2022年06月08日
トヨタ GR 86 に「ダックテールスポイラー」、860台限定
トヨタ自動車(Toyota)の米国部門は6月1日、『GR 86』の2023年モデルに「スペシャルエディション」を設定し、860台を限定販売すると発表した。
スペシャルエディションは、専用ボディカラーの「ソーラーシフトオレンジ」で塗装した。リアには、ブラック仕上げの「ダックビルスポイラー」が付く。ダックビルスポイラーは、「ダックテール」(アヒルの尻尾)形状のスポイラー。ダックテールスポイラーは跳ね上げられたデザインが特長で、かつて、ポルシェ『911』に装着されていたのが有名だ。
GRロゴを備えた「GRキャットバックパフォーマンス」エキゾーストシステムやステンレス鋼パイプ、ブラッククロームチップを装備する。GRマットブラック仕上げの18インチホイール、ブラックセンターキャップ、ブラックラグナット、ミシュラン「パイロットスポーツ4」タイヤ、ブラックGR のCピラーグラフィック、ウルトラスエード/レザートリムのインテリア、GRスペシャルエディションエンブレムも採用している。
北米トヨタ GR86スペシャル・エディション発売 860台限定
専用のボディカラーと外装パーツ
北米トヨタは2023年にGR86のピュアスポーツカーとしての楽しさをアピールする限定モデルを発売する。
GR86プレミアムをベースとしたこのスペシャル・エディションは、専用のソーラーシフト・オレンジと呼ばれるボディカラーが特徴だ。
ステンレス製マフラーとブラック・クロームのエンドを持つエグゾーストシステムが与えられ、深く唸るようなサウンドを発するという。
GRのマットブラック18インチホイールや専用のCピラーグラフィック、ウルトラスエード/レザートリムのインテリアなどが特徴的だ。
この2023年型GR86スペシャル・エディションは、860台の限定生産となる。
先代よりもパワー向上 ボディ剛性もアップ
この2代目GR86は先代の2.0Lに比べ出力を11%、トルクを18%向上させた2.4Lエンジンを搭載し、手頃なスポーツカーとしての楽しさをアピールしている。
このエンジンは最高出力235ps、最大トルク25.5kg-mを発生する。ピークトルクの発生回転数が従来の6600rpmから3700rpmへと引き下げられ、あらゆる回転域での扱いやすさが特徴だ。
このエンジンのパワーアップにより、0-96km/h加速がMTモデルで従来の7.0秒から6.1秒へと短縮された。
ボディはアルミニウムを多用したことにより先代よりも数kgの軽量化を実現した。
さらにねじれ剛性を50%向上させることに成功し、走りの楽しさを快適性を大きく高めているとのことだ。
オレンジがド派手! トヨタ新型「GR86」の特別モデルが超スポーティ!「860台」限定車が米で登場
■オレンジボディに黒アクセントがカッコいい!
トヨタの米国法人は2022年5月31日(現地時間)、FRスポーツカー「GR86」(2023年モデル)の限定車を発表しました。
2022年に米国で発売されたGR86は、初代モデルからエンジン排気量を上げてパワーアップするとともに、スポーツカーらしいスタイリングと卓越したハンドリング性能、2万7700ドル(約360万円)からという手頃な価格を実現して話題を呼びました。
そして今回、「プレミアム」グレードをベースに、特別仕様車として「2023 GR86 スペシャルエディション」が設定されます。
2023 GR86 スペシャルエディションの外観は、専用色の「ソーラーシフトオレンジ」にCピラーにブラックのグラフィックが施され、リアデッキから跳ね上がるブラックのダックビル・リアスポイラーも備わった印象的なビジュアルを実現。
また、ステンレスパイプとブラッククロームチップを備えたGRキャタバックエキゾーストシステムにはデボス加工の「GR」ロゴが施され、深く唸るようなサウンドを堪能することができます。
さらに、マットブラックの18インチホイール(ブラックセンターキャップ/ブラックラグナット)とタイヤはミシュラン パイロットスポーツ4タイヤを装着しました。
内装は、ウルトラスエード/レザートリムのインテリアに、GRスペシャルエディションバッジ」が配されます。
※ ※ ※
2023 GR86 スペシャルエディションは860台が限定生産され、米国で販売される予定です。
黒アクセントが精悍!? トヨタ新型「GR86」860台限定仕様が超クール! 米で発表された特別モデルとは?
