2020年08月30日
“ぶつからないクルマ?”が劇的進化! 新型レヴォーグ搭載の新世代アイサイト&アイサイトX徹底解説・前編
スバルが他社に先駆け普及を進め先進運転支援システム「アイサイト」。その後競合各社も同様の技術を導入し始める中、スバルはさらに進化した新世代アイサイトと、その上位版「アイサイトX」で巻き返しを図る! 2020年10月発売の新型レヴォーグに搭載される新技術をいち早くテスト。驚くべき進化の様子をモータージャーナリスト嶋田 智之がレポートする!
“ぶつからないクルマ?”が10年の時を経て大幅バージョンアップ
他社に先駆け搭載したスバルの先進運転支援技術EyeSight(アイサイト)
2008年にレガシィに搭載し、2010年からの “ぶつからないクルマ?”というちょっとばかり衝撃的なキャッチで先進運転支援システムというものの存在を広く知らしめたスバルの功績は、とても大きい。
中には“ぶつからないクルマ?”のクエスチョンマークを忘れて語られたこともないではなかったけど、ドライバーのミスやエラーをクルマの側でカバーしてくれようとする仕組みが存在することを、お茶の間のお母さんでさえ知ることになったのだから。
全国各地で開催された体験会で、障害物として置かれたマットに近づくにつれてドキドキしながらブレーキをガマンしたことを覚えている人も少なくないだろう。
以来、スバルのアイサイトは細かな改良やバージョンアップを繰り返しながら、日本のこうした仕組みの代表格的な存在として認識されてきた。
他社技術も急伸し、いつしか横並び状態となりつつあったが
しかし、もちろん他社だってボケ~ッと眺めていたわけじゃない。
日産のプロパイロット、トヨタのセーフティセンス、ホンダのHonda SENSING(ホンダ センシング)、マツダのi-ACTIVSENSE(アイアクティブセンス)などなど、それぞれ考え方は様々だし出来ることも様々だが、先進運転支援システムを実装してきた。
スバルのアドバンテージ、という印象が次第に薄れてきていたのも確かだった。
だが、スバルはここでまた頭ひとつ飛び抜けた存在となった。新型レヴォーグのそれは、ポーン! と一足飛びに進化しているのだ。
コア技術「アイサイト」が新世代仕様へ大幅な進化を遂げた
まずは全車に標準で備わる新世代アイサイトからご紹介しよう。
新世代アイサイトでは、広角化して大幅に性能を挙げた新しいステレオカメラ、前に向かって2つ、後ろに向かって2つの車体四隅のレーダー、反応速度の高い電動ブレーキブースターを備える。
また、右折時の対向車、右左折時の歩行者、目の前を横断しようとする自転車などに対しても、「プリクラッシュブレーキ」が作動するようになった。
さらにプリクラッシュブレーキだけでは衝突が回避できそうにない場合には、システムがステアリング制御を行い避けようとする「プリクラッシュステアリングアシスト」、前側方からの車両の接近をレーダーで感知して警報やブレーキ制御を行い回避を試みる「前側方プリクラッシュブレーキ」、後側方にいるクルマの見逃して車線変更しようとしたときに警報やステアリング制御で車線から逸脱しないようにする「エマージェンシーレーンキープアシスト」も備わった。
そしてこの新世代アイサイトの上位モデルとも言うべき高度運転支援システム「アイサイトX」は、さらに充実した驚きにあふれていたのだった!
(続く)
[筆者:嶋田 智之/撮影:小林 岳夫・SUBARU]
【画像で解説】塊感のあるスタイルに! 新型レヴォーグのリアをチェック!
2020年10月15日にフルモデルチェンジを実施するスバルの新型レヴォーグ。発売を前に8月20日から早くも販売店での先行予約も始まりました。今回はそんなレヴォーグのリアをピックアップしてご紹介したいと思います!
踏ん張り感のあるリアデザインに
新型のレヴォーグは現行型に比べて丸みが減り、スポーティーになりました。
LED化したコンビランプを薄く仕立て、モダンな感じを出すとともに、バンパー両端のせり上げを止めることでリアフェンダーのワイド感を出し、印象的に。全幅はあまり変わらないのに幅広くなった感じがします。
第2世代の新型SUBARUレヴォーグの先行予約がスタート。正式発表は10月15日を予定
SUBARUが新型レヴォーグの先行予約を開始。グレード展開はGT/GT EX/GT-H/GT-H EX/STI Sport/STI Sport EXで構成
SUBARUは8月20日、第2世代となる新型レヴォーグの先行予約を開始し、合わせて8月22日にオンラインイベント「THE LIVE!NEW LEVORG 徹底解剖」を開催。さらに、8月22日より「NEW LEVORG先行展示イベント」を全国SUBARU販売店や大型商業施設で順次開催するとアナウンスした。なお、新型レヴォーグの正式発表は10月15日を予定する。
「SUBARUの未来が、ここから始まる」と謳って登場した新型レヴォーグは、SUBARUに脈々と受け継がれる「より遠くまで、より早く、より快適に、より安全に」というグランドツーリングのDNAを継承。そのうえで、SUBARUの最新技術を鋭意結集し、「先進安全」「スポーティ」「ワゴン価値」という3つの価値を革新的に進化させたパフォーマンスワゴンに仕立てている。グレード展開はGT系のGT/GT EX/GT-H/GT-H EXという4タイプ、STI系のSTI Sport/STI Sport EXという2タイプを設定した。
まずエクステリアでは、SUBARUのデザインフィロソフィーである“Dynamic×Solid”を深化させ、それぞれのクルマが持つ価値をより大胆に際立たせる新デザインコンセプトの“BOLDER”を市販車として初採用したことが訴求点。SUBARUが提供する価値や、クルマが持つ個性をより“大胆”に際立たせることを目指し、レヴォーグでは「意のままにコントロールする愉しさ」や「先進性」を表現する。ボディサイズは従来より65mm長く、15mm幅広く、10mm高く、ホイールベースが20mm長い全長4755×全幅1795×全高1500mm/ホイールベース2670mmに設定。外板色はクリスタルホワイト・パール/アイスシルバー・メタリック/マグネタイトグレー・メタリック/クリスタルブラック・シリカ/ピュアレッド/クールグレーカーキ/ラピスブルー・パール/WRブルー・パール(STI系のみ)という計8タイプをラインアップした。
内包するインテリアは、“Progressive×Impressive”をテーマに、レヴォーグの先進性を象徴するデジタルコクピットを新採用。大型かつ高精細の縦型11.6インチセンターインフォメーションディスプレイには、ナビゲーションや車両設定、エアコン調整など、さまざまな機能を集約し、また12.3インチフル液晶メーターと連携して、よりスマートに運転をサポートする。Dシェイプステアリングホイールや質感を向上させたパネル類なども印象的だ。
キャビン空間は“Quality&Relaxation”をテーマに、クルマで移動する時間をもっと愉しく快適に、そして誰もがくつろげる空間を目指して開発。長時間の運転でも疲れにくい新設計のフロントスポーツシートの採用をはじめ、後席の座り心地や足もとスペースの広さも徹底的に追求する。また、ラゲッジスペースはVDA方式で561リットル(カーゴフロアボード上部:492リットル、サブトランク:69リットル)、荷室長1070×最大幅1602×高771mm(5名乗車時)という大容量を確保するとともに、ひと目で使いやすさが感じられる広い開口部を実現。ハンズフリーオープンパワーリアゲートはGT/GT EXを除いて標準で装備した。
「あらゆるシーンで、運転の不安やストレスを減らし、心から運転を愉しむ」ために進化させた安全・運転支援機構の採用も注目ポイントだ。広角化した新開発ステレオカメラと前後合わせて4つのレーダーによる360度センシングを組み込み、見通しの悪い交差点での出合い頭や右左折時までプリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)の作動範囲を拡大させた「新世代アイサイト」を全車に標準装備。また、車線単位の道路情報を持つ3D高精度地図データをはじめ、GPSや準天頂衛星「みちびき」を活用した位置情報を組み合わせることで、運転支援機能を大幅に拡張させた新開発の「アイサイトX」をGT EX/GT-H EX/STI Sport EXに標準で組み込む。さらに、万一の事故や車両トラブルを“つながる安全”でサポートするSUBARU国内初採用のコネクティッドサービス「SUBARU STARLINK」を、GT EX/GT-H EX/STI Sport EXに標準、GT/GT-H/STI Sportにオプションで設定した。
新型レヴォーグが未来すぎる! 縦型センターディスプレイの衝撃を画像でチェック
巨大な縦型ディスプレイ『11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ』や、使用者の好みに合わせて3つのモードが選べる『12.3インチフル液晶メーター』を搭載した、スバル新型レヴォーグの『新型デジタルコックピット』に注目が集まっている。どのような機能・装備なのかを紹介していこう。
スバル国内初!11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&新型インフォテインメントシステム
アイサイトX搭載車(EXグレード)に標準装備となった『11.6インチ センターインフォメーションディスプレイ』はスバル国内初搭載だ。
特徴は6つ。
・タブレットライクで直感的な操作が可能
・エアコンなどの操作スイッチ・各種設定機能を集約
・運転姿勢を崩さず操作可能
・フルHD大画面による精細なナビゲーション表示
・スマートフォン連携機能を充実(CarPlay、AndroidAuto)
・ナビ・オーディオ・エアコンも音声認識操作可能
従来のスバル車では、ナビとインフォメーションが分かれていたが、それらを統合。大画面のタッチ操作となったことで、簡単で分かりやすく設定できるようになった。さらにエアコンのハードスイッチと集約させたことで、ユーザーインターフェイスが格段に高まっている。
この大きな縦型センターインフォメーションディスプレイと新型インフォテインメントシステムは、今後スバルのスタンダードになっていくとのこと。
EXグレード以外では『用品ナビ+7インチセンターインフォメーションディスプレイ』が標準となっている。7インチのディスプレイでも、11.6インチディスプレイと同様に車両の設定やエアコン操作が画面上で可能となっている。ただし、11.6インチに比べてアイコンのサイズなども小さくなってしまうため、操作性は11.6には敵わないだろう。
スバル初! 多くの情報を見やすく表示『12.3インチフル液晶メーター』
ハンドルの前に表示されているメーターも大画面の12.3インチのフル液晶メーターとなった。こちらもスバル初採用で、EXグレードに標準装備されている。
画面表示は3モードから選ぶことができる。
・実績のある2眼メーターデザインを採用した『ノーマル』画面
・地図画面をメインに表示する『地図』画面
・アイサイト画面をメインに表示する『アイサイト』画面
運転シーンやユーザーのお好みで切り替え可能だ。画面の切り替えはハンドル左下の中央スイッチで行う。どのモードでも速度や燃料残量、水温など走行において必要とされる情報が見やすくレイアウトされている。
他グレードでは、従来と同じく、速度計や回転計に4.2インチ液晶を組み合わせたコンビネーションメーターも用意されている。
ライバルは再び周回遅れだ! 新型レヴォーグ搭載「アイサイトX」は+35万円の価値ありな超絶・高度先進運転支援機能だった
スバルを代表する先進運転支援技術「アイサイト」が、新型レヴォーグのフルモデルチェンジと共に大幅バージョンアップを遂げた! ベースとなる新世代アイサイトの進化も凄いが、今回はその上位版となる「アイサイトX」のスゴ技をご紹介! 再び他社を周回遅れに追い込んだ驚きの高度運転支援システムの全容を、モータージャーナリスト嶋田 智之のアツいレポートでご紹介する!
