ラ・フェラーリのレーサー、FXX-Kが「エボ」に進化…空力性能が大幅向上
FXX-Kのパワートレインは、ラ・フェラーリの6262ccのV型12気筒ガソリンエンジン+HY-KERSを、レース用に専用チューニング。トータル出力1050psという圧倒的パワーを獲得した。
今回、イタリアで初公開されたFXX-Kエボは、FXX-Kの進化バージョン。エアロダイナミクス性能を大幅に引き上げているのが特徴。アクティブリアスポイラーと空力面で相乗効果を生む新デザインの固定式リアウイングをはじめ、新型のバンパー、フロントにはカナードや新形状のリップスポイラーが装着される。
これらの改良により、従来比で23%エアロダイナミクス性能を向上。市販モデルのラ・フェラーリに対しては、75%もの向上となる。200km/h走行時のダウンフォースは640kg、最高速到達時には830kg以上のダウンフォースを生む。
フェラーリFXX-Kエボ発表 FXX-K用アップデート・パックも
フェラーリFXX-Kエボとは?
フェラーリは、FXX-Kエボを発表した。
「エボ」は、FXX-Kのオーナーに向けたアップグレード・パックと、ごく少数の新車生産という2通りの方法で提供される。
このパッケージは、FXX-Kの空力と車重を改善するもので、
ダウンフォース:830kg(最高速で走行時)
を記録。標準車となるFXXよりも23%高められ、ベースとなるラ フェラーリと比較して75%も向上している。
200km/h走行時でもダウンフォースは640kgに達するというから、空力はGT3のチャンピオンシップカー並みということになる。
FXX-Kエボ エクステリア
主な外観の変更点は、エアロダイナミクス性能を求めたフロント/リアエンドの改良だ。
フロントホイールの前に追加した
エアインテーク
ヴァーティカル・ターニング・ベーン
によりダウンフォースは10%向上。フロントブレーキ冷却用エアインテークも再設計されている。
リアセクションには、固定式ウイングを設置。アクティブ・リアスポイラーと複合的に機能する仕組みとなった。このスポイラーを制御するソフトウェアも、空力を最大化するように改良をくわえたという。
さらに、車体後部からリアエンドに向かって “垂直尾翼” のようなセントラルウイングが設置された。また、リアセクションのエアフローを整えるために、車体表面にボルテックス・ジェネレーター(乱流翼)をマウントしたのも大きな特徴だ。
インテリア、サスペンションも変更
インテリアは、ステアリングホイールを変更。やや大ぶりになったインフォテインメントスクリーンは、新型のテレメトリーシステムを採用している。
シャシーについては、空力向上に対応すべくサスペンションの改良などが行われた。
なお、FXX-Kと同様に、FXX-Kエボもサーキットユース専用モデルとなっている。
何この空力オバケはw
市販仕様の筈のラ・フェラーリでもモンスターな筈なのに比較が可笑しいんだろうね
世界初公開された実験車両「フェラーリFXX-K Evo」の最先端エアロボディが凄い
フェラーリの市販モデル開発を加速させる実験車両として、またセレブリティに許されたサーキットプログラムの専用マシンとして使われてきた「XX」シリーズの最新モデルFXX-K Evoが、イタリアでワールドプレミアされました。
公道走行もできなければ、専用プログラム以外のレース参加も不可という「FXX-K Evo」は、フェラーリの次世代モデルに採用されるテクノロジーを先行採用しているのが、最大の注目点。とくに、今回の見どころはエアロダイナミクスにあります。
非常に印象的な2枚翼のリアウイングなど、モータースポーツからフィードバックされた空力デバイスを与えることにより、ダウンフォース係数は従来比で23%も 向上しているといいます。具体的には、200km/hで発生するダウンフォースは640kg、最高速度域では830kgを超えるということです。
ミッドシップに搭載されるエンジンはバンク角65度、総排気量6262ccのV型12気筒で、エンジン単体での最高出力は860馬力。そこにF1譲りのテクノロジーであるHY-KERS(ハイブリッド)をプラスすることで、システム最高出力は1050馬力、最大トルクは750Nmと発表されています。
そのほか、F1テクノロジーに由来するトラクションコントロール、電子制御ディファレンシャルを搭載。サスペンションは磁性体を使ったダンパーシステムが採用されています。
2018/2019年のXXプログラムを担うフェラーリFXX-K Evo、いずれの年も9回のサーキットプログラムが予定されているということです。
(山本晋也)
フェラーリ サーキット走行限定の実験車輌「FXX-K Evo」を発表
フェラーリは2017年10月29日、ムジェロサーキットで開催されたフィナーリ・モンディアーリにおいて、サーキット走行限定の実験車輌 XXシリーズの最新モデルとなる「FXX-K Evo」をワールドプレミアした。
