2020年04月23日
スバル最強「S209」爆誕! オーバーフェンダーがイカつい「WRX STI」限定車とは?
■北米に初めて「Sシリーズ」投入! スバル最強「S209」とは?
スバルを代表するスポーツカー「WRX STI」は、同車が搭載する「EJ20型」エンジンの生産終了とともに、2019年12月末に日本での販売が終了しました。
WRX STIの最後の特別仕様車「EJ20 ファイナルエディション」はバランスドエンジンを搭載し、WRCで活躍したマシンを連想させるゴールド塗装のアルミホイールやSTIのコーポレートカラーであるチェリーレッドのアクセント、内装はレカロシートをはじめとする専用装備などを採用し、価格(消費税込)は452万1000円で発売。
限定台数555台に対して商談応募は約1万3000件以上と、23倍以上という狭き門であったことも話題となりました。
WRX STIには、これまでも「Sシリーズ」というコンプリートカーの限定車が登場しており、いずれも人気を博しています。
2015年に400台限定で販売された「S207」は、発売当日にほぼ完売。その2年後の2017年に発売された「S208」は、スバルとして初めてとなる抽選販売がおこなわれた特別モデルで、450台の販売台数に2600件以上の応募が寄せられるなど、どのモデルも入手困難となっています。
さらに、2019年には「S209」が発売されましたが、このモデルは北米初のSシリーズとして販売され、日本へは導入されませんでした。日本で買えないS209とは、どのようなモデルなのでしょうか。
S209は、WRX STIをベースとしエンジンや足回りを専用開発。内外装にも専用装備を追加したモデルです。
スバルのモータースポーツ部門を担当するSTI(スバルテクニカインターナショナル)が考える「速さ」の究極形である「ドライバーの意のままに操れる速さ」を実現すべく、ベースモデルに対して大幅な性能向上を達成しています。
S209が北米のみで販売された理由について、当時STIの社長であった平川良夫氏は次のように説明しています。
「スバルは中期経営ビジョン『STEP』で、SUVとスポーツモデルを充実させていくことを掲げています。2018年に北米専用の大型SUV『アセント』を発売してSUVのラインナップは一通りそろいましたが、スポーツモデルのイメージを高めるために、北米における強力なイメージリーダーとして『S209』を投入しました」
■日本とは違う!? 北米WRX STIは2.5リッターターボエンジン搭載
米国向けSTIチューンドモデルとしては、2018年に発売された「WRX STI タイプRA」と「BRZ tS」に次ぐ第3弾となりますが、STIコンプリートカーの最高峰「Sシリーズ」はこの「S209」が初となります。
搭載されるエンジンは日本のモデルとは異なり、米国仕様のWRX STI専用の「EJ25型」をベースにしています。
EJ25というエンジン型式からわかるように、2.5リッター水平対向ターボエンジンを搭載。どのようなシーンでも安心してアクセルを踏むことができる最適なパワーを目指し、専用チューニングが施されました。
吸気系統には、専用の大型エアクリーナーや専用吸気ダクトを採用することで、吸気抵抗を低減した効率的なエアインテークシステムを作り上げています。
また、専用開発の大径ターボチャージャーを採用。排気系にも大口径テールパイプを備えた専用設計低背圧マフラーを採用しました。
これらを専用ECUで制御することで、最高出力は歴代STIモデルで最高となる341hp(約346ps)を発揮。インタークーラーウォータースプレイを装備することで、熱による性能低下を抑制しています。
足回りには、専用設計のダンロップ製265/35R19ハイグリップタイヤとBBS製19インチ鍛造ホイールを装備。なお、このタイヤ幅は、歴代STIモデルで最大とされています。
このタイヤを専用開発のビルシュタインダンパーと専用コイルスプリング、強化ブッシュと組み合わせ、オーバーフェンダーで拡げた専用ワイドボディに収めました。なお、Sシリーズにおいて、オーバーフェンダーが採用されたモデルはS209が初めてです。
さらに、ニュルブルクリンク24時間レース車両で実証されたストラットタワーバーやドロースティフナーといったSTI独自のフレキシブルパーツに加え、軽量で車体剛性を最適化するカーボンルーフを採用。
