2020年09月14日
トヨタ「GRヤリス」発売。9月16日にはオンラインイベント「GR YARIS ONLINE FES」も開催
トヨタ自動車は9月4日、新型車「GRヤリス」を発売しました。
GRヤリスは、コンパクトカー「ヤリス」の3ドアハッチバックをベースに、WRCで培った知見や、プロドライバーの徹底した評価によって、「誰もが安心して意のままに運転できる」クルマとして誕生。トヨタ自動車の社長であり、同社のマスタードライバーでもある、モリゾウこと豊田章男氏の「トヨタのスポーツカーを取り戻したい」という想いのもと、「モータースポーツ用の車両を市販化する」という逆転の発想で開発されたモデルです。
トヨタ自動車は、GRヤリスの発売を記念し、オンラインイベント「GR YARIS ONLINE FES」を9月16日に開催。イベントでは、GRヤリスの開発に込めた想いや開発ヒストリー、GRヤリスを生産する元町工場の「GRファクトリー」を紹介するほか、豊⽥章男氏が運転するGRヤリスの⾛りを、VRで同乗体験できるコンテンツを配信するとのことです。
■GR YARIS ONLINE FESの概要
日時:9月16日(水)19:30~21:00(予定)
配信:TGR公式YouTubeチャンネル
構成:第一部 ファンイベント(19:30~20:05)、第二部 GRヤリス オンラインQ&A(20:15~21:00)
■GRヤリスのグレード紹介
●RZ:卓越した⾛⾏安定性、圧倒的な加速と気持ちの良いエンジン回転数の伸びを体感できる⾼出⼒モデル。より限界性能を⾼めた「RZ“High performance”」も設定
・新開発の⼩型軽量ハイパワー1.6リットル直列3気筒インタークーラーターボエンジン「G16E-GTS」を搭載
※RZ“High performance”には、冷却スプレー機能付空冷インタークーラーを標準装備
・多板クラッチによる前後駆動⼒可変システム採⽤の新開発スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を採用
※RZ“High performance”には、前後のディファレンシャルにトルセンLSDを標準装備
・6速マニュアルトランスミッションに「iMT」を搭載
・BBS製鍛造アルミホイールにミシュラン「Pilot Sport 4S ラジアルタイヤ」を装着
※RZ“High performance”に標準装備
●RS:GRヤリスの⾛りを、誰もが気軽に楽しめるモデル
・TNGAの思想に基づく直列3気筒1.5リットルダイナミックフォースエンジン「M15A-FKS」を搭載
・発進⽤ギヤを追加し低速から⾼速域まで⼒強くダイレクトな⾛りを実現する「Direct Shift-CVT」を採用
マニュアル感覚の操作が楽しめる10速シーケンシャルシフトマチックのパドルシフトを装備
・18.2km/リットル(WLTCモード)の低燃費を実現する⼀⽅、スポーツ⾛⾏はもちろん、⽇常⽣活の中でも、安全な速度域でパワーを使い切れる楽しさや、意のままに⾞両をコントロールする「気持ち良さ」を実現
●RC:モータースポーツベース⾞として、カスタマイズに最適なモデル
・「RZ」をベースに、⾛りに必要な装備以外を極⼒排除しながら、1.6リットル直列3気筒インタークーラーターボエンジン「G16E-GTS」と、スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」などの基本性能は継承
・ラリー⽤⼩径タイヤの装着を考慮した16インチベンチレーテッドディスクブレーキを採用
■メーカー希望小売価格
265万円~456万円(消費税込み)
【競技用GRパーツ 始動】GRヤリス カタログモデルの実車を撮影 ファン・イベント、9/16にオンライン開催
GRパーツ エアロ装着車
photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)
9月4日にカタログモデルが日本発売されたGRヤリスには、さっそく「GRブランド」のカスタムパーツが登場している。
ドレスアップ系パーツが用意される点は、他のモデルと同じだが、GRヤリスには新たに、競技用GRパーツを発売したのがトピックだ。
装着車両の実車、さらにカタログモデル全グレードの車両を撮影してきたのでご紹介したい。
GRのエアロパーツは、GRフロント・スポイラー、GRサイド・スカート、GRリア・バンパースポイラー&GRスポーツマフラーの3点で構成。艶ありブラックのカラーリングがスポーティだ。
このうちGRフロント・スポイラーは、大胆な3ピース構造。フロント部にダウンフォースを発生させるのだが、前後のバランスを取るために、リアスポイラーに装着するエクステンションがセットとなっている。
