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2021年12月05日 イイね!

STIスポーツとして標準グレードとの違いがわかるようにしてくれた方が良いような気もするんだけど

STIスポーツとして標準グレードとの違いがわかるようにしてくれた方が良いような気もするんだけど苦戦するセダン市場でも注目度大の「スバル WRX S4」人気の理由は走りとデザインとコスパにあった!

かつては世界的にも「乗用車=セダン」だったが、日本では1990年代にRV/ミニバンブームが到来して以来、マーケットは縮小し続けている。だがセダン離れは世界的な傾向であり、セダン王国だった北米市場でも、いまやセダンは新車市場の1割強にすぎない。すでにフォードはセダンを1車種も販売しておらず、もはやメインストリームはSUVに取って代わられた。そんな状況の中でもスバル WRX S4は人気だ。一体なぜなのか。進化したポイントを紹介しながら解説していこう。

新型モデルは排気量や装備内容が進化した

「Cセグメントの4ドアAWDセダン」という、今や世界的にも非常にレアな絶滅危惧種であるにもかかわらず、先代WRX S4は国内で累計約2万台を販売。北米でもその約4倍が顧客の元へ届けられた。レヴォーグやレガシィ、アウトバック、アセントほどではないものの、根強い人気を獲得しているWRX S4は、スバルにとって重要なモデルであることに違いはない。

なぜWRX S4はこれほど人気はあるのだろうか。先代は最後まで販売していたSTIスポーツ・アイサイトが416万9000円と、決して安くはなかった。新型もベーシックグレードのGT-Hが400万4000円、最上級グレードのSTIスポーツR EXは477万4000円と、排気量アップや装備内容の進化などがあるとはいえ、さらに値上がりしている。

だが新型WRX S4は、今回も世界中のSUBIE(スビー:海外ではスバルファンをこう呼ぶ)を歓喜させ、さらに多くのファンを新たに生み出すことになりそうだ。

熱烈なファンには「そうじゃない!」と批判されるかもしれないが、WRX S4の魅力は、走りとデザイン、機能性、コストパフォーマンスといったところである。

先代から走りには定評があったが、新型では排気量をアップしスポーティさを高めた

走りの良さについては、今さら繰り返すまでもない。先代WRX S4は、300馬力と400Nmを発揮する2.0リッターターボ+シンメトリカルAWDのパッケージングによる走りで、世界で高く評価された。今回登場した新型はさらに進化し、レヴォーグ譲りの技術により、圧倒的なポテンシャルを感じさせる、非常に懐の深い走りを実現している。

2.4リッターターボに排気量アップした一方で最高出力は275馬力、最大トルクは375Nmと、数値的には先代より低いが、過給技術や変速制御、そしてAWDシステムの進化が、これを補って余りあるスポーティネスを実現している。

デザインはスバル車に共通するデザインテーマ「ダイナミック×ソリッド」を採用

次にデザインだが、先代が歴代インプレッサWRXのイメージを継承した造形であったのに対し、新型はスバル車に共通する「ダイナミック×ソリッド」というデザインテーマを進化させた「BOLDER」を採用した、アグレッシブなスタイルに変化した点が注目だ。

彫りの深いフロントマスクや張り出したフェンダー、煮えたぎるマグマのように光るテールライトなど、注目ポイントはいくつもあるが、先代までと最も異なる点は、前後フェンダーに備わるスポーツサイドガーニッシュである。

この樹脂製のガーニッシュは、コンセプトカーの「ヴィジヴパフォーマンスコンセプト」でも提案されていたもので、直進安定性を高める空力パーツの一部でもある。また輪郭を前傾したヘキサゴン状としたことでウェッジシェイプを強調。

ハイパフォーマンスを印象づけるアグレッシブなルックスを実現した。また新型WRX S4のオフロードイメージも感じさせるデザインは、ターマックでもグラベルでも、最高の走行性能が求められるラリーカーのDNAを継承したモデルである事を印象づけていると言って良いだろう。

実用セダンとして手を抜かれたことがないことも、WRX S4の人気の大きな理由だ。新型も幅1100mm、奥行き1001mm、高さ500mmという、先代と同等のトランク容量を備え、キャビンスペースはショルダールーム(先代+30mm)や前後席間距離(同+25mm)も先代からさらに拡大。ファミリーカーとしての実力は一層高められている。乗り心地もグッと向上しているだけに、さらに人気を博すことになりそうだ。

国産車ではライバル不在! 輸入車と比較してもコストパフォーマンスは高い

最後にコストパフォーマンスだが、これは現在世界で販売されているCセグメントの4WDハイパフォーマンスセダンでダントツである。前述のように、新型WRX S4は先代から価格が若干上昇したが、国産車にはもはやライバルは存在しない。

スペックが同等の4WDセダンは、メルセデスAMG A35 4マチックセダンやアウディS3セダンといった輸入車に限られる。これらのモデルは、確かにエンジンスペックは最高出力300馬力以上、最大トルク400Nmと新型WRX S4を上回るが、価格も600万円台後半とはるかに高い。いかに新型WRX S4がお買い得か一目瞭然である。

スバルの伝統を継承しながら最新技術を惜しげなく投入した新型WRX S4は、はっきり言って先代以上の傑作と言っていい仕上がりである。

「2.4リッターターボなのに、なんで275馬力なの?」などと言わず、まずはその走りを体験することをオススメする。その進化ぶりに驚くことだろう。

【筆者:竹花 寿実】



スバル新型「WRX S4」あえて樹脂パーツを装着!? SUV風ではない! 樹脂採用のふたつの理由とは


■コンセプトカーを忠実に再現した新型「WRX S4」

 スバルのパフォーマンスセダン「WRX S4」が、7年ぶりにフルモデルチェンジをおこない、5代目へと刷新されます。

 すでに2021年9月10日に北米仕様が世界初公開されていますが、今回日本仕様の詳細が明らかになりました。

 新世代のAWDパフォーマンスカーとして進化した新型WRX S4は、従来モデルの2リッターターボから排気量をアップした2.4リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載。

 スペックとしては、新開発の2.4リッターターボエンジンの最高出力は275馬力、最大トルクは375Nmと、従来モデルに搭載された2リッターターボの300馬力/400Nmと比べると下がっているものの、排気量のアップによる低速トルクの豊かさによって発進や中間加速は速く、車重が増えたにもかかわらず、加速性能は新型WRX S4のほうが上回るといいます。

 また、トランスミッションには、リニアトロニックCVTが進化した新開発の「スバルパフォーマンストランスミッション」が採用されます。

 このスバルパフォーマンストランスミッションは、変速速度を高速化。現行WRX S4と比べて50%高速化したCVTにより、ツインクラッチのDCT構造のベンチマーク車のトップクラスと同等の変速速度を実現しました。

