2021年07月10日
ポルシェ、パイクスピークで躍動! ワークスの911 GT2 RS クラブスポーツはクラス優勝と総合2位を獲得 【動画】
Porsche 911 GT2 RS Clubsport
ポルシェ 911 GT2 RS クラブスポーツ
911やケイマンで多くのプライベーターが参戦
アメリカ合衆国・コロラド州で7月27日に開催された「第99回 パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に、ポルシェのワークスドライバーでありパイクスピークのレコードホルダーでもあるロマン・デュマがポルシェ 911 GT2 RS クラブスポーツで参戦。タイムアタック1クラスの優勝に加えて、総合でも2位に入った。
ポルシェ勢は718 ケイマン GT4のワンメイククラスに加え、多くのプライベーターが911で参戦している。ポルシェ・モータースポーツ・ノースアメリカのパイクスピーク担当イベントマネージャー、エリック・スキルマンツは次のようにイベントを振り返った。
「今年のパイクスピークは、イレギュラーな事態への対応が鍵になりました。ロマン・デュマ、ラファエル・アスティエ、タナー・ファウストの3人がクラス優勝を獲得するなど、素晴らしい仕事をしてくれました。2022年の第100回大会でも、ポルシェ・パイクスピーク・トロフィー by ヨコハマ、そして多くのプライベーターたちの参加を楽しみにしています」
イレギュラーな事態に対応したデュマが好タイムを記録
決勝日は気温が氷点下に近づき、山頂付近は降雪に見舞われた上、霧までもが立ち込める難コンディションに見舞われた。そのため主催者はフィニッシュを中間セクター終点である、標高約3856メートルのデビルズ・プレイグラウンドに変更。この結果、フィニッシュ地点の標高が約457メートルも低くなり、ターボチャージャーを搭載しているモデルが強みを発揮することになった。
このイレギュラーな展開のなか、デュマは6分31秒914という驚異的なタイムを記録。タイムアタック1クラスの優勝だけでなく、総合でもプロトタイプのマシンに割って入る2位を獲得した。同じく911 GT2 RS クラブスポーツをドライブしたデイビッド・ダナヒューは、終盤スタートのためコンディションが悪化するなかで素晴らしいペースを披露、クラス3位を手にしている。
718 ケイマンのワンメイクはファウストが勝利
ラファエル・アスティエは、911 GT3 カップカーで6分36秒867という素晴らしいタイムを記録し、オープンクラスで優勝。アスティエのマシンはカップカーをベースにターボチャージャーを搭載し、総合5位に入った。
718 ケイマン GT4のワンメイクカテゴリー「ポルシェ・パイクスピーク・トロフィー by ヨコハマ」は、地元の有力ドライバー、ジョージ・ヘスがプラクティスでリタイアというアクシデントがあり、4台のみの出走となった。
このクラスを制したのは『トップ・ギア USA』の司会者であり、ラリークロスでも活躍するタナー・ファウスト。パイクス初参戦ながらも、7分28秒269のレコードタイムを記録した。2位にはポルシェ・コレクターのボブ・イングラムの息子であるカム・イングラム、3位には2020年のパイクスでルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いたキャサリン・ミード、4位にはアリゾナ在住のアマチュアドライバー、チャス・ウィルケンが続いている。
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Posted at 2021/07/10 22:44:01 | |
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ポルシェ | 日記
2021年07月10日
「ラリーアート」と言えばスタリオン4WD! 三菱のフラッグシップスポーツも復活なるか
ラリーアート復活で真っ先に思い出すスタリオンの雄姿
三菱自動車が行った2020年度の決算発表会において、ラリーアートの復活を発表すると同時にモータースポーツ活動の再開にも触れ、多くの三菱ファンの期待を集めることになりました。ラリーアートというのは1984年に設立された三菱の子会社で、三菱のラリー&レース活動を統括していたモータースポーツ専門会社ですが、その一方で三菱車に向けたモータースポーツパーツや機能パーツのブランドであり、また三菱のハイパフォーマンスモデルのブランドとしても広く認知されていました。
残念ながら三菱がモータースポーツ活動を縮小するにつれて活動も制限されていき、2010年にモータースポーツ活動を事実上休止してしまいました。決算発表会では、モータースポーツの一体どんなカテゴリーに参戦を計画しているのか、については発表されていませんでした。
WRCやダカール・ラリーへの復活が噂(期待?)されているようですが、個人的にはスポーツカーレースへのカムバックを期待しています。現在のラインアップからは夢物語ですがスタリオンの復活を期待したいのです。読者の中にはスタリオンの存在自体を知らない若いファンも少なくないと思うので、先ずはスタリオンを紹介し、続いて、そのモータースポーツ界での活躍を振り返ることにしましょう。
三菱のスポーツカーといえば「スタリオン」
スタリオンは1980年代に三菱が生産していたスポーツカー。5シーターのハッチバックというパッケージングではスポーツクーペと呼ぶべきでしょうか。ともかく当時の三菱の、フラッグシップモデルでした。 パッケージング的にはギャランとして4代目となるアッパーミドルの4ドアセダン、A161系ギャランΣとフロアパンを共用し、前後ストラット式のサスペンションも基本的に共通。搭載するエンジンも当初は2L直4シングルカムのG63Bとそのターボ版をラインアップ。後に2.6L直4シングルカムのG54BT(ターボ仕様)が登場。最終的にはワイドボディに、この2.6Lターボエンジンを搭載した2.6 GSR-VRに一本化されることになりました。
そんなスタリオンはさまざまなモータースポーツ、レースにもラリーにもチャレンジを続けることになりました。レースに関しては当初、プライベーターがグループN仕様にチューニングしてローカルレースに参戦する程度でしたが、ラリーに関してはラリーアートが主導する三菱ワークスとして、世界ラリー選手権(WRC)参戦を目指してグループBのスタリオン4WDのプロジェクトが1983年にスタートしています。
真っ向からGr.Bアウディに敵対したスタリオン
