トヨタ「86」とスバル「BRZ」の試作車がカッコイイ! 最後の限定車として発売される可能性は?
■86はスプリンタートレノ、BRZはスーパーGT参戦車両をオマージュ
トヨタとスバルが共同開発したスポーツカー「86(ハチロク)」と「BRZ」のコンセプトカーが、2020年1月10日から開催された東京オートサロン2020に登場しました。
兄弟車であるこの2台ですが、コンセプトカーの方向性は異なるようです。それぞれのモデルは一体どのようなものなのでしょうか。
トヨタが出展した「86 ブラックリミテッド コンセプト」は、1986年に400台限定で発売された特別仕様車「スプリンタートレノ ブラックリミテッド(AE86型)」をオマージュし、現代の86で再現しました。
スプリンタートレノ ブラックリミテッドは3ドアの最上級グレード「GT APEX」をベースとし、ブラックのボディカラーに、ボディサイドにゴールドの「BLACK LIMITED」のステッカーとラインが施されるとともに、ホイールもゴールドという仕様でした。
東京オートサロン2020でよみがえった現代の86 ブラックリミテッドコンセプトも、最上級グレードの「GT リミテッド ブラックパッケージ」をベースとし、かつてのAE86特別仕様車と同様に、ブラックのボディカラーとゴールドのホイールを身につけ、足まわりはブレンボ製ベンチレーテッドディスクブレーキとメーカーオプションのザックスアブソーバーが装着されています。
ボディサイドのゴールドステッカーはないものの、内装ではインパネに「BLACK LIMITED」の刺繍を施して特別感を演出。インテリアも、可能な限り黒で統一し、徹底的に黒にこだわった仕様となっています。
一方のスバルは、BRZのコンセプトカーとして「BRZ STIスポーツ GT コンセプト」を出展しました。
スーパーGT GT300クラスの参戦車両である「SUBARU BRZ GT300」をモチーフとしたフロントスポイラーやバンパ―カナード、ドライカーボンのスワンネックリアスポイラーなど、スバルのモータースポーツを担当するSTIの知見を活かしたパーツを装着し、コーナリング性能を最大限に向上させているといいます。
さらに、BRZ STIスポーツ GT コンセプトで特筆すべき点は、ブルーのボディカラーです。
スバルを象徴する「WRブルー」のボディカラーがさらに進化し、専用色「ギャラクティック WRブルーメタリック」を新開発。光が当たるとキラキラと輝く美しいボディカラーで、BBS製のブロンズホイールと相まって、存在感のある外観を実現しました。
内装は、シルバーの専用レカロシートを中心に、赤いステッチやシートベルトがスポーティな印象を高めています。
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トヨタとスバルは、2019年9月に新たな業務資本提携に合意し、これまで以上に関係性を強化すると発表しています。そのなかで、次期モデルの86とBRZについても、共同で開発をおこなうことが明らかになりました。
次期モデルについてのウワサもあるなかで、86 ブラックリミテッド コンセプトについては、反響次第では市販化につながる可能性があるのかもしれません。
モチーフとなったAE86のブラックリミテッドがモデル最後の限定車として販売されたこともあり、今回公開されたコンセプトカーについても、現行86最後の限定車を示唆しているとも考えられます。
スバルが展示したBRZ STIスポーツ GT コンセプトは、ショーモデルとして開発されたということで、市販化の可能性は低いようです。
ただし、新色のギャラクティック WRブルーメタリックについては、東京オートサロン2020の来場者から多くの問い合わせがあったといます。せっかく新開発した美しいカラーが、どこかに採用されることを期待したいです。
【2021年発売へ】新型トヨタ86/スバルBRZ 開発者、ハイブリッド否定 2.0L→2.4Lターボか
次世代トヨタGT86/スバルBRZ
text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
トヨタとスバルが、共同でGT86(日本名:86)とBRZの次世代モデルの開発を行っている。