 WRX史上最高の操縦安定性実現に向け、2020年にフルモデルチェンジした「レヴォーグ」で培った技術を多く採用しています。ボディには、スバルグローバルプラットフォームとフルインナーフレーム構造を採用。セダンならではのリアの強固な構造で、操縦安定性を高めました。

 新型WRX S4はデザインも進化。2017年の東京モーターショーで発表された「ヴィジヴパフォーマンスコンセプト」を元に、量産車両に落とし込みました。

 ボディサイズは全長4670mm×全幅1825mm×全高1465mmと現実的なサイズとしていますが、コンセプトカーに盛り込まれた意匠を忠実に再現。

 いまにも走り出しそうな勢いを感じるスタイルに、ヘキサゴングリルからはじまる塊感のあるボディなど、パフォーマンスセダンに相応しい、アグレッシブでスポーティなスタイルを実現。

 ヘッドライトとテールライトもWRX S4独自の「コの字」の特徴的なデザインとするとともに、テールライトは溶けたマグマのように光る新形状のライトを採用しました。

 新しくなった新型WRX S4のデザインなかでも特徴的なのが、バンパーやフェンダーなどに採用された黒い樹脂パーツです。

 2021年9月の世界初公開時にはさまざまな意見が聞かれたこの樹脂パーツですが、新型WRX S4には欠かせないパーツであり、ふたつの意味があるとスバルはいいます。

 ひとつめはデザイン性です。前述のように、コンセプトカーのヴィジヴパフォーマンスコンセプトを再現するにあたり、同コンセプトカーに採用されていたブラックパーツを踏襲。コンセプトカーでは前後のタイヤフェンダーにカーボンパーツを装着していましたが、市販車では樹脂パーツを採用しました。

 ふたつめは機能性です。この樹脂パーツには空力効果のある六角形のパターン(空力テクスチャー)が施されています。深さ45マイクロという小さなものですが、ゴルフボールにも採用されるディンプル効果を狙って設けられました。

 このディンプル効果により、空気を張り付けたり剥離を抑制することが期待でき、クルマにかかる力を抑え、高い直進安定性や操縦安定性を実現するといいます。

 空力テクスチャーは前後のタイヤフェンダーと前後バンパー、サイドシルに施され、空気の流れを整流して操縦安定性を向上に寄与する重要なパーツとして装着されました。

 新型WRX S4の開発責任者の五島賢氏は次のようにいいます。

「WRXのデザインの魅力はフードにあるターボダクトのように、デザインがフェイクでなく、機能があることです。

 2021年9月に新型WRXを発表以降、サイドガーニッシュなどがアグレッシブすぎるというコメントもいただいておりますが、WRXはオンリーワンの存在と考え、独自のデザインを重視しました」

 SUVに採用される樹脂パーツは力強さの演出や傷つき防止の役割を果たしますが、WRX S4の場合は役割が異なっており、コンセプトカーのデザインを忠実に再現するため、さらにそこに運動性能を高める空力テクスチャーを取り入れるために、塗装したパーツではなく樹脂パーツが不可欠だったというわけです。

 ほかにも、フロントフェンダーやリアパンパ―(左右)に設けた「エアアウトレット」はタイヤハウス内にたまる圧力を逃がすことで、タイヤの接地性を高める効果があるなど、操縦安定性向上のためのアイテムが新規開発されました。

※ ※ ※

 新型WRX S4の登場とともに、ステーションワゴンのレヴォーグにも同じ2.4リッターターボエンジンとスバルパフォーマンストランスミッションを搭載した高性能グレードが追加されました。



SUBARUが新世代ハイパフォーマンスセダンの新型WRX S4を日本で発表

高性能スポーツセダンのSUBARU WRX S4が約7年ぶりにフルモデルチェンジ。コンセプトモデルのVIZIVパフォーマンスを反映したスタイルに、新世代の2.4リットル直噴ターボ“DIT”エンジンを搭載

 SUBARUは2021年11月25日、第2世代となる新型WRX S4を発表した。

車種展開は以下の通り。
GT-H:400万4000円
GT-H EX:438万9000円
STI Sport R:438万9000円
STI Sport R EX:477万4000円

 約7年ぶりでのフルモデルチェンジとなる新型WRX S4は、2017年10月開催の東京モーターショーで披露されたVIZIVパフォーマンスコンセプトのイメージを投影したうえで、パフォーマンスカーとしての価値、そして実用的なセダンとしての価値を革新的に進化させた、新世代のSUBARU AWDパフォーマンスカーに昇華させたことが特徴である。

 まずエクステリアは、SUBARU共通のデザインフィロソフィー“DYNAMIC×SOLID”をさらに進化させた“BOLDER”をWRX S4のキャラクターに適応させ、“Aggressive”というデザインコンセプトのもと、今にも走り出しそうな前傾軸、ヘキサゴングリルからはじまる塊感、内側から外側に張り出したフェンダーにより、「一目で走りへの期待を駆り立て、あらゆるシーンでパフォーマンスを感じられる」デザインを具現化する。各セクションのアレンジにもこだわり、フロント部はヘキサゴングリルを起点とした立体的で彫りの深い造形やワイド&ローを強調したフロントバンパー、力強く張り出したフェンダーなど、立ち姿からアグレッシブな走りを期待させるマスクを創出。一方でサイドビューは、今にも走り出しそうな勢いのあるキャラクターラインやスポーツサイドガーニッシュなどで大胆な前傾姿勢を実現する。足もとには8.5J×18アルミホイール+245/40R18タイヤを装着し、STI Sport R系のホイールはブラック塗装+切削光輝、GT-H系のホイールはダークガンメタリック塗装で仕立てた。そしてリア部は、絞り込んだキャビンと張り出したワイドなフェンダーの対比でスポーツモデルらしいワイド&ローのフォルムを強調し、さらにレーシングカーを彷彿とさせる力強い形状のバンパーによってWRX S4ならではのパフォーマンスを視覚的に表現した。

 エアロダイナミクスも重視し、ボディ下部のスポーツサイドガーニッシュには空気の流れを整えるヘキサゴン空力テクスチャーを採用。表面の凹凸が大きな空気の渦の発生を防ぎ、ボディに掛かる圧力変動を抑制する。また、スポーツサイドガーニッシュとリアバンパーにアウトレットを設けることで、車体から渦を遠ざけて走行安定性を向上。さらに、フロントアンダーカバーや床下アンダーカバー、マッドガードスリット、トランクキックアップなどを採用して、空力性能を高めた。

