2020年04月30日
「サーキット内で起こした事故」車両修理や施設の破損にはどう弁償すべき?
自己責任が大前提、リスクを減らすには
サーキットでも『保険』という言葉は耳にするが、基本的にはケガの治療など「人間」を対象としたモノ。自分のクルマや施設内のガードレールなどを壊したら、保険が使えず自己責任というのが昔からの定説だ。それは2020年代に突入した現在でも不変なのか調べてみた。
結論から言ってしまうけれども、サーキットに対応する「車両保険」はある。ただし、決して一般的ではないうえ数も少なく、広告などで大々的に宣伝されているワケでもないため、実際に走っていても知らない人が多いだろう。
現時点でシステムとしてもっとも完成されているのは、あいおいニッセイ同和損保の『ワンメイクレース対応保険』だ。名称から分かるとおり、適用されるのはワンメイクレース、それもTOYOTA GAZOO Racingが主催するレースのナンバー付き車両「86&BRZとヴィッツ」のみと対象はかなり狭い。
補償対象は主にドライバー(死亡保険金/後遺障害保険金/重度後遺障害特別保険金)だが、クルマとクルマの接触による修理も付帯しているのが特徴だ。ただし、相手への賠償やサーキットの施設は含まれておらず、公式予選および決勝レース以外における事故にも対応していない。
また、保険会社によってはサーキット走行などを想定した”特約”があるケースも存在する。走行する日時を事前に申請しその期間だけ適用される、通常の保険期間であればいつでも適用されるなど、仕組みや保険料はバラバラなので確認してほしい。
さらにこの手の特約は非常に珍しいため、保険会社の担当者ですら存在を知らないことがあるとも聞く。まずは自分が加入している保険会社に「サーキットに対応する特約」があるか確認し、費用(事故の可能性が高いため結構な高額になるはず)や補償の範囲を把握したうえで加入しないと、いざ使うときになって「こんなはずじゃなかった」と後悔するかもしれない。
なお、最近はサーキット走行が身近な趣味として認知されつつあるせいか、レースを含むサーキットでのスポーツ走行全般に対応する保険が散見される。もっとも調べた限りでは、カバーするのはあくまで自分のクルマのみ。前述のようにガードレールやクラッシュパッドといった施設、相手のクルマやドライバーに対する補償はほぼ皆無に等しい。
とはいえかつては「何もかも自己責任」が常識だったサーキット走行に、車両保険という概念が根付き始めただけでも変革といえば変革かもしれない。
運転中に事故った! 初期対応から法的責任まで事故の加害者がすべきこととは
■人身事故は救護処置が最優先、物損も報告する義務がある
クルマを運転するうえで、誰もが避けたいのが交通事故です。しかし、どんなに気を付けていても、事故が起きてしまうことがあります。
万が一、事故を起こしてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
加害者となった場合の事故対応の仕方とそのポイントを、セゾン自動車火災保険株式会社の担当者に聞きました。
「人身事故を起こしてしまった場合、直ちに運転を停止し、負傷者の救護処置を最優先におこないます。そして警察に通報した後は、事故車両を安全な場所に移動させて二次損害の発生を防ぎます。
この救護処置と警察への連絡については、必ずおこなってください。これらを怠ると、道路交通法上の「救護義務違反」や「報告義務違反」にあたるとして、ひき逃げと同様の重い罪が科せられ、保険が適用されない場合があります。
物損事故の場合には救護義務はないものの報告する義務はあるので、警察へ必ず連絡してください。
事故直後は、ケガ人の救護や警察への届け出を優先いただき、これらがひと通り落ち着いたタイミングで、保険会社に連絡するのがよいかと思います」
今回取材したセゾン自動車火災保険の事故対応の受付は、24時間365日夜間休日に関わらず対応可能。ほかの自動車保険の会社も、ほぼ同様と考えていいでしょう。
また、同社では「不安と心細さを感じられているお客さまに対し、その時々の状況に応じて『お客さまに寄り添う』ことを心がけた会話やお声かけをおこなっている」とのことです。
事故を起こしたときはどんな人でもパニックに陥ってしまうことから、少しでも高ぶった気持ちを和らげるような声掛けは行き届いた配慮といえます。