フェラーリは2005年から、XXプログラムと呼ばれる次世代プロダクションモデルの研究・開発プログラムを行なっている。これはレース由来の最先端テクノロジーを投入した、サーキット専用の実験車輌を製作し、ごく限られたスーパーカー・エンスージアストに販売。その走行データを回収し、次の世代の市販モデル開発に役立てようというものだ。
このプログラムのために用意された車輌は、第1世代がエンツォフェラーリをベースに作られたFXXと、その発展型のFXX-Evo。そして2010年には第2世代として、599GTBフィオラノをベースとした599XXと、同じく発展型の599-Evoが作られ、2014年にはラ フェラーリをベースとした第3世代のFXX-Kが登場している。今回のFXX-K Evoは、FXX-Kの発展型という位置付けだ。
FXX-K Evoのパワーユニットは、ラ フェラーリに搭載される6,262cc V型12気筒を基本とはしているものの、エンジン自体を860PSまでパワーアップしているのに加えて、140kWの電気モーターを組み合わせたHY-KERSシステムを採用。システム総合最高出力はじつに1,050PSを発生する。ただしこれはFXX-Kと同一のスペックだ。
今回の改良の目玉は、ボディの空力特性向上にあるといっていい。1年にわたる綿密なCFD(流体解析)シミュレーションと、ウィンドトンネル実験を重ねた結果、FXX-K Evoのエアロダイナミクス性能は、GT3およびGTEレース車輌に極めて近いダウンフォース値を獲得している。
ダウンフォース係数は、従来比で23%向上した。これは、ベースとなるロードゴーイングカー比では75%増に匹敵する値で、速度200Km/hで発生するダウンフォースは640kg。最高速度域では830kgを超えるまでに至っている。
FXX-K Evoのダウンフォースレベルを引き上げたのは、リアに装備したツインプロファイル(2枚翼)の固定ウイングだ。この新デバイスは、アクティブ・リアスポイラーとシームレスに効果を発揮するよう開発されていて、モバイル・スポイラーの制御ユニットとその可動範囲を緻密に解析・設定することで、ダウンフォースとドラッグの最適化が図られている。
ツインプロファイル・リアウイングは、ボディ両端のサイドフィンとセンターフィンで支持されている。センターフィンは、ヨー角が小さい時のスタビリティを確保するバーチカルフィンとして機能するが、その他にも3枚のデルタ・ボーテックスジェネレーターのステーとしても役立っている。
ボーテックスジェネレーターは、ラジエターからボンネットに抜ける排熱気流よって発生する乱流を整え、ウイングへ理想的な気流を流す役割を担っているが、同時にここでダウンウォッシュ(吹き降ろし)を生成。ツインプロファイル・ウイングで発生するダウンフォース量を増加させている。このようなリアのシステム・デバイスによって、ダウンフォース量は10% 増加している。
リアバンパーのデザインも、新しい気流構造に合わせて改良された。リア・ホイールアーチ後方のバイパス・エアベントは拡大され、ホイールからの後流を確実に引き抜くことで、このエリアの乱流を効果的に処理。これにより、リアディフューザーへの気流を保護し、ロスを削減することで5%のダウンフォース増を達成した。
リア・ダウンフォースの大幅な増加に合わせて、フロントエリアもバンパーおよびアンダーボディのデザインを再構築し、車輌全体のダウンフォースを最適化。フロントバンパー周りの処理などを加えて、フロントのダウンフォースをFXX-K比で10%増大させている。
アンダートレーにもボーテックスジェネレーターを装備することで、グランドエフェクトも強化。またサスペンションも、新しいエアロダイナミクス効率に合わせてセッティングが変更されている。
5,000kmに及ぶ開発テスト、そして15,000kmの信頼性テストを経て、FXX-K Evoは2018/2019シーズンのXXプログラムでの主力となり、3月から10月までの間に、サーキット走行が9回予定されている。さらにXX車輌は、毎年レースシーズン終了後に開催されるフェラーリの伝統となったイベントであり、今回のワールドプレミアの場にもなった、フィナーリ・モンディアーリにも参加する予定となっている。
KERSを装備し1050馬力! サーキット専用のフェラーリFXX-K EvoはもはやF1マシン
最高速度域ではなんと830kgのダウンフォースを発生
フェラーリは、フィナーリ・モンディ アーリにて、サーキット走行限定の実験車輌 XX シリーズの最新モデル、新型 FXX-K Evoを世界初公開した。
XXは、次世代プロダクションモデルの研究・開発に重要な役割を担い、革新かつ妥協のないパフォーマンスであることに特化して開発され、今回のFXX-K Evoの登場により2005年から始まったXXプログラムのさらなる飛躍が期待される。
XXプログラムとは、最先端の技術を採用した究極のモデルを購入したオーナーがクローズド・コースを走行して得たデータをもとに、Cavallino Rampante(カバリーノランパンテ:跳ね馬)の技術者とともにニューモデルの開発などに積極的に貢献できるプログラムのことである。
