【ヒットの法則16】E90型BMW 3シリーズは歴代の「3」が備える本質的価値を引き継いでいた
2004年に写真公開された5代目E90型BMW3シリーズの国際試乗会は、まず欧州ジャーナリスト向けに2005年1月より行われているが、続いて2月にはこもだきよし氏もこの試乗会に参加している。歴代3シリーズをよく知るこもだ氏は、この5代目3シリーズにどんな印象を持ったのか、Motor Magazine誌で振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年4月号より)
実物には写真では感じられない迫力があった
2004年に全世界で102万台を販売したBMWだが、その44%が3シリーズだった。モデル末期になってもまだピーク時の80%を売り上げるほど人気があったBMWの大黒柱であるから、そのモデルチェンジにも気合が入る。E90と呼ばれる5代目の3シリーズは、E46と呼ばれる4代目とはまったく別のクルマに生まれ変わった。
実物のニュー3シリーズと最初に対面した時は、写真で見るより本物の方がいいと思った。これは最新のBMWデザインの特徴でもある。ブックシェルフコンセプトの下に7シリーズ(E65)、Z4(E85)、8シリーズ(E60)、6シリーズ(E63)、X3(E83)、1シリーズ(E87)とBMWの新しいテイストを持ったクルマ達が揃っていたが、そんな中でニュー3シリーズはおとなしいデザインとボクの目には映っていた。しかし実物には、写真では感じられない迫力があった。
おとなしく見えたのは、全体のシルエットがバランス良くまとまっているからだろう。このあたりはZ3、先代5シリーズのエクステリアを担当した実績もあるBMWの日本人デザイナー・永島譲二氏の得意分野だ。彼は長い年月が経っても飽きない美しいデザインを目指しているからだ。A6をデザインしたアウディの和田氏にしても、このところ日本人が大活躍しているのは嬉しい。
迫力があるのはフロントやリアよりもサイドであるとボクは思う。四隅に踏ん張ったように張り出したタイヤをカバーするフェンダーの盛り上がり、前後のドアハンドルを結ぶように後ろへ流れるやや角張ったキャラクターライン、横に張り出したサイドシルなどにより、ちょっと「濃い」横顔になっている。
ここまで凝るのかと驚いたのが、オプション設定となるバイキセノン式ヘッドライトユニットだ。スモールランプを点けた時に光るライトリングが、ヘッドライトの前に独立してセットされている。それは近くから見るとまるでオブジェのような美しさで、しばらく見とれてしまう。
もうひとつ驚いたのは、ボディのフロア下を覗いた時だ。まるでレーシングカーのように、フラットな板で床下が覆われているのである。これは、空気抵抗係数を下げることに相当貢献しているはずだ。速く走る時だけでなく、積雪時に亀の子になりそうな時でも床下が滑るから脱出しやすくなるという副次効果も期待できる。
この5代目で大きく変わったところといえば、ボディサイズである。「年に1mmずつ大きくなる」ドイツ人の平均身長に合わせてボディサイズも大きくされた。ニュー3シリーズではドイツ人の体型の96%をカバーするサイズになっているという。実際に車両の製品確認の仕事をしている身長2mのゾッヒャーさんが座って見せてくれた。運転席のシートは一番後ろで高さも一番下に下げた状態だが、ちゃんとドライビングの姿勢をとることができた。
日本で使うことを考えて一番心配になるのは全幅だろう。旧5シリーズより広い1817mmでは、狭い道路や車庫に入るのが心配になる。しかし実はカタログ上の全幅を広げているのはフロントのドアハンドルなのだ。だから実際のボディの幅は1800mmに達するかどうかだから、カタログ数値から思うほど広くはない。そのことはトレッドを見てみるとわかる。E46型3シリーズは1470mm(前)だったのが30mmほど広がって1500mmになっただけだ。
基本的なシルエットは、BMWでなくてはできない形をしている。それはロングノーズのデザインである。セダンでも直列6気筒をフロントに縦置き搭載するのがBMWだ。前輪駆動あるいは後輪駆動でもV6エンジンを搭載しているクルマでは考えられない形だからこそ、BMWは目立つ存在になれるのだ。
ニュー3シリーズはそのコンセプトどおり、5シリーズよりスポーティでZ4や1シリーズよりエレガントに仕上がったと思う。
室内に目を転じると、レッグルームの拡大に配慮したことがよくわかる。リアシートは乗り込んでからお尻をグッと奥に深く座る形状になっている。リアのタイヤハウスの膨らみがサイドサポートになる感じだ。さらにフロントシートのバックレストの後ろ側には、ひざが入るスペースがえぐられている。シートは大きめにできている。座面だけでなくバックレストの高さも十分だ。ボクのように胴が長くても、肩の位置には余裕がある。
さらにバックレストの上部が後ろへ反るような形状のクルマが増えているが、ニュー3シリーズでは前後のシートとも肩までのホールド感があるので、走行中でもクルマとの一体感がある。バックレストが高いので、ヘッドレストも楽に高くできる。これは日本基準を上回る欧州基準をも楽にオーバーしている高さだ。人々の体格が大きくなっているが、法律は追いついていない。しかし自動車メーカーとして、法律をクリアするだけではなく、現実のより高い安全性を追求しているのである。全5席分のヘッドレストと3点式シートベルトが備わっている。
乗り心地もハンドリングも驚くほどに増した快適さ
さて乗り込んでみよう。アウタードアハンドルは、先代からバーハンドルタイプになっている。ただしこのドアハンドルの上下方向のガタがちょっと気になる。中のワイヤーを引っ張るためのドアハンドルだから、実質的なデメリットはない。また手前に水平に引いても、やや上方に引いても開けることができるから、これはある意味で「融通を利かせる」ためのガタなのかもしれない。
シートに座ってドアを閉める。この時のドアの閉まり感はすごく良い。ガチャン、バタンとは無縁の「ドスッ」と、あとに響かない音で閉まるのでものすごく高級感が出た。
ダッシュボードは上下に二分割されるこれまでのデザインと同じだが、今度は7シリーズなどと同じようにiドライブのためのモニターが中央上部にレイアウトされている。7シリーズや5シリーズと違い、センター部分は3度ほどドライバー側を向いている。E46に比べると正面を向いているが、7シリーズ、5シリーズよりスポーティ感を出すための演出でもある。
メーター類も一新された。水温計はなくなって、タコメーターの外側にゼブラゾーンが広がるタイプになった。発進直後の水温が低いときには4500rpmくらいからゼブラになる場合もある。基準以上に水温が上がってしまった場合には文字と音でドライバーに警告してくれる。スピードメーターの周りにも溝があって、こちらはクルーズコントロールの設定されたスピードを表示する。
走り出して1回曲がった程度ではAFS(アクティブフロントステアリング)付きだということに気がつかなかった。撮影のためにUターンをした時、手を一度持ち替えただけでロックまで回せたことで初めて気がついた。5シリーズ、6シリーズにAFSが装備されてきたが、これらもプログラムのチューニングによって新しいものほど扱いやすくなっている。しかしニュー3シリーズのAFSはそれら以上に進化して、とても自然なステアフィールになった。これにより、バリアブルギアレシオと自動カウンターステアの効果を何の慣れも必要としないで受け取れるようになったのだ。
