【レヴォーグ STIスポーツ】“一発屋”では終わらない
スバル『レヴォーグSTIスポーツ』の「STIスポーツ」は、新たに加えられたグレード名で、今後他の車種にも展開させることが予定されている。
「この“STIスポーツ”というグレードを今回限りの一発屋で終わらせないように、どのクルマにも共有することが出来るエッセンスは何かを最初に考えた」とは、スバル商品企画本部デザイン部主査の中村真一さんの弁。
では、現在スバルのラインナップ上にある標準モデルやスポーツ、STIに対し、STIスポーツをどう表現するのか。主にパフォーマンスを表現するSTIの外観は、「ロア部分の開口を大きく開けて、大量に空気が入り、いっぱい力が出るという顔にする。そして、アンダースポイラーを装着し、チェリーレッドのカラーをポイントで加えることが多い」と中村さん。このアンダースポイラーは、機能面とともに、ロー&ワイドに見せる視覚効果もある。
そこで、今回は工場のライン上で組み立てられることを踏まえ、「始めからこのようなデザインモチーフをインテグレートさせることで、STIらしいロー&ワイドの表現がより完成度の高いレベルで出来る。これが、STIスポーツの顔のエッセンスだ」と説明。そして、これを今回だけに限らず、「もし『フォレスターSTIスポーツ』をデザインしたとしても、このエッセンスで作られる」と話す。
ここまでは作り手側の視点。一方、ユーザー視点では、「まず遠くからスバルが来たことがわかることが大前提。その次にSTIスポーツが来たことがわかるデザイン表現をしたい。その結果として、購入したユーザーは自分のクルマの兄弟車が来たなど気付いてもらえるだろう」と中村さん。つまり、「スバルのデザインと、STIスポーツのデザインを継続させることで、ユーザー心理に働きかけ、その結果、ユーザーの満足度の向上につながる」と語った。
【レヴォーグ STIスポーツ】ユーザーに寄り添える内装色
スバル『レヴォーグSTIスポーツ』は発売前に、東京オートサロン2016でテストマーケティングを行った結果、内装についての評価は大きく2分されたという。
レヴォーグSTIスポーツの内装は、ボルドーを基調にブラックが使われている。この内装について、「これまでのSTIファンはそっぽを向いた。一方でそうではないユーザーも結構多くいた」とは、スバル商品企画本部デザイン部主査の中村真一さんの弁。「STIのことはよく知らないが、これはいいと思う。いつ出すんだと、ナチュラルにこのデザインや仕立てを見たユーザーはとても肯定的だった」と述べる。
これまでのSTIの内装のイメージについて中村さんは、「(黒に赤ステッチなど主張が強いことから)お客様がSTIに寄り添うイメージだ」と話す。しかし、「レヴォーグの色味はユーザーに寄り添えるイメージを大事にしている」。これはSTIスポーツでも同様で、「もっとお客様やファンを増やし、普段の生活の中に溶け込むくらいのデザインでないと広く理解してもらいないと思い、色味の加減と配分は相当吟味した」と中村さん。
STIであるから、「マークをどこに配分するかについては、STIとブランドイメージを崩さないルールを確認しあった。そのうえでSTIらしいレッドのイメージを使うことで、スポーツマインドを持たせながらも、普段使いのお客様に提供できるかを探った」とも。
特に、「奥様方のマインドにもフィットしないと、ご主人は良いといってもこの内装の赤は強すぎるとか、私の友達に見せられないなど、実際にいわれてしまう」。しかし、レヴォーグSTIスポーツの内装であれば、「おしゃれだと思うなど、支持してもらえるポテンシャルがあることが(オートサロンで)わかった」という。
つまり、「お客様に寄り添えるさりげなさと、気持ちいいフィーリングをどれだけ与えられるかだ。赤では鮮やかすぎ、強すぎるのでボルドーにし、STIの赤のステッチでSTIらしさも合わせて表現した」と中村さん。更に、「(ステッチは)細くてアクセントレベルなので、うるさくならないちょうどいい程度にうまく纏めることができた」と自信を見せる。
この赤ステッチが入るところは、「黒の上であってボルドーの上ではない。また、全部黒い内装の中に赤ステッチを入れるとその強さが出るが、今回はボルドーも使っているので同化作用で、ほどほどに良い強さの赤ステッチになる。これが今回の繊細な味付けで、自信作だ」と語った。
【レヴォーグ STIスポーツ】スポーティネスと質感の両方を表現
スバル『レヴォーグSTIスポーツ』はレヴォーグの最上級グレードに位置し、その走りはスポーティでありながらしなやかさも持ち合わせたもので、デザインもそれに合わせ変更されているという。
そう話すのは、スバル商品企画本部デザイン部主査の中村真一さんだ。「乗り味をフロントフェイスのエッセンスとして取り込み、総和として機能と走りの味がデザイン表現されている」という。
スバルでは、レヴォーグSTIスポーツを発売するにあたり、事前にオートサロン2016にプロトタイプを出展し一般ユーザーの意見を集めた。「STIスポーツに“なぜ?”というユーザーが多くいると考えた。それに対して誠意をもって応えられるデザインになっているかを確認したかった。その感触を得たことで発売につながった」と述べる。
