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2018年08月28日 イイね!

初開催は北海道だったけど、今回は愛知や岐阜か

初開催は北海道だったけど、今回は愛知や岐阜か【WRC】2019年の「ラリー・ジャパン」をFIAにカレンダー申請…招致準備委が発表、愛知・岐阜での秋開催へ

22日、「WRC 世界ラリー選手権 日本ラウンド招致準備委員会」が午後3時から東京国際フォーラムで活動経過報告会を実施し、2019年秋の愛知・岐阜での開催へ向け「FIAへのカレンダー申請を行なった」との旨を発表した。

まだ開催が正式に決まったわけではないが、現段階での開催候補日程は「11月14~17日」「11月7~10日」「9月12~15日」で、大会名は「Rally Japan」(商標登録出願中)。愛・地球博記念公園が大会の中心施設になるという。

また、2019年の日本ラウンドがFIAによってWRCカレンダーに加わることが決まった場合には、国内プロモーターとなる株式会社サンズが2022年まで国内でのWRC開催を行なうことになるとのこと。

報告会の詳細は追ってお伝えする。


『ラリー・ジャパン』復活へ前進。WRC日本ラウンドは2019年9月または11月開催でFIAにカレンダー申請

 2019年のWRC世界ラリー選手権日本ラウンド開催を目指すWRC日本ラウンド招致準備委員会は8月22日、東京都内で活動経過報告会を開催。招致準備委員会の中心を担う株式会社サンズがWRCプロモーターと開催契約を結んだと発表。また、2019年9月、または11月を候補日としてFIAに開催申請を行ったことや大会名称を『ラリー・ジャパン』として検討していることをアナウンスした。

2018年1月に行われた東京オートサロン2018で発表された、WRC日本ラウンドの招致計画と招致準備委員会の発足。2017年にトヨタが復帰したことで国内でも人気が再燃しつつあるWRCの国内大会を2010年以来に復活させるべく、関係各所との調整が進められてきた。

 その招致準備委員会の中心を担うサンズは、WRCのプロモーターである『WRCプロモーターGmbH』とWRC日本ラウンドに関する開催契約を締結した。契約期間は4年間で、2019年のWRC日本ラウンド復活が確定した場合、2022年までWRCを開催するという。

 これにあわせて招致準備委員会は競技を主催するTMSC(トヨタ・モータースポーツ・クラブ)と共催するという形で、JAFを通じてFIAに開催カレンダーを申請。先日、JAFが公示した国際スポーツカレンダーにも『2019年FIA世界ラリー選手権 Rally Japan 2019』が記載されている。

 開催日程については2019年9月12~15日、2019年11月7~10日、14~17日の3日程が候補とされており、開催地域は愛知県と岐阜県、一般公道と舗装された林道が舞台となる予定で、これまでのグラベル(未舗装路)イベントではなく、ターマック(舗装路)イベントとしての実施が予定されている。

 ヘッドクオーターとサービスパークは愛知県長久手市にある愛・地球博記念公園(通称モリコロパーク)に設営することが想定されており、このモリコロパークには来場者が楽しめるエキシビションエリアのほか、1周5kmあるというサイクリングロードを活用したSSの設定構想も練られている。

 招致準備委員会の高橋浩司氏は「この形が実現すれば、それがひとつのラリージャパンの特色となり、ラリーを初めて見る本州のファンにも観戦しやすい環境を提案できるものと思っております」としている。

 大会名称については1月末の段階で『RALLY OF JAPAN(ラリー・オブ・ジャパン)』として検討されていたが、2010年まで使用されていた『Rally Japan(ラリー・ジャパン)』の名称を使用するべくAG.MSC北海道と協議が進められており、実現すればモータースポーツファンになじみ深い名前で開催されることになる。

 なお、今回の申請は正式に開催が決定したものではなく、あくまで暫定のもの。今後、各種手続きや視察などを経て、12月上旬に開催予定のWMSC世界モータースポーツ評議会で審議にかけられた後、正式決定が下される。

 WRCプロモーターが開催可否を判断するキャンディデートイベントについては、この日詳細は語られず。ただ数週間以内にアナウンスするとのことで、こちらは続報を待ちたい。

 また、2019年のWRC日本ラウンド招致活動を後押しする『WRC招致応援団』が結成され、メンバーとしてプロスケーターの小塚崇彦さんと、SKE48卒業生でコドライバーとしてラリーに参戦している梅本まどかさん、J SPORTSで放映されているWRC速報のナビゲーターを務める栗田佳織さん、そしてクルマ好きで知られるフリーアナウンサーの安東弘樹さんが就任したことも発表された。


【WRC】来年秋の日本ラウンド開催、正式決定は12月頃か…梅本まどかさんたち「招致応援団」も後押し

「WRC 世界ラリー選手権 日本ラウンド招致準備委員会」が22日に都内で活動経過報告会を実施、2019年秋の開催実現に向けての進捗状況を報告した。「WRC招致応援団」の結成も公表され、タレントの梅本まどかさんらが決意表明をしている。

今年1月の東京オートサロンで、2019年11月の中部地域(愛知・岐阜)開催を目指す旨を発表した「WRC 世界ラリー選手権 日本ラウンド招致準備委員会」(株式会社サンズ内。同社はモータースポーツ関連事業を多く展開している)。同委員会が公に報告の場を設けるのは約7カ月ぶりとなった。

同委員会は、JAF(日本自動車連盟)を通じてFIA(国際自動車連盟)に対し2019年WRC日本開催のカレンダー申請を完了。また、国内プロモーターとなるサンズは「WRCプロモーターGmbH」(ドイツ)とWRC日本ラウンドの興行に関する契約を締結した。期間は4年間で、FIAにより2019年のWRCカレンダーに日本ラウンドが加わると決まった場合には、2022年まで国内でのWRC開催を行なうことになるという。サンズのラリー・ジャパン運営事務局長・高橋浩司氏によれば、もちろんさらに長期的な開催を目指す意向とのこと。

大会名称は、かつて2004~08年、10年に北海道で開催されていた当時のWRC日本ラウンドと同じ「Rally Japan」になる予定(商標登録出願中)。主催はJAF公認クラブであるTMSC(トヨタ・モータースポーツ・クラブ)で、サンズが共催する。開催地は愛知・岐阜で、一般公道や林道を使ったターマック(舗装路)ラリーだ。地元自治体や警察、関連省庁の協力を得ながら開催に向けての準備が進められている。

愛・地球博記念公園(通称モリコロパーク)をヘッドクォーターやサービスパーク、スペシャルステージ(SS=競技区間)などに使用する計画があり、名古屋市内、あるいは周辺の歴史的価値を有する施設でのセレモニアルスタートの計画もあるという。将来的には名古屋の市街地でのSS実施も検討していきたいとのこと。なお、北海道開催時代には札幌ドームでスーパーSSが実施されたこともあったが、高橋氏によれば現時点でナゴヤドーム使用の計画はないそうだ。

現段階での開催候補日程は、希望順に「11月14~17日」「11月7~10日」「9月12~15日」となっている。例年、日本では10月に世界選手権レース開催が多いことや、2019年はラグビーW杯(9月20日~11月2日)が日本で開催されること等も考慮した候補日程だが、第1~2希望で実現した場合はシリーズ最終戦となる可能性も浮上してくる。

開催正式決定となるのは、今年12月頃にFIAから発表される来季のWRCカレンダーにラリー・ジャパンの名があった時のようだ。また、その前段階としては、9月頃に発表される暫定カレンダーにその名が載っていることも大事で、これは申請が認められたこと、まず書類審査合格というところになる模様。開催実現に向けての国内外の各種調整や準備は、まだまだこれからが本番だろう。

また、この日の報告会では「WRC招致応援団」の結成も公表され、団員となった4人の著名人が肩を並べて決意表明した。メンバーは、フィギュアスケーターで現在は4輪のサーキット系レースに挑戦している小塚崇彦さん、SKE48卒業生で無類のモータースポーツ好きとして知られるタレントの梅本まどかさん、J SPORTSのWRC中継メインキャスターの栗田佳織さん、そして今報告会の司会も務めたフリーアナウンサーの安東弘樹さん。WRC招致実現と日本のラリー、モータースポーツの盛り上げに向けて、4氏は情報発信の面から尽力する決意だ。

最近はコ・ドライバー(ナビゲーター)として実際にラリーにも参戦している梅本さんは、「コ・ドラというドライバーとは違う視点からの面白さを感じています。その世界戦が自分の地元の愛知で開催されるかもしれないということでワクワクしていますし、今までラリーを知らなかった人たちにももっとラリーを知ってもらえるよう頑張ります」と語っている。

栗田さんは「日本ラウンド開催を機に、トヨタ以外の日本メーカーにも再びWRCに関心をもっていただき、1993~99年に日本メーカーがWRCのメーカー王座を7連覇した時代が再現されたら」との旨を語り、日本でのWRC再隆盛を願っていた。

開催が実現すれば、WRCラリー・ジャパンは2010年以来9年ぶり。今年のWRCでワークス復帰2年目のトヨタが調子を上げていることも追い風になるだろう。今後のさらなる進捗が期待される。


WRCが日本に帰ってくる!? WRC日本ラウンド招致準備委員会の活動報告会が開催

8月22日東京国際フォーラムで「WRC 世界ラリー選手権 日本ラウンド招致準備委員会」の活動経過報告会が開催された。

WRC(世界ラリー選手権)日本ラウンド招致準備委員会は2018年1月に設立が発表され、今回は設立後から現時点までの経過報告が行われた。

ローカルプロモーター(株)サンズ坂井正治氏/高橋浩司両氏から、6月にWRCプロモーターとの契約が終了し、イベントの主催クラブとなるTMSCより日本のASNとなるJAFを経由して7月末にFIAカレンダー申請を行い、12月のワールドモーターカウンシルの際に正式に開催が確定となるとの報告があった。

大会名称は「ラリージャパン」を引き継ぐこととなった。

気になる開催日程だが、現在3つの日程を申請している。1.11月14日~17日2.11月7日~10日3.9月12日~15日

日本では例年秋にF1(2019年は10月13日決勝)、WEC(10月・11月で調整中)、モトGPと世界選手権が目白押し状態なので、11月の開催を最優先に希望しているが、他イベントとの兼ね合いもあり一筋縄ではないとの予想から予備を複数申請しているとのこと。ただ、9月20日~22日にはラリー北海道が開催されるため、可能なら9月は避けたいところだ。

ラリーの拠点となるサービスパークを始め、ラリー開催の拠点となるHQ(ヘッドクォーター)等は愛・地球博開催跡地となる「モリコロパーク」を検討している。ここには1周5kmのサイクリングロードがあり、SSSとして使用できれば他に類を見ない集約された会場となる。

また今回招致活動PRのため、モータースポーツを愛する4名の著名人によってWRC招致応援団が結成された。

メンバーは、元フィギュアスケートオリンピアン(世界選手権2位)でTOYOTAGAZ86レースに参戦中の「小塚孝彦」氏、元SKE48のタレントで現在TGRラリーチャレンジにコドライバーとして参戦中の「梅本まどか」氏、J-SPORTでラリー番組を担当するWRCの顔「栗田佳織」氏、フリーアナウンサーでCOTY(日本カー・オブ・ザ・イヤー)選考委員の「安藤弘樹」氏の4名。


日本でのWRC開催は2004年に北海道(十勝)で開催され、地元にラリーは根付いたが、2008年に道央に開催地が移動、同時期に相次いだ日本メーカーの撤退などもあり、2010年を最後に開催が休止されていた。

今回はプロモーターとの契約では2019年から4年間との契約とのこと。新城ラリー開催開始から10年、中京圏に育ったラリーの芽が花開くのは間もなくだ。

(川崎BASE)



開催実現の可能性は99%? 2019年復活を目指すWRC日本ラウンド、招致準備委員会が自信

 2019年からの復活が目指されているWRC(世界ラリー選手権)の日本ラウンド”Rally Japan”。すでに国内プロモーターも決まり、JAFを通じてFIAに開催カレンダーの申請も行われるなど、その準備は着々と進行しているようだ。

 8月22日に行われたWRC世界ラリー選手権日本ラウンド招致準備委員会の活動経過報告会では、最終的には、12月に行われるFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)での審議を経て、決定されることになると語られた。

 新生”Rally Japan”がWMSCの承認を得ることができれば、来季の開催カレンダーには日本とチリが加わり、ツール・ド・コルス(フランス)もしくはラリー・ドイチェランド(ドイツ)のいずれかが、カレンダーから脱落するものとみられる。

 WMSCの承認を得る手応えについて、WRC日本ラウンドのプロモーターに決まったサンズの高橋浩司氏は、次のように語った。

「ネガティブな要素はあまりないと思っています。色々な企画書や書類については、WRCプロモーターの担当者が何度も来て作った企画なので、ある程度大丈夫だと思っています。これから様々な書類を作ってFIAに提出する期限があります。それに遅れることがなければ、大丈夫だと思います」

 チリなど、他のイベントとの競合になっているとは感じていないと、高橋氏は言う。

「(他のイベントと)競合しているとは思っていません。開催カレンダーを調整するのは、あくまでWRCプロモーターです。調整できると思っているからこそ、彼らはEPA(イベント・プロモーション・アグリーメント)契約を結んでくれていると思っています。ですから、どこかと競い合っているという感覚はありません」