この進化の中身は、ロックトゥロックが5シリーズは1.7回転だったのが、ニュー3シリーズでは1.9回転になった感じである。ただしこの数値は、あくまでもボクの感覚での話。つまり右に切るとしたら、左手が9時の位置から5時の位置までステアリングを回し(アクション1)、続いて右手を11時の位置から切っていくと(アクション2)、5シリーズは1時付近でロックしたのに、ニュー3シリーズは2時過ぎになるからだ。
こうして全体的に少しダルな傾向にしたこと、さらに直進付近から切り始めたあたりの応答性のシャープさを抑えることで、自然なフィールになったようだ。
今回の試乗会はスペインで行われたが、まずは330iでバレンシア市内をスタートし西に向かう。一般道だけでなく高速道路も走って、標高の高いアルバセテ市にあるレーストラック場を目指す。
ここで感じたのは、ニュー3シリーズの乗り心地とハンドリングの両方とも大幅に快適さが向上したことだ。乗り心地はよりしなやかになり、硬い衝撃は伝えてこない。かといってブルブルした振動があるわけでもなく、締まっているのに柔らかいという感じだ。
市街地の荒れた路面を走った時だけでなく、高速道路をハイスピードで走った時にも同様で、ものすごくよく躾けてある。微振動にも路面のうねりにも強いという感じだ。
ハンドリングは、しっかりと路面をつかむ感触がいい。手応えがダイレクトで、どんな路面を走っているのかが、わかりやすいのだ。超高速域になってもリアがしっかりとグリップしているので不安感がない。その速度域になってもステアリングからは路面を掴む感触があるから、自信を持って運転できる。大きく飛躍したのは間違いない。しかしこれまでの3シリーズが備えていた軽快感、それから来るドライビングの愉しみはそのままだから安心していい。向いているベクトルの方向はそのままに、それを伸ばした感じだ。
ベースとなるシャシ性能の充実、その上で効果を発揮するDSC
これはサーキットを走行した場合も同じだった。この時には車高が15mm低くなったスポーツサスペンション仕様車をドライビングした。コーナーに向かってブレーキを戻しながらターンインする時も、クルマは安定したまま、ノーズはきれいにコーナーのクリッピングポイントを目指してくれる。回り込んでいるコーナーでは、ステアリングを切り足すとそのままヨーがついてくる。
舵角に対して応答性がサーチュレイトしにくく、ステアリング操作の効く範囲が広いのでスイートスポットが広い感じだ。4輪がグリップ限界付近でコーナリングしている時にアクセルペダルを踏み込んでいくと、リアが流れてくる。しかしこの時の挙動は非常に穏やかなので、慌てることはなくコントロールしやすかった。
サーキットのメインコースとは別に、スリックカートのコースみたいに滑りやすい舗装でレイアウトされたミニコースがあり、新しいDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)の効果とドライビングダイナミクスを体験できた。
そこにはスプリットミューの路面も用意されており、そこではわざと急ブレーキを踏んでみる。通常だとABSが作動しても高ミュー側にステアリングが取られるのだが、これをDSCが自動カウンターステア機能を使って防いでくれるのだ。
また、ここではDSCを完全にカットして何周か走ってみた。コーナリング途中から2速でアクセルペダルを踏み込んでいくと、後輪はグリップ限界を超えて滑り出す。そのままアクセルコントロールとカウンターステアによってドリフトしながらコーナーを立ち上がっていく。S字では走行ラインをキープしながらも、コーナーごとにリアを反対方向に振り出しながら走ることもできた。DSCが作動しない状態でも、基本性能が良ければここまで走れるのだということを実感できた。
もちろん一般道ではDSCが作動する状態で走るわけだが、ベースとなる車両側のレベルが高くないと、DSCで抑えられるだけで、決していい走りはできない。その点で、ニュー3シリーズの走りの性能がここまで高いということは、DSCが介入してこない状況でも相当にレベルの高い走りができそうだ。こうした走りが実現できたのは、新しいサスペンションの効果が大きい。フロントは2本のロアアームを持つストラット、リアはサブフレームに5本のリンクを持つマルチリンクである。
基本的には1シリーズと同じ形式ではあるが3シリーズ向けにチューニングしてあるので、別物と考えてもいい。1シリーズでは、よりダイレクトな走り味を出していたが、3シリーズではスポーティなハンドリングとコンフォート性能の両立が図られている。コンフォート性能を向上するために何をやったのかとサスペンション担当のミッテラー氏に聞いたら、徹底的にフリクションを取ったと答えた。サスペンション自体の動きにはフリクションを極力なくしておき、バネとダンパーでその動きを制御するという考え方だ。実際、そのとおりにできていると思う。
乗り心地に貢献しているもののひとつにタイヤが挙げられる。ニュー3シリーズは全車RFT(ランフラットタイヤ)だが、RFTの乗り心地性能が大幅に向上したのだ。パンクしたときの航続距離はフルロードで150km、ドライバー1人で250kmとしているが、これまでは安全率を見込んでタイヤが硬過ぎたのだ。それが段々と作り慣れてきて、どのメーカーでも硬過ぎないRFTが造れるようになったという。ニュー3シリーズ用にはブリヂストン、ミシュラン、ピレリ、コンチネンタル、ダンロップ、グッドイヤーの6社が採用されている。この試乗会で装着されていたのは、すべてピレリ製の17インチだった。
最後になってしまったが、エンジンについても話さなくてはならない。新しい直列6気筒エンジンはマグネシウム合金をシリンダーブロック、シリンダーヘッドカバーに採用し、軽量化を図ったものだ。さらに4気筒から始まってV型8気筒、V型12気筒も採用しているバルブトロニックがついに6気筒にまで広げられたのだ。
軽量化だけではなく高トルク化も実現できていて、何と2500rpmから4000rpmまで最大トルクである300Nmを発揮する。フラットトルクでは面白くないと考えるかもしれないが、実際には回転が上がっていくと盛り上がっていくトルクを感じるし、旧エンジンより全体的な力強さを感じるようになった。
さらにこのフラットな高トルクエンジンと組み合わされるのは6速トランスミッションだ。ATでもMTでも6速で、フラット高トルクによってつながりが良いから、連続した強い加速が誰にでも味わえるだろう。ニュー3シリーズの日本への導入は意外と早く、デリバリーは5月から行われるという。価格はまだ発表されていないが、日本でもたくさん売りたいという希望がBMW側にあるようなので、買いやすい価格にして欲しいものだ。直列6気筒エンジンは330iと325i、直列4気筒エンジンは320iだ。基本はATだが、330iにはSMG、320iにはMTも用意される。
ニュー3シリーズの出現によって、また新たなベンチマークができたことを確信する。(文:こもだきよし/Motor Magazine 2005年4月号より)
BMW 330i(2005年) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4520×1817×1421mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1540kg
●エンジン:直6DOHC
●排気量:2996cc
●最高出力:258ps/6600rpm
●最大トルク:250Nm/2500-4000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●サスペンション:前ストラット後5リンク