■専用色「ソーラーシフトオレンジ」を採用
米国トヨタが、「GR86」の限定車「2023 GR86 スペシャルエディション」を2022年5月31日(現地時間)に発表しました。貴重な存在といえるFRスポーツカーに新たな仕様が設定されますが、どのような装備が特徴なのでしょうか。
GR86は、トヨタとスバルの共同開発により誕生したFRスポーツカーで、86としては2代目モデルにあたります。なおスバルからも姉妹車「BRZ」が販売されます。
今回、米国で発表された「2023 GR86 スペシャルエディション」は860台限定となるモデルで、ボディカラーに専用色「ソーラーシフトオレンジ」を採用。
Cピラー部にブラックのグラフィックも追加されるほか、デボス加工の「GR」ロゴが施されたエキゾーストシステム、マットブラックの18インチアルミホイールなどの専用装備が奢られます。タイヤはミシュラン パイロットスポーツ4です。
内装もウルトラスエード/レザートリムが採用され、上質かつスポーティな雰囲気としました。
米国仕様のGR86 2023年モデルは、「2023 GR86 スペシャルエディション」に加えて通常仕様の2グレードが展開されます。
2021年に登場したGR86ですが、今後どのような進化を遂げるのか、また「2023 GR86 スペシャルエディション」に準ずる仕様が日本でも登場するのかなど、注目されます。
それではここでクイズです。
2代目GR86が生産される工場として正しい選択肢は、次のうちどれでしょうか。
【1】トヨタ・元町工場
【2】トヨタ・田原工場
【3】スバル・群馬製作所 本工場
【4】スバル・群馬製作所 矢島工場
※ ※ ※
正解は【3】の「スバル・群馬製作所 本工場」です。
群馬製作所 本工場では、GR86や姉妹車であるBRZのほかに、スバル「レヴォーグ」や「インプレッサ」「WRX」などが生産されています。
※クイズの出典元:カーデイズ
トヨタ、北米モデルの限定860台特別仕様車「GR86 スペシャル エディション」
2022年6月1日(現地時間)発表
トヨタは6月1日(現地時間)、北米モデルの「GR86 プレミアム」をベースにした限定860台の特別仕様車「GR86 スペシャル エディション」を発表した。
2022年にフルモデルチェンジした2代目「GR86」は、初代「86」で培った技術をベースに、2.4リッターエンジンを搭載し、初代モデルの2.0リッターエンジンから出力で約11%、トルクを18%向上させ、スポーツカーとしての楽しさを向上。ピークトルクは、旧モデルの6600rpmから3700rpmへと、パワーバンドのかなり早い段階で到達するようにチューニングが施され、あらゆる場面でレスポンスよく、力強い走りを実現している。
北米でGR86はベースグレードとプレミアムの2グレードが設定されており、プレミアムグレードは18インチ10本スポークブラックアルミホイールと、ミシュラン パイロットスポーツ4を標準装備するほか、リアデッキから跳ね上がる「ダックビル・リアスポイラー」も装着。
今回追加されたスペシャル エディションは、限定860台の特別仕様車で、専用ボディカラー「ソーラーシフトオレンジ」が設定されるほか、「GRマットブラック18インチホイール」「ブラックセンターキャップ」「ブラックホイールナット」「ブラックGR Cピラーグラフィック」「ウルトラスエード/レザートリムのインテリア」など各所にブラックのアクセントを導入。
さらに、ブラックのマフラーエンドにデボス加工によるGRロゴを備えたステンレス製の「GRキャットバックエキゾーストシステム」を装着し、深くうなるようなエキゾーストサウンドを奏でる。
トヨタ GR 86 にダックテールスポイラー、専用オレンジが映える
トヨタ自動車(Toyota)の米国部門は6月1日、『GR 86』の2023年モデルに「スペシャルエディション」を設定し、860台を限定販売すると発表した。
