2021年12月02日
スバル 新型XVは2023年に登場か!? アイサイトXと縦型ナビにフル液晶メーターを標準装備となるも価格は据え置きに
スバル XVが2023年にもフルモデルチェンジされる見込みだ。ハッチバックのインプレッサスポーツをベースに樹脂フェンダー、さらには大径タイヤなどを装着したコンパクトSUVモデルだ。現行モデルは途中でマイルドハイブリッドモデル「eボクサー」を追加するなど、地道な改良を続けてきたモデルである。一体スバル 新型XVは一体どんな仕上がりになるのか?
スバル 新型XVはマイルドハイブリッド「eボクサー」をメインに! 燃費も向上へ
スバル XVはコンパクトSUVモデルとして人気を呼んでいる一台だ。冒頭に述べた通りインプレッサの派生モデルであるが、単に外装に手を入れているのではなく悪路走破性なども高められている。
現行モデルは2017年にデビューし、毎年のように改良を行っている。デビュー当初は1.6/2リッターエンジンのみであったが、その後2リッターエンジンにモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドモデル「eボクサー」を設定。現在はこのマイルドハイブリッドが売れ筋モデルとなっている状況である。
2023年に登場予定の新型XVは、現行モデル同様にマイルドハイブリッドモデルが中心となる見込みだ。現行モデルのマイルドハイブリッドモデルは15.0km/L(WLTCモード)であったが、10%程度向上させる見込みだ。
>>
新型XVはアイサイトX全車標準へ! レヴォーグと同じ縦型ナビとフル液晶メーターも採用
もっとも注目すべきは安全装備の強化である。2020年に登場したレヴォーグの一部グレード。そして新型レガシィ アウトバックに標準装備されているアイサイトXが新型XVにも採用されるのだ。
衝突被害軽減ブレーキはもちろん、渋滞時に活躍するハンズオフ機能も搭載される。現状ハンズオフ機能は30kw/h以下で作動するが、作動領域が拡大される可能性もあるという。
アイサイトXの採用に併せて新型XVの内装は縦型ディスプレイとフル液晶メーターが採用される。おそらくレヴォーグや新型レガシィ アウトバックと同じ仕上がりとなる予定だ。
>>
新型XVは現行モデル比で最大30万円のアップも装備内容を考えれば据え置きに
新型XVの気になる価格だが、現行モデル比で20~30万円程度の値上がりとなる見込みだ。アイサイトX、そして縦型ナビやフル液晶メーターといった機能が装備されることを考えれば、ほぼ据え置き価格といったイメージだ。
現在世界中で人気のコンパクトSUV市場。ほとんどの自動車メーカーが参入しているために、ユーザーからは特徴が求められている。
そう考えると300万円前後でハンズオフ機能など最新の先進安全機能が装備される新型XVは大注目されること請け合いだ。
今後も最新の情報が入り次第、続報をお届けする予定だ。
>>
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】
発表は12月! 新型「スバル XV」はどう進化する? アイサイトX搭載&走りや燃費向上にも期待
「スバルXV」のフルモデルチェンジが近づいている。スバルはすでに同社のHP上で現行モデルの生産が終了し、12月に新型を発表することを明らかにしている。
では新型はどう進化するのか? デザインについては、スバルが掲げる「BOLDER」と呼ばれる表現を深化させてくる見通し。大型化した六角形グリルにシャープな形状の異形ヘッドライトを組み合わせ、存在感を強めながらSUVらしいタフさを表現するのがトレンド。おそらく次期XVもこの流れを踏襲してくるだろう。
シャシー回りは、グローバルプラットフォームの継承や足回りのチューニングにより、ボディ剛性の向上とステアリング操作に対するリニアな反応を追求し、クルマを操る楽しさを前面に押し出してくるのが、スバルのブレないクルマ作りの思想。すでにBEV(バッテリーEV)の「ソルテラ」を発表済みのスバルだが、新型XVでは、迫りつつある本格的な電動化を前に、内燃機関モデルにおけるハンドリングの集大成を追求してくる見通しだ。