●最高速:250km/h(リミッター)
●0→100km/h加速:6.6秒
320iではあるんですが、自宅にあったのですよ
MTでギヤも気持ちよく入るのでフィーリングは良かったんですけどね…
所有していても誰も乗らないのであればという事で手放してしまったんです
所有する以上は大事にしてあげたかったので、今頃どこかで走ってくれていると良いな~なんて思ってみたり
【ヒットの法則29】E90型BMW 3シリーズの進化幅は大きく、Dセグメントで不動のベンチマークに
2005年春に日本に上陸した5代目E90型BMW 3シリーズ。当時からすでに激しい「プレミアムDセグメント」戦線が展開されており、Motor Magazine誌でも多くのページを割いてこのモデルに注目している。ここではまず3回にわたって、E90型BMW 3シリーズの多角的な分析を振り返ってみよう。果たして当時E90型はどう評価されていたのだろうか。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年6月号より。タイトル写真は330i)
激しい競争があるからこそ進化する
BMWの新型3シリーズ。クルマ好きのお父さんにとっては、どうしたって気になる存在だと思う。
常に並び評されるメルセデス・ベンツCクラスともども、手頃なサイズ内に(新型はかなり大きくなったがそれに関しては後述)大人2人の実用に耐えるリアシートと必要にして十分なトランクスペースを有し、価格も頑張れば何とかなりそうな欧州Dセグメント。中でもこのドイツの2大プレミアムは、どこに出しても恥ずかしくないブランド力と車格を備えたというわけで、これは理詰めで考えていっても、憧れをついに現実にする思い入れ大半のクルマ選びであっても、非常にバランスの採れた魅力を備えている。それは確かだ。
「行ってみるか、3かC」という決断を下したとして、ではどちらがどういうキャラなのか。実はこのことも過去に星の数ほど検証が重ねられている。
曰く、BMWはファンでスポーティ。メルセデスはスタビリティ重視で安全・確実。だから走りそのものを楽しむなら3シリーズを。全幅の信頼が置ける移動手段が欲しいならCクラスを。こういう棲み分けがキチンとできていた。少なくとも今までは。
しかし、新型3シリーズに乗ってみると、それがすでに過去のものになりつつあるということがわかる。今回の試乗を通して、僕がいちばん驚いたポイントがそこだった。
Cクラスは、昨年2004年半ばの大幅改良で、それまでのメルセデスに希薄と言われていたドライビングファンを少し意識し始めた。ステアリングのギア比を速めてノーズの動きに俊敏さを加えたほか、フリクションの低減や、スタビライザー径のアップによりロール剛性を高めたサスペンションのブラッシュアップなどは、明らかにスポーティな方向へのシフトと言って良い。
今回、久々にC230Kを走らせても、そうした印象は変わらなかった。ステアリングは細かい操作にピクピクと反応するタイプではないものの、舵を入れて行ったときのノーズの動きは軽快だし、ヨーが立ち上がってからのタイヤの踏ん張り感もガシッとしている。わかりやすく言えば、以前はやや「もっさり」していた動きが格段に「シャッキリ」とした。これが改良前と後のCクラスの最大の違いなのだ。
けれども、こうした味わいの違いは、改良前の姿を知っている人のみにわかること。この最新Cクラスが初めてステアリングを握るメルセデスであるなら、やはり最初に感じるのは高速道路における凛とした直進安定性や、どっしりと重厚な乗り心地、そしてペースを上げていっても常に冷静に弱アンダーステアを維持する安心感の高いハンドリングになると思う。
つまりユーザーの若返りなどを念頭に置いて若干スポーティな方向に振ったとはいえ、メルセデスは相変わらず安全・確実なクルマであるわけだ。
驚きを禁じえないのは、新型3シリーズも、この領域に入って来ていることだ。
以前の3シリーズは動きがビビッドで、それゆえデリケートな操作が求められる傾向にあった。ステアリングの感度はCクラスよりも明らかに高くキビキビと向きが変わるものの、高速での直進安定性はややナーバスで、路面のアンジュレーションなどの外乱が入ると修正舵を入れる必要があったのだが、新しい3シリーズはどこでもビシッと安定しており、ステアリングに軽く手を添えているだけで矢のような直進性を維持する。
これはアクティブステアリング付きの330iでも、高速域ではそれよりステアリングがクイックな320iでも変わらない。それでいて、舵を入れた時のBMWらしいビビッドな動きも変わらず両立させているし、ステアリングを通して感じられる路面へのコンタクト感にもまったく曇りがないところも嬉しい。
さらには、乗り心地も良くなっている。ボディの動きはよりフラットになり、225/45R17サイズのタイヤを組み合わせた330iでもパツパツとした硬さとは無縁だ。ランフラットタイヤの採用など乗り心地面では不利な要素が増えているのに、その質は格段に向上している。これこそ進化だ。
スタビリティを核としながらも、スポーティさを味として表現し始めたメルセデスに対し、持ち前のドライビングファンを大切にしつつ、スタビリティやコンフォート性能を向上させたBMW。両社の考え方がE90型3シリーズの登場でちょうど交差した。そう言っても良いほどに双方の走りの磨き込みは進化している。
新型3シリーズは明らかに安定性と快適性が向上している。ではそれと引き換えに失ったものはあるのか? 次なる興味はそこに集約されるが、この点でも進化は明白だった。
第一に言えるのはリアサスペンションの接地性がより一層向上したこと。前記した直進安定性の向上もこれが大きく関係していると思うのだが、コーナリングにもその効果は如実に表れており、以前の3シリーズにあったペースを上げて行った時にリアタイヤがズルッと来る緊張感がほとんどなくなっている。
以前の3シリーズもDSCが作動するので実際には大禍なく過ごせたのだが、新型はそうしたデバイスに頼らずとも、シャシ自体の安心感が増している。もちろんDSCをカットすればこうした動きを積極的にドライビングに取り込むことは可能なものの、そういった場面での挙動変化もより穏やかになった。これも大きな進化だ。
つまりスタビリティとコンフォートのみならず、ドライビングファンの部分においても新しい3シリーズは確実に進化しているわけだ。Cクラスもできるかぎりの進化を遂げてはいるものの、現時点でのシャシ性能は新型3シリーズが一歩前へ飛び出した感じ。世代が新しいシャシなのだからそれは当然だが、その進化幅はかなり大きく、まさにDセグメントの新たなるベンチマーク登場といった観がある。
新しい3シリーズに感じたベンチマークとしての実力
シャシ性能に解説の多くを費やしてしまったが、エンジンもBMWらしい仕上がりぶりだった。4気筒となった320iはアイドリングではコロコロとした、どこか頼りなげな音質だが、1995ccのキャパシティで大柄になった車体を引っ張るにもかかわらず、アンダーパワー感はほとんどない。同じ価格帯となるC180コンプレッサーは、さすがに過給エンジンだけあってトルクフルだが、320iのバルブトロニック4気筒は高回転まで回してパワーを得るタイプで、そこを楽しめる人ならまず不満は感じないだけの力感を備えている。
一方、330iの2996ccバルブトロニック6気筒は、最新エンジンらしく力に満ちていた。アクセルレスポンスの鋭さや、官能的な回転フィールという点はやや甘くなった観もあるものの、相変わらずスムーズで、そしてトルクバンドが幅広い。この点はさすが大排気量の強みで、C230Kでも追いつけない部分。また、高回転まで小気味よく回り、6速ATが回転を合わせつつ積極的なダウンシフトを許容することもあって、走らせていて本当に楽しかった。