たとえドレスアップパーツと言えども、走りの質を追求するのがGRのやり方だ。
これ以外にも、ブラック×レッドのカラーを基調とし、スポーティなサイドビューを演出するGRボディ・ストライプなど、様々なドレスアップパーツを設定している。
競技用GRパーツについても見てみよう。
競技用GRパーツ装着車
GRヤリスの登場にあわせて、GRパーツに「競技用」というシリーズが新たに加わった。
今回発表されたのは下記の品々で、なかでもGRロールバーはなかなかの作り込みなのである。
ロールバーは、JAF公認競技に出場可能な6点式でありながら、普段使いの乗降性・後席乗員のスペースを確保している。
Aピラー内にバーが格納される専用設計(内張りがやや太くなる)で、視界を妨げないよう配慮したほか、サンバイザーも問題なく使用できる。
Bピラーの内装とサイドバーが接触する部分も、内張りの一部を削って調整してあった。
・GRロールバー(サイドバーなし):24万6400円
・GRロールバー(サイドバーあり):27万3900円
・GR機械式LSD(グラベル/ターマック用):38万7497円
・GR強化メタルクラッチ&クラッチカバーセット:15万5760円
・GRアンダーガードセット:27万600円
写真はGRヤリスRZにこれらのパーツを装着した車両。通常のRZの写真も撮影してきたので、細部を見比べてみてほしい。
GRヤリス・オンライン・フェス概要
トヨタGAZOO Racing(TGR)では、これまでもファン・イベントに力を入れてきた。
With コロナに世界がシフトするなか迎えたGRヤリスの日本発売。TGRでは、9月16日 水曜 19時30分から、オンライン上で「GRヤリス・オンライン・フェス」を開催し、ファンとともに新モデルの登場を祝うことにした。
当日は、TGRのウェブサイトでGRヤリスの勇姿を披露し、オンラインQ&Aの時間も設ける。
新たな試みとしては、GRヤリスの走りをVRで同乗体験できる機会も、同イベントには用意されている。
VR体験には、スマートフォンと簡易的なVRゴーグルが必要で、先行導入された限定モデル「GRヤリス・ファーストエディション」の購入者にはすでに届けられているという(ゴーグルなしでも2D映像は視聴可能)。
実は車両撮影の場で、そのVR同乗体験のテスト版を視聴することができた。
スマートフォンの音量を上げて、VRゴーグルの先端にスマホをセット。
配信が始まると同時に、ゴーグルのなかを覗くと、レーシングスーツをまとったモリゾウこと、豊田章男社長が目の前に登場する。
VRで同乗体験 どんな感じ?
自分の顔を左に向けると、グラス越しの映像も左に移り、右を向くとやはり映像も右に流れていく。
どうやら未舗装のグラウンドに居るようで、視線の先にはGRヤリスのラリーマシンが1台。
そうこうしているうちに、助手席の映像に切り替わり、ドライバーズシートのモリゾウさんがスタートの準備を完了、カウントダウンを開始する。
右足で秒読みのリズムを取りながら、5、4、3、2、1、ゼロー!の合図とともにスロットルオン。GRヤリスが猛発進すると、跳ね上げられた砂利石がアンダーカバーを盛大に叩くノイズが襲ってくる。
年末に毎年開催されるトヨタ・ガズーレーシング・フェスティバルで、プロドライバーの同乗体験をした時のことを思い出した。
GRヤリス・オンライン・フェスは、9月16日の19時30分~21時に配信される予定だ。
【ラリーのDNA注入】GRヤリス、GRファクトリーで生産開始 トヨタのホットハッチ
ライン生産とは異なる方式を採用
text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
トヨタのスポーツカー、「GR」シリーズの新モデル「GRヤリス」が、10月の英国発売に向けて日本の工場で生産を開始した。
生産ラインは特殊で、無人搬送車を用いたボディ運搬や、セル生産方式を採用する新しい車両組み立てシステムを導入している。
トヨタによると、この方法は他の工場で使用されている従来のベルトコンベアシステムよりも、剛性の高いスポーツカーのシェルやシャシーをより正確に組み立てることができるため、GRヤリスの生産に適しているという。
GRヤリスは先日、英国で2万9995ポンド(420万円)から予約注文できるようになった。
英国仕様のベースモデルはダンロップのスポーツマックスを履いた18インチのアロイホイール、デュアル・エグゾーストパイプ、レザー巻きステアリングホイール、キーレス・エントリー、アクティブ・ノイズコントロールを標準装備している。
ハードなサーキット仕様は価格が3万3495ポンド(470万円)に跳ね上がり、リミテッドスリップデフ、レッドのブレーキキャリパー、ミシュランのパイロットスポーツ、強化サスペンションが追加されている。