 ボディサイズは従来型比で75mm長く、30mm幅広く、10mm低く、ホイールベースが25mm長い全長4670×全幅1825×全高1465mm/ホイールベース2675mmに設定。ボディカラーはWRX S4 ならではの世界観を生み出すソーラーオレンジ・パールやスポーティな世界観を表現するセラミックホワイト、サファイアブルー・パール、イグニッションレッドを新たに設定。従来から継続するアイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、WRブルー・パールと合わせて、全8色の展開とした。

 内包するインテリアは、“安定”“安心”“愉しさ”の3軸を起点に、スポーティさと先進性が融合した室内スペースを創出する。具体的には、水平基調による安定感とワイドで上質なクラス感で“安定”を、腰まわりの適度な包まれ感によって“安心”を、流れる風景と調和したトリムデザインによって“愉しさ”を、Dタイプステアリングやホールド性を高めたフロントシートなどでスポーティさを、そして11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステムや12.3インチフル液晶メーターによる機能集約型の新型デジタルコクピットで先進性を表現した。一方、カラーリングに関してはSTI Sport R系にボルドー/ブラックを、GT-H系にブラックを採用。また、2系統ともにウルトラスエード表皮のシートをオプションで用意し、さらにSTI Sport R系にはRECAROフロントシート(STIロゴ入り)もオプションで設定した。一方でパッケージングについては、前後席それぞれのショルダールームを広げ、合わせて従来より延長したホイールベースによって後席空間を拡大。また、トランクは従来と同様にベビーカーやゴルフバッグが入る容量を確保し、さらに6対4分割可倒の後席トランクスルー機能を内蔵した。

 パワーユニットには、従来のFA20型1998ccから排気量を拡大した新世代のFA24型2387cc水平対向4気筒DOHC16V・デュアルAVCS直噴ターボ“DIT”エンジンを搭載。最高出力は275ps/5600rpm、最大トルクは38.2kg・m/2000~4800rpmを発生する。トランスミッションには、FA24エンジンと組み合わせるために開発した、スバルパフォーマンストランスミッションと称する8速マニュアルモード付きの電子制御CVTを採用。駆動機構はVTD-AWD[不等&可変トルク配分電子制御AWD]で構成する。また、STI Sport R系にはComfort/Normal/Sport/Sport+/Individualから選択できる統合制御機構のドライブモードセレクトや専用セッティングのZF製電子制御ダンパーを組み込んだ。

 基本骨格に関しては、WRX S4として初めてスバルグローバルプラットフォームを採用し、フルインナーフレーム構造や構造用接着剤を組み合わせることで、ボディやシャシーをいっそう高剛性化する。また、ボディ剛性の高さを活かして路面からの入力に対する足回りのしなやかな動きを実現するために、前マクファーソンストラット/後ダブルウィッシュボーンで構成するサスペンションのジオメトリーを最適化。従来型に対して実用ストロークを伸ばし、接地性や安定感を着実に引き上げる。一方、操舵機構にはモーターアシスト軸とドライバーのステアリング操作軸を別軸とした2ピニオン方式の電動パワーステアリングを組み込んだ。

 先進安全機能のバージョンアップにも抜かりはなく、全車に360度センシングを実現して安全性を向上させた「新世代アイサイト」を装備。また、GT-H EX/STI Sport R EXには高精度マップを活用した高度運転支援システム「アイサイトX」を採用する。さらに、最新のコネクティッドサービス「SUBARU STARLINK」も設定した。



新型スバルWRX S4は出力&トルクダウンで旧型より遅くなったのか? 答えはほぼ全域で新型が速くなっている

排気量アップなのにパワーで25ps、トルクで25Nmダウン

スバルのスポーツセダン「WRX S4」がフルモデルチェンジを果たし、日本でも正式発売されました。すでに北米仕様は2.4L直噴ターボエンジンにアップデートされているなどの情報が公開されていましたが、日本仕様も同様で、エンジンはFA24型の水平対向4気筒ガソリン直噴ターボ、トランスミッションは「スバルパフォーマンストランスミッション」と名付けられたCVTとなっています。電動化の「で」の字もないピュアな内燃機関のパワートレインを搭載しています。

注目のエンジンスペックは最高出力202kW(275PS)、最大トルク375Nm。2.0Lターボエンジンを積んでいた旧型WRX S4のスペックが221kW(300PS)、400Nmだったことを考えると、排気量が増えているのにパワーダウンするというのは納得いかないというファンも多いでしょうが、理由は環境対応のため、ということです。この時代に、純粋なターボエンジンが残っただけでも良しとするべきかもしれません。

いきなり結論…新型のほうが速いのは間違いない

では、新旧で走りを比較すると新型は遅くなったのか? という疑問が湧きます。今回は千葉県にある袖ヶ浦フォレストレースウェイで新旧WRX S4を比較試乗しました。結論からいえば、新型のほうが速いのは間違いありません。

ポイントはボディ。インナーフレーム構造の採用や構造用接着剤の範囲拡大などにより、新世代プラットフォームは圧倒的な剛性感をもち、スタビライザーの取り付け方法の変更でロール剛性も20%も上がっています。

さらに新しい制御を与えられたCVTはコーナリング中に変速比をホールドしてくれるためアクセルコントロールもしやすくなり、結果としてボトムスピードと脱出速度の向上につながっています。

袖ヶ浦フォレストレースウェイの高速コーナーでのボトムスピードが新旧モデルで10km/hも違っていたといえば、どれほど新型WRX S4のシャシーが速くなっているか伝わるでしょうか。

新エンジンが負けているのは最高出力とトルクだけ

新しい2.4Lエンジンもスペックで劣ってはいますが、実際の速さは変わりません。3コーナー手前の同じポイントで速度をチェックしてみましたが、新旧ともに140km/hで、コンマ差しかないほぼ同じ速度となっていました。

排気量アップした新エンジンはリニアリティの面でも有利だし、エアバイパスバルブ、ウエストゲートバルブのいずれも電子制御タイプになった新型ターボチャージャーのタービンレスポンスも優れ、ブーストの立ち上がりが鋭い新型は中間加速では明らかなアドバンテージを得ています。

なお、最高出力の違いについては最大過給圧の違いが影響していると考えられます。新型WRX S4のブースト圧をメーターで確認すると100kPa程度となっていたのに対して、旧型では150kPaほどに達していました。これだけ違えばピークパワーで25PSの差が出ているのは当然でしょう。旧型のほうがハイブーストですから、エンジンの盛り上がり感は強く、そうした刺激を求めたい人には新型の2.4Lターボはマイルドに感じられるかもしれません。

もっとも、ハードブレーキングでの安定した姿勢、AWD制御も含めてナチュラルに仕上がったハンドリングといった乗り味については、新型にアドバンテージがあります。毎日の運転をより気持ちよく楽しみたいというのであれば、新型への乗り換えを検討する価値は十分にあるでしょう。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
写真1、3、4枚目:新型WRX S4
写真2枚目:旧型WRX S4





流石にVB型の外観そのものは見慣れてきた感じはあるんだけど、如何せん気に入らないのはSTIスポーツ≒ボルドー内装っていう所かな
先代レヴォーグの時に限定で黒内装のSTIスポーツ出して中古車すら値段が上がるくらいには人気あったじゃん…
Posted at 2021/12/05 20:29:56 | コメント(1) | トラックバック(0) | 富士重工 | 日記
2021年12月05日 イイね!