高度運転支援システム「アイサイトX」を支える数々の新技術
高精度地図や全画面液晶メーター、ドライバーモニタリングシステムなど多数の新アイテム
前回は新型レヴォーグ全車に搭載されるスバルの新世代アイサイトについてご紹介したが、今回はその上位版、高度運転支援システムというべき「アイサイトX」についてレポートする。
アイサイトXの充実ぶりは、実際にテストコースで体験してみて、おおお……と唸らされるものだった。
こちらはアイサイトの仕組みに加え、準天頂衛星をも利用したGPS情報と高精度地図データを活用して、主に自動車専用道路でアダプティブクルーズコントロールをONにしているときのアシスト機能をグッと高めたものだ。
具体的には3D高精度地図ユニット、アイサイトXの作動状況を解りやすく表示できる12.3インチのフル液晶メーター、運転者の動きを観察するドライバーモニタリングシステム、操舵の様子を高精度で検出するステアリングタッチセンサーといったデバイスが追加されている。
大歓迎! ハンズオフ機能の採用で渋滞時の負担が大幅に軽減する!
これらの新アイテム投入によって、アイサイトXでは「渋滞時ハンズオフアシスト」と「渋滞時発進アシスト」が可能になった。
ハンズオフは高性能地図データの中に登録されている道を時速50キロ以下で走るときのみ可能になるのだが、手放しでも自分の車線の中を全くフラつくことなく走るし、前走車に合わせての加減速もかなりスムーズである。
しかも、前走車が停止すれば自分のクルマも停止するというのはもちろんだが、前走車がスタートすればスイッチ操作もペダル操作も何もせずとも黙ってスタートし、自然に加速していくのだ。停止、発進、停止、発進。その繰り返しを当たり前のように、黙々とこなしてくれる。
つまり時速50キロ以下では完全なハンズフリー走行が可能、というわけだ(もちろん、ドライバーモニタリングシステムによりドライバーがよそ見などすると解除される)。
クルマを運転するのは好きだけど、渋滞の中で運転するのは嫌だ、という多くのドライバーに感涙モノといえる機能だろう。
渋滞や車線変更、カーブ前も安心できる
「アクティブレーンチェンジアシスト」も、かなり有効な機能だと思う。
簡単にいうなら、ウインカーを操作するとクルマがステアリングの制御を行って自動的に車線変更をしてくれるもの。
その際には移動しようとしている側の後方に別のクルマがいるかどうかを確認して、そのクルマが近づいてきてるなら車線を変えずに待機、そのクルマが自車を追い抜いていった後に車線変更を開始する、という流れだ。
車線変更が苦手な人に嬉しい機能であるのはもちろんだけど、ベテランであっても疲れてるときには確認ミスをおかしがち。助けられることもあるだろうと思う。
ACCの「ここが改善されればな」を実現! カーブ前速度制御・料金所前速度制御に注目!
「カーブ前速度制御・料金所前速度制御」もなかなかのものだった。例えば時速100キロで走行してるとき、高精度地図ユニットが時速70キロの通過が適切と捉えている急カーブのコーナー。
あるいは、時速20キロ以下の通過速度が推奨される料金所のETCブースに差し掛かると、アイサイトの前車追従機能付きクルーズコントロール(ACC)をセットしたままにしていても、適正な速度にまで自動的に減速をしてくれるのだ。
そしてそこをクリアすると、自動的に設定した速度へと回復する。その加減速の様子はとても自然。違和感らしい違和感を覚えさせないところにも感心させられた。
これで救われる命がある! 「ドライバー異常時対応システム」の素晴らしさに感服
自動通報サービス「ヘルプネット」などとも連動
最も感服させられたのは何かといえば、「ドライバー異常時対応システム」だった。その名のとおり、ドライバーが急病などで操作不能となった場合に、クルマを減速・停車させて事故のリスクを下げようという機能だ。
例えばアクティブクルーズコントロールで巡航しているときにステアリングを保持しない状態が続いたり、渋滞時ハンズオフアシストで走っているときにドライバーモニタリングシステムが異常を検知したりすると、まずは警告音で反応をうながす。
その時に反応がなければハザードランプを点滅させながら減速に移り、時速30キロ程度まで車速が落ちると断続的にホーンを鳴らすことで周囲に警報を与えながら車線内に停止させる、という流れだ。
どこかのタイミングでドライバーがステアリングに触れれば機能は中断できるし、またコーナーの途中で作動がスタートした場合には直線に入るまでは車両を停止させない配慮もある。この流れで自動停止した場合や車両が大きな衝撃を受けた場合には、コネクティングシステムを通じた緊急通報システムが稼働する。
僕は綺麗サッパリ意識がある状態で運転席に座って停止するまでを試したのだが、一連の流れの実にスムーズなこと! これで救われる命がいくつもあるのだ、ということが充分に予想できる体験だった。
これだけの超絶高機能が大画面縦型モニターナビとセットで35万円+税なら絶対に装備すべきだ
そしてこれも最も大切なことのひとつなのだけど、スバルがツーリングアシストと呼ぶ加減速とステアリングアシストを自動的に行うアダプティブクルーズコントロール。その動きがかなり自然で滑らかなものであることにも触れておくべきだろう。
特に車線の中央をキープするために介入してくるステアリングの制御も、だいぶムリヤリ感のない滑らかなものに感じられた。
ちなみにアイサイトXは、新型レヴォーグの3つの全グレードに+35万円(税抜)のオプションとして設定される。けれど今回あれこれとテストコースで体験してみて、可能であるならエクストラコストを支払ってでも備えるべき、と感じさせられた。
安全を得るためのこれだけの機能が大画面縦型モニターや高精度ナビ、液晶メーターなどとのセットで35万円というのは、間違いなくバーゲンプライスだと思うから。
スバルはこのレヴォーグを皮切りに他のモデルにも新世代アイサイトとアイサイトXを導入していくことになるのだろうけど、とりわけ世界でもトップレベルの領域にあるといっていい高度先進運転支援機能は、しばらくの間は充分なアドバンテージになることだろう。
(続く)
[筆者:嶋田 智之/撮影:小林 岳夫・SUBARU]
新型レヴォーグ STI Sport EXの主要スペック
スバル 新型レヴォーグ STI Sport EXグレード名STI Sport EX全長×全幅×全高4755mm×1795mm×1500mmホイールベース2670mm駆動方式AWD車両重量1580kg乗車定員5名エンジン種類水平対向 4気筒 1.8L 直噴ターボ(DIT)総排気量1795ccエンジン最高出力130kW(177PS)/5200~5600rpmエンジン最大トルク300Nm(30.6kg・m)/1600~3600rpmトランスミッションリニアトロニックCVT使用燃料レギュラー燃料消費率(JC08モード燃費)16.5km/L燃料消費率(WLTCモード燃費)13.6km/L
スバル「レヴォーグ」が激変!? 新型モデルはどう進化? 新旧モデルを徹底比較
■新型レヴォーグは外観より内装の進化がスゴイ!
スバルのステーションワゴン「レヴォーグ」がフルモデルチェンジし、2代目モデルに生まれ変わります。2020年8月20日より先行予約が開始されており、発表は同年10月15日、発売は年内と予定されています。
従来モデルと比較して、新型レヴォーグはどう進化したのでしょうか。進化の度合いをチェックしてみます。
新型レヴォーグのデザインは、従来モデルからのコンセプトを引き継いでいますが、スバルのデザインコンセプトである「ダイナミックソリッド」の進化系である「BOLDER」を量産車として初採用するなど、新たなテーマが取り入れられました。
フロントは、ヘキサゴングリルをより明確な六角形とし、コの字のヘッドランプを小型化して外側に配置することでワイド&ローなイメージを実現。ヘッドランプはポジションランプとターンランプを切り替える機能を備えています。
リアのコの字のコンビネーションランプもフロントと同様に車両外側に配置し、ブラックのパーツでつなげることでワイド感を強調。従来モデルと比べてスポーティでシャープな印象となるとともに、リアバンパーには高速操縦安定性を高めるエアアウトレットが装着されるなど、性能向上の役割も果たしています。
ボディサイズは全長4755mm×全幅1795mm×全高1500mm(参考値)と、従来モデルに比べて全長が65mm、全幅が15mm拡大し、ホイールベースは25mm延長。
外観はキープコンセプトだった一方、内装は大きく変更が加えられ、これまでのスバル車にない革新的なデザインになりました。
従来モデルでは、中央のディスプレイとその上部に「マルチファンクションディスプレイ」が2段構えで装備されていましたが、新型レヴォーグでは中央に縦型の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイを配置。
さらに、メーターパネルを12.3インチフル液晶メーター(EXグレード)とすることで、先進的な空間を実現しました。
11.6インチセンターインフォメーションディスプレイは、空調やオーディオなど各種設定を集約し、タブレットのように直感的な操作が可能です。
また、「六連星」をエンブレムに採用するスバルらしく、ディスプレイの背景に星空が描かれているのもポイントです。
12.3インチフル液晶メーターは、運転支援システム「アイサイト」の状態を表示するとともに、デジタルマップも表示できるなど、任意で切り替えることができます。
フロントシートは触り心地が良く、疲れにくいシートを採用。横Gがかかるようなスポーティなドライビングでも、肩部とクッションがドライバーを支えて運転姿勢を崩さない形状となりました。
ホイールベースの延長によって、後席の足元スペースは5代目「レガシィ」に匹敵するレベルを実現しています。
従来モデルから装備されている後席リクライニングやアームレストに加え、USBポートや空調の吹き出し口を新たに採用することで、後席の居住性アップが図られました。
荷室も広く確保し、従来モデル比で開口部は30mm、中央部は20mm拡大するとともに、サブトランクは1.7倍の大容量としました。
リアゲートは、中間グレードと上級グレードに「ハンズフリーオープンパワーリアゲート」が採用され、スバルエンブレムに手や体を近づけるとリアゲートが自動でオープンし、荷物で手がふさがっているときなどに便利な機能を搭載しています。
■新開発の1.8リッターターボエンジンやアイサイトXを搭載
新型レヴォーグのプラットフォームは、「インプレッサ」から採用されている「スバルグローバルプラットフォーム」にフルインナーフレーム構造を組み合せ、接着剤の塗布範囲拡大や樹脂リンフォース採用などにより、ボディ剛性が大幅に向上。新次元の走りを実現しました。
エンジンは、従来モデルの1.6リッターターボおよび2リッターターボに代わり、新開発の1.8リッター水平対向4気筒直噴ターボ(CB18)が搭載され、最高出力177馬力/最大トルク300Nmを発生。従来モデルの1.6リッターターボエンジンと比べて、7馬力/50Nmアップしました。
トランスミッションは新型リニアトロニック(CVT)を採用。駆動方式はAWD(常時全輪駆動)です。
さらに、リーン燃焼技術で燃費性能を向上させ、WLTCモードは17インチタイヤ車が13.7km/L、18インチタイヤ車が13.6km/Lを実現。JC08モードでは16.6km/Lと、従来の1.6リッターターボモデルの16.0km/Lよりも向上しています。
先進安全性能では、新世代のアイサイトを全車標準装備し、広角化したステレオカメラや前側方レーダー、電動ブレーキブースターによって、幅広いシーンで衝突回避をサポートします。
衝突回避の新機能として、「プリクラッシュステアリングアシスト」と「前側方プリクラッシュブレーキ・前側方軽快アシスト」や、車線変更・逸脱時に、隣接する車線の接近車両を検知し、警報とステアリング操作をアシストする「エマージェンシーレーンキープアシスト」をスバル国内初搭載しました。
さらに、準天頂衛星やGPSからの情報と、3D高精度地図データを利用した自動車専用道路での先進運転支援システム「アイサイトX(エックス)」が新たに設定されます(EXグレード)。
高速域で、カーブ前や料金所前で減速制御をする機能や、ウインカーと連動して自動でレーンチェンジをおこなう「アクティブレーンチェンジアシスト」、渋滞時は、「渋滞時ハンズオフアシスト」や「渋滞時発進アシスト」をスバル初搭載。「ドライバー異常時対応システム」といった機能も装備されました。
従来モデルでは後から追加されたスポーティグレードの「STIスポーツ」ですが、新型レヴォーグでは発売と同時に設定されています。
STIスポーツには専用の内外装が与えられるとともに、電子制御ダンパーがスバル初採用され、上質な乗り味とスポーティな走りを両立しました。
さらに、ボタン操作ひとつでクルマのキャラクターを変更できる「ドライブモードセレクト」を初めて搭載。
従来モデルにも搭載されている「SIドライブ」の制御だけでなく、パワーステアリングやダンパー、AWD、アイサイト(ACC)、エアコンなどの制御を加え、4つのモード「コンフォート/ノーマル/スポーツ/スポーツ+」で切り替えられます。
「コンフォート」モードでは、高級車並みの乗り心地と快適性を味わえる一方、「スポーツ+」モードは、スポーツカー並みの操縦安定性とトルク感、ダイレクト感のある走りを実現するなど、複数のクルマの性能を1台に併せ持った制御を可能としました。
※ ※ ※
昨今はSUVやミニバンが人気で、ステーションワゴンの需要が減りつつありますが、そんな逆境のなかで登場する新型レヴォーグは、スバルが持てる技術をすべてつぎ込んだモデルです。
「レガシィ ツーリングワゴン」から続くグランドツーリング思想に加え、革新性を身につけた新型レヴォーグに、期待が高まります。
【画像で解説】シートが絶品すぎる! 新型レヴォーグのインテリア&新開発シートをチェック!
