と、言う訳で(何がじゃ!?…汗)
プリンスの鏡、昨日のグロリア230繋がりでコレも上げときましょう⇒『昭和45年(1970)3代目HA30型グロリアスーパーDX(グレードは推察)』!!
昨日の“珍車391”で触れたましたが元は“プリンス”の代表作、と言いましてもワタクシが生を受けた頃はプリンス自動車はスカイラインとグロリアのみ、スカイラインが一般向け、グロリアは公用向けの性格を与えられ合併前はスカイラインはブルーバード、グロリアはセドリックをライバルにしていました。
66年の合併で皮肉な事に?これらと同じ屋根の下に入るのですが合併側と被合併側のモデル差別は結構行われかつて競合していたブル、セドリックに施されながらスカイライン/グロリアにはそれがなされない!なんて事もあらゆる面で少なからず行われてました。
それでもグロリアは230型~はセドリックと兄弟となりましたのでこうした差別もなくなりますがスカイラインは脚光を浴びた2000GT以外の普及型(ハコスカ/ケンメリ1500~1800)のショートノーズモデルでは5速ミッションやラジアルタイヤの装備など、ブルにあってもこちらは未設定など吸収された側の非劇?を華やかな2000GTの裏で垣間見てとれたりと…ブルとスカイライン、70年代を思い出すとこの陰謀めいた?因果関係が蘇りますネ。。。
さて、出品車です!
セドリックとボディを異にしていた最後のオリジナル(?)グロリアとなりそのアメリカンなスタイリングはマニアも多く今でも“縦グロ”の愛称で親しまれていますね!
A30グロを語るには外せないこの出来事=合併後に日産から納入した天皇陛下御料車『日産プリンスロイヤル』!!
これも以前から皇族が好んで使用しておられたプリンス製乗用車、その縁から同社が開発、グロリア同様設計時はプリンス、発売時は日産という日産のうまいとこ取りという噂も当時は囁かれ当時の日産社長が日に日に離されるトヨタに対し“御料車”という名誉が欲しくてプリンスを買収した!なんて言われていたモノです(この類の文献はかなり出ておりますので決してワタシのガセではありません…汗)
まっ、当時はさすがにワタクシもハナたれのクソガキですからリアルな真実は知りませんが。
↓国産初の天皇陛下御料車である『日産(プリンス)ロイヤル』
A30型グロリアはこのロイヤルとも独特な縦4灯ヘッドライトの顔、スタイリング、テールの処理に共通イメージがありこの事から昨日触れたように“由緒ある高級車”のイメージが付いたものです。
丁度珍車390でご紹介した130セドと同時期のモデルですが前述の一件からセドリックより高級というイメージが付いたのもこの代からですね。
この3代目A30型もロイヤル同様プリンスが設計したものを66年の合併→67年のFMCで『日産・プリンスグロリア』の名称でデビュー、同じ頃一時スカイラインも『日産・プリンススカイライン』と名乗っていました。
太陽神戸三井銀行?日石三菱?の如く長ったらしい名前は寿命は短く両モデルとも僅かな期間でそれぞれ“プリンス”の文字は消されその名残はディーラーの名前(日産プリンス販売)に残るのみとなりました。
スタイルだけはプリンスそのままで出たA30型グロリアですが発売~販売期間中に徐々に日産化を敢行、67年デビュー時では4気筒こそ日産製H20型エンジンを搭載するもメインの6気筒はセドリックのJ20ではなく旧プリンス製のG7型エンジンを先代から継承して搭載しプリンスファンの喝采を浴びるも68年の最後のMCでは遂にこれも日産製L20型に差し替えられております。
MCは2度行われその度に日産臭も強くなっていきましたが特にプリンスファンでもないワタクシ、個人的にはこの出品車=最終型HA30が一番好きでした!
何がいいって日本で初めてアメ車風のRrバンパーにテールランプを埋め込んだお洒落なRrスタイルは斬新で子供心に“いかにも憧れの高級車”って出で立ちがインパクト強かったです!
