4につながるような進化を、着実に続けていたのだった。(文:武田 隆)
【ゴルフのアプローチ 09】バリエーションを増やして勢力をさらに拡大した3代目ゴルフ
1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。今回は、3代目ゴルフのバリエーションについて語ろう。
ゴルフシリーズ初のワゴン「ヴァリアント」も登場
ゴルフ3は、バリエーションを増やしたのがひとつの注目点だった。それでもプラットフォームを共有する兄弟車をたくさん持つようになった近年と比べれば、はるかに少なかったが、ユニークな6気筒エンジンを加えるなどゴルフ ファミリーは着実に勢力を拡大していた。
ゴルフ3の導入から2年たった1993年には、ゴルフ ヴァリアントが登場。意外にも思えるが、ゴルフとして初めてのワゴンボディだった。4ドアハッチバックのリアサイドドアまで共用して後部を延長したボディで、全長は320mmほど長い。背景としては、この頃ヨーロッパでワゴンの需要が高まっているということもあった。
同じ1993年には、オープンボディのカブリオが発表されている。ゴルフ カブリオはゴルフ1ベースのものが長く生産されており、ゴルフ2を飛ばしてゴルフ3カブリオへとモデルチェンジした。ひき続きカルマン社で仕立てられたが、幌が電動開閉式になったのが新しかった。
GTIは、エンジンが2Lに拡大された。この頃は、排ガス対策のために導入された触媒の影響で高出力車の出力が下がり気味だった時代で、2バルブのふつうのGTIの場合、最高出力は115psにすぎなかった。モデルチェンジ直前の先代GTI(1.8L/107ps)よりは増強されていたとはいえ、近年のGTIが同じ排気量2Lながら200psを大きく超えていることからすると、ずいぶん控えめだった。とはいえ、その後追加された16バルブ仕様では150psまで強化された。
また、この世代のGTIにはディーゼルエンジンも搭載されていた。1.9Lのターボディーゼル(TDI)であり、出力は110psとそれなりだったものの、過給のディーゼルによって分厚いトルクを持ち合わせていた。GTIにディーゼルが搭載されたのはこのゴルフ3と次のゴルフ4だけで、それ以外ではGTDを名乗っている。
GTIに関しては、ゴルフ3と続く4の時代は比較的おとなしい印象だったが、新たに目玉となる高出力モデルが誕生した。それがV6エンジンを積むVR6である。このエンジンは15度というバンク角の狭いV6エンジンで、バンク角といってもふつうのV型エンジンのように、左右にシリンダーヘッドが分岐しておらず、3気筒ずつがオフセットしながらも、ひとつのシリンダーブロックで収まっている特異なエンジンだった。ドイツ語の「v-motor(V型エンジン)」と「reihenmotor(直列エンジン)」の頭文字をとって、VR6と命名されており、文字どおりV型と直列の性質を合わせ持つのが特徴である。
これが開発されたのは、直列4気筒横置きのFFを用いるゴルフで、大排気量化やマルチシリンダー化を実現するためであり、全長が短く狭いエンジンルームに狭角V型エンジンが難なく収まっていた。
排気量は2.8Lあったが、最高出力は174psと比較的抑えめで、その理由のひとつとして2バルブということがあった。シリンダーヘッドが1つしかなく、その狭いスペースに6気筒を詰め込んでいるので、4バルブにするのが難しかったのだ。カムシャフトはこの1つのヘッドに対して2本あるので、フォルクスワーゲンはこれを「DOHC(ダブル オーバーヘッド カムシャフト)」とアピールしていたが、実際はV型エンジンの両バンク用にカムシャフトが2本あるということなので、事実上はSOHC(シングル・・・)であった。そんなことから、このVR6エンジンは回して痛快なエンジンではなく、トルクこそ太いもののジェントルなエンジンとなっていた。
メーカーもそこは理解しており、GTIの上に来るスポーティなハイパフォーマンスモデルとしては位置づけなかった。ただ、のちの時代にこの狭角V6エンジンは、3.2Lまで拡大され、4バルブ化も実現されることになる。さらに、これを2つ組み合わせて、W型の8/12/16気筒が開発され、グループ内のアウディ、ベントレー、ブガッティなどの高性能化に多大に貢献することになるのだった。