2020年10月15日にフルモデルチェンジを実施するスバルの新型レヴォーグ。発売を前に8月20日から早くも販売店での先行予約も始まりました。今回はそんな新型レヴォーグのシートをピックアップしてご紹介したいと思います!
疲れにくい快適性と高いホールド性を実現した新開発シート
新型レヴォーグは、走りの質感を高める為、スポーツシートも革新的な進化を遂げています。
先代モデルは横G負荷時に姿勢が崩れてしまい荷重が移動し、特に肩で局所的に上体を支える傾向だったのに対し、新型では横G負荷時でも背中全体~脇で保持できるようになっています。
【スバル・アイサイトの裏事情】なぜ技術で他社先行できる? ぶつからないクルマ スバルにしかない拘りとは?
スバル・イメージ 継承と超・革新
text:Kenji Momota(桃田健史)
スバルといえば……。
水平対向エンジン、シンメトリカルAWD、WRC(世界ラリー選手権)、雪道走行が得意な生活四駆。
従来のスバルイメージに加えて、最近のスバルといえば、アイサイト。
それが一般常識になっている。
なぜなのか?
アイサイトが世界市場において、高度運転支援技術(ADAS)の分野をリードしてきたからだ。
技術進化に対して、スバルは手を緩めることはなく、周知の通りさらなる進化を遂げた。
今年(2020年)10月15日に日本国内発売が始まる、新型「レヴォーグ」ではスバルが「次世代アイサイト」と呼ぶアイサイトとしてのフルモデルチェンジをおこなう。
ハードウェアとしては、ステレオカメラを刷新し、さらにフロントバンパー両端に周波数帯域77GHzミリ波レーダーを装着。
これにより、交差点での右折対向車では自車速度1km/h~約20km/h、対歩行者では自車速度10km/h~20km/h以下で衝突回避をおこなう。
目の前を横断する自転車についても、自車速度約20km/~60km/hで対応する。
また、電動ブレーキブースターを新採用し、衝突回避の精度をさらに上げた。
こうした、道路環境のどこで、どのような対象物に適合するかは、大前提として世界的な共通認識がある。
それが、JNCAPやユーロNCAPに代表される、アセスメントという考え方だ。
そもそもアセスメントとはなにか?
クルマの性能の基本は、走る・曲がる・止まるの三要素だ。
車両スペックでの性能表記は、エンジン出力・トルク、そして燃費。電動車では満充電での航続距離。乗り心地やハンドリングでは、車体構造や剛性、サスペンションのシステム。
また、インフォテインメントと呼ばれる車内での音響・画像・通信の使い勝手も重要になる。
こうした平時の走行状態での性能とは別に、緊急事態を想定したクルマの性能がある。
衝突など事故に対する、「事故後」と「事故前」の性能だ。
技術的な進化は、「事故後」が先行した。これを衝突安全性能という。衝突してしまった後に、乗員をどのようにして守るか、という観点だ。
具体的には、エアバックや、クラッシャブル(上手く壊れる)を想定した車体構造の設計、ブレーキ性能、シートベルト性能などがある。
衝突安全性能に対して、国など行政機関が主体となる第三者機関が独自に車両を購入し、衝突実験をおこなった結果と評価レベルを一般公開するのがアセスメントだ。
自動車メーカーに対してさらなる技術改善を求め、ユーザーに対してはクルマ選びの手助けとなる。
日本では1995年から各項目で順次、実施されている。
そして近年注目が集まっているのが、「事故前」。予防安全性能だ。
その筆頭にいるのが、スバルのアイサイトである。
大勢は「アセスメントありき」?
ぶつからないクルマ。
スバルが2008年から、テレビCMなどで訴求を始めた、予防安全技術アイサイトの宣伝文句である。
効果てきめんで、「レガシィ」や「インプレッサ」ではオプション設定の枠組みを超え、アイサイト装着グレードが売れ筋となった。
この頃、衝突被害軽減ブレーキは、日本での予防安全技術のアセスメント試験項目ではなかったが、スバルは欧州市場での動向や日本市場の今後を睨み「アイサイトを、スバル車の差別化要因として強化する」戦略を進めた。
時期としては、スバルの北米市場シフトとも重なることから、日本市場でディーラーがスバル車を売れる体制作りを構築する上でも、アイサイトで予防安全技術を先行する必要があった。
予防安全性能が日本でアセスメントの試験項目になったのは2014年度と、まだ日が浅い。
試験項目は、衝突被害軽減ブレーキでは、対車両(2014年度~)、対歩行者・昼間(2016年度~)、対歩行者・夜間・街灯あり(2018年度~)、対歩行者・夜間・街灯なし(2019年度~)。
その他、車線逸脱抑制(2018年度~)、アクセルとブレーキの踏み間違い時加速抑制装置性能(2019年度~)と対象が拡大している。
これらを見てわかるように、自動車メーカー各社はアセスメント対応で予防安全技術の開発が必然となったのだ。
スバルの拘り/優位性どこにある?
ぶつからないクルマの技術開発が盛んになる中、スバルの優位性はどこにあるのか?
アイサイト開発統括者は「実験(担当部)が性能の達成目標を立てること。その評価をもとに設計(担当部)が連携する。さらに、部品サプライヤーでもカメラ製造のティア1はもとより、イメージセンサーや画像認識に直接関係する半導体メーカーとスバルは直接交渉しています」と、他社ではやらないスバルの拘りがあると説明する。
次世代アイサイトでは、ティア1として、これまでの日立オートモティブシステムズ製からスウェーデンのVEONEER製に変更された。ティア2では米オンセミコンダクターと
ザイリンクスとなる。
他銘では、ティア1としては、ドイツ大手のボッシュやコンチネンタル。
画像認識技術では、BMW、GM、ボルボ、日産、マツダが使う、インテル傘下のイスラエル・モービルアイ。
また、メルセデス・ベンツはエヌビディアとのビックデータ事業を含めた総括的な連携を発表したばかりだ。日系では、トヨタ系のデンソーが主流だ。
次世代アイサイトはオプションとして、高速道路での高精度三次元地図との連動を採用している。
スバルはこれからも、ユーザー目線第一で、アイサイトの熟成を進める。
【スバル レヴォーグ 新型】インフォテイメント系はデンソー、地図データはトヨタマップマスター製
新型スバル『レヴォーグ』に乗り込んで、真っ先に目に飛び込んでくるのがダッシュボード中央の大型ディスプレイだ。さらにエンジンをONにするとメーター内ではスバル初のフル液晶メーターが表示される。いずれも新たなオプション「アイサイトX」の選択で装備される注目のシステムだ。
◆インフォテイメントシステムの開発はデンソーが担当
この「アイサイトX」は新型レヴォーグの全グレードに+35万円でメーカーオプションされる。高速道路での「渋滞時ハンズオフアシスト」や、「ドライバー異常時対応システム」など、先進安全運転支援システム(ADAS)系オプションとして注目される一方、このディスプレイ関連の充実も「アイサイトX」の大きなポイントとなっているのだ。さらにスバルのコネクテッドシステム「STARLINK」にも日本で初めて対応し、緊急時のヘルプ体制を整えた。なお、このシステム開発はデンソーが担当した。
ダッシュボード中央の型ディスプレイの画面サイズは11.6型のタテ型。画面内には各機能がアイコンとして表示されており、そのスタイルはタブレットそのもの。アイコンの配置も自由に並び替えられ、使う頻度が高いものを右側に集中させることもできる。並べ替えの方法も、アイコンを長押しして移動をアクティブにしてドラッグするだけだ。この辺りもタブレットと同様の使い方ができ、スマートフォンに慣れ親しんでいる人ならすぐに使いこなせるだろう。
このディスプレイでは車両側のADAS機能の設定も行える。たとえばアイサイトの車線逸脱警報やステアリング連動ヘッドライトのON/OFFなどが設定でき、他にも多彩な機能を対象としている。このディスプレイで設定することで新型レヴォーグが自分好みの設定で使えるようになるのだ。
このディスプレイを上下で挟み込むように装備されたのが、上側に用意されたマルチファンクションディスプレイ(MFD)と、下側のエアコン用ディスプレイで、双方とも専用ディスプレイとなる。さらにシステム電源のON/OFFをはじめ、ボリュームやミュート、エアコンの温度UP/DOWN、デフロスターなどはハードキーとして用意された。オーディオのボリュームは回転式で調整がしやすいし、エアコンにしても上下のシーソーキーとなって確実な操作感をもたらしているのは使い勝手の上からも好ましい。
◆地図データはマップマスター製。更新は「全更新」「差分更新」の2通り
スマートフォンとの連携ではApple CarPlayとAndroid Autoのいずれにも対応を果たしている。これを使えば、それぞれのアプリ上で設定した目的地を反映できるようになり、クルマに乗り込んでから設定するという煩わしさはなくなる。ただし、いずれのアプリを展開するときはシステムと切り離され、測位もスマートフォン側のGPSだけとなる。一方で、アプリで探した目的地の座標をカーナビゲーションに転送できる「NaviCon」には対応しなかった。多くのナビが対応している中でこの対応はちょっと残念に思う。
カーナビゲーションで使う地図はトヨタマップマスター製を採用した。地図更新にも対応するが、システムに通信機能を備えなかったため、手持ちのスマートフォンをテザリング接続することで可能となる。地図更新は全更新と差分更新の2通りがあり、差分更新はおそらくトヨタ製ナビと同様に主要道路などは早いタイミングで更新すると思われる。ちなみに、「アイサイトX」で使う3D高精度マップはナビゲーションの地図とは別に備えており、こちらの更新はディーラーにて年4回ほど行うことになるそうだ。
気になるのは地図データの更新費用で、カーナビ用地図についてはおそらく差分更新は無料で、全更新は有料となるのではないか。この辺りについて担当者は「詳細は未定だが、おそらく最初の一定期間は無料で更新でき、その後は有料になるイメージでいる」と話した。この辺は正式な発表を待ちたい。
「アイサイトX」を選択して加わるもう一つの機能がメーター内に収まる12.3インチのフル液晶メーターだ。この採用によって、好みに合わせて表示が選べるようになった。一般的な2眼メーターをはじめ、ナビゲーション機能も備えた地図、アイサイトの制御状態をメインとした表示の3種類を備え、好みに応じて切り替えられる。その表示はいずれもデジタルっぽさがなく、自然な感じで表現されているのは好印象。なお、地図表示のスケールは固定となるとのことだった。
◆コネクテッド機能は「SOSコール」と「iコール」にのみ対応
このシステムでは、「STARLINK」による「SOSコール」にも対応した。そのために専用の通信機を備え、エアバッグが展開するようなアクシデントに見舞われたときは、自動的にコールセンターにつながり緊急車両やドクターヘリなどの要請を代行してもらえる。また、前席の頭上には専用ボタンを装備されており、体調不良などで運転が困難になったときもSOSボタン(赤いボタン)を押すだけでコールセンターにつながる。一方、車両の故障時などで助けを求めたいときは青い“i”ボタンを押すと「iコール」としてアドバイスが得られ、ロードサービスの手配もコールセンターがサポートするという。
一方で、音声認識機能はネットワークには接続せずシステム内で行う。そのため、目的地を探すには階層を順番に掘り下げていく形となり、一発で目的地を告げて検索してくれるフリーワード検索には対応していない。せめてスマートフォンを接続したときぐらいは実現して欲しかったのだが、担当者によれば「今回はそこまでは対応できなかった」と話す。ならば「NaviCon」に対応するとか、スマートフォンで探した目的地を転送できるようにすれば使い勝手はかなり解決できるのではないだろうか。
とはいえ、レヴォーグではこれまで専用ナビをディーラーオプションで対応するにとどまっていたが、新型ではメーター内のフル液晶メーターや大型ディスプレイによるインフォテイメントシステムを採用するなど、従来とはまったく別世界を築いたとも言える。その進化ぶりは画期的ともいえるものだ。機能的にはまだ物足りない部分もあるが、スバルは年次改良で見違えるような進化を遂げることが多い。今後はSTARLINKを活かした、さらなる進化を期待したい。
新型レヴォーグは荷室も凄い! ワゴンの老舗ブランドSUBARUらしいノウハウを画像でサクッとチェック!