シャシ良し、エンジン良しと来て、最後に残るのがパッケージングだが、これは元々3シリーズが得意とする分野。合理的なスぺースの使い方は相変わらずだし、新型は全幅・全長ともかなり大きくなっており、安全面にこの余裕を使いつつキャビンも拡大している。したがって狭さは感じない。
ただし、1815mmと広くなってしまった車幅は、確かに都市部でのタワー式駐車場で制約が出ることはあるだろう。しかし卑近な例で申し訳ないが、私が住む集合住宅の立体駐車場には、全幅1850mmまでと書かれているスペースに1880mmの日産ムラーノがキチンと納まっていたりする。さすがにパレットに対しトレッドが一杯でアプローチは難しいが、横に支柱のない最上段であれば、外寸に関しては多少オーバーしても大丈夫なケースもある。
だからもし、現状で全幅制限が1800mmの場所しか確保できていなくても、試してみる価値はあると思う。それでもしダメだったら…。思いきって外の月極駐車場を契約しますか!新型3シリーズは、このように多少無理をしてでも味わう価値のある1台だと思えたのだ。(文:石川芳雄/Motor Magazine 2005年6月号より)
BMW 330i(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4525×1815×1440mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1550kg
●エンジン:直6DOHC
●排気量:2996cc
●最高出力:250ps/6600rpm
●最大トルク:300Nm/2500-4000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●車両価格:625万円(2005年当時)
BMW 320i(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4525×1815×1425mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1460kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1995cc
●最高出力:150ps/6200rpm
●最大トルク:200Nm/3600rpm
●トランスミッション:6速AT(6速MTも設定)
●駆動方式:FR
●車両価格:399万円(2005年当時)
【ヒットの法則30】1200kmのロングツーリングで味わった5代目E90型BMW 3シリーズの万能性
日本上陸直前にスペインで行われた5代目E90型BMW 3シリーズの試乗会で、すでに新しい330iのテストドライブを経験していた、こもだきよし氏は2005年4月には上陸したばかりの新型3シリーズのハンドルをあらためて握り、約1200kmにわたってじっくりと日本の道を走っている。日本での試乗ではどんな印象を持ったのか、その模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年6月号より。タイトル写真は330i と320i)
意味のあるオプション品、ベースは基本機能の高さ
モデルチェンジといっても、ちょっと目先を変えただけのクルマも多い。そんな中で、すべてが新しくなっているだけでなく、ここまでお金を掛けて開発するのかと驚かされたのが、新型のBMW3シリーズセダンだ。
ヨーロッパで走り出して間もないその新型3シリーズが早々に日本へ上陸。そこで330iと320iを連れ出し、途中でメルセデス・ベンツCクラス、アウディA4というライバル達と合流しながら、東京~名古屋~京都~岐阜~諏訪~東京と周回する2泊3日のテストドライブへと出掛けてみた。
初日の夕方、東京・新橋にある編集部を出発。ボクは2年ほど前から「デイタイムランニングライト(DRL)」を実践している。日中でもヘッドライトのロービームを点けていると他のクルマからよく視認されて、レーンチェンジや信号のない交差点などで不意に近寄ってくるクルマが少なくなった。そんな経験から安全のためにDRLを続けている。330iは標準装備、320iにはオプションの「バイキセノンヘッドライト」は、ハロゲンライトより消費電力が少ないから、DRLでも燃費への影響が少ないのはありがたい。
初日の宿泊地に設定された名古屋へと向かう途中、東名高速・厚木ICから小田原厚木道路、西湘バイパス、箱根ターンパイクを通り、箱根を抜ける。陽が沈んだ芦ノ湖スカイラインのワインディングロードを、東名高速の御殿場ICへと走る。この時には、ライトスイッチを左に捻り「AUTO」モードにした。330iに装備されているオプションの「アダプティブヘッドライト」の効果を試すためだ。
コーナーの入り口でハンドルを切り込んでいくと、ヘッドライトは見事にこれから向かう道路を照らしてくれる。ハンドル角だけでなく、クルマのスピード、横G、ヨーレートをセンシングしながら、カーブ外側のヘッドライトは最大8度、内側は最大15度向きを変えて、路面を照らしてくれる。
この時間は、走っているクルマも少ないので、先行車も対向車もいなければハイビームで走る。バイキセノンヘッドライトはハイビーム時もキセノンライトなので明るい。さらにアダプティブヘッドライトは、ハイビームの時でも向きを変えてくれるから空いた道ではとても有効だ。
ハイビームで走行中、アダプティブ機能によってヘッドライトの向きが変わった時、正面にちょっと黄みがかった光が見えることがある。これは4灯内側のパッシング用ハロゲンライトの光だ。パッシング時に点く内側のヘッドライトはハイビーム時にも点灯するので、キセノンライトの照射範囲が左右に動くと、内側のハロゲンライトの光が見えるのだ。
BMW車のAUTOモードは、日本の標準的なオートライトと比べると、まだ日が明るいうちから点く傾向がある。これは、日本とドイツのヘッドライト点灯の基準が違うからだ。ドイツではヘッドライトをなるべく点けることが標準になる。それに対して日本はなるべく消していて、相当に暗くなったら点けるのが基準だ。
そして、一度点くとなかなかオフにならないのもドイツ流だ。AUTOにした時、明るくても点灯する「ドイツ流」がいやならば、iDriveコントローラーの設定メニューでその感度を日本流に変えることも可能になっている。
このワインディングロードで、6気筒モデルにオプション設定されている「アクティブステアリグ」の有難みを再認識した。そのメリットは、バリアブルギアレシオによるもので、通常よりもハンドルの操作角が小さくて済む。手と腕の動きが少なくて済む分、すごく楽になるのだ。奥に入るとさらに回り込んでいるようなコーナーでも、そのまま操舵角を増やしていけば間に合う。だがこれも、基本的な操縦性能が高く、舵角に比例したヨーを出せるからこそできることだ。
スペインでの試乗会で乗った時と同様に、日本で乗ってもアクティブステアリングは良かった。直進付近での過敏さがないから、初めて乗ったとしても違和感がない。5シリーズのような「慣れ」を必要としないのだ。高速道路では、どっしりと安定している。そして一般道では、ハンドルを深く切り込んでいくとより大きく向きを変えてくれるから、楽に走れる。
さらにこれは、スピードの低い市街地走行時にも重宝する。車庫入れなどパーキングスピードでは手の動きよりタイヤが大きく切れる感じだから、駐車がうまくできるようになるドライバーも多いことだろう。
