【新型フォレスター・アイサイトの制御をチェック】ドライバーに不安を抱かせない、老舗ならではの絶妙な制御。
新型フォレスターには運転支援システムのアイサイトが全車に標準装備されています。このシステムの効能は車や歩行者等との衝突を防ぐ事故防止と言う側面も大きいのですが、通常走行時の疲れを減らすというメリットも見逃せません。
今回、時速0km/hから100km/h以上(公式には120km/hとされていますが操作画面を見ると約130kmまでセットできそうです)の領域で作動する、全車速追従機能付クルーズコントロール(ACC)の性能を高速道路と首都高速道路でチェックしてきました。
時速100km/hにセットして高速道路を走ります。
すると前方を70km/hで走る車両に追いつきました。このとき、アイサイトを使用したACCは、ごく自然に減速をして70km/hまで落とし、一定の車間をキープしてくれます。
車両捕捉から減速に至るまでの過程は非常にスムーズで、もしかしたら人間が操作するよりも上手なんじゃないのと思うほどでした。
この後首都高速で激しい渋滞がありまして、完全に停止する場面がありました。この時もフォレスターののACCでは車速で0km/hまで落として停止までしてくれます。またその一連の動作もスムーズで、ドライバーの不安がない自然な減速でした。
前方の車両が発進した際にはアクセルもしくはステアリングのレジュームスイッチを1回操作してあげれば再スタートします。その後は再度設定した車速にて自動追従走行してくれます。
フォレスター搭載のアイサイトによる速度制御はとにかくナチュラル。これによりドライバーの負担が大きく減ることが確認できました。今年でアイサイト誕生から11年。老舗ならではの絶妙な制御だな、と感じました。
(写真・動画・文/ウナ丼)
【スバル・フォレスター試乗】時代の変化に合わせて進化し続けたフォレスター。正常進化こそクルマの正しいモデルチェンジだ
初代が1997年にデビューしたフォレスター。当初は走りを強調したSUVで、ターボモデルの存在が象徴的なモデルでした。しかし時代を経るごとにパワフルな走りのSUVから、実用性と悪路走破性の高いSUVへと進化、現在はターボエンジンも搭載していません。
現行モデルは4代目に当たります。前述のとおりターボエンジンはすでに消滅。搭載されるエンジンは2.5リットルの自然吸気と2リットルのマイルドハイブリッドとなりました。エンジンのスペックは2.5リットルが184馬力、2リットルが145馬力でモーターは13.6馬力となります。
2リットルマイルドハイブリッドには「eボクサー」という愛称が与えられました。水平対向エンジンにこだわるスバルらしいネーミングですが、本格的なハイブリッド投入時のネーミングがどうなるのか? ちょっと気になります。
試乗を行ったのは静岡県・伊豆にある日本サイクルスポーツセンターです。ナンバー取得前の車両だったことがこの地で行われた理由です。コース的には路面のいい観光ワインディングと思っていただければいいでしょう。走りに余裕があるのは2.5リットルなのですが、発進から60km/h程度までの加速なら2リットルマイルドハイブリッドも十分に互角な印象となります。
偉いなと思うのはどちらもレギュラーガソリン仕様であること。フォレスターのウェッブページを見ると、トップに掲載されているスペックが、定員の5名、280.8万円~309.96万円という価格。そして14.4~18.6km/LのJC08モード燃費と13.2~14.0km/LのWLTCモード燃費というようにモード燃費がいいことを強調しています。
しかし、どこにも使用燃料がレギュラーガソリンであることは表記されていません。これはじつにもったいない。燃費の「費」は費用の「費」です。レギュラーガソリンで数値を実現していることをきちんと表記すべきでしょう。同じ燃費でもプレミアムとレギュラーでは価格ベースで考えれば、プレミアムは7~10%も燃費が悪いことになるのですから。
新しいフォレスターにはインプレッサから採用されているスバルグローバルプラットフォーム(SGP)が使われました。このプラットフォームの採用で、走りはかなり上方にシフトしました。走りの方向性はまったく同じですが、細かい振動やギャップ乗り換え時の入力のいなし方はかなり高められています。サスペンションがしっかりと動いて、グイッとした入力をボディがしっかりと受け止めて走ります。
コーナリング時のロールも始まりから終わりまでにとがった部分がなく、直進状態になると曲がろうという力がスーッと消えてきれいに加速に移れます。
先代モデルと比較試乗ができたのですが、乗り心地に大きな変化は感じられませんでした。しかし、じつはこの変化のないことが凄いことであることが判明したのです。先代モデルが履いていたタイヤは225/60R17インチで、新型の試乗車は扁平率225/55R18だったのです。エアボリュームの少ないタイヤで同レベルの乗り心地を実現しているのですから、大きく評価されるべきでしょう。
今回の試乗では特設コースによるオフロード走行体験できました。コース路面はドロドロの泥ねい路です。試乗車はクロスカントリー方向に少しベクトルをずらしたXブレークで17インチのオールシーズンタイヤを履いていました。上り坂下り坂をメインにしたコースです。
結論から言えば何起きないかかのようにグイグイ上っていき、安心して走ることができます。4輪のブレーキを独立してコントロールし、接地輪に積極的にトルクを伝達するXモードが効率的に働くので、いったん空転してもその後登っていきます。このとき大切なのは空転しても躊躇せずにアクセルを踏み続けること。アクセルを踏み、空転するからXモードが働き接地輪に駆動力が伝わります。
ユーティリティ性にも優れるレギュラーガソリン仕様、さらにXモードによるクロスカントリー性能の高さなどなど多くの部分で高い評価が与えられるのが新型フォレスターです。
欲を言えばもう少しサイズが小さいと都市部での使い勝手が上がるでしょうが、それはXVに任せる部分なのかも知れません。あとエンジン特性(パワーフィールではない)に使いにくい部分を感じたのですが、それは公道試乗でもう一度確かめてから報告したいと思います。
(文・写真:諸星陽一)
XVハイブリッドからのシステム的にキャリーオーバー感が否めない…当然改修はされているんだけど車体もXVよりも大きく重たい
SK9が1520kg(Touring) 1530kg(Premium&X-BREAK)
SKEが1640kg(Advance)
110から120kg重い
んで先代XVとXVハイブリッドは
GP7が1390kg(2.0i&2.0iアイサイト) 1410kg(2.0i-Lアイサイト)
GPEが1510kg(2.0i&2.0iアイサイト) 1520kg(2.0i-Lアイサイト)
ちなみにXVハイブリッドtSは1530kgと10kg重い模様(STIで架装した装備の分かな?)