スペシャルエディションのリアには、ブラック仕上げの「ダックビルスポイラー」が装備される。ダックビルスポイラーは、「ダックテール」(アヒルの尻尾)形状のスポイラー。ダックテールスポイラーは跳ね上げられたデザインが特徴で、かつて、ポルシェ『911』に装着されていたのが有名だ。
専用ボディカラーの「ソーラーシフトオレンジ」で塗装した。GRロゴを備えた「GRキャットバックパフォーマンス」エキゾーストシステムやステンレス鋼パイプ、ブラッククロームチップを装備する。GRマットブラック仕上げの18インチホイール、ブラックセンターキャップ、ブラックラグナット、ミシュラン「パイロットスポーツ4」タイヤ、ブラックGR のCピラーグラフィック、ウルトラスエード/レザートリムのインテリア、GRスペシャルエディションエンブレムも装着している。
Posted at 2022/06/08 22:32:49 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2022年06月08日
水平対向とAWD! スバルのメカが圧倒的低予算で揃う大穴モデル「インプレッサスポーツ」のグレード選びとは?
スバル車の魅力、ボクサーエンジンとは?
スバルの熱狂的なファンのことを「スバリスト」と呼びますが、彼らがスバル車独自の魅力として挙げることが多いのが「ボクサーエンジン」です。
別の呼び名は「水平対向エンジン」。ピストンが向き合ってレイアウトされていることが特徴です。スバルの現行モデルに搭載されている水平対向エンジンはすべて4気筒ですが、向かい合っているピストンの往復運動が、まるでボクシングの試合でパンチを打ち合っているように見えることから、ボクサーエンジンという愛称が生まれました。
そんなボクサーエンジンを搭載しているモデルで、もっとも手頃な価格で用意されているのが「インプレッサ スポーツ」です。ちなみにスポーツカーという意味ではなく、5ドアハッチバックのボディを“スポーツ”と呼んでいます。
パワーユニットは3種類あるがハイブリッドでも燃費の差は小さめ
ボクサーエンジンは1.6Lと2.0Lの2種類が設定されています。さらに2.0Lエンジンには「e-BOXER」と名付けられたマイルドハイブリッド仕様も設定。つまり3種類のパワーユニットがインプレッサスポーツにはラインナップされているわけです。
スバルといえばAWDと呼ばれる四輪駆動の印象が強いところですが、インプレッサスポーツには前輪駆動も設定されています。ただしe-BOXERはAWDだけの設定です。
このクラスでは燃費性能も気になるところですが、もっとも好燃費なのは2.0Lのe-BOXER仕様で、WLTCモードでは15.2km/Lとなっています。それに続くのが1.6L・FF車の14.1km/Lですが、2.0L・FF車でも14.0km/Lとほとんど差がないので、燃費を気にして小排気量エンジンを選ぶ必要はないといえそうです。
グレード構成
●1.6Lエンジン車・・・200万2000円~246万4000円
・1.6i-L アイサイト(FF/AWD)
・1.6i-S アイサイト(FF/AWD)
●2.0Lエンジン車・・・224万4000円~295万9000円
・2.0i-L アイサイト(FF)
・STI SPORT(FF/AWD)
…サスペンションを引き締め、インテリアをゴージャスに仕上げたモデル
●2.0Lマイルドハイブリッド車(e-BOXER)・・・256万3000円~281万6000円
・2.0e-L アイサイト(AWD)
・アドバンス(AWD)
※先進安全装備・先進運転支援システムである「アイサイト」は全グレードに標準装備されています。
フォレスターやレヴォーグに比べ圧倒的な低予算で手が届く
このように小排気量グレードを選べば必ず安くなっているというわけではなく、燃費性能重視でe-BOXERを選択しても割高に感じないのはインプレッサスポーツのグレード展開の特徴といえます。もっとも、“ハイブリッド”という言葉に期待するほど燃費が優れているわけではなく、あくまでもマイルドハイブリッドの域を出ません。