フロントアンダースポイラーやフロントバンパーサイドカナード、ドライカーボン製大型リアウイングといった空力パーツで空気の流れを整え、ダウンフォースを増やすエアロパーツを装着し、高いハンドリング性能を実現しました。
※ ※ ※
ボディカラーは、「WRブルー・パール」と「クリスタルホワイト・パール」の2色で、ホイール色はWRブルー・パールにはマットグレー、クリスタルホワイト・パールはマットゴールドとなります。
内装には、ウルトラスエード巻ハンドルやレカロシートなどを装備。ハンドル、シートともにSTIのロゴやシルバーステッチが施されています。
価格は6万3995ドル、日本円では約690万円。販売台数は、車種名と同じ209台です。
The Subaru WRX STI S209 Was Almost Called the 25B
こんな時期もあったみたいですからね〜
あと
輸入品 S209 ルック ★ フロントバンパー &オーバーフェンダー セット ★ VAB WRX STI
輸入品 S209 ルック ★ リアバンパー &オーバーフェンダー セット ★ VAB WRX STI
こんなん出てた
Posted at 2020/04/23 21:49:00 | |
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富士重工 | 日記
2020年04月23日
完成検査問題の影響あり? 2019年度のリコール届出数を公表 過去最高台数に
■そもそも「リコール」ってなに?
ニュースなどで耳にするクルマのリコール。報道内容によっては、『リコール=悪い』というイメージを持つ人もいます。本来のリコールは、事故やトラブルを未然に防止するものです。
そんなリコールですが、2019年度の状況はどうだったのでしょうか。
リコール制度とは、車両の設計や製造過程に問題が生じた際に自動車メーカーが自らの判断により、国土交通大臣に事前の届け出るもので、自動車メーカーが回収や修理を実施し、事故やトラブルを未然に防止する制度です。
あくまでもリコール制度は、安全・環境基準に適合していない(又は適合しなくなるおそれがある)車両について改善策を実施するもので、自動車メーカーからの届出を受けた国土交通省は、不具合情報の収集・分析、リコールへの取り組み状況の調査など状況に合わせて対応します。
なお、虚偽報告やリコール届出義務違反、リコール命令に従わない自動車メーカーには、罰則(懲役1年以下、罰金300万円以下、法人罰金2億円以下)が科せられる可能性があります。
国土交通省が2020年4月17日に発表した「2019年度におけるリコール総届出件数及び総対象台数」では、国産車の届出件数が229件(前年比-1件)、輸入車は186件(前年比+8件)でした。
届出対象台数では、国産車が988万9429台(前年比+264万5118台)、輸入車は64万5065台(前年比-32万7964台)となり、世界的な大規模リコールとなったタカタ製エアバック関係を除くと974万1698台という過去最高台数となります。
そのなかで、対象台数が多かったリコール届出として、「完成検査工程における道路運送車両の保安基準に関する不適切な検査」の201万4343台がもっとも多い結果となりました。
これは、2018年に日産やスバル、スズキなど相次いで発覚した完成検査問題による影響が大きくあります。
2019年度に完成検査問題以外で多かったリコール届出は、ダイハツ「ムーヴ」など計6車種に該当した「雨水等によりブレーキブースタに錆が発生し、制動距離が長くなるおそれ」の157万5379台。
次に、日産「ノート」で発覚した「コイルスプリングの塗装が剥がれて腐食し、折損するおそれ」の74万5372台でした。
※ ※ ※
自分のクルマがリコール制度の対象となった場合について、国産自動車メーカー数社は次のように回答しています。
「リコール、改善対策、サービスキャンペーンを問わず、ダイレクトメールや直接訪問などの方法で、対象のお客様へご迷惑をお掛けする旨をお詫びしたうえで、販売店へご来店いただき、点検・交換等の処置を受けていただくよう、ご案内しています」
※ ※ ※