このほか、生産化には至らなかったが、WRC参戦用4WDモデルが1993年頃に試作されており、現在でもフォルクスワーゲンで動態保存されている。A59と呼ばれる試作車は、芳しい活躍ができなかった先代のゴルフ2ベースのラリー ゴルフに替わるべきもので、2Lターボを搭載して275psを発生していた。冷却用の風穴だらけのフロントまわりや、オーバーフェンダー、エアロパーツ類などで武装されたボディワークは競技用マシンして迫力十分で、実戦投入されなかったのは残念であった。(文:武田 隆)
Posted at 2020/12/29 11:51:14 | |
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フォルクスワーゲン | 日記
2020年12月27日
VWグループが再編、ベントレーをアウディの管理下に…ランボルギーニとドゥカティの身売り報道は否定
フォルクスワーゲングループ(Volkswagen Group)は12月14日、グループ内の再編に関して、監査役会が合意に達した、と発表した。
グループ内の再編のハイライトのひとつが、傘下のプレミアムブランドの扱いだ。英国の高級車ブランド、ベントレーは2021年3月1日付けで、アウディブランドの管理下に入ることが決定した。
フォルクスワーゲングループは2018年4月、経営構造の大規模な見直しを発表した。継続的なリーダーシップの基盤を構築するため、新たなブランドグループとして、フォルクスワーゲンブランドなどが属する「ボリューム」、アウディなどが属する「プレミアム」、ベントレーなどが属する「スーパープレミアム」が導入されていた。
今回のフォルクスワーゲングループの再編の過程で、ベントレーブランドは、アウディブランドの管理下に入る。アウディとベントレーの2つのプレミアムブランドの電動化戦略の一環として、相乗効果を達成できるようにするのが狙いという。
一方、現在、アウディの傘下にあるランボルギーニとドゥカティに関しては、引き続きアウディ、そしてフォルクスワーゲングループの傘下であり続けることが監査役会で合意された。これは、一部メディアで報じられたランボルギーニとドゥカティの身売り報道を、否定する形となる。
Posted at 2020/12/27 13:53:44 | |
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フォルクスワーゲン | 日記
2020年12月15日
VW新型アルテオンに320馬力の最強モデル「アルテオンR」登場! 約777万円から
■Rパフォーマンスパッケージ装着すると最高速度は270km/hに
独フォルクスワーゲン(VW)は2020年12月12日、同年6月にドイツで登場した改良新型「アルテオン」および「アルテオン シューティングブレーク」に、最強スポーツモデル「アルテオンR」「アルテオンR シューティングブレーク」を追加、プリセールを開始した。
ドイツでのアルテオンRの車両価格は6万1484.87ユーロ(日本円で約777万円。ドイツの付加価値税16%含む。以下同様)、アルテオンR シューティングブレークは6万2347.56ユーロ(約789万円)となる。
VWのスポーツモデルを一手に手掛ける「フォルクスワーゲンR GmbH」がデザインした、アルテオンのフラッグシップモデルとなるアルテオンRのパワートレインには、最高出力320ps/5350-6500rpm、最大トルク420Nm/2100-5350rpmを発生する「EA888 エボ4」と呼ばれる2リッターTSI(直列4気筒ガソリンターボエンジン)を搭載。
組み合わされるトランスミッションは7速DSG(DCT)で、0-100km/h加速は4.9秒、最高速度は250km/h(リミッター)というパフォーマンスを誇る。さらにオプションの「Rパフォーマンスパッケージ」を組み合わせると、リミッターは解除され最高速度は270km/hとなる。
駆動方式は4モーション(4WD)。新たに開発された「4モーション with パフォーマンス・トルクベクタリング」と呼ばれる全輪駆動システムは、エンジンパワーをフロントアクスル・リアアクスルの間だけでなくふたつの後輪の間もアクティブに分配する。これにより、とくにコーナリング時のパフォーマンスを向上しているという。
またアダプティブ・シャシコントロール(DCC)を標準で装備。ドライバーは、ドライビングプロファイルを任意で選ぶことで、好みの走りを得ることができる。さらにマルチファンクション・ステアリングホイールにある青い「R」ボタンを押すことで、エンジン出力やギアのマッピング、DCCがよりスポーティなモードに変わる。