レヴォーグSTIスポーツのポジショニングを考えるにあたり、「スポーツ軸と質感軸がある」と中村さん。
「ノーマルのフロントフェイスで象徴的なのは、ロアグリルとフォグ周りを独立させ、ロアグリルがハの字と逆ハの字になっていることだ」。そしてフロントフェイスのイメージは、スポーツ軸において「STIの性能“感”をより強調するためにロアグリルを主張させる方向」。
いっぽうSTIスポーツは質感軸で主張する方向なので、「ロアグリルと縦基調のカバーフォグをつなぎ、ワイドさ、スポーティさを表現しながらも、グリルやメッキを使い質感を表現している」と説明。
具体的には、グリル内に横3本のバーが入り、そのフレームもノーマルより細くすることで、違うテイストに仕上げられ、「より上質な金属の見せ方にしている」と話す。そのほか、フロントスボイラーにメッキのバーを入れ、「それも低いところにマウントすることで、地を這うような表現にしている」と語った。
この記事のページにいっぱいコメントついていたけど分かり易い位アンチスバルが群がってるねw
今のスバルが今のままで良いなんてことも無いんだろうけど、何でもかんでも外車と同じじゃないとダメとかボンネットダクトがダサいとか安っぽいとか書いてくださっているけど
今まで海外メーカーもツインクラッチを研究開発し続けて今のレベルに持ってきているけど日本国内の様なストップアンドゴーが多い使用環境だとあんまり合わないんですよ(半クラの使用頻度とか)
ターボをエンジン直下にしたり直噴化したりと改良は続けていてもやっぱり他メーカーに比べると燃費が悪いのもそうだね、それは間違いない
かといってV型のマルチシリンダーほど大パワーっていう訳でもないし、搭載レイアウトの都合で水平対向だからと言ってもオイルパンのレイアウトやサイズ都合やステアリング関係の部品などが周辺にある事もそうだし一般公道を走行することを考慮して安全性を確保しないといけないんだからペタペタな位置になんてエンジンを搭載出来るわけもない
レヴォーグで今回はじめてSTIスポーツってグレードが設定されたけど今後はフォレスターや次期型のインプレッサとかにも採用されるのだろうか?
【SUPER GT 第6戦】BRZ ちょい乗り体験会…乗ってみて知るその良さ
SUPER GT第6戦となる第45回インターナショナル鈴鹿1000kmレースが行われた鈴鹿サーキットの交通教育センターにて、富士重工業(スバル)『BRZ』ちょい乗り体験会が開かれた。
普段は交通安全のための教育の場として使われる、鈴鹿サーキットの交通教育センター。SUPER GT開催のおりには、ほとんどのスペースは関係者用の駐車場になる。今回は、その一部を利用してBRZのちょい乗り体験会が開催された。
BRZは先日、年次改良が施され後期型へとスイッチしたばかり。ディーラーの試乗車もこの週末から配備されて試乗できるようになった。ちょい乗り会場には新型BRZ Sグレードを4台用意、内訳はMT・ATは半分の2台ずつだ。試乗者の多くの方はMT車を希望したということでその稼働率は高かった。
愛知と岐阜から来たという、20歳と19歳の3人組の若者に感想を聞いたところ、「とても楽しかった。低速でもトルクを感じられ走りやすかった」「ハンドリングがクイックで乗っていて面白かった」「全体的に滑らかに動き、乗りやすかった」との感想が聞けた。
一方でグレードや様々な装備を付けると、車両価格が上がっていき、「なかなか買えない。もう少し価格が下がってくれないと欲しくても買えないです」という若者ならではの意見も。
また、スバル アクティブライフスクエアの1コンテンツで「鈴鹿1000kmレース・親子観戦ツアー」が開催されており、その合間に試乗会に登場した山野選哲也選手は、「車は乗って触れてみてそれで良いところが分かる。こういう試乗会をもっと開催してもらい、多くの人に体験して欲しい」と語った。
サーキットだけでなく試乗とかでも乗る機会は増やしてあげられると多少興味が湧いてくれれば違うんだろうね
ドライビングアカデミーってなんだろう?・高速周回路編【SUBARU テックツアー 2016】
前回、技術資料館で昇天してしまった私のお気に入りをランキングで紹介しました。
今回は、のむけん仕込みの超絶ドライビングスキルを持つ小林編集長の助手席に同乗する機会を得ることができたので、その様子をご紹介したいと思います。
まずは、ドライビングアカデミーのドライバーによるデモランを見学。高速周回路を3台のWRXが接触寸前の車間距離で縦一列に並んで超高速走行!
デモランを普段見ることがない私は恐怖のあまり目を背けそうに……(おいおい
ドライビングアカデミー恐るべし……こんなことができるエンジニアって他のメーカーにはいないのでは? そんなことを考えてしまうくらい圧巻の走りでした。
デモランも終わり、いよいよ同乗体験へ。同乗させていただいたクルマはWRX STI。
ん?待てよ、何かがおかしい。よく見てみるとブレーキが6ポットになってる!