各自動車メーカーは、ホームページ上にリコール情報を閲覧できるページを設けているほか、専用のお客様センターも併設されている場合があります。
なお、ユーザーから販売店などに提供された情報は、各社内の規定に基づいて報告要否を判断し、品質保証部門が対応する流れになっているようです。
所有する自動車が保安基準に適合するように、ユーザーにも点検や整備する義務があります。そのため、リコールや改善対策の際には、安全確保のためにもなるべく早く修理を受けることを推奨します。
Posted at 2020/04/23 21:43:07 | |
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リコールなど | 日記
2020年04月23日
速いクルマはお好き? 高性能エンジン×ワゴンの方程式を作った初代 レガシィ【MOTA写真館】
今でこそ、スバルといえばレガシィ、レガシィといえばツーリングワゴンといった方程式が当たり前となっているが、実はレガシィがスバルの代表車種になるとは、開発段階で誰も予想していなかった。後にワゴンブームの火付け役となるスバル レガシィは1989年、完全新設計のプラットフォームやエンジンへ一新し、スバル レオーネの後継車としてデビューする。
スバルらしさが感じられる初代 レガシィ
バブルで賑わっていた1989年にスバル レガシィはデビューする。スバル レオーネよりもひとまわりサイズを拡大し、新しいプラットフォームを採用したスバル レガシィは、黒色のピラーにすることで航空機のキャノピーを思わせるデザインを採用。スバルの前身中島飛行機を連想させる。
4ドアセダンと5ドアステーションワゴンのボディタイプを展開し、ワゴンモデルはレオーネから受け継いだ「ツーリングワゴン」の名が与えられた。
伝説的な名機EJ20エンジンを搭載
エンジンは新開発され、後に名エンジンと称されることになる、水平対向EJ型エンジンを搭載。中でも「RS」グレードに搭載されたEJ20 ターボエンジンは、220馬力の最高出力を発生し当時としては最も高いパフォーマンスを発揮していた。
また、前後トルク配分6:4を基本とし無段階に変化させる「アクティブ・トルク・スプリット4WD(ACT-4)」を採用したグレードも用意。ハイパワーエンジンに四輪駆動を組み合わせたツーリングワゴンは、一躍ヒットモデルとなり、他メーカーから高性能エンジンを搭載するステーションワゴンが続々とリリースされるきっかけとなった。
スバル=ラリーのイメージはレガシィから始まった
1992年には、出力を高め、専用セッティングを施したコンプリートカー「レガシィ ツーリングワゴンSTi」が200台限定でリリース。また、1990年よりセダン RSでWRC(世界ラリー選手権)にワークスとして参戦を開始し、シリーズチャンピオンには手が届かなかったものの、“グラベル最強”とも称され、4WD技術の高さを証明して見せた。
そして、レガシィ RSでの経験をもとにし、のちに販売されるインプレッサでWRCを3連覇するなど、スバルの黄金期を築くことになる。
初代 スバル レガシィの主要スペック
■サイズ:全長×全幅×全高=4,600mm×1,690mm×1,470~1,490mm(初期型ツーリングワゴン)
■エンジン:水平対向4気筒 EJ型(1.8L、2.0L、2.0Lターボ、2.2L)
■駆動方式:前輪駆動/四輪駆動(フルタイム4WD/トルク配分型4WD)
■トランスミッション:4速AT/5速MT
■ボディタイプ:4ドアセダン/5ドアステーションワゴン
■販売期間:1989年~1993年
自動車史に残る名車を振り返る【MOTA写真館】
子供ころ憧れたスポーツカー、テレビドラマに出ていたあのクルマなど、実に多くのクルマたちが私たちの記憶の中に存在する。
MOTA写真館では、そんな懐かしいあんなクルマ、こんなクルマをプレイバック。あなたが初めて買ったクルマ、いつかは買うぞと決めていた憧れのクルマがいつ登場するのか?そんなことを思いつつ、次回もぜひ楽しみにしていただきたい。
Posted at 2020/04/23 21:38:13 | |
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富士重工 | 日記
2020年04月23日
日産「180SX」はなぜ延命されたのか!? じつはロングセラーだった車5選