どちらのモデルも白が標準のボディカラーだが、オプションで赤、黒、シルバーが用意されている。イギリス向けの納車は11月に開始される予定だ。
ラリー特化のスポーツカー
この新型ホットハッチは、トヨタのガズー・レーシングが次世代ヤリスWRCの開発を支援するためのホモロゲーションモデルとして開発したものだ。英AUTOCARはカモフラージュを施したプロトタイプに試乗したことがある。
トヨタの世界ラリー選手権プログラムを運営するトミ・マキネン・レーシングは、このモデルに多大な影響を与えている。
先述の通り、GRヤリスはトヨタのパフォーマンスラインナップ「GR」シリーズのスープラに続くモデルだ。
これまでガズー・レーシングのカンパニープレジデントを務めてきた友山茂樹氏は、「GRヤリスが加わったことで、トヨタのパフォーマンスラインナップはさらに充実したものになった」と語っている。
「新型GRスープラがサーキットを念頭に置いたスポーツカーであるのに対し、GRヤリスはラリーへの参戦を通じて開発されました。多くのファンが待ち望んでいたモデルです」
ヤリスとは全く異なる構造
GRヤリスは、トヨタのTNGAプラットフォームを四輪駆動仕様にしたものを採用しており、フロントは新型ヤリスのGA-B小型車用プラットフォームを、リアはカローラのGA-Cを使用している。
通常のヤリスと比較すると、全く異なるボディを持つ。ルーフは低くなり、5ドアから3ドアへと変更され、空力性能を上げるためにスタイリングが大幅に見直されている。
GRヤリスは全長3995mm、全幅1805mm、ホイールベースは2560mm。フロントトレッドは1535mm、リアトレッドは1565mmとなっている。
ボディパーツにはカーボンとアルミニウムを多用し、軽量化を図っている。また、リアトレッドは通常のヤリスよりも大幅にワイド化され、新しいダブルウィッシュボーン式リアサスペンションを採用。
AUTOCARがGRヤリスを試乗した際には限られたスペック情報しか得られなかったが、後にトヨタが公開したところによると、1.6L 直列3気筒ターボを搭載し、6速インテリジェント・マニュアル・トランスミッション(IMT)と組み合わされる。
駆動方式はトヨタの新しいGR-Fourシステムを採用したAWDだ。多板クラッチを使用し、4輪すべてのパワー配分を変化させることができる。完全に後輪駆動とすることも可能だ。
ブレーキには、4ポットキャリパーを用いた356mmベンチレーテッド・ディスクブレーキを採用。
日本ではすでにカタログ・モデルの予約受付を開始されている。
GRヤリスは、豊田市元町工場のガズー・レーシングの専用ラインで生産され、熟練工による組み上げ工程が多く含まれている。
【ラリーのDNA注入】GRヤリス、GRファクトリーで生産開始 トヨタのホットハッチ
ライン生産とは異なる方式を採用
text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
トヨタのスポーツカー、「GR」シリーズの新モデル「GRヤリス」が、10月の英国発売に向けて日本の工場で生産を開始した。
生産ラインは特殊で、無人搬送車を用いたボディ運搬や、セル生産方式を採用する新しい車両組み立てシステムを導入している。
トヨタによると、この方法は他の工場で使用されている従来のベルトコンベアシステムよりも、剛性の高いスポーツカーのシェルやシャシーをより正確に組み立てることができるため、GRヤリスの生産に適しているという。
GRヤリスは先日、英国で2万9995ポンド(420万円)から予約注文できるようになった。
英国仕様のベースモデルはダンロップのスポーツマックスを履いた18インチのアロイホイール、デュアル・エグゾーストパイプ、レザー巻きステアリングホイール、キーレス・エントリー、アクティブ・ノイズコントロールを標準装備している。
ハードなサーキット仕様は価格が3万3495ポンド(470万円)に跳ね上がり、リミテッドスリップデフ、レッドのブレーキキャリパー、ミシュランのパイロットスポーツ、強化サスペンションが追加されている。
どちらのモデルも白が標準のボディカラーだが、オプションで赤、黒、シルバーが用意されている。イギリス向けの納車は11月に開始される予定だ。
ラリー特化のスポーツカー
この新型ホットハッチは、トヨタのガズー・レーシングが次世代ヤリスWRCの開発を支援するためのホモロゲーションモデルとして開発したものだ。英AUTOCARはカモフラージュを施したプロトタイプに試乗したことがある。
トヨタの世界ラリー選手権プログラムを運営するトミ・マキネン・レーシングは、このモデルに多大な影響を与えている。
先述の通り、GRヤリスはトヨタのパフォーマンスラインナップ「GR」シリーズのスープラに続くモデルだ。