さらに、同社ではALSOK駆け付けサービスも用意されており、希望すると警備会社の隊員が事故現場に急行し、二次災害防止のための安全確保などもおこなってくれるそうです。
■人身事故では行政・民事・刑事の責任を負う可能性も
事故を起こした直後は、けが人の救護や救急・警察への連絡、保険会社とのやりとりなどが必要ということですが、事故後に責任が生じる、行政・民事・刑事処分の内容や流れは、どのようなものなのでしょうか。
前出のセゾン自動車火災保険株式会社の担当者は、次のように説明します。
「人身事故を起こすと、行政処分、民事処分、刑事処分の3つの責任を負う義務が生じます。
行政処分とは、事故の原因が交通違反にあれば、免許の違反点数が加算され、免許停止や取り消しなどの処分、そして反則金や罰金も科せられます。交通違反がなくても、相手の負傷の程度や過失の程度に応じて違反点数が加算されます。
民事処分は、過失割合に応じて、相手方にその損害を賠償する義務です。自賠責保険や任意保険から治療費や慰謝料が支払われます。
刑事処分は、過失で事故を起こした場合は、過失運転致死傷罪が成立し、刑事責任を負う可能性があります。原因が交通違反にあるときは、道路交通法違反などの罪が成立する可能性があります。
物損事故の場合は、行政処分、刑事処分の責は負いませんので、違反点数は加算されませんが、民事処分として壊したものに対する損害賠償金が発生します。自賠責保険は適用されず、任意保険から賠償されます」
また、「保険会社としてお客さまのお力になれることは、民事上の責任の部分です。行政処分、刑事処分については、お客さまご自身で対応いただく必要があります」といいますが、行政や刑事処分に関しても、専任の事故担当者が対応方法などの相談に乗るサービスもあるそうです。
保険を使うことで、等級への影響を気にするドライバーも多いですが、「事故受付だけで等級には影響しません。保険金のお支払いの有無によって等級の変動が決定しますので、お支払い保険金額が分かってから、金額と等級への影響を見比べて保険を使用されるか否かをご検討いただけます」ということです。
適切に事故対応をおこなうためにも、物損事故のときにもまずは保険会社に相談するのが良さそうです。
※ ※ ※
クルマを運転する以上、交通事故の加害者になってしまう可能性はゼロではありません。そんなとき、冷静沈着に対応できる人はほとんどいないでしょう。
しかし、予備知識として事故後の流れを知っておけば、多少は冷静に対応できるのではないでしょうか。
また、現在契約している自動車保険の補償内容やロードサービスなどの内容を確認しておくことや、事故を起こしたときにすぐに連絡できるように、連絡先などを控えておくことをおすすめします。
Posted at 2020/04/30 20:48:46 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月30日
ワーゲンバスが電気で走る! フォルクスワーゲン T1を邦貨約756万円でEV化できるという誘惑
Volkswagen e-BULLI
フォルクスワーゲン e-BULLI
見かけはレトロ、中身は最新のワーゲンバス
「ワーゲンバス」の愛称で知られるフォルクスワーゲン タイプ2。ころんとしたモノフォルムとほどよいサイズ感、アレンジの可能性が膨らむキャビンはいまでも根強い人気を誇っている。
愛らしいミニバスと送るカーライフは魅力的に違いないが、半世紀以上前の出自ゆえ故障やランニングコストにまつわる心配がつきまとう。その気がかりを解消してくれそうなのがフォルクスワーゲンの商用部門、フォルクスワーゲン コマーシャル ビークル(VWCV)が発表した「e-BULLI」だ。
出力・トルクは空冷ボクサーの約2倍
フォルクスワーゲンはすでに、ワーゲンバスの再来ともいえる完全電気自動車のMPV、「ID-BUZZ」を販売すると発表している。しかし、ID-BUZZはぐっと現代的にデフォルメしたレトロ“風”デザインといえる。
しかしe-BULLIの見た目はまごうことなきT1そのもの。むろんアクセルペダルを踏み込んでも、あの懐かしい乾いた「バタバタ」音は聞こえてこない。それもそのはず、リヤのハッチゲートを開けた向こう側には空冷4気筒水平対向エンジンの代わりに電気モーターが載っているのだから。