■振り返ってみるとじつはロングセラーだったクルマたち
かつて新型車がフルモデルチェンジをおこなうサイクルは4年でしたが、いまでは6年から8年というのが世界的にも一般的です。
なかには10年以上もフルモデルチェンジすることなく販売されているクルマも存在します。
そうしたロングセラーなクルマがある理由としては、単に人気が持続しているケースやメーカーの事情によるなどさまざまです。
そこで、ロングセラー車のなかから意外な理由で継続販売されたケースや、珍しいモデルを5車種ピックアップして紹介します。
●日産「180SX」
日本の景気が急上昇していた1988年に発売された日産5代目「シルビア」は、優れたデザインと走りで、またたく間にヒット作になりました。
翌年の1989年にはシルビアをベースとしたハッチバックの姉妹車「180SX」が登場し、日産のスポーツカーラインナップを磐石なものとします。
シルビアが固定式ヘッドライトだったのに対して180SXはリトラクタブルヘッドライトを採用したフロントフェイスで、見た目は完全に別のクルマに仕立てられていました。
発売当初に搭載されたエンジンは、最高出力175馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒ターボで、後に205馬力の2リッターターボと140馬力の2リッター自然吸気に換装。
そして1993年に、シルビアは6代目へとフルモデルチェンジしますが、180SXはフルモデルチェンジすることなく継続して販売されました。
これは、6代目シルビアが先代のシャシを流用していたことで、180SXを並行して生産しても設備等の問題が生じなかったことと、シルビアとは別車種という位置付けだったこと、比較的人気がありモデルチェンジの費用削減ができることなどからの措置と思われます。
その後、1999年の7代目シルビアの登場まで約10年間にわたり、180SXは改良が加えられながら販売されました。
●マツダ「ベリーサ」
2004年に発売されたマツダ「ベリーサ」は、2代目「デミオ」のシャシを流用して開発されたプレミアムコンパクトです。
したがって、外観はデミオのようなポップな印象ではなく、フロントフェイスもリアビューもシックなデザインを採用しています。
搭載されたエンジンは1.5リッター直列4気筒で4速ATの組み合わせのみ。駆動方式はFFと後輪をモーターで駆動する「e-4WD」がラインナップされました。
ドアのロック/アンロックと、エンジンスタートができる「アドバンストキーレスエントリー&スタートシステム」を全車に標準装備し、メーカーオプションでは約3000曲を収録できる「ミュージックHDD」が用意されるなど、当時としては豪華装備を設定。
また、本革シートを標準装備するグレードや、イモビライザー、オートライト、レインセンサーワイパーを組み合わせたパッケージが追加されるなど、2015年の生産終了まで装備の充実が図られました。
11年ものロングセラーだったベリーサは大ヒットすることはありませんでしたが、日本では斬新だったプレミアムコンパクトというコンセプトにより、生き残ったといえます。
●トヨタ「シエンタ」
2003年に、3列シートと両面スライドドアを備えたコンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」が発売され、取り回しのよい大きさのボディと広い室内で、ファミリー層から人気となります。
2008年にはシエンタの後継車として、ダイハツのOEM車「パッソセッテ」(ダイハツブランドでは「ブーンルミナス」)が発売され、しばらくパッソセッテとシエンタは併売されましたが、2010年にシエンタの販売を終了。
ところが、スライドドアでなくヒンジドアを採用したパッソセッテは、販売台数が極端に低迷してしまいます。
そこで、トヨタが採った策は異例の珍事というべきもので、生産を終えていたシエンタの再販を決めたのです。
2011年にシエンタがマイナーチェンジモデルとして復活し、逆に2012年にはパッソセッテが販売終了となってしまいました。
その後、シエンタは2015年にフルモデルチェンジしたので、初代は12年間にわたって販売されたことになります。
■新型が発売されても従来型の人気が続いたモデルとは!?