パワートレインについては、e-ボクサーによるマイルドハイブリッド技術はもちろん用意されるだろうが、水平対向エンジンをメインとしたオーソドックスなシンメトリカルAWDパッケージが中心のラインアップに変わりはないだろう。ただ燃費性能については高効率化により、現行モデル(1.6L:15.8km/L 2.0L+モーター:19.2km/L)に対して向上させてくるはずだ。
メカニズムについては、新世代アイサイトや、3D高精度地図データを採用した「アイサイトX」を標準装備してくる見通し。インテリアは今年9月に登場した新型レガシィ アウトバック」のように縦型の大型ディスプレイにより、優れた操作性とモダンなデザインを両立させてくると思われる。
なお公式HPでは12月発表と明かされているが、発売は通例だとその数ヶ月後になる。とすると、新型XVがショールームにクルマが届くのは、2022年2月-3月だろうか。
少なくとも今回はマイチェンで終わって
来年にフルモデルチェンジするんじゃないかな〜
Posted at 2021/12/02 22:42:37 | |
トラックバック(0) |
富士重工 | 日記
2021年12月02日
ポルシェ・ミッションRコンセプトへ試乗 1100ps 純EVのケイマンが透ける 前編
走行モデルの価値は10億円以上
執筆:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
ポルシェによる45分の説明会が事前に開かれた。貴重な純EVのレーシングカーへ試乗する数日前に。もしダッシュボードのライトがすべて赤く染まったら、何よりもまず、急いでクルマから降りる必要があるという。
いくつかの脱出方法が説明されたが、緊急時には、身体でクルマと地面へ同時に触れてはならないという。このクルマには、電圧900Vで電気が流れている。急ぐだけでなく、細心の注意が必要なのだ。
今回試乗させていただいたのは、ポルシェ・ミッションRコンセプト。2021年9月のミュンヘン・モーターショーで展示されたものと、まったく同じ車両だという。
別に展示する目的で作られた、モックアップと呼ばれる実物大の模型もある。実際に走行可能なミッションRは唯一、これだけ。もう1台、別のミッションRをポルシェが制作する予定はないという。
コンセプトカーだから、販売価格は付けられていない。非公式ながら、約800万ユーロ(約10億4000万円)の価値があるらしい。
とんでもない価値のあるクルマなのに、筆者は耐火性のレーシングスーツを着て、ヘルメットを被っている。アメリカ・ロサンゼルスのポルシェ・エクスペリエンス・センター内にある、サーキットで走らせるために。
初めに、助手席へ座ってデモ走行を体験した。コース脇のランオフエリアは殆どなく、もしコースオフすれば、ほぼクラッシュにつながるようだ。
大部分は専用開発 911 RSRの部品も流用
筆者がステアリングホイールを握る前に、このポルシェ・ミッションRコンセプトについて簡単にご説明しよう。
ポルシェは常に、新たなコンセプトカーを生み出す際、非常に広い視野や明確な目的を持って計画を進める。このミッションRは、ポルシェ初の純EVスポーツカーを体現する目的で作られた。
プロジェクトの開始時は718ケイマンをベースとしていたそうだが、9月に完成した頃には、ごく一部しか共通部分は残っていなかったという。ミッションRの大部分が、専用に開発されている。
筆者は2023年か2024年に姿を表すであろう、次期型のケイマンが採用するプラットフォームをベースにしているのでは、と想像していたが違ったらしい。ミッションRのプロジェクト・マネージャーを務めた、ミヒャエル・ベーア氏は次のように説明している。