 なお今年の11月には日本国内でキャンディデートイベントを行い、その際にFIAやWRCプロモーターらが視察を行う予定だという。

「11月にキャンディデートイベントを行い、そこでラリーの運営とか、想定するコースなどを、ミシェル・ムートンさんをはじめFIAの役員、WRCプロモーターの社長や担当者が視察する予定です。(サービスパークが置かれる予定の)モリコロパーク(愛・地球博記念公園)も見ますし、実際にラリー競技も見ます」

 ただ、今年の1月に発表された段階では、キャンディデートイベントは必要なく、リハーサルイベントを行うことになると説明されていた。

「日本で行われる既存のラリーを、キャンディデートとして行う予定です。詳細は未定ですが、調整が済み次第発表します」

 そう高橋氏は語る。

「結局、キャンディデートという名称になりました。ただこれは、ルール上の問題だと思います。通常キャンディデートラリーとは、国際的なイベントを独立して開催することを指すと思います。今回我々はそういう形を取る必要はありません。既存のラリーを通常通りやって、それを視察していただきます。ただ、申請の上ではキャンディデートということです」

 なお開催日程の候補は、現時点で(1)11/14~18、(2)11/7~10、(3)9/12-15の3つが公表されている。候補がひとつに絞り込まれていないことについては、次のように説明する。

「第一候補の日程(11/14~18)で準備を進めています」

「10月には、すでに世界選手権のイベントが3つ(F1日本GP、WEC富士ラウンド、MotoGP日本GP)あります。ですから、WRCも10月にやる……というわけにはいきません」

「そして、他のWRCイベントとのロジスティックスの兼ね合いもあります。日本は、輸送の時間も費用もかかりますから。また、2019年にはラグビーのW杯(9月20日~11月2日)も開催されますし、モリコロパークに近い豊田スタジアムでも試合が予定されていますから、開催期間中は避けなければいけないと思っています」

 開催の可能性は99%と信じて仕事をしていると、高橋氏は語る。

「99%だと思って仕事をしてます。キャンディデートや書類でミスがなければ、大丈夫だと思っています。ただ、向こう(WRCプロモーター)から見たらどうかは分からないです。8割なのか5割なのか……我々は言われた準備をきちんとやるだけです。でも、日本人はちゃんと仕事もするし、ちゃんとお金も払うと、信頼されていると思っています。ですから、そこは楽観視しています」


WRC日本ラウンドへ一歩前進!招致準備委員会、WRC招致応援団の熱い想いとは?

2018年8月22日(水)にFIA世界ラリー選手権(WRC)日本ラウンド招致活動報告会が行われ、日本ラウンド開催を目指して活動している委員会がJAF(日本自動車連盟)を通じて、FIA(国際自動車連盟)に対して2019年WRC日本開催のカレンダー申請を行ったことが発表されました!

国内プロモーターとなる株式会社サンズは、WRCプロモーターGmbH(ドイツ・ミュンヘン)とWRC日本ラウンドの興行に関する契約「Event Promotion Agreement」を締結。契約期間は4年間で、FIAによりWRC日本ラウンドが来季カレンダーに加わることが決まった場合には、2019年から2022年まで国内でのWRC開催を行うことになるそうです。

2019年に愛知、岐阜の両県を舞台に「Rally Japan」として開催を目指すため、今年の1月に発足された招致準備委員会。報告会ではローカル プロモーター 株式会社サンズ代表取締役 坂井正治氏、ラリー・ジャパン運営事務局長 高橋浩司氏が登壇し、WRC日本ラウンド開催に対する想いを語りました。

「私たちは2019年、日本でのWRC開催という夢に向け様々な活動を行ってきました。その活動を通じて今、頭に思い浮かぶことがあります。それは『これからのラリーのあり方』です。ラリーは公道を使う競技ですから、地域の皆さんのご協力なくしては成立しません。地域とモータースポーツの共生。堅苦しい言葉ではありますが、こういったことを考えることが、ラリーを継続するために必要だと思います。参加者はもちろん、周辺住民の方々もみんなが一緒に楽しめる、それはまるでお祭りのような日本らしいラリーを愛知、岐阜という日本のど真ん中でやる、そんな事を思い描いておりますので引き続き応援よろしくお願いいたします」(坂井正治氏)

「開催の候補日として、9/12~15、11/7~10、11/14~17の3日程をFIAに申請しました。イベント名称は以前北海道で開催されておりました『Rally Japan』を引き継ぐべく、同じ名称で申請しました。競技の基地となりますサービスパークは、愛知県の長久手市にあります愛・地球博記念公園、通称モリコロパークを使用することで現在愛知県と話しを進めています。このモリコロパークはお客さんが楽しめるエキシビションエリアもございますし、さらに1周5キロのサイクリングロードもあります。こちらを利用してSS(スペシャルステージ)を行う予定です。1つの場所にサービスパーク、ヘッドクオーター(運営本部)、ラリーパーク、スペシャルステージすべてが整っている開催基地は世界でも例がなく、日本らしさを出していければと思っております」(高橋浩司氏)

ラリーはサーキットでなく、私たちが普段利用している公道を走行する競技。だからこそより身近、そしてスリリングで面白いのですが、日本ラウンド開催に向けて高橋氏から開催予定地の住民の方へメッセージが送られました。

「開催されるコースの沿道に住む住民の皆様方の承諾が取れればOKと愛知県警、岐阜県警と話しを進めております。県警の方と私共のスタッフで『こういう事を想定して、世界選手権開催を目指して動いています』とその地域に伺っておりますので、ぜひご協力をお願いします」

さらに2019年の開催実現に向けて、WRCをはじめとするモータースポーツの魅力を発信すべく「WRC招致応援団」が結成された事も発表され、メンバーの皆さんが報告会に駆けつけてくれました!

まずは今年の7月に行われたTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZレースに初参戦した、フィギュアスケーターの小塚崇彦さん。フィギュアスケートとは別世界のモータースポーツについて、「勉強中」なのだそうです。

「去年の1月にモータースポーツ界に入ることを発表し、自分で実際に楽しむことでモータースポーツの楽しみ方を皆さんに伝えていく、という活動をしています。まだまだ僕自身、ラリーについて深くは知りません。なので皆さんと一緒に勉強していって、よりラリーを楽しんでいけるように、そしてモータースポーツを盛り上げられるように頑張りますので応援よろしくお願いします」

SKE48卒業生、CUSCOジュニアラリーチームのコドライバーとしてTGRラリーチャレンジに参戦している梅本まどかさんは、とびきりの笑顔で意気込みを語りました。

「WRC招致応援団に選んで頂いて、とっても嬉しいです! 私は元々サーキットのレースが好きだったのですが、今季からトヨタのラリーチャレンジにコドライバーとして参戦させて頂きドライバーでなくコドライバーとしての楽しさを味わっているのですが、その世界バージョンが私の地元愛知で開催されるかもしれないという事でワクワクしております。ラリーの魅力をもっともっとたくさんの方に知ってもらえるよう、頑張ります」

WRCといえばこの方! WRCコメンテーターでJ SPORTS のWRC中継ではメインキャスターを務め、WRC報道の顔として活躍中の栗田佳織さんは、誰よりも熱くその想いを熱弁しました。

「私は2011年からJ SPORTSのWRCの番組を担当して、今8年目になっています。初めてWRCを見た時、『これは世界一のモータースポーツだ!』と感じました。目の前で見るのと、テレビで見るのとでは全然違います。それが日本にやってくるかもしれない、という事で本当に嬉しいです。今トヨタがWRCに参戦していますが、Rally Japanを通じて他の自動車メーカーもWRCに興味を持ってくれたら良いなと思っています。93年から日本の自動車メーカーがマニュファクチャラーズタイトルを7連覇しました。そういう黄金時代をまた見たいので、ぜひRally Japanをきっかけにファンの方や自動車メーカーの方がWRCに興味を持ってくれれば良いなと願っております!」

そして報告会の司会を務めた、フリーアナウンサーの安東弘樹さん。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員や自動車ジャーナリストなど、自動車やモータースポーツ界でも活躍中です。

「昔からクルマは好きでしたが、モータースポーツを好きになったのは2003年にペター・ソルベルグがスバルインプレッサでチャンピオンになった時のDVDを見たことがきっかけです。それからすっかりはまってしまい、給料と相談しながらDVDを毎戦買っていました。F1、WECが日本で開催される中、『WRCもまた日本で開催してくれないかな』と思っていたらこの招致団にお声かけいただいて・・・。改めてフリーになって良かったと思った瞬間でした(笑)。現在モータースポーツは、びっくりするほどマイナースポーツです。そんな状況を改善すべくWRC、そしてモーターポーツを広めていきたいと思っております」

報告会で感じたのは、招致準備委員会、応援団の「Rally Japanを復活させたい」という熱い想い。もちろん、ラリーファンの皆さんも同じ気持ちだと思います。

これから様々な審査を経て12月に最終的な決定が下されるとのことですが、Rally Japan復活に向けて大きな一歩を踏み出したと言えるのではないでしょうか。日本のモータースポーツをもっと盛り上げるためにも、WRC日本ラウンドが開催されますように!

(yuri)


日本でWRCを再び! 2019年に愛知県でトヨタ・ヤリスWRCの激走が見られるか

 2019年の招致に向けて着々と準備は進む

 8月22日、有楽町にてWRC日本ラウンド招致準備委員会から2019年世界ラリー選手権(WRC)日本ラウンド開催に関するこれまでの活動報告が行われた。

 WRCラリー・ジャパンは以前にも開催されていた。2004年に北海道で初開催、かつてWRCには日本の自動車メーカーも多く参戦していたため、大きく盛り上がった。しかし2008年を最後に日本の全メーカーがWRCから撤退し、この勢いを受けるように2010年、ラリー・ジャパンも閉幕となった。

 それから時を経て、2017年、トヨタが18年ぶりにWRCに復帰。2018年で参戦2年目となるトヨタだが、先週開催されたWRCラリー・ドイツで今期3勝目を挙げるという大健闘を見せている。

 そして国内でも今年1月に大きな動きがあった。WRCラリー・ジャパンの復活に尽力するWRC日本ラウンド招致準備委員会(株式会社サンズ内)が設立されたのだ。WRC日本ラウンドを開催するためには、国内外の多くの組織と交渉しなければならず、その役目を買って出たのがこの組織となる。発足後からこれまで大きな発表はなかったが、8月22日にWRC日本ラウンド招致準備委員会が活動報告を行なった。

 まず、WRCの開催を管理しているFIA(国際自動車連盟)に対し、2019年WRC日本開催のカレンダー申請を完了させた。これはまだ申請の段階で、9月に仮確定。12月に行われるFIA内の世界モータースポーツ評議会のなかで、本確定される予定だ。

 JAF(日本自動車連盟)を通して、FIAに提出された日本ラウンドの日程候補は11月14~17日、11月7~10日、9月12~15日の3通り。どれも他の国内外のモータースポーツイベントのスケジュールと調整して選出された日程だ。WRC日本ラウンド招致準備委員会の高橋浩司さんは「我々は99%申請が通るつもりで業務を行っています」と堅く語っている。また日本ラウンド開催に対して、WRC主催側からは概ね好印象を抱かれているとのこと。

 WRCチームやドライバーの本拠地として予定しているのは愛知県長久手市にある「愛・地球博記念公園」、通称モリコロパークだ。「敷地内にある約5kmほどのサイクリングコースは、ステージになるというアイディアもある」と高橋浩司さんは語っている。そこを中心として、愛知県名古屋市・豊田市・岡崎市・新城市・長久手市・設楽市、岐阜県中津川市・恵那市の一般道や林道で開催される予定だ。

 今回の報告会では、そのWRC日本ラウンド招致応援団の結成についても発表があった。フリーアナウンサーの安東弘樹さん、SKE48卒業生の梅本まどかさん、WRCコメンテーターの栗田佳織さん、フィギュアスケーターの小塚崇彦さんというなんらかの形で自動車やモータースポーツに関わりのある芸能人・著名人たちが起用された。

 FIAやWRCプロモーターなどとの交渉以外にも、行政や警察、地域の協力なしには、WRCは開催することはできない。開催までにはまだ長い道のりがありそうだが、2010年ラリー・ジャパン撤退以来の日本ラウンド復帰に大いに期待したい。
Posted at 2018/08/29 17:21:45 | コメント(1) | トラックバック(0) | 自動車業界あれこれ | 日記
2018年08月27日 イイね!

明日は蒸し風呂のような中で仕事か

ここ数日エアコンが効き過ぎてむしろ風邪引きそうな職場で仕事をしていたんですが、明日は別の場所へ…
ホント今後どうなんだか?
天気悪いせいか頭痛いし、さっさと寝るかな
Posted at 2018/08/27 22:24:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記 | 日記
2018年08月26日 イイね!