これは文字通りスタリオンに、アウディの秘密兵器としてWRCで猛威を振るうようになったフルタイム4WDシステムを組み込んだもので、トランスミッションの後方に組み込んだトランスファーで前輪用の駆動力を取り出し、短いプロペラシャフトでフロントアクスルに駆動力を伝えるようにパッケージされていました。
前後の駆動配分はアウディと同じく50:50で固定されていましたが、直列5気筒エンジンをフロントに搭載していたアウディに比べると、直列4気筒のスタリオンはフロント荷重が55%程度で、アウディほどノーズヘビーに悩まされることもなく、結果的に3月に行われたポルトガル・ラリーで競技車が走った直後にコースを試走。この時点で早くもセクションによっては、(ラリー本番での)アウディと同等の速さで走ってポテンシャルが確認されました。
スタリオン4WDのデビュー戦は1984年の7月。フランス南部、ニース近郊にある軍の演習場を使って開催されるミル・ピスト・ラリー(9e Rallye des 1000 Pistes 1984)でした。これはヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)のシリーズ戦でしたが、グループBのホモロゲーションが下りる前だったスタリオン4WDもプロトタイプ・クラスとして出走が認められていました。そしてERCにはポルシェやルノーのワークスチームが参戦するなど、レベルの高いイベントでした。
このラリーでスタリオン4WDはプロトタイプ・クラスでクラス優勝を飾りました。プロトタイプ・クラスはスタリオン4WD以外にはシトロエン・ヴィザ 4×4とマトラ・ムレーナの2台が参戦していたのみでしたが、彼らが脱落したことで完走したスタリオン4WDが優勝したのです。いくつかトラブルに見舞われたこともあって、総合的なタイムではまだまだ特筆すべきものはありませんでしたが、ポテンシャルの一端を見せつけることはできました。
重要なことは、そのトラブルシューティングの見通しが立ったことです。この年の10月にはグループBのホモロゲーション(車両公認)がおり、シリーズ最終戦、11月のRACに正式デビュー。翌1985年にはポルトガルとアクロポリス、1000湖、サンレモ、RACに参戦することが決定しました。
ところが……。ホモロゲーションに必要な200台の生産に取り掛かる前にプロジェクトの休止が決定されたのです。200台のグループB(のホモロゲーション)車両販売に関する検討再考か、浮かんできたグループB車両規定調整事項かなどいくつかの理由が噂されていましたが、いずれにしてもグループB仕様のスタリオン4WDによるWRCチャレンジは叶わなくなってしまいました。
しかしスポーツ4WDの技術開発の名目は保持され、プロトタイプ車でのテスト参戦は続行されることになり、1986年には香港~北京ラリーに参戦。中国人初のプロラリードライバー 、L.ニンジュンが、スティグ・ブロンキストのアウディ・クアトロA2に続く総合2位入賞。それにしてもWRCでの活躍を観たかったものです。
グループBを目指して開発されていたスタリオン4WDラリーに代わって、三菱の主戦ラリーカーとなったのがグループA仕様のスタリオン・ターボでした。1986年の1000湖にプライベーターが参戦していますが、翌1987年の1000湖からはラリーアート・ヨーロッパ=ワークス体制での参戦が始まっています。
ただし主役がグループBからグループAに代わっていたものの、WRCのほとんどのラウンドは相変わらず4WDが猛威を振るっていて、ハイパワーの後輪駆動がポテンシャルを発揮できる場は限られていました。
実際、スタリオン・ターボは1987年アイボリー・コーストで総合4位入賞を果たしています。その一方、中東ラリー選手権(MERC)や英国選手権、アジア・パシフィック・ラリー選手権(APRC)などでトップコンテンダーとして活躍しました。また1987年には篠塚建次郎がドライブしたスタリオン・ターボがヒマラヤン・ラリーで総合優勝を飾っています。
レースではグループA仕様の一大勢力にも
グループBを目指したスタリオン4WDラリーからグループAのスタリオン・ターボへと主戦マシンが変わっていったラリーと異なり、レースでは当初からグループA仕様が主戦マシンを務めていました。イギリスやオーストラリアで参戦を続けていましたが、1985年に全日本ツーリングカー選手権(JTC)最終戦のインターTECで“里帰り”デビューを果たすことになりました。 その時の体制は超がつくほどの豪華版。ラリーアート・イングランド(#5)と同香港(#10)、同オーストラリア(#66)と3つの地区のラリーアートから3台のワークス・スタリオン・ターボが来日。#5には高橋国光/武藤文雄、#10には中谷明彦と3人の日本人ドライバーが乗り込むことになりました。
ETCチャンピオンのボルボ240ターボには大きく離されてしまいましたが、中谷が予選3位、国光組がこれに続いてセカンドローに並んでみせました。決勝でも2台のボルボが独走。その後方でこの年の全日本チャンピオンとなるBMW635CSiと激しく争った末に4位でチェッカー。国産車としてのベストリザルトを残しています。
翌1986年シーズンからはJTCにフル参戦を開始し、国光/中谷のコンビがシリーズ第3戦のレース・ド・ニッポン筑波で初優勝。最終戦のインターTECでは中谷が、遠来のジャガー2台に割って入る予選2番手でフロントローを確保。ジャガーを率いていたプレイングマネージャーのトム・ウォーキンショウをして「あれは何者だ!」と驚かせしめたことは、今も語り草となっています。
そしてフル参戦2シーズン目となった1987年には開幕戦の西日本、第2戦の西仙台と開幕2連勝を飾りましたが、ライバルも大きな進化を遂げることになり、残念ながらシリーズチャンピオンには一歩手が届きませんでした。
次なる時代の魁を予感させるラリーアート復活
これ以降、スタリオンがサーキットで活躍する姿を見かけることはなくなり、1990年にはスタリオン自体も、GTOに後を託して表舞台から姿を消すことになってしまいました。そしてそのGTOも2001年に生産を終了し、その後、三菱のモデルラインアップにはフラッグスポーツは“空席”のままとなってきました。
最後に、今回のラリーアート復活発表に際して想い描いた夢物語を紹介しておきましょう。それは日産からOEMで新型フェアレディZの供給を受け、スタリオンを復活させる。それをベースに電気自動車にコンバートするというプラン。一見破天荒ではありますが、去る4月にはFIAが電動GT(e-GT)カテゴリーの創設を発表したばかり。これまでi-MiEVやMINICAB-MiEVなどの軽自動車規格を筆頭に、さまざまな電気自動車(BEV)やプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)を生産してきた三菱には、同門である日産とともにこうした電動化の期待が高まっています。フォーミュラEに参戦している日産と並行して三菱がe-GTに挑戦するというのは、あながち無理筋な話ではないのかな、とも考えます。