「両車のサイズはとても近いといえます。実際、ミッションRと次期ケイマンのホイールベースは、1mmしか違いません。しかし、それはミッションRが完成して初めて気付いたこと。完全に偶然なのです」
パワートレインはまったく異なるが、ル・マン・レーサーの911 RSRからも多くの部品を譲り受けている。リア・アスクルやフロント・サスペンション、高機能なステアリングホイールなどは、911 RSRのもの。だが、リア・サスペンションは特注だという。
クオリファイ・モードで1100ps
ミッションRが積むパワートレインは、80kWhの駆動用バッテリーと、2基の駆動用モーターという構成。前後に1基づつ割り振られ、クオリファイ・モードを選ぶと、合計で1100psもの最高出力を発揮する。
今回はレース・モードで、最高出力は680psに制限されていた。それでも、0-100km/h加速をたった2.5秒でこなす。亜麻繊維という自然素材を用いた専用ボディが発生する、強力なダウンフォースが働くにも関わらず、最高速度は309km/hに届くという。
車内の雰囲気は、息を呑むようなレーシングカーだ。最初は圧倒されたが、アクセルとブレーキペダル、操縦桿型のステアリングホイールのほかに、ステアリングホイール上に並ぶスイッチの内容を覚えれば大丈夫だとわかった。
ただしこのミッションRは、惜しみなく最先端技術が落とし込まれたレーシングカーの、コンセプトカー。ポルシェがレーシングカーを開発するにあたって、通常進めるプロセスは経ていない。そのため、最高速度は100km/hに制限されていた。
恐らく読者は、そのことを残念に思うだろう。筆者も、とても歯がゆかった。
ル・マン24時間で優勝経験を持つマルク・リープ氏や、ニュルブルクリンク24時間で優勝経験を持つラーズ・カーン氏などが、このルールを決めたという。だが、彼らはより速いスピードで走らせていた。
もし筆者が経験豊かなレーシングドライバーなら、より高い速度域での体験をお伝えできたかもしれない。ミッションRコンセプトへ、もっと迫ることができただろう。
この続きは後編にて。
ポルシェ・ミッションRコンセプトへ試乗 1100ps 純EVのケイマンが透ける 後編
非常にリニアなアクセルレスポンス
執筆:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
ポルシェ・ミッションRコンセプトのシートに座り、ステアリングホイールを握り、息を整える。ヘルメット内側のヘッドセットから、無線が飛んでくる。
「アンドリュー、ステアリングホイールのスイッチをポジション1に。準備が整ったら、コースに入ってください」。アクセルペダルを踏み込み、ピットレーンを発進させる。
試乗したコースは狭く、技術も求められるレイアウトだった。最高速度100km/hに制限された条件ではあまり意味のないバンクがあり、路面の起伏も多く、高低差も小さくない。
最初に驚いたのは、かなり車内がうるさいこと。純EVが駆動用モーターで静かに走ると知っていると、なおのこと賑やかに感じる。
コースインすると、すぐにストレートが待っている。アクセルペダルを踏む右足へ力を込める。四輪駆動のシャシーにミシュランのレーシングスリック・タイヤを履いている。トラクション・コントロールやABSがなくても、ホイールスピンはまったくしない。
高いグリップとパワーで、ミッションRは立ち上がり直後から極めて鋭く加速する。途中、どのくらいのスピードに届いたのか意識する余裕すらない。
筆者は、純EVのレーシングカーを運転するのは今回が初めて。即時的なアクセルレスポンスへ慣れるまで少し時間が掛かるのではないかと気にしていたが、無用だった。非常にリニアで、すぐに感覚を掴むことができた。
特徴的なトルクカーブがあるわけでもない。常に、太いトルクが控えている。
コーナリング時は横方向に最大2G
ポルシェ911 RSR用のサスペンションにミシュランのスリックタイヤ、具体的な量は不明ながら、強大なダウンフォースがミッションRを支える。コーナリング時は、横方向に最大2Gの力まで耐えられるという。