予算や性能で考えると、インプレッサスポーツのどのグレードを選べばいいのか決め手が少ないともいえますが、スバルのラインナップ全体でみると、フォレスターやレヴォーグなどに比べて圧倒的に低予算で手が届くのは魅力です。
さらに言えば、クルマの基本となるプラットフォームは基本的にスバルの全モデルが共通です。インプレッサスポーツでも上位モデルと同様の、ボクサーエンジンを積んだスバルらしい低重心が生み出す、シュアなハンドリングを味わうことができます。
スバルのボクサーエンジンがどんな走りを実現しているのか、最初に経験するためのエントリーモデルとしてインプレッサスポーツは存在しているともいえます。その意味では、予算が許すのであれば、ボクサーエンジンと並んでスバルのコアテクノロジーであるAWD車を選べば、スバルの走りを体感できることでしょう。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
Posted at 2022/06/08 22:21:05 | |
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富士重工 | 日記
2022年06月08日
レヴォーグ1000km実走行から見えてきた「レガシィツーリングワゴンの継承者たる理由」と30年後の名車足り得るのか?
スバルはひとつのプラットフォームでさまざまな車種を作り分けるメーカーだ。SUV全盛の今、日本では孤高の存在となっているのがステーションワゴンの「レヴォーグ」だ。
古くは「レガシィツーリングワゴン」としてワゴン界を席巻した偉大なモデルを伝承したレヴォーグの今の実力はいかに? 今回は長距離ドライブから見えてきたレヴォーグの「強み」と「弱み」を徹底検証してみる
文/井元康一郎、写真/ベストカー編集部、スバル
■実際にレヴォーグで1000km走行した結果から見えたもの
SUVがブームの陰で世界的に退潮が続いているステーションワゴンカテゴリー。日本市場ではミニバンなどトール型のクルマで代用できるためか、特にその傾向が顕著で、低車高型のステーションワゴンはもはや絶滅危惧種だ。
そのなかで踏ん張っているのはステーションワゴンでブランドイメージを築いてきた歴史を持つスバル。小メーカーながらグローバルCセグクラスのレヴォーグ、同ミッドサイズのクロスオーバーモデルであるレガシィアウトバックと、高価格帯にふたつのモデルを揃えている。
なかでもレヴォーグは路面から車体までの最小距離、いわゆるロードクリアランスが一般の乗用車並の140~145mmしかないオフロード要素ゼロ、生粋のステーションワゴンである。
そのレヴォーグを1000kmほどテストドライブし、クルマのパフォーマンスを確かめるとともにスバルのブランド作りの意図も探ってみた。
■試乗車は1.8Lターボエンジン搭載の上級グレード「STI EX」
2020年末に登場した2代目レヴォーグ。先代のよさを継承しつつプラットフォームからエンジンまですべてを刷新して登場。日本におけるスバル車のフラッグシップモデルとしての重責を担う
では、まずインプレッションからお伝えしよう。ドライブを通じて最も印象的だったのは、居住空間のゆとりと広大な荷室を両立させた実用性の高さだった。
スバルのワゴンといえば、サスペンションチューニングのよさやAWD(4輪駆動)の制御が生む走行性能、水平対向ターボエンジンのパワーなどが思い浮かぶことだろう。
そういった特色は現行レヴォーグももちろん持ち合わせているが、それはあくまで長距離ドライブをよりよくこなすためのアシスト役だ。準天頂衛星を用いて高精度な誘導機能を提供する新技術「アイサイトX」もしかり。
■スタイリッシュながら実用性も両立するスバル渾身の力作が「レヴォーグ」
近年のステーションワゴンはセダンと同様、SUVとの違いを強調するため実用性を削ってスタイリッシュさを優先させることが多くなっているが、レヴォーグはそういうトレンドとは一線を画している。
