2020年04月29日
失敗作ではないけど売れなかった!? イロイロとやらかした車5選
■気合いが入りすぎた!? 不運な結果のクルマたち
これまで、数多くのクルマが販売されましたが、ヒット作になったものと、そうではないクルマがあります。
開発段階では目標となる販売台数を決めますが、さまざまな理由で目標に到達できないクルマが存在。
そこで、出来は悪くなかったのにヒットしなかったクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
●日産「ブルーバードシルフィ」
日産「ブルーバード」は1959年に初代が発売された、同社を代表する大衆車です。
代を重ねるごとに人気と不人気を繰り返し、1991年に発売された9代目となるU13型は、日本では不評となってしまいましたが、1996年に10代目のU14型へモデルチェンジされると、デザインの刷新が功を奏し人気を回復。
U14型のラインナップはスポーティな「SSS」シリーズとファミリー向けの「ルグラン」シリーズに分けられており、1997年には190馬力を発揮するSR20VE型エンジンを搭載する「2.0 SSS-Z」が追加設定されたことも人気復活の理由です。
そして、2000年のモデルチェンジで、小型セダンの「サニー」をベースとした「ブルーバードシルフィ」に生まれ変わりました。
エンジンは1.5リッター、1.8リッター、2リッター直列4気筒エンジン「QG型」「QR型」を搭載し 、トップグレードの2リッター車「20XJ」でも最高出力は150馬力と、スペック的には「普通のセダン」となってしまいます。
その結果、ブルーバードシルフィはサニーよりも上質なセダンを目指したコンセプトでしたが、伝統的なブルーバードのブランドイメージから大きく変わってしまい、真面目なつくりのクルマながら販売数が伸びることはありませんでした。
なお、コアなファンのなかには、ブルーバードシルフィを認めず、U14型を最後のブルーバードと呼ぶ人もいます。
●トヨタ「パッソセッテ」
2003年に3列シートと両面スライドドアを備えたコンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」が発売されました。取り回しのよい大きさの車体と広い室内で、ファミリー層から人気を得ます。
2008年にはシエンタの後継車として、ダイハツのOEM車「パッソセッテ」(ダイハツブランドでは「ブーンルミナス」)が発売され、しばらくパッソセッテとシエンタは併売されましたが、2010年にシエンタの販売を終了。
パッソセッテの「セッテ」とはイタリア語の「7」で、文字どおり7人乗りを強調するネーミングです。
リアドアはヒンジドアを採用して装備も簡素化した結果、価格は149万円(消費税込)からと、かなり安価でした。しかし、ユーザーからはスライドドアの利便性が求められており、パッソセッテの販売は極端に低迷。
そこでトヨタは生産を終えていたシエンタの再販を決め、2011年にシエンタがマイナーチェンジとして復活し、パッソセッテは2012年に販売終了になりました。
その後、シエンタはいまも好調なセールスを記録する、大ヒットモデルとなっています。
なお、姉妹車のブーンルミナスもパッソセッテと同時期に販売を終了していますが、マレーシアのプロドゥア(ダイハツとの合弁会社)から「アルザ」という車名で生産され、いまも販売を継続しています。
●ホンダ「ロゴ」
ホンダは「シビック」の下位に位置していた「シティ」の後継車「ロゴ」を1996年に発売。
66馬力を発揮する1.3リッター直列4気筒エンジンに5速MT、3速AT、CVTを組み合わせ、790kgから860kgと軽量な車体だったことで、ベーシックカーとしては十分な性能のクルマでした。
また、運転席用エアバッグを全車に標準装備し、高い乗員保護性能を持つ新設計シャシを採用するなど、安全面でも優れています。
ボディは3ドアと5ドアで、価格は3ドアの廉価グレード(5速MT)で77万円(消費税含まず)からと、ライバルに対してかなり戦略的な価格設定がされるなど、ホンダとしてもロゴに対して期待が大きかったと想像できます。
しかし、外観のデザインは大きな特徴がない地味な印象で、2回のフェイスリフトがおこなわれましたが、販売台数は低迷してしまい、2001年に生産を終了。
同年、シャシからエンジンまで新設計とした後継車の「フィット」が発売され、空前の大ヒットを記録することになります。
■バブルに散った2台のスペシャリティカーとは!?