リアタイヤはしっかり路面を掴み、スライドさせるには挑発するような操作が必要。だが、フロントタイヤは意外と簡単にラインから外れていく。そんなアンダーステアは、アクセルペダルを戻せばすぐに修正できる。
「前後のバランスがお好みでなければ、レース中でも変えることができますよ」。とカーンが説明する。ステアリングホイールのスイッチで、前後のタイヤへ掛かるトルク割合を変更できる。かなりイイ感じのシステムだ。
とはいえ、クラッシュせずに試乗を終えることの方が優先。運転自体は難しくない。むしろ、かなり運転しやすい。すぐそばにコースバリアが立っている。ぶつけることなく、10周後にピットレーンへ戻ることができた。
筆者は、純EVのスポーツカーがどれほど動的な楽しさを与えてくれるのか、ということへ常に関心を抱いてきた。少なくともミッションRなら、心配はいらなそうだ。
確かに水平対向6気筒エンジンの唸りや、パドルシフトを弾いた瞬間の面白さには及ばないだろう。でも純EVのミッションRにも、一体感や充足感といった運転する魅力が備わっていることを、体験できたと思う。
まだコンセプトカーという段階にあることを考えると、驚くほどの水準といえるだろう。
純EV版のケイマンとも遠くないはず
ポルシェは、完全な空想でコンセプトカーを作ることはない。このミッションRも同じなはず。
2015年に発表されたミッションEは、2019年に発表されたタイカンとどれだけ似ていたか、思い出していただきたい。恐らくこのクルマは、ポルシェが将来的に作るであろう、レーシングカーの姿をある程度は予見していると考えていい。
さらに、ポルシェがケイマンを純EVで作ると決断したのなら、恐らくミッションRとは大きく違わない姿になるだろう。走りも、かけ離れることはないと思う。その決断が下される日は、それほど遠くないのかもしれない。
筆者は、内燃エンジンを載せたクルマを楽しめる現在から離れたくない。でも、もはや選択肢としては選べなさそうだ。
完全に純EV化した未来は、現在と同じくらい楽しいものになるだろうか。それが叶う可能性は高いと、ポルシェがカタチにした純EVスポーツカーの未来像、ミッションRコンセプトを体験して思った。
番外編:ミッションRが四輪駆動のワケ
ミッションRコンセプトのプロジェクト・マネージャーを務めたミヒャエル・ベーア氏へ、後輪駆動ではない理由を訪ねた。車重は1500kgと重くはないが、フロント・モーターを削れば、より軽くなるのではないかと考えたからだ。
その理由は2つあるという。クオリファイ・モードで1100psを解き放つには、トラクションが極めて重要になるということが1つ目。
そしてベーアが続ける。「さらに、後輪駆動ではクルマが重くなります」。思わず聞き直してしまったが、事実だ。
フロント・モーターが減速時に回収する運動エネルギー量は、かなり大きい。全体の40%以上を賄っているという。回生ブレーキで得られる電気が減れば、同じ距離を走るために、バッテリーをそのぶん大きくする必要がある。
駆動用モーターよりバッテリーが重たいことは、ご存知のとおり。結果として後輪駆動のミッションRは、四輪駆動より重くなってしまうのだ。
ちなみに、回生ブレーキと、従来のパッドとディスクで制動する摩擦ブレーキとの制御は見事だった。思い切りブレーキペダルを踏んでも、どこまでが回生ブレーキで、どこから摩擦ブレーキが働いているのか、知覚できないほどだった。
Posted at 2021/12/02 22:37:54 | |
トラックバック(0) |
ポルシェ | 日記
2021年12月02日
ルノー『AIR4』、名車「キャトル」が空を飛ぶ…誕生60周年記念コンセプト
ルノーは11月26日、コンセプトモデルの『AIR4』(Renault AIR4)を欧州で発表した。AIR4は、ルノーの名車『4』(キャトル)の誕生60周年を祝福する一連のコンセプトカーの最後のモデルとして登場した。
◆電動パワートレインで飛行する新たなモビリティの提案