競技用のヘッドライトって明るいよなぁ

競技用のヘッドライトって明るいよなぁHonda Team MOTUL、決勝レースに向け準備着々を進める|鈴鹿10H

 鈴鹿サーキットで行われている鈴鹿10時間耐久レース。今回、このレースのために結成されたドリームチーム「Honda Team MOTUL」は、大きなトラブルなく金曜日の走行を終了。決勝レースに向けて着々と準備を進めていた。

 今回、中野信治監督のもと、現在スーパーGT500クラスに参戦する山本尚貴、武藤英紀、中嶋大祐がドライバーを務める#10 Honda Tema MOTUL。チームスタッフも普段はスーパーフォーミュラ、スーパーGTのホンダ勢のチームでメカニックをするスタッフに加え、イタリアのJASモータースポーツのスタッフも加わる混成メンバー、このレースでしかみられない特別チームということで開催前から注目を集めていた。

 金曜日の走行ではフリー走行1回目が13番手、フリー走行2回目は24番手となった。

 ただ、3人ともNSX GT3でレースをするのは初めてで、ピレリタイヤの経験もない。金曜日はスポーツ走行を含め、5時間30分もセッション時間が設けられていたが、山本はGT3のマシンをさらに理解していく必要があると語った。

「例えばGT500に関してはセッティングを大きく変えられたりしますが、今のGT3は(セッティング変更などで)触れるところが限られている印象です」

「あとBoPもかなり影響してきて、速ければスピードを削がれてしまうし、遅ければ優遇されるのも特徴です。そういう意味では、頭を切り替えて(そういうクルマなのだと)割り切る必要があるかなと思います。なので、GT500と比べてどうか? と答えるのが難しいです」

「だからこそ、このカテゴリーをもっと理解したいと思うし、理解した上で戦えば、また楽しさももっと見出せると思いますね」

 また、武藤英紀は金曜日の走行をこのように振り返った。

「事前のテストでは1セッション30分のスポーツ走行枠を使ってのテストだったので、どちらかというとシステムチェックというのがメイン。今週末から本格的にセットアップを煮詰めていく感じでした」

「走り始めは、ちょっとバランスが良くなかったですが、そこからの上がり幅がすごくて、少し改善はできたかなと思います。ただ、他の2台のNSXを使っているチームと比べて、(NSX GT3を)走らせている経験が少ないので、まだまだ改善しなきゃいけない部分がありますね」

 中嶋は事前のテストの時はウエット路面でしか走行ができていなかったそうだが、NSX GT3のマシン自体には慣れたという。

「僕個人としては、事前のテストはウエットしか走れていなかったので、まずは慣れることからスタートでした。単純にクルマに慣れるという部分ではすぐにできました。基本的にはちょっとオーバーステアが強い感じでした。それを直すために色々やってきましたが、まだちょっと完璧ではないですね」

 3人ともまだまだ手探りな部分が多いような印象だったが、全員鈴鹿でのレース経験は豊富。武藤は、決勝を見据えたマシン作りをしていきたいと語った。

「予選ももちろん重要ですが、それよりも10時間をいかにコンスタントに走るかということを一番に考えて色々準備をしています。でも、まだまだ合わせこみが必要な部分があるので、そこを決勝までに詰めていきたいですね」

 同じように山本も予選一発の速さよりも決勝でのレースペースに重点を置きたいと語った。

「長丁場のレースと、ピレリタイヤのキャラクターも含めて、予選のポジションよりも決勝中のペースがかなり重要になると思います。やっぱりロングランの時にバランスのいいクルマにしておくことで、前に行ければなと思います、そこに重点を置いて今日は走行をしていました」

 中嶋は、3人とも鈴鹿サーキットを知り尽くしているという部分をアドバンテージにしていきたいと語った。

「タイヤは扱いが難しいかなという印象で、特にレースはすごくケアをしてあげないといけないかなと思いますね。クルマとタイヤが初めてな分、サーキットはよく知っているという部分は助かりますし、アドバンテージにしなきゃいけないですね」




【鈴鹿10時間】水村リアのModulo Drago CORSE密着記(2)/慣れないピレリタイヤ。お願いします『道神』さま

 スーパーGTのサーキットやModuloブースなどでMCを務めている水村リアさんが、鈴鹿10時間で劇的復活を果たしたModulo Drago CORSEのチームに帯同して4日間密着。第2回目は夜間走行も行なわれた金曜日の様子をお届けします。

 誰もが息を飲んだ、スーパーGT第5戦富士の練習走行でのアクシデント(ZENT CERUMO LC500の追突を受けてマシン全損)からはや3週間。もうダメかと思った時もあった。レースができないんじゃないかと諦めかけた瞬間もあった。それでも復活を願ってくれたファンと、支えてくれた人たちのおかげで、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3がサーキットに帰ってきました!

 34号車の復帰戦となるのは、海外からも強豪チームが参戦する耐久レース“SUZUKA 10H”。Modulo Drago CORSEにとって波乱万丈となった夏を締めくくる一戦を、日本を代表するNSX GT3でどう戦うのか。私、水村リアが4日間チームに密着してお届けしたいと思います!

 台風は過ぎ去ったものの、すっきりしない金曜日の朝。SUZUKA 10H 2日目の朝は、コース上でのマシン撮影からスタートです。

 参加する全マシンの集合写真の撮影前に、3台のNSX GT3による撮影が行なわれていました。

 撮影にはマシンを支える監督とメカニックも参加! 今週末、34号車を一番近くで支えるメンバーたちです。

 予選を翌日に控えた金曜日は、走行セッションが3回予定されています。午前中のセッション開始前は、すでに汗ばむ気温に。

 夏場のレースではもはや欠かせないスポットクーラー。走行開始ギリギリまで車内を冷やします。走行中も車載のクーラーが効いていて、夏場の暑いレースでもドライバーが集中して走れる環境なのだそうです。加えてクールスーツも着用しているので快適かと思いきや、走行から戻ってくるドライバーは汗だくに……。私たちが想像できないぐらい、ドライビング中は体力を使うんですね。2時間ある金曜午前の走行セッションは、まず道上龍選手が走行確認と、タイヤとマシンのマッチングの確認を行ないました。

 普段はGT500クラスのNSXをドライブする小暮卓史選手ですが、大津弘樹選手やエンジニアからNSX GT3ならではの特性や挙動を聞いて走行に備えていました。同じNSXとはいえ、GT3ゆえの特性はGT500のNSX-GTとは異なるのだそう。昨日の走行では「頭を冷やしにピットに入ります!」と、初日からアツくなっていた様子の小暮選手。NSX GT3での“小暮劇場”に期待大です。

 スーパーGTではヨコハマタイヤを使用している34号車ですが、今回初めて装着するピレリタイヤとのマッチングに少し時間がかかっている様子。大津選手いわく、ドライなのにウエットで走っている感覚なのだとか。

 小暮選手はGT500での経験や知識も含めてコメント。少ない走行時間しかありませんが、なんとかピレリタイヤにマッチしたセッティングの方向性を見つけて欲しいものです!

 無線から「リヤが不安定!」と聞こえると……

 「え!」とドキドキしてしまう、水村リアなのでした。

 午前の走行で頭を悩ませたタイヤは、この大会を通して使えるのが19セット。午後に行われた本日2回目の走行では、新品タイヤを履いて大津選手から走行を開始しました。

 赤旗が2回も提示されたセッション前半、道上龍選手と小暮選手が無線を聞きながら、大津選手の走行の様子を見守ります。そして、タイヤに悩まされながらも午前中のタイムを更新。ストレートスピードも全体で1、2を争うほど速い!

 スーパーGTでも速さを見せる大津選手ですが、そのスピードは才能だけで得られたわけではないんです。走っていない時にも何かをメモしている様子。詳しく聞くと、自分のラップタイムをターゲットマシンと比較し、走ったフィーリングとデータとを合わせ込んで、改善する個所を見つけ出しているのだそう。若いけど真面目で堅実!

 夕方になり陽が落ち始めた鈴鹿サーキット。18時30分から、いよいよナイトセッションとなる金曜日最後の公式練習が開始されます。

 ナイトセッションで活躍するのは、LEDで光るゼッケン。

 見たくないものがあるわけでも、泣いているわけでもありません。暗闇に目を慣れさせるために、走行前にサングラスで視界を調整しているそう。スーパー耐久の富士24時間レースに出場した際に役立ったとのこと。ナイトセッションでの練習走行も、無事に終了。朝は慣れないタイヤに苦戦していたチームも、午後になってセッティングの方向性が見えてきたようです。

 決勝レース前にもう練習走行は設けられていないので、最後は時間を有効活用しドライバー交代練習を実施! このレースで初めてパートナーとなる大津選手から小暮選手へのドライバー交代作業を終え、セッションを締めくくりました。

 長い一日を、組み上がったばかりのマシンと新しいタイヤとのマッチングに努め、時には闇とも戦いながら光明を見出したModulo Drago CORSE。世界の強豪マシン35台がひしめき合う中で、土曜日の予選ではどのようなスピードを見せてくれるでしょうか。セッションは13時からのスタートとなります。

 ピットの「道神」さま、よろしくお願いします!


鈴鹿10時間:得意コースのはずが……。2台のGT300マザーシャシーが大苦戦中

 インターコンチネンタルGTチャレンジ第3戦・第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レースは8月24日、2回のフリープラクティスが行われた。上位には日欧の強豪がひしめく結果となりタイム差も僅差だが、35台のエントリーのなかで、大いに苦しんでいるのが2台のGT300マザーシャシーだ。本来鈴鹿は得意なコースであるはずだが、なぜこれほどまでに苦しんでいるのだろうか。

■本来鈴鹿は得意なマザーシャシー
 2015年からスーパーGT GT300クラスに登場したGT300マザーシャシーは、日本のものづくりの伝承を願い、童夢製のモノコックを使用しGTA V8エンジンを搭載したマシン。チームが創意工夫でマシンを速くすることができ、そのクイックな特性と相まって、鈴鹿やスポーツランドSUGOといったコースでは素晴らしい速さをみせている。

 特に鈴鹿では、例年マザーシャシー勢が予選でも決勝でも上位に食い込んでおり、FIA-GT3使用チームからは不満の声も上がるほど。また、レースではタイヤ無交換等の作戦も駆使してくるのが特徴だ。

 そんなGT300マザーシャシー使用チームのうち、世界との戦いとなる今回の鈴鹿10時間に名乗りを上げたのは2台。Cars Tokai Dream28が走らせる2号車ロータス・エヴォーラMC(高橋一穂/加藤寛規/濱口弘)、TEAM UPGARAGEが走らせる18号車トヨタ86 MC(中山友貴/小林崇志/井口卓人)だ。

 2台は今回ワンメイクタイヤとして使用されるピレリタイヤを履いて事前の公式テストにも参加したが、GT3勢とはタイムに差があった。さらに、初日はウエットだったものの、2日目のドライ路面ではTEAM UPGARAGEの18号車がクラッシュを喫している。厳しい戦いが予想されていたが、実際レースウイークに入ってからも、リザルトは下位のまま。この日の2回のフリープラクティスでも、2台とも下位に沈んでしまった。両車とも、GT300で多くの実績を挙げてきたトップドライバーたちが乗っているにもかかわらずだ。

■「一瞬のグリップでしか走れていない」
 苦戦の理由は、今回鈴鹿10時間で使用されるピレリのワンメイクタイヤとのマッチングにあるのは間違いなさそうだ。ブランパンGTシリーズやブランパンGTアジア、さらにスーパー耐久等で使用され、世界中のGT3レースで使用されている実績あるピレリは、その特性を少しずつ日本人ドライバーが理解し始めている状況ではあるが、このレースではGT3用をそのまま使わざるを得ない2台のマザーシャシーの場合は問題が深い。

「発熱はしていると思いますが、ピークのグリップを引き出し切れていないように感じます」というのは、TEAM UPGARAGEの中山だ。
 また、今回第3ドライバーとして加わった井口も「とにかくリヤのグリップがない。タイヤ表面にある一瞬のグリップでしか走れていないです。GT3用では構造が堅すぎて、タイヤ自体を潰せていないですね」と分析する。また、小林も「おそらくタイヤの限界にいると思う」とコメントしている。3人のドライバーたちのフィーリング、そしてコメントはほぼ同じだという。

 一方、Cars Tokai Dream28の加藤も「ワンメイクタイヤだとさすがに厳しいですね。GT3勢は1時間タイヤマネージメントすると言っていますが、うちは1時間走っても半分も減っていない」と現状を教えてくれた。

 これは1100kgという軽い車重、そして純レーシングカーでもあるマザーシャシーのサスペンション形式が大いに関係しているようで、Cars Tokai Dream28の渡邉信太郎エンジニアも「やっぱりサスペンションの形式が乗用車かレーシングカーかということですね。ザックリ言うと基本のディメンションが違います」と語っている。また、GT3カーに比べて170kg~200kgほど軽いため、本来GT3なら問題ないはずの、タイヤの構造を潰しながらグリップを発揮するということができていない状況のようだ。今回規定でやや重くなっているというが、逆にハンデになっているよう。

「実はスーパーGTのGT3用のタイヤをエヴォーラが履いたこともありますが、やっぱりこうなります」と渡邉エンジニアは教えてくれた。

「クルマはアンダーかオーバーのどちらかなら、ドライバーなら対処できるんです。でも、突然グリップしたと思ったらスパーンといってしまう。トラクションもかけられない」とは中山のコメント。また、小林も「GT3はパワーもあるので、それがタイム差に繋がっていると思います。僕たちはコーナーで頑張るしかないけど、攻めても怖いばかりになってしまう」というから問題は根深い。

■JAF-GTは鈴鹿10時間に出づらくなる?
 ドライバーたちやエンジニアからのコメントを総合すると、GT300マザーシャシーがふだんのスーパーGTでどんな戦い方をしてきたかが逆に浮き彫りになってくる。パワーはGT3勢に比べて無いものの、ダウンフォースとクイックな特性を活かし、ストレートで抜けないハンデをピット作業で逆転するべく、無交換作戦が採れるタイヤをタイヤメーカーとともに開発することが彼らのスーパーGTでの戦い方なのだ。