●スバル「アルシオーネSVX」
1985年に発売されたスバル「アルシオーネ」は、同社初のスペシャリティカーとしてデビュー。空力性能を重視したシャープなフォルムや、特徴的な内装のデザインで話題となりました。
そして、1991年には2代目となる「アルシオーネSVX」が登場。デザインは先代から一転して曲線を多用した、美しく流麗なフォルムに変更されました。
デザインコンセプトは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロの手によるもので、それを基にスバルのデザイナーによって完成されています。
特徴的な「ミッドフレームサイドウインドウ」は他に類を見ないデザインで、アルシオーネSVXを象徴する特徴的なアイテムです。
エンジンは最高出力240馬力を発揮する3.3リッター水平対向6気筒を搭載し、駆動方式はフルタイム4WDとされ、優れたハンドリングと安定性を両立。当時のスバルとしてはもっとも贅沢で先進的な装備を持ったクルマです。
しかし、発売直後にバブルが崩壊したことで販売は極端に低迷。それでも販売が続けられ1997年に生産を終了しました。
絶版車となった後にデザインが再評価され、いまではアルシオーネSVXを専門に扱う中古車店があるほどです。
●ユーノス「コスモ」
1980年代の終わりにマツダは販売チャネルの拡充をおこない、そのひとつであるユーノスから名車「ロードスター」が発売されると、ユーノスブランドは一気に認知度を高めました。
そして、1990年にフラッグシップクーペのユーノス「コスモ」を発売。ロー&ワイドでロングノーズの優雅なスタイルに、世界初の3ローターのロータリーターボエンジンを搭載するなど、まさにバブルの申し子といったモデルです。
この3ローターエンジンは280馬力を発揮。組み合わされるトランスミッションは4速ATのみで、10・15モード燃費は6.4km/hと極悪な燃費が話題になりました。
また、コスモには世界初となるGPSナビゲーションシステムを搭載(3ローター車に設定)するなど、当時の技術の集大成といえるクルマです。
価格は最上級グレードで530万円と高額なことと、燃費の問題、バブル崩壊によるマツダの収益悪化という背景もあって、わずか4年で生産を終了。
その後3ローターエンジンは作られることなく、コスモもこの代で消滅したため、いまでは伝説的なモデルとなっています。
※ ※ ※
今回、紹介した5車種は、どれも足跡を残しているといえます。たとえばロゴのシャシはクロスオーバーSUVの「HR-V」やトールワゴンの「キャパ」に使われ、有効に活用されました。
ほかにも、ブルーバードシルフィは現在、「シルフィ」としてグローバルで販売される世界戦略車として成功しています。
単純に売れなかったクルマはほかにもありますが、アルシオーネSVXやコスモのようにいまも語り継がれるようなクルマも、非常に稀有な存在といえます。
Posted at 2020/04/29 22:02:35 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月29日
「初代インプはまだまだイケる」走りを劇的に変えるGDB用6速MT換装はどうだ!