デザインは、新開発のRバンパーやマットクロームのミラーカバー、18インチ「Sebring」のアルミホイール、Rロゴ入りのブルーのブレーキキャリパーなどで、Rモデルのスポーティさを強調している。リアではディフューザーの外側にふたつの台形テールパイプを備えた新しいスポーツエキゾーストシステムも備える。オプションで19インチ「アデレード」、および20インチ「エストリル」のアルミホイールも用意される。
インテリアでは、フロントシートの背もたれにRロゴが付いたスポーツシートと、大型パドルシフトを備えたマルチファンクションステアリングホイールを標準装備。Rモデルらしくシートやアームレスト、本革ステアリングホイール、シフトレバーなどに青いステッチが入る。またオプションで、ヘッドレスト一体型バケットタイプのフロントシートが用意される。
※ ※ ※
新型アルテオン、および新型アルテオン シューティングブレークは、2021年中に日本でも発表される予定となっている。ただし今回ドイツで発売されたアルテオンRの日本導入時期はまだ決まっていない。
VW アルテオン に最強「R」、320馬力ターボ搭載…予約受注を欧州で開始
フォルクスワーゲン(Volkswagen)は12月10日、『アルテオン』改良新型と『アルテオン・シューティングブレーク』に設定される高性能グレードの「R」の予約受注を欧州で開始した。ドイツ本国でのベース価格は、6万1484ユーロ(約776万円)と発表されている。
◆アルテオン初の「R」
アルテオンにはこれまで、「Rライン」が用意されていた。その上に位置する高性能グレードの「R」は、アルテオン初設定となる。シリーズのトップグレードに位置付けられる。
フォルクスワーゲンRは2002年、「フォルクスワーゲン・インディビジュアル」の名前で設立された。2011年に、現在のフォルクスワーゲンRに名前を変更した。
フォルクスワーゲンRの原点は、2002年に発表された『ゴルフR32』とされる。その後、『パサートR36』、『トゥアレグR50』、『シロッコR』、『ゴルフR』など、ラインナップを拡大してきた。また、内外装を中心にスポーツ性を強調したRラインを、幅広い車種に設定している。
◆「R」らしい専用デザインのエクステリア
エクステリアはバンパーが新設計され、フロントに専用エアインテーク、リアにディフューザーを装備した。マットクロームのドアミラーカバー、フロントドアにはRロゴプロジェクションが採用される。Rパフォーマンスブレーキシステムには、Rのロゴ入りブルー仕上げの18インチブレーキキャリパーが付く。
18インチの「セブリング」アルミホイールが標準。オプションで、19インチの「アデレード」ホイールと、20インチの「エストリル」ホイールが選択できる。タイヤも専用開発した。ディフューザーの外側に2つの台形の金属製テールパイプを備えたフォルクスワーゲンRの新しいスポーツエキゾーストシステムは標準だ。
◆0~100km/h加速4.9秒で最高速270km/h
『アルテオンR』と『アルテオン・シューティングブレークR』には、直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボ「TSI」エンジンが搭載される。このユニットは、「EA888 エボ4」と呼ばれる。これは、ハイテクターボ付きエンジンの最新の進化バージョンになるという。
アルテオンRとアルテオン・シューティングブレークRの欧州仕様車の最大出力は320ps/5350~6500rpm、最大トルクは42.8kgm/2100rpmを引き出す。
320psのパワーを効率的に路面に伝えるために、「Rパフォーマンス・トルクベクタリング」を搭載する。これにより、4WDの「4モーション」システムは走行状況に応じて、前後アクスル間だけでなく、後輪左右の間でも駆動トルクを最適に配分することができる。フォルクスワーゲンによると、とくにコーナリング時の敏捷性が向上しており、カテゴリーで新しいレベルのドライビングダイナミクスを実現しているという。
この4モーションに、新開発の「アダプティブシャシーコントロール(DCC)」を組み合わせる。ドライバーは、DCCの設定を切り替えることにより、ドライビングダイナミクスシステムを最適化することが可能だ。サスペンションも強化されている。
動力性能は0~100km/h加速が4.9秒。最高速は250km/h(リミッター作動)となる。オプションの「Rパフォーマンスパッケージ」を装着した場合、最高速は270km/hに引き上げられる。
◆新開発のデジタルコックピット