 しかし、今回の鈴鹿10時間ではピットストップの時間も規定で決まっており、作業でタイムを稼ぐこともできない。また、GT3用のタイヤを履かざるを得ないことから、コース上でタイムを稼ぐことも現状は厳しい状況だ。中山は「セットはいじり倒してます」というが、決勝までにどれほど向上できるか。

 鈴鹿10時間は、日欧のチームが戦うことがコンセプトで、日本からはスーパーGT参戦チーム、スーパー耐久チームの参加が望まれている。当然スーパーGTチームのなかでも、JAF-GTチームの参戦はファンからも大会側からも望まれるものだろう。

 ただ今回の2台の苦闘を見る限り、来季参戦を希望するJAF-GTチームが現れるとは思えない。今回ピレリは大会に大きく貢献しているが、車重も異なるJAF-GT用の“スペシャルタイヤ”を作ることもレースのスタイルや意義を考えると難しいところ。来季以降の大会の仕組み、さらには今後のJAF-GTのあり方にも課題となるのかもしれない。


SUPER GTでのクラッシュから復活した#34 Modulo NSX、10日で新車を整備…鈴鹿10時間耐久

SUPER GT第5戦の公式練習中にクラッシュした#34 Modulo Drago CORSEのModulo KENWOOD 「NSX GT-3」(GT300クラス)。一時は今シーズンの活動中止かと思われたが、8月23日からの鈴鹿10時間耐久レースに復活した。

#34 NSX GT-3は、富士スピードウェイでのSUPER GT第5戦、4日の公式練習中に、ブレーキトラブルを起こした#1 ZENT CERUMO LC500に、リアからヒットされて激しく損傷し、予選~決勝レースは出走取りやめとなった。鈴鹿10時間耐久レースの参戦も一時は諦めたが、新車のNSX GT3の購入を決断し、マレーシアにあった新車のNSX-GT3を手配。8月13日に日本に到着し、そこから鈴鹿へ間に合わせてきた。

23日の特別スポーツ走行でシェイクダウンした#34 NSX GT-3は、順調に周回を重ねた。ドライバーの道上は「前の車両からフィーリングも問題なく走れている」と語った。コンビを組む大津選手は「富士では、チームの気持ちも高かったので走れなかったのは残念だった」と語った。

鈴鹿10時間耐久レースは25日が決勝。


鈴鹿10時間:ナイトセッションのFP2は千代が駆るKCMGのGT-Rがトップタイムに

 インターコンチネンタルGTチャレンジ第3戦・第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レースは8月24日、鈴鹿サーキットで18時30分からフリープラクティス2が行われ、松田次生/アレキサンドレ・インペラトーリ/千代勝正組KCMGの018号車ニッサンGT-RニスモGT3が2分03秒183で最速タイムをマークした。

 これまで2回のペイド・プラクティス、そしてフリープラクティス1が行われてきた鈴鹿10時間。2回目のフリープラクティスは、18時30分から20時までと、決勝レースでのナイトセッションを想定したなかでの走行となった。

 走行開始直後から暗くなり始め、各車がライトを点灯させながら走行する様子は、今までの鈴鹿ではなかなか無かった光景。各チームともドライバーたちが夜間走行を体験しながら走行を進めていくが、開始から1時間が経とうかという19時26分、130Rで木村武史がドライブしていたCARGUY Racingの777号車ホンダNSX GT3がクラッシュ。赤旗が提示される。このタイミングで、SATO,YAMASHITA-SS Rn-sportsの112号車メルセデスAMGもヘアピンでストップした。

「スプーンで1台譲ったときにピックアップがついてしまって、130Rで回ってしまいました。衝撃を和らげるためにサイドからリヤにかけてヒットしましたが、真っ直ぐいっていたら危なかったですね」と木村。

 セッションはその後再開され、赤旗なく20時にチェッカーが振られた。2分03秒183でトップタイムをマークしたのはKCMGの018号車ニッサンGT-RニスモGT3で、千代が最速タイムを叩き出している。2番手にはクリストファー・ミース/ドリス・ファントール/フレデリック・ベルビシュ組アウディスポーツ・チームWRTの66号車アウディR8 LMSがつけた。

 3番手にはメルセデスAMG・チーム・グループMレーシングのラファエル・マルチェッロ/マーロ・エンゲル/トリスタン・ボーティエ組888号車メルセデスAMG GT3がつけ、FP1に続き好調ぶりをみせた。4番手にはJLOCの平峰一貴/マルコ・マペッリ/アンドレア・カルダレッリ組88号車ランボルギーニ・ウラカンGT3が続いている。5番手はFP1首位だったローレンス・ファントール/ケビン・エストーレ/マシュー・ジャミネット組クラフト・バンブー・レーシングの991号車ポルシェ911 GT3 Rとなった。

「ニュータイヤで予選のセットアップ確認にいったときのタイムです。ただそれまでの状況が大変で、朝は電気系トラブルもあったりで走れず、午後は途中から走りましたが、僕は4周くらいしかできませんでした」と千代。

「そのときも消耗したタイヤで走行でしたし、このクルマ、タイヤで走るのもひさびさだったので焦っていたのですが、セッティングをアジャストして出たタイムが良かったのでひと安心でしたね」

 最終的にGT500ドライバーが乗り込むチームが金曜日の首位となったが、KCMGも含め日本勢はまだまだ試行錯誤している様子が感じられた。ただ海外勢ともタイム差は僅差で、レースまでは状況がどう転んでいくかは分からないだろう。

 鈴鹿10時間は8月25日(土)にはピットウォークと予選が行われる予定だ。



【鈴鹿10時間耐久】金曜日フリー走行は#018 KCMGのGT-Rがトップタイムをマーク

第47回サマーエンデュランス鈴鹿10時間耐久レース(鈴鹿10H)の公式スケージュールが24日にスタート。初日のフリー走行は#018 KCMGがトップタイムをマークした。

前日の特別スポーツ走行は台風の接近に伴う雨でウェットコンディションでの走行となったが、24日は台風も日本海に抜け、曇り空ながらも雨は上がった。午前中に行われた特別スポーツ走行2回目がスタートするとすぐに路面が乾き、タイムも2分3秒525まで短縮。そして13時50分にはいよいよ公式スケジュールのフリー走行1回目がスタートし、#991 CRAFT BAMBOO RACING(PORSCHE 911 GT3R)のマシュー・ジャミネットが2分3秒444のトップタイムをマークした。

18時30分からはフリー走行2回目が行われ、辺りが暗闇に包まれる中、序盤に#66 AUDI SPORT TEAM WRT(Audi R8 LMS)が2分3秒328と、この日のトップタイムを記録。その直後に#018 KCMG(NISSAN GT-R NISMO GT3)の千代勝正が2分3秒183を記録して逆転トップに立った。このあと、このタイムを更新するものは現れず、#018 KCMGがフリー走行を総合トップで終えたが、上位11台が1秒以内、20番手でもトップから1.3秒の僅差。予選、決勝は大接戦となりそうだ。

日本勢は松田次生と千代がドライバーラインアップに名を連ねる#018 KCMGを筆頭に、#88 JLOC(LAMBORGHINI HURACAN GT3)が総合5番手、#21 Audi Team Hitotsuyamaが6番手、吉田広樹が乗る#28 HubAuto Corsa(Ferrari 488 GT3)が10番手とトップ10に4台が名を連ねた。スーパーGTの大クラッシュから新車で復活した#34 Modulo Drago CORSE(Honda NSX GT3)は1回目17番手、2回目13番手だった。

■金曜日フリー走行2回目結果(トップ10)

1. #018 KCMG/2分3秒183

2. #66 AUDI SPORT TEAM WRT/2分3秒328

3. #991 CRAFT BAMBOO RACING/2分3秒444

4. #888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racing/2分3秒734

5. #88 JLOC/2分3秒847

6. #21 Audi Team Hitotsuyama/2分3秒883

7. #27 HubAuto Corsa/2分3秒903

8. #6 Audi Sport Team Absolute Racing/2分3秒904

9. #44 Strakka Racing/2分3秒944

10. #28 HubAuto Corsa/2分3秒987



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Posted at 2018/08/26 22:29:57 | コメント(0) | トラックバック(1) | 自動車業界あれこれ | 日記
2018年08月26日 イイね!

アウディも速かったんだけどね、メルセデスベンツが優勝です!!

アウディも速かったんだけどね、メルセデスベンツが優勝です!!鈴鹿10H決勝速報:888号車Mercedes-AMG GruppeM Racingが優勝

 鈴鹿サーキットで開催された鈴鹿10時間耐久レース。午後8時にチェッカーを迎え、#888 Mercedes-AMG GruppeM Racingが優勝を飾った。

 予選2番手からスタートした#888 Mercedes-AMG GruppeM Racingは、開始1時間を経過したところからトップを奪い、その後は安定した走りを披露。276周を走り切り、トップチェッカーを受けた。

 2位には#43 Mercedes-AMG Team Strakka Racing、3位には#6 Audi Sport Team Abusolt Racingが入った。日本勢では#00 Mercedes-AMG Team GOOD SMILEが5位入賞を果たした。


スタート7時間30分経過:日本勢が苦戦する中、00号車Mercedes-AMG Team GOOD SMILEが5番手に浮上!|鈴鹿10H

 鈴鹿10時間耐久レースは、全体の4分の3にあたる7時間30分を経過。トップは#888 Mercedes-AMG GruppeM Racingがキープし、日本勢では#00 Mercedes-AMG Team GOOD SMILEが5番手まで順位を上げてきている。

 依然として気温30度以上、路面温度45度以上に厳しいコンディションとなっている鈴鹿サーキット。レース後半に入って、特に日本勢が苦しめられるレース展開となった。

 開始から5時間を経過し、総合10番手まで浮上していた#018 KCMG。千代勝正がアグレッシブなドライビングを見せ、順位を上げていっていたが、148周目に突然スローダウン。緊急ピットインを余儀なくされた。

 ピットに戻ってくるとエンジンルームから白煙が上がりピットガレージへ。パワステのトラブルとのことで修復を行いピットアウトするもののの、すぐにピットイン。結局症状は直らず、そのままリタイアとなってしまった。

 さらに#18 TEAM UPGARAGEもミッショントラブルでガレージイン。さらにクールスーツまで壊れてしまい、満身創痍に近い状態となるが、チームは諦めずにマシンを修復しコースに復帰した。しかし7時間30分を迎えたところで突然スロー走行となり、再びガレージ内で作業が行われている。

 昨年までスーパーGTの鈴鹿1000kmとして開催されていたサマーエンデュランスのレースだが、今週末は例年以上に暑いコンディション。これにマシンも音を上げるシーンが増えている。

 そんな中、順調な走りを見せているのが#00 Mercedes-AMG Team GOOD SMILE。5時間経過前には8番手を走行していたが、6時間を経過したところで7番手に浮上した。

 さらに7時間を迎える直前に4番手を争っていた#07 Bentley Team M-Sportと#27 HubAuto Corseが接触。130Rでコースオフした07号車のベントレーがコースに復帰した時に27号車にぶつかってしまった。

 これにより27号車は右フロントサスペンションにダメージを受け緊急ピットイン。07号車も接触行為でドライブスルーペナルティを受けた。この関係で00号車は6番手に浮上。ペナルティを消化した07号車とのタイム差も縮めた。

 しかし、7時間30分を経過したところで07号車がペースダウン。130Rでのコースオフ時に芝生が吸気口を塞いでしまい、オーバーヒート気味になった模様。214周目のヘアピン立ち上がりで00号車がオーバーテイクし、ついに5番手に浮上。ここに来て表彰台の可能性も見えてきた。

 7時間30分を経過して、トップは888号車メルセデスAMG。2番手に#43 Mercedes-AMG Team Strakka Racing、#6 Audi Sport Team Abusolute Racingがつけている。


鈴鹿10H|スタート5時間経過、888号車メルセデスがトップを堅持、00号車グッドスマイルが8番手に浮上

 鈴鹿サーキットで行われている鈴鹿10時間耐久レースはスタートから5時間を経過し、#888 Mercedes-AMG GruppeM Racing。日本勢では#00 Mercedes-AMG Team GOOD SMILEが総合8番手まで順位を上げている。

 レース中盤に入っても、各所で激しいバトルが繰り広げられている鈴鹿10Hだが、開始から3時間を経過するところで大きなクラッシュが発生した。

 西ストレートでサイド・バイ・サイドになった#58 Grage59のマクラーレン65Sと、#07 Bentley Team M-Sportが接触。これでバランスを崩した58号車が、スピンしながらイン側のガードレースにクラッシュした。マシン後部が大きく損傷したものの、ドライバーに怪我はなかった。

 マシン回収のために、フルコースイエローが導入されるが、82周目にセーフティカー導入に切り替えられた。

 フルコースイエローのタイミングでほとんどのマシンが3回目のピットストップを終えており、888号車がトップをキープしていたが、セーフティカー導入のため2番手以下が急接近。レース序盤のリードが全てリセットされた状態で、3時間10分を経過したところでレースが再開された。

 その直後、#88 JLOCが逆バンクで他車と接触し左リヤフェンダーが破損。これが原因でタイヤから白煙が上がり、緊急ピットインを余儀なくされた。

 さらに3時間30分を経過したところで総合5番手を走っていた#23 KCMGがヘアピンでストップ。リヤウインドウが脱落しており、そのままリタイア。さらに開始4時間を迎えたところで#21 Audi Team Hitotsuyama がシケインを立ち上がったところでスピン。それまで6番手につけていたが、15番手まで後退してしまった。