6速MT化でGC8は大化けする
1~5速のクロスレシオ化で加速性能が格段に向上
GDBに対して150kg、GRBGVBに比べると実に250kgも軽い1200kg台前半の車重が魅力のGC8。それを活かした高い運動性能は今でも一線級だが、国産スポーティモデルで6速が標準となった今、5速のままのミッションがどうにも古臭い。
また、アプライドC以降、段階的に強化対策が施されたものの、当時“ガラスのミッション”と言われたシロモノだけに、パワーやトルクに対する耐久性が乏しいのも不安要素のひとつ。チューニングベースとして考えるなら、手を打っておきたいパートなのだ。
それを実現するのが、GDB用6速MTの流用。アプライドD以降でリヤデフがR180サイズのモデル…STIのタイプRAやタイプRなら、ミッションに合わせてプロペラシャフトとファイナルギヤをGDB用に交換するだけでいける。
それ以外のR160モデルでは、リヤデフやドライブシャフトまでごっそり移植することになる。
GDB用6速MTとGC8純正5速MTは、ケースの大きさも形状も大きく異なる。ただし、換装にあたってはGDB用マウントブラケットを使えばボルトオンが可能だ。
また、ミッションに合わせてプロペラシャフトもGDB用に交換。デフがR160の場合はR180への交換が必要になるが、R180にはボルトオンでOK。
このメニューは5速から6速になることでクロスレシオ化が図れるのはもちろん、それ以上にミッション自体の強度が大幅に向上することが一番のメリットと言える。マルシェが行ったテストではパワーで600ps弱、トルクで78kgmでも問題なくサーキットでの全開走行をこなしたという実績がある。
デフは、GC8のアプライドA~CはR160だからR180に要交換。また、R180を標準採用するアプライドD以降のSTIタイプRA/タイプRの場合、デフ自体はそのままいけるが、ファイナル比を3.900に変更してハイギヤード化を図る必要がある。
GC8のアプライドA~Cでは、R180デフへの換装に合わせてドライブシャフトも交換。つまり、GDB用6速MTを載せるにはミッション本体、プロペラシャフト、デフ(ファイナル)、ドライブシャフトと、駆動系をごっそり移植することになる。逆に、アプライドD以降なら、ミッション本体とプロペラシャフト、ファイナルの交換でOKだ。
なお、GDBの6速MT流用にもデメリットがないわけでない。唯一にして最大のネックは、GC8の5速MTに対してミッション単体重量が30kg近く重いということ。
キビキビ走ることにGC8の魅力を感じているオーナーにとって、これは聞き捨てならない話だろうが、要は『メリット=クロスレシオ化とミッション自体の強度アップ』と『デメリット=重量増』を天秤にかけて、どっちを取るか? ということだ。
ただし、実際にGDB用6速MTが換装されたGC8に乗ってみると、街乗りでは「フロントがちょっと重い…かな?」と思うくらいで、5速MTとの劇的な違いは感じられなかった。
それ以上に、早めのシフトチェンジでスイスイ走れるから気持ち良さが倍増。多段化によって、軽さというGC8の長所がより引き出されている感じだ。これならスポーツ走行に限らず、街乗りでもイージードライブという点でもアドバンテージになると思う。
TEXT:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)/PHOTO:小林克好(Katsuyoshi KOBAYASHI)
●問い合わせ:カーステーションマルシェ 群馬県前橋市亀里町1224 TEL:027-265-6789
Posted at 2020/04/29 21:56:29 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月29日
「こんなレヴォーグが新車であれば・・・」EJ20+6速MT換装で超スポーツワゴンの出来上がり!
現行ステーションワゴンに珠玉のパワーユニットをスワップ!
ありそうでなかったハイパワー仕様レヴォーグ改が誕生
適度なボディサイズのステーションワゴンとして人気が高いレヴォーグ。搭載されているのは1.6LターボのFA16と、2.0LターボのFA20という2種類の直噴エンジンで、どちらもマニュアル車の設定は存在しない。
そこで立ち上がったのが大阪のオートプロデュースA3。レヴォーグにGRB型WRX STIの、それもスペックCのパワートレインをごっそりスワップしてしまったのだ。
ちなみに、このマシンはFA20搭載の最上級グレードをベースとしているのだが、レヴォーグにEJ20&6速マニュアルミッションをスワップするなら最もベーシックな1.6GT(前期型)がベストらしい。