これまでガズー・レーシングのカンパニープレジデントを務めてきた友山茂樹氏は、「GRヤリスが加わったことで、トヨタのパフォーマンスラインナップはさらに充実したものになった」と語っている。
「新型GRスープラがサーキットを念頭に置いたスポーツカーであるのに対し、GRヤリスはラリーへの参戦を通じて開発されました。多くのファンが待ち望んでいたモデルです」
ヤリスとは全く異なる構造
GRヤリスは、トヨタのTNGAプラットフォームを四輪駆動仕様にしたものを採用しており、フロントは新型ヤリスのGA-B小型車用プラットフォームを、リアはカローラのGA-Cを使用している。
通常のヤリスと比較すると、全く異なるボディを持つ。ルーフは低くなり、5ドアから3ドアへと変更され、空力性能を上げるためにスタイリングが大幅に見直されている。
GRヤリスは全長3995mm、全幅1805mm、ホイールベースは2560mm。フロントトレッドは1535mm、リアトレッドは1565mmとなっている。
ボディパーツにはカーボンとアルミニウムを多用し、軽量化を図っている。また、リアトレッドは通常のヤリスよりも大幅にワイド化され、新しいダブルウィッシュボーン式リアサスペンションを採用。
AUTOCARがGRヤリスを試乗した際には限られたスペック情報しか得られなかったが、後にトヨタが公開したところによると、1.6L 直列3気筒ターボを搭載し、6速インテリジェント・マニュアル・トランスミッション(IMT)と組み合わされる。
駆動方式はトヨタの新しいGR-Fourシステムを採用したAWDだ。多板クラッチを使用し、4輪すべてのパワー配分を変化させることができる。完全に後輪駆動とすることも可能だ。
ブレーキには、4ポットキャリパーを用いた356mmベンチレーテッド・ディスクブレーキを採用。
日本ではすでにカタログ・モデルの予約受付を開始されている。
GRヤリスは、豊田市元町工場のガズー・レーシングの専用ラインで生産され、熟練工による組み上げ工程が多く含まれている。
【ニューモデル写真蔵】「GR ヤリス」はモータースポーツ用のクルマを市販化した本物感が魅力
2020年9月4日、トヨタは「GR ヤリス」のカタログモデルを発売開始した。トップグレードのRZ ハイパフォーマンスからエントリーグレードのRSまで、そのディテールを写真で紹介しよう。
誰もが安心して意のままに運転できるクルマ
GRヤリスはコンパクトカーのヤリスがベースだが、トヨタ GAZOO レーシング ワールド・ラリー・チームから「WRCで競争力あるクルマづくり」を学び、開発初期からの社外プロドライバーによる評価によって、世界のあらゆる道で思いどおりに操れ、「誰もが安心して意のままに運転できる」クルマとして誕生した。
ボディパネルにはアルミ素材やCFRP素材を採用し、軽量化を図りながら優れた空力性能を示す3ドアとした。RZとRCには新開発の1.6L 直3インタークーラーターボエンジンとスポーツ4WDシステムの「GR-FOUR」を搭載。トランスミッションは、6速iMT(インテリジェントMT)を組み合わせる。RSは1.5L 直3のダイナミックフォースエンジンとダイレクトシフトCVTを組み合わせ、前輪を駆動する。
インテリアも、本革巻きステアリングやスポーツシート、スポーツメーターなど、専用アイテムを装備。また、スポーツモデルといえども予防安全の機能パッケージ「トヨタ セーフティセンス」はオプションで設定されている。
グレードは卓越した走行安定性、圧倒的な加速と気持ちの良いエンジン回転数の伸びを体感できるハイパワーモデルの「RZ」、より限界性能を高めた「RZ ハイパフォーマンス」、競技用のベース車両としてのカスタマイズに最適な「RC」、そして気軽にGRヤリスの走りを楽しめる「RS」が設定されている。
GRヤリス RZ ハイパフォーマンス 主要諸元
●全長×全幅×全高:3995×1805×1455mm
●ホイールベース:2560mm
●重量:1280kg
●パワーユニット種類:直3 DOHCターボ
●排気量:1618cc
●最高出力:200kW<272ps>/6500rpm
●最大トルク:370Nm<37.7kgm>/3000ー4000rpm
●トランスミッション:6速インテリジェントMT
●駆動方式:4WD
●WLTCモード燃費:13.6km/L
●タイヤサイズ:225/40R18
●税込み車両価格:456万円
Posted at 2020/09/14 23:41:13 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年09月14日
魔改造ポルシェ「356」は9000万円!! クラシックカーのカスタムもセンス次第!