ミニバンやSUV全盛の中、やはりスバルといえば「ワゴン」! そんなイメージを強く持つユーザーは多いはずだ。新型レヴォーグでは、そうしたスバルの伝統がしっかり息づいている。今回は新型レヴォーグの荷室について特集。豊富な撮りおろし画像と共にご紹介する!
スバルらしい生真面目な荷室の造り
新型レヴォーグのボディサイズは全長4755mm×全幅1795mm×全高1500mm。イマドキの主流派である背の高いミニバンやSUVとは違い、ずば抜けて車体のボリュームが大きいという訳でもなく、日本の街並みでも使い勝手の良いサイズというのがポイントだ。
そんな中で、スバルはレオーネ、レガシィ、レヴォーグと数十年に渡り日本のユーザーに最適な4WDワゴンを造り続けてきたノウハウがある。新型レヴォーグでもそうした伝統を生かし、スバルらしい生真面目な荷室の造りも大きな見どころとなっている。
荷室の使い勝手を画像でサクッとチェック!
新型レヴォーグの荷室容量は561リットル。荷室奥行きこそ1070mmと先代同等だが、初代レヴォーグに対し39リットルも容量を拡大させているのだ。
中でも、新型レヴォーグでは荷室床下のサブトランクを大幅に拡げたのが特徴。ここだけで69リットルの容量を確保した。初代レヴォーグでは40リットルだったから、実に+29リットルの拡大だ。例えばスノーボードブーツを立てて入れたりすることが可能となった。
しかも買い物袋などが転がらないよう、吊り下げるフックも4か所に用意される気配りが嬉しい。
後席は新たに4:2:4の分割可倒式シートとなった。これにより中央のみ倒し長い荷物を載せながら、後席に2名が座ることも可能となる。なお荷室の最大幅は1602mm。左右には小物が収まるトレーポケットが用意されるから、転がりやすい洗車道具などを置いておくことも可能だ。
10月15日の正式発売の際にはぜひ荷室のチェックもお忘れなく!
電動で開くテールゲートには、ハンズフリーオープン機能が備わる。スバルのエンブレムである六連星(むつらぼし)オーナメントに体を近づけると自動で開く仕組み。荷物で手がふさがっていたり、手が汚れている際などには非常に便利な機能だ。
ちなみに開閉時間はわずか4.7秒(スバル調べ)。他社製品に比べスピーディな動きなのもイイ。
このように新型レヴォーグでは、荷室ひとつとってもこだわりにあふれているのがわかる。2020年10月15日正式発売の際には、ぜひ実車の荷室もチェックして欲しい。
[筆者:MOTA編集部/撮影:小林 岳夫・SUBARU]
レヴォーグ、イッキに未来へ! 劇的進化のインフォテインメントシステムに驚く! スバル 新型レヴォーグ 徹底解説&試乗
ここまで、スバル 新型レヴォーグの大きな特徴3つのうち2つについて解説してきたが、今回は3番目。インフォテインメントシステムはじめ日常的な使い勝手の進化についてだ。生真面目なスバルらしい進化が感じられる2代目レヴォーグの詳細をサクッとご紹介する。
走りやアイサイトの進化だけじゃない! レヴォーグのバージョンアップは他にもたくさん
テストコース内の限られたシチュエーションではあったけど、走りは全体的にますます良くなって、もともとのスポーティな持ち味にも磨きがかかった。先進運転支援システムは大きく進化して、“もっとぶつからないクルマ”になった。
それだけでも充分に喜ばしいのだけど、新しいレヴォーグがバージョンアップしていたのは、そこだけじゃなかった。
ちょっと駆け足になっちゃうけど、触れておきたいと思う。
11.6インチの縦型インフォメーションディスプレイ&液晶メーターに注目!
未来過ぎる! でも妙に落ち着くレイアウト
まずはインテリア関連。ダッシュボード周りがこれまでよりもクッキリした安定感のある水平基調のTの字ベースのデザインになって、視覚的にちょっと落ち着いた感がある。
そのTの字の縦と横の交わるところに位置する主役的な存在が、新たに設けられた大画面11.6インチの縦型インフォメーションディスプレイだ。
さまざまな操作系統、設定系統の機能がここに集約され、ナビゲーション、オーディオ、エアコンなどの飛躍的よく使う機能も、音声認識と並行してこちらで操作することができる。
Apple CarPlayやAndroidAutoなどスマホとの連携機能も、もちろん備わっている。iPadのようなタブレット端末を操作する感覚で使うことができるのは、やっぱり便利だと感じる。
メーターも12.3インチのフル液晶画面に
メーターパネルは、新たに12.3インチのフル液晶となった。通常の画面では速度計と回転計という2眼メーターを中心とした表示となるが、インフォメーションディスプレイと連携してナビゲーションを表示できる画面や、アイサイトの状況を中心とした画面に切り替えることもできる。
誕生した年を考えれば仕方ないことだけど、初代レヴォーグはこの分野では立ち後れたかたちになっていた。それがこのタイミングでの考えられる最良のレベルに達した、と考えてもらっていいだろう。
ちなみにこれらはEXグレード系に標準装備される。
スバルのノウハウがたっぷり反映されたシートや荷室の進化に感心
きっとこういうシートは長く乗っても疲れにくい
新型レヴォーグは、シートもよくなったな、と感じた。
形状そのものやウレタンの硬さ、バネの特性、身体を支持するプレートなどに手が入っているというが、腰がちゃんと包み込まれて背中の座りもいいから、スラロームのような区間でもホールド性には満足できるしドライビングの姿勢が崩れない。支えて欲しいところをしっかり支えてくれるという印象だ。
実際にこれでロングを走ったわけじゃないから、あくまでも経験から来る予想みたいなものだけど、こういうシートは疲れにくい。
荷室の進化もワゴンの老舗SUBARUブランドならでは
ステーションワゴンとして重要な荷室も、使い勝手がさらによくなった。
リアゲートの下側の方の開口部の横幅がざっくり3cmほど広くなってるし、荷室の床下に設けられたサブトランクの容量が29リッターも大きくなった。
床上と床下を合わせて、荷室容量は先代より+39リッターの561リッター。ゴルフバッグ4つをそのまま積めて、後方視界もしっかり確保できる広さだ。
こっちのほうがイイじゃん! 他社とは一味違う「ハンズフリーオープンパワーゲート」
リアゲートにも嬉しい仕組みが組み込まれていた。
リアゲート中央部のスバルのエンブレムに肘をかざすだけで、ゲートが自動的に開くハンズフリーシステムが備わっている。両手で大きな荷物を抱えているとき、雨の日に傘で片手が塞がってるときには、これはとても便利である。
バンパーの下に足を入れると自動で開くシステムが主流だけど、大きかったり重かったりする荷物を持っているときにはバランスを崩しやすかったりもするから、屈んで肘をかざすだけで済むこちらの仕組みの方が使いやすいかも知れない。
[筆者:嶋田 智之/撮影:小林 岳夫・SUBARU]
新型レヴォーグ、買っちゃいました! リアルな価格から家内の意見衝突まで大暴露
東京モーターショー2019のスバルブースで、たくさんのギャラリーを惹きつけていた次期レヴォーグのコンセプトカー。私もずっと、量産車の登場を楽しみにしていた1人でした。でもまさか、購入することになるとは! 実はちょっと想定外の急展開だったんです。
決め手は取り回し! 使い勝手や子供のクレーム解消すべく乗り換えの時が
独身時代に一目惚れで購入し、結婚して子供が生まれてからも10年乗り続けてきた2+2シーターのコンパクトクーペは、なんとか後席にチャイルドシートも装着できるし、ひとりで仕事に出かける時や、ちょっとした買い物のアシには最適。
幾度となく買い替えを検討しつつも、それほどビビビとくるクルマも現れず、ファミリーカーとしては3列シートのミニバンも所有していたので、なんとなくそのまま月日が流れていたのでした。
しかし、子供というのはあっという間に育つものですね。5歳になり口も達者になって、後席が狭い、景色が見えない、暑い、などなどクレームの嵐に。
そして引越しをした家の周辺が狭い道だらけで、ミニバンの取り回しがかなり難儀するようになってしまったことも、悩みのタネとなりました。
実はGRヤリスやMINIなども検討土台に上がっていた
なので最初は、4ドアで小回りのいいコンパクトカーとして、RRのルノー トゥインゴや、パパが遊べて喜びそうなトヨタ GRヤリス、MINIの5ドアや小さめのSUVなども検討していたんです。
ただ、安全性を最優先に考慮した時に「本当にそうしたコンパクトカーでいいのかな?」という疑問が。
私がいちばん守りたいのは後席の子供です。後ろから衝突された時のことも考えると、やはり物理的にもう少し大きなサイズで、取り回しのいい4ドアモデル、というのが理想的なのでは? と思ったのです。
心打たれたのはアイサイトX! 新型レヴォーグ購入意欲に火がついた
となると、日本の道を考え抜いて開発されたレヴォーグは、私たちの理想に近いはず。しかも以前から信頼をおいているアイサイトは、カメラだけでなくレーダーも搭載して飛躍的に進化するとの噂で、安全性でも期待が膨らんでいました。
そして、そんな想いを抱きながら夫婦で出かけたプロトタイプのクローズドコース試乗会(あ、私の夫もモータージャーナリストなんです)。
そこで見たデザインにまず「カッコいいな」と思い、渋滞時のハンズオフや緊急時の停止機能など、先進の運転支援技術が詰まった「アイサイトX」の素晴らしさに脱帽。
最後に夫婦で運転席と後席を交代して試乗し、あまりの運転しやすさ、気持ちのよい操作感、乗り心地の良さにすっかり感心。
その時は、私よりも夫の方が「欲しい」と火がついていた感じです。
受注開始の翌日、夫は買う気マンマン、私はまだ価格もわからない状況なので、ちょっと冷静に「子供も気に入ってくれたら買おうかな」くらいの気持ちでディーラーへ。
全6グレードを展開! 310万円から手が出せる
新型レヴォーグのグレードは、ベーシックな「GT」(税込310万2000円~)。中間の「GT-H」(税込332万2000円~)。上級の「STI Sport」(税込370万7000円~)の3本柱構成。