42hpの内燃機関エンジンに代わり、82hpを発する電気モーターを搭載。トルクもオリジナルの102Nmから212Nmへアップしている。“史上最強のT1”といえるかもしれない。
最高速度はリミッター制御で129km/h
固定ギヤの1速トランスミッションを組み合わせ、運転席と助手席の間にセレクターレバーを設置。ポジションは「P」「R」「N」「D」「B」の5パターンで、「B」を選択すると回生の強度が高まる。アクセルペダルを離すと制動力が強めに働きエネルギーを積極的に回収するため、いわゆる“ワンペダル走法”に近いドライブが可能となるようだ。T1では105km/hだった最高速度は129km/hにアップしている(リミッター制御)。
リチウムイオンバッテリーを中心に構成するパワートレインは、電気自動車のスペシャリスト、eClassics社との協働により開発した。T1と同様に、リヤに搭載した電気モーターは後軸を駆動。12V電装系にはDC/DCコンバーターを介して電源供給する。
“満タン”からの航続距離はおよそ200km
電気系ドライブシステムの主要部品は、ドイツ・カッセルにあるフォルクスワーゲングループ コンポーネントで生産。リチウムイオンバッテリーモジュールはブラウンシュヴァイクで設計され、eClassics社によりT1用のバッテリーシステムとして換装される。次期型EVのID.3やID-BUZZ同様、高圧バッテリーはフロア中央部分に搭載。結果、重心が低くなりe-BULLIの操縦安定性が向上しているという。
充電規格は欧州で普及が進むCCS(Combined Charging System)方式。50kWの急速充電を使えば、40分で80%分を“給油”できる。フル充電状態からの航続距離は約200kmだ。
足元にはベンチレーテッドディスクブレーキを採用
パワーアップに伴い、足まわりも見直されている。フロントはマルチリンク式サスペンションを採用し、リヤには減衰力可変式ショックアブソーバーを搭載。ステアリングもラック&ピニオン式とし、ブレーキにもベンチレーテッドディスクを装備した。
LEDやデジタルディスプレイで現代基準の実用性を
デザインはVWCVのデザインセンター、同ヴィンテージ ビークル部門らが手掛けた。エクステリアは「エナジェティック オレンジ メタリック」と「ゴールデン サンド メタリック マット」の2トーン仕上げとし、デイタイムランニングライトを備えたLEDヘッドランプを採用。リヤには充電状態を示すLEDインジケーターを配置している。
8シーターのキャビンもT1の雰囲気をそのまま現代に伝えるもの。シートはエクステリアに通じる2トーン配色で、「サントロペ」「サフラン オレンジ」で明るいムードに仕上げている。フロア面には船のデッキを思わせるウッドパネルを使用。折り畳み式の幌を備えたパノラミックルーフやルーフサイドに開いたウインドウもあいまって、開放感あふれる車内空間となっている。
タブレットやBluetoothオーディオなどの先進装備も
オリジナルのデザインを踏襲したスピードメーターにデジタルディスプレイを組み込むなど、コクピットも上手にモダナイズしている。航続距離などの必要な情報はディスプレイ上に表示。パーキングブレーキの作動状態や充電コネクタの接続状況などを示すLEDインジケーターも装備している。
充電時間や走行距離、目的地までの想定所要時間、電費、回生状態などの情報はルーフ部分に備えたタブレットで確認可能。オーディオシステムは一見懐古調のデザインだが、デジタルラジオの「DAB+」、Bluetooth、USBに対応している。アクティブ型のサブウーファーも搭載した。
e-BULLIを手に入れられるのは、現在欧州市場の顧客のみ。T1のコンバージョンにかかる費用は6万4900ユーロ(約756万円)。T2とT3のコンバージョンもeClassics社で取り扱っている。
Posted at 2020/04/30 20:44:56 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月29日
失敗作ではないけど売れなかった!? イロイロとやらかした車5選
■気合いが入りすぎた!? 不運な結果のクルマたち