■MOMO製ホイールを装着することからプロジェクトはスタート
2017年のSEMAショー。アメリカはもちろんのこと、世界各国から多くの出展者を集めるカスタムカーが主役のトレーディング・ショー(業者のための商談を目的としたショー)の会場に、今回紹介するポルシェ「356」はあった。
それをポルシェ356と呼ぶことに興奮を隠せないアウトローなファンもそこには多くいただろうし、逆に顔をしかめる正統派のファンもいたはずだ。
なぜなら、貴重なポルシェ356を世界で唯一無二のスタイルにカスタムビルドした、「MOMO 356 RSR アウトロー・バイ・エモリー」とネーミングされた、確かにアウトローな世界を狙った1台の356だったからだ。
RSRアウトローを製作したのは、ポルシェ356のチューニングとドレスアップでは世界的に有名な、ロッド・エモリーだ。
エモリーは、このRSRアウトローのベースとなる半ば朽ち果てた356を2012年に発見し、そこから新しいデザインのレンダリングをSNSに投稿する。
それにいち早く反応したのが、ステアリングホイールなどのレーシング・エクイップメントのメジャー・ブランドであるMOMOオートモーティブグループの会長である、エンリケ・シスネロスだったのだ。
エモリーに全面的な信頼を寄せていたシスネロスからのオーダーはわずかにふたつ。
「MOMOのホイールを装着し、エグゾーストからはかつての多くのレーシングポルシェがそうであったように、排気とともに炎を吹き出すように」というシンプルなものだったという。
■外は「356」、中身は「964」の正体とは?
製作プロジェクトの始まりは、新ホイールのデザインと製作からであった。
デザインは、1970年代と1980年代にポルシェ「935」や「962C」などの足元を飾った、高性能で古典的なデザインの5スポーク・センターロックホイールからインスピレーションを得た。
結果は大成功だったといえるだろう。そのデザインと伝統のイエローのエンブレムからは、一瞬でそれがMOMO製のものであることが認識でき、またそのデザインはアウトローのコンセプトにボディデザインとともに素晴らしくマッチしている。
サイズはフロントが7J×17、リアが8J×17の設定。2020年初頭には、この「ヘリテージ5」ホイールをベースとした「ヘリテージ6」ホイールのセールスもスタートしている。ポルシェのカスタマーには気になるところだ。
ここからエモリーは、2012年に発見した1960年型のポルシェ「356Bクーペ」のレストアを開始……とは、シンプルにはいかなかった。なぜならこのRSRアウトローのボディやメカニズムは、1990年型の964型「911」をマッチングさせたからである。
搭載されるエンジンは、そもそも964型に使用されていた3.6リッター水平対向6気筒エンジンの中間シリンダー2本をカットして、356と同様に水平対向4気筒ツインターボとしたもので、これにはロスポートレーシングとターボクラフトの両社が協力している。
注目の最高出力は、ダッシュボードにレイアウトされた935スタイルのブーストコントローラーを使用すると、325psから375psの間で調整することができる。
一方で車重はわずかに1950ポンド(約884kg)であるから、いかにハイグリップなピレリ製タイヤを装着するとはいえ、その走りには十分なスキルが必要かもしれない。
インテリアのフィニッシュも実にレーシーな雰囲気だ。もちろんここでもMOMO製のプロダクトは多数使用されており、そのままサンデーレースなどにエントリーすることもできる。まさに時空を超えて復活を果たしたポルシェ356といえるだろう。
今回のRMサザビーズでの落札価格は、実に85万8000ドル(約9010万円)と相当な高額となった。
単なるレストアとは異なる、クラッシックカー・チューニングの世界、そしてそれに熱狂的なファンが存在することを証明する、好例であったといえる。
Posted at 2020/09/14 23:33:04 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年09月14日
ダイハツ、スマートアシスト累計販売300万台超 7年8カ月で到達