●スバル「レオーネ」
1971年、スバルが初めて水平対向エンジン+4WDのモデル「ff-1・1300Gバン4WD」を製作。当時、東北電力から冬場の豪雪地帯での設備保守用に、乗用車タイプの4WD車が必要というリクエストに応えてつくられました。
そして、1971年には新世代モデルとして「レオーネ」が登場。セダンを基本として、クーペとライトバンをラインナップし、全車FFでのデビューでした。
1972年にはライトバンの「エステートバン」に4WD車を設定。ここから正式にスバルの4WDワゴンの系譜が始まります。
1982年に2代目レオーネのラインナップにステーションワゴンの「ツーリングワゴン」が追加され、初のクロスオーバータイプの4WDワゴンシリーズが誕生。
そして、1989年に後継車の初代レガシィが発売されますが、3代目レオーネのセダンとステーションワゴンのみが継続して販売されました。
さらに1992年、初代「インプレッサ」がデビューしますが、レオーネはそれでも継続して販売され、1994年に生産を終了。
なお、レオーネの名はOEM車のライトバンとして、2001年まで使われていました。
●フォルクスワーゲン「ゴルフ カブリオ」
フォルクスワーゲン「タイプ1(ビートル)」の後継車として開発された「ゴルフ」は、それまでのRRからFFへと大きく方向転換した、新世代のコンパクトカーとして1974年にデビュー。
初代ゴルフはフィアット初代「パンダ」やいすゞ「117クーペ」と同じく、著名なデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロの手によるデザインとされました。
コンパクトなボディに広い室内、そして、高い経済性が求められることになりましたが、ジウジアーロは要求をすべて満たすパッケージングを実現し、ゴルフは大ヒットします。
そして1979年に派生車としてオープンカーの「ゴルフ カブリオ」を発売すると、オープンカー大国のアメリカを中心に、同じくヒット作になりました。
この初代ゴルフ カブリオは、1983年に発売された2代目にオープンモデルが設定されなかったため、引き続き販売され、1991年に3代目が登場しても販売が続きました。
結局、1993年に3代目ゴルフをベースとした新型カブリオが発売されるまで生産され、じつに14年間、3代にわたって販売されたことになります。
※ ※ ※
近年、モデルチェンジサイクルが伸びていますが、トヨタ「ランドクルーザー70」シリーズは、なんと36年間もフルモデルチェンジしていません。
日本では2004年に販売を終了し、2014年に期間限定で30周年記念モデルが限定販売されましたが、海外ではデザインやエンジンをアップデートしながら継続して販売されてきました。
電子制御を最小限にしたシンプルな構造による高い耐久性と信頼性、悪路走破性が認められ、いまだに世界中で人気を博しており、変わらないことを是とする希少なモデルです。
Posted at 2020/04/23 21:35:32 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月23日
オリバー・ソルベルグなど若手ラリードライバーに光を当てる『eスポーツWRCシュートアウト』開催
WRC世界ラリー選手権は若手ラリードライバーにスポットライトを当てるべく、シリーズ公式ゲームを使ったeスポーツ『eスポーツWRCシュートアウト』の開催を決定した。参戦ドライバーのなかにはペター・ソルベルグの息子であるオリバー・ソルベルグも含まれる。
世界中で脅威となっている新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受け、WRCは3月12~15日の第3戦メキシコを最後に中断状態にある。4月20日時点では7月16~19日のラリー・ケニアでシリーズ再開となる見込みだ。
このシリーズ中断期間に、WRCは将来シリーズ最上位クラスを戦うであろう若手ドライバーにフォーカスしたeスポーツイベントを開催すると決定した。これは先日行われたジュニアWRCのeスポーツイベントが好評だったことを受けて開催が決まったものだという。
大会はシリーズの公式ライセンスゲームである『WRC8』が使用される。参加ドライバーは11名でソルベルグのほか、2020年のWRC2を戦っているアドリアン・フォルマー、オーレ・クリスチャン・ベイビーなどが名を連ねている。
大会は4月21~23日に行われ、本来であれば4月23~26日に開催予定だったラリー・アルゼンチンのステージが戦いの舞台だ。