それぞれ高度運転支援システムの「アイサイトX」と「アイサイトセイフティプラス」の視界拡張(デジタルマルチビューモニター)などが標準装備される「GT EX」「GT-H EX」「STI Sport EX」があり、計6グレード展開。EXはそれぞれ38万5000円アップです。
スバル レヴォーグ グレード価格GT(ベースグレード)310万2000円~GT EX(ベースグレード+アイサイトXを含む高度運転支援システムを標準装備)348万7000円~GT-H(中間グレード)332万2000円~GT-H EX(中間グレード+アイサイトXを含む高度運転支援システムを標準装備)370万7000円~STI Sport(上級グレード)370万7000円~STI Sport EX(上級グレード+アイサイトXを含む高度運転支援システムを標準装備)409万2000円~装備だけで見ると、私が欲しいアイサイトXをはじめ、運転席&助手席パワーシートや、後席左右のシートヒーター、手をスバルエンブレムにかざすと自動開閉する「ハンズフリーオープンパワーリアゲート」といった装備は、すべて「GT-H EX」で手に入ります。
夫の欲望が炸裂! 最上級グレードのSTI Sport EXを妻へプッシュ
おおまかな予算が400万円前後だったので、それなら収まるかなと思っていたら、夫から「ちょっと待った~!」。
いわく、私たちがさんざん試乗して感動したのは、ZF製電子制御ダンパーやドライブモードセレクトが唯一装備された「STI Sport」だったじゃないかと。
見た目だって、STI専用フロントグリルやバンパー、STIロゴ入りの大型デュアルマフラーカッターになるし、インテリアはボルドーとブラックがオシャレな専用本革スポーツシートになるぞ、と。
それが「GT-H EX」からたった38万5000円アップの409万2000円(税込)で手に入るんだから、お買い得だ! と言い張るのです。
女性に嬉しい機能があるのも把握済み!? 夫の匠? な交渉術
でもそう言われてよく考えると、STI Sportにしかない「ドライブモードセレクト」には、ノーマル/コンフォート/スポーツ/スポーツプラス/インディビジュアルが選べて、コンフォートを選ぶと走りだけでなく、「エアコンマイルドモード」という設定になり、湿度を下げずに涼しくしてくれるという女性に嬉しい気遣いが。
それに、これまたSTI Sportだけに装備される電子制御ダンパーは、確かに安定した走りはもちろん後席の乗り心地もよかったから、文句ナシ。ということで、グレードは「STI Sport EX」に決定したのでした。
オプション選びは家族の意見が割れる時! 実際に起きた意見のズレ
次に注文時に決めておくべきメーカーオプションでは、レスオプションにしてもらったのが「スマートリアビューミラー」。
理由は、老眼がはじまってしまった夫が「パッと見た瞬間にピントが合わなくて困る」から。私もとくになくてもいい装備だったので、賛同。
ドラレコで早速意見が割れた! 妻の一声で決着
対して揉めたのが、私が欲しいと言った前後録画つきのドラレコ。
「ETC2.0車載器とのセットで、取付キットやセットアップを含めて14万195円は高い」と夫は言うのです。
確かにカー用品店で単品で購入してセットアップしてもらう方がリーズナブルかもしれないけど、手間もかかるし時間もかかるのは目に見えてます。
「じゃあアナタ、それ全部やってくれるんですよね?」
夫にそう詰め寄ると、「いや、やっぱりオプション付けよう」とコロリでした(笑)。
私はさらにドアバイザーも欲しかったのですが、夫の「見た目がダサくなるからいらない」という猛反対により却下となってしまいました。雨の日に換気したい時とか、便利なんですけどね。
細かなオプションが必要なら丸ごと入ったベースキットがおすすめ
あとは、フロアマット(3万6740円)はどうしても必要なのと、デイライトもあったほうがいいだろうと言うことで、LEDアクセサリーライナー(5万4780円)もオプションで追加。
となると、それだけでも9万1520円になるところを、プラスしてカラードナンバープレートベース、ナンバープレートロック、ホイールロックセットが付いて合計10万4940円のベースキットの方がお得なのでそちらを購入。
もっとも難儀したのはボディ色選び! スバルならではのWRブルーで子供を説得
これでめでたく完了かと思いきや、最後まで子供も含めて揉めに揉めたのが、ボディカラーでした。
夫はブラック、子供はレッド、私はネイビーがお気に入り。
STI Sportはシートがボルドーなので、夫と私は「赤はないかなぁ」と思ったのですが、子供がガンとして譲らない。
なので最後は、STI Sportでしか選べない専用色、WRブルー・パールにして「これはね、すごく特別な色なんだって」とプレミア感を出して子供を説得し、ようやく決まったのでした。
STI Sport EX+オプションで440万円也! 今ならまだ年内納車が間に合うかも?
こうして私たちが選んだ新型レヴォーグは、車両本体価格、付属品価格、保険や税金などの諸費用の合計が占めて447万9775円。
当初から基本的に値引きはナシと聞いていたのですが、そこから、私が10年乗った走行距離約15万kmのクルマに下取り額5万円つけていただき、リサイクル預託金相当額の1万2220円も戻ってくるので、それらを引いて支払い総額は441万7555円。
なんと下3桁がスバルらしい「555」と、縁起良く(?)決着したのでした。8月21日に注文して、気になる納期は11月下旬の予定とのこと。
もしかしたら12月頭にずれ込む可能性もあると言っていましたが、年内には我が家にやってきそうです。
夫は今からすでに、STIのエアロパーツとか、ハンドリングが変わると評判のフレキシブルタワーバーをつけたいなどと、毎日カタログを見てはニヤニヤ。
私としては、納車されたらしばらくは素のままで楽しみたいと思っているんですが、どうなることやら。
でも何はともあれ、新しいレヴォーグとの毎日を想像しつつ楽しみに待ちたいと思います!
[筆者:まるも 亜希子]
パーツごとに分けて詳しく解説! 発売前から大注目のスバル 新型レヴォーグの良さとは?
2020年10月15日にフルモデルチェンジを実施するスバルの新型レヴォーグ。発売を前に8月20日から早くも販売店での先行予約も始まりました。そんなレヴォーグを今週1週間「フロントマスク」「リア」「インパネ」「シート」「荷室」と細かく分けてご紹介。今回はまだその記事を読んでない方必見のまとめ編です。
新型レヴォーグもスバルらしさテンコ盛り! 画像で新型レヴォーグの顔をチェック
8月22日に先行予約がスタートしたスバル 新型レヴォーグ。月曜はそんなレヴォーグの顔にフォーカスしてみます。
新型レヴォーグのデザインは、スバル車の伝統であるヘキサゴングリルを中心に、左右へ広がっていくような力強い造形となっているのが特徴です。グリル位置自体も低く、ボディのフォルムがグッと前傾姿勢に見えるよう工夫されています。
よーく見るとスバルファン垂涎のアイテムだらけ・・・!?
塊感のあるスタイルに! 新型レヴォーグのリアをチェック!
火曜はレヴォーグのリアをピックアップしてご紹介したいと思います!
新型のレヴォーグは現行型に比べて丸みが減り、スポーティーになりました。
LED化したコンビランプを薄く仕立て、モダンな感じを出すとともに、バンパー両端のせり上げを止めることでリアフェンダーのワイド感を出し、印象的に。全幅はあまり変わらないのに幅広くなった感じがします。
スバル国内初の自動でリアゲートが開けられるハンズフリーオープンパワーリアゲートを採用などレヴォーグの進化具合がハンパないリアにご注目!
新型レヴォーグが未来すぎる! 縦型センターディスプレイの衝撃を画像でチェック
水曜は、注目が集まっている巨大な縦型ディスプレイ『11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ』や、使用者の好みに合わせて3つのモードが選べる『12.3インチフル液晶メーター』を搭載した『新型デジタルコックピット』がどんな機能・装備なのかを紹介します。
従来のスバル車では、ナビとインフォメーションが分かれていましたが、今回それらを統合。大画面のタッチ操作となったことで、簡単で分かりやすく設定できるようになりました。さらにエアコンのハードスイッチと集約させたことで、ユーザーインターフェイスが格段に高まっています。
シートが絶品すぎる! 新型レヴォーグのインテリア&新開発シートをチェック!
木曜はシートをピックアップしてご紹介したいと思います!
新型レヴォーグは、走りの質感を高める為、スポーツシートも革新的な進化を遂げています。
先代モデルは横G負荷時に姿勢が崩れてしまい荷重が移動し、特に肩で局所的に上体を支える傾向だったのに対し、新型では横G負荷時でも背中全体~脇で保持できるようになっています。
疲れにくい快適性と高いホールド性を実現した新開発シートとは・・・?
新型レヴォーグは荷室も凄い! ワゴンの老舗ブランドSUBARUらしいノウハウを画像でサクッとチェック!
金曜は新型レヴォーグの荷室について特集。豊富な撮りおろし画像と共にご紹介します。
レヴォーグの荷室容量は561リットル。荷室奥行きこそ1070mmと先代同等ですが、初代レヴォーグに対し39リットルも容量を拡大させています。買い物袋などが転がらないよう、吊り下げるフックも4か所に用意されるなど、気配りもあるクルマのよう?
Posted at 2020/08/30 20:45:57 | |
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富士重工 | 日記
2020年08月30日
「この楽しさは完全にハチロクだ!」BMW(E36型)の4気筒モデルはサスチューンで化ける!
コーナリング性能の高さはM3と同等以上!?
ハチロク的な面白さを堪能できるチューンドBMW!