現在、フォーミュラEに参戦しているジャガーが、より市販モデルにイメージの近いe-GTにコンバートしてきたら、1986年のインターTECの再現も! と夢はますます膨らんでいきます。
Posted at 2021/07/10 22:40:51 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2021年07月10日
全日本ラリー第7戦:GRヤリス駆る勝田範彦がスバルWRX勢抑え、今季初のグラベル戦を制す
全日本ラリー選手権第7戦『ARKラリー・カムイ』が7月2日~4日、北海道虻田郡ニセコ町を舞台に開催。今季初のグラベル戦が開催された。
2021年の全日本ラリー選手権はターマックでの4連戦を消化し、今季初のグラベル戦となるラリー・カムイでシーズンの折り返しを迎えた。8月20日~22日に秋田県を舞台とする第8戦の横手ラリー、9月10日~12日に北海道を舞台とする第9戦のラリー北海道とこの後もグラベルイベントが続くことから、まさにカムイはグラベル3連戦の初戦として、また今後のタイトル争いを左右するうえでも注目を集めていたのだが、同イベントで幸先の良いスタートを切ったのが地元ドライバーの鎌田卓麻だった。
3日、鎌田はシムスレーシングのスバルWRXを武器にオープニングステージとなるSS1でベストタイムをマーク。しかし、続くSS2では同じくスバルWRXを駆るアライモータースポーツの新井敏弘がベストタイムをマークするほか、SS3でもSSウインを獲得し、新井が2番手の鎌田に1.4秒の差をつけてファーストループをトップでフィニッシュする。
この新井VS鎌田のスバル勢の一騎打ちに割って入ったのが、トヨタGAZOOレーシングでGRヤリスを駆る勝田範彦で、SS4、SS5でベストタイムをマーク。しかし、地元ドライバーの鎌田もSS6で2回目のSSウインを獲得し、好天に恵まれたレグ1をトップでフィニッシュした。2.4秒差の2番手につけたのはGRヤリスで初めてのグラベル戦に挑んだ勝田で、新井がトップから6.4秒差の3番手でレグ1をフィニッシュした。
一方、GRヤリスを駆る奴田原文雄がギアボックストラブルでレグ1を離脱するなか、シュコダ・ファビアを武器にターマックで3連勝を果たした福永修が4番手でレグ1をフィニッシュ。しかし、首位とのギャップはすでに15秒も拡大したことから、トップ争いは鎌田VS勝田VS新井の3台に絞られることとなった。
この三つ巴のトップ争いで最初に脱落したのが、「先頭スタートで砂利がすごくて、まったくグリップしなかった」と語る鎌田で、その言葉どおり、4日のオープニングステージとなるSS7でトップから3.1秒遅れの4番手タイムに低迷し、2番手に後退。変わって同ステージを制した勝田が首位へ浮上する。続くSS8でもトップから11秒遅れの3番手タイムに伸び止んだ鎌田が総合順位でも3番手に後退し、変わって新井がトップから3.3秒遅れの2番手に浮上。さらにSS9では新井がベストタイムをマークし、オーバーオールでも勝田をかわして、0.3秒差で首位に浮上した。
サービスを挟んで行なわれたSS10では、新井と勝田が同タイムでSSウインを分け合うなど互いに譲らない激しい一騎討ちが展開していた。SS11ではベストタイムをマークした勝田が首位に浮上し、新井が0.5秒差の2番手で続くなど、まさに2021年のラリー・カムイでは僅差のシーソーゲームが展開。そして、両者の対決は大会最長距離を誇る15.23kmのSS12に持ち込まれることとなった。
この勝田VS新井の一騎打ちを制したのは勝田で「初めてのグラベル戦だったので、どこまで戦えるのかわからなかったけれど、レグ1のセカンドループで手応えを掴むことができた。なんどか危ない場面もあったけど、最後は全開でアタックして勝つことができたので本当に嬉しい」と語るようにSS12で今大会6回目のSSウインを獲得し、わずか0.7秒差で逃げ切りに成功。勝田が今季初優勝およびGRヤリスでの初優勝を獲得した。
「最終SSはこれ以上は無理と言うぐらい全開で攻めたけれど勝田選手が速かった。クルマは良かったので走り負けた」と清々しい表情を見せる新井が2位に入賞し、「勝田選手と新井選手に離されたのでポジションキープに切り替えた」と語る鎌田が3位で表彰台を獲得。勝田のチームメイトとしてGRヤリスを駆る眞貝知志が4位入賞を果たした。
【GRヤリス初勝利!】勝田範彦、今季初グラベルを0.2秒差で制す【JRC第7戦 2021 ARKラリー・カムイ】
2021年7月2~4日、北海道のニセコ町、蘭越町(らんこしちょう)周辺を舞台に開催されたJRC(全日本ラリー選手権)第7戦 2021 ARK ラリー・カムイ。今シーズン初のグラベルラリーで勝田・木村組のトヨタ GRヤリスが念願の初勝利を飾った!
●フィニッシュ後に今季初優勝を喜ぶ、勝田・木村組
LEG1を鎌田・松本組(スバルWRX)に次ぐ2位で終えた勝田・木村組は、翌日LEG2のオープニングステージ、SS7で首位に立つ。その後は、2位に浮上した新井・田中組(スバルWRX)とシーソーバトルを繰り広げた。SS8、SS9で連続ベストを叩き出した新井・田中組が首位に立つも、SS11では勝田・木村組が逆転。続く最終ステージSS12でもベストタイムをマークし、見事な逆転優勝を決めた。2位の新井・田中組とは、わずか0.7秒差だった。
●豊岡チーム監督と笑顔で握手をかわす、勝田範彦選手
開幕戦の新城ではエンジントラブルでリタイアするなど、決して順風満帆のデビューとはならなかったGRヤリス。グラベルということもあり、熟成の進んだWRX STI勢が有利だろうとの下馬評を覆す初勝利で、続くグラベル2連戦に弾みをつけることになった。
<文と写真=山本佳吾>
Posted at 2021/07/10 22:07:28 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2021年07月09日
『新世紀エヴァンゲリオン』の組織が災害から皆を守る!?──特務機関NERV災害対策車両に注目!
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する組織「特務機関NERV」は、なんと実社会にも存在する。三菱自動車×TOYO TIRESがコラボレーションした災害対策車両に迫った!
特務機関NERVとは?