2012年の発売以来あまり販売が伸びなかったため、次世代の生産は疑問視されていたが、AUTOCARの独自取材で後継モデルが開発されることがわかった。
トヨタの社長、豊田章男は、モータースポーツ・プログラムを担当するガズー・レーシング部門のもと、ブランドのイメージを高めるためにパフォーマンスモデルを積極的に採用している。
GT86は、成長するパフォーマンスカーのラインナップ中の重要なモデルとなっている。
オリジナルのGT86は、ガズー・レーシングによって開発された最初のモデルだ。
同じくガズー・レーシングが開発したGRスープラ、GRヤリスにネーミングを合わせて、GT86はGR86と改名される。
次世代スポーツカーの詳細
現行モデルはスバルのプラットフォームを採用しているが、同社の現在のアーキテクチャは後輪駆動車には適していない。
AUTOCARは新しいモデルがトヨタのTNGAプラットフォームで構築される可能性が高いと考えている。
パワートレイン開発で主導権を握るのは、スバルになるだろう。
AUTOCARは、フラット4「ボクサー」エンジンを引き続き採用する可能性が高いと考えている。
既存の2.0L自然吸気ユニットは、現在アセント、レガシー、アウトバックで使用されているターボチャージ2.4Lのパワープラントに切り替えられるだろう。
アセントで最高出力258psを達成するこのエンジンは、現行モデルからの大幅なアップグレードとなる。
スーパーチャージャーによる大幅なトルクのアップグレードも期待される。
どちらのブランドも、自然吸気ユニットのドライバビリティと特性を惜しむ声があがるかもしれないが、そこはニーズとのバランスを取る必要があるだろう。
トヨタとスバルは、エクステリアとインテリアの両方のデザインの改善を検討している。
安っぽいと批判されていたキャビンは、技術、素材、フィット感と仕上がりなど多方面での改善がされるだろう。
より実用的な真の4人乗りになるかどうかは、まだわかっていない。
パワーのアップグレードなど多くの変更が加えられることを考えると、価格が上がる可能性が高い。
だが、アウディTTやBMW Z4などのプレミアム・モデルとの戦いや、スープラとシェアを奪い合うことは避けたいだろう。
将来的にはパフォーマンスカーの電動化も
ヤリスの販売の80%がハイブリッド・モデルと予想しているにもかかわらず、新しいGRヤリスは3気筒、1.6Lのターボチャージャー付きガソリンエンジンのみの設定となる。
GRヤリスの開発をリードした齋藤尚彦は、現在のハイブリッド・システムは物理的には載せられるが、高性能モデルに適しているとは考えていないと語る。
「電動パワートレインを選択すると、スポーツカーが重くなる」
「今はこの選択をするべきではないと判断しました。将来、テクノロジーが進歩して、パワートレインの軽量化が可能になれば、いいかもしれません」
「プリウスとRAV4プラグイン・ハイブリッドは、スポーツカーではないので大きなバッテリーを持つことができます。スポーツカーは大きなバッテリーを持たない方がいいでしょう」と齋藤尚彦は付け加えた。
トヨタは、ハイブリッド・システムに力を入れており、すべてのモデルの電化計画を進めている。
スポーツカー以外にも、新しいEVプラットフォーム、電動SUVの開発など、トヨタとスバルはそのコラボレーションの範囲を広げている。
ガズー・レーシング・モデル一覧
GRスープラ
発売中:BMWとのパートナーシップを通じて生まれ変わった、有名な2人乗りのグランドツアラー。
GRヤリス
2020年後半発売予定:4輪駆動、最高出力250ps以上のホットハッチ、WRCの経験を詰め込んだヤリスが誕生する。
トヨタGRスーパースポーツ
2021年発売予定:ル・マン・レーサーのロードリーガル・バージョンが、少量生産のレンジトップの「ハロー」モデルとして発売される。
GR86
2021年発売予定(暫定):後輪駆動クーペの第2世代モデルは、新しいGRブランドに合わせて導入される。
レガシィやアセント用の2.4Lターボねぇ~どうなんだろう?
Posted at 2020/01/18 08:19:35 | |
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