ドライバーズカーとして、伝統的にハンドリング性能を重んじてきたBMW。中でも当時、最もコンパクトかつ軽量なボディが与えられたE36/46は必然的にその傾向が強く、ノーマルでさえ“FR車としては世界屈指のハンドリングマシン”という評価を得ていた。
そのE36の中でも、軽量な4気筒エンジンを搭載した318isをベースにチューニングを施した一台が今回の主役だ。
エンジンは後期型に搭載された1.9L直4DOHCのM44型。前期型1.8LのM42型に対してボア×ストロークともに拡大されいる他、バルブクリアランスの調整に油圧ラッシュアジャスターが採用されるなど、メカニズム面の変更が見られる。
エンジン&ミッションマウントのブッシュはM3用を流用。M3には6気筒エンジンと6速MTが搭載されてるためゴム自体の硬度が高く、それを318isに使えば強化品になるのだ。
CPチューンは純正書き換えで対応。燃調、点火時期の他、電子制御スロットルやVANOS(可変バルタイ)の最適化を図ることで、全域でのパワー&トルクアップやレスポンスの向上を実現している。
サスペンションはザックスベースのワンオフ品。フロントサスはストラット式。バネレートは16kg/mm。また、ブレーキは前後ともE46 325i用を流用して強化されている。
リヤサスはマルチリンク式を採用。バネレートは18kg/mmを基準に、フロントとのバランスを図りながら14~16kg/mmという選択肢もアリだという。
ホイールは、軽さと強度の両立を追求したNEEZオーダー品。スペーサー追加やフェンダー加工ナシでジャストフィットするよう、サイズは8Jオフセット+28に設定される。タイヤは215/45-17サイズのアドバンA050。
ドライビングポジション改善のため、ステアリングはジュラン製ディープコーンタイプに交換。センターコンソールには油温&油圧計がセットされ、その右側にはCPセッティングの際に使うイノベート製A/F計も確認できる。
シートは運転席、助手席ともブリッドガイアスIIに交換。運転席にはサーキット走行に備えてタカタ4点式フルハーネスも装着される。
軽量化のため、リヤシートとサイドトリムは完全に取り払われている。
ドアトリムはプラスチック段ボールでリメイク。これも軽量化の一環だが、ドアハンドル&サイドミラー調整スイッチ部の造形に拘っている他、サイドウインドウの破損を防ぐため、裏面の要所にはスポンジを貼りつけるなどの配慮がなされている。
この他、各部のブッシュ類も快適性とスポーツ性能の両立を狙って製作されたジュラコン製のものに変更。
「ここまでやればE36が本来持っているコーナリング性能を引き出せます。コーナリングスピードだけで言えばM3と同等かそれ以上ですよ」とはオーナー。E36のポテンシャルの高さを思い知らされる一台だ。
ホント定期的にこういう記事出てくるんだよな…
ゴメン、駆動方式がFRって事以外に「ハチロク」要素あった?
以前にもM3≒ハチロクっていう記事を見た気がするけど
Posted at 2020/08/30 08:50:23 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年08月30日
WRC:第6戦ドイツ中止も代替戦なし。ラリー・イタリアは10月8~11日開催に
8月26日、WRC世界ラリー選手権は10月15~18日に予定されていた2020年シーズン第6戦ドイツの開催がキャンセルされたことを受け、WRCイタリアの日程変更を含む改訂版スケジュールを発表した。
新型コロナウイルスの世界的流行にともなう年間カレンダーの変更のなかで、今季第6戦のスロットに入っていたWRCドイツ。しかし、同イベントはドイツ当局の承認を得ることができず、開催が断念されることになった。
ドイツでは、新型コロナ感染症の拡大防止策として大規模イベントの観客動員禁止期間が10月末まで延長されている。WRCドイツの主催団体であるADACは、この決定に基づきバウムホルダーの軍事訓練エリア内で、観客を入れずにラリーを開催する計画を進めてきた。
しかしながら、エリア内で許可された最大人数の350名の枠内では競技関係者やイベント運営スタッフの総員数を収めることはできず、イベントが開催不可能であると判断。また、周囲80kmにも及ぶバウムホルダーエリアへの不正アクセスに対応することが難しく、安全を確保することができないことも中止決定の要因となっている。
■F1エミリア・ロマーニャGPとの衝突を回避
今季第7戦として開催が予定されていたラリー・イタリア・サルディニアのイベント主催者であるオートモビル・クラブ・ディ・イタリア(ACI、イタリア自動車クラブ)は、WRCドイツ・ラウンドがキャンセルされたことを受け、大会のリスケジュールを申請。これがFIA国際自動車連盟、モータースポーツ統括団体、WRCプロモーターの3者の下で合意された。
これによりWRCイタリアは当初の10月29日~11月1日から3週間前倒しされ、10月8~11日へと開催日程が変更されている。これは先日アナウンスされたF1の2020年改訂版スケジュールで、イモラ・サーキットでの開催が決まったエミリア・ロマーニャGPとの日程重複が回避されている。
ACIのアンジェロ・スティッキ・ダミアーニ会長は、他の選手権カレンダーに合わせて日程を調整するのは難しい作業だったと語った。
「ACIでは、2020年ラリー・イタリア・サルディニアの新しい日付を再設定するために努力を続けてきた」と同氏。
「すべての利害関係者のニーズをまとめ、サルデーニャ地域で(イベントが)うまく機能する適切な日を見つけるのは容易ではなかった」
「この非常に困難な年においてACIは、モンツァ、ムジェロ、イモラでのF1開催ですでに示されているように、我々の下でコンペティションを確認し国内および国際的なモータースポーツを守りたいと考えてきた」
「WRCイタリアを実現するために、絶対的な支援をしてくれたサルディニア地域の人々に感謝している」
WRCドイツのキャンセル、イタリア戦の日程変更を発表したシリーズは、改めて2020年シーズンの改訂版スケジュールを公開。これによれば、ドイツ・ラウンドの代替イベントはなくラリー・イタリアが第6戦となり、ラリージャパンの代替戦としてスロット入りしたベルギーのイプルーがシーズン第7戦、つまり最終戦として行われることになっている。
■WRC世界ラリー選手権 2020年改訂版スケジュール(8月26日付)
RoundRallyDateRd.1モンテカルロ1月23~26日(終了)Rd.2スウェーデン2月13~16日(終了)Rd.3メキシコ3月12~15日(終了)Rd.4エストニア9月4~6日Rd.5トルコ9月18~20日Rd.6イタリア10月8日~11日Rd.7ベルギー11月19~22日
「ラリージャパン2020」開催を断念 実行委員会、2021年の実現目指す
ラリージャパン2020実行委員会は、海外からの関係者受け入れが困難であるとして、今年11月に愛知県・岐阜県で開催を予定していたラリーの中止を発表した。ラリージャパンは世界ラリー選手権(WRC)の1つで、実現していれば日本では10年ぶりとなるWRCラリー開催だった。同委員会は21日にオンラインで記者会見を開き、中止に至った経緯について語るとともに、2021年の開催に向けた意気込みを示した。
会見で同委員会の高橋浩司会長は、中止に至った最大の理由について「コロナ禍で出入国が制限される中、300人を超える外国人選手・スタッフらが入国することは現実的ではない」と説明した。関係省庁などと折衝を重ねてきたが、11月の開催に間に合う対応は難しいと判断。関係者やWRCカレンダーへの影響を鑑み、3カ月前の中止決定に踏み切った。
コロナ禍で各種イベントが中止や延期となる中、18年の招致委員会発足時から支援してきた開催予定地からも複雑な声が聞かれたという。「『せめてラリージャパンだけでも』と熱望する意見も多くあったが、中止を伝えると『感染拡大を懸念する地元住民への配慮に感謝している』との反応をもらった。決断は間違っていなかったと考えている」と語った。
21年の開催に向けてWRCを主催する国際自動車連盟(FIA)とはすでに合意しており、今後は当初予定のコースを元に準備を進める。「図らずも1年の猶予が生まれた。やりたくてもできなかったことなどに改めて取り組む機会にしたい。すでに気持ちは切り替わっている」と意欲を見せるとともに、「1年後も新型コロナの影響が完全になくなるとは考えていない。観客の安全を第一に、ニューノーマルの中で大規模イベントを成功させなければならない」と覚悟を述べた。
Posted at 2020/08/30 08:43:33 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年08月29日
10月15日発表に先駆けスバルが新型「レヴォーグ」の先行予約を開始!
8月22日にスバル公式YouTubeチャンネルにて、オンラインイベント「THE LIVE! NEW LEVORG徹底解剖」を開催
8月20日、スバルは10月15日に発表を予定している新型「レヴォーグ」の先行予約を開始した。
新型「レヴォーグ」は、スバルに脈々と受け継がれる 「より遠くまで、より早く、より快適に、より安全に」というグランドツーリングのDNAを継承。そのうえで、スバルの最新技術を結集し、「先進安全」、「スポーティ」、「ワゴン価値」という3つの価値を革新的に進化させたパフォーマンスワゴンに仕立てられている。
フルモデルチェンジを受けて2代目となる新型のボディサイズは、全長4755×全幅1795×全高1500(ルーフアンテナ含む)mmで、ホイールベースは2670mm。従来型と比べて65mm長く、15mm幅広く、ホイールベースは20mm拡大している。
エンジンは、177ps/300Nmを発揮する新開発の1.8L水平対向4気筒直噴ターボ「CB18」の1機種。社内測定値による燃費はWLTCモードで最高13.7km/L、JC08モードで最高16.6km/Lをマークする。なお、この新しいエンジンは従来の1.6Lターボと比べて7ps/50Nm上乗せされている一方で、JC08モード燃費は0.6km/L向上している。
新型では、360度センシングを実現し、リアルワールドにおける実用性を進化させた「新世代アイサイト」を全車に標準装備。さらに、3D高精度地図データを採用した高度運転支援システム「アイサイトX(エックス)」を搭載したグレードを新たに設定することで、新次元のストレスフリーなセーフティドライビングを実現した。
「アイサイトX」は、GPSや準天頂衛星「みちびき」を活用した位置情報を組み合わせることで、運転支援機能を大幅に拡張するもの。具体的には、渋滞時に一定の条件を満たすと、ステアリングから手を放すことができるハンズオフアシスト機能を搭載。さらに停車と発進を繰り返す渋滞でも、ドライバーが前を向いているなど一定の条件が揃えば、スイッチ操作をすることなく発進する。これにより、ノロノロ運転が続く渋滞の疲れやストレスを大幅に軽減できる。
これに加えて、カーブや料金所へ入る前に減速するほか、方向指示器の操作で車線変更のアシストを行なう機能を搭載。加減速と操舵制御のアシストをこれまでより長く、またシームレスに行なうことで、より快適なドライブをサポートしてくれる。
グレード展開は、スタンダードモデルの「GT」、スポーティさと上質感を兼ね備えたハイグレードモデルの「GT-H」、そしてスバル最先端の走りと特別な内外装をまとう最上級の「STIスポーツ」の3グレードに加えて、それぞれに「アイサイトX」を搭載した「GT EX」、「GT-H EX」、「STIスポーツEX」を用意。全6グレードをラインアップする。
ステーションワゴンとしての魅力向上にも余念がない。快適性や積載性を担うワゴン機能やインテリアに磨きをかけたほか、大型センターインフォメーションディスプレイや、アイサイトX搭載グレードに採用のフル液晶メーターで構成された先進的なデジタルコックピットは、運転に必要な情報の認知から操作を、よりスマートにサポートする。荷室容量は床下のサブトランク69Lを含めて561Lを確保。従来型より39L拡大している。
現在スバルの公式ウェブサイトでは、新型レヴォーグ専用ページを公開中。このページでは、新型の特徴や各グレードの紹介、主要諸元・装備表を確認することが可能だ。