その理由は、FA20搭載車とFA16搭載車ではフロア側のミッションブラケット取り付け位置が異なっており、6速MTを搭載したいならFA16搭載車がドンピシャ。さらに、前期型の1.6GTならアイサイトレスでサイドブレーキも電気式ではないモデルがあるので、色々と作業の手間が省けるという。
純正ではAT設定しかないレヴォーグということで、クラッチペダルはもちろん後付け。こちらも、シフト周り同様全く違和感の無い仕上がりだ。
GRBのスペックCから移植されたエンジンは、ブースト圧1.55キロ時に約385psをマーク。
エンジンスワップで最もやっかいな制御系に関しては、EJ20を搭載するVABのパーツを使っているのがポイント。ハーネスやメーターなどもゴッソリと流用したことで、まさにノーマル然とした仕上がりになっているのだ。
吸気系には、ターボレスポンスの向上やエアフロセンサーの計測空気量を安定させるハイプレッシャーバイパスバルブを装備。ブローバイのオイル成分のみをオイルパンに戻すことができる、オイルセパレーターもインストールされている。
フレッシュエアを効果的に導入できる、シムス製のエアインダクションボックスもA3の推奨アイテム。性能はもちろん、その美しいカーボンの作り込みも素晴らしい。
排気系は、オリジナルのAGRESSデュアルエキゾーストシステムで統一。フロントパイプとの接合部以降をデュアル化することで、静粛性と排気効率のアップを実現している。
ブースト制御を司るEVCとブリッツのタッチブレインはルームミラーの基台部にマウント。見やすくて視界の邪魔にならない工夫がなされている。
サスペンションには、クァンタム製のオリジナルサスペンションプラス(UC-01)を装着。スプリングレートはフロントが11kg/mm、リヤが9kg/mmとなっている。
さらに、オリジナルのAGRESSボディサポートでシャシーとサスペンション取り付け剛性をアップ。キレの良い走りを生み出す原動力となっている。
一方のエクステリアは、WRX STI&S4のイメージを取り入れたフロントバンパー&リヤバンパーを設定。ちなみにこれ、STI製のアンダースポイラーにも対応できるようになっていたりする。
価格はフロントバンパーが8万8000円、リヤバンパーが8万2000円。STI製サイドステップとマッチングが抜群のリヤサイドアンダーが2万8000円となっており、フルセットで18万円という設定もあり。
鈴鹿サーキットでこのチューンドを試乗したターザン山田は「速いし遊べる! エンジンパワーは当然として、クルマ全体のバランスが良いんだよ。シャシーはワゴンと思えないほどシッカリしてるし、よく曲がる。チューニングカーというより、“真のレヴォーグSTI”って感じの自然な仕上がりだね」と絶賛。
「数多くの問い合わせを頂くんですが、膨大な量のパーツが必要なのでベース車込みとはいっても600万円ほどかかるというと、確実に引かれます(笑)」とは、オートプロデュースA3の武田代表。
純正然とした各部の作り込みもさることながら、サーキットのスピード域でも安定した走りを見せるその性能とトータルバランスの高さも非常に魅力。「レヴォーグにMT搭載グレードがあれば…」と感じさせられるその仕上がりは圧巻だ。
●取材協力:オートプロデュースA3 大阪府岸和田市稲葉町216-5 TEL:072-479-2760
Posted at 2020/04/29 21:48:39 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月29日
ル・マン24時間は『特別』な一戦。9月開催がムリなら、11月まで延期の可能性も
フランス西部自動車クラブ(ACO)は新型コロナウイルスの流行を受けて、FIAや世界耐久選手権(WEC)と協議した上で、ル・マン24時間レースの開催日程を例年の6月から9月19~20日へ延期すると発表した。
ACOのプレジデントであるピエール・フィヨンは、レースが9月に開催できない場合、観客の有無に関わらず11月まで開催日程をずらす用意があることを明かした。
「もし7月末に、当局が『9月開催は不可能だが、10月または11月なら100%可能だ』と我々に言ってきたとしたら、間違いなくそれに従うだろう」とフィヨンは語った。
「我々が慣れ親しんでいる24時間レースとは違うが、我々はプロであり、素晴らしいドライバーが集まっている。昨年は雪の降る中、スパで走ったしね!」
WECは4月初旬に今後の暫定スケジュールを発表。8月15日にスパ6時間レース、9月のル・マンを挟んで、11月21日のバーレーン8時間レースをシーズン最終戦とするとしていた。しかしWECのジェラール・ヌブーCEOは、ル・マンを中心にカレンダーを考えるべきだと話した。
「言うまでもなく、ル・マンは全てのスポーツカー・プログラムの中心的な柱だ」