御殿場ICから一路、東名高速を名古屋へと向かう。トラックが多い。トラックがトラックを抜くために追い越し車線まで出てくるのでペースが落ちる。ドイツのアウトバーンでは、トラックレーンを走る重量級のトレーラーの後ろに他のトラックが続き、トラックレーンから出てくることはない。日本ではまだまだルールが確立されていないと思った。
追い越し車線の行く手を遮っていたトラックが走行車線に戻ったところで、アクセルペダルを踏み込む。330iでは、大してアクセルペダルを踏み込まなくても胸のすくような加速が期待できる。3シリーズのボディに300Nmのトルクは、さすがに太いことを実感させられる。
同じ場面で2L 4気筒の320iはどうか。もちろん330iと同じというわけにはいかないが、ボクは320iの加速力でも実用上、十分だと思った。2Lの4気筒ということでは先代の318iと同じだが、N46B20AからN46B20Bへと新しくなったエンジンは、200Nmという最大トルクは変わらないが、その発生回転数が3750rpmから3600rpmへと低くなっている。最高出力も105kW/6000rpmから110kW/6200rpmになり、より低回転域でトルクが増し、高回転までよく伸びるエンジンに熟成されている。
この加速感を味わってから「318i」でなく「320i」というネーミングとなったことに納得した。4気筒エンジンによる軽快なレスポンスは、6気筒とは別の意味で気持ちがいい。
330iと320iを乗り換えながら走った時に、メーターの違いを発見した。330iは右側のタコメーターの一番外側に、5シリーズと同じくゼブラゾーンが変化するリングがある。水温が低い時にはこのゼブラゾーンが回転数の低いところ(おそらく4000か4500rpm)まで下がってくるタイプだ。これが320iにはない。320iに水温計はないから、オーバーヒート気味となった時にはオンボードコンピュータから計器盤中央に警告が出るが、低い時には出ないということになる。停まったままの暖機運転は推奨されていないし、エンジンが温まるのも早いから問題はないのだろう。
スピードメーターも同じように周囲に細い溝がある330iと、溝のない320iという違いがある。330iにはオプションのアクティブクルーズコントロール(ACC)が装備されていたが、ステアリングコラム左下のレバースイッチを操作すると、指示されたスピードがアナログのスピードメーター縁の溝部に白いマークで表示される。この時には計器盤中央の窓にもデジタルでスピードが表示されると同時に、先行車をキャッチしたかどうかのクルマのマーク、そして4段階選べる車間距離のマークが表示される。320iにオプションのクルーズコントロールのスピードは計器盤中央の窓にデジタル表示される。
到着した名古屋では、タワー式の駐車場への挑戦も行った。そして、530iが入らなかったタワーパーキングでも、330iと320iは余裕を持って入れた。3シリーズの全幅は車検証上で1815mmだが、これは最も出っ張っているフロントドアハンドルでの値。左右タイヤの外側の寸法は先代3シリーズより30mm程度広がっただけなので、その駐車場のパレットへ乗るのには問題なかったのだ。
名古屋~京都~岐阜、中京地帯で本質を知る
翌日は名古屋高速を通って名神高速に乗り、京都へと向かった。京都南ICから市街地を走って、京都へ来た記念にと「渡月橋」を渡る。花見の季節だったせいか、あまりにも人が多いので撮影を断念。そのまま嵐山高雄パークウェイへと向かう。
この道は空いていて、走るのが楽しいワインディングロードだったが、カーブは回り込むようになっていて難しいコースだ。ここでは17インチタイヤを履く330iがしっかりと路面を掴んで、その割にロール角は小さく、コーナリングスピードも速かった。今回テストしたクルマは225/45R17 91Wのピレリeufori@☆を履いていた。
ミシュランPilot PRIMACYの205/55R16 91VZP☆という標準サイズを履く320iは、タイヤグリップの絶対値は330iほど高くはないが、コーナリング自体はとてもスムーズで気持ちよく曲がってくれる。京都の市街地でも感じたが、16インチのハイトの高さゆえか320iの方が乗り心地はソフトだった。ランフラットタイヤとは思えないほどに優秀な乗り心地が達成されている。
クルマとしてのソフトさも、東京を出発した時点よりも進化している。ダンパーがこなれてきてサスペンションの動きもしなやかになったのだろう。今回の1200km以上に渡った試乗の中で、クルマのすべての部分が徐々に「良くなっていく」という経験をした。そしてこれは、320iと330iともに共通していた。
日差しが強い場所にクルマを止めておく時は、電動リアローラーブラインド、手動の後席サイドローラーブラインドが役に立つ。7シリーズに装備されているものが、オプションとはいえ3シリーズにも装備できるようになったことが嬉しい。これぞ、まさに「プレミアム」カーである。
京都東ICから名神高速に乗り、関ヶ原ICに向かう。関ヶ原の合戦場跡でメルセデス・ベンツCクラス、アウディA4と落ち合うためだ。
無事に合流を果たし4車を眺める。BMW対メルセデス・ベンツ対アウディというライバルの戦いに引っ掛けたわけではないが、昔の合戦場でたたずむクルマを見ていると、各車それぞれがしっかりとした自信を持ってそこに臨んでいるように見えた。
撮影が終了したら、すでに夕方を過ぎていた。撮影待ちの時に寒くなったのだが、新型3シリーズには「REST」スイッチがあるので重宝する。外気温が25度以下、水温が規定以上でバッテリー容量が十分にあれば、エンジンを始動しなくても20分以上ヒーターが効くからありがたい。途中でバッテリー残量が少なくなったら、エンジンを始動できる容量を残してRESTが作動しなくなる。
再び関ヶ原ICに戻り、名神高速を東に向かう。そして一宮JCTから東海北陸自動車道に入り、今晩の宿である新岐阜駅前の地を目指す。ホテルで駐車する時にも「コンフォートアクセス」機能の便利さを知った。
この機能は、リモートコントロールキーをポケットやカバンの中に入れたままでも、アウタードアハンドルを手で引けば自動的にアンロックとなり、シートベルトをしてからブレーキペダルを踏み込んで丸いスタートボタンを押せばエンジンが掛かる。キーを手に持つ必要もなければ、カバンなどから出す必要もない。
クルマから降りる時にも便利だった。キーがカバンの中のままでドアロックができる。アウタードアハンドルの上面に5本ある細くて短いリブ部分を指で1秒押すことでロックがかかるのだ。このリブ部分を長押しすれば「コンフォートクローズ」が作動して、全窓とサンルーフが自動的に閉まる便利な機構も付いている。このドアハンドルの細いリブは、運転席側だけでなく助手席側にも付いている。これで女性をエスコートするために助手席側へ回った時にも有効に使うことができるわけだ。
ライバルを凌ぐ個性とスイートスポットの幅広さ
3日目は、また東海北陸自動車道に出て今度は北に向かって走る。各務原トンネルを抜け、美濃関ジャンクションから開通したての東海環状自動車道を経て中央道へと出た。目指すは、諏訪だ。お昼には少々遅くなったが、諏訪の地ならではの美味しい蕎麦でお腹を満たした後に一般道を南進する。ここで、BMWW 3シリーズとメルセデス・ベンツCクラス、アウディA4の4台を乗り比べてみた。