また、8月22日の16:00~17:30には、新型レヴォーグの魅力を紹介するオンラインイベント「THE LIVE! NEW LEVORG徹底解剖」が、スバルの公式YouTubeチャンネル「SUBARU On-Tube」で配信。このイベントでは新型レヴォーグの開発メンバーとモータージャーナリストによるトークショーなど、多彩なプログラムが用意された。
さらに、8月22日からは全国のスバル販売店や大型商業施設で新型の実車をいち早く見られる「NEW LEVORG先行展示イベント」が、順次開催される。
新型レヴォーグはなぜ新設計のエンジンを採用したのか? 残る課題は燃費
プラットフォームもパワートレインも完全に生まれ変わった
新型レヴォーグのローンチが近づいてきました。発売予定日は2020年10月15日、8月20日からは全国のSUBARU販売店にて新型レヴォーグの先行予約も始まっています。とはいえ、“みずてん”で予約するには思い切りが必要。なにしろ、新型レヴォーグは、正常進化的なエクステリアながら、その中身は一新されているからです。
条件付きで手放し運転が可能な先進運転支援システム「アイサイトX」、国内初採用となるフルインナーフレーム構造のスバルグローバルプラットフォーム、そしてパワートレインも完全に生まれ変わりました。今回は、完全新設計の水平対向エンジンを中心に、新型レヴォーグのパワートレインについて紹介します。
完全新設計のコンパクトなCB系エンジンを採用
従来のレヴォーグは1.6Lと2.0L、2種類の水平対向4気筒ガソリン直噴ターボを用意していましたが、新型レヴォーグは1.8Lの水平対向4気筒ガソリン直噴ターボに一本化されました。これは従来の「FB16/FA20」エンジンの発展形ではなく、完全にゼロベースで設計された「CB18」エンジンとなります。
ボア径:80.6mm
ストローク:88.0mm
ボアピッチ:98.6mm
クランク長:315.9mm
圧縮比:10.4
総排気量:1795cc
最高出力:130kW/5200-5600rpm
最大トルク:300Nm/1600-3600rpm
あえてマニアックなボアピッチを記したのには意味があります。四半世紀以上、スバルの水平対向4気筒ガソリンエンジンのボアピッチは113.0mmでした。「FB/FA」系はもちろん、2019年に惜しまれつつ幕を閉じた「EJ」系エンジンも同じボアピッチ。一般論ですが、エンジンのボアピッチというのは、生産工程も含めて基本設計の点でオーバーライトしている要素がゼロではないことを意味しています。
しかし、新しい「CB18」エンジンではボアピッチが明らかに短縮されました。SUBARUのエンジンに詳しい人であれば、6気筒のEZ系や4気筒ディーゼルのEE系が98.4mmと近い数値のボアピッチだったことを思い出すかもしれませんが、CB系がボアピッチを短くしたのも狙いは同じで、エンジンをコンパクトにするためです。実際、クランク長はFB16が350.5mmなのに対して、CB18では315.9mmと短くなっていて、当然ながらエンジン全長も約40mm短縮されています。
スペック以上にパワフルな印象。燃費の改善に期待
さらにCB18エンジンは、リーンバーン領域を広くとることで、3.0Lエンジン並みのトルクと、従来の1.6Lターボより優れた燃費性能を両立しているといいます。
トランスミッションも大幅改良されました。SUBARU独自のチェーン式CVT「リニアトロニック」は、その型式こそ「TR58」で変わっていませんが、約8割の部品を新造。変速比幅は従来の6.3から8.1へと大幅に拡大したため、発進加速を確保しながら、高速巡行でのエンジン回転数を下げることが可能となっています。
そうはいっても、リーンバーンターボとワイドレシオのCVTという組み合わせのパワートレインではダイレクト感に欠けるという不安も出そうです。今回、新型レヴォーグ(プロトタイプ)をジムカーナ的に走らせる機会を得ましたが、90km/h以下での加減速を試してみた限りにおいては、ラバーバンドフィールと呼ばれるダルな感触を心配する必要はありませんでした。
急加速時にギュイーンというノイズが侵入してきたときにはCVTであることを実感させられますが、ハーフスロットル領域でのアクセルレスポンスにも不満はなく、エコ系ターボだからパンチがないかもしれないという心配は杞憂でした。最高出力130kWというスペック以上にパワフルに感じたことも自信を持ってお伝えしておきましょう。
もっとも、2020年に登場するダウンサイジングターボとしてWLTCモード13.6~13.7km/L(開発目標値)という燃費性能は褒められたものではありません。電動化デバイスの採用など、環境性能のアップデートに期待したいのも事実です。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
新型レヴォーグの実力がハンパではなかった。コスパも最強!?|動画レポート|
スバルGTの血統を継承する生粋のGTワゴン、 レヴォーグの2代目がついに登場します。
今回はプロトタイプの試乗会に参加。
先進安全性能とスポーティ性能の2つを試す機会があったこの試乗会で、
ライターの竹花氏は終始興奮しっぱなし!
ドイツ車をこれでもかというくらい現地で乗ってきた竹花氏が太鼓判を押す、その性能とは?
最後にはもっと驚きの価格設定についても話しています。
VIDEO
〈文=ドライバーWeb編集部〉
【スバル レヴォーグ 新型】新世代アイサイトはスウェーデン社製に…日立から切り替えた理由
スバルはこの秋に発売する新型『レヴォーグ』で「Eyesight(アイサイト)」を一新する。そこでもっとも驚いたのは、中核となるステレオカメラの調達先を、これまで採用していた日立オートモティブ製から海外製へ変更したことだった。そこにはどんな意図があったのだろうか。
「基本的には機能とコストのバランスを考慮した中での選択です」と話すのは、スバル先進安全設計部主査の丸山匡氏だ。アイサイトは2008年に現行のベースとなる第1世代が登場し、その時点から日立オートモティブと共同で開発して来ている。その後も機能アップを重ねてVer. 3まで世代を重ね、その優れた制御技術は世界でもハイレベルな水準にあり、それがスバルの先進安全運転支援システム(ADAS)に対する評価を高めてきたのは間違いない。
一方で、アイサイトの課題となっていたのは、ステレオカメラの検知範囲の狭さにあった。この狭さ故にACC制御中の急な割り込みに対処できないことも少なからずあり、近年は交差点における衝突被害軽減ブレーキへの対応が自動車アセスメント(NCAP)の評価対象にもなっている。安全性を少しでも高めたいスバルとしてもこれらの対策は必須だったはずだ。当然、日立オートモティブにもその改良を求めたと思われるが、結果としてその求めに応じたのはスウェーデンのVeoneer(ヴィオニア)社だった。
このヴィオニア製ステレオカメラは、イメージセンサーにオン・セミコンダクター製1/3インチCMOSを組み込み、処理チップにはXilinx(ザイリンクス)社製を採用する。特にオン・セミコンダクター社は車載用チップメーカーとして圧倒的なシェアを持ち、アイサイトVer. 3でも既に採用済みだったという。そして、このCMOSが最大のメリットとしているものこそ広いダイナミックレンジである。カメラが苦手とする逆光下でも対応力が高く、この日のデモでも一般的なセンサーとの違いをアピールしていた。
このステレオカメラで実現できた画角は従来比で約2倍。捉える範囲を広げたことによって自転車や歩行者の横断にも対処でき、右折時の対向車に対してもプリクラッシュブレーキ制御が可能となったという。しかし、ヴィオニア製ステレオカメラで広角化できたとはいえ、広角化すれば遠くの被写体を検知するのが難しくなるはず。丸山氏はこの件について「広角化しても従来のステレオカメラと検知距離を同じにするために、CMOSの画素数を従来の120万画素から230万画素にまで高めて対応しました」と答えた。つまり、画素数が増えれば、被写体の像が小さくても早い段階から認識はできるというわけだ。
では、日立オートモティブはこの対応ができなかったのだろうか。同社がステレオカメラの広角化技術として実装済みなのがスズキ『ハスラー』にある。この技術では左右のカメラが検知できる範囲をそれぞれ外側にずらすことで検知範囲を拡大したものだ。単純に画角を広げるだけならともかく、これでは左右の視差から生み出されるアイサイトならではの高精度検知はできなくなる可能性がある。スバルとしてもステレオカメラの左右幅を頑なに変えておらず、そこには左右の視差に対するこだわりがあったはずだ。
もちろん、日立オートモティブも画素数を上げて広角化できいる技術もあったと思われる。しかし、画素数を上げればチップの処理能力も上げなければならず、丸山氏が言うように、そこには調達コストという問題が立ちはだかった可能性がある。この件に関しては具体的なコメントは得られなかったが、ヴィオニアはADAS部門で世界屈指の実績を持つ大手サプライヤーであり、こうしたコストへの対応も柔軟に行えたものと推察できる。
そして、新世代アイサイトではカメラで検知できない前側方から接近する出会い頭の車両も搭載した77GHzミリ波レーダーで検知(前側方プリクラッシュブレーキ)。また、プリクラッシュブレーキだけでは止まりきれないと判断したときはシステムが操舵制御を行って、回避スペースへの導くことができるという。そして、車線変更しようとした時に後側方にいる車両を見落としていると、リアに備えた24GHzマイクロ波レーダーによる「エマージェンシーレーンキープアシスト」が作動して警報と共に逸脱抑制をアシストするのだ。この万全の対応こそが新世代アイサイトの真髄とも言える。
しかも新型レヴォーグでは、このアイサイトの基本機能を全グレードに標準装備する。安全面においてグレード別での差を設けないスバルならではの考え方が活かされた格好だ。加えて、新型レヴォーグでは+35万円を支払うことで、渋滞時ハンズオフ走行やドライバーの異常を検知して自動的に減速→停止させる機能も一歩進んだ機能も装備される。その機能はまさにADAS搭載車として世界トップクラスと言ってもいいものだ。公道での実走行でその実力を試す日を楽しみに待ちたい。
新型レヴォーグ検討勢必見! 一気に生まれ変わったNewレヴォーグは買い?【まとめ3選】
2020年秋、遂にスバルが主力車種「レヴォーグ」をフルモデルチェンジする。新型レヴォーグは、昨年のモーターショーでもコンセプトモデルを展示し、お客さんを賑わせるなど、注目度の高いモデルだ。そこで今回は、気になるレヴォーグの見どころや、試乗レポート、そして受注予約開始早々から好スタートを切っているワケなどをまとめてご紹介。忙しくてなかなか情報を拾えなかったという方は要チェックだ!
新型レヴォーグ|解説編
2020年秋、スバルが主力車種「レヴォーグ」をフルモデルチェンジする。それに先立ち、8月20日より早くも先行予約受付が始まった!
そんな中MOTAでは、まだ発売前の新型レヴォーグ・プロトタイプに触れる貴重な機会を得た。
「新型レヴォーグってどんなクルマ? 果たして買いなのか!?」
新型レヴォーグ|試乗編
完全に生まれ変わった新型レヴォーグ。プロトタイプのレヴォーグ STI SPORTへ実際に乗ってみた印象についてお届け!
スバリストの皆さんが最も気になっているであろう、新開発エンジン&プラットフォームが生み出す次世代の走りはどうだったのか。
主なポイントとしては以下の3つだ。
1:新しい骨格・シャシーとステアリング・エンジンが生み出す走りの味の進化
2:新世代アイサイトのアドバンテージ
3:インフォテインメントシステムはじめ日常的な使い勝手の進化
新型レヴォーグ|カラバリ編
8月20日より予約受付がスタートしたスバルの新型ワゴン レヴォーグ。
10月15日の正式発売に向けて、気になるカラーバリエーションを画像でサクッと予習!
新型レヴォーグのカラバリは全8色。スバルといえば!? なカラーのWRブルー・パールから、ここ最近のトレンドにマッチした淡いクールグレーカーキなど気になるカラーが盛り沢山!