こちらも120から110kg重い
ってかXVハイブリッドと現行フォレスターで重量は同等なのね…(先代フォレスターでNAが1500kgくらいにターボで1600kgくらいです。)
軽くはならないな~
世界で最も売れているスバル車を試す──スバル フォレスターに試乗
初代フォレスターは1997年にインプレッサをベースに車高を上げ、2リッター水平対向ターボエンジン+MTといったスポーティな仕様を設定するなど、オンロード性能の良さをうたったクロスオーバーSUVの先駆的存在だった。それから約20年。少しずつカタチを変えながら、フォレスターは世界でもっとも売れているスバル車となった。
新型でも車体骨格をインプレッサと共にする点は同じだ。現行インプレッサから採用したスバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)は、剛性が大幅にアップしており、新型フォレスターにも良い効果があることは想像に難くない。
エンジンバリエーションは2種類の設定。2.5リッター水平対向4気筒の自然吸気と、もう一つが、かつてのXVハイブリッドの技術を活用した2リッター水平対向4気筒にモーターとバッテリーを組み合せた「e-BOXER」だ。
スバルファンのあいだでは物議を醸すかもしれないが、走行性能を重視したスバルお得意のターボ仕様は廃止となった。もちろん後に追加される可能性は否定できないが、北米を主戦場とするスバルにとって環境性能対策は喫緊の課題なのだ。従来は燃費の良いイメージのなかったフォレスターだが、「e-BOXER」によって劇的にとは言えないが、リッター18.6km(JC08モード燃費)にまで向上した。
まず184ps/239Nmを発揮する2.5リッター仕様に乗った。SGPによる車体剛性のアップによって明らかに静かで乗り心地がよくなった。パイロンスラロームのようなセクションも試してみたが、ロールはそれほど大きくなく、サスペンションはたっぷりとストローク感がある。背の高いSUVであることを忘れさせるくらいフラットに走る。
「e-BOXER」は、ターボのかわりにモーターでアシストすることを狙い、145psのガソリンエンジンに13.6ps/65Nmを発揮するモーターを加えた仕様だ。バッテリーはXVがニッケル水素だったのに対し、リチウムイオンに変更。走り出しはモーターのアシストもあってスムーズだが、ワインディング路での試乗だったためアクセル開度が高まるにつれ、高回転域ではエンジンのうなり音が少々耳につく。ハイブリッドにターボにかわるパワー感を期待していると少々物足りなく感じるだろう。「e-BOXER」はCVTのケース内にモーターを収めたコンパクトな設計であることがウリであり、低速からのトルク感を活かし高速道路などよりも日常域で使うほうがマッチしている。
多少ぬかるんだオフロードコースも試してみた。4WDモード「X-MODE」は、滑りやすい路面では「SNOW・DIRT」モードを、タイヤが埋まってしまうようなシーンでは、「DEEP SNOW・MUD」モードをと、ダイヤル設定がより現実に即し使いやすくなった。従来もぬかるみや深い雪にタイヤが埋まった状態から脱出するときに同等の性能は備えていたが、いったんVDCをオフにして、という操作にひと手間が必要だったため、あまり使われていなかったという。傾斜角30度を超える急坂路もなんなくクリアする。トルクの立ち上がりのいい「e-BOXER」のほうが、実は悪路向きだ。
また「e-BOXER」搭載モデルは、スバル初の乗員認識技術ドライバー・モニタリング・システム(DMS)を備える。これはアイサイトのカメラ技術を応用したもので、ダッシュボードに内蔵したカメラで5人までドライバーの顔認証登録が可能。運転席に座ると事前登録した情報に則って、シートポジションやドアミラー角度を再現するおもてなし機能を備えた。
また走行中に一定時間以上目を閉じていたり、顔の向きが前方から外れたりしているときには警報音や警告表示でドライバーの注意を喚起する。いったん登録しさえすれば、ドアを開いた瞬間からすぐに顔を認識して調整してくれる。家族で1台をシェアして使っているようなケースではとても便利だろう。将来は顔認証による盗難防止や、アイサイトとの連携による高度な運転支援などをおこうといった発展の可能性も高いだろう。
正直にいえば、フロントから見ると新旧見分けのつかないエクステリアデザインは、もう少しなんとかしても良かったのではないかと思った。実際のところ、フォレスターはグローバルの販売台数の約3割を占める稼ぎ頭だけに冒険できなかったというのが、実情のようだ。しかし、それ以外の点では、ハンドリングも乗り心地も静粛性も内装の質感も、後席の居住性も乗降性も、全方位で良くなっていた。そういう意味ではヒット作だった先代オーナーたちが欲しくなる、マジメなモデルチェンジというわけだ。
Posted at 2018/08/17 00:15:00 | |
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富士重工 | 日記