高速道路ではドシッと落ち着いているメルセデス・ベンツC230Kだが、コーナリングでもハンドルに従ってよく曲がる。2004年9月にマイナーチェンジしてスポーティ度を高めたCクラスだが、その雰囲気は計器盤のスピードメーターと並んだタコメーターを見ただけでわかる。コーナーでのターンインは悪くなかったが、タイトコーナーの出口でアクセルペダルを踏み込んでいくと意外と早くESPが作動した。リアにもう少しうまく荷重が乗ったらさらに良くなると思う。結果として、リアのグリップ限界がもう少々高いと良いと思った。
アウディA4 2.0 TFSI クワトロは235/45ZR17 94Yというオプション設定のタイヤを装着していて、強力なグリップを発揮。乗り味としては、ばね下のドタドタ感がちょっとある。タイヤが強過ぎた感じで、サスペンションの抑えが利いていない印象だ。それでもコーナー進入時はフロントヘビーながら前が逃げる様子は見られない。しかし低いギアでアクセルペダルを踏み込みながらコーナリングしていくと、コーナー出口でダンパーが耐え切れなくて、一気にロール角が大きくなるケースがある。このタイヤを履くならば、もっとサスペンションが締まっていた方が良いと思った。
一方、タイトターンのコーナーでもBMWは、330iでも320iでもコーナー入り口から出口まで非常にスムーズに、ハンドルを切った通りにラインをトレースしてくれる。ここでも330iに装着されていたアクティブステアリングはハンドルを切る角度が小さくて済み、愉しいと同時に楽でよかった。320iのライントレース性能も高く、狙ったラインへ乗せやすい。4気筒エンジンの軽さは、太いタイヤでなくてもノーズがきれいに向きを変えてくれることに貢献している。
こうした長距離ドライブをしているとクーラーボックスが欲しくなるが、新型3シリーズにはセンターコンソール内部にエアコンの吹き出し口を持ったカップホルダーがある。エアコンの調整によって一番冷たい風にしておくと、ダッシュボード中央の吹き出し口と同じ冷たい風が出てきてカップホルダーに置いてあるものを冷やしてくれる。同様にして、温めることも可能だ。
330i/320iともに1200km以上走って来たら、エンジンもサスペンションもこなれた感じとなり、音も良くなったし、乗り味もしなやかに変わった。これからも走行距離を増すにつれてフィーリングは変わりそうだから、ある意味でこれ以上に良くなることが期待できる。
クルマが慣れてきたところで、ちょっと気になったのが330iのブレーキ性能だ。もちろん高速からの制動力などにはまったく不満はない。それとは反対に、止まる直前のコントロールが気になるのだ。ブレーキが強いのでブレーキペダルを同じ踏力のまま踏み続けていると、停止する時にカックンとなってしまうのが普通だ。330iにはDSCにさらに付加機能を設けて、止まる直前にブレーキ圧力を少し抜きノーズダイブでカックンとならないようにしている。制動距離が伸びるようなレベルではない緩め方だ。多くのドライバーがこれには気付かず、単にカックンが減ったと思うだろう。しかしボクのように、止まる直前にブレーキペダルをジワッと緩めてノーズダイブしないようにしているドライバーだと、最初はちょっと違和感を覚える。
今回のドライブはライバル車との比較試乗も兼ねていたから、なかなか愉しかった。そして新型BMW 3シリーズは、疲れを知らずに走れるクルマだということも改めて認識できた。
新型3シリーズは新技術を満載したハイテクモデルだが、スイートスポットが広い。それゆえ、誰にでも奨めることができるクルマに仕立てられていると感じられたのであった。(文:こもだきよし/Motor Magazine 2005年6月号より)
BMW 330i(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4525×1815×1440mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1550kg
●エンジン:直6DOHC
●排気量:2996cc
●最高出力:250ps/6600rpm
●最大トルク:300Nm/2500-4000rp
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●車両価格:625万円(2005年当時)
BMW 320i(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4525×1815×1425mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1460kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1995cc
●最高出力:150ps/6200rpm
●最大トルク:200Nm/3600rpm
●トランスミッション:6速AT(6速MTも設定)
●駆動方式:FR
●車両価格:399万円(2005年当時)
【ヒットの法則31】ライバルと比較してわかった5代目E90型BMW 3シリーズの真価
2005年に登場した5代目E90型BMW 3シリーズはプレミアムDセグメント市場に大きなインパクトを与えている。3シリーズのフルモデルチェンジに合わせたかのように同じ年2005年にアウディA4が新世代に進化、メルセデス・ベンツCクラスも2004年に大幅な改良を行なっている。5代目E90型BMW 3シリーズの試乗レポート第3弾は、ライバルとなるであろうA4、Cクラスと比較しながら分析している。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年6月号より。タイトル写真は320iと330i)
「攻め」のために重ねた周到な準備が実を結ぶ
それにしても驚かされるのは、最近のBMWの、ニューモデルが発表されてから日本へ導入されるまでのタイムラグの小ささである。それは、つい先日発表されたばかりの新型3シリーズでも、例外ではなかった。何と4月12日に正式発表が行なわれ、早くも日本の路上を走り出すこととなったのだ。
今回は320i、330iの2台に、直接のライバルとなるメルセデス・ベンツC230コンプレッサーアバンギャルドと、アウディA4 2.0 TFSIクワトロの2台を加えた計4台にて、2泊3日の長距離比較テストを敢行した。方々から伝えられている極めて高い評価が、日本の環境においても当てはまるのか。気になる使い勝手はどうなのかを徹底的に見極めてみようというのが、その主題である。
早速、走りの印象をと言いたいところだが、その前にまずは改めてじっくりと、クルマ全体を見回すことから始めたいと思う。
これまで伝えられているように、新型3シリーズは先代E46よりボディサイズをさらに拡大。特に全幅は1815mmにまでなった。北米ではまったく問題ないサイズだろうし、どうもドイツ人を始めヨーロッパの人々も全幅にはあまり頓着していない様子。しかし日本では、それが使い勝手に与える影響は小さくないはずだ。走り出す前に、まずここを見極めておくのは、やはり必要なことだろう。
初対面の印象は、やはりと言おうか、率直に言って「大きくなったなぁ」というものだった。ただし、それは実際にボディが拡大された以上に、そこかしこにある「大きく見せる要素」によるところも小さくないと気付く。平滑な面でマッシブに盛り上がったボンネットや、ボリューム感のあるフロントフェンダー、サイドの彫りの深いキャラクターラインとその前後の複雑な面構成等々の肉感的な造形が、サイズ以上の存在感を醸し出しているのだ。
