鈴鹿サーキットで行われている鈴鹿10時間耐久レース。今回、このレースのために結成されたドリームチーム「Honda Team MOTUL」は、大きなトラブルなく金曜日の走行を終了。決勝レースに向けて着々と準備を進めていた。
今回、中野信治監督のもと、現在スーパーGT500クラスに参戦する山本尚貴、武藤英紀、中嶋大祐がドライバーを務める#10 Honda Tema MOTUL。チームスタッフも普段はスーパーフォーミュラ、スーパーGTのホンダ勢のチームでメカニックをするスタッフに加え、イタリアのJASモータースポーツのスタッフも加わる混成メンバー、このレースでしかみられない特別チームということで開催前から注目を集めていた。
18時30分からはフリー走行2回目が行われ、辺りが暗闇に包まれる中、序盤に#66 AUDI SPORT TEAM WRT(Audi R8 LMS)が2分3秒328と、この日のトップタイムを記録。その直後に#018 KCMG(NISSAN GT-R NISMO GT3)の千代勝正が2分3秒183を記録して逆転トップに立った。このあと、このタイムを更新するものは現れず、#018 KCMGがフリー走行を総合トップで終えたが、上位11台が1秒以内、20番手でもトップから1.3秒の僅差。予選、決勝は大接戦となりそうだ。
日本勢は松田次生と千代がドライバーラインアップに名を連ねる#018 KCMGを筆頭に、#88 JLOC(LAMBORGHINI HURACAN GT3)が総合5番手、#21 Audi Team Hitotsuyamaが6番手、吉田広樹が乗る#28 HubAuto Corsa(Ferrari 488 GT3)が10番手とトップ10に4台が名を連ねた。スーパーGTの大クラッシュから新車で復活した#34 Modulo Drago CORSE(Honda NSX GT3)は1回目17番手、2回目13番手だった。
さらに3時間30分を経過したところで総合5番手を走っていた#23 KCMGがヘアピンでストップ。リヤウインドウが脱落しており、そのままリタイア。さらに開始4時間を迎えたところで#21 Audi Team Hitotsuyama がシケインを立ち上がったところでスピン。それまで6番手につけていたが、15番手まで後退してしまった。
15時04分を過ぎ、レースは全体の半分となる5時間を経過。トップは888号車のメルセデスAMGで、ミスのない走りで2番手以下に10秒近いリードを築いている。2番手は#43 Mercedes-AMG Team Strakka Racing、3番手には#6 Audi Team Absolute Racingがつけている。
レース序盤は予選順位とほぼ同じで#28 HubAuto Corsa(Ferrari 488 GT3)、は#888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racing(Mercedes-AMG GT3)、#27 HubAuto Corsa(Ferrari 488 GT3)の順でレースが進んだ。しかし#28 HubAuto Corsaはフォーメーションラップに遅れて参加したためドライブスルーのペナルティが課されポジションダウン。その後は#888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racing、#27 HubAuto Corsa、#75 Sun Energy 1 Racing AUS(Mercedes-AMG GT3)、#23 KCMG(NISSAN GT-R NISMO GT3)、#07 Bentley Team M-Sport(Bentley Continental GT3)らが上位争いを行った。
#23 KCMGは4時間を迎える前にコース上でストップし脱落。代わって#43 Mercedes-AMG Team Strakka Racing(Mercedes-AMG GT3)、#6 Audi Sport Team Absolute Racing(Audi R8 LMS GT3)、#66 AUDI SPORT TEAM WRT(Audi R8 LMS GT3)らが上位争いに加わり、5時間経過前後のピットストップが終わった時点で#888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racingがトップ。#43 Mercedes-AMG Team Strakka Racingが9秒差で追う展開となっている。