インテリアは、インフォテインメントや空調コントロールを含むセンターコンソール、ドアトリムの上側を再設計した。新開発のデジタルコックピットも採用する。ドライバーは各種表示を、好みに応じてカスタマイズできる。10.25インチのディスプレイは高精細とした。オートエアコンのタッチスライダーと、タッチコントロール付きの新しいマルチファンクションステアリングにより、操作性が引き上げられている。
ドライバーは、マルチファンクションステアリングホイールのボタンを使用して、3つの基本レイアウトを素早く切り替えることができる。新開発の「MIB3」インフォテインメントシステムを採用した。MIB3は、エアコン操作部分の上側の手の届きやすい位置にレイアウトした。MIB3は、自然な音声制御によって、各システムを簡単に切り替えることができる。スマートフォンなどを、ワイヤレスで充電することも可能だ。
またApple の「CarPlay」とグーグルの「Android Auto」向けに、アプリをワイヤレスで組み込める「App-Connect Wireless」を採用した。オーディオは、高出力の700Wハイエンドサウンドシステムが用意される。さらに、インテリアの照明を最大30色に変更できるシステムも設定されている。
背もたれにRのロゴが付いた黒い「ArtVelours」シートと、DSG用の大型パドルシフトが付いたRマルチファンクションスポーツステアリングホイールを採用する。また、カーボンルックのアルミアクセントが標準。フォルクスワーゲンRのブルーは、シート、フロントアームレスト、シフトレバーカバー、レザースポーツステアリングホイールの装飾ステッチに使われた。センターステアリングホイールクリップの内側も、ブルーで仕上げている。
また、マルチファンクションスポーツステアリングホイールの青い「Rボタン」を押すと、エンジン、ギアボックス、DCCランニングギア、ステアリングなどの特性を、「レースモード」に切り替えることができる。
Posted at 2020/12/15 21:44:07 | |
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フォルクスワーゲン | 日記
2020年12月15日
フォルクスワーゲンが次世代の主力エンジン群を発表。ミラーサイクルや気筒休止も採用
独フォルクスワーゲンは12月8日、主力パワーユニットとなる直噴ターボチャージドエンジン「TSI evo」の概要を公開した。
TSI evoは「up!」から「パサート」まで幅広く搭載されるガソリンユニットで、排気量は1.0Lと1.5Lの2タイプ。気筒数は前者が3気筒、後者が4気筒となる。出力も車種によって最適化されており、1.0L直3は90PSから115PS、1.5L直4は130PSと150PSがラインナップされる。
電動化との相性もよく、「ゴルフ」に設定される「1.0eTSI」グレードは1.0L直3に48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせ、最高出力110PS、最大トルク200Nmを発生。202km/hのトップスピードを誇りながら、燃費は最高で23.3km/L(NEDCサイクル)、CO2排出量も102g-98g/1kmに抑えている。また、3気筒および4気筒双方が天然ガス燃料に対応可能なことも大きなメリットの人ひとつだ。
技術的な特徴で一番に挙げられるのはすべての3気筒ユニットと130PSの4気筒ユニットが、ミラーサイクルを採用していること。具体的には、吸気行程の途中でバルブを閉じてしまう早閉じ制御により、スロットルロスを低減することに成功している。さらに、実質的な排気量が減少することで通常であればトルクが低下してしまうところを、吸気カムシャフトの油圧制御の精緻化と、可変ジオメトリーターボの採用によりクリア。低回転域から最大限のトルクを発生するようチューニングしている。
また、1.5L直4にはアクティブシリンダーマネジメントを装備し、中低負荷の領域では2番目、3番目のシリンダーを休止することで燃費を改善。シリンダーはアクセルを踏めば瞬時に再起動するが、その際の振動やノイズは最小限に抑えられ、ドライバーはエンジンのオン/オフを気にすることなくドライブを楽しむことができそうだ。
このほかにもコモンレール機構により350barにも達する燃料噴射圧や、クランクケースをアルミニウム製としたことによる軽量構造など、取り入れられた先進技術は枚挙に暇がない。新エンジンの実用化が今から楽しみだ。
Posted at 2020/12/15 21:09:47 | |
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フォルクスワーゲン | 日記