「”家”を守りたいなら、その大黒柱を守らなくちゃいけない。例えいくらか損害があっても、まずはその部分を守らなくちゃいけないんだ。それが未来を保証することにつながる」
「ル・マンを他の一般的なレースと同じように扱うわけにはいかない。ル・マンは例外的な存在なんだ。だが世界的なプラットフォーム、チャンピオンシップについて話をする時は少し状況が異なる。だがル・マンはル・マンであり、エベレストのようなものなんだ」
フィヨンは、史上初めてル・マンが無観客レースとして実施される可能性は否定できないと話したが、状況は非常に流動的だとも考えている。
「ああ、(無観客開催は)選択肢のひとつだ」と、フィヨンは付け加えた。
「実際、現時点で9月に何が起こるかは誰にもわからない! ツール・ド・フランス やローランギャロス(テニスの全仏オープン)など、フランスでは開催が予定されていた大きなイベントが多くあった」
「問題は、来場者が10万人を超えるイベントを我々が実施できるのかどうかだ。その答えは分からない」
「(エマニュエル・マクロン)大統領のコメントを聞く限りでは、7月半ば以降に何らかのイベントを行なうことができるかもしれないが、ドイツの状況を見ると8月いっぱいは何もできない。ミュンヘンでの大きなイベント(9月19日~10月4日開催のオクトーバーフェスト)が中止されているし、誰にも分からないんだ」
ACOがイベント実施に向けて、どのようなコロナ対策を検討しているのかについて、フィヨンは3つの選択肢を明かした。
「まずひとつは、ファンと共にイベントを実施することが許可された場合だ。おそらくマスク着用などの制約を設けるかもしれない」
そうフィヨンは語った。
「ふたつめの選択肢は、イベントの参加人数を5千人以下にすることだ。テレビ放送には適しているが、観戦したいファンにとっては良くない。そして間違いなく、これは本当のル・マンではない。ル・マンはただのレースではなく、観客全員が体験するものなんだ」
「もう一つは、ル・マン24時間レースの実施が全く不可能というケースだ。言うまでもなく、それが選択肢に残らないことを願っている! しかし、現時点ではその可能性を除外できない」
WEC:ル・マンの“前哨戦”スパ6時間を無観客で開催か。ヌーブCEOが可能性を示唆
WEC世界耐久選手権のジェラール・ヌーブCEOは、新型コロナウイルスのパンデミックによってスケジュールが変更された2019/2020年シーズンを完了させるため、必要な場合は無観客でのレース開催の可能性もあることを示唆した。
昨年9月に開幕したWECの2019/20年シーズンは現在、新型コロナウイルスの影響で実質的な中断を余儀なくされている。当初、シリーズは今週末の4月25日に第7戦スパ・フランコルシャン6時間レースを開催するはずだったが、このスケジュールは8月15日に修正された。
また、その後のル・マン24時間は9月19~20日に、第6戦セブリングの代替ラウンドとなる2度目のバーレーン8時間が第8戦として11月21日に設定されている。
そんななかベルギー当局が8月31日まで大規模イベントを禁止する措置を発表。これによりWECとELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、ふたつのスポーツカーシリーズのスパラウンドは問題に直面することとなった。なお、直後に発表されたWECの声明では、レースの計画はまだ進行中であることが伝えられていた。
その後、ヌーブはEndurance-Infoが行ったファンのQ&Aに対して答え、WECとELMSの両イベントとも規制が残っていれば無観客でレースをする用意があることを認めた。
「現時点ではすべての可能性を考慮したと言うには時期尚早だ」とヌーブは述べる。
「この夏にWECとELMSを非公開で走らせなければならない場合、そうするだろう」
「参加者の安全が保証される限り、この夏のレースに参加できるように、我々のチームはあらゆる機会を利用すべきだと考えている」
ELMSは今月始めにリスケジュールされた暫定カレンダーを発表し、ポール・リカール(7月19日)、スパ(8月9日)、バルセロナ(8月29日)の4レースが今夏に予定されている。
ヌーブは当局の規制動向次第で計画が変わる可能性があることを強調した。実際にヨーロッパの一部の国では新型コロナウイルスの症例数が減少していることから、規制の緩和を行う動きが出始めている。
「いま、私たちは非常に謙虚である必要がある」とヌーブ。
「我々は閉ざされた出口戦略の詳細が明らかになるのを待っており、そのときになって初めて、この夏のイベントどのように運営するかを正確に知ることができるだろう」
「もちろん、もっとも重要な要素はすべての人が安全で健康であり、家にいるということだ」
参戦メーカー数の減少に苦しむDTM。生き残るためにはGT3マシンの採用など、抜本的な対策が必要?