日本勢は21番手スタートの#00 Mercedes-AMG Team GOOD SMILE(Mercedes-AMG GT3)が徐々に順位を上げ8位に、30番手スタートの#018 KCMG(Mercedes-AMG GT3)は1周目に22位まで順位を上げ、5時間経過時点では10位を走行している。
スタート後、28号車フェラーリはそのままリードを築き、2番手スタートのメルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの888号車メルセデスが続くことになるが、その後方ではAudi Team Hitotsuyamaの21号車アウディR8 LMSと、サンエナジー1・レーシングの75号車メルセデスのバトル、さらに安田裕信が駆るGAINERの11号車ニッサンGT-Rを先頭にマンタイの911号車ポルシェ、アブソリュートの6号車アウディ、ストラッカの43号車メルセデスのバトルが展開されたりと、日欧のチームが競り合うシーンが見られた。
インターコンチネンタルGTチャレンジ第3戦・第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レースは8月25日、鈴鹿サーキットで13時から『BBSエキサイティング・アタック』と名付けられた予選が行われた。日本チームでは、Audi Team Hitotsuyamaの21号車アウディR8 LMSが2分02秒810を記録し9番手につけたのが最上位となったが、予選後、リチャード・ライアン、アレッシオ・ピカリエロと組んで参戦している富田竜一郎に話を聞いた。
スーパーGTでは今季、上位を何度も戦いながら、不運による悔しいレースが続いているAudi Team Hitotsuyamaと富田。今回の鈴鹿10時間では、ピカリエロとWRTのスタッフも加わり、日本勢のなかでも上位の戦いを展開している。
4番手にはフレデリック・マコウィッキがアタックした911号車ポルシェ911 GT3 Rがつけ、5番手にはフェリペ・フラガがアタックしたストラッカ・レーシングの42号車メルセデスが続いた。ドリス・ファントールがアタックしたアウディスポーツ・チームWRTの66号車アウディが6番手。日本勢では、マルコ・マペッリがアタックしたJLOCの88号車ランボルギーニが7番手。富田竜一郎がアタックしたAudi Team Hitotsuyamaの21号車アウディが8番手につけている。
これでニック・フォスター/デイビッド・ペレル/吉田広樹組28号車フェラーリが記念すべき鈴鹿10時間初のポールポジション、BBSアワードと賞金100万円を獲得。888号車メルセデスが2番手、27号車フェラーリが3番手と、ブランパンGTシリーズ・アジア参戦チームがトップ3を占める結果となった。日本チームでは、Audi Team Hitotsuyamaの21号車アウディが9番手につけた。
審議の結果、当初は20台でポールシュートアウトが行われる予定だったが、急きょ24台に参加台数が変更され、#911 Manthey-Racing、#888 Mecedes-AMG Team GruppeM Racingも進出を果たした。
15時40分から行われたポールシュートアウト。まずは復活を果たした#911 Manthey-Racingのフレデリック・マコヴィッキィが2分02秒425を記録したが、これを上回ったのが#28 HubAuto Corsaのフォスター。2分01秒740という今週末最速のラップタイムを記録しトップに浮上。そこに同じチームも#27 HubAuto Corsa(ダビデ・リゴン)も2分02秒080で一時2番手に入るが、#888 Mecedes-AMG Team GruppeM Racing(ラファエル・マルチェッロ)が2分02秒037を叩き出し2番手に食い込んだ。
一方、日本勢はスーパーGTの予選のように残り8分を切ったところでコースイン。残り時間ギリギリのところでタイムアタックを行なった。しかし、#34 Modulo DRAGO CORSE(小暮卓史)がデグナー1つ目でスピン。グラベルにマシンを止めてしまったため、残り1分21秒のところで赤旗中断に。ちょうど#00 Mercedes-AMG Team GOOD SMILE(小林可夢偉)が前半セクターで好タイムを出しタイムアタック中だったが、無念にも中断せざるを得なくなった。
この鈴鹿10時間には全車に同一規格のP Zero DHD2タイヤが供給され、大会運営側はBoP(性能調整)をより公平に課すことが可能となる。またこのタイヤはスパ24時間やブランパンGTシリーズ・アジアでも使用されているもので、これらのレースに参戦しているチームは、手持ちのタイヤデータを活用できることになる。