クルマの電動化、つまりバッテリーに蓄えた電気でモーターを駆動する技術は、走行中の二酸化炭素排出を抑えるためのものだ。ただしそれだけではなく、電動化によってクルマは新たな機能を獲得し、いままでとは異なる役割を果たす可能性が生まれる。
ここでは、洪水や地震などの被災地で活動する災害対策車両として、PHEV(プラグインハイブリッド車)を活用する取り組みを紹介したい。
災害対策車両を製作したのは、災害情報の配信や防災のためのアプリを開発するゲヒルン株式会社。この企業の知名度が高まったのは2011年の東日本大震災で、「特務機関NERV(ネルフ)」というツイッターのアカウント名で情報を発信したことがきっかけだった。
「特務機関NERV」とは、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する組織で、敵の襲来に警報を鳴らす役割を担う。このアカウント名を使ったことで、全国のエヴァンゲリオンのファンに知られる存在になったのだ。
ちなみに社名のゲヒルンとはドイツ語で“頭脳”の意味。「特務機関NERV」の前身にあたる組織で、代表を務める石森大貴はエヴァンゲリオンの大ファンだと明かす。
「エヴァに、『ヤシマ作戦』というのがありまして、大電力を使う武器のために全国から電気を集める作戦なんですね。このシーンが、震災時の計画停電とか節電の呼びかけと重なって、ネットで話題になったようです」
これをきっかけに、ゲヒルンは「特務機関NERV」というネーミングを使用する権利を取得し、このツイッターアカウントはエヴァンゲリオン側から公認・非公式アカウントとして認められている。
三菱自動車のPHEVに行き着いたワケ
ゲヒルンは災害情報を発信する企業としてアプリを発表するほか、気象庁の協力事業者に認定されるなど、順調に成長を続けている。その成長の過程で必要性を感じたのが停電への対策だった。石森は言う。
「北海道での大規模停電などを見るにつけ、弊社もビルが停電すると災害情報の発信どころじゃないな、と、痛感したんです。大きなIT企業では電源を確保するためにビルごと借りるところもありますが、うちはそこまでできない。どうしようか? と、思っていたときに、PHEVがあるじゃないか! と、気づいたんです。そこから、PHEVを災害対策車両に仕立てるというアイディアがふくらみました」
PHEV(プラグ・イン・ハイブリッド)は、バッテリーに蓄えた電気でEVとして走り、電気が足りなくなるとエンジンが始動して発電する仕組みを持つ。多くのPHEVには電源ソケットが備わり、外部に給電することができる。つまり停電しても、PHEVがあれば電源が確保できるのだ。しかも、ガソリンさえ入れることができれば、ずっと発電を続けることができる。
そこで石森は、自動車メーカー各社が販売しているPHEVを徹底的に研究したという。
「三菱自動車のPHEVに行き着いたのは、給電を重視するシステムになっているからです。ほとんどのPHEVは、電気がなくなってくると一度、電源を落とします。でも三菱のPHEVは電気が減ってくると自動でエンジンが始動して発電してくれるんです。もうひとつ、被災地に出向くことを考えると4輪駆動が好ましいという理由もありました」
こうして石森は三菱自動車のディーラーに足を運び、見積書までもらった。そこでふと思いついて、三菱自動車に連絡を取って企画書を送ると、何度かのやり取りのあとで2台の車両が提供されることになった。
災害対策車両の詳細とタイヤへのこだわり
それがここに紹介する「アウトランダーPHEV」と「エクリプス・クロスPHEV」だ。2台は100VのAC電源(1500W)が使用できるソケットをふたつ備え、フル充電の状態なら一般家庭1日ぶんの電力、ガソリン満タンであれば10日ぶんの電力を提供できる。見積もりまでしてもらったディーラーに申し訳ないと感じた石森は、その後、じしんの愛車としてアウトランダーPHEVを購入したという。
電源車としての機能のほかにも、スカパーJSATの協力で衛星アンテナを備えることで、移動しながらインターネットに接続でき、被災地にWi-FiサービスやIP電話による音声通話を提供できるようになった。また、内閣府準天頂衛星システム戦略室から貸与された衛星安否確認サービス「Q-ANPI」の衛星端末も搭載、こちらは被災した人々の安否の確認や避難所運営に使われる。
2台の災害対策車両を完成させる最後のピースとなったのが、タイヤだ。洪水や地震の被害に遭った場所では瓦礫の中を走るかもしれないし、真冬の雪国に出向くことも考えられる。
そこでタイヤの提供を申し出たのがTOYO TIRESだ。アウトランダーPHEVには「OPEN COUNTRY R/T」を装着した。R/Tとは「ラギッド・テレイン」の意味で、ごつごつした路面に対応できるオールシーズンタイヤ。通常のSUV用のオールシーズンタイヤよりオフロードに強いことが特徴で、道路に大小さまざまな障害物が落ちている被災地を走ることを想定した。
エクリプス・クロスPHEVが履くのは、「CELSIUS」で、積雪した路面でもしっかりとグリップすることを念頭に開発されたオールシーズンタイヤ。冬用タイヤ着用の規制がかかった高速道路でも走ることができるから、季節を問わずに高い機動力が期待できる。
2台の災害対策車両は、SUV用に開発された最新のタイヤを履くことで、様々なシーンで活動できるようになった。
こうして完成した2台は、災害派遣医療チーム(DMAT)よる訓練や、各地の防災イベントに参加する予定だ。災害時支援業務協定を締結する箱根町の防災訓練には2台をすでに派遣している。
ちなみに、箱根町と協定を結んだ理由にも、エヴァンゲリオンがからむ。作中に登場する第3新東京市という架空の都市は箱根町がモデルになっており、箱根町はエヴァのファンにとって聖地なのだ。
エヴァンゲリオンは、隕石の衝突にともなう大災害の後の世界を描いた作品だ。エヴァから派生した「特務機関NERV」が、PHEVの災害対策車両を製作するというストーリーは、ファンのあいだで再び話題になるだろう。
文・サトータケシ 写真・小塚大樹
Posted at 2021/07/09 20:25:19 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2021年07月08日
最高出力640psを発生するスーパーSUV! ポルシェジャパンが新型「カイエンターボGT」の予約受注を開始
ニュルでSUV最速の7分38秒9をマーク!