2020年12月05日
VW ティグアン に初の「R」、320馬力ターボ搭載…受注を欧州で開始
フォルクスワーゲンは11月25日、改良新型『ティグアン』(Volkswagen Tiguan)に新設定された高性能グレード、『ティグアンR』の受注を欧州で開始した。ドイツ本国でのベース価格は、5万6703ユーロ(約704万円)と発表されている。
◆ティグアンのトップグレードに位置付け
ティグアンにはこれまで、「Rライン」が用意されていた。その上に位置する高性能グレードの「R」が、ティグアンに設定されるのは、今回が初めてだ。ティグアンRは、シリーズのトップグレードに位置付けられる。
フォルクスワーゲンRは2002年、「フォルクスワーゲン・インディビジュアル」の名前で設立された。2011年に、現在のフォルクスワーゲンRに名前を変更した。
フォルクスワーゲンRの原点は、2002年に発表された『ゴルフR32』とされる。その後、『パサートR36』、『トゥアレグR50』、『シロッコR』、『ゴルフR』、『アルテオンR』など、ラインナップを拡大してきた。また、内外装を中心にスポーツ性を強調したRラインを、幅広い車種に設定している。
◆「R」らしさが表現された内外装
内外装には、Rらしいスポーツ性が表現された。エクステリアは、Rを特徴づけるブルー塗装のブレーキキャリパーや大径ホイールが装備される。前後バンパーや細いスポークを備えたアルミホイール、4本出しのマフラーなどが専用デザインになる。フロントグリルとリアゲートには、新しいRのロゴが配された。Rデザインのバンパー、マットクロームのドアミラーカバー、高光沢のブラックリアディフューザーも装備される。ハウジングエクステンションと20インチ「ミサノ」アルミホイールも標準だ。
インテリアは、シートやステアリングホイール、ステンレス製ペダルなどが、ティグアンRの専用デザイン。ヘッドレスト一体設計の専用のプレミアムスポーツシートや、ラップタイマーが組み込まれたデジタルコックピットも装備する。R専用のカーボングレートリムは、バックライトによって照らされる。アルミ製フロントシルパネルモールディングには、Rのロゴをあしらう。
ティグアンRには、最新世代のモジュラー式インフォテインメントシステムの「MIB3」、カスタマイズ可能なデジタルコックピット、新世代のパーソナライゼーションシステムが採用される。 MIB3は、自然な音声認識によるコントロール、デバイス間を簡単に切り替えることができるマルチフォンペアリング、ワイヤレスの「App-Connect」などが特徴だ。最新の「フォルクスワーゲンデジタルコックピット」が装備されており、ドライバーはメーターの表示をカスタマイズ可能。10.25インチサイズのディスプレイが装備されている。
◆0~100km/h加速は4.9秒
EA888型と呼ばれる直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボ「TSI」エンジンが搭載される。この4気筒エンジンは最大出力が320ps。42.8kgmの最大トルクを2100rpmで発生し、豊かなトルクを5350rpmまで維持する。このパワーは、最新の4WDシステムの「4MOTION」と、「Rパフォーマンス・トルク・ベクタリング」によって、4輪に分配される。
フォルクスワーゲンはティグアンRに、2つのマルチプレートクラッチを備えたリアファイナルドライブを初搭載した。このシステムは、駆動力を前後アクスル間で分配するだけでなく、左右の後輪の間でも可変的に分配する。新しい4MOTIONにより、コーナリング時のハンドリングの俊敏性が大幅に向上しているという。
トランスミッションは、パドルシフト付きの7速デュアルクラッチ「DSG」。動力性能は0~100km/h加速が4.9秒、最高速が250km/h(リミッター作動)と発表されている。
10mm車高が下げられたDCCシャシーには、アダプティブ制御されるショックアブソーバーが付く。ブレーキは大容量の18インチシステムを搭載する。「Rモード」は、新開発のマルチファンクションスポーツステアリングホイールの青いRボタンを使用して、作動させる。スポーツエキゾーストシステムは、オプションでアクラポヴィッチ製のチタンエキゾーストシステムに交換できる。
Posted at 2020/12/05 22:32:53 | |
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フォルクスワーゲン | 日記