標準モデルはブレンボの4ポットキャリパーが装着されていますが、ドライビングアカデミーのWRXには6ポットのキャリパーが装着されており、市販車へのフィードバックなどにも使用されているそうです。
他にも、フルバッケットシートやロールバーなどの安全装備などが追加されていますが、基本的には市販のモデルと大きく違いはないそうです。
同乗体験では、このWRXを使用し高速周回路を走行。生まれて初めての200km/hを超える速度とバンクを体験しました。
サーキットなどを走行したことがない私は超高速走行に大興奮でしたが、200キロを超えた瞬間を撮影することに成功したものの写真はブレブレ、撮影後はアシストグリップから両手が離せない上に踏ん張っていた足はガクガク……。そんな私を横目に顔色一つ変えず200キロのスピードを出す小林編集長。
WRXのSIドライブのS#モードですぐにアクセルを抜いてしまうビビりな私には、200キロの壁はデカかった……。しかも、バンクではこのまま横に転がってしまうのではないかと考えてしまう始末(どんだけビビりなの
横Gはクルマに乗ったことがある人なら誰もが体感できるものですが、縦Gをクルマで体感できることってそうそうあることじゃありませんよね?あの上から押さえつけられる感覚。ビビりながらも感動!不思議な感覚でした。
高速周回路体験に続いては、フルブレーキング体験!
残念ながら同乗はしていませんが、こちらの様子も紹介しましょう。
この体験では、全開加速後120km/hからのフルブレーキングを行いABSを作動させた場合とさせなかった場合の2パターンでの停止距離を測定しました。普段フルブレーキをすることなどほとんどありませんが、いざという時には役に立つ技術です。
パニックになると意外と力いっぱいブレーキペダルを踏むことはできずABSを正しく作動させることはできません。この訓練により正しくABSを作動させることで危険回避することができます。
今回の同乗体験で、スバルの走行安定性にも驚きましたが、プロドライバー並みのスキルを有するエンジニア達にも驚かされました!
非日常的な領域でも高いレベルの走りができるスバル車はこうしたエンジニア達がいるからこそ実現できる性能なんだな~と思いました。
次回は、同乗体験レポートパート2をお届けします。こちらもお楽しみに!
(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸・岩本 佳美)
ドライビングアカデミーってなんだろう?・ジムカーナ編【SUBARU テックツアー 2016】
前回、同乗体験レポートのパート1として高速周回路編をお届けしました。今回はいよいよレポートパート2・ジムカーナ編をお届けします。
高速走行と高速制動プログラムを終えた私たちは、ウエット旋回プログラム・ジムカーナプログラムを体験するために、WRX STIからBRZに乗り換えコースを移動しました。
まずはウエット旋回プログラム!こちらは同乗していませんが、その時の様子をお伝えします。
低μ路での定常円旋回体験!この低μ路は半周ごとにμが変わる特殊な路面です。
μが途中で変わるということは、通常の定常円旋回よりコントロールが難しく高度なテクニックを必要とします。アクセルとステアリングを繊細に操作しなくてはならず見た目より難しそうでした。
しかし、クルマを自由自在に操る基本的なテクニックであり定常円旋回をしっかりマスターすればドリフト走行も夢ではありません。
ここでも、のむけん仕込みのドラテク発揮!高速周回路で顔色一つ変えずに運転していた小林編集長。私の見る限り他のBRZより上手く走っているように見えました。カッコよかったなぁー!私もいつかあんなにカッコよく定常円走行できるようになりたい(泣
続いてジムカーナプログラム。こちらは同乗することができたので、その様子をお伝えします。
このプログラムでは特設のジムカーナコースで参加者全員のタイムを計測し、ランキングで発表。ジムカーナコースでは、先ほどの定常円走行の応用ともいえる、サイドターンやスラローム走行を行いました。高速周回路では恐怖のあまりじっくり小林編集長を観察することができませんでしたが、今回は観察に成功!(アシストグリップには・拙まりっぱなしだったけど…
とにかく、アクセル・ブレーキ・クラッチ・シフト・ステアリング全ての操作が繊細に行われていて、普通にMTを運転したことしかない私にはどの操作も感動ものでした。
こんなに手足が忙しいにも関わらず、高速周回路のときと同じく顔色一つ変えずに運転している小林編集長。凄すぎる!
気になる結果ですが・・・1位を取れる腕前はあるにも関わらず、私というウエイトのせいで1位ゲットならず。賞品の佐野ラーメンは他の人の手に……小林編集長ごめんなさい。
今回の取材を通して、スバルのクルマ作りに対する真面目さや情熱を感じ取ることができました。それは、基礎から学べるドライビングアカデミーがあるからこそドライバーの気持ちにエンジニアがなれるのだと感じました。
もちろんドライビングアカデミーの内容はどれもプロドライバーが学んでいくものと同様で、あくまでもエンジニア向けのプログラムですが、このトレーニングを受ければプロを目指すことができるのでは?と感じるくらいレベルの高いものでした。
(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)
このシリーズってまだまだ続くの?
Posted at 2016/08/28 22:19:07 | |
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富士重工 | 日記