ポルシェジャパンは6月30日、プレミアムクーペSUVである「カイエンクーペ」のハイパフォーマンス版となる「カイエンターボGT」の予約受注を開始した。価格は27,250,000円(税込)で、右ハンドルのみの設定となる。
今回の「カイエンターボGT」では、パワーユニットに最高出力640ps、最大トルク850Nmを発生する4L V8ツインターボエンジンを搭載。これはカイエン ターボクーペの最高出力を90ps、最大トルクは80Nmも上回るもので、0-100km/h加速は3.3秒、最高速度は300km/h(14km/h増加)もの動力性能を誇る。さらに専用に特別に開発されたシャシーシステムとパフォーマンスタイヤが標準装備されたことで、ニュルブルクリンク北コースで7分38秒9のラップタイムをマーク。新たにSUV最速のレコードを記録している。
また、カイエンターボGTは、カイエンターボクーペと比べて車高が最大17mm低く設定。これに基づいてパッシブシャシーコンポーネントとアクティブコントロールシステムの両方が再設計されており、ハンドリングとパフォーマンスが最適化された。それらの間の完全な相互作用を実現するための専用のキャリブレーションも備えることで、ロールの安定性とロードホールディングがさらに向上し、高速コーナリングでのさらに正確なターンインを実現しているという。
専用開発された新しい22インチPirelli P Zero Corsaパフォーマンスタイヤは、ターボクーペと比較してフロントホイールは1インチ広く、ネガティブキャンバーは0.45度増加したことで接地面を拡大。さらに、ポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)システムも標準装備されている。
ターボGTのV8ユニットは、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン、タイミングチェーンドライブ、ねじり振動ダンパーなどの基本的なエレメントがターボ クーペのV8とは異なり、これらのコンポーネントは、640PSに増加した最高出力と向上したドライビングダイナミクスに合わせて設計。高速でシフトする8速ティプトロニックSとポルシェトラクションマネジメント(PTM)システムも変更され、トランスファーケースのウォータークーラーも追加されている。
中央にテールパイプを備えたスポーツエキゾーストシステムはカイエン ターボGT専用で、リアサイレンサーを含む車両中央からのエグゾーストシステムは、軽量で特に耐熱性に優れたチタン製を採用。センターサイレンサーを削除したことで、さらなる軽量化も実現している。
エクステリアには、フロント部にリップスポイラーと大型のサイドエアインテークを装備。流線型のルーフはカーボン製で、ブラックのホイールアーチエクステンションも装備される。一方ルーフスポイラーに縦方向に取り付けられたカーボンサイドプレートは、ターボのものより25mm大きいアダプティブ展開式リアスポイラーリップとされ、これにより最高速度でのダウンフォースが最大40kg増加するという。ターボインテリアは、トリム類に多用されたアルカンターラがトピック。8wayフロントスポーツシートと独立した2席のスポーツリアシートシステムも標準装備され、それぞれのシートにはGT特有のアルカンターラ パンチングシートセンターパネル、ネオジムまたはアークティックグレーのコントラストアクセント、およびヘッドレストの“turbo GT”ロゴが備わる。ステアリングホイールには、ポルシェのスポーツカーではおなじみとなる12時位置のイエローマーキングが付けられるなど、レーシーな内外装も特徴だ。
公式ページ https://www.porsche.com/japan/jp/models/cayenne/cayenne-models/
ターボのさらに上。ポルシェ カイエンターボGTが登場。V8ツインターボはついに640psへ到達
2021年6月30日、ポルシェジャパンはスポーティSUVの雄「カイエン」に、パワーアップされた4L V8 DOHCツインターボ(640ps/850Nm)搭載の「ターボGT」を新たにラインナップしたと発表。同日より予約注文が開始された。
最高速300km/hのパフォーマンスを発揮
ポルシェの名に恥じないスポーティな走りを提供するSUV カイエンに新たな仲間「カイエン ターボGT」グレードが加わった。名称に「クーペ」と入っていないものの、ボディはルーフを後端に向けて低くしていくカイエンクーペをベースとする。
カイエン ターボGTに搭載されるエンジンの排気量/シリンダー数こそ4L V8 DOHCツインターボと、ベースとなるクーペターボと同じだが、そのパフォーマンスは大幅に向上している。最高出力を90psアップの640ps、最大トルクを80Nmアップの850Nmとし、0→100km/h加速3.3秒(ベース比−0.6秒)、最高速度は300km/h(ベース比+14km/h)の実力の持ち主だ。
フォルムは、クーペ ターボと比べて車高を最大17mm低く設定されている。もちろん、走行性能の向上が目的で、併せてパッシブシャシーコンポーネントとアクティブコントロールシステムの両方の再設計も行われた。
装着されるタイヤは、専用に開発された22インチ「ピレリ Pゼロ コルサパフォーマンス」。クーペ ターボと比較してフロントホイールは1インチ大きく、ネガティブキャンバーは0.45度増加している。高い制動力を誇る、ポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)も標準で装備される。
8速AT(ティプトロニックS)のトランスミッションとポルシェ トラクション マネジメント(PTM)システムも変更され、トランスファーケースにウォータークーラーも追加された。中央2本出しのスポーツエグゾーストシステムも専用のものだ。
独自色を演出するエクステリア&インテリア
エクステリアもターボGTならではの装いとなる。リップスポイラーや大型サイド クーリング エアインテーク、流線型のカーボンルーフ、ブラックのホイールアーチエクステンション、専用デザインの22インチホイールが他のモデルとの違いを強調する。
ルーフスポイラー両端に取り付けられたカーボンサイドプレートは、クーペ ターボのものより25mm大きい。アダプティブ展開式リアスポイラーとの効果により、ダウンフォースは最大で40kg増加するという。ボディカラーには、新色アークティックグレーカラーがオプションで設定されている。
インテリアでは、ベースモデルと同様フロントシートと独立した2席のリアシートによる4人乗りとなるが、そのいずれのシートがスポーツタイプとなり、またシート表皮には専用のアルカンターラ素材を標準で採用される。また、ヘッドレストには「turbo GT」ロゴがあしらわれる。
マルチファンクションスポーツステアリングには、おなじみの12時位置のイエローマーキングが付けられる。
インフォテインメントシステムも進化し、新しいオペレーティングロジックを備えた次世代ポルシェ コミュニケーション マネジメント(PCM)システムが装備される。これにより、iPhone(Apple CarPlay)やアンドロイド(Android Auto)といった一般的なスマートフォンとの接続が可能になった。
カイエン ターボGTの車両価格は2725万円(税込)。ハンドル位置は右仕様となり、6月30日より予約受付が開始されている。
ポルシェ カイエン ターボGT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4942×1995×1636mm
●ホイールベース:2895mm
●車両重量:2220kg(DIN)
●エンジン:V8 DOHCツインターボ
●総排気量:3996cc
●最高出力:471kW(640ps)/6000rpm
●最大トルク:850Nm/2300−4500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・90L
●WLTCモード燃費:−
●タイヤサイズ:前285/35ZR22・後315/30ZR22
●車両価格(税込):2725万円
打倒ランボルギーニ ウルス。640PSの「カイエンターボ GT」が絶妙の価格ポジションで国内上陸