これまで、数多くのクルマが販売されましたが、ヒット作になったものと、そうではないクルマがあります。
開発段階では目標となる販売台数を決めますが、さまざまな理由で目標に到達できないクルマが存在。
そこで、出来は悪くなかったのにヒットしなかったクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
●日産「ブルーバードシルフィ」
日産「ブルーバード」は1959年に初代が発売された、同社を代表する大衆車です。
代を重ねるごとに人気と不人気を繰り返し、1991年に発売された9代目となるU13型は、日本では不評となってしまいましたが、1996年に10代目のU14型へモデルチェンジされると、デザインの刷新が功を奏し人気を回復。
U14型のラインナップはスポーティな「SSS」シリーズとファミリー向けの「ルグラン」シリーズに分けられており、1997年には190馬力を発揮するSR20VE型エンジンを搭載する「2.0 SSS-Z」が追加設定されたことも人気復活の理由です。
そして、2000年のモデルチェンジで、小型セダンの「サニー」をベースとした「ブルーバードシルフィ」に生まれ変わりました。
エンジンは1.5リッター、1.8リッター、2リッター直列4気筒エンジン「QG型」「QR型」を搭載し 、トップグレードの2リッター車「20XJ」でも最高出力は150馬力と、スペック的には「普通のセダン」となってしまいます。
その結果、ブルーバードシルフィはサニーよりも上質なセダンを目指したコンセプトでしたが、伝統的なブルーバードのブランドイメージから大きく変わってしまい、真面目なつくりのクルマながら販売数が伸びることはありませんでした。
なお、コアなファンのなかには、ブルーバードシルフィを認めず、U14型を最後のブルーバードと呼ぶ人もいます。
●トヨタ「パッソセッテ」
2003年に3列シートと両面スライドドアを備えたコンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」が発売されました。取り回しのよい大きさの車体と広い室内で、ファミリー層から人気を得ます。
2008年にはシエンタの後継車として、ダイハツのOEM車「パッソセッテ」(ダイハツブランドでは「ブーンルミナス」)が発売され、しばらくパッソセッテとシエンタは併売されましたが、2010年にシエンタの販売を終了。
パッソセッテの「セッテ」とはイタリア語の「7」で、文字どおり7人乗りを強調するネーミングです。
リアドアはヒンジドアを採用して装備も簡素化した結果、価格は149万円(消費税込)からと、かなり安価でした。しかし、ユーザーからはスライドドアの利便性が求められており、パッソセッテの販売は極端に低迷。
そこでトヨタは生産を終えていたシエンタの再販を決め、2011年にシエンタがマイナーチェンジとして復活し、パッソセッテは2012年に販売終了になりました。
その後、シエンタはいまも好調なセールスを記録する、大ヒットモデルとなっています。
なお、姉妹車のブーンルミナスもパッソセッテと同時期に販売を終了していますが、マレーシアのプロドゥア(ダイハツとの合弁会社)から「アルザ」という車名で生産され、いまも販売を継続しています。
●ホンダ「ロゴ」
ホンダは「シビック」の下位に位置していた「シティ」の後継車「ロゴ」を1996年に発売。
66馬力を発揮する1.3リッター直列4気筒エンジンに5速MT、3速AT、CVTを組み合わせ、790kgから860kgと軽量な車体だったことで、ベーシックカーとしては十分な性能のクルマでした。
また、運転席用エアバッグを全車に標準装備し、高い乗員保護性能を持つ新設計シャシを採用するなど、安全面でも優れています。
ボディは3ドアと5ドアで、価格は3ドアの廉価グレード(5速MT)で77万円(消費税含まず)からと、ライバルに対してかなり戦略的な価格設定がされるなど、ホンダとしてもロゴに対して期待が大きかったと想像できます。
しかし、外観のデザインは大きな特徴がない地味な印象で、2回のフェイスリフトがおこなわれましたが、販売台数は低迷してしまい、2001年に生産を終了。
同年、シャシからエンジンまで新設計とした後継車の「フィット」が発売され、空前の大ヒットを記録することになります。
■バブルに散った2台のスペシャリティカーとは!?
