スバル、エンジンでリコール トヨタ「86」含む約10万台対象 対策はエンジン脱着も必要で長期化必至か
■エンジンのバルブスプリングに不具合
2018年11月1日、スバルは国土交通省に「インプレッサ/フォレスター/BRZ」のリコールを届け出しました。また、このリコールを受け、トヨタ「86」も対象となっています。
今回の不具合の状況は、エンジンの一部にあたるシリンダーヘッド内の動弁機構部において、設計が不適切なため、バルブスプリングの設計条件よりも過大な荷重、および一般的な製造ばらつきによる当該スプリング材料中のわずかな異物によって、当該スプリングが折損するようです。
そのため、エンジンから異音が発生し、また、エンジン不調となり、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがあります。
改善の内容は全対象車両のバルブスプリングを対策品に交換となります。
対象の車両はスバルが「インプレッサ/フォレスター/BRZ」で台数は2012年1月から2013年9月までに製造された7万4349台(車種により製造日は異なります)。
トヨタが2012年3月から2013年7月までに生産された「86」で台数は2万6804台になり、両社あわせて10万1153台になります。
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不具合が発見されたバルブスプリングは、シリンダーヘッドと呼ばれる部品の中に組み込まれています。このバルブスプリングは、エンジンが空気と燃料の混合気を吸い込む「吸気バルブ、燃焼後の排気ガスを排出する「排気バルブ」の両方に取り付けられ、スブリングの反発力によりバルブが完全に閉じるようになっています。
したがって、バルブスプリングに折損などが起きると、バルブが完全に閉じなくなり燃焼がうまく行なわれず、出力の低下や最悪はピストンとバルブが接触して、さらにエンジン部品の大き破損につながるおそれがあります。
本件についてスバルに確認したところ、バルブスプリングの交換には車両からのエンジン脱着が必要であり、対象のクルマを数日間は預かるとのことでした。
一般的に直列4気筒やV型6気筒などのエンジンでは、エンジンを降ろさなくても、シリンダーヘッドの取り外しは可能ですが、今回のエンジンは水平対向型と呼ばれ、シリンダーヘッドはエンジンルームの下部に位置するため、エンジンが車載状態では取り外すことは難しいと考えられます。
約10万台という対象車すべてのバルブスプリング交換にどのくらいの期間かかるのか、リコールにかかる費用はどのくらいかなど、現在は明らかになっていません。 【了】
【86&BRZオーナーは至急確認!】スバルがエンジンのバルブスプリング不良で大規模リコールを発表!
11月1日、スバルがエンジンに使われているバルブスプリングの不具合で大規模なリコールを国土交通省に提出した。
対象の車両はスバルが「インプレッサ/フォレスター/BRZ」で台数は2012年1月から2013年9月までに製造された7万4349台(車種により製造日は異なる)。トヨタが2012年3月から2013年7月までに生産された「86」で、台数は2万6804台。両社あわせると10万1153台にもおよぶ。
詳細は「原動機の動弁機構部において、設計が不適切なため、バルブスプリングの設計条件よりも過大な荷重及び一般的な製造ばらつきによる当該スプリング材料中の微小異物によって、当該スプリングが折損することがある。そのため、エンジンから異音が発生し、また、エンジン不調となり、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがある(スバル)」とのこと。
つまり、高回転高負荷時にバルブスプリングが折れる恐れがあるということだろう。
厄介なのは対象エンジンが水平対向ってこと。トラブルはヘッドまわりだから、これが直列や一般的なV型エンジンならエンジンを降ろさずに作業を完結できる。しかし、プラグ交換すら鬼のように大変な作業性最悪の水平対抗エンジンとなると話は別だ。間違いなくエンジンを車体から切り離す必要があるわけで、ディーラーはしばらくパニック状態になるだろう。そういえば、2010年にレクサスもバルブスプリング不良で10万台規模のリコールを提出してたっけ。あのときはリコール費用が200億円規模だったそうだから、今回はどうなることやら…。
エンジンのバルブスプリングの不具合とは何か スバルのリコールから考える
スバル車にリコールが発せられている。水平対向エンジンのバルブスプリングに不具合があるという。そのバルブスプリングについて、どのような要件が求められるのか、その要件を満たすのはなぜ難しいのか、今回の事象はなぜ生じているのか、いろいろ考えてみた。
バルブスプリングとは、ポペットバルブの開閉に必要なばねである。端部の一方はシリンダーヘッドのシート部に、もう一方はポペットバルブのステム端部に備わる、コッタで固定するシートに密着している。
一般的にばねには、弾性限、疲労強度、耐へたり性の3つの高さが求められる。弾性限という言葉はなじみがなく、わかりやすく言えばばねの反発力のこと。これはばね鋼を製造する際の炭素量でコントロールする。一般的なばね鋼では含有量0.5%程度、含めすぎると硬くてもろくなる性質になる。お察しのように、疲労強度も炭素含有量によるところが大きい。耐へたり性を左右するのはケイ素で、こちらは1.5%程度。こちらは入れすぎると鋼材の表面に脱炭層が生じやすくなり、疲労強度および耐へたり性の低下をもたらす。このほか、ばね鋼に粘りを出すためのバナジウム、耐食性を高めるためのクロムなどが含められる。
スバルのリコール通達を見ると「基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因」の欄には以下のようにある。
『原動機の動弁機構部において、設計が不適切なため、バルブスプリングの設計条件よりも過大な荷重及び一般的な製造ばらつきによる当該スプリング材料中の微小異物によって、当該スプリングが折損することがある。そのため、エンジンから異音が発生し、また、エンジン不調となり、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがある。』
