2020年05月20日
スバル 中村社長「米国の動向はもう少し確認したい」…2020年3月期営業利益は4期ぶり増益の2103億円
SUBARU(スバル)は5月18日、2020年3月期の連結決算をメディアとの電話会議によって発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響はまだ軽微となり、営業利益は前期比15.7%増の2103億円と、4期ぶりの増益になった。
今期(2021年3月期)の業績予想についてはコロナ禍で「主力の米国市場ではなお6割の販売店が営業活動に制約を受けていることなどから、現時点では合理的な算定が困難」(中村知美社長)とし、公表は見送った。
前期の連結グローバル販売は3%増の103万4000台となった。主力の米国は『アウトバック』などがモデル切り替え期になったものの、『フォレスター』や『アセント』が好調で、6%増の70万2000台となり、全体をけん引した。しかし、消費税増税の影響が出た日本は8%減の12万6000台にとどまった。
前期の為替レートは1ドル109円で前々期から2円の円高、ユーロも121円で9円の円高となり、営業損益段階での減益要因は290億円に及んだ。しかし、売上・構成比の改善による効果が392億円、会計基準をIFRSに変更したことに伴う研究開発費の増益影響が161億円となるなど、4期ぶりの営業増益を確保した。純利益は7.9%増の1526億円だった。
電話会議で中村知美社長は、前期の業績について「若干計画を下回ったものの、コロナの影響を最小限にしっかりと留め、増収増益とすることができた」と評価した。一方で、業績予想の公表を見送った今期の展望については、「7割の販売を依存する米国は(新型コロナの)最大の感染国となっている。楽観視はできず5月、6月ともう少し市場の動向を確認したい」と述べ、慎重に見極める意向を示した。
また、中村社長は自身を含む28人の執行役員について、報酬の自主返納を行うことを決めたと明らかにした。前期の業績連動報酬について5~30%の幅で、また今期の4~9月については月額報酬の一律5%を返納する。中村社長は「前期の配当を減配とすること、また工場の従業員は一時帰休していることから、痛みを分かち合うため」と説明した。
スバル、海外市場好調で増収増益もコロナ禍で今期業績予想は未定 2020年3月期決算
SUBARU(スバル)は5月18日、2020年3月期(2019年4月~2020年3月)の連結決算を発表。海外市場での販売台数増加などにより増収増益となった。
全世界販売台数は、前年同期比3.3%増の103万4000台となった。国内販売は『インプレッサ』の減少などにより、同7.7%減の12万6000台となったが、海外販売は米国市場で『フォレスター』や『アセント』が好調に推移したことなどにより、同5.0%増の90万8000台となった。売上高はこれら販売台数の増加などにより、同6.0%増の3兆3441億円となった。
営業利益は販売台数の増加や販売奨励金の抑制など、改善に努めた結果、同15.7%増の2103億円となった。税引前利益は同11.6%増の2077億円、当期利益は同7.9%増の1526億円となった。
なお同社は今期より、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)を任意適用。そのため、比較対象となる2019年3月期通期連結業績(日本基準)を、IFRSに従って再計算した上で、比較・分析をした数字となっている。
今期の業績見通しについては、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大に伴う影響を現時点で合理的に算定することが困難なことから未定としている。
米国依存のスバル 高まる業績悪化の懸念 増収増益でも大幅減配に
スバルの業績が急激に悪化する懸念が高まっている。18日発表した2020年3月期連結業績は増収増益だったものの、期末配当を1株当たり28円(前年同期実績は72円)と、従来予想から44円減配する。米国で新型コロナウイルスによる自動車市場への影響が甚大で、米国に依存してきたスバルの今期業績を直撃する見通し。新型コロナウイルスの影響は業界他社よりも深刻になりそうで、手元資金を確保するなどして危機に備える。
スバルが18日に発表した20年3月期連結業績は、米国の販売が順調だったことから全世界販売台数が同3・3%増の103万4千台となり、売上高が同6%増の3兆3441億円、営業利益が同15・7%増の2103億円と、増収増益だった。主力の米国で新型コロナウイルス感染拡大による市場減速が3月中旬だったことから、20年3月期業績への影響は限定的だったためだ。中村知美社長兼CEO(最高経営責任者)は「計画を若干下回ったが評価したい」と述べたものの、そこに安堵感はない。
米国の感染者数は150万人に迫っており、死者数も9万人近くで、ともに世界最大。しかも米国の中でもスバルのシェアの高い州で感染者数が多い。直近では全米での感染者数は減少傾向にあり、一部で経済再開の動きもあるが、パンデミックの「第二波」が到来するとの見方も強い。スバルは新車販売全体の7割を米国に依存しており、新型コロナウイルス感染拡大による業績への影響は深刻だ。今期業績見通しは感染の収束時期が不透明で合理的な算定が困難として「未定」とした。しかし、足元ではすでに影響が出ている。
スバルの国内生産拠点は4月9日から、米国工場は3月23日からそれぞれ稼働を停止した。5月11日から再開したものの、国内生産拠点は昼勤のみの1直で、米国工場も通常よりペースを大幅に落として生産調整している。スバルの米国の販売拠点は現在も6割が制約を受けており、正常化する時期は見通せない状況だ。
スバルが先行きに強い危機感を持つのは米国市場の需要だけではない。落ち込んだ市場のカンフル剤としてインセンティブ(販売奨励金)が増大するリスクが高まっている。「他銘柄ではすでに7年間金利0%ローンで、しかも6カ月支払期間猶予などが打ち出されている」(中村社長)という。スバルは米国市場でインセンティブを抑制することでブランドイメージを向上、高い利益率を確保して業績を伸ばしてきた。市場のインセンティブ競争に巻き込まれれば、業績が急激に悪化する。