後年(72年)に2代目ローレル130型のHTがやはりこれをやり“ブタケツ”の愛称で超有名になりやたらRrビューを褒めちぎられるブタケツですが元祖はコチラだった訳です!
ここでようやく現車です(汗)
現車、E/g始動はするようですが画像で解る、解らない範囲でもかなりヤレが来ている様子で先日の同期130セドよりも酷い状況ですね。
フロアも錆浸食が著しい感じで完全なる要レストアの体ですがE/g廻るならばその甲斐もある?
ファンの多い縦グロですし希少な最終モデル、何とかマニアさんの手により復帰を切に願わずにはいられません…
「おい、Gure、【セドリック製廃記念!?】なんて気取った事抜かしているがまともに動くセドグロ出せや!コラっ!」とお怒りですか?まぁま、冷静に考えてももう半世紀近く前のクルマですからね、残っているのを拝めるだけ幸せだと思って頂かないとバチ当りますゼ、兄貴(笑)
↓当然?評価ナシ、出品票の記載を読むだけで萎えるか?力みなぎるか?がグロリアマニア是か否かの分かれ目!
縦グロはワタシがクルマ乗り出した頃は10万か15万でかろうじて売ってました、いつの時代でも若いくせにこうした高級車に憧れるのはいますからね、これをロッドにしたりベタベタにしたりして乗ってるのもいましたが当時は330が大スター、貧乏でも230に乗ってれば一応絵になる時代にセダンの縦グロはいかにも解体屋から引き揚げてきた!って感じがして見る方まで貧乏臭く感じたモノですがその後残存がなくなるなるにつれ再評価され前述のようにアメリカンなスタイルがA30デボネアと共に受け今や派生車種のバンまで含めてこの手のマニアには“神”扱い、ワタシもDラー時代2~3台解体送りにしていますのでこんなんるなら密かに取っておけば良かったなぁ…
↓フロア浸食したサビは致命的ながらダッシュやシートの状態は痛みもそれ程でもないです!
珍車390で触れたようにこの縦グロも70年代~80年代のアクションドラマでは多用されたモデル、大都会シリーズ、特別機動捜査隊、東映のやくざ映画やアクション物に加え加え仮面ライダーでも多用、ショッカーご用達のクルマでしてね、街行く縦グロを見かけると“ショッカーだ!!”と叫んだクソガキ時代を思い出しますわ(^^ゞ
ショッカーや刑事モノに使われた縦グロはほぼ前中期モデルでしたので画面で滅多に後期型のバンパー埋め込みテールを拝める事はなかった気がします、前中期はFrの縦目に合わせた縦長のテールがバンパーとは別体とされおり平凡なデザイン、69/10~の後期は僅か1年少々でしたので現役当時でも滅多に見れるモデルではありませんでしたのでこの出品車、旧車としては王道?となっている縦グロとしてはかなりレア度高いです!
↓バンパー一体式となったテールは最終型のみ!このテールは羨望の眼差しで眺めました…
尚、ご紹介ではグレードを『スーパーDX』としていますがスーパー6かもしれません、確かこのグロリアは最終になって最高グレードのGLが追加設定されましたが長い事スーパーDXがTOP、次がスーパー6以下STDだったと思います。
その中で最も見かけたのがスーパーDXだったので薄れた記憶にあるエンブレム形状からこれとさせて頂いております!
↓外装も見た感じではサビもさほど致命的ではないかな?充分補修レベルですね!
出品地はまたも宮城、やはり奈良とか宮城、山梨や長野も同様ですがダダッ広い旧家の納屋にこうしたお宝が眠っており遺品整理?的にこのような見るヒトが見れば凄い価値モノが何気に業オクに出品されてくるのでしょう、クルマに詳しい遺族でもいればこれもそれなりの価値で取引されるのでしょうが「タダでいいから持って行って!」的に地元のクルマ屋さん経由でこうした場に出される事も多いと…
落札額はこれも縦グロが泣く解体価格+α、本来こんな値段で取引されるモノではないのですがね、腐っても鯛、腐っても縦グロなのに…(^.^)/