開発にあたって、ルノーはモーションデザインハブの「TheArsenale」と協力。未来的なショーカーを開発した。オリジナルのルノー4の再解釈として、電動パワートレインによって、4基のローターを動かし、空中を飛行できる空飛ぶ車を提案している。
AIR4は、独立と自由の象徴になるという。地上での交通量が増加している現在、新たなモビリティとして、フランス・コートダジュールのルノーのテクノロジーパークにおいて、企画や設計、組み立てが行われた。
AIR4は、TheArsenaleの「ROAD TO AIR」部門の最初のプロダクトだ。未来の輸送ネットワークが、空にあることを想定している。感情を刺激し、喜びを提供する新しい種類のモビリティの開発を目指すTheArsenaleのパトリス・メイグナンCEOの発案によるものという。
◆フロントヒンジのボディシェルを持ち上げて室内に乗り込む
デザインは、オリジナルモデルを現代的に再解釈したものだ。車体はフルカーボン製で、オリジナルモデルのフォルムが再現された。推力やリフトに対応するように設計されており、人工知能(AI)を利用した計算とテストにより、テラバイトのデータが生成された。すべてのデータが分析されて、設計に反映された。設計が完了すると、実際の飛行試験が行われた。
タイヤに代えて、合計4個の2ブレードプロペラを取り付けた。車体はローターフレームの中央に配置されており、フロント側のボディシェルを持ち上げて、室内に乗り込む。
2万2000mAhのリチウムポリマーバッテリーを搭載する。総出力は約9万mAhで、水平方向には毎秒26mで飛行できる。飛行中の傾斜角は45度で、最大傾斜角は70度。安全上の理由から、離陸速度は毎秒14m、着陸速度は毎秒3m、最大高度は700mに制限されている。プロペラは垂直方向の推力が95kgで、4基合わせて380kgとした。
◆30年間に世界で800万台以上を販売したオリジナルのルノー4
ルノー4は1961年に発表された。コンパクトボディに広い室内空間を備えていたのが特徴だった。あらゆるシーンで使い勝手の良いルノー4は、20世紀後半のカーライフを代表する車のひとつだ。1961年の発売から1992年までの30年間に、800万台を超えるルノー4が、ルノーのフランス工場から世界約100か国の顧客に届けられた。とくに、フランスでは乗用車史上最多の生産台数を記録し、「クルマのジーンズ」と称されている。フランス本国では、ルノー『4L』(キャトレール)と呼ばれる。
ウーマンリブ運動が隆盛した1963年には、有名女性誌『ELLE』の読者に48時間、ルノー4を貸し出すという「エル・オペレーション」を実施した。これは、人の未来のビジョンを描くルノー哲学を象徴するイベントとして知られている。このルノー4のエスプリを現代に引き継ぐモデルが、『カングー』とされる。
ルノー4は、その成功のおかげで、さまざまなオプションやコラボレーションモデルが数多く存在している。フランス国内では、郵便局や憲兵隊(国家警察)に納入された。フランスの郵便局向けの車両は、「La Poste(郵便局)」と刻まれた黄色いボディが特徴で、フランス映画にも起用されている。
ルノー、空飛ぶ車を発表…名車『4』を再解釈
ルノーは11月26日、コンセプトカーの『AIR4』(Renault AIR4)を欧州で発表した。
AIR4は、ルノーの名車『4』の60周年を祝福する一連のコンセプトカーの最後の1台として登場した。電動パワートレインによって、4基のローターを動かし、空中を飛行できるという。
未来のキャトルは空を飛ぶ!? 生誕60周年を記念したショーカー「ルノーAIR4」を発表
ルノーを代表する往年の実用車「ルノー4(キャトル)」が、今年で生誕60周年を迎えた。それを記念し、ルノーとThe Arsenaleのコラボレーションによるショーカー「AIR4(エアキャトル)」が製作させ、世界初公開された。
