【あの限定車は凄かった(1)】N1マシンの心臓を移植したニスモ400R(99台限定/1995年2月1日受注開始/販売価格:1200万円・当時)
世紀末に現れたモンスターマシンがNISMO 400R。ノーマルの2.6Lから2.8Lに排気量アップされた専用エンジンはN1マシンと同等の400psを発生し、そのパワーに合わせてボディ/シャシには抜本的に手が入れられた。まさに究極のR33GT-Rだった。
ワークスチューンドの実力をいかんなく発揮
車名の「400R」は、N1マシンのスペックと同等であることにちなんで命名された。エンジン本体は全日本GTマシンにも搭載されたRB26DETT改の2.8Lバージョン。「RB-X GT2」と名付けられ、日産工機(REINIK)によってボア/ストロークともにアップされて排気量は2771ccに。これにN1用メタルタービンを使い、400ps/6800rpm、47.8kgm/4400rpmというとてつもないパワーを絞り出す。ちなみにブースト圧は1.1kg/平方センチメートルまで上げられた
出力の大幅なアップに伴い、冷却系は大容量化され、クラッチもツインプレートに変更。プロペラシャフトもスチールからカーボンに変更され、強度アップと軽量化を両立している。足回りにも大幅に手が加えられ、NISMOオリジナルセッティングのダウンサスとビルシュタインの専用ショックアブソーバに275/35R18のポテンザを組み合わせる。ホイールも10J×18と超ワイド。400psの強大なパワー/トルクを余さず路面に伝える。
走り出せば、パワーはもちろん、レスポンスの良さに驚く。とくに3000~4000rpmの反応はノーマルの比ではなく、ターボラグはほとんど感じない。6500rpmでも弾けるような加速でタコメーターのイエローゾーンまで一気に達する。ノーマル比50%アップのトルクは、まるでシルビアクラスのクルマに載っているかのようだ。
ハンドリングは実に素直で、さすがNISMO!といった感じ。FR車のような素直な反応がどこまでも続き、4WDであることを意識させない。フロントにトルクが移る間もなくコーナを抜けてしまうからか?
1200万円という価格を聞くと尻込みしてしまうかも知れないが、R33を市中のショップでチューニングしたらもっとかかるはず。そして何よりワークスならではの完成度の高さとバランスの良さ。実はこれ、バーゲンプライスだったのかも知れない。
NISMO 400R 主要諸元
●全長×全幅×全高=4675×1830×1330mm ●ホイールベース=2720mm ●トレッド前・後=1500・1510mm ●車両重量=1550kg ●エンジン型式・種類=RB-X GT2・直6DOHCツインターボ ●総排気量=2771cc ●最高出力=400ps/6800rpm ●最大トルク=47.8kgm/4400rpm ●ターボチャージャー=ギャレットN1タービン ●クラッチ=ツインプレート ●ミッション=純正6速MT ●駆動方式=電子制御トルクスプリット4WD ●サスペンション=4輪マルチリンク(ビルシュタインショック) ●ブレーキ:前ブレンボ製4ポッド・後ブレンボ製2ポッド ●タイヤサイズ=275/35R18 ●ホイール=前後10J×18 ●最高速度=250km/h以上(リミッター作動)
記念すべき車両だったと思うんだけど…
現行だったらぽ~んと400馬力越えも出せるからネーミングも同じにしてみましたって程度なのかもしれないが
昔に比べ易々と400馬力を発生させ市販化出来るようになったって事か
【新型スカイライン詳解】400R~史上最強のスカイライン登場【その3:メカニズム編】
新型スカイラインのパワートレーンラインアップは大きく変更された。3.5リッターV6ハイブリッドはそのままに(一部改良)、ガソリン車には新たに新世代の3.0リッターV6ツインターボエンジンが搭載されたのだ。併せてスカイライン史上最強の400psを発生する新グレード「400R」が新設定されたのもトピックだ。
新世代V6ツインターボエンジンが登場
プロパイロット2.0がスカイラインにおける日産インテリジェント・モビリティの象徴であるとするなら、従来のVQ型3.7リッターV6NAに代えて新設定されたVR型3.0リッターV6ツインターボは、スカイラインの走りの象徴とも言える存在だ。
ご存知の方も多いかも知れないが、実はこの新世代V6エンジンは、北米仕様のインフィニティQ50/Q60に先行して搭載されていた。電動可変動弁システム(電動VVT)、新世代ターボシステム、エキゾーストマニフォールド一体型シリンダーヘッド、水冷式インタークーラー等々、投入された新技術は枚挙にいとまがない。また通常仕様(GT系)で300ps、高性能ハイブースト仕様(400R)では排気量を変えずに400psの最高出力と475Nmという途方もないトルクを発生している。このパワートルクはもちろん歴代スカイライン最強だ。
革新されたのはエンジンだけではない。シャシ性能も大幅にアップしている。新たに採用されたのがインテリジェント・ダイナミック・サスペンション(IDS)だ。400Rに標準装備、ガソリン車のGTタイプSPにオプション設定される。車速や路面からの入力、さらにGを演算して常に最適な減衰力を発生する電子制御ショックアブソーバで、あらゆる走行シーンで最適な減衰力を緻密に制御する。さらに400Rでは従来型から設定されていたダイレクト・アダプティブ・ステアリング(DAS)を組み合わせることで、感動的なハンドリングと乗り心地を実現する。プレミアムスポーツセダンの走りが、またひとつ高みに上った。
先進のテクノロジー、そして最新のパワートレーンで組み上げた新型スカイライン。マイナーチェンジとは思えない、大胆なコンセプトチェンジに往年のスカイラインファンも納得の出来映えと言えるだろう。(了)
新型スカイラインGT Type SP(ガソリン車) 主要諸元
●ボディサイズ:全長4810×全幅1820×全高1440mm
●車両重量:1730kg
●乗車定員:5名
●エンジン型式・形式:VR30DDTT・V6ツインターボ
●エンジン総排気量:2997cc
●エンジン最高出力:304ps/6400rpm
●エンジン最大トルク:40.8kgm/1600-5200rpm
●駆動方式:FR
●サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン・後マルチリンク
●ブレーキ形式:前後Vディスク
●タイヤサイズ:245/40RF19 ランフラット
新型スカイラインGT Type SP(ハイブリッド車) 主要諸元
●ボディサイズ:全長4810×全幅1820×全高1440mm
●車両重量:1840kg
●乗車定員:5名
●エンジン型式・形式:VQ35HR・V6
●エンジン総排気量:3498cc
●エンジン最高出力:306ps/6800rpm
●エンジン最大トルク:35.7kgm/5000rpm
●モーター形式:HM34
●モーター最高出力:68ps
●モーター最大トルク:29.6kgm
●駆動方式:FR
●サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン・後マルチリンク
●ブレーキ形式:前後Vディスク
●タイヤサイズ:245/40RF19 ランフラット
新型スカイライン400R 主要諸元
●ボディサイズ:全長4810×全幅1820×全高1440mm
●車両重量:1760kg
●乗車定員:5名
●エンジン型式・形式:VR30DDTT・V6ツインターボ
●エンジン総排気量:2997cc
●エンジン最高出力:405ps/6400rpm
●エンジン最大トルク:48.4kgm/1600-5200rpm
●駆動方式:FR
●サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン・後マルチリンク
●ブレーキ形式:前後Vディスク
●タイヤサイズ:245/40RF19 ランフラット
Posted at 2019/07/17 21:36:19 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記