2021年02月19日
曙ブレーキ、定期検査報告で不適切行為発覚 データ修正などを2001年から
曙ブレーキ工業は16日、自動車用ブレーキ製品の定期検査報告で不適切行為があったと発表した。検査データの修正や流用、検査サンプル数の省略などを2001年から行っていた。管理値と乖離があったデータは4931件だった。製品の品質や性能には問題はなく、リコールなども現時点では実施しない予定だが、経営再建最中の不正発覚により、信頼の回復が急務になる。
曙ブレーキ、定期検査で不適切行為 社内監視機能せず
自動車用ブレーキ製品の定期検査報告での不適切行為があったと明らかにした曙ブレーキ工業は、新経営体制移行後の2019年11月に、品質保証部門から曙ブレーキ山形製造(山形県寒河江市)での不適切行為の報告を受け、12月から社内調査を開始した。検査員が固定されており、社内監視が機能していなかったことが原因としている。完成車メーカーや資金調達先であるファンドには同年末から順次、伝達を開始したという。
品質性能に問題は無いとし、リコールは実施しない。また、業績への直接的な影響も現時点では見込まない。
16日に記者会見を開いた宮地康弘社長は「ブレーキという安全に大きくかかわる部品を作る製造業として決してあってはならない。再発防止や企業風土の改革に全力で取り組む」と述べた。
貧すれば鈍する曙ブレーキ、20年間11万件のデータ改ざん[新聞ウォッチ]
貧すれば鈍する---。自動車部品大手の曙ブレーキ工業が、子会社の国内4工場で20年近くにわたって、ブレーキ部品の検査データを書き換える不正が行われていたという。
同社が発表したもので、その数は11万4271件もあったそうだ。しかも、このうち4931件は完成車メーカーが求める品質基準を満たしていなかったという。
きょうの各紙も「曙ブレーキ、データ改ざん、6割で不正20年間11万件」などと、経済面などのトップ記事で報じている。それによると、不正行為があったのは、曙ブレーキ山形製造、曙ブレーキ福島製造、曙ブレーキ岩槻製造、曙ブレーキ山陽製造の4工場で、完成車メーカーの要請に応じてサンプル調査する「定期検査」で不正が発覚。
2001年1月~20年5月の間に、ブレーキパッドの強度や摩擦係数などの検査データを従来の数値に近くなるよう書き換えたり、過去のデータを流用したりしていたそうで、完成車メーカーに報告した19万2213件のうち、約6割で不正が行われたという。また、検査業務は、限られた従業員が担当し、他部署など外部のチェック機能が働かなかったという。
宮地康弘社長は記者会見で「ブレーキという安全に関わる製品を提供する会社としてあってはならない行為だった。深くおわび申し上げる」と謝罪。トヨタ自動車や日産自動車など国内の完成車メーカー10社に納入していたというが、「製品の性能に問題はなく、リコール(無料の回収・修理)に発展しない」としている。
曙ブレーキといえば、創業一族ではない「信元親子」が長期にわたり君臨していたが、米国事業の不振から資金繰りが悪化し、事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請。18年には信元久隆会長氏らが経営不振の責任を取って辞任し、日本電産で常務執行役員を務めた宮地康弘氏を外部から受け入れて経営再建中だが、信頼の回復が図れるかが今後の焦点となる。
2021年2月17日付
●トヨタ9工場稼働停止、最長4日間、地震で部品供給滞る(読売・2面}
●曙ブレーキ検査不正11万件、20年前から、車10社に納入(読売・10面}
●出光、超小型EVを量産化へ、給油所を拠点、定額制やカーシェア(朝日・8面}
●ブリヂストン赤字、69年ぶり12月期233億円(毎日・6面}
●新会長きょう候補案、五輪組織委、検討会、資質5項目(産経・1面}
●日航乗務員年収3割減、20年大幅減便で手当や一時金縮小(東京・3面}
●水素供給網整備進む、規制緩和FCV後押し(日経・1面}
●常磐道きょう復旧、福島・宮城地震、ルネサス生産再開(日経・5面}
●タタ自動車に新CEO、独ダイムラー出身、リストセーヤ氏(日経・10面}
曙ブレーキ、検査データを改ざん…トヨタや日産向けなど自動車用ブレーキ、リコールなし
経営再建中の曙ブレーキ工業は2月16日、自動車用ブレーキ製品の検査データを改ざんするなどの不正が発覚したと発表した。
同社は事業再生ADRを申請、成立して2019年10月に新しい経営体制に移行した。同年11月に品質保証部門から社長に対して、子会社の曙ブレーキ山形製造が、ブレーキパッドの一部について、顧客に提出する定期検査報告書の数値を改ざんしていたとの報告があった。これを受けて社内調査を開始したところ、一部納入先から、曙ブレーキ岩槻が製造するディスクブレーキの定期検査報告書に不審なデータが記載されているとの指摘を受けた。
このため新経営陣は、3月中旬の取締役会で、社外弁護士で構成する特別調査委員会を設置し、調査を開始した。この結果、トヨタ自動車や日産自動車など、完成車メーカー10社に納入したディスクブレーキやパッド、ドラムブレーキ、ライニングで、検査データの改ざんや、要求されている検査サンプル数の省力などの不正が行われていた。判明した最も古いものは2001年1月で、約20年にわたって不正が行われていた。
定期報告データ総件数19万2213件のうち、不正があった報告データは11万4271件。そのほとんどが納入先との合意に基づく管理値の範囲内だったとしており、4931件が自動車メーカーが設定していた基準値を外れていた。曙ブレーキでは、対象製品の日常検査による管理データ記録の解析、試験によるデータの検証を実施、対象製品の性能に問題ないと判断し、リコールなどの市場措置は実施しない。
自動車メーカーには順次、事実関係を説明するとともに、対象製品について協議、評価・検証し、2021年1月末に完了したとしている。
同社では、特別調査委員会から提言された、組織体制の見直し・監査機能の強化、生産設備見直しとITシステム導入、教育研修によるコンプライアンス強化、組織風土改革などの再発防止の具体的計画を策定し、取り組みを開始したとしている。
Posted at 2021/02/19 23:45:45 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2021年02月19日
生産累計200万本達成!? ヤマハが自動車向けに開発した機能部品「ヤマハパフォーマンスダンパー」をバイクにも。どんな機能が?