ドイツ・ツーリングカー・マスターズ(DTM)は、参戦メーカー数の現象という危機に瀕している。メルセデスはフォーミュラE参戦にそのリソースをシフトするために、2018年限りでDTMから撤退。2019年にはR-モータースポーツが走らせるアストンマーチンが加わったが、それも1年限りで撤退してしまうこととなり、2020年はアウディとBMWのマシンのみ、合計16台で戦われることになっている。
アウディは、モータースポーツへの関与を変更することを評価していると見られており、2020年以降現在の契約が終了した後にはDTMを離れ、フォーミュラEに専念することを選ぶのではないかとも言われている。
これが現実のモノとなってしまえば、DTMにはBMWの1メーカーしか残らないということになり、シリーズの存続も危ぶまれてくる。
アウディのマシンでDTMに参戦、1990年にはドライバーズタイトルも獲得しているハンス-ヨアヒム・シュトゥックは、DTMがクラス1規定のマシンを使い続けることを諦め、GT3マシンを投入することで、その危機を回避することができると信じている。
「私がDMSB(ドイツ・モータースポーツ連盟)の代表である限り、私のアプローチは次のようなモノだった。『ゲルハルト(ベルガー/DTMの運営団体であるITRの会長)、この素晴らしいプラットフォームのDTMを存続させるためにはどうすればいい? 今のような非常に特殊なマシンを走らせるのは、本当に正しいことなのか? それとも、ある年からマシンを変更して、GT3を使うことはできないか?』というようなね」
シュトゥックはそうmotorpsort.comに対して語った。
「ゲルハルトは、常にそのことについて強く反対してきた。『それは問題外だ。私はBoP(性能調整)は好きじゃない!』と言ってね。しかしその後で、信じられないほど興味深いことが起きた」
「2月の初め、ウォルフガング・ポルシェとゲルハルト、そして私が偶然顔を合わせることがあった。そして、ウォルフガングがこの話題を持ち出したんだ」
「ゲルハルトがGT3の導入について、一貫して否定的な意見を言わなかった。初めてのことだ。彼は必ずしも(GT3の導入について)前向きなことを言ったわけではない。しかし、彼は耳を傾けた。それは良いことだと思ったよ」
シュトゥックは、GT3を採用すれば、ヨーロッパと日本のメーカーだけが製造する高価な”クラス1”のマシンに頼るのではなく、DTMで様々な車種を走らせることができるようになると考えている。
シュトゥックはまた、ADAC GTマスターズ・シリーズと同じ週末に、DTMがレースを主催するというアイデアを提案。これについては、ベルガーも支持しているという。
「いつかスタートしなければならないシーズンがある」
そうシュトゥックは語った。
「”GTM”の実現について考えるために使う時間がある。どうやって続けていくのか、そしてそれにはいくらかかるのか、特に全てのメーカーが再び議論している」
「これが実現した場合、使える車種は11もしくは12種類になる。そのうち6つか7つを使うことができれば、完全な形になるだろう。そして、ステファン・ラテル(SRO/GTワールド・チャレンジ・ヨーロッパの運営団体)を通じてBoPを取得するのは、何か問題になるのだろうか? それは時代の流れだ」
「3番目や4番目のメーカーを探すよりも、勢いに繋がる可能性がある。GT3には今、スプリントレースはない。GT3だけでなく、GTEマシンでも実現できるだろう」
WRC:参戦全メーカーは5月31日までテスト禁止。トヨタの2021年型車両開発に影響か
FIAでラリー・ディレクターを務めるイブ・マトンは、WRC世界ラリー選手権に参戦している全ワークスチームにテスト禁止を伝達していると明かした。これにより、2021年に新型マシン導入を予定しているTOYOTA GAZOO Racing WRTの計画にも影響が出ているようだ。
トヨタは2020年内の市販を予定しているGRヤリスをベースとした新型WRカーを2021年のWRCに投入する計画を立てており、2月にはフィンランドで雪上テストを行うなど車両開発を進めている。