ダイハツ工業は7日、衝突回避支援ブレーキなど予防安全機能「スマートアシスト」搭載車両の累計販売台数が300万台を超えたと発表した。2012年12月にマイナーチェンジした「ムーヴ」に軽自動車初の衝突回避支援ブレーキとして搭載して以降、7年8カ月で到達した。
スマートアシストはムーヴに搭載以降、採用車種を拡充。乗用車だけではなく、「ハイゼット」などの商用車にも展開し、現在までに軽自動車12車種、小型車4車種に採用車種を増やした。スマートアシスト設定車に占める選択率は約9割に上るという。性能向上も進めており、当初は赤外線を使用するレーザーレーダーで検知するシステムだったが、3世代目でステレオカメラを採用したほか、今年6月に発売した「タフト」ではカメラを刷新して夜間検知性能を向上した。
Posted at 2020/09/14 23:25:29 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年09月14日
まもなく生産終了の86&BRZ! 世界的に稀少な日本発の「小型FRスポーツ」の海外評とは?
スバルが作るトヨタのスポーツカーに登場前は賛否両論
2011年3月、スイス・ジュネーブモーターショーのスバル(当時は富士重工)ブースに登場した、スケルトンの技術展示。
名称は「ボクサー スポーツカー アーキテクチャ」だ。
この頃のスバルといえば、アメリカ市場を最優先を掲げており、「インプレッサ」を筆頭に「フォレスター」、「レガシィ」、「アウトバック」と商品企画のアメリカシフトが加速し始めていた。
こうした流れのなかで、スバルとして北米向け2ドアスポーツカーが欲しいと考えていたが、1社では販売台数が限定的のため、結果的にトヨタに対するOEM供給を行うことで合意していた。
スバルが作る、トヨタのスポーツカー。
いったいどんなクルマに仕上がるのか、その発想も含めて、日本のユーザーの間では賛否両論があったのは事実だ。
筆者が最初にBRZプロトタイプに試乗したのは、栃木県のツインリンクもてぎ。その走りについて「まるで四輪駆動車のように、物凄く安定したコーナーリング特性」という印象を強く持った。
その際、開発担当者からは「トヨタ86のサスの味付けは、トヨタ幹部からの要望があり、これ(BRZ)とは走りのイメージを少し変えた」と話していた。
主戦場アメリカでは着実にファン増やす
「86」の製品企画担当者である多田哲哉氏は、アメリカ駐在時代にロータリーエンジン搭載車でローカルレースに出るなど、「アメリカ」や「レーシーな走り」に理解が深い人物である。
北米向け「86」は、北米トヨタによる独自のサイオンブランドから発売され、モデル名称は「FR-S」とし、順調に販売数を伸ばした。
「FR-S」がアメリカ人に受け入れた背景には、90年代末から2000年代初頭に全米で爆発的なブームとなった、日系改造車のトレンドがある。映画「ワイルドスピード」の初作や第二作で描かれた若者カルチャーである。
こうした極度のブームが去った後でも、日系小型2ドアスポーツカーに対するアメリカ市場からの要望は着実に存在した。「FR-S」でも、ライトチューニングからビックタービン搭載までアフターマーケットをけん引した。
その後、2016年にサイオンが13年間の短い歴史の幕を下ろすと、「FR-S」は日本同様にトヨタ「86」として販売が継続された。
こうした北米での「FR-S」「86」、さらに「BRZ」について、多田氏はアメリカ現地でユーザーの声を丁寧に拾っていた。
そうしたなかで「86のさらに上のモデルが欲しい」という声が挙がり始めた。
それが具現化したのは、BMWと協業した「スープラ」である。
いろいろな意味で、「86」はアメリカ人に愛され、そしてトヨタの新世代スポーツカー市場の礎となったといえるだろう。
【新型トヨタ86/スバルBRZ】生産終了はBRZが先 プラットフォームは現行と共通化 運転支援も ただし時期不明 困惑も
生産終了時期はBRZが先で86は後に
text:Yoichiro Watanabe(渡辺陽一郎)
スバルBRZのホームページには「生産終了に伴い、販売店での在庫対応のみとなります」と記載されている。日本国内で販売されるBRZの生産は既に終わり、在庫車も少数だから、実質的に購入できない状態になった。