■1mm以下のごくわずかな車体の変形や振動を制振する“棒”
バイクに乗っている時、何に魅力を感じるかは人それぞれでしょう。右手ひとつでコントロールできる自在の加速力、コーナーで車体をバンクさせた時に感じられるG(重力)、トンネルや山あいに木霊にする歯切れのいい排気音……などなど千差万別。心地よさのツボは、ライダーとバイクの数だけあるに違いありません。
そのなかのひとつに、身体へ伝わってくる「バイブレーション」を挙げる人も多いのではないでしょうか。スロットルの動きに連動して、大きくなったり小さくなったりするそれは、エンジンとダイレクトにつながっている気分を高めてくれる大切なフィーリングです。スムーズに回る4気筒でこれを重要視する人はあまりいませんが、単気筒や2気筒、そして最近はメジャーになった3気筒には、それぞれ独特のバイブレーションがあり、ひとつのアイデンティティになっています。
さて、このバイブレーションを「鼓動」と表現すると、いかにもまろやかな雰囲気ですが、場合によっては不快な「振動」に感じる人がいるかもしれません。やせ我慢しているうちはヒロイックな気分になれても、手足がしびれたり、ハンドリングや安定性に影響を及ぼすのは考えもの。それを軽減、もしくは解決すべく、ヤマハが考案した快適パーツが「ヤマハパフォーマンスダンパー(YAMAHA Performance Dampers)」です。
これは当初、4輪向けに開発されたものでした。ヤマハは4輪メーカーとも関係が深く、エンジンやサスペンションといったさまざまな分野の研究開発に関与しています。その中で、走行中の乗用車はごくわずかな変形を繰り返し、それが乗り心地や振動に影響していることを解析。だったらそれをサスペンションのように吸収すればいいのでは? というアイデアが発端になりました。
サスペンションの機能のひとつに、減衰力(ダンパー/ダンピング)の最適化があります。フロントフォークやリアサスペンションにはスプリングが備わっていますが、野放しだとずっとボヨンボヨンと動いてしまいますよね? それをある程度のところで、引き締める役割です。
検証のため、4輪のエンジンルームやトランクルームに、ダンパーをつっかえ棒のように装着したところ、ハンドリングや走行安定性が向上。さらにはドアの開閉音やオーディオの質にも変化が見られ、上質さが増したというから驚きです。後にヤマハパフォーマンスダンパーと名づけられたそれは、トヨタを筆頭とする数多くのメーカーに採用され、累計200万本(2020年1月時点)を達成。今も着々と実績を積み重ねています。
開発したのはヤマハですから、バイクに転用するのは自然の流れと言えるでしょう。2011年には「ヤマハパワービーム(YAMAHA POWER BEAM)」の名称で「TMAX」用のオプションパーツとして製品化。現在は「SR400」、「セロー250」を筆頭とする単気筒の他、「YZF-R25/R3」、「MT-07」、「テネレ700」といった2気筒、さらには3気筒の「XSR900」や「トレーサー900」などもフォロー。そのラインナップは16機種におよびます。
見た目はご覧の通り、リアサスペンションからスプリングを取り除いたようなカタチをしています。内部はピストン、オイル、高圧窒素ガスなどで構成され、エンジンや車体が発する微細な振動を吸収する構造です。
効果はてきめんなのですが、鵜呑みにできないという人もいるでしょう。そこで今回、ダンパーの仕事を疑似体験できるツールを用意。同じ形状のふたつのアルミ材をフレームに見立て、ひとつはそのまま、もうひとつにはパフォーマンスダンパーを装着してハンマーで叩いている様子を動画で撮影してみました。
いかがでしょう? 未装着のものは「キンキン」と甲高い音が鳴り、それが余韻として残ります。一方、パフォーマンスダンパー装着後のものは、「カツカツ」と音質が低く、すぐに収束。手に伝わってくる衝撃と振動も最初の一発だけで済みます。
街乗りはもちろん、ロングツーリングや荷物満載時の疲労蓄積に差がでるのは間違いなく、距離を乗る人ほど、大きな恩恵を受けられるに違いありません。価格は3万800円からと比較的手ごろで、ボルトオンでの装着が可能です。愛車をより楽しく、より快適にするパーツとして、ツウなライダーに支持されています。
去年の10月ね
トヨタ的にはクラウンで初登場だったんだね
Posted at 2021/02/19 22:36:22 | |
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