米国での中古車販売低迷による中古車価格の急落も懸念材料だ。中古車価格が下落すると、自動車メーカーの金融部門はローンやリースの損失を抱える。スバルの顧客は個人が中心だが、それでもマイナス影響は避けられない。
これら米国市場の変調で危機的な状況に陥ることを避けるため、スバルは対策に乗り出している。インセンティブをコントロールするため、日本、米国で積極的に生産調整して在庫を削減、5月までの減産規模は15万台を超える。
財務面では手元資金が8590億円あるが、借入金と社債でさらに1千億円を調達し、金融機関との間で約2千億円のコミットメントラインを設定した。「新型コロナで事業活動に多大な影響が及ぶ資金需要に備える」(中村社長)。増収増益でも期末配当を大幅減配するのもこの一環で、執行役員以上の報酬などを自主返納して危機に備える覚悟を内外に示す。
スバルでは、米国一極集中に対する危機感を持っていなかったわけではない。得意のSUVが人気の中国やロシア、豪州で販売を増やしてポートフォリオを拡充する意向を持っていたが、米国市場を最優先した商品開発が定着しており「簡単に構図を変えることができない」(中村社長)のが実態だ。新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の危機によって、長年手つかずだった米国一本足打法の大きな代償を支払うことになりかねない。
(編集委員 野元政宏)
増収増益のスバル、前期末配当28円---予想から6割減配のショック[新聞ウォッチ]
気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………
内閣府が発表した2020年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値が、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.9%減、年率換算で3.4%減となった。マイナス成長は2四半期連続。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2月ごろから輸出や消費、設備投資などが軒並み急減したたためという。
景気の悪化は、戦後最悪の落ち込みが予想されている。民間予測でも「回復、早くて来年後半」(日経)との見方もあり、経済の正常化は長期戦を強いられている。
こうした中、ソフトバンクグループの2020年3月期の決算は、投資先の企業価値が落ち込んだことで営業損益が1兆3646億円で過去最大の赤字。最終損益も9615億円の赤字となった。「投資失敗。コロナ二重苦」(読売)、「コロナの谷に転落」(毎日)などの厳しいタイトルが際立つ。
一方、電話会議による決算を発表したSUBARU(スバル)は、2020年3月期の連結決算は売上高が前期比6.0%増の3兆3441億円、本業のもうけを示す営業利益は15.7%増の2103億円、最終利益も7.9%増の1525億円と、主力の北米市場で新型コロナ感染拡大の影響が3月中旬以降と限定的だったことから増収増益を確保した。
しかし、期末配当を予想の72円から前の期実績に比べて約6割減の28円とすると発表した。先行きが見通せないため配当を減らし、業績が今後悪化する可能性に備え、資金の外部流出を極力抑える狙いだという。
高配当を期待していた株主にとっては“コロナ・ショック”どころか“スバル・ショック”のようだが、同業で無配転落の日産自動車などの株主に比べれば、贅沢な悩みなのかもしれないが……。
2020年5月19日付
●GDP2期連続マイナス、コロナ影響、年3.4%1~3月(読売・1面)
●検察庁法案今国会見送り(読売・1面)
●ソフトバンクG1~3月期、赤字1兆4381億円、国内最大規模ファンド損失で(毎日・1面)
●パナ営業益28.6%減、3月期工場停止で2937円(毎日・6面)
●富士山今夏の閉鎖決定、「今は我慢」「観光止まる」(東京・20面)
●中国EV市場、急ブレーキ、政府支援頼みに限界(日経・8面)
●新車販売4月は91%減、インドネシア、最大の落ち込み(日経・8面)
●ダイハツ、主力工場来月一時停止(日経・13面)
●ニュース一言 ホンダ 八郷社長(日経・14面)
●スバル、前期末6割減配、融資枠活用、2500億円確保へ(日経・18面)
スバル、増収増益ながら期末配当を大幅減配へ 役員報酬を一部自主返納
スバルは5月18日、2020年3月期の期末配当を従来予想の1株当たり72円から28円に大幅減配すると発表した。
同社の2020年3月期業績は、米国販売などが好調で増収増益となった。しかし、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で生産・販売などの事業活動にも多大な影響が出ており、資金需要を含めて総合的に勘案した結果、期末配当を大幅に減配することにした。前年同期は1株当たり72円だった。
期末配当の総額は214億8200万円となる。
年間配当金は前年同期と比べて44円マイナスの100円となる。
大幅減配とすることから執行役員全員が報酬の一部を自主返納する。
Posted at 2020/05/20 20:58:13 | |
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富士重工 | 日記
2020年05月20日
快適に走ろう!おすすめのシフトノブ11選|選ぶ際のポイント3つ
シフトノブは車を加速するための道具で、車を運転する場合に必ず使うものです。この記事ではおすすめのシフトノブ11選やシフトノブを選ぶ際のポイントなどをご紹介しますので、シフトノブを交換しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
シフトノブとは?