実用性を重んじる、もっと言えばスタイリッシュになろうとしても実用から離れられない土臭さは昭和の「レオーネ」時代から捨てられないスバルのDNA。クルマの未来が見通せないこの難しい時代に退潮著しいステーションワゴンの専用モデルを作ったということを含め、スバルらしさを懸命に維持しようとして作ったクルマがレヴォーグと言える。
要素別にもう少し細かく見ていこう。走りについては基本的に非常によく作り込まれている。何がいいかというと、絶対性能もさることながら走っている最中に違和感を感じることががほとんどない点だ。
■低重心パッケージだけでないトータルバランスで秀でるレヴォーグの走り
走っている時の違和感というのは、例えばコーナーでステアリングを切り込んでいった時に思ったより強い横Gを感じた、あるいはGがかかる方向が予想と異なっていた、氷結路で気が付かないうちにアンダーステアが強まっていたなどなど、期待値と体感のズレのことで、レヴォーグはそれがきわめて小さく抑えられていた。
自動車工学が発達した今日においてはスペックの高いクルマを作るのは昔ほど難しくなく、違いはメーカー間の実力差よりはどのくらいの性能目標にするか、どのくらいのコストをかけるかという思想、判断によるところのほうが大きい。
そんななかで、なかなかままならないのが人間がどう感じるかということ。クルマの動きやインフォメーションがドライバーの予想と一致することは機械的スペック以上に大事なことで、それがよくないと体に余計な力が入ったり、神経を使ったりの繰り返しで疲労の蓄積が大きくなる。
■ロングドライブでもドライバーもパッセンジャーも疲れ知らずな快適な移動空間を実現!!
この点はメーカー、モデルによってけっこう差があるのだが、レヴォーグは欧州Cセグメントに相当するモデルとしてはトップランナー級でワントリップ1000km程度のツーリングではストレスの感じようもないというくらい。
操縦フィールはアグレッシブな感じではないが、思いどおりにクルマが動くため安心感が高く、それがドライビングプレジャーの高さにもつながっているという印象だった。
そして前述の居住性とステーションワゴンとしての使い勝手の両立である。まずもって後席が非常に広い。旧型もそこそこゆとりがあるほうだったのだが、座ってみた瞬間に違いがわかるくらいだ。
同クラスの低車高モデルで後席のレッグルームに余裕があることが印象に残っているモデルにホンダのセダン、インサイトがあったが、それに匹敵する居住感の高さだった。
■ステーションワゴンの「基本」荷室も充分なうえ、非常に使いやすい
長年ワゴン車を作り続けてきたノウハウはここにも活きる! 広さだけでなくサスペンションの張り出しや開口部の広さまで実用性にとことんこだわったレヴォーグのラゲッジスペース
荷室はどうかというと、一見それほど広い感じはしない。実際、ボード上の荷室容量は492Lと、欧州の同格ワゴンに比べると見劣りする。が、実際の使い勝手のよさはその数値から受ける想像をはるかに凌駕する。
容量が少ない要因は奥ゆきが1mをゆうに超えるため、長尺物も簡単に積み込めることだ。荷室がスクエアにデザインされているのも真面目な部分で、ピッチリと整理して荷物を積み込めばデッドスペースが少なくてすむ。実質的に使えるスペースはかなり大きいと感じられた。
ラゲッジスペースのボード下には別にサブトランクがあるが、これの収容力もかなりのもの。テスト車両には果実の出荷箱くらいのサイズのツールボックスや雪道脱出ラダーなどがすっぽり入っていた。
もともとはスペアタイヤを収納する場所なのだが、見たところ細いテンパータイヤではなくフルサイズのタイヤが入りそうな深さ。それが効を奏したという感があった。
走り、居住性、ユーティリティと、長距離ステーションワゴンとして実に生真面目に作られているレヴォーグ。俗にスバリストと呼ばれるコアなファン層には大いに響くことだろう。またモデル数の減少で発生している「ステーションワゴン難民」も吸引できそうだ。
が、ステーションワゴンを再び自動車マーケットのスターダムにのし上げ、スバルのブランドイメージを強固なものにできるかという観点ではいささか弱いように思えた。