材料中の微小異物、折損とあるので、上記含有物のうち、炭素あるいはケイ素含有量のいずれかによるものか。
方や、ばねには製造の難しさもある。
ご存じ、ばねは変形することで仕事をする。変形しているときは表面で荷重を支えているとともに、ねじれが生じている。かりにばね表面に傷が入っていたら──想像のとおり折損する可能性が高い。事実、サスペンション用ばねが壊れるときの主たる原因は、跳ね石などによる表面の傷がもたらす腐食である。
表面の傷を廃するため、ばね鋼は製造時に、一般的な圧延工程に先んじて溶削という工程をとる。角材の状態にある原材料の表面を1000℃以上の状態で溶かしながら削り、表面を整える。その後、ローラーで延ばしながら角断面を丸棒に整えていく。ばね鋼を仕立てる際、ばね鋼からスプリングに成形する際、バルブスプリングをシリンダヘッドに組み付ける際──考え始めればきりはなく、可能性はどこにでもある。しかし今回の折損は製造時の不具合という印象ではない。
いずれにせよ、スバル車に搭載されている水平対向エンジンは、シリンダヘッドカバーはサイドメンバーギリギリのところに備わる。しかも左右だ。直列エンジンであれば縦積み/横積みいずれでもヘッドカバーを外してカムシャフトを外し──それでも大変なおおごとだが──つまり車載状態での交換が可能だが、水平対向エンジンはそのスペースに乏しい。「サブフレームごと降ろしてしまったほうが早い」となるのは必至で、しかしそうなると時間も手間もかかる。
対象となる型式は、DBA-GJ6/GJ7/GP6/GP7のインプレッサ、DBA-SHJ/SJ5のフォレスター、DBA-ZC6のBRZ。インプレッサとフォレスターは該当エンジンがFB20型、BRZはFA20型。FB16型や25型、ターボ仕様が含まれていないところを見ると、2.0ℓ自然吸気用のバルブスプリングに不具合が見つかった、ということだろうか。
マツダ、CX-5 など23万台をリコール、ECUなど不具合でエンジン停止のおそれ
マツダは11月7日、『CX-5』など4車種約23万5000台の吸気側バルブスプリングおよびエンジン制御コンピュータ(ECU)に不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。
対象となるのは、『CX-5』『CX-8』『アクセラ』『アテンザ』の4車種で2012年2月13日~2018年7月4日に製造された23万5293台。
吸気側バルブスプリングについては、スプリング荷重の設定が不適切なため、吸気バルブの閉じ力が弱く、吸気バルブとバルブシート間に挟まる煤を押し潰すことができず、圧縮不良となることがある。そのため、エンジン回転が不安定になり、最悪の場合、エンジンが停止するおそれがある。
改善措置として、全車両、吸気側バルブスプリングを対策品と交換する。なお、交換に時間を要すため、年式の古い車両から順次交換する。不具合は255件発生している。
ECUについては吸気シャッタバルブの制御プログラムが不適切なため、バルブ周辺に付着する煤などにより、バルブ開度が正しく制御されなくなり、エンジン警告灯が点灯した際、フェールセーフが十分に機能せず、バルブが全開しないことがある。そのため、煤などの付着により、バルブが全閉のまま固着した場合、エンジンが停止するおそれがある。
改善措置として、全車両、ECUを点検し、吸気シャッタバルブ用制御プログラムを対策プログラムに修正する。点検の結果、吸気シャッタバルブに異常がある場合や、プログラム修正後にエンジン警告灯が点灯した場合は、吸気シャッタバルブを新品に交換する。不具合は28件発生している。
ECUについてはさらに、排気圧センサの異常判定プログラムが不適切なため、センサ内部への水分の浸入により、センサの出力値がずれ、排出ガスが基準値を満足しなくなる場合に、異常判定しない。そのため、そのままの状態で使用を続けると、浸入した水分により排気圧センサ内の電子回路が腐食し、断線することでエンジン警告灯が点灯し、フェールセーフ制御によりアイドリングストップが作動しなくなり、変速ショックが大きくなるおそれがある。
改善措置として、全車両、ECUを点検し、排気圧センサ用制御プログラムを対策プログラムに修正する。点検の結果、排気圧センサに異常がある場合や、プログラム修正後にエンジン警告灯が点灯した場合は、排気圧センサを現行の新品に交換する。不具合は442件発生している。
いずれも不具合を起因とする事故は起きていない。市場からの情報により届け出た。なお、吸気側バルブスプリングの不具合については2017年2月23日にリコール届出を行ったが、改善措置の内容が不十分なことが判明したため再リコールを実施した。
スバルは単純に水平対向ってレイアウトのせいで手間と時間ばかりかかる
マツダは改善対策を実施したが不具合が発生する可能性があるからリコールにって感じなのかね
他のメーカーでもこのままバルブスプリングの交換がブームにならなければいいのだけど…
個人的には
GS350、GS450h、GS460、IS350、LS460、LS600h、LS600hLのリコール
コレを思い出しちゃうんだよね…
GS350、GS450h、GS460、IS350、LS460、LS600h、LS600hLのご愛用車につきまして、平成22年7月5日に下記内容のリコールを国土交通省へ届け出しました。
リコールの概要
【1. 不具合の状況】
原動機の動弁機構部において、バルブスプリングの材料中に微小異物があるとスプリングの強度が低下して折損することがあります。そのため、異音が発生してエンジン不調となり、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがあります。
【2. 改善の内容】
全車両、当該バルブスプリングを対策品に交換します。
Posted at 2018/11/08 23:24:34 | |
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