車の運転ではハンドルの次に使うことが多く、運転する人ならいつも何気なく使っているシフトノブですが、そのシフトノブにもさまざまな種類があります。この記事ではシフトノブのおすすめ商品などをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめのシフトノブ11選
おすすめのシフトノブをご紹介します。シフトノブはメーカーごとにさまざまな種類が販売されているため、シフトノブの交換を考えている人の中にはどれを選べばいいのかわからないという方も多いでしょう。ここではおすすめのシフトノブ11選をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめシフトノブ1:星光産業「シフトノブ エキステンション100 ET-28」
星光産業「シフトノブ エキステンション100 ET-28」は、高級焼付け塗装のおすすめのシフトノブです。このシフトノブは鉄製のスティックタイプで、絶妙なカーブの形状からドライバーが握りやすいものになっています。また高さも変更できるため、扱いやすいアイテムです。
おすすめシフトノブ2: MOMO「シフトノブ レース エアーレザー SK23」
MOMO「シフトノブ レース エアーレザー SK23」は、スポーツ仕様のおすすめのシフトノブです。ハンドルなどの自動車パーツを手掛けているイタリアの大手メーカー「MOMO」のシフトレバーです。このシフトノブはRACEと呼ばれるスポーツ仕様のラインで、一気に車内をスポーティーに演出することができます。
また、ハンドルとシフトノブをMONOで統一するのもおすすめです。
おすすめシフトノブ3:ARC「チタンシフトノブ 丸型」
ARC「チタンシフトノブ 丸型」は、シフトチェンジの精度が高いことが魅力のおすすめなシフトノブです。鏡面発色のチタン製シフトノブで、美しい発色が存在感をアピールしてくれます。価格は他のシフトノブよりも比較的高めではありますが、シフトノブにもこだわりたい人におすすめです。
おすすめシフトノブ4:UJ-FACTORY(石橋製作所)「丸型 アルミ・ショートシフトノブ MT車 用」
UJ-FACTORY(石橋製作所)「丸型 アルミ・ショートシフトノブ MT車用」は、軽量コンパクトなおすすめのシフトノブです。シンプルかつコストパーフォーマンスに優れたシフトノブです。真円形状なので、どの角度からも操作しやすく、シフトができるようになっています。
またレーシーさを演出することができるでしょう。加えて、購入しやすい価格で、コストパフォーマンスが高い点も嬉しいポイントです。
おすすめシフトノブ5:T&Tsport「クリスタルシフトノブ バブル 八角 200mm」
T&Tsport「クリスタルシフトノブ バブル 八角 200mm」は、華やかなデザインのおすすめのシフトノブです。アクリルプラスチック製のシフトノブで、透明なブルーにクリア、グリーンのグラデーションになっております。また中に気泡が入っている華やかで幻想的なデザインなため、車内のドレスアップにも最適です。
また、汎用タイプなのでほとんどの車種にも使えます。
おすすめシフトノブ6:MOMO「シフトノブ NERO SK99」
MOMO「シフトノブ NERO SK99」は、デザイン性が高くおすすめのシフトノブです。このアイテムは、先ほども紹介したイタリアのMOMO社が発売するシフトレバーです。また、このシフトノブは高級感のあるレザー製で、アダプターが付いているため取り付けやすい仕様になっています。
おすすめシフトノブ7:UJ-FACTORY(石橋製作所)「ヘビーウェイト 丸型シフトノブ」
UJ-FACTORY(石橋製作所)「ヘビーウェイト 丸型シフトノブ」は、重量感のあるおすすめのシフトノブです。このアイテムは、ステンレス製で重量感のある球体型シフトノブです。しっかりとした使い心地や、スムーズなシフト操作を求めている方におすすめです。
またシンプルなデザインなので、取りつける車を選びません。クローム、ブラッククロームから選べます。
おすすめシフトノブ8:Beatrush「マニュアル車 チタン製シフトノブ(6速/R左上)」
Beatrush「マニュアル車 チタン製シフトノブ(6速/R左上)」は、高級感のあるチタン製のシフトノブです。その素材から重量が約220gと比較的軽量かつ、形状もスティック型なので使いやすいでしょう。また、光沢のある見た目も高級感を演出します。
おすすめシフトノブ9:Ruien「丸型シフトノブ 直径50mm」
Ruien「丸型シフトノブ 直径50mm」は、使いやすく安価なおすすめのシフトノブです。表面素材がカーボンでできたコストパフォーマンスに優れたシフトノブです。また光沢のあるデザインで、グリップ感の良い設計になっています。また、オートマにもミッションにも使用することができ、汎用性のあるシフトノブを購入したい人におすすめです。
加えて、ねじ込式なので簡単に取りつけられます。
おすすめシフトノブ10:CARMATE「RA128RE レザーノブR」
CARMATE「RA128RE レザーノブR」は、上質な手触りがおすすめのシフトノブです。握りやすい球型で、本革を使用したシフトノブです。またシフトストロークの短縮を実現するローポジションタイプで、上質な握り心地になっています。手に汗をかいても滑りにくく、比較的価格も安価なのでおすすめです。