 14時を迎えると気温35度、路面温度52度まで上昇。この暑さの影響もあってかトラブルを抱えるマシンが少なくない中、日本勢のチームとドライバーが強さを見せる。

 21番手スタートだった#00 Mercedes-AMG Team GOOD SMILEが着実に順位を上げ、8番手に浮上。谷口信輝、片岡龍也、小林可夢偉がミスなくバトンをつないでいる。

 さらに#018 KCMGも千代勝正がアグレッシブな走りをみせ、10番手に浮上。5回目のピットストップでドライバー交代をせずダブルスティントに臨んだが、5時間を過ぎたところでトラブルが発生しスローダウン。エンジンルームから白煙を上げピットに戻ってしまった。

 15時04分を過ぎ、レースは全体の半分となる5時間を経過。トップは888号車のメルセデスAMGで、ミスのない走りで2番手以下に10秒近いリードを築いている。2番手は#43 Mercedes-AMG Team Strakka Racing、3番手には#6 Audi Team Absolute Racingがつけている。


【鈴鹿10時間耐久】決勝 5時間経過…2番手スタートの#888メルセデスがトップ

第47回サマーエンデュランス鈴鹿10時間耐久レース(鈴鹿10H)の決勝レースが26日10時にスタート。半分の5時間を経過した時点で#888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racingがトップを走行している。

これまで1000kmの距離で開催されてきた鈴鹿サーキットの夏の耐久レースが、今年「鈴鹿10H」として新たなフォーマットで開催された。スタートは変則ルマン方式で、スタート前のダミーグリッドはピットウォール側に45度の角度で1列に並べられ、そこからフォーメーションラップがスタートし、1周の後にローリングスタートで決勝レースが始まる。

レース序盤は予選順位とほぼ同じで#28 HubAuto Corsa(Ferrari 488 GT3)、は#888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racing(Mercedes-AMG GT3)、#27 HubAuto Corsa(Ferrari 488 GT3)の順でレースが進んだ。しかし#28 HubAuto Corsaはフォーメーションラップに遅れて参加したためドライブスルーのペナルティが課されポジションダウン。その後は#888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racing、#27 HubAuto Corsa、#75 Sun Energy 1 Racing AUS(Mercedes-AMG GT3)、#23 KCMG(NISSAN GT-R NISMO GT3)、#07 Bentley Team M-Sport(Bentley Continental GT3)らが上位争いを行った。

#23 KCMGは4時間を迎える前にコース上でストップし脱落。代わって#43 Mercedes-AMG Team Strakka Racing(Mercedes-AMG GT3)、#6 Audi Sport Team Absolute Racing(Audi R8 LMS GT3)、#66 AUDI SPORT TEAM WRT(Audi R8 LMS GT3)らが上位争いに加わり、5時間経過前後のピットストップが終わった時点で#888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racingがトップ。#43 Mercedes-AMG Team Strakka Racingが9秒差で追う展開となっている。

日本勢は21番手スタートの#00 Mercedes-AMG Team GOOD SMILE(Mercedes-AMG GT3)が徐々に順位を上げ8位に、30番手スタートの#018 KCMG(Mercedes-AMG GT3)は1周目に22位まで順位を上げ、5時間経過時点では10位を走行している。

■鈴鹿10H決勝レース5時間経過時点順位(トップ10)

1. #888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racing

2. #43 Mercedes-AMG Team Strakka Racing

3. #66 AUDI SPORT TEAM WRT

4. #6 Audi Sport Team Absolute Racing

5. #07 Bentley Team M-Sport

6. #27 HubAuto Corsa

7. #75 Sun Energy 1 Racing AUS

8. #00 Mercedes-AMG Team GOOD SMILE

9. #08 Bentley Team M-Sport

10. #018 KCMG


鈴鹿10時間:888号車メルセデスが首位をキープ。上位は僅差の争い

 第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レースは8月26日午前10時のスタートから半分となる5時間が経過した。トップはメルセデスメルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの888号車メルセデスAMG GT3がキープ。上位17台が同一周回の戦いが展開されている。

 今季からGT3カーの“世界一決定戦”として新たな10時間レースとして開催されている鈴鹿10時間。序盤から僅差の戦いが展開されており、ピットインのタイミングで順位の変動はあるものの、上位陣は僅差のなかでラファエル・マルチェッロ/マーロ・エンゲル/トリスタン・ボーティエ組888号車メルセデスAMG GT3が首位に立ち始めた。

 途中、ペナルティによる順位後退もあったものの、好ペースで追い上げていたD'station Racingの藤井誠暢/スヴェン・ミューラー/アール・バンバー組7号車ポルシェが、オイルプレッシャー低下によるエンジントラブルによりリタイアを喫する。

 また、開始から2時間54分というところでは、カム・レドガーがドライブしていたガレージ59のマクラーレン650S GT3が、130R入口でベントレ・コンチネンタルGT3と接触。イン側のガードレールに激しくヒットしてしまった。

 レドガーは自力でマシンから下りたものの、これによりフルコースイエロー、さらにセーフティカー導入となり、上位陣が築いたマージンはいったんリセットされることになった。

 ただ、888号車メルセデスは好ペースでリードを築いており、これにメルセデスAMG・チーム・ストラッカ・レーシングの43号車が続く展開。ただその後方は僅差で、66号車、6号車という2台のアウディ、07号車ベントレー、予選3番手スタートの27号車フェラーリ、序盤からレースを盛り上げているプロ-アマクラス首位の75号車メルセデスが続いている。

 やや遅れて日本勢の最上位となる8番手につけているのは、メルセデスメルセデスAMG・チーム・グッドスマイルの谷口信輝/片岡龍也/小林可夢偉組00号車。僅差で08号車ベントレー、そしてKCMGの018号車ニッサンGT-RニスモGT3が続いている。

 日本勢では、序盤上位を争っていたAudi Team Hitotsuyamaのアウディは、開始4時間過ぎに日立オートモティブシステムズシケイン立ち上がりでスピンしたこともあり、ややポジションを落とし15番手。また、複数の日本チームにピット作業違反のペナルティが出ている。

 なお、このレースでは1時間ごとの首位の車両に10万円の賞金が出るが、これまでの5時間は下記のマシンが獲得している。

1時間:75 サンエナジー1・レーシング
2時間:75 サンエナジー1・レーシング
3時間:888 メルセデスメルセデスAMG・チーム・グループMレーシング
4時間:911 マンタイ・レーシング
5時間:07 ベントレー・チームMスポーツ


鈴鹿10H|スタート2時間30分経過:国内チームにトラブル多発、888号車GruppeMメルセデスがトップ

 今年初開催となる鈴鹿10時間耐久レースの決勝が、8月26日(日)午前10時に鈴鹿サーキットでスタート。現在2時間30分を経過したところで、#888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racingを快走している。

 決勝日は朝から青空が広がり、早くも真夏日となった鈴鹿サーキット。午前10時のスタートを前に、各マシンがコースイン。今回は、ル・マン式スタートのような形でポールポジションからピットウォール側にマシンが1列に並べられた。

 気温31度、路面温度42度の中、フォーメーションラップがスタートが切られたが、この時にポールポジションだった#28 HubAuto Corseのエンジンがかからず、発進に手間取ってしまったが、幸い大きなロスなく隊列に復帰。10時04分にスタートが切られた。

 28号車がホールショットを奪い、昨日の予選同様に他を圧倒する走りを見せるが、2番手の#888 Mercedes-AMG GruppeM Racingも2秒差で食らいつきチャンスを伺った。

 一方、後方では各ポジションでサイド・バイ・サイドのバトルが見られたが、6周目のシケインで#34 Modulo DRAGO CORSEと#58 Grage 59のマクラーレン650Sが接触。58号車がスピンを喫してしまった。

 シケイン入り口では34号車の大津弘樹が完全にインに飛び込んでいたが、審議の結果、接触行為となりドライブスルーペナルティ。23番手から30番手に後退した。

 トップ争いは徐々に28号車と888号車の一騎打ちとなりつつあったが、2番手の888号車は22周目と予想より早めのピットストップを敢行。ペースが上がらない28号車とは別のところで走り、逆転でトップに出る戦略をとった。

 レース開始から1時間を経過しようというところで、トップを快走していた28号車にまさかのドライブスルーペナルティが通達された。

 フォーメーションラップのスタート時に手順違反(規定時刻までにメカニックがグリッドから退去しなかったため)があったとのこと。28周目にルーティーンのピットストップを完了した後に、ペナルティを消化。これでトップ争いから陥落してしまった。

 上位陣が早めにピットに入っていく中、1時間経過時点でトップを走っていたのは#75 SunEnergy1 RacingのメルセデスAMG GT3がトップに浮上。1時間経過時点にトップを走っていたということで賞金10万円の獲得権利を手にした。

 その75号車は30周目にピットイン。今回はレギュレーションで1スティント65分以内と定められており、このタイミングで全てのマシンが1回目のピット作業を終えた。

 ただ、そのピットストップでも国内チームは苦戦。#18 TEAM UPGARAGE、#37 Callaway Competition with BINGORACINGが相次いてピット作業違反でドライブスルーペナルティを受けた。

 また、#2 Cars Tokai Dream28のロータス・エヴォーラMCは朝のウォームアップ中に逆バンクでクラッシュを喫し、フロント部分を大きく破損。スタート後もガレージで懸命に修復作業が行われ、開始1時間を経過したところで一度コースインを果たすが、1周でピットに戻ってしまった。

 そして2時間30分を迎えたところで、一時はトップ10圏内に進出した#7 D’station Racingのポルシェ911GT3Rがトラブルでスローダウン。ヘアピンを立ち上がったところでマシンを止めた。

 国内チームとしては地元である鈴鹿サーキットが舞台ではあるものの、独特な部分があるGT3のレースと海外チームの勢いに洗礼を受ける場面が多かった。

 レース開始から2時間30分を経過し、トップは888号車のメルセデスAMG GT3。2番手以下に10秒近い差をつけ、順調に周回を重ねていったが、第2スティントで左側のゼッケンが剥がれ落ちるというアクシデントが発生したが、2回目のピットストップで新しいものを貼り直し、事なきを得た。

 2番手には#27 HubAuto Corse、3番手には#43 Mercedes-AMG Team Strakka Racingがつけている。


マザーシャシー勢は苦戦模様、TEAM UPGARAGEの井口卓人「ドライでもウエットでも厳しい」|鈴鹿10H

 鈴鹿サーキットで行われている鈴鹿10時間耐久レース。今回のみ#18 TEAM UPGARAGEの第3ドライバーとしてチームに加入している井口卓人は、マザーシャシーとピレリタイヤの相性があまり良くないことを明かした。

 TEAM UPGARAGEはスーパーGTでは中山友貴、小林崇志のコンビでエントリーしており、井口にとってはライバルチームではあるのだが、鈴鹿10Hでは助っ人として加入。5月に行われた合同テストからマシンの感触を確かめていた。

 ただ、今週末は金曜日の午前中に行われた特別スポーツ走行でギアボックストラブルが発生し、貴重な走行時間を奪われてしまった。

「金曜日の朝の走行でギアボックスにトラブルが出てしまいました。テストではウエットコンディションでしか走っていなくて、しかも(ウエット路面では)悪い印象しかなかったので、ドライでの走行時間が失われてしまったのは痛かったです」

  そう語った井口。今週末に向けてTEAM UPGARAGEの黄色いレーシングスーツに身を包んでいる。

「(黄色いレーシングスーツは)いやー、慣れないですね。クルマの印象も(BRZと比べると)違います。それぞれ良いところがあって甲乙つけがたいところですね」

 ただ、今週末に関してはピレリタイヤとマザーシャシーの相性が合わない模様。予選も26番手に沈んでしまった。

「それよりもタイヤがマザーシャシーに合わないかなという印象です。ドライでもウエットでも厳しいなというのが現実です」

「今の状況を考えると“勝ちたい”と自信を持って言える状態ではないので、とにかく淡々としぶとく走っていきたいと思います。ミスなくバトンを繋いでいけば、最後には何かいいことがあるでしょうし、何かしらの爪痕は残したいなと思います」

 普段、スーパーGTでは鈴鹿で他を圧倒する速さをみせているマザーシャシー勢だが、今回はそうもいかなさそう。ただ、最後まで諦めずに決勝を戦い抜くと語った。

「かなりタフな10時間になると思いますし、特に今のタイヤのグリップ感をかんがえると不安なところもあると思います。でも、チームも最後まで色々(上位にいくために)悪あがきをしてくれると思うので、最後まで諦めずに頑張りたいなと思います」


鈴鹿10時間スタート! 酷暑のなかの序盤は首位28号車フェラーリにペナルティの波乱も

 インターコンチネンタルGTチャレンジ第3戦・第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レースは8月26日、鈴鹿サーキットで午前10時から決勝レースがスタートした。ポールポジションスタートの28号車フェラーリがペナルティで順位を落とし、メルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの888号車メルセデスが首位に立っている。

 いよいよ今季から新たなレースとして生まれ変わった、鈴鹿10時間の決勝レースがスタートした。この日は8時からウォームアップが行われた後、ストレートにななめに止めるスタイルのグリッドで行われたスタート進行を経て、10時にフォーメーションラップのスタートが切られた。

 ただ、フォーメーションラップスタート時にポールポジションだったニック・フォスター/デイビッド・ペレル/吉田広樹組ハブオート・コルサの28号車フェラーリ488 GT3が始動できず。メカニックの助けを借りてスタートし、遅れてフォーメーションの隊列に加わることになる。