●スバル「アルシオーネSVX」
1985年に発売されたスバル「アルシオーネ」は、同社初のスペシャリティカーとしてデビュー。空力性能を重視したシャープなフォルムや、特徴的な内装のデザインで話題となりました。
そして、1991年には2代目となる「アルシオーネSVX」が登場。デザインは先代から一転して曲線を多用した、美しく流麗なフォルムに変更されました。
デザインコンセプトは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロの手によるもので、それを基にスバルのデザイナーによって完成されています。
特徴的な「ミッドフレームサイドウインドウ」は他に類を見ないデザインで、アルシオーネSVXを象徴する特徴的なアイテムです。
エンジンは最高出力240馬力を発揮する3.3リッター水平対向6気筒を搭載し、駆動方式はフルタイム4WDとされ、優れたハンドリングと安定性を両立。当時のスバルとしてはもっとも贅沢で先進的な装備を持ったクルマです。
しかし、発売直後にバブルが崩壊したことで販売は極端に低迷。それでも販売が続けられ1997年に生産を終了しました。
絶版車となった後にデザインが再評価され、いまではアルシオーネSVXを専門に扱う中古車店があるほどです。
●ユーノス「コスモ」
1980年代の終わりにマツダは販売チャネルの拡充をおこない、そのひとつであるユーノスから名車「ロードスター」が発売されると、ユーノスブランドは一気に認知度を高めました。
そして、1990年にフラッグシップクーペのユーノス「コスモ」を発売。ロー&ワイドでロングノーズの優雅なスタイルに、世界初の3ローターのロータリーターボエンジンを搭載するなど、まさにバブルの申し子といったモデルです。
この3ローターエンジンは280馬力を発揮。組み合わされるトランスミッションは4速ATのみで、10・15モード燃費は6.4km/hと極悪な燃費が話題になりました。
また、コスモには世界初となるGPSナビゲーションシステムを搭載(3ローター車に設定)するなど、当時の技術の集大成といえるクルマです。
価格は最上級グレードで530万円と高額なことと、燃費の問題、バブル崩壊によるマツダの収益悪化という背景もあって、わずか4年で生産を終了。
その後3ローターエンジンは作られることなく、コスモもこの代で消滅したため、いまでは伝説的なモデルとなっています。
※ ※ ※
今回、紹介した5車種は、どれも足跡を残しているといえます。たとえばロゴのシャシはクロスオーバーSUVの「HR-V」やトールワゴンの「キャパ」に使われ、有効に活用されました。
ほかにも、ブルーバードシルフィは現在、「シルフィ」としてグローバルで販売される世界戦略車として成功しています。
単純に売れなかったクルマはほかにもありますが、アルシオーネSVXやコスモのようにいまも語り継がれるようなクルマも、非常に稀有な存在といえます。
Posted at 2020/04/29 22:02:35 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月29日
「初代インプはまだまだイケる」走りを劇的に変えるGDB用6速MT換装はどうだ!