FXX-K Evoも従来のXX車両と同様に、サーキット専用の技術が導入され、ロード・ユースモデルとしての登録や、専用プログラム以外の認証は受けられない。
デザインにおいてはフォーミュラワンでの経験をベースに、革新的なカーボンファイバーコンポーネントの製造技術を採用し、固定式リヤウイングなどを装備しつつも、現行のFXX-Kよりも軽いボディを実現している。
フェラーリの技術者がフェラーリ・スタイリング・センターのデザイナーと共同で開発した最新のエアロダイナミック・パッケージを採用し、GT3およびGTEレース車輌にほぼ匹敵するダウンフォースを得ることにより、優れたコーナリング性能と安定性、興奮するような運転の楽しさを手に入れた。
リヤに装備したツインプロファイル(2枚翼)の固定ウイングは、アクティブ・リヤスポイラーとシームレスに効果を発揮されるように開発されており、この2つのダウンフォース・ジェネレーション・システムによってダウンフォース係数は従来比で23%向上している。
これは、ベースとなるロードゴーイングカー比で75%増相当、速度200Km/hで発生するダウンフォースは640kg、最高速度域では830kgを超える。
ツインプロファイル・リヤウイングは、ボディ両端のサイドフィンとセンターフィンで構成され、センターフィンは、ヨー角が小さい時の安定性を確保するバーチカルフィンと、ウイングへ理想的な気流を流す3枚のデルタ・ ボーテックスジェネレーターのステーという2つの役割を持っている。
また、ウイングだけでなく、リアバンパーデザインも新しい気流構造に合うように改良された。それに伴いフロントバンパーやアンダーボディのデザインも見直しが行われ、車輛全体におけるダウンフォースの最適化が図られている。
加えて、アンダートレーにもボーテックスジェネレーターが装備され、グランドエフェクトが強化されている。これによってダウンフォースはFXX-Kよりも30%増加した。
これらの高性能化に従い、新型フロントブレーキ・エアインテークや新エアロダイナミクス専用セッティングのサスペンションが装備された。
インテリアは、フォーミュラワンから受け継ぐパドルシフトを備え、また運動エネルギー回生システムのKERSマネッティーノを設けた、より操作性の向上を図った新型ステアリングホイールを装備している。
そして、フェラーリ伝統のV12エンジンは、6262ccの大排気量から最高出力860馬力を絞り出し、さらにHY-KERSシステムによる190馬力のモーターの併用で、合計1050馬力のパワーを発揮する。
また、コックピット右側の大型6.5インチのリヤ・ビデオカメラ・スクリーンは、パフォーマンスデータや車輛状況、KERSの状態や計測タイムなどを表示する。
そしてFXX-K Evoは5000kmに及ぶ開発テストと15000kmの信頼性テストをパスして、2018/2019シーズンのXXプログラムにおける主力として、シーズン内で9回のサーキット走行をする予定だ。さらに、レースシーズン終了後に開催されるフェラーリの伝統的イベント「フィナーリ・モンディアーリ」にも参加予定である。
サーキットで培った革新的な技術が凝縮された究極のハイパフォーマンスマシンであるFXX-K Evoの走りは、サーキットでも目立つこと間違いなしであろう。
FXX-K Evo主要諸元
●HY-KERSシステム 総合最高出力:1050cv 総合最大トルク:900N・m以上 ICE-最高出力:860cv/9,200 rpm 最高許容エンジン回転数:9,400rpm ICE–最大トルク:750N・m/6,500rpm 電気モーター出力:140Kw(190cv)
●ICE タイプ:V12/65° ボア&ストローク:94×75.2mm 総排気量:6,262cm3 圧縮比:13.5:1 比出力:137cv/l
●サイズ&重量 全高:1,116mm ホイールべース:2,665mm 前後重量配分:41:59(フロント:リヤ)
●ギアボックス F1デュアルクラッチ・トランスミッション7速
●サスペンション フロント:ダブルウィッシュボーン リヤ:マルチリンク
●タイヤ:ピレリP Zeroスリック+センサー フロントタイヤサイズ:285/650-R19 リヤタイヤサイズ:345/725-R20
●カーボンセラミック・ブレーキ:ブレンボ フロント:398×223×36mm リヤ:380×253×34mm
●電子制御システム ESC:スタビリティ・コントロール 高性能ABS/EBD:高性能アンチロック・ブレーキ/電子ブレーキ・ディストリビューション EF1-Trac:F1トラクションコントロール統合およびハイブリッドシステム装備 E-Diff3:第3世代電子デファレンシャル SCM-E Frs:ツインソレノイド(Al-Niチューブ)装備の磁性流体ダンパー・システム
●エアロダイナミクス:アクティブ
Posted at 2017/10/31 01:03:38 | |
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