「ポルシェ カイエンクーペ」の新たな最速グレード「カイエンターボ GT」が6月30日、日本に上陸した。高められた運動性能と日常の扱いやすさを兼ね備えたスーパーSUVをさっそく紹介しよう。
フロントに搭載する4リッターV8ツインターボユニットは、クランクシャフトドライブ、ターボチャージャー、ダイレクトインジェクションなどの大規模なアップグレードにより、カイエンシリーズの純内燃機関モデルとしては最強の640ps/850Nmを発生。これは「カイエンターボ クーペ」を90ps上回る値で、0-100km/h加速は3.3秒(0.6秒短縮)、最高速度は300km/h(14km/h増加)を達成する。ちなみに、プラグインハイブリッドの「カイエンターボS E-ハイブリッドクーペ」は680ps/900Nmを叩き出すが、重量増が仇となり0-100km/h3.8秒、最高速度295km/hにとどまる。
さらに、カイエンターボ GTは、専用のシャシーシステムと22インチ「ピレリ Pゼロ コルサ」パフォーマンスタイヤを標準装備。車高はターボクーペに比べ最大17mm低められたほか、3チャンバーエアサスペンションの剛性が15%向上し、キャンバー角も0.45度増やされた。こうしたセッティングの見直しによる戦闘力向上で、テストドライバーのラース・ケルンがステアリングを握ったターボ GTはニュルブルクリンク北コースを7分38秒9で周回し、新たな公式SUVレコードを打ち立てている。
また、中央にテールパイプを備えたチタンスポーツエグゾーストシステムやポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)などもすべて標準。インテリアにも次世代のインフォテイメントシステム「PCM6.0」がポルシェで初めて奢られ、独立式の2座スポーツリアシートも相まって、スポーティで上質な空間となっている。
カイエンターボ GTの国内価格(税込)は2725万円。想定されるライバル達の価格とスペックは「ランボルギーニ ウルス」(650ps/850Nm,0-100km/h3.6秒)が約3068万円、「アストンマーチン DBX」(最高出力550ps、最大トルク700Nm、0-100km/h:4.5秒)2300万円となっており、パワーはウルスに劣るものの、加速はトップ、そしてやや安価とポルシェの絶妙なポジション取りが見て取れる。
ポルシェ 640psエンジン搭載の「カイエンターボGT」の予約受注を開始
ポルシェジャパンは2021年6月30日、傑出したドライビング・ダイナミクスと日常の使いやすさを兼ね備えた新型「カイエンターボGT」の予約受注を開始しました。
新型カイエンターボGTに搭載される4.0L V8ツインターボエンジンは最高出力640psを発生。最大トルクは850Nmで、0-100km/h加速タイムは3.3秒(0.6秒短縮)をマークし、最高速度は300km/h(14km/h増加)に達します。
さらにスポーティーなフォルムを備えた4シータークーペのカイエンターボGTには、モデル専用に特別に開発されたシャシーシステムとハイパフォーマンス・タイヤが標準装備されています。
ポルシェのテストドライバーであるラース・ケルンはカイエンターボGTのステアリングを握り、20.832kmのニュルブルクリンクのノルドシュライフェを7分38.9秒で一周し、新たな公式SUVレコードを打ち立てました。
新型カイエンターボGTは、カイエンターボ・クーペと比べて車高が最大17mm低く、そのためサスペンションは専用設計されており、ハンドリングとパフォーマンスを最適化しています。
その一例として、3チャンバー式エアサスペンションの剛性が最大15%向上し、ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)のダンパー特性、パワーステアリングプラスおよびリヤアクスルも最適化されています。
ポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)アクティブ制御ロール安定化システムは、専用チューニングされ、その結果、ロールの安定性とロードホールディングがさらに向上し、高速コーナリングでの精確なターンインが実現しています。
専用開発された新しい22インチピレリPゼロ・コルサ・タイヤは、ターボクーペと比較してフロントホイールは1インチ広く、ネガティブキャンバーは0.45度増加。より大きな接地面を備えます。さらに、ポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)システムも標準装備されています。
新型カイエンターボGTのツインターボV8エンジンは、ポルシェで最もパワフルな8気筒ユニットです。クランクシャフトドライブ、ターボチャージャー、直噴インジェクション、吸気システム、インタークーラーの面積などがすべてアップグレードされています。
つまりターボGT専用のV8エンジンは、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン、タイミングチェーン駆動、ねじり振動ダンパーなどの基本的なパーツ類がターボ・ クーペのV8とは異なり、640psに増加した最高出力に合わせて設計されているわけです。
クイックシフトの8速ティプトロニックSとポルシェトラクションマネジメント(PTM)システムも専用チューニングされています。またトランスファーケースのウォータークーラーも追加されています。
中央にテールパイプを備えた標準装備のスポーツエグゾーストシステムは、カイエンターボGT専用です。リヤサイレンサーを含む車両中央からのエグゾーストシステムは、軽量で特に耐熱性に優れたチタン製で、センターサイレンサーを削除したことで、さらなる軽量化も実現しています。
エクステリアでは、ユニークなフロントビューを形成するスポイラーリップと大型サイドクーリングエアインテークを備えたGフロントエプロンを装備。流線型のカーボンルーフとブラックのホイールアーチエクステンションは、ネオジムの22インチGTデザイン・ホイールとともに、サイドビューを精悍に見せています。
ルーフスポイラーの縦方向に取り付けられたカーボンサイドプレートはGT専用です。これによって、最高速度でのダウンフォースが最大40kg増加。リヤビューは、印象的なカーボンディフューザーパネルが特長です。
インテリアは、充実した装備とアルカンターラ製トリムにより高い質感を備えています。シートはフロントが8ウェイ・スポーツシート、リヤは独立タイプの2席式スポーツシートを標準装備。
インフォテイメントでは、より性能を向上させ、新しいユーザーインターフェース、新しいオペレーティングロジックを備えた次世代ポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)システムがカイエンターボGTで初めて市場に投入されます。もちろんApple CarPlay、Android Autoに対応したシステムとなっています。
ポルシェ カイエン に「ターボGT」、640馬力ツインターボで最高速300km/h…欧州発表
ポルシェは6月30日、『カイエン・ターボGT』(Porsche Cayenne Turbo GT)を欧州で発表した。「カイエン」シリーズの内燃エンジン搭載車としては、最強モデルとなる。
◆0-100km/h加速は3.3秒
カイエン・ターボGTのベースは、「カイエン・ターボクーペ」だ。直噴4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力が90ps引き上げられ、640psを獲得する。最大トルクは86.7kgmと、8.2kgm上乗せされた。
クランクシャフトドライブ、ターボチャージャー、ダイレクトフューエルインジェクション、インダクションシステム、インタークーラーなどに大規模な変更が施された。V8エンジンは、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン、タイミングチェーンドライブ、ねじり振動ダンパーなどがカイエンターボクーペのV8とは異なる。これらのコンポーネントは、640psに増加した最大出力と向上したドライビングダイナミクスに合わせて設計されているという。