しかし、トヨタのほかヒュンダイやMスポーツが拠点を構えるヨーロッパ圏では新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止策として都市封鎖(ロックダウン)や外出自粛/禁止令が出されている地域もある。
ただヒュンダイが拠点を構えるドイツやMスポーツが拠点を構えるイギリスは都市封鎖により活動が制限されているものの、トヨタが拠点を構えるフィンランドはそこまで厳しい対策は行われていないため、テストを行うことは可能とみられる。
しかし、FIAはこれら3メーカーに対し、5月いっぱいのテストを禁止するという伝達を行ったようだ。
マトンはアメリカのラリー専門ニュースサイト『DirtFish.com』に対し、「新型コロナウイルスが引き起こした危機的状況下で、特定のチームがアドバンテージを得るような状況を望んではいない」と述べている。
「そのため、WRCコミッションやWMSC(世界モータースポーツ評議会)に現時点でのテスト禁止を決定するよう依頼した」
「2021年に向けて、トヨタが開発を進めたいという意向を持っているのは分かっている。だが、対する2チームが何を考えているかも分かる。たとえ新型マシン開発のために行うテストでも、そこで集めたデータは現行マシンにも転用でき、結果としてアドバンテージを得られる」
「無観客開催の場合、F1は契約料変更に応じるはず」とスペインGP主催者
スペインGP主催者は、F1の商業権保有者であるリバティ・メディアには、グランプリを無観客で開催する場合、サーキットが支払わなければならない開催権料について再交渉を行う意志があると考えている。
ほとんどのサーキットは、F1レースを開催するために毎年2000万ドル(約21億5500万円)から5000万ドル(約53億8700万円)の開催権料を支払っており、それはリバティとチームの収入になる。しかしサーキットは、開催権料の一部を調達するのにチケット販売に頼っている。
バルセロナ-カタロニア・サーキットのゼネラルマネージャーを務めるホアン・フォントセレは『The Associated Press』に対し、無観客でレースを開催しなければならない場合、イベント主催者の契約に関しては何らかの形で再交渉が行われる必要があることを、リバティ・メディアは“意識”していると語った。
現在、新型コロナウイルス感染拡大のため、スペインGPを含む序盤9戦が延期あるいは中止となり、リバティ・メディアは、新たなカレンダーを作成しなければならない状況にある。できるだけ早くシーズンを始めるため、関係者は、無観客での開催という形をとる可能性を検討している。
「彼らはこれが例外的な状況であることを意識している」とフォントセレは語った。「我々もまったく同じ考えだ。彼らがテレビ放映権やチームのために一部のレース開催を希望する場合、我々の収益が減ることは理解している。今年はそのようになることを彼らは認識しているのだ。我々としても確かにそのように捉えている」
現在のところ、スペインGP主催者は、観客を入れてレースを開催することはまったく視野に入れていない。サーキットは、ホスピタリティ施設からも収益を得るが、無観客レースの場合は、ホスピテリティ施設も無人となる。また、チケット収入以外に得ていた経済的メリットも減少することは確実であり、そういう意味でも、契約内容の見直しは必要であると、フォントセレは主張する。
「カタロニア州政府がF1に投資をしているのは、我々のチケット売り上げのためだけでなく、イベントが国内およびカタロニア州に及ぼす経済的影響のためだ」とフォントセレは語った。
「国内の経済的メリットは大幅に減少することになるだろう。タクシーやホテルが収益を上げられないことになる。そうなると二者間の契約は完全に変わることになる」
スペインGPは地元に1億6000万ユーロ(約186億円)以上の経済効果をもたらす。昨年のレースウイークの観客数は16万人を超えていた。
Posted at 2020/04/29 21:43:34 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月29日
「現代版スーパーシルエット・トミカスカイラインに長谷見昌弘も感動!」LBワークス渾身の魔改造ER34、見参
日産モータースポーツ界のレジェンドとカスタム界のカリスマが対面
心臓部にはL型改3.1Lフルメカチューンを搭載!