おすすめシフトノブ11:カーズ「プッシュ式 汎用 アルミ AT シフト ノブ」
カーズ「プッシュ式 汎用 アルミ AT シフト ノブ」は、プッシュ式のおすすめシフトノブです。シフトノブにはマニュアル車向けのものが多いですが、汎用AT用のプッシュ式アルミシフトノブのため、オートマ車に乗っている方におすすめです。アルミ製なので、誤った使い方をすると傷がつきやすいですが、軽く使いやすいシフトノブです。
シフトノブを選ぶ際のポイント3つ
シフトノブには、3つの選ぶポイントがあります。シフトノブを交換する場合は、デザインだけで選ぶのではなく握り心地なども重要です。安全に運転できるシフトノブを選びましょう。ここではシフトノブを選ぶ際のポイント3つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
シフトノブはお気に入りのメーカーで選びましょう。シフトノブを取り扱っているメーカーは多くあるため、お気に入りのメーカーのシフトノブを選ぶと良いでしょう。もしくは、信頼できる大手メーカーの商品を選ぶのもおすすめです。また、メーカーによってネジ径やピッチが異なるため、自分の車に合うかどうかを必ずチェックしておきましょう。
シフトノブは形状で選びましょう。シフトノブは握りやすい形の物を選ぶのがおすすめです。主な形状には球体型とスティック型とくびれ型の3種類があるため、自分が運転するときの握り方などを思い浮かべて、使いやすいものを選びましょう。
シフトノブは材質で選びましょう。車の運転をする際に必ず握るものなので、材質にもこだわりましょう。材質によって握り心地も異なるため、手にフィット感があり、長期間使えるものがおすすめです。たとえばチタン製のシフトノブは見た目も美しく、長く愛用できます。
軽いシフトノブが良いのであればアルミ製がおすすめですが、傷つきやすく冬は冷たくなります。
自分に合うシフトノブを見つけよう!
お気に入りのシフトノブに交換してみましょう。シフトノブはさまざまな種類があり、デザインや素材、使いやすさも異なります。ぜひこの記事でご紹介したシフトノブを参考に、愛車にぴったりのシフトノブを見つけてみてはいかがでしょうか。
Posted at 2020/05/20 20:31:42 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年05月19日
日産のEV救急車がゼロエミッション東京の実現に向けて東京消防庁で稼働開始
日産は、東京消防庁池袋消防署へ納車した日本初のゼロ・エミッション(EV)救急車が稼働を開始したと発表した。
本車両は、東京都が推進する「ゼロエミッション東京」の取り組みの一環として、東京消防局に初のゼロ・エミッション(EV)救急車として導入された。同車は池袋消防署のデイタイム救急隊で運用される予定だ。
ベースとなったのは日産が欧州で販売中の「NV400」で、日本法規への適合や専用の救急架装については、日産パラメディックでの豊富な実績を持つオートワークス京都に委託した。また、内外装は欧州の緊急車両架装大手であるGruau社に委託して、堅牢で合理的な救急架装パッケージを採用している。
救急車には患者や隊員の身体的な負担軽減が求められることや、精密医療器具を搭載する必要があることなどから、静粛性が高く、振動の少ないEVのメリットは大きいと考えている。さらに、本車両は33kWhと8kWhの2つのリチウムイオンバッテリーを搭載しているため、電装機器やエアコンをより長時間作動させることが可能で、停電時や災害時には移動電源としても活用することができる。
■日産 最高執行責任者兼チーフパフォーマンスオフィサー アシュワニ グプタ コメント
「日産は持続可能なモビリティによって、ゼロ・エミッション、ゼロ・フェイタリティ社会の実現に向けて貢献していきます。本車両は、地域社会において環境にやさしいクルマがより利用しやすくなっていく、大きな事例の一つとなるでしょう。」
■車両諸元情報:
車両サイズ: 全長 5,548mm、全幅 2,070mm、全高 2,499mm
車両総重量: 3.5トン
乗車定員: 7名
モーター: 最大出力 55kW、最大トルク 220Nm
駆動用バッテリー: 容量 33kWh、充電 AC200V 最大 7kw 普通充電(タイプ2)
装備品用バッテリー: 容量 8kWh、充電 AC100V 1.5kW
駆動方式: 前輪駆動
日産、日本初のゼロ・エミッション(EV)救急車の稼働を東京消防庁で開始
日産自動車は5月18日、東京消防庁池袋消防署へ納車した日本初のゼロ・エミッション(EV)救急車が稼働を開始したと発表。本車両は、東京都が推進する「ゼロエミッション東京」の取り組みの一環として、東京消防局に初のゼロ・エミッション(EV)救急車として導入された。同車は池袋消防署のデイタイム救急隊で運用される予定だ。
EVのメリットを活かし患者や隊員の負担軽減に貢献
EV救急車は、救急隊員の負担を軽減するための電動ストレッチャーや、すべてのシートに乗員の安全性を向上させるシートベルトが装備されている。また、救急車には患者や隊員の身体的な負担軽減が求められることや、精密医療器具を搭載する必要があることなどから、静粛性が高く、振動の少ないEVのメリットは大きい。