アストロとかパルスターのチェンジャー使ったけど問題があるとすれば「ノズルの長さ」と「オイルパンの形状」次第じゃないかな

アストロとかパルスターのチェンジャー使ったけど問題があるとすれば「ノズルの長さ」と「オイルパンの形状」次第じゃないかなオイル上抜きは手抜き!? 下抜きオイル交換のデメリットとは

 オイル交換といえばフロア下でドレンボルトを緩めて……が定番。量販店では、ホースで上から抜く「上抜き」をしているところもあるが、どうにも「抜けきらない」「手抜き」「サボり」のようなイメージが拭えない。

 しかし、改めて上抜きを検証すると、下抜き以上に抜けることがあり、オイル漏れやネジを傷めるトラブルとは皆無。実は、上抜きはメリットだらけ!?

文/加茂 新、写真/加茂 新

[gallink]

■オイルレベルゲージからオイルを抜く「上抜き」

上抜き用の器具は手動式で3000円ほどからカーショップなどで購入可能だ

 クルマに乗る上で必須なのはオイル交換。少しでも良い状態の愛車に乗りたいと願い、グレードの良いオイルを入れるユーザーも多いかと思う。

 オイル交換の方法は大きく分けて2種類ある。もっとも古典的で一般的なのは『下抜き』。クルマをジャッキアップするか、最近は減ったが穴の空いたピットにクルマを入れ、オイルパンにあるドレンボルトを緩めてエンジンオイルを抜く方法。

 もうひとつは『上抜き』。オイルレベルゲージが刺さっているパイプにホースを差し込んでオイルパンまで下ろし、そこからオイルを吸い上げる方法だ。

 まずはクラシカルな『下抜き』を考察する。

 やはりオイル交換の基本的な方法であり、一番たくさん抜けると言われている。

 しかし、手間はかさむ。オイルパンのオイルを抜くのでクルマの下に潜ることが必須。車高の高い車では、ジャッキアップが不要なことがあるが、アンダーパネルなどを外す必要がある。とくに最新のクルマほどフロア下はフラットになっているので、ネジを何十箇所も外すことになる。

 ドレンボルトのワッシャーは軟らかい素材で、規定トルクで潰して密着させることでオイルのにじみを防ぐように設計されていて、毎回交換が必須。地味だが100~200円は掛かる。

 最近の欧州車だとオイルパンごとプラスティック製で、ドレンボルトもプラスティック製の再利用不可のこともある。そうなると数千円掛かることもある。

 最近の国産車では軽量化のためにアルミオイルパンが増えている。プロの作業ではありえないと信じたいが、もともと柔らかい素材のアルミがゆえに、締めすぎのトラブルが起きやすい。鉄製オイルパンの勢いで「キュッキュッ」と締めるとネジ山ごとナメてしまう。

 ときにはオイルパンにヒビが入ることもある。そうなるとオイルパンごと交換するまで、エンジン始動さえできなくなってしまう。

 オイル交換はDIYのはじめの一歩的な存在だが、自分で作業するようであれば絶対にトルクレンチを使用して欲しい。ドレンボルトは国産車では14mmのボルトが一般的で、規定トルクは35~42Nmほど(車種ごとに異なる)。

 メガネレンチはそのボルトの大きさ=トルクに対応した柄の長さになっているが、14mmのメガネレンチの柄の長さで「ギュッ」と締めると、もうオーバートルクである。

 トルクレンチを使用するとわかるが「えっ、こんなものでいいの?」というくらいで適正なのである。

■『上抜き』は手抜きなのか!?

チューブを差し込んでポンプを操作。上抜きはボルトを緩めたりパネルを外したりという作業がないのでトラブルや手間が避けられる

 『上抜き』のメリットは、なにも緩めないのでトラブルの可能性が低い。ドレンボルトをナメる心配もないし、アンダーパネルを外す手間もない。

 だが、オイルが抜けきらない心配がある。そこで今回ZC33Sスイフトスポーツで検証。上抜き作業後にドレンボルトを緩めてみた。

 その結果はなんとオイルは一滴も出てこなかった。

 このエンジンの場合、ドレンボルトはオイルパンの最下部よりも少しだけ上に付いている。ドレンボルトの助手席側の方が若干低いので、抜けたと思っても助手席側だけをジャッキアップして車体を傾けるとまだ抜ける。これがいつまでもちょっとずつ抜けるのである。

 しかし、上抜きした今回は一滴も出ない。この最下部にオイルを抜くホースが刺さるようで、下抜きよりもむしろたくさん抜けてしまったのだ。

■すべての車種には当てはまらないが、上抜きはアリ!!

 上抜きマシンは手動のもので3000円から購入可能。今回使用した7000円ほどの器具は軽い力で20回ほどレバーを上下すれば負圧で3リッターのオイルが抜けた。

 他車種で試した結果をいうと、なぜか抜けない車種もある。レベルゲージが刺さっているのだから抜けないはずはないのだが、オイルパンの奥までホースが降りないようでどうにも吸い上げられなかった。ちなみに車種はスズキ Keiだった。

 ちなみに大手量販店ではオイル漏れなどのトラブルを防ぐためか、基本的に下抜きを禁止している系列もある。確かにきちんと抜けるクルマなら下から抜くメリットはもはやない。上抜きオイル交換は決して手抜きの作業ではないのだ。

[gallink]



オイル交換をDIYでやる人だったら上抜きでも下抜きでも好きな方でやればいいんじゃないかな?
オイルフィルターの場所は車種というかエンジンによって変わってくるからリフトアップしないとフィルター交換出来ない車種なら下抜きの方が手間的には変わらない気が(部品としてドレーンガスケットは必要になるけど)

車種とかによってはそもそも下抜きでもオイルがオイルパンから完全に抜けるなんて出来ない場合もあるけど、上抜きで位置が絶妙場合には下よりも抜ける場合もあるだろう(何事も絶対は無いのでオイル交換のたびに普通なエンジンオイルとかでフラッシングがてらエンジン回して古いオイルを抜いてしまうようにするか)
Posted at 2021/12/05 20:17:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車業界あれこれ | 日記
2021年12月05日 イイね!