このツインターボエンジンは、ポルシェで最もパワフルな8気筒ユニットだ。高速でシフトする8速「ティプトロニックS」と「ポルシェトラクションマネジメント(PTM)」システムも変更された。トランスファーケースのウォータークーラーも追加されている。これらの結果、カイエン・ターボGTは0~100km/h加速3.3秒と0.6秒短縮。最高速は14km/hプラスされ、300km/hに到達する。
◆専用開発されたシャシーシステム
カイエン・ターボGTには、専用開発されたシャシーシステムとパフォーマンスタイヤが標準装備される。車高は、カイエンターボクーペと比べて、最大17mm低い。これに基づいて、パッシブシャシーコンポーネントとアクティブコントロールシステムの両方が再設計されており、ハンドリングとパフォーマンスが最適化された。
また、それらの間の完全な相互作用を実現するための専用のキャリブレーションも備える。例えば、3チャンバーエアサスペンションの剛性が最大15%向上し、「ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)」のダンパー特性、「パワーステアリングプラス」、リアアクスルも専用チューニングされた。「ポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)」アクティブ制御ロール安定化システムは、パフォーマンス指向の制御ソフトウェアで作動する。その結果、ロールの安定性とロードホールディングがさらに向上し、高速コーナリングではさらに精確なターンインを実現しているという。
「ポルシェトルクベクトリングシステム」は、これに合わせてより高いトルクバイアス比を可能にした。最適化されたフロントアクスルもハンドリングを改善する。専用開発された22インチのピレリ「P Zero Corsa」パフォーマンスタイヤは、カイエンターボクーペと比較してフロントホイールが1インチ広く、ネガティブキャンバーは0.45度増加して、大きな接地面を持つ。「ポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)」システムも標準装備されている。
◆300km/hの最高速でのダウンフォースが最大40kg増加
エクステリアは、目立つスポイラーリップと大型サイドクーリングエアインテークを備えた専用フロントバンパーを装備する。流線型のカーボンルーフとブラックのホイールアーチエクステンション、ネオジムの22インチのGTデザインホイールも採用された。ルーフスポイラーに縦方向に取り付けられたカーボンサイドプレートは専用となる。
また、カイエン・ターボクーペよりも25mm大きいアダプティブ展開式リアスポイラーリップも専用装備した。これによって、300km/hの最高速でのダウンフォースが最大40kg増加するという。リアには、カーボン製ディフューザーパネルを装備した。オプションで、新しいアークティックグレーのボディカラーが選択できる。
中央にテールパイプを備えた標準装備のスポーツエグゾーストシステムは、カイエンターボGT専用だ。リアサイレンサーを含む車両中央からのエグゾーストシステムは、軽量で耐熱性に優れたチタン製とした。センターサイレンサーを削除したことで、さらなる軽量化も実現するという。
◆新世代のインフォテインメントシステムを初採用
インテリアは、アルカンターラを多用した。8方向に調整できるフロントスポーツシート、独立した2席のスポーツリアシートも標準装備される。それぞれのシートは、専用のアルカンターラパンチングシートセンターパネル、ネオジムまたはアークティックグレーのコントラストアクセント、ヘッドレストの「turbo GT」ロゴが備わる。マルチファンクションスポーツステアリングホイールには、12時位置にイエローマーキングが付く。トリムの仕様に応じて、アクセントストリップはマットブラック仕上げになる。
新世代の「ポルシェ・コミュニケーション・マネジメント(PCM)」システム、「PCM6.0」が初採用される。新しいユーザーインターフェースや、新しいオペレーティングロジックを導入した。従来からのApple 「CarPlay」に加えて、「Apple Music」と「Apple Podcasts」の統合も可能になった。さらに、インフォテインメントシステムは、グーグルの「Android Auto」にも対応。これによって、全ての一般的なスマートフォンを車載ディスプレイに統合することができる、としている。
新型ポルシェ カイエンターボGTの国内予約受注スタート。ノルトシュライフェのSUV最速ラップ樹立モデル!
Porsche Cayenne Turbo GT
ポルシェ カイエン ターボGT
最高出力640psを発揮する4.0V8ツインターボを搭載
ポルシェジャパンは、卓越したドライビングダイナミクスと日常の使いやすさを兼ね備えた「新型カイエン ターボGT」の予約受注を6月30日から、日本全国のポルシェ正規販売店にてスタートした。
常に最高の性能とハンドリングを実現するようセットアップされた新型カイエン ターボGTは、最高出力471kW(640ps)を発揮する4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載。カイエン ターボ クーペの最高出力を67kW(90ps)上回り、最大トルクは850Nm(80Nm増加)を実現した。
0-100km/h加速タイムは3.3秒(0.6秒短縮)、最高速度は300km/h(14km/h増加)をマーク。スポーティなフォルムを備えた4シータークーペのカイエン ターボGTには、専用開発されたシャシーシステムと、パフォーマンスタイヤが標準装備される。
ポルシェのテストドライバーであるラース・カーンは、このカイエン ターボGTのステアリングを握り、20.832kmのニュルブルクリンク・ノルトシュライフェを7分38.9秒で走行。新たな公式SUV記録を達成している。これによりカイエン ターボGTの優れたサーキット性能と、高い日常性の調和という総合コンセプトが証明されと言えるだろう。
カイエン ターボ クーペから17mmローダウン
新型カイエン ターボGTは、カイエン ターボ クーペと比較して車高を17mmローダウン。これに基づいて、パッシブシャシーコンポーネントとアクティブコントロールシステムが再設計され、ハンドリングとパフォーマンスが最適化された。また、双方の完全な相互作用を実現するために専用キャリブレーションも備えている。
一例として、3チャンバーエアサスペンションの剛性は最大15%向上。ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)のダンパー特性、パワーステアリングプラス、リヤアクスルにも適合されている。
「ポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)」──アクティブ制御ロール安定化システムは、パフォーマンス指向の制御ソフトウェアで作動。その結果、ロールの安定性とロードホールディングがさらに向上し、高速コーナリングでのさらに精確なターンインが実現した。ポルシェトルクベクトリングシステムは、これに合わせてより高いトルクバイアス比が可能になっている。
包括的に最適化されたフロントアクスルもハンドリング改善に寄与。専用開発された新しい22インチ「ピレリ P Zero Corsa」パフォーマンスタイヤは、ターボ クーペと比較してフロントホイールが1インチ広く、ネガティブキャンバーも0.45度増加したことで接地面が拡大した。さらにポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)システムも標準装備される。
専用のチタン製スポーツエキゾーストシステム
カイエン ターボGTに搭載されるツインターボエンジンは、ポルシェで最もパワフルな8気筒ユニットとなる。これを実現するために、クランクシャフトドライブ、ターボチャージャー、ダイレクトフューエルインジェクション、インダクションシステム、インタークーラーなどに大規模なアップグレードが行われた。
ターボGTのV8は、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン、タイミングチェーンドライブ、ねじり振動ダンパーなどの基本的なエレメントは、ターボ クーペのV8とは異なった仕様を採用。これらのコンポーネントは471kW(640ps)に増強した最高出力と、大幅に進化したドライビングダイナミクスに合わせて設計された。