さらに、本車両は33kWhと8kWhの2つのリチウムイオンバッテリーを搭載しているため、電装機器やエアコンをより長時間作動させることが可能で、停電時や災害時には移動電源としても活用することができる。
本車両は、同社が欧州で販売中の「NV400」をベース車両としており、日本法規への適合や専用の救急架装については、日産パラメディックでの豊富な実績を持つオートワークス京都に委託。内外装は欧州の緊急車両架装大手であるGruau社に委託して、堅牢で合理的な救急架装パッケージを採用している。
日産 EV救急車の詳細
■車両サイズ:全長5,548mm、全幅2,070mm、全高2,499mm
■車両総重量:3.5トン
■乗車定員:7名
■モーター:最大出力 55kW、最大トルク 220Nm
■駆動用バッテリー:容量 33kWh、充電 AC200V 最大 7kw 普通充電(タイプ2)
■装備品用バッテリー:容量 8kWh、充電 AC100V 1.5kW
■駆動方式:前輪駆動
Posted at 2020/05/19 21:41:47 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年05月19日
新型フォルクスワーゲン ゴルフ GTIは新様式の制御デバイスを搭載! 進化を遂げたホットハッチのアイコン
Volkswagen Golf GTI
フォルクスワーゲン ゴルフ GTI
最新ホットハッチは先進の統合制御デバイスを搭載
フォルクスワーゲンは2020年2月に8代目ゴルフの高性能仕様、GTIを世界に向けて公開した。ホットハッチの代名詞として半世紀にわたり君臨してきた代表選手は、セグメントの勢力図に再び波乱を巻き起こす気配だ。
なかでも注目したいのが、新型ゴルフ GTIが搭載する次世代の統合制御デバイス「ビークル ダイナミクス マネージャー」である。
FF特有のアンダーステアを打ち消す
フォルクスワーゲンのドライビング ダイナミクス部門を率いるカルステン・シェブスダートは次のように説明している。
「ビークル ダイナミクス マネージャーは、電気システムと機械システムの複合体である足まわりを“中枢”で調整するハイレベルなコントロールシステムです。フロントディファレンシャルロック機構と協働してゴルフ GTIのパフォーマンス全体を次のレベルへと押し上げます。さらに、ソフトウェアが新しくなったDCC(ダンパーの減衰力やパワーステアリングの設定を電子制御するシステム)と組み合わせることで一層の威力を発揮します」
ドライバーは走行モードやDCCのモードを様々に切り替えて好みのセッティングを試すことができる。シャープなハンドリングを与えられた新型ゴルフ GTIはこれまで以上に正確かつ精密なドライビングを実現。実際、前輪駆動車特有のアンダーステア傾向も見られなくなったという。
245ps+370Nmの2.0リッターガソリンエンジンを搭載
8代目ゴルフに加わる伝統のホットハッチは、これまでの慣例に従い「パワフルなガソリンエンジン+前輪駆動」のレシピを守る。過給器付きの直噴2.0リッターユニット(EA888 evo4)が発揮するのは、最高出力245ps、最大トルク370Nm。7代目ゴルフ GTIに比べて出力で+15ps、トルクで+20Nmアップしている。
8代目ゴルフの標準仕様が積む1.5リッター直列4気筒ガソリンターボの高出力モデルは150ps/250Nm、最上級の2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボモデルでも150ps/360Nmであり、GTIの力強さが群を抜いているのが分かる。
GTI専用の意匠で全身360度を“武装”
専用のフロントバンパーやハニカムグリルに加え、ラジエーターグリルにはデイタイムランニングライトと統合された水平基調のLEDバーを装着する。ハニカムグリルのパターンの一部のようにデザインされたフォグライトはオプションとして用意する模様。
また、LEDマトリクスヘッドライト“IQ.ライト”もオプション設定される。ヘッドライトユニットそれぞれに22個のLEDを備え、10通りのパターンで路面を照射する先進のシステムだ。
足元には17インチのアルミホイールを標準装備。GTI専用のリヤディフューザーや左右2本出しのテールパイプを備えるとともに、LEDテールランプを標準で装着した後ろ姿もGTI“らしさ”を主張する。
伝統のチェック柄シートも最新パターンに進化
運転席の前方には10.25インチのデジタル・コクピットと10インチのナビゲーションシステムを組み合わせた「デジタル時代」ならではの風景が広がる。30色の背景色などを用意し、好みに合わせて運転席周りの雰囲気を変えることができるのも最新のトレンド。タッチコントロール付きの革巻きマルチファンクション・ステアリングホイールのスポーク部分には、GTIを象徴するカラーである赤を印象的に配した。ドアを開けるとエンジンのスタート&ストップボタンが赤く点滅してドライバーに始動を促すというギミックも用意する。