WRXは高級志向にいくんだったらインプレッサシリーズでコンペティション用へ棲み分けとかしてくれても良かったんじゃないだろうか

WRXは高級志向にいくんだったらインプレッサシリーズでコンペティション用へ棲み分けとかしてくれても良かったんじゃないだろうか軽量化のため「ラゲッジの床」すらなかった!「インプレッサWRX STI スペックC」は「地上を走るゼロ戦」だった

4ドアセダンの皮を被ったラリーウエポン

  新型WRX S4が発表となり、発売が開始されれば初代インプレッサWRXから数えて5代目のWRXが登場することとなる。このWRXシリーズ、走りに関しては今なお一級品のスポーツモデルだが、現代ではCVTやアイサイトなどの充実装備で、誰もが扱いやすいスポーツセダンとして圧倒的なスペックを手中に収められるというのが人気のポイントのひとつだ。 しかし、初代、2代目まではガチの競技モデルがつねに設定されるなど、かなりマニア向けのストイックなモデルであった。とくに初代GC系ではエアコンやパワーウインドウなどを排し、徹底した軽量化とクロスレシオの専用トランスミッションなどで武装した「タイプRA」が設定されていた。

 ラリーフィールドなどでは人気を博していたグレードだが、ライバルの三菱ランサーエボリューションとのスペック戦争が激化した2代目では自主規制という制約に阻まれ、最大トルクこそ登場の度に向上させてきたものの、最高出力はアゲどまり状態となっていた。そこで、衝突安全性のために重くなったボディを徹底的にシェイプアップして誕生したのが、2代目インプレッサWRX STiタイプRA スペックCだ。

外せるものは徹底的に撤去したストイックぶり

 これまでのタイプRAでもかなりの軽量化を実施してきたが、2代目インプレッサの前期モデル(いわゆる丸目)で登場したスペックCは軽くするためにできることはすべてやったといえるほどの軽量化を実施。17インチ仕様と16インチ仕様が設定されたが、ヘッドライトは廉価グレードの2灯式ハロゲンタイプを装備。

 フォグランプ部はカバーすら装備されず、リヤスポイラーも装備されない。ファニーなライトにむき出しのフォグランプ開口部、それでいて17インチ仕様車はブレンボを装備という謎の走り屋さんのような見た目。ちなみに16インチ仕様車はホイールもスチールで、こちらは営業車のような佇まいであった。

 見えない部分では軽量バンパービームにサブフレームやアンダーコートまでレス化。軽量ガラスを全面に採用し、ステアリングサポートビームやエアインテーク導風板のアルミ化、小型ウォッシャータンク、燃料タンク小型化、トランクリッドやルーフトリムの薄板化といった、ストイックに軽量化された専用装備も数多く採用されていた。

エアコンレスは当たり前! アシストグリップの取付用のボルト穴すらオミット

 インテリアではエアコン、パワーウインドウレスは当たり前、エアバッグレスに始まり、助手席サンバイザー、トランクオープナー、トランクボード、アシストグリップなどをレス化。

 アシストグリップについては、なんと取付用のボルト穴まで排除したことで、後付けすらできないという硬派な仕様になっていた。

 こうした並々ならぬ努力により、車重は17インチ仕様で1310kgとベースのWRX STiと比べて-80kg、16インチ仕様ではなんと1290kgと140kgもの軽量化を果たした。これにより戦闘力は大幅に向上し、ライバルを寄せ付けない速さを見せつけた。 とはいえ、完全に競技用と割り切った仕様のため、オープナーすらないトランクにはボードがなく、そのまま荷物が乗らない。

 友人を乗せようにもエアコンがないという日常的に使うにはあまりにも不便すぎる仕様だが、その速さが欲しいために普段使いをするツワモノユーザーもいた。

まとめ:ここまでストイックな仕様は二度と出てこない

 さすがに現代では競技向けとはいえ、ナンバー取得可能な公道走行可能車として、安全性をないがしろにしてまでの軽量化は難しく、ここまでストイックなモデルは今後登場することはないだろう。しかし、VAB型WRX STIに設定されたタイプRA-Rのように、その軽量化技術はいまでも活かされているのだ。
Posted at 2021/12/05 20:08:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | 富士重工 | 日記
2021年12月05日 イイね!

水素ステーションの都合とかもあるから発売したとして普及するかは微妙だけどこういうのは折角だったら市販化して欲しいね

水素ステーションの都合とかもあるから発売したとして普及するかは微妙だけどこういうのは折角だったら市販化して欲しいねトヨタGRヤリスH2 水素エンジン車コンセプト初公開 1.6Lターボを水素燃焼に改造

低コストでゼロ・エミッション達成

トヨタは、GRヤリスに水素を燃料とするエンジンを搭載したコンセプトカー「H2」を公開した。

H2は、トヨタが毎年開催している「ケンシキ・フォーラム」で公開されている。このフォーラムでトヨタは、水素パワートレイン開発への取り組みを強調している。

トヨタは数か月前から水素燃焼技術のテストを行っており、既存の1.6Lターボ3気筒エンジンを水素で駆動するように改良したカローラを、国内のスーパー耐久レースで使用している。

トヨタによると、水素燃焼技術は、「既存の内燃機関のノウハウと製造投資」を活用できるため、比較的手頃な価格でゼロ・エミッション車を実現できるという。

欧州部門のマット・ハリソンCEOは、水素技術を用いることで、「電動化なしで排出量をほぼゼロにすることができ、しかも、ファンが最も好むレーシングカーの特徴であるスピードとノイズを維持することができる」と述べている。

既存エンジンの改造は最小限

GRヤリスH2は、前述のカローラと同じユニットを搭載しており、標準仕様からの変更は最小限に抑えられている。また、燃料電池車のミライと同じ水素補給装置を備えている。

主な改造点は、エンジンブロックの強化(水素はガソリンよりも激しく爆発するため)、新しいバルブシート、噴射システムのアップグレードなど。パワートレインの開発責任者であるティエボールト・パケは、ガソリン車と「同等の効率」を達成できると見込んでいるが、性能の詳細はまだ明らかにされていない。