往年のキャトルの雰囲気を巧みに取り入れたショーカーには、なんと道路は不要。そう、空飛ぶクルマとして作られているのだ。キャトルの歴史を振り返りつつ、ユニークな未来のキャトル「AIR4」について紹介しよう。
文/大音 安弘、写真/ルノー
【画像ギャラリー】祝!生誕60周年を迎えたルノー4と記念のショーカー「ルノーAIR4」を見る
■生誕60周年を迎えたルノーの名車「4」
ルノー4は、1961年に新たなルノーの大衆車として誕生。当時、市場を席巻していたライバルの大衆車「シトロエン2CV」を徹底的に研究して、開発された。極めて合理化な設計とすることで、安価で実用性の高いモデルが目指された。
驚くべきは、1993年まで基本構造を大きく変更することなく、生産及び販売が継続されたこと。そのため、累計生産台数は、800万台を越えており、VWタイプ1(ビートル)やT型フォードに継ぐ、歴史上世界3位を誇るほどだ。
ルノーの大衆車として送り出された「ルノー4(キャトル)」は、世界中で販売され、その累計生産台数は800万台を超えている
■目指されたのは究極の実用車
「シンプル イズ ベスト」を目指したキャトルは、小型車ながら、居住性と積載性を最大限高めるべく、ルノーとして初となる前輪駆動方式を採用。同時に、安価とするために、徹底したコストダウンにも取り組んだ。
その象徴的な存在がパワーユニットだ。従来型となる後輪駆動車「4CV」のものをそのまま活用していたため、フロントに搭載されるエンジンの前方にトランスミッションが配置されるという大胆な構造を持っていた。
足回りには、4輪ともに長いサイズのトーションバー・スプリングを採用しているが、横置きとなるリアサスペンションでは、トーションバーの干渉を防ぐため、左右のトーションバーが並列に配置している。
このため、左右でホイールベースが異なるという大胆な設計であったが、これはフラットなフロアによる積載性と悪路での快適な乗り心地を両立させるための秘策であった。
バン仕様のルノー4フルゴネット。働くクルマでありながら、愛嬌たっぷりなのは現代のカングーにも通ずるところだ
搭載されるエンジンもコンパクトで、747ccからスタートし、後に782ccに拡大。このほかにもグレードにより、845ccや1100ccのエンジンも搭載された。
また、エントリーモデルとして、よりボディ構造を簡素化し、排気量も縮小した「3(トロワ)」をはじめ、バンの「フルゴネット」やオープントップの「プレネール」など、シンプルなクルマだが、バリエーションは豊富だった。
そして、何よりも効率を追求したハッチバックボディは、その後の実用車たちに大きな影響を与えたと言われている。いささか構造的には、強引な手法を取っていたものの、画期的な存在でもあったのだ。
フランスでは、ルノーが所有するコレクションから「4」を厳選した60周年の展示イベントも実施
そんなルノーのアイコンといえる「キャトル」の60歳の誕生日を祝うべく、フランスでは、SNSを活用した記念コンテンツやルノーが所有する「4」による展示などのさまざまなイベントが開催されている。
■キャトルを祝う型破りなサプライズ
キャトルの60周年を記念して製作されたショーカー「AIR4」は、60周年を祝う1年の締めくくるサプライズとして企画されたものだ。
ボディフォルムは、紛れもなくキャトルであるが、4輪が備わるべき場所には、各々アームの先に2枚羽根のプロペラが設置されている。キャトルデザインのボディシェルを持ち上げると、キャビンが出現し、乗員が登場することができる仕組みとなっている。
ボディシェルはカーボンファイバー製で、キャトルと同じラインと質量を維持しながら、新たなデザインが与えられている。ショーカーながら、モックアップではなく、飛行可能な機能を備え、テストも行われているというから本格的だ。
4つのプロペラの中央にはキャトル風デザインのキャビンが備わる
気になる性能だが、22000mAhのリチウムポリマー電池が複数搭載され、総容量は90000mAhを確保。水平方向の飛行速度は、最大26m/s(約85~90km/h)に達し、安全のため、離陸時と着陸時の速度は制限される。