デジタル化を積極的に進めた最新のゴルフといえど、GTI伝統のアイコンはもれなく踏襲。ラジエーターグリルに水平に走る赤いライン、そしてもちろん新しく進化したチェック柄のシート地も採用している。VWはこのチェック柄を「Scalepaper(方眼紙)」と呼んでいる。
さらに、8代目ゴルフに準ずる最先端の機構を採用。210km/hまで対応する運転支援システム“トラベル・アシスト”をはじめ、半径800mまでの範囲にいる車両や交通インフラストラクチャーと相互に連携する車車間・路車間通信「Car2X」も標準で搭載する。
ホットハッチの代名詞ともいえるGTIがいよいよ次世代へ。いまやプレミアムブランドもこぞって参入しているこのセグメントで、元祖がいかなる闘いを見せるか。
新型ゴルフ GTIは欧州市場への導入は2020年下半期を予定している。日本への導入時期は未定。
VW ゴルフ GTI 新型、新開発の「ビークル・ダイナミクス・マネージャー」採用
フォルクスワーゲンは5月15日、新型『ゴルフGTI』(Volkswagen Golf GTI)に、新開発の「ビークル・ダイナミクス・マネージャー」を採用すると発表した。
『ゴルフ』の高性能グレードが「GTI」だ。フォルクスワーゲンによると、8世代目となる新型ゴルフGTIにも、歴代ゴルフGTIのDNAが継承されているという。
◆目標はFF車のパフォーマンスの新基準
前輪駆動(FF)車のパフォーマンスにおける新しいベンチマークを目指した。新開発のビークル・ダイナミクス・マネージャーが、その役割を果たす。ビークル・ダイナミクス・マネージャーは、新しいドライビングダイナミクスシステムだ。「XDS」機能と調整式ダンパーの横方向の入力の両方を制御する。これにより、快適性重視の設定と、スポーティな乗り心地重視の設定までの幅が大きく広がり、その結果、動力特性が大幅に強化されているという。
「DCC」と呼ばれるアダプティブシャシーコントロールも、FF車のパフォーマンスにおける新しいベンチマークの実現を支援するシステムだ。DCCは、ステアリング、ブレーキ、アクセル操作といったさまざまな要素を考慮しながら、路面と運転状況に対して断続的に反応する。ドライバーは、走行モードを選択することで、車両の挙動を希望通りに調整することができる。各ホイールにおける必要な減衰力は瞬時に計算され、4 つのショックアブソーバーを調整する。その結果、DCC は常に最高レベルの快適性を提供し、ビークル・ダイナミクス・マネージャーと連携することで、理想的な動力性能を発揮するという。
最新世代のDCCでは、「コンフォート」、「エコ」、「スポーツ」の車両設定モードに、「インディビジュアル」が追加された。ドライバーは、デジタルスライダーを使用して、個人の運転プロファイルを正確に設定して保存できる。コンフォートモードをさらに快適性重視に調整することによって、ボディは可能な限り路面から切り離され、走行快適性を高めることができる。スポーツモードをさらに走行性重視に調整すると、車体の挙動を最小限に留めるために最大の減衰力が設定され、非常にダイレクトなハンドリングにより、GTIならではのフィーリングを楽しむことができるという。
◆GTIらしさを表現したエクステリア
エクステリアは、GTIウィングとハニカムグリルを備えたフロントバンパーを採用する。このGTIの伝統となっているハニカムパターンを採用したワンピースの大型エアインテークグリルは、ブラックのフレームで縁取りされ、両サイドには、ウィングデザインが施されている。
フロントグリルには、赤いストライプが配された。LED ストリップとの連続性を持つ照明付ラジエーターグリルが標準装備される。また、オプションのフォグランプは、バンパーグリルに組み込まれ、X字型に光る。
レーシングカーを連想させるスプリッターデザインを採用した幅の広いブラックのサイドシルが装着されている。サイドシルは、フロントスポイラーとリアのディフューザーとともに、スポーティなデザインを強調する役割を果たす。
17インチのアルミホイールが標準で、18インチまたは19インチはオプションだ。リアにはディフューザーとルーフスポイラー、左右に分かれたテールパイプを装備した。赤いブレーキキャリパーも装備されている。
◆10.25インチのデジタルコックピット+10インチナビ
3 本のシルバーのダブルスポークと、エンボスでウォルフスブルグのエンブレムを象ったスポーツステアリングホイール、ゴルフボールの形を模したブラックのシフトレバー、タータンチェック柄のシート地とブラックのサイドボルスターを備えたGTIスポーツシートなどが装備されている。ステンレス製ペダルも標準だ。エンジン始動前に、スタート/ストップボタンが赤く点滅する演出も施される。
デジタルコックピットも採用された。すべてのディスプレイと操作系を、広範囲にデジタル化した。これにより、各機能を直感的に操作できるようにしている。新開発のインストルメントパネルとオンラインインフォテインメントシステムは、タッチボタンとタッチスライダーを備えた横長のディスプレイに組み込まれる。
10.25インチのデジタルコックピットに10インチのナビゲーションシステムを融合した。2つの画面の視覚的および機能的な組み合わせにより、新しいデジタルアーキテクチャを生み出したという。GTI専用モードを含めて、デジタルコックピットの画面の背景色は、30色が切り替えられる。