新型レヴォーグもスバルらしさテンコ盛り! 画像で新型レヴォーグの顔をチェック
8月22日に先行予約がスタートしたスバル 新型レヴォーグ。手放し運転も可能となったアイサイトXや縦型ナビなどに注目が集まりがちだが、今回は顔にフォーカス。よーく見るとスバルファン垂涎のアイテムだらけであった。改めて新型レヴォーグの顔を詳しく見ていこう!
新型レヴォーグは“らしさ”を投入! 歴代モデルの要素も
新型レヴォーグのデザインは、スバル車の伝統であるヘキサゴングリルを中心に、左右へ広がっていくような力強い造形となっているのが特徴だ。グリル位置自体も低く、ボディのフォルムがグッと前傾姿勢に見えるよう工夫されている。
一見新型のヘッドライトが大きくなったかのように見えるが、実はライトのサイズはほぼ一緒。初代レヴォーグと同様にコの字型に光るデイライトも踏襲されるなど、ファンにとってはたまらない要素が盛りだくさんだ。
ヘッドランプにはアダプティブドライビングビームを採用。複数のLEDが仕込まれていて、ハイビームの照射範囲を細かく切り替えることで対向車や先行車を眩惑させず、夜間の歩行者や障害物を発見できる最新式となっている。
【筆者:MOTA編集部】
スバル・アイサイトXは日産・プロパイロット2.0に勝てない? スペックで見るハンズフリー性能の違い
地図は共通だがセンサーや制御はプロパイロット2.0が優勢
スバルが10月に発表する次期「レヴォーグ」のニュースが増えています。シャシー、ボディ、サスペンション、エンジン、トランスミッションなどが全面的に一新された次期レヴォーグですが、中でも今の時代的に気になるのはADAS(先進運転支援システム)でしょう。
次期レヴォーグはオプション設定でハンズオフ(手放し)も可能な「アイサイトX」を設定。ハンズオフ可能なADASといえば、日産「プロパイロット2.0」が先行しているのですが、後発となるアイサイトXはプロパイロット2.0を超えたのでしょうか。
アイサイトXで大きく進化したのはセンサーが増えたことです。これまでの「アイサイト」は前方はステレオカメラだけで認識するという仕組みでしたが、アイサイトXではステレオカメラに加えて、左右にミリ波レーダーを追加しています。また、後側方については従来通りのミリ波レーダーと超音波ソナーで検知するシステム構成になっています。
一方、「日産 スカイライン」に搭載されているプロパイロット2.0のセンシングはどうでしょうか。スカイラインではフロントに画角違いの三眼カメラ、ミリ波レーダー(フロント・サイド)、そしてソナーを装備しています。リアにミリ波レーダーとソナーを併用するというのはレヴォーグと似た構成ですが、車両全体としてはカメラとミリ波レーダーがそれぞれ1個多くなっています。センサー構成だけでいえばプロパイロット2.0がリードしているように感じます。
高精度地図で50km/h以下のハンズオフ運転が可能に
高速道路の形状を知るために「3D高精度地図データ」を利用しているのは、アイサイトX、プロパイロット2.0ともに共通。3D高精度地図のデータは通常のカーナビで使っている地図データとは異なるもので、次期レヴォーグの場合11.6インチの大型ディスプレイに表示されている地図とはまったく違うデータを利用しているということです。高精度地図はセンチ単位での情報が入っているので、車線のどこにいるかを正確に知ることができるだけでなく、カメラで見えないコーナーの先までも考慮したライン取りが可能になっているわけです。また、スカイラインにない機能として、次期レヴォーグは準天頂衛星みちびきを使う高精度なGPSも搭載しています(※日産も今後の車種で採用予定)。
次期レヴォーグは、カーブ前の速度制御や料金所前速度制御、アクティブレーンチェンジアシスト(スイッチを押すだけで車線変更をする機能)、そして約50km/h以下の渋滞時はステアリングから手を離す「ハンズオフ」運転も可能としています。
すでに現行フォレスターが実用化しているドライバーモニタリングシステムを利用して、よそ見をしているときには注意を促す機能や、ドライバーの異常を検知するとハザードを焚きながら車両を自動停止させる機能も備えます。
50km/hを超えるとハンズオフできない次期レヴォーグ
プロパイロット2.0と比較すると、もっとも大きな違いはハンズオフに対応する速度域です。スカイラインの場合は状況が許せば、速度域に関係なくハンズオフが可能となっています。高速巡行時にこそハンズオフしたいと考えているユーザーにとっては、次期レヴォーグの仕様というのは少々残念に感じるかもしれません。
もっとも、ADASの良し悪しというのは単純に機能差だけでは判断できないのも事実です。実際に乗ったときに、どれだけマイルドでスムースなのか、ドライバーの意思とクルマの挙動に乖離はないのか、といった部分が満足度につながってきます。
今回、テストコース内という非常に良い条件下ではありましたが次期レヴォーグ・プロトタイプに乗ってアイサイトXを体験した範囲でいえば、そうしたナチュラルな運転フィールという点については、アイサイトでの長い経験が生かされた仕上がりであることが確認できました。80km/h程度でのライントレース性も優秀で、思わず手を離したくなるほどでした。技術的な課題は理解しつつ、これだけの性能を実現しているのだからこそ、ハンズオフの速度域を拡大してほしいというのが正直な印象です。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
※写真1~4枚目:スバル・アイサイトX(次期レヴォーグ)
写真5~6枚目:日産・プロパイロット2.0(スカイライン)
Posted at 2020/08/29 22:48:57 | |
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富士重工 | 日記
2020年08月29日
【ヒットの法則333】メルセデス・ベンツ CLK63AMGブラックシリーズは創立40周年を迎えるAMGの自信作
2007年、AMG社が創立40周年を迎えたが、レーシングエンジンの開発を行う会社としてスタートし、高性能エンジン搭載モデルを担当するメルセデス・ベンツの中のひとつのブランドになっていた。その創立40周年を祝う国際試乗会で、CLK63AMGのピュアスポーツバージョン「ブラックシリーズ」、フラッグシップとして注目されていた「CL65AMG」に乗った。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2007年7月号より)
獰猛な雰囲気すら漂わせるCLK63AMGブラックシリーズ
AMGの創立40周年を祝う試乗会が行われたのは、アメリカはロサンゼルスの高級住宅地であるビバリーヒルズ周辺であった。今やAMGの世界販売の45%はアメリカでさばかれている。特にこのビバリーヒルズ周辺では、CLクラスなどレギュラーモデルよりAMGの方が売れているというのだから驚くやら呆れるやら。街を歩いていて、その辺に買い物に行くだけという風情のご婦人がSL55AMGのアクセルを高らかに踏み込んでいるところに出くわすのなど、まったく珍しくないのだ。
そんなビバリーヒルズにて試乗に供されたのは、ふたつのニューモデル。そのうちのまず1台目がCLK63AMGブラックシリーズである。
AMGは近年、これまでなかった新しい種類のモデルをプロデュースし始めている。たとえば昨年限定で販売されたCLK-DTM AMGのような「シグネチャーシリーズ」、CL55AMG IWCインジュニアのような「エディション」モデルなどが、それにあたる。
そして今回の目玉であるこのブラックシリーズは、ピュアなスポーツカーエンスージアストをターゲットとする。そもそもAMGはレースから活動をスタートしたブランド。それを、もっとダイレクトに感じさせるモデルというわけだ。
しかし、その外観の何と挑戦的なことか。大きなフロントエアダム、左右計93mmも張り出したオーバーフェンダーなどによって、エレガントなCLKのフォルムは一転、獰猛な雰囲気すら漂わせている。当然、それはファッションではない。ワイドボディ化に合わせて実は前後のサスペンションアームはすべて専用設計とされているのである。
AMG自社開発のV型8気筒6.2L DOHC4バルブユニットも、吸排気系の改良で最高出力を507psに引き上げている。そして7Gトロニックは、ギアの繋がりを重視して最終減速比が6%低められた。
Dシェイプの小径ステアリングやフルバケットシートを装備する2シーターの室内に収まりエンジンを始動すると、大音量のエキゾーストノートが響き渡り、ハードなサスペンションが身体を揺すぶり始めた。車高/減衰力調整式のダンパーはAMGの推奨セットとされていたが、乗り心地はかなり硬め。その分ロック・トゥ・ロック約2.2回転とされたステアリングは格段にシャープで、左右の切り返しなど、とても身軽だ。それにはワイドなトレッドも、当然大きく効いているはずである。
エンジンも、トップエンドに至る吹け上がりがさらに速さを増している。しかしこの大トルクは、直線ではともかくコーナーでは手強い。いくらリア285サイズのタイヤと機械式LSDを採用しているとは言え、後輪荷重の軽いFRで507psともなると、ちょっと踏み過ぎるだけですぐに挙動を乱してしまう。正直、ESPの助けなしにこれを操るには、相当なスキルが必要だ。
しかし手練が扱えば、このCLK63AMGブラックシリーズは非公式ながらニュルブルクリンクを7分56秒で駆け抜けるという。それでいて7Gトロニックのおかげで普段は買い物にだって難なく使えてしまう。
ひたすら贅沢な気分にさせてくれるCL65AMG
もう1台のニューモデルは、CL65AMGである。昨年登場したCLクラスのボディに最高出力612ps、最大トルク102kgmを誇るV型12気筒6Lツインターボを搭載した、AMGのトップレンジである。
そのエンジンは相変わらず素晴らしい歓びをもたらす。街中では豊かなトルクでジェントルな走りを可能にする一方、ひとたび深く踏み込めば、まるで瞬間移動のような感覚の息を飲む加速を披露する。そして専用のABC(アクティブボディコントロール)は街中での上質極まりない乗り心地と卓越したフットワークを両立。この完璧な調教ぶりには、ただただ感嘆するほかない。
ダイヤモンドパターンのステッチが入れられたナッパレザーシートを採用したインテリアも豪奢な雰囲気。とにかくひたすら贅沢な気分にさせてくれる1台である。
この2台、CL65AMGは遠からず上陸するはずだが、前者のCLK63AMGブラックシリーズに関しては、まだ日本導入が叶うかどうか未定だという。とは言え日本はAMGにとって世界3番目の大規模市場だけに、期待はしてもいいはずだ。
その一方でアメリカ、それこそビバリーヒルズ周辺では、おそらくたくさんのクルマがデリバリーされることになるのだろう。次に訪れた時には、きっとご婦人の買い物のアシとして使われているCLK63AMGブラックシリーズなんてのも見掛けることになるに違いない。(文:島下泰久/Motor Magazine 2007年7月号より)
メルセデス・ベンツCLK63AMGブラックシリーズ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4657×1833×1365mm
●ホイールベース:2715mm
●車両重量:1760kg
●エンジン:V8DOHC
●排気量:6208cc
●最高出力:507ps/6800rpm
●最大トルク:630Nm/5250rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●最高速:300km/h(リミッタ−)
●0→100km/h加速:4.3秒
※欧州仕様
メルセデス・ベンツCL65AMG 主要諸元
●全長×全幅×全高:5084×1871×1418mm
●ホイールベース:2955mm
●車両重量:2240kg
●エンジン:V12SOHCツインターボ
●排気量:5980cc
●最高出力:612ps/4800-5100rpm
●最大トルク:1000Nm/2000-4000rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:FR
●最高速:250km/h(リミッタ−)
●0→100km/h加速:4.4秒
※欧州仕様
Posted at 2020/08/29 22:31:42 | |
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メルセデスベンツ | 日記