一方、スバルからトヨタに供給される86は、同じ生産ラインで製造される車両ながら対応が異なる。
2020年9月上旬時点で、トヨタの販売店では「86のGRは終了しましたが、ノーマルタイプのグレードは今でも受け付けています」という。
また「9月上旬に契約をいただいた場合、納車は12月下旬頃になります。トヨタから生産終了の時期は聞いていませんが、おそらく12月下旬が最後の生産になるでしょう」という。
なぜBRZは生産を早々に終了して、86は今でも買えるのか。
スバルの販売店では「ブランドや地域によって、販売状況がそれぞれ異なる。BRZ、86ともに、最終的には生産を終えるが、その時期には違いが生じています」と述べている。
BRZと86の販売状況はどうなのか。
86はBRZの3.6倍 1店舗あたりはBRZが多い
コロナ禍の影響を受けたり、BRZが生産を終える前の2019年1~12月の登録台数は、1か月平均にするとBRZが108台、86は386台だった。
86はBRZの3.6倍売れていたから、長く生産するのも納得できる。
またトヨタとスバルでは、国内で展開する販売店舗数が異なる。86は発売当初からトヨタの全店が扱い、4600店舗で購入できるが、BRZを売るスバルの販売店は460店舗に限られる。
つまりスバルの販売網はトヨタの10%だ。そうなると1か月平均の登録台数がBRZは108台、86が386台であれば、1店舗当たりの登録台数はむしろBRZが多い。
そしてスバルは店舗数が少ない分だけ、メーカーと販売店の連携も図りやすいため、早期の生産終了を既存のBRZユーザーに周知徹底できた事情もあるだろう。
プラットフォームは現行型と共通化
現行型のBRZと86が生産を終えた後、次期型が登場することは間違いない。
トヨタとスバルは2019年9月に「新たな業務提携に合意した」と発表して、提携の内容に「トヨタ86/スバルBRZ 次期モデル共同開発」が含まれているからだ。
BRZと86はスポーツカーとしては好調に売れているが、ハッチバックなど、ほかのカテゴリーに比べると生産台数は少ない。
しかも水平対向エンジンに後輪駆動を組み合わせるのはBRZと86のみだ。ほかの車種と共通化できない専用設計のメカニズムも多い。
生産台数や価格の割に、1台当たりの開発コストが高まりやすい車種でもある。
そこで次期型も、プラットフォームなどは現行型と共通化する。現行型の全長:4300mm以下、全幅:1800mm以下というサイズも、運転感覚の楽しいスポーツカーを開発する上でバランスが優れている。
従ってホイールベース(前輪と後輪の間隔)の2570mmを含めて変更する必要性は乏しく、次期型も基本部分は現行型を踏襲するだろう。
その一方で改善も行う。
スバルの開発者によると「今はさまざまな知見が備わり、以前に比べると、同じプラットフォームを使いながら走行性能や乗り心地を大幅に引き上げられるようになりました」という。
詳しく見ていこう。
機能向上は幅広く 運転支援機能も
解析能力も高まり、共通のプラットフォームを使っても、補強やサスペンションの設定変更で新開発に近い効果を得られるようになった。
例えば現行型のマーチ/ノート/キックスは、すべて共通の「Vプラットフォーム」を使うが、走行安定性、操舵に対する反応、乗り心地は、車種によって大幅に異なる。
マーチ、ノート、さらにキックスと、設計が新しいほど良くなる。マーチは低価格車だから違って当然ともいえるが、ノートeパワーとキックスの差も大きい。
日産の開発者は「新しい車種ほどVプラットフォームを使い慣れて、何をすればどのように良くなるのか、今ではかなり正確に把握できている」という。
同じようなことが次期型86とBRZの開発にも当てはまる。
次期型では安全装備も大幅に進化する。現行型はアイサイトのような衝突被害軽減ブレーキを装着できなかった。開発者は「ステレオカメラを装着する地上高が低く、フロントウインドウの角度も影響して、アイサイトを装着しにくかった」と振り返る。
しかし今はカテゴリーを問わず、衝突被害軽減ブレーキと運転支援機能を装着するのが当然になった。そこで次期型では設定する。
スポーツカーは長距離ドライブにも使われるから、運転支援機能はドライバーの疲労を軽減させて安全性も高める。