高度は最大で700mまで飛ぶことができるという。トータルの推進力は、380kgを備える。飛行時間については、明かされていない。
シンプルなキャビンには、パイロット用のコックピットとラゲッジスペースを確保する
■独立と自由を表現したショーカー「AIR4」
AIR4開発に込められた思いは、交通量が増えたことで妨げられた生活を打ち破ることにある。そこで頭上に広がる空を新たな道路として選ぶために、未来のキャトルは空を飛べるようになったというわけだ。
まさに、フランスの新たな自由の象徴なのである。だからこそ、次世代に向けて、動力にも電気を選び、垂直離着陸機(eVTOL)として作り上げられているのだ。
ショーカー「AIR4」は、年末までフランス・パリのシャンゼリゼ通りにある「アトリエ・ルノー」で、ヒストリックなキャトルたちとともに、年末まで一般公開される。2022年以降は米国のマイアミとニューヨークでの展示に加え、マカオでのお披露目も予定されている。残念ながら、現時点では日本での公開予定はないようだ。
新たな道路を空に見出したキャトルが「AIR4」という存在なのだ
Posted at 2021/12/02 22:14:34 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記
2021年12月02日
隠れ残業も横行!? 自動車整備士の見えざる勤務実態 なぜ報酬は上がらない?
レクサス高輪での不正車検問題発覚から半年近くが経過する。この問題発生以降、自動車ディーラーに勤める整備士の処遇が、話題にあがることが増えた。
クルマは買ってそのまま何年も乗れるものではない。適切なタイミングでの整備が必要であり、整備を行う自動車整備士たちは、日本の自動車産業を根底から支えている功労者なのである。
しかし、今の自動車整備士が置かれている立場は、お世辞にもいいものとは言えない。この現状をどう変えていけばいいのだろうか。本稿では、長年にわたり自動車整備士と一緒に仕事をしてきた筆者が、整備士の地位向上を図るための具体的な施策を考え、提案していく。
文/佐々木 亘
アイキャッチ画像/©standret - stock.adobe.com
写真/TOYOTA、Adobe Stock
[gallink]
整備士の業務実態を正確に把握すべき
厚生労働省が発表する賃金構造基本統計調査によると、整備士の平均税込年収は約450万円だ。この金額は、整備士業に就く平均年齢44.2歳、平均勤続年数15.9年の人が、整備士の労働実態として標準的と考えられている、所定内労働時間167時間/月、超過実労働時間6時間/月という働き方をした前提で計算されている。
筆者がこの標準的な労働実態を見たときに、実際の現場で起こっていることとは大きく懸け離れているように感じた。特に超過実労働時間は、実態の5分の1以下になっていると思う。
自動車整備士の1日の仕事は、朝9時~9時半のお店のオープンと同時に始まる。次々と入ってくるクルマを整備しながら、お昼休憩の1時間を挟み、閉店時間である夜6時~7時頃まで整備を続けるのだ。
これだけで労働時間は8時間となり、これ以降の作業は「超過勤務」つまり残業となる。皆さんも、近隣のディーラー整備工場を、夜に見に行ってほしい。店舗ショールームの明かりが消えても、整備工場は煌々と照らされたまま、夜8時ごろまで動いていると思う。毎日の残業が2時間近くになるのは特別なことではない。
毎日2時間程度の超過勤務を週に5日間、4週にわたって行っただけで、超過勤務時間は40時間になるはずだが、厚労省のデータでは、6時間しか残業をしていないことになっている。残りの34時間はどこへいってしまったのだろうか。
整備士の処遇改善問題には、正確な仕事の実情把握が必要だ。ここから目を背けてしまえば、事態の改善など夢のまた夢である。
今、注力すべきは、売る力ではなくみる力