 スタート後、28号車フェラーリはそのままリードを築き、2番手スタートのメルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの888号車メルセデスが続くことになるが、その後方ではAudi Team Hitotsuyamaの21号車アウディR8 LMSと、サンエナジー1・レーシングの75号車メルセデスのバトル、さらに安田裕信が駆るGAINERの11号車ニッサンGT-Rを先頭にマンタイの911号車ポルシェ、アブソリュートの6号車アウディ、ストラッカの43号車メルセデスのバトルが展開されたりと、日欧のチームが競り合うシーンが見られた。

 スタートから30分が過ぎる頃になると、タイヤのデグラデーションが出はじめ、コーナーで姿勢を乱すマシンが出はじめる。そのなかでストラッカの42号車メルセデスがS字でコースアウトしたり、Modulo Drago CORSEの34号車ホンダNSX GT3がバトルの中で接触のペナルティをとられるなど、波乱も出はじめた。そんななか、首位のハブオート28号車もスタート手順違反により、開始から1時間が経とうかというところで、ドライブスルーペナルティが下ってしまう。

 このレースでは65分を越えてドライブすることはできないが、それにともない開始から1時間前後というところで、各車が続々とピットイン。ピットアウトまでの時間も定められているため、スーパーGTとは異なるスタイルのレースが展開されている。

 1時間を過ぎたときにトップに立っていたのはサンエナジー1の75号車メルセデスで、賞金10万円を獲得。ただピットイン後はグループMレーシングの888号車メルセデスが首位。ハブオートの27号車フェラーリが2番手、75号車メルセデスが3番手に続いている。日本勢では、ヒトツヤマのアウディが6番手、追い上げをみせているメルセデスAMG・チーム・グッドスマイルの00号車が11番手に続いている。


【SUZUKA 10HOUR】10時間レース予選のBBSエキサイティングアタックを制したのはHubAutoのフェラーリ

8月25日に行われたSUZUKA 10HOURの予選・BBS EXCITING ATTACK。8月26日に行われる決勝レースのグリッドを決める予選にBBS JAPANが冠スポンサーとなり予選を盛り上げます。

ポールポジション獲得で賞金100万円とBBS JAPANの鍛造ホイール1台分が贈呈されるとあって、参加選手の盛り上がりも違います。

その予選、BBS EXCITING ATTACKを制したのはHubAuto Corseの28号車フェラーリ488 GT3。Q1で3人全てのドライバーが安定したタイムを出し、Q2ではただ1台だけの2分1秒台! 賞金100万円とBBSホイールの副賞を獲得しました。

SUZUK 10HOURでは3人のドライバーが組んでレースを戦いますがドライバーの組み合わせによってクラスが決まるのです。3人ともプロドライバーであればPROクラス、1名以上のアマチュアドライバーが含まれるとPRO-AMクラス、全員がアマチュアドライバーであればAMクラスとなります。

ポールポジションのHubAuto Corseはアマチュアドライバーが1名参加するのでPRO-AMクラスとなりますが、PROクラスの強豪を抑えてのポールポジションは快挙といえるでしょう。またこのチームにはプロドライバーとして日本からSUPER GTではGAINERのGT-Rに乗る吉田広樹選手も参加。初開催のSUZUK 10HOURでは初ポールポジションとして日本人選手の名前も刻まれることとなります。

BBS EXCITING ATTACKの2位はMercedes AMG Team Gruppe M。3位はポールポジションチームのチームメイトであるHubAuto Corseの27号車のフェラーリ488 GT3。

また、日本チームの最高位はAudi Team HITOTSUYAMAのAUDI R8 LMS が9位となります。また続く10位も日本チームのGAINERのNISSAN GT-R NISMO GT3。

しかし、この予選順位もすんなり決まったわけではありません。Q1の予選順位に審議が入りQ2のスタート時間が1時間近く遅延することになります。そして本来20台で行われるはずであったQ2は24台が出走することとなり、また25位以下の順位も大きく変動します。その大きく変動した順位で泣く人、笑う人が多くいたことは想像に難くありません。

しかしこのBBS EXCITING ATTACKで一番悔しい思いをしたのはMercedes AMG Team GOODSMILEではないでしょうか。

Q2の終了3分前頃にアタックを開始したGOODSMILE。小林可夢偉選手は第2セクターまで全てのマシンよりも速いタイムをたたき出し、2分1秒を切るのではないかというほどの強烈なドライブを見せていました。そして130Rに差し掛かる直前に突然の赤旗!この赤旗を以って予選終了となってしまいます。つまりフィニッシュできなかったのです。

その赤旗の原因はModulo Drago CorseのNSX GT3がデグナーカーブでコースアウトしたことによるもの。サンドにつかまり一時的にマシンが止まってしまったために赤旗が提示されてしまったのです。

この時NSX GT3をドライブしていた小暮卓史選手はインタビューで「小林可夢偉選手に悪いことをしました」と真剣な面持ちで語っていました。

NSX GT3には大きなダメージはなく自走でピットに戻ることが出来ました。そんな状況をかえりみて、この赤旗提示には様々な方面で「黄旗で対応できたのではないか?」などの意見もあり賛否両論が飛び交っていますが、正式予選結果が出てしまっている以上はこの予選結果に従わざるを得ません。

しかし決勝レースは10時間の長丁場。予選結果どおりの順位でレースが終わることなどまずありえません。数々のドラマが生まれそうな予感の10時間に及ぶ過酷な戦い。決勝レースは午前10時スタート、フィニッシュは午後8時。フィニッシュ直前のナイトセッションもひと波乱起きそうな予感です。

(写真:松永和浩、高橋秀彰 文:松永和浩)


エヴァンゲリオンカラーで参戦のアンドレア・カルダレッリ「いざ“乗る側”になると……ちょっと不思議な気分」|鈴鹿10H

 鈴鹿サーキットで行われている鈴鹿10時間耐久レースでは、スーパーGTにも参戦中のJLOCは“エヴァンゲリオン”カラーのランボルギーニ・ウラカンGT3で参戦。88号車のドライバー3で今回の鈴鹿10Hに臨むアンドレア・カルダレッリが、その感想を語った。

 昨年まで6シーズンにわたってスーパーGTに参戦していたカルダレッリ。今年はランボルギーニのファクトリードライバーとして、主にヨーロッパを舞台にして活躍している。そのため、鈴鹿サーキットはもちろん、日本にやってくるのは約半年ぶりだと語った。

「今年は日本でレースをしていないから、鈴鹿もそうだし日本に帰ってくるのは6~7ヶ月ぶり。個人的には、日本にいない時期が少し長かったけど、いざサーキットにくると知っている顔ぶれに会えるし、サーキットの雰囲気も変わっていない。今週末をエンジョイできている」

 また鈴鹿サーキットでレースをするのも、昨年8月の鈴鹿1000km以来で、GT3車両で鈴鹿を走るのは初めてとのこと。やはりGT500車両と比べると違いは大きかったという。

「鈴鹿は素晴らしいサーキットのひとつだし、いつも走っていてエキサイティングだと感じている。今回は10時間耐久レースということで、いつもとは戦い方が違う。また、これまで乗っていたGT500とGT3は大きくクルマの特性が異なって、金曜日に初めてドライコンディションで走ったけど、その違いの大きさに驚いた。正直、(GT500と比べると)少しスロー(スピードが遅い)かな……と思った」

「でも、GT3で走る鈴鹿も面白いし、決勝レースも楽しみにしている。でも、今週末はとても暑いから、タフなレースにはなるだろう」

 今回カルダレッリも一員として加わるJLOCは、鈴鹿10H限定でアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』とコラボし、88号車のランボルギーニ・ウラカンGT3が劇中に登場する初号機の紫色のカラーリング、87号車のウラカンGT3には弐号機仕様の赤いカラーリングが施されている。

 スーパーGTではエヴァンゲリオンカラーのマシンに関しては“一緒に走る他の車両の1台”として外側から見てきたカルダレッリ。今回は自身が、初号機カラーのマシンをドライブするということで、少々違和感を感じているそうだ。

「スーパーGTでエヴァンゲリオンのデザインは見ていて、いつも面白いなと思っていた。ずっと外側から、このカラーリングを見ていたけど、今週末はまさか自分がドライブする側になるということで……ちょっと不思議な気分だ」

 そんな#88 JLOCのランボルギーニだが、ドライコンディションとなった金曜日からトップ5に入るタイムを連発した。予選ではポールシュートアウトに進出し、ヨーロッパの強豪チームを相手に15番グリッドを手にした。

「金曜日の走り出しは、コンペティティブだなと感じた。金曜日から上位に来ているのはヨーロッパの強豪チームばかり。今週末のレースのレベルはすごく高いものになるとも思う。その中で、金曜日から彼らに近いタイムを出せているのは自信につながる」

 決勝レースに向けてカルダレッリは、ノートラブルで10時間を走り切りたいと語った。

「予選も重要だけど、僕たちはレースペースの部分にフォーカスして金曜日から走っている。特にキーポイントとなるのがピレリタイヤだ。これをどう扱っていくかも重要だし、何よりレース中にトラブルを起こさないようにしないといけない。同時に10時間を通して、大きなトラブルに見舞われずに走りきれることを願っている」


鈴鹿10時間耐久、決勝の行方は誰も予想がつかない…前夜祭トークショー

鈴鹿10時間耐久レース開催中の25日、グランドスタンド前では前夜祭とも言えるトークショーが開催され、参加したドライバーは一様に、暑い天候のもと、タイヤマネジメントが難しく、誰が勝つのか想像が難しいと語った。

サポートレースを含め、全てのコースイベントが終わった後に、グランドスタンド前でドライバートークショーが行われた。

まず018号車のKCGM(日産「GT-RニスモGT3」)の松田次生、アレキサンドレ・インペラトーリ、千代勝正の3人が登場、「GT3の世界一決定戦に参加できたことが嬉しい」や「ブランパン24時間レースでも最後の最後までどうなるか分からない。この10時間大会も最後までどうなるか分からないので自分たちも楽しみ」と感想を語った。

次に、21号車Audi Team Hitotsuyama(アウディ「R8 LMS」)のリチャード・ライアンと88号車JLOC(ランボルギーニ「ウラカンGT3」)のアンドレア・カルダレッリが登場。

ライアンは「TOP10にも入れたのは嬉しい。ピレリタイヤの使い方を相談したり、アウディカスタマーチームのサポート担当に、マシンの相談をしたりしているけど、勝つのは難しいかもしれない。マシンを労わりながらゴールを目指していきたい」と語った。

カルダレッリも「GT3のファクトリードライバーとして帰ってこられて嬉しいし、ランボルギーニに乗れるのもイタリア人として嬉しく光栄。ランボルギーニのサポート受けて、マシンのセットアップも進んでいると思う。ランボルギーニ、ピレリタイヤとのセットアップは難しいけど、サーキットに関しては自分たちがよく知っているので、よく相談して明日のレースもうまく合わせて行けば良いと思う」と語った。


鈴鹿10時間:日本チーム予選最上位のAudi Team Hitotsuyama。「世界との戦いが大事」と上位を狙う

 インターコンチネンタルGTチャレンジ第3戦・第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レースは8月25日、鈴鹿サーキットで13時から『BBSエキサイティング・アタック』と名付けられた予選が行われた。日本チームでは、Audi Team Hitotsuyamaの21号車アウディR8 LMSが2分02秒810を記録し9番手につけたのが最上位となったが、予選後、リチャード・ライアン、アレッシオ・ピカリエロと組んで参戦している富田竜一郎に話を聞いた。

 スーパーGTでは今季、上位を何度も戦いながら、不運による悔しいレースが続いているAudi Team Hitotsuyamaと富田。今回の鈴鹿10時間では、ピカリエロとWRTのスタッフも加わり、日本勢のなかでも上位の戦いを展開している。

 そのなかで富田は、ドライでの走行初日だった8月24日は、さまざまな要因が重なりニュータイヤがうまく体験できず、「自分のなかでモヤモヤ」していた状態だったが、データを確認しそれを解消。この日はドライバー2の予選でアタックを担当し、「大きなミスを3つほど」していたにも関わらず、2分03秒873をマーク。ドライバー2予選で日本人ドライバー最上位となる8番手につけた。

 最終的にAudi Team Hitotsuyamaの21号車アウディは、Q1合算タイムで8番手につけ、Q2でもライアンが2分02秒810をマーク。9番手につけ、日本チームとしては最上位から明日の決勝を戦うことになった。

 ただ富田は「赤旗さえ出なければグッドスマイルの00号車が速かったと思います。それに日本勢最上位も嬉しいですが、トップ10に残れて良かったと思っています。世界との戦いのなかでどこまで残れるかが大事」と予選を振り返った。

 もちろん富田にとっても、明日の決勝が大事だ。「僕たちが思っているより激しいレースになるでしょうし、最初の2時間くらいはポジションをどこまで失わずにいけるかが大事になると思っています。スーパーGTでは経験できない長いレースですし、チームがどうやって対応していくか」と展望を語ってくれた。

「レースをやるからには勝利しか狙わないですけど、シリーズ戦でもないので、可能な限り上位にいきたいです。できれば表彰台に立ちたいですね」

 チームにとっても、世界の舞台で自分たちの実力を示すことが大きな目標となる。今季の不運をこのレースで払拭し、その実力を示すべく、Audi Team Hitotsuyamaと富田は10時間の長丁場に挑む。