このように次期86とBRZは、現行型をベースにして基本路線も踏襲するが、機能は多岐にわたって向上するわけだ。
時期不明 ユーザー/販売店、困惑気味
スバルとトヨタが次期BRZと86の開発を業務提携の内容に盛り込んだ以上、次期型の開発が相当に進んでいることは間違いない。
それなのに両社の販売店に問い合わせると「次期型の登場時期などは不明」という。
特にBRZは、生産が終わって在庫販売になった。そのスバルの販売店は、以下のようにコメントしている。
スバル販売店のコメント
「BRZは生産が終わり、もともと在庫車も少なかったので、今は販売していない状態です。それでも次期型の予定は聞いていません」
「現行型のBRZを使うお客様からは、発売までのスケジュールについて問い合わせを受けますが、2021年2月以降になる、としか返答できません」
「今後は燃費規制も厳しくなるので、開発に時間が掛かり、メーカーとしては正確な情報を伝えにくい面もあるのでしょう」
トヨタ販売店のコメント
トヨタの販売店は以下のようにコメントした。
「スバルのBRZが生産を終えたので、86も時間の問題だと思います」
「それでも終了の時期を知らされていないので、お客様には現行型を購入するなら早めに判断して欲しいと申し上げています」
「いきなり終了する可能性もあるからです。86はスバルが製造するクルマなので、約3か月間という長めの納期も含めて、トヨタにとっては特殊な車種になっています」
一般的なフルモデルチェンジでは、従来型が生産を終えると、時間を置かずに次期型が発売される。その車種が不在の期間が生じれば、売れ行きも下がるからだ。
また愛車の車検満了が近付いているのに、次期型の発売時期が不明では、ユーザーは購入計画を立てられない。車検満了に合わせて別の車種に乗り替えてしまうこともある。
ユーザーを不安にさせないためにも、BRZが現行型の生産を終えたのなら、86も含めて今後のスケジュールを明確にすべきだ。
それをしない背景には、BRZや86の登録台数が限られ、経営的なリスクが少ないこともあるだろうが、ユーザーの気持ちを優先させて欲しい。
Posted at 2020/09/14 23:22:51 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年09月14日
1000ccエンジン搭載で悪路もバッチリ走破できるヤマハのオフロード専用ビークル「Wolverine RMAX 1000」
ヤマハ発動機は、RV事業の主力製品であるROV(レクリエーショナルオフハイウェイビークル)の、同社レクリエーショナルカテゴリー初となる1,000ccエンジンを搭載した2人乗り、4人乗りの「Wolverine RMAX 1000(ウルヴァリン アールマックス 1000)」2機種を、2020年9月に北米市場などで発売。生産は米国のグループ会社Yamaha Motor Manufacturing Corporation of America (YMMC)で行なうという。
「Wolverine RMAX 1000」は、2019年~2021年中期経営計画で示したROVプラットフォームを採用したオフロード専用モデル。
最大市場である北米で特に人気の高いレクリエーショナルカテゴリーに新製品を投入することで、シェア拡大を図る。
新デザインを採用するなど顧客ニーズを満たしながら、同社の強み・個性である走行性、信頼性、快適性をさらに強化。
ドライバーの冒険欲を刺激する力強さと存在感を放つ新デザインを採用したほか、様々な路面を走破できるよう低~高速領域で高いトルクを発揮する新1,000ccエンジンを搭載。
走行シーンに合わせて、ドライバーが求めるエンジン特性を選べるD-Mode機能を装備し、アウトドアを十分満喫するための優れた耐久性・信頼性を実現したパワートレインに仕上げている。
また、ドライビングに集中するため、ドライバーと車両の一体感を追求したコックピットを採用した。
関連情報:https://www.yamaha-motor.co.jp/
構成/DIME編集部
Posted at 2020/09/14 23:15:16 | |
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