H2コンセプトの発表後、パケはAUTOCARに次のように語った。

「振動と音を少し出してみました。静かな燃料電池技術に比べて、スポーツ走行ではクルマの音や感触が感じられることをアピールしたかったのです」

「そもそも、これはコンセプトです。スポーツを通じて課題を見つけ出し、どのようにして技術の改良につなげるかを考えています」

GRヤリスH2が市販化される可能性については不明だが、ハリソンCEOは、この技術がゼロ・エミッション車を「必ずしも遠い未来ではない」ことを意味すると述べている。

彼はこう語った。「GRヤリスH2の持つメッセージは、ゼロ・エミッションの未来でも、今と同じようにモーターの楽しさを味わえるということです」


トヨタ GRヤリスに「水素カローラ 」のパワートレイン移植…実験車両を欧州発表

トヨタ自動車の欧州部門は12月2日、『GRヤリス』をベースにした実験車両『hydrogen-powered GRヤリス』を発表した。

hydrogen-powered GRヤリスには、『カローラスポーツ』をベースにした競技車両に水素エンジンを搭載し、日本国内のスーパー耐久シリーズに参戦している「水素カローラ」と同じパワートレインを移植した。

トヨタ『MIRAI』などに使用されている燃料電池(FC)は、水素を空気中の酸素と化学反応させて電気を発生させ、モーターを駆動させる。これに対して、水素エンジンは、ガソリンエンジンから燃料供給系と噴射系を変更し、水素を燃焼させることで動力を発生させる。ガソリンエンジンでも発生するごく微量のエンジンオイル燃焼分を除いて、走行時にCO2は発生しないという。

また、水素エンジンにおける水素の燃焼の速さは、ガソリンよりも速く、応答性が良いという特長がある。優れた環境性能と同時に、クルマが持つ音や振動を含めたクルマを操る楽しさを実現する可能性を秘めているという。

hydrogen-powered GRヤリスには、排気量1618ccの直列3気筒インタークーラー付きターボエンジンを搭載する。燃料には圧縮気体水素を使用する。



誰が予想出来た? トヨタ「水素カローラ」日本の強みで大幅進化! その先にある水素の挑戦はどうなる?

■着実に進化を続ける水素カローラとは

「水素技術を活用して、内燃機関の可能性を探る」

 それが2021年5月の富士24時間耐久レースから始まった水素エンジンを搭載したカローラスポーツの先行開発車両(以下水素カローラ)による参戦です。

 その初陣はある意味「満身創痍」な戦いでしたが、8月のオートポリス、9月の鈴鹿と短い期間で着実に進化を遂げてきました。

 毎戦ごとのマシンの進化やレースウィークのアレコレは、すでに克明にレポート済みですのでここでは割愛しますが、この半年で確実に「手の内化」されてきました。

 これこそがGRが提唱している「モータースポーツを起点にした開発」の本質だと筆者(山本シンヤ)は考えています。

 形になりにくい先行開発技術をモータースポーツという厳しいステージに投入することで、結果や課題が明確になること。

 さらに納期(=レースウィーク)が明確なので、そこに至るまでの仕事の進め方のマインドセットが起きることです。

 この辺りは、元トップガンで豊田章男社長のドライビングの先生だった成瀬弘氏(故人)が生前語っていた「大事なことは言葉やデータでクルマ作りを議論するのではなく、実際にモノを置いて、手で触れ、目で議論すること」が、浸透している証拠といえるでしょう。

 また、参戦当初はある意味「孤高の存在」でしたが、戦いを重ねる毎に仲間が次々と増えてきました。

 この仲間たちの活動は以前から目立つことなくコツコツとやっていたといいますが、水素カローラの挑戦が表に引っ張り出したといっていいでしょう。

 この辺りは豊田社長の「自動車産業をペースメーカーにしていただきたい」の発言がひとつの形になったといってもいいかもしれません。

 そして、2021年11月13日、14日に岡山国際サーキットで開催されたスーパー耐久シリーズの最終戦の水素カローラはどのような形となったのでしょうか。

 すでに2022年シーズンの参戦も発表していますが、ある意味ひとつの集大成となるこの戦い。まずはマシンの進化からです。

 エンジンは前回の鈴鹿でガソリンエンジン同等のパワー/トルクを実現。

 エンジン開発を担うGRパワートレイン推進部の山崎大地部長は「次戦(=岡山)ではガソリン車超えを目指す」と語っていましたが、それが早くも実現しています。

 具体的な伸び代は、「出力は鈴鹿比で10%の向上、富士比で24%の向上」とGRプロジェクト推進室部長である高橋智也氏から発表がありましたが、その後モリゾウ選手(豊田社長のレーシングネーム)は「出力は300ps!!」と明言。

 トルクは富士比で33%向上、鈴鹿比で5%から10%の向上ということなので、計算をすると390Nmから400Nmです。

 ちなみに逆算をすると、富士は258ps/300-308Nmで戦っていたことになります。

 では、どのようなアップデートをおこなわれたのでしょうか。実は今回も飛び道具はなく「燃焼改善」がメインです。

 具体的には水素の吹き方、過給圧、圧縮圧の見直しなどをおこなったといいます。

 オートポリスくらいから燃焼の中身が見え、異常燃焼のメカニズムが解ってきたそうですが、さらに見ていくと「燃える所/燃えていない」所があり、それをさらに深堀していった結果だといいます。

 水素エンジンはプレイグニッション(異常燃焼)の制御がキモで、GRカンパニープレジデントの佐藤恒治氏は、「インジェクターをどのように高圧しながらたくさん吹き、かつプレイグニッションが起きないように上手に混合気を形成する『流れ』、『タンブル』を作ることが課題」と語っていますが、その辺りが解ってきたのでしょう。

 もちろん量産化を視野に入れたプロジェクトですのでマージンは一切削っておらず、24時間走り切る耐久・信頼性を担保したうえでの進化であることは今回も変わりません。

 ちなみに鈴鹿では出力アップが主で燃費改善の伸び代が少なかったのですが、今回はその辺りも抜かりなしです。

 やり切れていなかったリーン燃焼の追及の結果、燃費は富士のときと同等のレベルだそうです。

 ちなみに“普通”に走らせたときの燃費ですが、「WLTCモードで計測すると、むしろガソリンよりもいい値が出ています(山崎)」という発言も。

 ちなみに水素エンジンでのモータースポーツ参戦のひとつの要でもある「給水素スピード」のアップデートもおこなわれています。

 富士では4分30秒、オートポリスでは2分30秒、鈴鹿では2分20秒だったが、岡山ではついに2分切りとなる1分50秒とさらに短縮。

 前回は左右2系統の構造変更でしたが、前出の高橋氏は「今回は昇圧のスピードを上げています。圧を上げると水素が入るスピードは上がりますが、同時にタンクの温度も上がってしまいます。その温度変化を細かくモニタリングすることで安全性を担保しながら、スピードアップを可能にしました」とのことです。

 ただ、岡山はレイアウトの問題で給水素までの導線が長く、時間短縮の効果が解りにくかったのは残念でした。

■水素カローラ、タイムはどうなった?