1970年代後半、市販車ベースで改造ほぼ無制限のレース“スーパーシルエット(シルエットフォーミュラ)”が走り屋達を虜にした。
そしてこのレースをきっかけに、街中にはシルエットフォーミュラ仕様を模した街道レーサー達が溢れかえるわけだが、その渦中にいたのが、カスタム界のカリスマ的存在であるリバティーウォーク代表の加藤代表だ。
これまで昭和をテーマにしたカスタムカーを毎年製作し、ケンメリ、S30、サバンナRX-3、ランボルギーニミウラ、フェラーリ308GTB…と、独自の発想からネオ街道レーサースタイルを確立。その最新作にして究極系が、東京オートサロン2020でデビューしたスーパーシルエット仕様のER34だ。
スタイリングは、当時のDR30スカイラインをほぼ完璧にオマージュしながらも現代的な味付けをプラス。トミカスカイラインに採用された赤+黒の色合いにも拘り、おっさん世代からも高い支持を受けた。
リバティーウォークの加藤代表が、ER34ベースとしたスーパーシルエットスタイルの構想を思い付いたのは2019年のこと。現車が飾ってある厚木の日産ヘリテージコレクションに見学(計測?)へ行くと、その構想はさらに現実的となる。
実際のところ、現車のサイズは想像以上にワイドで、ER34で再現するにはCG上でDR30と合成してバランスを見ながらイメージ優先で作り込んでいったと言う。
そのためフロント片側+70mm、リヤ片側+100mmというボディサイズは現車合わせで決定。加藤代表の言葉を借りれば「適当に合わせた(笑)」とのことだが、ER34のボディへと見事にバランスさせている。
フロントフェンダーはノーマルフェンダーをベースに、フィンは部分溶接とアルミで製作。ワイド化されている部分は発泡スチロールを削り込んで形状を確認しながら、型を成型してFRPで製作されている。
リヤも同じ製法でワイドタイヤを入れるために現車のフェンダーを加工。前後フェンダーに合わせたサイドステップもバランスさせFRPで製作されている。
ホイールは前後とも11J×18のアドバンレーシングGTをセット。タイヤはオートサロン出展時はスリックだったが、今回はアドバンスポーツの275サイズを組み込んでいる。
アンダースポイラーレスだった当時のリヤビューをそのまま踏襲するのは寂しいとのことから、現代的な大型アンダーディフューザーを用意。リヤウイングは専用品で、サイドから中央のパネルを結合する形状でセンターステーのデザインにも拘った。
エクステリアのみならず“中身”もネオ街道レーサースタイルを表現するために、エンジンマウントを加工してL型の3.1Lフルメカチューンを換装。ソレックス50PHHを装着してセッティングしている。
エキゾーストマフラーも本物にならったサイド出しとし、火を吹くイメージで製作されている。
イエローに塗装されたロールケージが覆い尽くすインテリアも超レーシーな仕上がり。ダッシュボードはFRP製で作り直し、センタークラスターにはアルミパネルに追加メーターをビルトイン。シートはボディカラーにも合わせた赤のブリッドのジータIVを2脚セットする。
今回は、かつてトミカスカイラインと共に伝説を築いた“Mr.スカイライン”こと長谷見昌弘氏を取材現場にお呼びしたのだが、「綺麗で雰囲気あるねぇ。作ってもらって嬉しいよ」と絶賛。これには加藤代表も「作って良かったです!」と子供のように喜んでいた。
「デビュー2戦目の富士は凄かったね。1周目をトップで帰ってくると満員のグランドスタンドが総立ちで迎えてくれたのが印象的だった。みんなレースで走るスカイラインが大好きだったんだよ。マシンはジャジャ馬で、570psのエンジンはストレートは速かったけど扱いは大変だった」と、令和に蘇ったトミカスカイラインを眺めながら長谷見氏。
なお、このER34スーパーシルエットは、あまりの反響の大きさからコンプリートカー販売を行うことが決定。すでに8台もの注文を受けていると言うから、リバティーウォーク人気もさることながら、スーパーシルエット伝説の凄さを改めて実感した次第だ。
●取材協力:リバティーウォーク TEL:0561-51-0001
東京オートサロン2020 その3
Posted at 2020/04/29 21:31:50 | |
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