2020年01月23日
【新たな情報を入手】新型レヴォーグ、1.8Lリーンターボ(希薄燃焼)専用車か ハイブリッド車はない?
新型レヴォーグ 既に出ている情報おさらい
text:Kenji Momota(桃田健史)
今年秋頃の発売と予想される、スバル新型レヴォーグ。
その正体が、スバル本社がメディア向けに開催した、スバル技術ミーティング(2020年1月20日:東京都恵比寿)で、さらに明らかになった。
まず、新型レヴォーグに関して、これまでの情報をまとめてみる。
量産車にほぼ近いかたちのプロトタイプが2019年10月、東京モーターショーで世界初披露された。次いで、東京オートサロン(2020年1月10日~12日)で、STIスポーツとしてのプロトタイプが登場した。
こうした中で、スバル本社が公開している新型レヴォーグの仕様は次の通りだ。
・新デザインコンセプト「BOLDER」採用
・新開発の1.8L水平対向直噴ターボ搭載
・スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)にインナーフレーム構造採用
・スバル初の電子制御ダンバーシステム採用
・ドライブモードセレクト採用
・新世代アイサイト採用
・新開発の高精度マップ&ロケーター採用
・日本初導入のコネクテッドサービス採用
以上を踏まえて、スバル技術ミーティングで明らかに新型レヴォーグの注目点について見ていきたい。
レヴォーグ、SGP第1段の最終系に
スバル技術ミーティングの冒頭、代表取締役社長・CEOの中村知美が登壇。
2018年7月に発表した中期経営計画「STEP」を基盤として、スバルのこれからについて熱く語った。
強調したのは、ディファレント(違い)という言葉だ。
スバルを愛する者たちによる、スバルらしさを徹底的に追及した、真面目なクルマづくりが、ディファレントを生む源泉になる、と説明した。
次いで、スバルの技術開発を統括する、取締役専務執行役員・CTOの大抜哲雄が「人を中心としてクルマづくり」が、スバルらしさを際立たせるための基本であると強調した。
「人を中心としたクルマづくり」の中で、キーワードとなるのが動的質感だ。
この動的質感の進化を実現したのが、2016年発売の現行インプレッサから採用されているスバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)である。
インプレッサ開発統括者は「本来、巨額の投資が必要なSGPは、車格の上であるレガシィから採用するのが(社内での)筋。ですが、動的質感を一気に変えるためにSGPは必要不可欠として社内を説得しました」という。
こうして生まれたSGPは、XV/フォレスター/レガシィ/アウトバックと各モデルで改良が進み、「レヴォーグは、SGP第1期の最終系となる」(大抜専務)という表現になった。
掲げる「動的質感」 3つの領域で開発
大抜専務のプレゼンテーションで、動的質感の進化について、「2020年代前半」から3つの領域での開発を挙げている。
1つめは、車両応答の速さ。
ステアリングシステムの摩擦低減、ボルト締結部の剛性解析、車体の接合方法の設計見直しによって、レーンチェンジ時のクルマの安定性が一気に上がる。
2つめは、車両応答性の正確性。
車体とサスペンションとの接合方式を見直し、ステアリングを切った際のクルマの挙動の正確性を向上させる。
3つめは、外乱に対する直進性の高さ。
2022年から、英国にあるキャテスバイ風洞実験場と協力して、2.74kmの直線トンネルを使った実験を始める。
こうした新技術は、レヴォーグの次、つまりSGP第2期となる次期インプレッサから導入されると予測できるが、一部の技術はSGP第1期最終系となるレヴォーグにも反映されているものと考えられる。
また、SPGのインナーフレーム構造について今回、詳しい説明はなかった。
新型レヴォーグは1.8Lターボのみになる?
新型レヴォーグで気になるのは、パワートレインの行方だ。
大抜専務は「1.8Lリーンターボエンジンを新型レヴォーグに投入する」と胸を張る。
1.6Lエンジンの後継として新設計した1.8Lエンジン。キーポイントとなる希薄燃焼(リーンバーン)だ。
各部の摩擦抵抗の低減やターボの改良などで、熱効率は40%強という高い水準を実現した。
気になるのが、ハイブリッド搭載の可能性だ。今回明らかになった技術ロードマップでは、ハイブリッドは2012年導入のマイルドハイブリッド・eボクサー、2018年北米導入のプラグインハイブリッド、そして2020年前半導入のトヨタ連携のストロングハイブリッドがある。
その上で、「全車を電動化させるのは2030年代に入ってから」とし、2030年時点で「世界生産販売台数の40%以上を電動車(EVとハイブリッド車)」と説明した。
つまり、新型レヴォーグは当面、1.8Lリーンターボエンジン専用車になる可能性がある、ということだ。
2020年、スバルが国内導入する新車は新型レヴォーグのみ。
そのため、これから発売に向けて、スバル本社から新型レヴォーグに関する情報が段階的に公開されていくことになるだろう。
スバル 大拔専務CTO、「アイサイト」はステレオカメラにこだわる…次期 レヴォーグ で投入
SUBARU(スバル)は1月20日に都内の本社で報道関係者向けの技術ミーティングを開き、中長期で取り組む安全や環境への技術対応策を提示した。
このなかでCTO(最高技術責任者)を務める大拔哲雄専務執行役員は、同社の先進運転支援システムである「アイサイト」について、センサーの進化や交差点での事故対応強化などを図った「新世代アイサイト」を次期『レヴォーグ』から搭載を始めると明らかにした。同車は2019年10月に東京モーターショーでプロトタイプが初公開されており、今年後半に日本で発売される。
20日のミーティングで大拔専務は、新世代アイサイトではステレオカメラの視野拡大やデータ処理能力の向上、他のレーダーセンサーとの協調による車両の全周囲センシングなどを実現すると紹介した。レーダーについては、すでに昨年、次期レヴォーグでは前後計4個を搭載すると公表していた。
こうしたセンサーや処理能力の向上により、新世代アイサイトでは交差点や市街地での事故対応を強化する。交差点では出会い頭や、右曲時に前方から直進して来るクルマ、歩行者や自転車などの巻き込みといった事故シーンに、自動ブレーキなどで事故防止や被害軽減を図れるようにする。また、高速道路での運転支援では車線変更支援、カーブ予測自動減速、渋滞時のハンズオフ運転などを実現し、ドライバーの負荷軽減につなげる。
大拔専務は、新世代アイサイトでも中核センサーはスバルの独自方式でもあるステレオカメラとしたことについて、「映像に映るすべてを、ありのままに立体像として認識できるのが大きなメリット」と強調した。そのうえで、多くの自動車メーカーが採用している単眼カメラとレーザーの組み合わせとの比較でも「断然、われわれのステレオカメラが有利と考えている」と述べた。
一方で、安全運転支援の機能を強化するには車両に搭載するセンサーは増やさなければならす、次期レヴォーグでは4個のレーダーを採用する。大拔専務は、「今後も斜め方向など、色々なところにレーダーは増やすことが必要。ただ、その場合もメインのセンサーはステレオカメラと考えている」と、蓄積してきた技術へのこだわりを見せた。
Posted at 2020/01/23 10:06:49 | |
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富士重工 | 日記