6速MT化でGC8は大化けする
1~5速のクロスレシオ化で加速性能が格段に向上
GDBに対して150kg、GRBGVBに比べると実に250kgも軽い1200kg台前半の車重が魅力のGC8。それを活かした高い運動性能は今でも一線級だが、国産スポーティモデルで6速が標準となった今、5速のままのミッションがどうにも古臭い。
また、アプライドC以降、段階的に強化対策が施されたものの、当時“ガラスのミッション”と言われたシロモノだけに、パワーやトルクに対する耐久性が乏しいのも不安要素のひとつ。チューニングベースとして考えるなら、手を打っておきたいパートなのだ。
それを実現するのが、GDB用6速MTの流用。アプライドD以降でリヤデフがR180サイズのモデル…STIのタイプRAやタイプRなら、ミッションに合わせてプロペラシャフトとファイナルギヤをGDB用に交換するだけでいける。
それ以外のR160モデルでは、リヤデフやドライブシャフトまでごっそり移植することになる。
GDB用6速MTとGC8純正5速MTは、ケースの大きさも形状も大きく異なる。ただし、換装にあたってはGDB用マウントブラケットを使えばボルトオンが可能だ。
また、ミッションに合わせてプロペラシャフトもGDB用に交換。デフがR160の場合はR180への交換が必要になるが、R180にはボルトオンでOK。
このメニューは5速から6速になることでクロスレシオ化が図れるのはもちろん、それ以上にミッション自体の強度が大幅に向上することが一番のメリットと言える。マルシェが行ったテストではパワーで600ps弱、トルクで78kgmでも問題なくサーキットでの全開走行をこなしたという実績がある。
デフは、GC8のアプライドA~CはR160だからR180に要交換。また、R180を標準採用するアプライドD以降のSTIタイプRA/タイプRの場合、デフ自体はそのままいけるが、ファイナル比を3.900に変更してハイギヤード化を図る必要がある。
GC8のアプライドA~Cでは、R180デフへの換装に合わせてドライブシャフトも交換。つまり、GDB用6速MTを載せるにはミッション本体、プロペラシャフト、デフ(ファイナル)、ドライブシャフトと、駆動系をごっそり移植することになる。逆に、アプライドD以降なら、ミッション本体とプロペラシャフト、ファイナルの交換でOKだ。
なお、GDBの6速MT流用にもデメリットがないわけでない。唯一にして最大のネックは、GC8の5速MTに対してミッション単体重量が30kg近く重いということ。
キビキビ走ることにGC8の魅力を感じているオーナーにとって、これは聞き捨てならない話だろうが、要は『メリット=クロスレシオ化とミッション自体の強度アップ』と『デメリット=重量増』を天秤にかけて、どっちを取るか? ということだ。
ただし、実際にGDB用6速MTが換装されたGC8に乗ってみると、街乗りでは「フロントがちょっと重い…かな?」と思うくらいで、5速MTとの劇的な違いは感じられなかった。
それ以上に、早めのシフトチェンジでスイスイ走れるから気持ち良さが倍増。多段化によって、軽さというGC8の長所がより引き出されている感じだ。これならスポーツ走行に限らず、街乗りでもイージードライブという点でもアドバンテージになると思う。
TEXT:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)/PHOTO:小林克好(Katsuyoshi KOBAYASHI)
●問い合わせ:カーステーションマルシェ 群馬県前橋市亀里町1224 TEL:027-265-6789
Posted at 2020/04/29 21:56:29 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月29日
「こんなレヴォーグが新車であれば・・・」EJ20+6速MT換装で超スポーツワゴンの出来上がり!
現行ステーションワゴンに珠玉のパワーユニットをスワップ!