 シャシ側の進化はどうでしょうか。

 前回の鈴鹿では大きく手は入っていましたが、今回は細かい部分のアップデートがメインのようです。

 水素カローラの開発を担当するGRプロジェクト推進部の坂本尚之主査によると「軽量化技術を盛り込んだフロントサスメンバーと新たな4WD制御を採用。このプロジェクトは水素エンジンだけでなく『カローラを鍛える』というミッションもありますので、量産のフィードバックも視野に入れています」と語っています。

 ちなみに水素カローラの4WDシステムは「GRヤリス」譲りとなる電子制御多板クラッチを用いた「GR-FOUR」ですが、実はエンジンの進化により手を入れた部分です。

「エンジンの進化で過渡的な特性が変わったのでリアの追従性を上げる必要がありました。

 当初は多板クラッチの応答性を上げる方向で進めていましたが、FFベースかつイニシャルの強いデフのため拘束が悪さをしてしまい、逆にターインでプッシュアンダーやタイトコーナーブレーキ現象のような症状が起き曲がりにくくなりました。むしろ、少し遅らせて応答させてたほうがいいことが解りました」(前出の坂本氏)

 そんなマシンの進化について、ドライバーはどのように感じているのでしょうか。

 開発ドライバーも務める佐々木雅弘選手は「サスメンバーの改良でよりレーシングカーらしい動きになってきました。例えるなら動いてほしい所はシッカリ動き、動いてほしくない所は動かないという感じですね」とコメント。

 モリゾウ選手は「これまでの進化で、プロにいわせれば『競争できるクルマ』になっています。車両重量は重いうえにその重量物は上側に集中、おまけに計測器も搭載と、普通なら非常に運転し辛いはずですが、今回はまるでGRヤリスを運転しているかのような感覚で走ることができました」とその進化に手ごたえを感じていたようです。

 予選タイムはAドライバーの井口卓人選手が1分45秒240、Bドライバーの佐々木雅弘選手が1分45秒137を記録。

 鈴鹿でのタイムはST4クラスの一番遅いマシンの5秒落ちでしたが、今回はほぼ同等と性能アップがタイムでも証明。

 ただ、エンジニアサイドは「もう少し詰められると思ったが……」という反省もあったようです。

 これは岡山のコースがタイトコーナーが多いため重量的なハンデが鈴鹿よりも響いたこと、ギア比が適正ではなかったことなどが原因だったそうです。

 ちなみにこの岡山に入る前に富士スピードウェイでおこなわれたテストでは1分58秒代を記録。

 富士24時間のときのファステストラップは2分4秒059だったので、この半年で何と6秒もアップ。この伸び代こそ「アジャイルな開発」の成果のひとつになります。

 今回はマシンのポテンシャルアップだけでなく、タイムに表れない大きな変化がありました。

 これまでは練習走行、予選、決勝までの夜の作業はトラブルシュートや大規模なセットアップ変更、乗せ換えなどでメカニックは遅くまで作業をおこなっていましたが、今回はそのような作業は生じず、早い時間に宿泊先に戻り夕飯を食べることができたそうです。

 つまり、レースオペレーションの手の内化が進んだわけで、「レースをやるレベルになった」といってもいいかもしれません。

■なぜサーキットで「布団乾燥機」が活躍?

 ただ、何もなかったわけではありません。実は今回、モータースポーツシーンでは使うはずのない「布団乾燥機」が活躍しました。

 水素タンクは使う程に温度が下がるため、最初にどれだけ温度を上げておくがポイントとなります。

 これまでは比較的気温の高い時期のレースだったことから問題が起きませんでしたが、寒い岡山ではそうはいかず。「水素タンクの温度管理如何で周回数は3、4周くらい変わります。

 そこで布団乾燥機の登場でタンクに巻いて20度くらいまで上げてから使っていました(山崎)」。これも現地現物ならではのエピソードです。

 朝8時半からの3時間の決勝はトラブルフリー、給水素とドライバー交換以外は一度も止まることなく走り切りました。実はこれ、参戦以来はじめての事となります。

 決勝の最終ドライバーであるモリゾウ選手は、レース終盤に水素カローラと同じST-Qクラスにスポット参戦をおこなった次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を使用したマツダスピリットレーシング・バイオコンセプト・デミオとランデブー走行をおこない、一緒にチェッカーを受けました。

 今回、水素カローラは3時間で85LAPを走りました。決勝時のベストタイムは松井孝允選手が記録した1分45秒463。実はこれはST-4クラス1位のトヨタ86のベストタイム(1分45秒509)を上回るタイムです。

 レース後にモリゾウ選手に話を聞くと、「富士の時は24時間持つ自信もない、私だけでなくプロもST5にどんどん抜かれる状況でした。しかし、僅か半年でST4を抜くレベルになり、競争ができるようになりました。充電時間もかなり短くなりましたが、まだまだ……。勝てるようになるかはまだわかりませんが、もっとレースができるようにしたい」とのこと。

 今シーズンの総括も聞いてみました。

「ここまで盛り上がるどころか、そもそも毎戦エントリーできるとも思っていませんでした。

 この挑戦をクルマが出来ても使う水素がないと成立しません。水素ステーションを用意できるのは富士、鈴鹿だけでオートポリスや岡山は正直厳しいと思っていました。

 しかし、それぞれのサーキットが場所を確保いただいたこと、STOがST-Qというクラスを設定してくれたこと、そしてさまざまな企業が参加してくれたことで、戦うことができました。これこそが日本の強みだと思っています」

■来シーズンはどうなるのか?