【鈴鹿10時間耐久】初開催、予選を制したのは#28 HubAuto Corsa

第47回サマーエンデュランス鈴鹿10時間耐久レース(鈴鹿10H)の公式予選が25日に行われ、#28 HubAuto Corsaがポールポジションを獲得した。

第1ドライバー予選、第2ドライバー予選、第3ドライバー予選を経て、その合算タイムで21位以下のスターティンググリッドが決定。上位20台は「ポール・シュートアウト」に出走して最終グリッドを決める予選方式となっていたが、コースアウトによるタイム抹消判定の混乱からポール・シュートアウトは4台が追加され24台の出走となった。

ポール・シュートアウト開始直後に#28 HubAuto Corsa(Ferrari 488 GT3)のニック・フォスターが2分1秒740を記録してトップに立ち、終了間際にそのタイムを破るべく各マシンがタイムアタックを行ったが、コースアウトマシンの排除のため赤旗中断に。そのまま終了となり、#28 HubAuto Corsaがポールポジションを獲得した。2番手は#888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racing(Mercedes-AMG GT3)、3番手は#27 HubAuto Corsa(Ferrari 488 GT3)。

日本勢では吉田広樹が乗るポールポジションの#28 HubAuto Corsaを筆頭に#21 Audi Team Hitotsuyama(Audi R8 LMS)が9番手、#11 GAINER(NISSAN GT-R NISMO GT3)が10番手につけた。

26日に行われる、記念すべき初の鈴鹿10H決勝レースは10時にスタート。10時間後の20時にチェッカーが振られる。

■鈴鹿10Hポール・シュートアウト結果(トップ10)

1. #28 HubAuto Corsa/2分1秒740

2. #888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racing/2分2秒037

3. #27 HubAuto Corsa/2分2秒080

4. #75 Sun Energy 1 Racing AUS/2分2秒300

5. #23 KCMG/2分2秒415

6. #911 Manthey-Racing/2分2秒425

7. #07 Bentley Team M-Sport/2分2秒477

8. #17 AUDI SPORT TEAM WRT/2分2秒597

9. #21 Audi Team Hitotsuyama/2分2秒810

10. #11 GAINER/2分2秒832


今までのサーキットではない夏らしさ。泡、デコトラ、浴衣レースクイーン……鈴鹿10H刺激的光景&予選日トピックス

 これまでの鈴鹿1000kmに代わって新たな試みとなった鈴鹿10時間耐久レース、通称鈴鹿10H。コース上の戦いだけでなく、トラックの外でも新しい刺激的なイベントが盛りだくさん。今までの鈴鹿サーキットのイメージを覆すような一面も見えた予選日のイベントの一部と、コース内外のトピックをお届けします。

 まずはこちら、今回の鈴鹿10Hの目玉位弁のひとつ、泡イベント。メインはもちろん決勝日の日曜ですが、土曜日の時点でも泡スライダーなどは大人気。子どもたち、間違いなくテンション上がりますよね~。

 そしてこちらが泡(?)オフィシャルグッズ。一番人気はタオル類で、土曜日はチケットホルダーも売れたのだとか。一番のオススメは、Tシャツ。なんと一枚一枚、ハンドメイドで染めているのだという。


 ちなみに、鈴鹿10Hのロゴが入った公式Tシャツは土曜日の午前中で売り切れという人気ぶりでした。

 パドックに戻りまして、今日の予選日もかなりの酷暑でした。サマーエンデュランスだけに、キャラクターたちも大変そうです。

 こちらはTEAM UPGARAGEのアップちゃん。扇風機を抱えて離さない様子を激写致しました。

 一方、酷暑の中でも涼しげなレースクイーンたち。

 浴衣姿、癒やされます。

 ポールポジションはニック・フォスター/デイビッド・ベレル/吉田広樹組ハブオート・コルサの28号車フェラーリ488 GT3。『BBSエキサイティング・アタック』と名付けられた予選だけに、BBSホイールが授与されます。

 予選の車検中のピット。ベントレーのガレージ内にはカーペットが敷かれていて高級感ありあり。丁寧に掃除機を掛けるメカニックの姿になぜか癒やされます。


 アウディTeam WRTもカーペットあり。こういった見せ方はヨーロッパのチームは上手ですよね。

 一方、アメリカからの参戦、ブラックスワン・レーシング。国旗がデカすぎます。前、見づらくないかな。

 そして土曜日、さまざまな意味で予選並に注目度の高い、デコトラピットウォーク。

 写真を見ておわかりのとおり、もはや、今までの鈴鹿サーキットの空間ではありません。

 このハンパないトランスフォーマー感。なぜかテンション上がりますし、それ系の方たちもたくさん訪れておりまして新たなユーザーに来場して頂いた感があります。

 作業中の外国人メカニックたちも手が止まり、気になって仕方ありません。これぞ、ジャパニーズ・トラディショナル・アート。


 最後はまた、レースクイーンの方たちに癒やされて、明日の決勝10時間、みなさんで楽しみましょう!


吉田「大事なのはレース。明日はワン・ツーで戻ってきたい」/鈴鹿10時間予選後会見

 インターコンチネンタルGTチャレンジ第3戦・第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レースは8月25日、鈴鹿サーキットで13時から『BBSエキサイティング・アタック』と名付けられた予選が行われた。予選でトップ3を獲得したドライバーたちが予選、そして明日の決勝に向けて語っている。

■ポールポジション/#28/ハブオート・コルサ/フェラーリ488 GT3
ニック・フォスター
「今回の鈴鹿10時間は、本当に強いチームが集まっているレースだと感じている。僕たちはブランパンGTシリーズ・アジアで戦っているから、自分はこのコースを知っていたけど、ヒロキ(吉田広樹)がフェラーリが初めてだし、デイビッド(ペレル)は鈴鹿が初めてだった。そのなかでトップ20シュートアウトに進出してきてくれて、こうしてポールポジションが獲れたことに、チームの努力も含めて感謝しているよ。100万円の使い途は、まずはチームとの契約を確認しないとね(笑)」

デイビッド・ペレル
「信じられない結果だね。嬉しく思うよ。ニック(フォスター)が素晴らしいタイムを出してくれたし、クルマは本当に乗りやすかった。僕自身は今回参戦するのが決まったのがギリギリだったんだけど、呼んでもらって光栄だね。明日は長いレースなので、大事なことはトラブルに巻き込まれないことだと思う。そのためにもベストを尽くしたいね」

吉田広樹
「このレースに出ると決まったのが急でしたし、僕はそれほど英語が得意ではないので、海外のチームに不安はありましたが、走り出しからクルマは乗りやすかったです。それにこの結果が示すとおり、チームの総合力が高いのも感じましたし、経験があるニック、デイビッドがいろいろとアドバイスをくれました。今回はニックが素晴らしいアタックをしてくれましたが、ポールポジションを獲れるとは思ってもいませんでした。すごく嬉しいですが、大事なのは明日の長いレース。10時間後にしっかりまたこの場所に戻ってきたいですし、チームとして今はトップと3番手なので、ワン・ツーで戻ってこられるようにしたいです」

■予選2番手
#888/メルセデスAMG・チーム・グループMレーシング/メルセデスAMG GT3
マーロ・エンゲル
「今回、ラファエルが素晴らしいアタックをしてくれたと思うよ。まずポールポジションを獲得したチームには、この場を借りておめでとうと言いたい。僕たちはベストを尽くして2番手に来られたのは良かったし、ロングランもできたから、コースには慣れたと思っている。明日は長いレースだけど、今度は表彰台の真ん中で終わりたいね。それに付け加えて、日本のファンの皆さんに本当に感謝したい。すでにたくさんのサポートをもらっているからね」

ラファエル・マルチェッロ
「今のところはとてもいい週末になっている。予選の順位はあまり意味がないかもしれないけど、2番手は嬉しいね。レースが重要だし、明日に向けて集中力を高く保ち、頑張りたいと思っているよ」

トリスタン・ボーティエ
「鈴鹿を走るのは初めてだったけど、今のところはコースも素晴らしいし、日本の皆さんのあたたかい歓迎を受けて楽しめているよ。クルマは強力で、チームに感謝している。ラファエルのアタックは素晴らしかったね。明日は長いレースだけど、タイヤのデグラデーションが重要になると思う。路面温度の差が激しくなるだろうし、そのなかでどう戦略を練っていくかがポイントになると思う。僕たちはインターコンチネンタルGTチャレンジのポイントもかかっているので、ベストを尽くしたいね」

■予選3番手
#27/ハブオート・コルサ/フェラーリ488 GT3
ダビデ・リゴン
「まずはチームメイトにおめでとうと伝えたい。今回僕たちは3人とも鈴鹿は初めてだったんだけど、僕自身はすごくスムーズに走ることができていたので、ポールポジションが獲れると思っていたんだ。でも、ニックのタイムは本当に素晴らしいものだったから仕方ないね。僕たちが3人力を合わせればいいパフォーマンスを出せると思うし、明日はいいレースができると思う。レースペースもいいからね。3番手からのスタートだけど、レースが大事だ。明日に向けて集中を高めたいと思うし、僕は鈴鹿が大好きになったから、ここで走れることを光栄に思っているよ」

ミゲル・モリーナ
「3番手を得ることができたのは素晴らしい気分だね。2列目からスタートできるのはレースに向けて大切なことだ。昨日からクルマを仕上げてきて、鈴鹿に合ういいセットアップができていると思う。それに鈴鹿サーキットで走ることができるのはとても嬉しいよ。ヨーロッパにもこういう素晴らしいコースがもっとあればいいと思うくらいだ。そしてこの場を借りて、ハブオート・コルサに感謝したいと思う。彼らのおかげで僕たち全員が記者会見に来ることができたし、いい時間を過ごしている。明日は10時間レースで、体力面でも精神面でもタフな1日になると思う。ベストを尽くすことが重要だ。また、明日はタイヤマネージメントが大切になると思うので、それを今から考えていきたい」

マット・グリフィン
「今日はフェラーリにとって素晴らしい1日になったね。まずは28号車のポールポジションにおめでとうと言いたい。ニックはずっと素晴らしいパフォーマンスをみせているからね。僕たちはどちらかというとレースペースを考えているので、こうして3番手につけられるとは思っていなかったよ。僕たちは相性がいいチームに仕上がっていると思うし、明日のレースに向けても自信がある。僕自身はアジアで戦っているから、この環境にも慣れている。鈴鹿も愛しているし、今回参戦できて嬉しく思っているよ」


記念すべき鈴鹿10時間初のポールポジションは吉田組ハブオートのフェラーリが獲得!

 インターコンチネンタルGTチャレンジ第3戦・第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レースは8月25日、鈴鹿サーキットで13時から『BBSエキサイティング・アタック』と名付けられた予選が行われた。ポールポジションを獲得したのはニック・フォスター/デイビッド・ベレル/吉田広樹組ハブオート・コルサの28号車フェラーリ488 GT3がポールポジションを獲得した。

 非常に強い日射しのもと、ひさびさに真夏の暑さが戻ってきた鈴鹿サーキット。この日は『BBSエキサイティング・アタック』のみが行われるスケジュールとなっており、Q1ではドライバーが15分ずつのセッションでそれぞれタイムを記録、3人のドライバーのタイム合算で、上位20台が15分間行われるQ2でのポールポジションシュートアウトに臨む仕組みとなっていた。

 多くのドライバーからは、グリップがいい状態は4~5周というコメントが聞かれており、序盤から積極的にアタックが展開されていくものの、35台という台数からトラフィックがあり、そのタイミングが重要となった。

■Q1/ドライバー1
 13時にスタートしたドライバー1の予選では、終盤に向けニック・フォスターがアタッカーを務めたハブオート・コルサの28号車フェラーリ488 GT3が2分02秒台に入れていく。次いでローレンス・ファントールがアタックしたクラフト・バンブー・レーシングの991号車ポルシェ911 GT3 Rが続いた。

 そんななか、チェッカー周に千代勝正がドライブしたKCMGの018号車ニッサンGT-RニスモGT3が2分03秒007を記録し2番手に浮上するも、本来千代はドライバー3の登録枠だったことから、ベストタイム抹消。最終的に28号車フェラーリが首位、2番手にはダビデ・リゴンがアタックした27号車フェラーリが2番手。3番手には991号車ポルシェが続いていたが、トラックリミットで抹消となり、3番手には元嶋佑弥がアタックしたJLOCの87号車ランボルギーニとなった。

■Q1/ドライバー2
 13時30分にスタートしたドライバー2の予選では、デイビッド・ベレルがドライブした28号車フェラーリが2分03秒553でトップに。これにチームメイトの27号車を駆るマット・グリフィンが続いていく。

 終盤、2分03秒087をマークしトップに浮上したのは、メルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの888号車をドライブするマーロ・エンゲル。しかし、残りわずかというところで2分02秒760をマークし再逆転したのはベレルの28号車フェラーリ。エンゲルの888号車メルセデスAMGが2番手、マキシイリアン・ゴーツがドライブしたメルセデスAMG・チーム・ストラッカ・レーシングの43号車が3番手に続いた。

 4番手にはフレデリック・マコウィッキがアタックした911号車ポルシェ911 GT3 Rがつけ、5番手にはフェリペ・フラガがアタックしたストラッカ・レーシングの42号車メルセデスが続いた。ドリス・ファントールがアタックしたアウディスポーツ・チームWRTの66号車アウディが6番手。日本勢では、マルコ・マペッリがアタックしたJLOCの88号車ランボルギーニが7番手。富田竜一郎がアタックしたAudi Team Hitotsuyamaの21号車アウディが8番手につけている。