ありそうでなかったハイパワー仕様レヴォーグ改が誕生
適度なボディサイズのステーションワゴンとして人気が高いレヴォーグ。搭載されているのは1.6LターボのFA16と、2.0LターボのFA20という2種類の直噴エンジンで、どちらもマニュアル車の設定は存在しない。
そこで立ち上がったのが大阪のオートプロデュースA3。レヴォーグにGRB型WRX STIの、それもスペックCのパワートレインをごっそりスワップしてしまったのだ。
ちなみに、このマシンはFA20搭載の最上級グレードをベースとしているのだが、レヴォーグにEJ20&6速マニュアルミッションをスワップするなら最もベーシックな1.6GT(前期型)がベストらしい。
その理由は、FA20搭載車とFA16搭載車ではフロア側のミッションブラケット取り付け位置が異なっており、6速MTを搭載したいならFA16搭載車がドンピシャ。さらに、前期型の1.6GTならアイサイトレスでサイドブレーキも電気式ではないモデルがあるので、色々と作業の手間が省けるという。
純正ではAT設定しかないレヴォーグということで、クラッチペダルはもちろん後付け。こちらも、シフト周り同様全く違和感の無い仕上がりだ。
GRBのスペックCから移植されたエンジンは、ブースト圧1.55キロ時に約385psをマーク。
エンジンスワップで最もやっかいな制御系に関しては、EJ20を搭載するVABのパーツを使っているのがポイント。ハーネスやメーターなどもゴッソリと流用したことで、まさにノーマル然とした仕上がりになっているのだ。
吸気系には、ターボレスポンスの向上やエアフロセンサーの計測空気量を安定させるハイプレッシャーバイパスバルブを装備。ブローバイのオイル成分のみをオイルパンに戻すことができる、オイルセパレーターもインストールされている。
フレッシュエアを効果的に導入できる、シムス製のエアインダクションボックスもA3の推奨アイテム。性能はもちろん、その美しいカーボンの作り込みも素晴らしい。
排気系は、オリジナルのAGRESSデュアルエキゾーストシステムで統一。フロントパイプとの接合部以降をデュアル化することで、静粛性と排気効率のアップを実現している。
ブースト制御を司るEVCとブリッツのタッチブレインはルームミラーの基台部にマウント。見やすくて視界の邪魔にならない工夫がなされている。
サスペンションには、クァンタム製のオリジナルサスペンションプラス(UC-01)を装着。スプリングレートはフロントが11kg/mm、リヤが9kg/mmとなっている。
さらに、オリジナルのAGRESSボディサポートでシャシーとサスペンション取り付け剛性をアップ。キレの良い走りを生み出す原動力となっている。
一方のエクステリアは、WRX STI&S4のイメージを取り入れたフロントバンパー&リヤバンパーを設定。ちなみにこれ、STI製のアンダースポイラーにも対応できるようになっていたりする。
価格はフロントバンパーが8万8000円、リヤバンパーが8万2000円。STI製サイドステップとマッチングが抜群のリヤサイドアンダーが2万8000円となっており、フルセットで18万円という設定もあり。
鈴鹿サーキットでこのチューンドを試乗したターザン山田は「速いし遊べる! エンジンパワーは当然として、クルマ全体のバランスが良いんだよ。シャシーはワゴンと思えないほどシッカリしてるし、よく曲がる。チューニングカーというより、“真のレヴォーグSTI”って感じの自然な仕上がりだね」と絶賛。
「数多くの問い合わせを頂くんですが、膨大な量のパーツが必要なのでベース車込みとはいっても600万円ほどかかるというと、確実に引かれます(笑)」とは、オートプロデュースA3の武田代表。
純正然とした各部の作り込みもさることながら、サーキットのスピード域でも安定した走りを見せるその性能とトータルバランスの高さも非常に魅力。「レヴォーグにMT搭載グレードがあれば…」と感じさせられるその仕上がりは圧巻だ。
●取材協力:オートプロデュースA3 大阪府岸和田市稲葉町216-5 TEL:072-479-2760
Posted at 2020/04/29 21:48:39 | |
トラックバック(0) |
自動車業界あれこれ | 日記