■ネックは燃費⁉ 自慢の新開発エンジンの「よさ」をなかなか引き出せない
スバル新世代エンジン「CB18」。世界最高ランクの燃焼効率(40%)を実現したエンジンだけに燃費向上を期待したが、車重や4輪駆動などがエンジンのおいしいところをフルに活かせない状況に陥っているようだ
最大の理由は燃費である。テストドライブ時の燃費は実測15.1km/L。おおまかに市街地200km、高速300km、平坦な郊外路300km、若干の圧雪路と凍結路を含む山岳区間200kmを走行してのこのスコアをいいとみるか悪いとみるかは人によるだろうが、先代型レヴォーグの1.6Lターボに対して実測燃費で差を付けられなかったのはいただけない。
普通なら少々の燃費差など気持ちの問題ということですますのもありなのだが、ステーションワゴンの復権というファクターを思うとそうはいかない。SUVに比べて車高が低く、空気抵抗が小さいというステーションワゴンのメリットを数字で裏付ける必要があったのだ。
古いエンジンで頑張りましたというならまだわかるのだが、テスト車に搭載されていた1.8Lターボエンジンはレヴォーグがデビューという最新鋭モデル。ターボ過給でありながら低負荷時には希薄燃焼制御がなされ、スバルの技術陣がピーク熱効率40%と豪語していた。この40%という数字はすごいもので、非ハイブリッド用ガソリンエンジンとしては自然吸気を含め世界最高峰レベルだ。
■さまざまなシーンをこなしてもよくも悪くも「安定」、環境面はもうひと頑張りを期待!!
ところが、ドライブ序盤で早くもその数値のわりには燃費を思うように伸ばせないことがわかってきた。リーン領域もあるのだからエンジンの使い方次第でガーンと燃費を稼げなければおかしいと、スロットルペダルの踏み方を変えたり、CVTの疑似MTを使ってみたりと、ドライブ終盤まであれこれ工夫した。
ワインディングのごく一部の区間を除いては子猫のようにおとなしい走りに終始して、この程度の燃費なのだ。普通に楽しんでいたら13km/L台だったろう。
実際にはピーク熱効率が40%出ていないのか、熱効率の高い領域がピンポイントすぎてほとんど使えないのか、はたまたエンジンの熱効率は高くともCVTの伝達効率が低いのか理由は定かではないが、スバル渾身の最新鋭が泣くというのが正直な感想。
スバルのクルマ作りは空力やAWDシステムなど理系マニア的な色彩が濃い。ストロングハイブリッドのような驚異的な燃費でなくとも「想像より断然すごい燃費。さすが新エンジン」と感心させるようでないと、旧来のスバルのブランドイメージを保つのも覚束ないだろう。
■SUV全盛のなか、ワゴンのよさを極めつつさらなる飛躍をして欲しい!!
走りの面では低車高、低重心の特徴を充分に生かしているレヴォーグ。だが、CO2低減や燃料価格高騰などの圧力が日に日に高まっている今日の世相を考えると、走りや利便性だけに頼っていてはニッチマーケットを通り越して本物のマイノリティになってしまう。
この1.8Lターボエンジン搭載車はトラブル続きで4月26日現在は対策のため、レヴォーグ以外にフォレスターとレガシィアウトバックも出荷停止中だ。出荷再開までは2カ月半かかるとみられている。
実用的設計や走りのチューニングと同じようにエンジン開発に情熱を注ぎ、モデルライフ途中でガッチリ改良して素晴らしいエンジンに仕立ててほしい。それができればSUVでなくステーションワゴンに乗る意味をもっと多くのユーザーが見い出すようになるだろうし、レヴォーグの販売が好調に推移すれば他社もグローバルコンパクトクラスのワゴンもまだまだイケるのかと競合モデルを出すというサイクルが生まれないともかぎらない。
スバルは業績低迷で苦境に立たされているが、ステーションワゴンの老舗として今一度、意地を見せていただきたいものである。
Posted at 2022/06/08 22:15:51 | |
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富士重工 | 日記