◆2.0リットル直4ターボは最大出力245ps
直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンの「EA888 エボ4」を搭載。最大出力は245ps、最大トルクは37.7kgmを獲得する。
欧州仕様のトランスミッションは、6速MTが標準だ。オプションとして、7速デュアルクラッチの「DSG」が選択できる。駆動方式はFFで、電子ディファレンシャルロックのXDSが装備されている。スポーツサスペンションによって、車高は15mm低められている。
フォルクスワーゲンの最新の先進運転支援システム(ADAS)「トラベルアシスト」(Travel Assist)が用意される。新型ゴルフGTIでは、最高210km/hを上限に、部分自動運転を実現する。
トラベルアシストは、マルチファンクションステアリングホイールのボタンに触れて、システムを起動する。法律や安全上、ドライバーは常にこのシステムの作動を監視する。そのため、トラベルアシストでは、ドライバーがステアリングホイールを握っているかどうかを確認する。
【デザイン責任者インタビュー】新しいVWゴルフGTI ダイナミックなスタイリング 2020年後半発売 英国
ダイナミックなスタイル
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
フォルクスワーゲンのデザイン責任者であるクラウス・ビショフは、新しい第8世代のゴルフGTIは、長年のファンだけでなく、よりデジタル志向の若い世代からも、支持されるだろうと述べている。
「わたし達は、クラシックなデザインに敬意を払いつつ、これまでで最もダイナミックなスタイルを持つ、ゴルフGTIを提供することに成功しました」
「伝統を継承しているだけでなく、さまざまな新しいデジタル機能を採用し、新しい魅力にあふれたモデルとなっています」と述べている。
2007年からVWブランドのデザインを担当し、2020年からはVWグループ全体のデザインを統括しているビショフは、ゴルフGTIのデザインは最も難しいタスクの一つだと言う。
「GTIのデザインの責任は重大です」
「引き継ぐべき素晴らしい歴史がありますが、それと同時に、時代に合わせて進化していかなければなりません。良いバランスを保つことが課題となります」
スタイリングの詳細
新しいモデルは、ビショフが、プロポーションが長く、くさび形のスタイリングと呼ぶ、第8世代ゴルフ標準モデルをベースとしている。
ヘッドライト内および、細いグリルの上部全体には、特徴的な赤いハイライト、新しいゴルフRと共有のフロントバンパーには、5つのフォグランプを備えた、黒いハニカム・ロアセクションが採用されている。
「フロントエンドの全幅LEDライトグラフィックは、クルマの幅を際立たせます」
「既存のモデルと比へ、より堂々としたエクステリアとなっています」
2020年モデルでは、ビショフが「フリッツァー」と呼ぶフロントウィング内の控えめなバッジプレート、ドアの下のブラック・サイドシル・エレメントが採用されている。
リアは、ユニークなテールライト・グラフィックと、際立ったGTIバッジが特徴となっている。
バンパーは、ゴルフの標準モデルと共有しているが、下部にブラックのユニークなセクションが追加されている。
従来の丸型テールパイプは、7代目モデルよりも外側に配置されている。
最新のゴルフGTIは、他の新しいゴルフモデルと同じインテリアを採用しているが、赤いハイライトとユニークさと追加されている。
GTIグラフィックを備えたデジタル・インストゥルメント・ディスプレイと、GTIをテーマとした機能を備えた、標準の10.25インチ・デジタルインフォテインメント・ディスプレイを備えている。
おなじみのタータンチェック・シートは、従来のものよりも、デジタルで魅力的な仕上がりとなっていると言われており、サポート力に優れたシートには、新しくヘッドレストが統合されている。
Posted at 2020/05/19 21:36:16 | |
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フォルクスワーゲン | 日記
2020年05月19日
第2章スバル ハイパワーエンジンという血統 名機 スバル「EJ20」型エンジンヒストリー
第1章ではスバル1000の時代から水平対向型を採用してきたが、その優位性はクルマづくりに活かされ、そして安全面においても活かされていることをお伝えした。またエンジンという構造体においてもメリットと恩恵があることを覗いてみた。
ボクサーサウンドの秘密
初代レガシィ用のEJ型エンジンは、1.5L~2.5Lまでの排気量をカバーする水平対向4気筒エンジンとして企画された。その目標は中心排気量である2.0Lで世界トップ・レベルの高出力を実現することとされた。
そのため1944ccの排気量で、ボア・ストロークは92.0mm×75.0mmで、ビッグ・ボア/ショート・ストロークとされ、吸排気ポートを太くするため吸排気バルブは大径4バルブを採用するなど、典型的な高出力型エンジンの設計方法で7500rpmという高回転を実現している。また吸気マニホールドは低速・高速の切替式可変吸気システムを装備している。