残業を減らし、体力的にも精神的にもキツイ労働を減らすためには、解決しなければならない構造的な問題が複数ある。そのなかでも、マンパワー・ハードの問題、リコールに対する問題の2つは、今すぐにでも対策を進められるものだ。
多くの販売店にいえることだが、管理顧客数に対して、整備士の数が足りていない。さらには店舗設備、特に整備工場のストール数の不足が顕著である。
筆者の経験談だが、管理顧客数が1,500件を超える店舗で、整備士が4名、ストール数は検査ラインを除いて3本だった。高級車を取扱い、丁寧な顧客対応を売りにする販売店でこの数字だ。
例えば、点検だけで年間に4000件以上、300日程度の営業日数でこなしていく。計算上は1日当たり13台だが、仕事はそれだけではない。点検以外の整備、積雪地ではタイヤ交換、保証整備やリコール対応など、仕事は山ほどある。重い作業は後回しになり、残業が常態化する。整備工場は日々パンク状態だ。
こうした整備車両の渋滞緩和策が、第一に必要だ。整備士を増やし、工場のストール数の拡大に動くべきである。
整備だけを集中的に行う店舗を作るなど、従来の店舗運営形態を抜本的に見直す時期である。今、自動車ディーラーに足りないのは、クルマを売る力ではなく、クルマをみる力だ。
また、販売店の仕事に大きな負荷をかけるのがリコールだ。リコール対応を行う場合、メーカーから整備士を派遣し、マンパワーを増やす支援を積極的に行うべきであろう。 メーカーが発表するリコールだが、実質的な修理作業は販売店に丸投げだ。メーカーは、しっかりと修理・回収するところまで行動を広げ、販売店にだけ負荷をかける今のやり方を変えて欲しい。
営業マンと同じインセンティブ制度を整備士へ導入せよ
車を安全確実に整備することが当たり前になっている一方で、高い技術や対応力へのインセンティブ制度がないのが現状(©Shutter2U - stock.adobe.com)
労働負荷の軽減とともに、報酬の面でも改善が必要となる。
整備士の評価は上がりにくい。筆者は、ミスなく点検整備を行う整備士の評価は10点満点であると考えるが、実際の評価制度では「普通」つまり5点だ。
普通の基準が高まりすぎて、安全確実に整備することが当たり前になっている。高い技術や対応力に対しては、絶対軸で十分な評価をするべきであろう。
また、営業マンのようなインセンティブ制度があって、しかるべきだ。車両販売や保険契約等を獲得することで、利益の一部が給与に反映される営業マン。こうした給与制度が整備士にもあるべきだと思う。
日本自動車整備振興会連合会がまとめた、平成31年度自動車分解整備業実態調査結果の概要(令和2年1月23日発表分)によると、整備要員一人当たりの年間整備売上高は、ディーラーで2363万5000円だ。
この売上高の1%でも給与に還元すれば、年収は約24万円増える。頑張った分だけ、給与に反映されるという仕組みを、整備士の世界にも導入すれば、仕事への意欲も高まるのではないだろうか。
さらに、整備士出身の店長を、今以上に増やしてほしい。筆者はディーラー勤務時代、整備士出身の店長のもとで長く働いてきた。整備側に気を配れる管理職のもとで働くのは、営業側から見ても働きやすいものである。整備の現場を知る管理職が、直接現場にメスを入れることで、整備士の待遇改善にもつながるだろう。
最後に、ここまで読んでいただいた皆さんにお願いしたい。整備士に対して積極的に興味を持ってもらいたいのだ。いいと思った整備士の対応には、営業マンと同じように販売店へフィードバックをしていただきたいし、整備士の存在が販売店の表に出てくることで、必ずや地位向上につながっていくはずだ。
ディーラー、メーカー、そしてユーザーが一体となって、クルマ社会を支える整備士の、待遇改善を本気で考えることが重要である。今すぐ取り組めることも多く、早急な対応を、関係各所で進めて欲しい。
[gallink]
Posted at 2021/12/02 22:10:28 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記