7シリーズやZ4、あるいは5シリーズの衝撃からするとコンサバだと言われていたし、事前に公開された写真を見る限は僕自身もそうかなと思っていたエクステリアだが、実物は十分にアグレッシブなものだったのである。
さらに見事なのは、それと同時に普遍的な3シリーズらしさもしっかり継承していることだ。ロングノーズのプロポーションやキャビンの造形などが、まさにそれに当たる。唯一、個人的にはテールランプの形状を含めたリアまわりはやや煩雑とも思うが、それでもひと目で3シリーズだとわかる仕上がりであることは間違いない。
新型3シリーズを見た後では、A4はまるで好対照と思えるほどクリーンに映る。よりエモーショナルなデザインを指向してほとんどのボディパネルを改めてきたのにもかかわらず、ディテールだけでなくすべての面で「攻め」のデザインを採用してきた3シリーズと較べると、相対的にはまだまだ大人しく見えるのだ。でも、それは決してネガではない。輸入車の購買層が、必ずしも押しの強さを求める人ばかりではないはずだからだ。
この2台と並べると、Cクラスは小さくすら見えてしまうのが正直なところ。けれど、このサイズが日本の道にぴったりなのも、また確かだ。
実はテスト中、3シリーズが予約したホテルの建物付属駐車場に入れず、離れた場所の機械式駐車場に回されるという事態に遭遇した。それだけで断定はできないが、ここ日本ではやはり使い勝手の良いサイズの限度を逸脱しつつあるのは事実だろう。
全幅1800mmまでしか許容しない駐車場でも、ギリギリ入れられるところは少なくないと思うが、たとえば家族で使うクルマなどとしては、それでは困る場合も多々あるはずだ。
実際に乗り込むと、5シリーズと似た雰囲気の新型3シリーズの運転席まわりは、サイズアップ分ほど広くは感じない。しかし、まあそれも3シリーズらしいと言えるのかもしれない。実際、走らせてみても四隅に手が届く感じは残っている。
一方、後席は明らかに広くなった。座面長はさほど変わらないが、足元や膝の前の余裕が増している。肩まわりも窮屈な感じはなく、なかなか快適と言える。
しかし、この点でもっとも健闘しているのはCクラスだ。室内幅には、3シリーズとの全幅の分ほどの差はないし、後席も十分なサイズで足元の広さはほぼ3シリーズと変わらない。同じFRレイアウトでも、Cクラスのエンジンは最大でV8。パッケージングの効率はやはり優れているのである。
相変わらずクオリティの高さでは際立つA4だが、室内の広さの点では逆に縦置きFFの効率の悪さがもろに出てしまった。後席は足元が狭く、シート自体も小ぶり。ただしトランクルームは逆に広くて、容量は460Lある。
ちなみに新型3シリーズも同じく460L、Cクラスは430Lとなる。いずれもクラス平均値を上回っているのはさすがと言えるだろう。
BMWらしさとは何か、ライバルとの明確な差
おおよその感じが掴めたところで、いよいよその走りを味わってみる。まず乗り込んだのは320iだ。
直径360mmという小径のステアリングは中立付近がやや重めで手応えもやや弾性感があり、スッキリとした軽さの中に抜群の精度感を味わわせてくれた先代と較べると、やや繊細さを欠く感がある。ただし、操作系すべてのバランスが取れているため、重さ自体は程なくして気にならなくなる。
それにしても驚かされるのはボディの比類無い剛性感だ。サスペンションはダンピングこそ強力ながら基本的にはソフトな設定。ランフラットタイヤも、銘柄によって違うのだろうが少なくとも試乗車が履いていたミシュランはサイドウォールがしなやかで、乗り心地はなかなか良い。通常のタイヤに較べれば重くドタッとした感は依然として残るものの、屈強なボディのおかげでショックはすべてバネ下で収められてしまう。街中での乗り心地は、十分に快適と評せるものだ。
しかし高速道路では、うねりや段差を乗り越えた際に、そのサイドウォールがたわんで戻るかのようにブワンと煽られることもあった。特に波状路では、上下動が長く残る感があり、高速コーナーではそれがステアリングの正確性を若干損なっているようにも思う。重箱の隅を突くような話だが、こうした繊細な感覚こそが、皆がBMWに求めているもののはず。今後さらなる熟成が進むことを期待したい。
より輝いて見えたのは330iだ。前後225サイズの17インチホイールを履くシャシは適度に締め上げられ、おかげで操作のすべてに曖昧さを排したキレの良い操縦性を見せる。硬めではあってもスッキリ減衰する特性ゆえに、快適性も悪くはない。個人的には、むしろこちらの方が好みだった。
ハンドリングも大したものだ。ステアリングもアクセルも、あるいはブレーキまでも、レスポンスはシャープで正確。打てば響くとはこのことかというくらい、すべての操作に活き活きと反応するのに気を良くして、もっともっと攻め立てたくなる。
特筆すべきは6気筒モデルにオプションとなるアクティブステアリングの熟成ぶりで、改良されたとは言え5シリーズではまだ残る操作上の違和感が、ほぼ完璧に解消されている。何も聞かされないまま乗って、しばらくはアクティブステアリン付きだと気づかなかったのは本当の話。ワインディングに入り、やっとそれとわかったほどだ。3シリーズ程度のサイズや重量なら不要な気もする反面、この出来なら積極的に選びたくもなる。後述するように、キビキビ感のみならず直進性にも大いに貢献するシステムだけに、これは相当悩むポイントとなりうる。
ただし、ノーマルステアリング車も含めて、E46型と明らかに異なるのは、単に曲がりたがるばかりでなく、懐深い安定感も備わっているところである。
相当な大舵角までリニアに反応するフロントに、リアがどこまでも追従して不意に路面を離すことがない。中立付近では何となく違和感があったステアリングフィールも、こうした場面ではしっくり馴染む。ボディは大きくなったのに、ハンドリングの一体感は先代モデルを上回るのではと思わせるほどだ。それでいて直進時だって、勝手に真っ直ぐ走るというほどではないものの、直進のために気を煩わされることもないという、BMWらしい「あの感じ」はしっかり守られている。
飛び抜けて落ち着いたハンドリングに躾けられているのがCクラスだ。そのステアリングはセンター付近でビシッと芯の通った感触を示し、直径375mmと大きめのステアリングホイールに軽く手を添えておくだけで見事なほどに直進していく。サスペンションも、縮み側はしなやかなのに、伸び側はしっかり減衰して、ゆっくり姿勢を戻していく特性とされ、快適かつフラット感も上々。このリラックスできる高速巡航性能は、依然としてクラス最良のレベルにあると言っていい。
3シリーズも、オプションのアクティブステアリング付きならシャシ性能的にはこの領域に相当にじり寄っていると言えるが、Cクラスと較べるとまだ外乱に進路を影響されやすいなど、荒っぽさは残る。無論、それは意図的にでもあるのだが。
A4 2.0 TFSI クワトロも、高速性能は文句ない。一番の要因は、言うまでもなくフルタイム4WDのクワトロ。特に意識しなくても、クルマが真っ直ぐ走っている。しかも、その特性は条件が悪くなるほどに光る。
この優れた土台を活かして、サスペンションは操舵レスポンスを重視した設定になっている。サーボトロニックの採用で特に低速時は極端に軽くなり、それでいて掌に十分な路面感覚をもたらすステアリングともども、軽快なスポーティ感を演出。ワインディングで大いに楽しめるというタイプではないが、限界もつかみやすく、安心してペースを保つことができる。
ただし、スプリングに対してダンパーの減衰力が足りないのか、特に上下方向のうねりや段差へ過敏に反応するのは大きな弱点。乗り心地にも直進安定性にもマイナス要因となっている。これは先代でも指摘されていたことであり、またS4ではほとんど感じないのに、なぜ改善されないのだろうか。速度が高くなれば気にならなくはなるが、その快適と感じる速度域は、日本の法定速度の範囲を大きく超えてしまうのである。