大径バルブでストレート吸気とするため、バルブ挟み角は52度と広角となり、また凸形ピストンを採用しているため「へ」字形燃焼室となり均一形状ではないため冷却損失が大きめになっている。バルブ駆動はDOHCで内側支点のロッカーアーム式とし、バルブリフト量も最大化。これらにより、自然吸気、ターボともに2.0Lクラス最高の出力を達成している。
そして高出力化に適合させるためにクランクシャフトはついに5ベアリング式を採用し、より高回転、高出力化に対応。そのためクランク・ウエブが極薄形状になっている。またメタル・ジャーナル部は高負荷に耐えられるように鏡面加工を行なっている。
シリンダー部は2.0L以下のSOHCのEJ型エンジンはオープンデッキ(シリンダー上面が開放)構造だが、DOHCのEJ20型は、生産性は悪くなるが高強度・高剛性のクローズドデッキ(シリンダー上面が水路以外は閉鎖)構造を採用するなど、高出力エンジンにふさわしい作り込みとしている。さらに、左右各2気筒はクロスフロー(横流れ)冷却方式を採用している。通常の4気筒は縦流れ方式で、気筒間の均一な冷却ではクロスフローが優れている。
吸気マニホールドは等長だが、排気マニホールドは片側2気筒ごとを集合させた不等長マニホールドとなっている。このため、低回転ではV8エンジンのランブル音に近い独特の排気サウンドを発生し、初期型EJ20型エンジンの大きな特長となっている。
生まれながらのレースエンジン
初期のEJ20型ターボ・エンジンはIHI製のRHB52型ターボを採用。より滑らかなトルク特性とするため、過給圧は0.6barと低めの設定で、後の高過給圧のEJ20ターボ・エンジンとはかなり違いがある。
自然吸気仕様で150ps/6800rpm、172Nm/5200rpm、高出力型の本命、ターボ仕様は水冷インタークーラーと組み合わせて200ps/6000rpm、260Nm/3600rpmを達成した。そして、ラリーなどに使用するモデルとしてセダンにRS-RAが設定され、専用のEJ20型ターボが搭載された。
この専用エンジンの出力は220psながら、STIによりバランス取り、吸気ポート内鏡面研磨、鍛造ピストンの採用などが行なわれ、ゴールド塗装のエンジン・カバーを備えていた。このエンジンがベースとなり、レガシィ・セダンRS-RAは世界ラリー選手権(WRC)に打って出た。
このようにEJ20型エンジンは、クラストップの高出力を実現し、同時にモータースポーツでの使用も想定したハイパワー・エンジンという血統は生まれながらに備えていた。
インプレッサ WRX用のEJ20型エンジン
レガシィに続く世界戦略車の第2弾として1992年にデビューしたのが、Cセグメントのインプレッサ(GC/GF型)・シリーズであった。このインプレッサ・シリーズに搭載されたのがEJ型エンジン・シリーズで排気量は新設計の1.5L、1.6Lから2.0Lまで6機種のエンジンでカバーされていた。
この初代インプレッサのスポーツモデルであり、世界ラリー選手権(WRC)への出場も想定したWRXが設定され、EJ20ターボを搭載している。しかし、初代レガシィ用の登場から3年を経て、インプレッサ WRX用のEJ20型は大幅に改良されている。
それはシリンダーヘッド部分が新設計されたのだ。よりハイパワー、大トルクを求め、DOHCのバルブ駆動は従来のロッカーアーム式からより摩擦抵抗が小さく、剛性が高いダイレクト式に変更し、バルブ挟み角は52度からやや狭められて41度に変更することで、燃焼室のコンパクト化を図っている。
また、ターボ過給圧は0.8barまでアップ。さらにインタークーラーを水冷式からより容量の大きな空冷式に変更し吸気冷却性能を向上させている。このため、WRXからボンネット上にインタークーラー用のエア・インテークが新設されている。さらにラリー車のベースとなるWRX RAには空冷インタークーラーの強制冷却用ウォータースプレー(水噴射)も装備されている。これは、ラリーで使用するためにFIAの公認を取得するためだ。
このような大きな設計変更により、EJ20ターボの出力は240ps/6000rpm、最大トルク304Nm/5000rpmを発生できるようになった。
そして、1994年にはインプレッサWRX RAをベースにして、さらにSTIが鍛造ピストンの採用、バランス取りなどの専用チューニングを行なったEJ20型ターボを搭載した「WRX STi」(この当時はSTi表記)が設定されている。
このインプレッサWRX RAは、計画通り1993年から世界ラリー選手権シリーズに参戦し、1995年から3年連続WRCチャンピオンを獲得するという快挙を成し遂げることができたのだ。そのパワートレーンであるEJ20型ターボ・エンジンは、ラリーというモータースポーツフィールドで、高いポテンシャルを実証しSUBARUは世界一を獲得したのだ。<編集部:松本晴比古/Haruhiko Matsumoto>
<第3章へつづく>
<第1章はこちら>
↓
EJ系は長かったけどFA/FB系は短命に終わるのかな〜
1章はこちら
Posted at 2020/05/19 21:25:12 | |
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富士重工 | 日記