バトルは11名によるクオリファイラウンドで幕を開け、このクオリファイ上位8名が1対1の直接対決方式で争われるクォーターファイナルに進出する。クォーターファイナルの舞台はラリー・アルゼンチンの代表的ステージであるエル・コンドルだ。
クォーターファイナルを勝ち抜いた4名はセミファイナルに進出。アルゼンチンにあるテーマパークが舞台のステージでファイナル進出を賭けた争いが行われる。
頂上決戦となるファイナルはエル・コンドルとクッチーナ・ネバダの計2ステージを使って争われ、ここで最速タイムを刻んだドライバーがeスポーツWRCシュートアウトのウイナーとなる。
大会はクォーターファイナルからWRC公式Facebookでライブ配信が行われる予定で、クォーターファイナルは4月21日の中央ヨーロッパ時間21時(日本時間翌5時)、セミファイナルは22日の中央ヨーロッパ時間21時、ファイナルは23日の中央ヨーロッパ時間21時に配信開始となる。
WRCプロモーターのオリバー・シースラ代表は「新型コロナウイルスの影響でWRCがストップしている間、このeスポーツWRCシュートアウトを開催することで将来のスター選手にスポットライトを当てる」と述べている。
「もちろんドライバーたち、そして我々全員が現実世界でのバトルを待ち望んでいる。ただ、WRC8でラリー・アルゼンチンのトリッキーなステージを走ったとき、彼らの闘争心やアドレナリンは現実と変わらない形で放出されるだろう」
「バーチャルレースはモータースポーツのなかで、いま急速に成長を遂げている分野だ。我々は誰もが参加できるeスポーツWRCチャンピオンシップも開催しており、今回のWRCシュートアウトはそれと対をなす存在になる」
「WRCのファンには、このWRCシュートアウトを自宅で楽しんでもらい、そのあとにeスポーツWRCチャンピオンシップに挑んでもらいたい」
WorldRX:eシリーズ開幕戦は“リアルドライバー”の北欧出身ラリーストが勝利
WorldRX世界ラリークロス選手権の新生eスポーツ・シリーズ『WorldRX ESports Invitational Series』開幕戦カタルーニャ・エディションが、現実の2020年カレンダー開幕戦予定日だった4月19日(日)に開催され、WorldRXやWRC世界ラリー選手権、GT出身者、そしてプロゲーマーらを抑えたスウェーデン出身のラリースト、マティアス・アディエルソンが初代勝者に輝いた。
この『WorldRX ESports Invitational Series』は、オンライン・ゲーミング・プラットフォームの“Steam”を介して『DiRT Rally 2.0』を採用した新たな代替eスポーツ・シリーズとして創設された。
開幕前日に発表された公式エントリーリストでは各組5台の予選ヒート4枠20台が埋まり、2020年からシリーズ本格復帰を表明したばかりのヨハン・クリストファーソンを筆頭に、ティミー&ケビンのハンセン兄弟、アンドレアス・バッケルド、ティモ・シャイダーらWorldRXの主要メンバーが顔を揃えた。
またモータースポーツ・カテゴリーをまたいでのゲスト参戦組も複数エントリーし、WEC世界耐久選手権のLM-GTE Proクラス常連でル・マン24時間クラス優勝の経験も持つニッキー・ティームや、WRC世界ラリー選手権経験者で2020年はWorldRX参戦のケビン・アブリングに加え『DiRT Rally 2.0』の現ワールドシリーズ王者であるキリアン・ダロルモなどSim界のトップドライバーも名を連ねた。
スペイン出身のラリードライバー、ホセ-アントニオ・スアレスやARXアメリカズ・ラリークロスの表彰台経験者カボ・ビンガム、そしてWorldRX連覇のクリストファーソンらが技術的トラブルによるイベント短縮で涙を飲むなか、存在感を見せたのはアウディS1 RXスーパーカーをドライブするアディエルソン。
セミファイナルでは2019年WorldRX王者のティミー・ハンセンに次ぐ2位で通過し、ダロルモ、アブリング、そしてチェコ共和国出身のeスポーツ選手であるルーカス・マテハの5名によるファイナルへと駒を進めた。
すると6ラップの決勝スタート早々、1コーナーで首位に立ったアディエルソンは、フィニッシュまでアドバンテージを保ち快勝。世界最速のeスポーツドライバー2名を従え、リアルドライバーの意地を見せつけての『WorldRX ESports Invitational Series』初代勝者の座を手にした。