高速シフトが可能な8速ティプトロニックSと、ポルシェトラクションマネジメント(PTM)システムも変更。トランスファーケースのウォータークーラーも追加された。中央にテールパイプを備えた標準装備のスポーツエキゾーストシステムは、カイエン ターボGT専用となる。リヤサイレンサーを含む車両中央からのエキゾーストシステムは、軽量で特に耐熱性に優れたチタンを用いて製造された。センターサイレンサーが取り外されたことにより、さらなる軽量化も実現している。
エクステリアに採用されたカーボンエレメント
オプションとして新たにアークティックグレー(写真)をボディカラーに導入。その先進的なデザインと卓越した装備を通して、抜群のスポーツ性を強調する。フロントセクションには専用のスポイラーリップと、大型サイドクーリングエアインテークが採用された。
流線型のカーボンルーフとブラックのホイールアーチエクステンションは、ネオジムの22インチ GTデザインホイールとともにサイドビューを引き立てている。
カイエン ターボのデバイスより25mmも大きいアダプティブ展開式リヤスポイラーリップ、ルーフスポイラーに取り付けられたカーボンサイドプレートはターボGT専用。これらのエアロパーツにより、最高速度域でのダウンフォースは最大40kgも増加した。また、リヤセクションには印象的なカーボンディフューザーパネルも装着されている。
すべてのスマートフォンに対応するPCM6.0
インテリアにはアルカンターラを積極的に採用。8wayフロントスポーツシート、独立した2席のスポーツリヤシートシステムも標準装備される。それぞれのシートはGT専用のアルカンターラ・パンチングシートセンターパネル、ネオジム/アークティックグレーのコントラストアクセントを採用。ヘッドレストには“turbo GT”ロゴが入れられた。
マルチファンクション・スポーツステアリングホイールには、ポルシェのスポーツカーではおなじみとなった12時位置のイエローマーキングを配置。トリムの仕様に応じてアクセントストリップはマットブラック仕上げとなる。
向上した性能、新しいユーザーインターフェイス、カイエンの新しいオペレーティングロジックを備えた次世代「ポルシェコミュニケーションマネジメント(=PCM)6.0」システムが、このカイエン ターボGTから投入された。これまで同様、Apple CarPlayに対応すするだけでなく、Apple MusicとApple Podcastsへの統合も可能になっている。さらにインフォテインメントシステムにはAndroid Autoも含まれており、全ての一般的なスマートフォンをシステムに統合することができる。
【車両本体価格(税込)】
ポルシェ カイエン ターボGT(8速Tip-S/右ハンドル):2725万円
【問い合わせ】
ポルシェ カスタマーケアセンター
TEL 0120-846-911
ポルシェ カイエンターボGT、2725万円で予約受注開始…最高出力640psのモンスターSUV
ポルシェジャパンは、『カイエン』改良新型の高性能モデル『カイエン・ターボGT』(Porsche Cayenne Turbo GT)の予約受注を6月30日より開始した。
パワーユニットは、4リットルV8ツインターボエンジンを搭載する。クランクシャフトドライブ、ターボチャージャー、ダイレクトフューエルインジェクション、インダクションシステム、インタークーラーなどを大幅にアップグレード。『カイエン ターボクーペ』を遥かに上回る最高出力640ps(+90ps)/最大トルク850Nm(+80Nm)を発生。ターボGT用に最適化した8速ティプトロニックSとポルシェトラクションマネジメント(PTM)を組み合わせ、0-100km/h加速タイムは3.3秒(0.6秒短縮)、最高速度は300km/h(14km/h増加)に達する。
エクステリアでは、目を引くスポイラーリップと大型サイドクーリングエアインテークを備えたフロントエプロンにより、ユニークなフロントビューを演出。流線型のカーボンルーフとブラックのホイールアーチエクステンション、ネオジムの22インチGTデザインホイールがサイドビューを引き立てる。また、ターボのものより25mm大きいアダプティブ展開式リアスポイラーリップを装備。最高速度でのダウンフォースを最大40kg増加させる。
インテリアでは、8ウエイフロントスポーツシート、独立した2席のスポーツリアシートシステムを標準装備。各シートは、GT特有のアルカンターラ パンチングシートセンターパネル、ネオジムまたはアークティックグレーのコントラストアクセント、およびヘッドレストの「turbo GT」ロゴを備える。マルチファンクションスポーツステアリングホイールには、12時位置にイエローマーキングが付く。トリムの仕様に応じて、アクセントストリップはマットブラック仕上げとなる。
カイエンターボGTは8速ティプトロニックS/右ハンドルのみで、価格は2725万円。
ポルシェ、サーキット用セットアップを備えた高性能SUV『カイエンターボGT』の予約受注を開始
6月30日、ポルシェジャパンは卓越したドライビングダイナミクスと日常の使いやすさを兼ね備えた新型『カイエンターボGT』の予約受注を、同日から日本全国のポルシェ正規販売店にて開始した。
新型カイエンターボGTに搭載される4リッターV8ツインターボエンジンは最高出力640PSを発揮し、その優れた走行性能を実現するためのベースとなる。『カイエンターボクーペ』の最高出力を90PS上回るターボGTの最大トルクは850Nmを誇り、0-100km/h加速タイムは3.3秒をマークし、最高速度は300km/hに到達する。
スポーティーなフォルムを備えた4シータークーペのカイエンターボGTには、モデル専用に特別開発されたシャシーシステムとパフォーマンスタイヤが標準装備され、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでは、ポルシェテストドライバーであるラース・ケルンのドライブによって7分38秒9という新しい公式SUVレコードを打ち立てた。
また、新型カイエンターボGTは、カイエンターボクーペと比べて車高が最大17mm低く設定されており、これに基づいてパッシブシャシーコンポーネントとアクティブコントロールシステムの両方が再設計され、ハンドリングとパフォーマンスがさらに最適化されている。
抜群のスポーツ性を強調するエクステリアには多数のカーボンエレメントが使用され、ユニークなフロントビューを生み出すスポイラーリップと大型サイドクーリングエアインテークを備えることでGTモデル特有の外観を生み出し、流線型のカーボンルーフとブラックのホイールアーチエクステンションは、ネオジムの22インチGTデザインホイールとともにサイドビューを引き立てる。
また、ルーフスポイラーに縦方向に取り付けられたカーボンサイドプレートは、カイエンターボのものより25mm大きいアダプティブ展開式リヤスポイラーリップと同様に、ターボGT特有の装備となる。この可変リヤスポイラーにより、最高速度でのダウンフォースが最大40kg増加するという。
インテリアはアルカンターラが使用されることでスポーティさが強調され、そのほかにも8wayフロントスポーツシートや、独立した2席のスポーツリヤシートシステムも標準装備となる。それぞれのシートには、ターボGT特有のアルカンターラ・パンチングシートセンターパネルやコントラストアクセント、ヘッドレストに“turbo GT”ロゴが備えられる。
マルチファンクション・スポーツステアリングホイールには、ポルシェスポーツカーおなじみの12時位置のイエローマーキングも施され、SUVながら本格的スポーツカーにも引けを取らない新型カイエンターボGT。予約受注は6月30日から開始されており、消費税込みのメーカー希望小売価格は2725万円だ。詳細はポルシェの公式ホームページ(https://www.porsche.com/japan/jp/models/cayenne/cayenne-models/cayenne-turbo-gt/#turbo_gt~open)まで。
Posted at 2021/07/08 23:31:37 | |
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