ダイナミック特性と快適性を同時に向上させるという新型3シリーズの開発のテーマは、特に前者においては相当なハイレベルで達成されたと言える。反面、特に強調されている快適性については、E46型より明らかに良いとはまだ言い切れない。ただし、もっと距離を伸ばせばダンパーのフリクションも取れて、乗り味はマイルドになるはずだから、その経過を見極める必要はあるだろう。逆にハッキリと進化が感じられたのは静粛性で、特にロードノイズはグッと低減されている。
数値よりも感覚性能に重きを置くBMWの姿勢
今回集まった4台は、すべてエンジン形式が見事に分かれていた。唸らされるのは、こちらもそれぞれが明快なテイストなり世界観なりを持っていたこと。あるいはシャシ以上に、そのクルマの印象を左右するパワートレーンなだけに、この辺りはさすがプレミアムブランドだと感心させられた。その4つのパワートレーンの中から、独断でもっとも印象的だったものを選ぶとすれば、330iが積む直列6気筒の3Lバルブトロニックユニットということになる。
実は乗り込んだ当初は、回り方が硬くてトルク感も物足りないと思ったが、距離を重ねていくうちに、そのフィーリングは劇的に改善されていった。
まず驚いたのはピックアップの鋭さである。低回転域から、ひと踏みで大きなトルクがもたらされるのにまず驚く。さらに回していくと、充実した中回転域を過ぎて高回転へ差し掛かった辺りから、まるで鳴りの良いエレキギターを思いっ切りチョーキングさせたかのような、金属的でありながら泣きも効いている迫力あるサウンドを響かせ、一気に7000rpmのレブリミットにまで到達する。その過程は堪らない快感だ。従来のストレート6とは違う種類の回転感覚とサウンドだが、きっとこれも新たな魅力として、多くの人を虜にするに違いない。
では320iはと言えば、こちらも動力性能は十分に満足の行くレベルにある。車重のせいかセッティングが異なるせいか、トップエンドは以前に試乗した120iほど伸びないが、最後までスムーズさは失われず、気持ち良く回転を高めていく。
トルク特性もフラットで谷はなく、どこから踏んでも即座に欲しいだけの加速を得られる。そのドライバビリティの良さには新採用の6速ATも貢献している。キックダウンの際のギアのつながりは素早く、しかもショックは小さいから、走りは上質そのものである。となると、一層気になるのが6速MT仕様。おそらくはもっともっとレスポンスに富んだ走りを堪能できることだろう。
C230コンプレッサーは、本格的に過給が始まる前、アイドリング+αの領域での最初のひと踏みこそ、搭載するのが過給ユニットであることを意識させるが、そこから先は上から下まで1.8Lとは思えないほどトルクがぎっしり詰まっていて、ブン回そうなどとは思わせないが、リラックスした走りにも、ちょっとペースを上げたいという時にも、実に頼り甲斐がある。
先代の1.8Lでは同じような雰囲気だったA4のターボユニットだが、直噴のTFSIへと進化した2Lは、その優れた柔軟性はそのままに、いかにもターボらしく回すほどにパワーが二次曲線的に盛り上がる、楽しめる特性をも併せ持つことに成功している。
6速ATにブリッピング、つまりシフトダウン時に回転合わせのための空吹かしを入れる機構まで備わることもあって、走りのキレ味はなかなかのものだ。2000rpm以下の領域でボーッという排気音がこもりがちになるのは減点材料だが、これもまた紛れもなくスポーティユニットと呼べる仕上りを見せていると言えるだろう。
ハンドリングにしてもそうだが、この3ブランドのエンジンを含むパワートレーンについての考え方は、まるで異なっている。
その中でBMWが、数値ばかりを追うのではなくリニアなレスポンスやパワー感といった「感覚性能」に、より重きを置いているのは最新ラインナップでも変わりない。率直に言ってバルブトロニックを最初に用いた先代318iの2Lユニットは、高効率性の陰でそうした味の部分がやや薄まってしまった感はあった。しかし1シリーズへの搭載を経て熟成が進んだ2Lも、そしていよいよバルブトロニックを採用した最新のストレート6も、その点では、もはや一切の不満を感じさせないものに仕上がっている。
特にBMWのストレート6に対する過剰とも言える期待にしっかり応えつつ、新たな歓びをも提示した330iの3Lユニットには、すっかり心酔させられてしまったというのが正直なところだ。
そもそも3シリーズが属する欧州Dセグメントは、駆動方式もエンジン形式もバラエティに富んだ個性的なモデルが多数揃うカテゴリーだ。その中で新型3シリーズは、さすがベンチマークらしく威風堂々、基本コンセプトにいささかのブレも感じさせることなく、実に3シリーズらしい形で進化を遂げたといえる。しかし、それは単純に冒険を避けたということとは違う。
今回連れ出したCクラスやA4のように、それぞれのアプローチでその牙を突き崩さんとするライバル達に取り囲まれる中では、守りに入ったら負け。3シリーズは貪欲なまでにそのコンセプトを突き詰める「攻め」の姿勢を貫いている。それはエクステリアデザインに何より顕著だし、フットワークにしろエンジンにしろそうだ。従来同様という部分はなく、すべてにおいて積極的なチャレンジが行なわれている。
見事なのは、それでいて紛れもなくこれぞ3シリーズと納得させるアイデンティティの継承も確実に行なわれていることだ。あるいは見て乗って、最初は面喰らうかもしれないが、きっとすぐに、やはりこれは3シリーズだと誰もが納得するに違いないということは、密度の濃いロングドライブでその真価を深く味わってきた僕が太鼓判を押す。
何しろ、2泊3日で1200kmあまりという普段ならお腹一杯になるような距離を走って、それでもなお、まだまだ乗り足りないとすら思わせるクルマだったと言えば、僕が言いたいことを、きっと理解していただけるのではないかと思う。(文:島下泰久/Motor Magazine 2005年6月号より)
BMW 320i(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4525×1815×1425mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1460kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1995cc
●最高出力:150ps/6200rpm
●最大トルク:200Nm/3600rpm
●トランスミッション:6速AT(6速MTも設定)
●駆動方式:FR
●車両価格:399万円(2005年当時)
BMW 330i(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4525×1815×1440mm
●ホイールベース:2760mm
●車両重量:1550kg
●エンジン:直6DOHC
●排気量:2996cc
●最高出力:250ps/6600rpm
●最大トルク:300Nm/2500-4000rp
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●車両価格:625万円(2005年当時)
Posted at 2019/10/05 00:47:54 | |
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