「このイベントに勝つことができて本当に興奮しているよ。(イギリス出身のラリーストでeスポーツWRC王者でもある)ジョン・アームストロングと一緒に、ここまで多くの練習を重ねてきたけど、レース全体で勝ち上がることができるなんて考えてもみなかった」と、喜びを語ったERCヨーロッパ・ラリー選手権参戦組のアディエルソン。
「このイベントは本当に素晴らしい内容で、多くのWorldRXドライバーたちと対戦できて本当にクールだった。僕にすべてのヒントをもたらし、eスポーツでの可能性を信じてくれたteam WERT Esportに心からの感謝を捧げたい」
一方、アディエルソンの後方で2位争いを繰り広げた世界レベルのeスポーツドライバー対決は、ファイナルラップでオーバーテイクを決めたフランス出身ダロルモに軍配。3位にマテハ、4位にティミー、そして一時は2位までポジションを挙げたアブリングが最後尾でチェッカーとなった。
オープニングラップを3番手で通過した2019年WorldRX王者だったが、続く2周目にジョーカーラップを消化したことで5番手にまで転落。スタートの周回でジョーカーを終えていたeドライバー勢を出し抜くことは叶わなかった。
WorldRX王者のティミー・ハンセンは「史上初のWorldRX ESports Invitational Seriesに参戦できて本当に楽しかった。ここまで、アドレナリンが湧き上がるような瞬間を経験していなかったから、レースができて最高だったよ」とコメント。
「確かにこれは現実のレースとは違うけれど、多くの点で非常に近いフィールを得られた」
「自分の結果には満足しているし、今回が初めてのオンラインレース挑戦だったことを思えば、予想をはるかに上回る結果だと言える。予選と準決勝で1勝ずつできたから単純にうれしかったよ」
世界ラリークロス:2021年予定だった電動化を1年延期。新型コロナによる経済不安が影響
FIAは4月20日、WorldRX世界ラリークロス選手権の電動化を1年延期することを決定した。新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により世界経済の先行きが不透明であることが理由とされている。
ダート(未舗装路)とターマック(舗装路)が入り交じる特設コースを舞台に争われるラリークロス競技の世界選手権であるWorldRXは以前からシリーズの電動化に腐心してきた。
最新の計画では電動ラリークロスの専用クラス『プロジェクトE(Projekt E)』を2020年に新設。初年度は従来どおりの内燃機関を積むクラスとは別枠として開催し、導入2年目となる2021年からシリーズ最高峰クラスを電動マシン、内燃機関マシンが混走するクラスとするとしていた。
しかし、中国・武漢に端を発する新型コロナウイルスの影響で世界経済の先行きが不透明であることを受け、WMSC世界モータースポーツ評議会(ワールド・モータースポーツ・カウンシル)の電子投票が行われ、2021年の電動/内燃機関マシン混走計画を1年延期すると決議した。
この決定はシリーズプロモーターのIMGやバッテリーやモーターなどの各サプライヤー、電動化計画の協議に参加したチームなども合意しており、シリーズの存続、そしてコストコントロールを優先したものだという。
FIAのジャン・トッド会長は「現在の状況を踏まえれば、シリーズの電動化を1年遅らせ、参戦するものに投資や電動マシンについての理解を深める猶予を与える必要があると判断した」とコメントしている。
「ただFIAはWorldRXを電動化させ、新たな世界を切り開くべく関与を続ける。シリーズを電動化することで費用対効果の高いチャンピオンシップとなるし、市販される電気自動車に必要な技術開発を促進することができるからだ」
シリーズプロモーターIMGのポール・ベラミー代表も「世界ラリークロス選手権の電動化を2022年まで遅らせるという決定を支持する」とのコメントを発表している。
「FIAや参戦チーム、シリーズパートナーとともにラリークロスの電動化という未来を目指し続けるが、新型コロナウイルスという未知の困難に直面している状況では、なにより人々の健康と安全が優先されるべきだ」
「なお、現時点では育成カテゴリであるeRXジュニア・チャンピオンシップについては、当初の計画どおり2021年に電動化が果たされる予定だ」
WorldRXへの電動マシン投入は最初期の計画で2020年予定とされていたが、より多くの自動車メーカーに参戦を検討する猶予を与えたいとして2021年に延期された。今回の延期で2度目の計画変更となる。
Posted at 2020/04/23 21:28:01 | |
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