 今回の岡山でスーパー耐久の2022シーズンは終了となり、水素カローラの挑戦もひとまず完了になります。

 気になるのは「来期はどうするのか」ですが、モリゾウ選手に直球で聞いてみました。

「カーボンニュートラル実現に向けた『選択肢』を広げる取り組みのキッカケを作った以上は、来シーズンも参戦をおこないます。私も参加するつもりでいますが、今年で65歳なので体と相談です(笑)」。

 さらにこのようなことも語ってくれました。

「トヨタのモータースポーツは景気の浮き沈みで撤退や復帰を繰り返すのではなく、継続的にやるにはそこに意味を持たせないとダメです。

 それは何かというと、マーケティングニーズではなくもっといいクルマづくり……人材育成/商品作りをモータースポーツ起点でおこなう。

 どんな時代になっても商品で経営していくうえでは省けないことです。

 開発、現地現物な開発、そしてマスタードライバーが関わる開発は非常にユニークですが、秘伝のタレのように『いいことは取り入れよう』という形になると思います」

 一方、エンジニアはこの挑戦をどのように思っていたのでしょうか。

 水素カローラの開発を担当した坂本氏に聞いてみました。

「社長がどんどん先に行ってしまうので、まさに未来日記のような感じでした。怒涛の半年は『緊張感』と『新鮮』の連続でした。

 それは僕だけでなく多くのエンジニアがそうだったと思っています。プレジデントの佐藤は『アジャイル開発』と呼んでいますが、一番変わったのは『マインドの変化』です。

 短い期間でハードを変える、テスト期間は限られていたので、できない理由をいう時間もなく(笑)。

 スパンの長い仕事だと慎重になりすぎて初動が遅れ『とりあえずやってみよう』にはなりません。

 しかし、ここでは『やるしかない』でした。なので、やることに対して常に前向き&ポジティブでした」

 来期に向けた課題はどの辺りにあるのでしょう。

 そのひとつはやはり航続距離ですが、佐藤プレジデントはこのように語っています。

「現在は信頼・安全性が担保できたMIRAIの水素タンクを用いているので、体積効率はよくありません。

 当然、『ジャストサイズに作る』ということは検討中です。

 ただ、現時点でも残圧を活かし切っていない(=最後まで使えていない)所も課題のひとつです。

 実はそれが解決できると、今のタンクのままでも航続距離は伸びると思っています」

※ ※ ※

 来シーズンは、水素に加えて合成燃料(トヨタ/スバル)、バイオディーゼル(マツダ)と内燃機関の可能性を探るさまざまな選択肢がモータースポーツを通じて鍛えられます。

 ちなみに1970年のオイルショックのときは自動車メーカーがモータースポーツから消えましたが、今回は環境問題に立ち向かうために自動車メーカーがサーキットに戻ってきたことで、これも新しい時代なのかもしれません。



トヨタ「水素ヤリス」が登場! ターボエンジン改造&レースで鍛えて開発推進へ 欧州で公開

■「GRヤリス」のエンジンを水素用に改良

 トヨタの欧州法人が2021年12月2日、水素エンジンで走る「GRヤリス」の実験車を公開しました。

 この実験車のパワートレインは、すでにスーパー耐久レースに参戦している水素エンジンのトヨタ「カローラスポーツ」と同じです。

 スタンダードなGRヤリスに搭載されているG16E-GTS型1.6リッター直列3気筒ターボエンジンをベースに、水素を燃料とするための供給・噴射システムの変更を加えています。

 実験車の水素燃料や燃料タンク、燃料補給プロセスは、既存の燃料電池車「ミライ」と同じですが、ミライが燃料電池の化学反応を利用して電気エネルギーを生み出すのに対し、GRヤリスの実験車は、水素を燃料として燃焼するエンジンを搭載しています。

 トヨタによると、水素はガソリンに比べて燃焼速度が速いためレスポンスが良く、環境性能にも優れているとのこと。

 また、水素の燃焼は非常にクリーンであることと同時に、従来のエンジンのような音や感覚を伴う運転の楽しさを提供できる可能性を秘めているといいます。

 水素エンジンの技術はまだ研究・開発の途上にありますが、トヨタの実験用水素エンジンを搭載したカローラスポーツは、すでに日本国内のモータースポーツイベントで高いパフォーマンスを発揮しています。

 トヨタは今後も引き続き、水素の利用促進に向けた取り組みを強化していくとしています。
Posted at 2021/12/05 20:00:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車業界あれこれ | 日記
2021年12月05日 イイね!

その結果で車が売れるのかって言われるとどうなんだろう?って気もするけど評価が高いのは良いことだ〜

その結果で車が売れるのかって言われるとどうなんだろう?って気もするけど評価が高いのは良いことだ〜2021年先進機能・装備総合ランキング、「スバル」がダントツ…J.D.パワー

J.D.パワー ジャパンは、2021年日本自動車テクノロジーエクスペリエンス(TXI)調査の結果を発表。スバルが総合イノベーションランキングで首位となった。

2016年から北米で実施されているTXI調査は昨年全面的に刷新された。日本でのリニューアル後初の実施となる本年調査では、自動運転支援等の先進技術をはじめとする32機能・装備について、購入した新車の装備状況や利用上の不具合経験、利用評価、今後の意向等を捉えている。

調査は年に1回、新車購入後2~13か月経過したユーザーを対象に実施。自動運転支援をはじめとする各種機能・装備について、購入した新車の装備有無や利用上の不具合経験、利用評価、今後の意向等を捉えている。機能・装備毎の不具合経験と利用評価を元に1000ポイント満点とするエグゼキューションインデックスを算出。さらに、すべての機能・装備別エグゼキューションインデックスと装備普及率を元に、各ブランドがどれだけ迅速、効果的に新しい機能・装備を市場導入しているかを示す総合イノベーションインデックスを算出している。

先進技術をはじめとする各種機能・装備の充実度と利用者の評価を元に算出する総合イノベーションランキングで首位となったのはスバル(561pt)。ラグジュアリーブランドトップで総合2位のメルセデス・ベンツ(527pt)に34pt差を付けた。先に発表された2021年日本自動車商品魅力度調査でも、スバルやメルセデス・ベンツは高評価となっており、優れた新機能・装備で他社に先行することが、市場競争力を高める上で有効であることが明らかとなった。3位以降はレクサス(500pt)、日産(483pt)、BMW(470pt)、マツダ(452pt)、トヨタ(448pt)、VW(444pt)と続いた。

先進技術機能・装備については、13のうち8機能・装備で、「(機能・操作が)分かりにくい/使いにくい」ことが不具合指摘として最も回答が多かった。このことから、新しい機能・装備は多くの場合ユーザーがストレスなく使用できるものとはなっておらず、ユーザビリティの改善が課題であることがわかった。

自動運転支援機能についての評価は、販売店スタッフによる機能の説明があった場合は806ptで、説明がなかった場合の783ptを23pt上回った。この傾向はほとんどの機能・装備で見られており、販売店スタッフによる機能・装備説明がユーザーの理解や習熟を促し、利用評価向上に寄与することを示唆している。新機能・装備の市場導入に際しては、販売店へのトレーニング、説明力強化支援もあわせて必要といえる。

先進技術機能・装備の利用経験率は、機能・装備により52%~97%と差がみられた。最も利用経験率が低かったのは「後席会話支援システム」。約半数(49%)が「必要ない」と回答している。ユーザーニーズを見極め、無駄な機能・装備をなくすための仕組みの見直し、強化が望まれる。
Posted at 2021/12/05 18:39:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 富士重工 | 日記

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