■Q1/ドライバー3
 14時からスタートしたドライバー3の予選。序盤、66号車アウディを駆るフレデリック・ベルビシュが2分03秒162をマークしトップに浮上。さらに後半に向けて、目まぐるしく順位が変動していき、残り3分を切ったところで、ラファエル・マルチェッロがアタックした888号車メルセデスがこのタイムを塗り替えていった。

 最終的にドライバー3では888号車メルセデスがトップタイム。66号車アウディ、ミゲル・モリーナがアタックした27号車フェラーリが3番手に。合算でトップを守り続けていた28号車フェラーリは、最後のアタックを務めた吉田広樹が4番手につけた。

 ただ、この予選は3人のドライバーの合算で争われる。最終的にトップ20シュートアウトに首位で進出したのは28号車フェラーリ。888号車メルセデスが2番手、27号車フェラーリが3番手で続き、66号車アウディが4番手。ドライバー3人がきっちりとタイムを揃えてきたメルセデスAMG・チーム・グッドスマイルの00号車が5番手となった。

■Q2/シュートアウト
 3人のドライバーのタイム合算で上位20台が進出するはずだったシュートアウトは、トラックリミットの審議により当初予定から55分間スタートが遅れ、24台が出走する形式に改められた。15時40分から、各車がドライバーカテゴライズ上位の1名のドライバーを選出し15分間のアタックが展開されていく。

 まず2分01秒930と、この週末の最速を叩き出したのはニック・フォスターの28号車フェラーリ。これにダビデ・リゴンがアタックした27号車フェラーリが続き、ハブオート・コルサがワン・ツーを占めていった。

 終盤、残り2分というところでラファエル・マルチェッロ駆るメルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの888号車メルセデスが2番手へ。さらに、小林可夢偉駆るメルセデスAMG・チーム・グッドスマイルの00号車もセクターベストをつけアタックを展開していった。

 しかしそのタイミングで、「前の周で四輪脱輪していたのが分かっていたのでアタックをかけていったのですが、オーバースピードで入ってしまった」という小暮卓史がドライブしていたModulo Drago CORSEの34号車ホンダNSX GT3がデグナーでコースアウト。グラベルにはまってしまい、赤旗中断に。そのまま予選は終了となった。

 これでニック・フォスター/デイビッド・ペレル/吉田広樹組28号車フェラーリが記念すべき鈴鹿10時間初のポールポジション、BBSアワードと賞金100万円を獲得。888号車メルセデスが2番手、27号車フェラーリが3番手と、ブランパンGTシリーズ・アジア参戦チームがトップ3を占める結果となった。日本チームでは、Audi Team Hitotsuyamaの21号車アウディが9番手につけた。


鈴鹿10H予選|審議による中断や赤旗など、波乱連続となった予選、28号車HubAutoフェラーリがポールポジションを獲得

 鈴鹿サーキットで開催中の鈴鹿10時間耐久レース。波乱続きの展開となった公式予選「BBSジャパンエキサイティングアタック」が行われ、#28 HubAuto Corse(ニック・フォスター/デイビッド・ベレル/吉田広樹)がポールポジションを獲得した。

 BBSジャパンエキサイティングアタックは、3人のドライバーそれぞれに15分のセッション時間が設けられ、3人のドライバーが記録したベストタイムの合計で順位が決定。そのうち、トップ20台は「ポールシュートアウト」に進出し、グリッドを決定するというシステムで行われた。

 気温30度を超える真夏日の中、13時00分にセッションがスタート。まずはドライバー1の公式予選が行われた。

 15分と限られた時間の中で35台が同時にコースインするため、コース各所で前のマシンに引っかかって思うようにアタックができないマシンが続出。特にGT3マシンが30台以上出るレース経験が少ないドライバーは、トラフィックに頭を悩ませながらアタックをするシーンが見られた。

 その点では海外チームの方が慣れており、続々と上位に名前を連ね、#28 HubAuto Corseがトップタイムでセッションを終えた。

 しかし、ドライバー1の予選終了後にトラックリミット(4輪脱輪)で該当タイムを抹消されたドライバーが多発。ニュルブルクリンク24時間レースを制した#911 Manthey-Racingや、今回の本命チームでもあった#888 Mercedes-AMG GruppeM Racingをはじめ、11台が対象となり該当ラップタイムが抹消。総合順位でも下位に沈むことになり、いきなり波乱模様の展開となった。

 その中でも好調だったのが#28 HubAuto Corsaのフェラーリ488GT3。ドライバー1のニック・フォスターが2分02秒335を記録すると、ドライバー2のデイビッド・ベレルも2分02秒760を記録。この時点で合計タイムで総合2番手以下に合計タイムで2秒以上の差をつけた。

 そしてポールシュートアウトをかけたドライバー3の予選では、#00 Mercedes-AMG Team GOOD SMILEの小林可夢偉が2分03秒545をマークし、日本チームでは最上位となる総合4番手に押し上げた。

 その他の日本勢も続々とトップ20圏内に進出。#21 Audi Team Hitotsuyama、#11 GAINER、#88 JLOC、#7 D’station Racing、#34 Modulo DRAGO CORSE、#10 Honda Team MOTUL、#8 ARN Racingがポールシュートアウト出走圏を獲得した。

 一方、ドライバー1予選でトラックリミットによりタイムを抹消された#911 Manthey-Racingが22番手、#888 Mecedes-AMG Team GruppeM Racingは30番手となった。

 本来なら14時45分からポールシュートアウトが行われる予定だったが、各予選セッションでのトラックリミットを再審議することがレースコントロールから発表された。審議が思いの外時間がかかり、当初の予定より55分もスタートがディレイした。

 審議の結果、当初は20台でポールシュートアウトが行われる予定だったが、急きょ24台に参加台数が変更され、#911 Manthey-Racing、#888 Mecedes-AMG Team GruppeM Racingも進出を果たした。

 15時40分から行われたポールシュートアウト。まずは復活を果たした#911 Manthey-Racingのフレデリック・マコヴィッキィが2分02秒425を記録したが、これを上回ったのが#28 HubAuto Corsaのフォスター。2分01秒740という今週末最速のラップタイムを記録しトップに浮上。そこに同じチームも#27 HubAuto Corsa(ダビデ・リゴン)も2分02秒080で一時2番手に入るが、#888 Mecedes-AMG Team GruppeM Racing(ラファエル・マルチェッロ)が2分02秒037を叩き出し2番手に食い込んだ。

 一方、日本勢はスーパーGTの予選のように残り8分を切ったところでコースイン。残り時間ギリギリのところでタイムアタックを行なった。しかし、#34 Modulo DRAGO CORSE(小暮卓史)がデグナー1つ目でスピン。グラベルにマシンを止めてしまったため、残り1分21秒のところで赤旗中断に。ちょうど#00 Mercedes-AMG Team GOOD SMILE(小林可夢偉)が前半セクターで好タイムを出しタイムアタック中だったが、無念にも中断せざるを得なくなった。

 ポールポジションは、#28 HubAuto Corseに決定。今回ドライバーを務めるフォスター、ベレル、吉田広樹の3人がBBSジャパンポールポジションアワードを受賞。さらにポールポジション賞として賞金100万円を受け取った。


初開催の鈴鹿10時間耐久レース、5000本のタイヤをピレリが供給。「アジア圏での存在感を高めたい」

 8月23日に鈴鹿サーキットで開幕したンターコンチネンタルGTチャレンジ第3戦・第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レース。このイベントにワンメイクタイヤサプライヤーとして参画しているピレリは「初開催の鈴鹿10時間を通じて、アジア圏とGTレース界での存在感を高めたい」としている。

 FIA-GT3カーの世界一決定戦という位置づけで、2018年に初開催を迎えた鈴鹿10時間。記念すべき第1大会には世界各国から計35台のGT3マシンが集まった。

 このGT3マシンの足元を支えるのはF1でワンメイクタイヤサプライヤーを務めているピレリ。この週末は5000本近いP Zero DHD2タイヤを鈴鹿に持ち込んでいるといる。

 2018年はスーパー耐久でもワンメイクタイヤサプライヤーを務めるピレリは、日本市場を「アジア圏で2番目に重要なマーケット」と位置づけており、2018年のモータースポーツ活動拡充プランのなかでも日本を最重要視している。

 この鈴鹿10時間には全車に同一規格のP Zero DHD2タイヤが供給され、大会運営側はBoP(性能調整)をより公平に課すことが可能となる。またこのタイヤはスパ24時間やブランパンGTシリーズ・アジアでも使用されているもので、これらのレースに参戦しているチームは、手持ちのタイヤデータを活用できることになる。

 ピレリのサーキット・テクニカルマネージャーを務めるマッテオ・ブラガは「世界的にも象徴的なサーキットで行われる鈴鹿10時間第1回大会で、我々はアジア圏とGTレースでの存在感をさらに高める事ができる」と述べている。

「このレースはドライバーとマシン、そしてもちろんタイヤにも大きなチャレンジとなる。この1戦に我々はすでに高い信頼を得ているP Zero DHD2タイヤを持ち込むことにした。このタイヤは先日のスパ24時間でもパフォーマンスを示しているものだ」

「このタイヤは耐久性とパフォーマンスを兼ね備えていて、記録と記憶に残る鈴鹿10時間の週末をとおして、重要な働きを担うだろう」


Posted at 2018/08/26 22:23:40 | コメント(0) | トラックバック(1) | 自動車業界あれこれ | 日記
2018年08月26日 イイね!

サザビーズで何億になるやら?

サザビーズで何億になるやら?動画公開 ポルシェ993ターボS復刻 991ターボSエクスクルーシブと登場

公式復活の993ターボS 動画が公開

「911ターボSエクスクルーシブ・シリーズ」にオマージュを捧げるゴールドカラーが目を引くワンオフのポルシェ993ターボS。ポイントは以下のとおり。

・ポルシェ・クラシックが公式に1台のみ復刻
・3.6ℓ水平対向6気筒ツインターボは450ps
・10月のRMサザビーズ・オークションに出品

公式に全貌が明らかになった際に、動画も公開された。





ポルシェ993ターボSを復刻 「プロジェクト・ゴールド」 公式レストモッド 写真14枚

ボディシェル以外、すべて新品

ポルシェが、ワンオフのポルシェ993ターボSを発表した。

オリジナルのボディシェルに、ポルシェ・クラシックによる新パーツを組み合わせたレストモッド車だ。

「クラシック・シリーズ」を名乗る993世代の911ターボSは、サーキットユース専用のワンオフ作品で、プロジェクト・ゴールドという名前を与えられた。

オリジナルパーツをそのまま使ったのは、なんとボディシェルだけだという。

それ以外のおよそ6500ものパーツは、ポルシェ・クラシックにより近年製造されたもの。これには、450psを発揮する3.6ℓ水平対向6気筒ツインターボ、四輪駆動システム、ギアボックスも含まれる。


1台のみ 買うことができる?

ゴールドのペイントは、昨年発表された「911ターボSエクスクルーシブ・シリーズ」にオマージュを捧げるもの。車内はブラックを基調とし、金色のステッチや黒のホイールでアクセントをつけている。

アッセンブルする前に、耐腐食の処理を行い、ボディシェルも念入りに塗装を行った。

オリジナルの993ターボSと同じパフォーマンスのエンジンを搭載するプロジェクト・ゴールドは、0-97km/h加速も3.7秒という同一スペックだ。

シャシーナンバーは、1998年に製造された993ターボの最後の固体から1を足したもの。345台のみターボSは製造されたため、プロジェクト・ゴールドのナンバーは346となる。車内にはワンオフ・モデルであることを示す、「1 of 1」というプレートが備わるという。

1台だけのプロジェクト・ゴールド。なんと10月のRMサザビーズ・オークションに出品される見込みだ。



ポルシェ993ターボ 現代版が公式復活 3.6ℓフラット6搭載 450ps発生

3.6ℓフラット6搭載 450ps発生

8月7日に報じた、タイプ993の911ターボを、レストアおよび現代風にアレンジするポルシェのプロジェクトについて、追加情報が発表された。

「プロジェクト・ゴールド」と呼ばれる本案件の主役たるモデルは、まだヴェールに包まれている一方で、エンジンは3.6ℓのフラット6を採用。その出力は450psを発生するというのだ。

なお、プレビュー動画やスケッチについては「ポルシェ 993ターボのレストモッド 「プロジェクト・ゴールド」 8/24発表」からご覧いただける。



ポルシェの「極秘」旧車プロジェクト、新生産の450hpツインターボ搭載へ

ポルシェは8月17日、トップシークレットの旧車プロジェクト「クラシック・プロジェクト・ゴールド」に関して、搭載されるエンジンを発表した。

この新プロジェクトは、ポルシェの旧車部門、「ポルシェクラシック」が手がけるもの。ポルシェクラシックは、ポルシェの旧車に関して豊富なノウハウを持ち、レストアや修理、パーツ供給などを行っている。

現時点でクラシック・プロジェクト・ゴールドについて判明しているのは、「最後の空冷ポルシェ」として人気の高い「993型」ポルシェ『911』(1993~1997年)をベースにしたプロジェクトである点のみ。

ポルシェは今回、クラシック・プロジェクト・ゴールドの搭載エンジンを発表。このプロジェクトのために、3.6リットル水平対向6気筒ガソリンツインターボエンジンを、新たに生産することが公表された。

また、この新エンジンのスペックは、最大出力が450hpと発表。993型ポルシェ911ターボの最大出力408hpを上回るパワーが与えられることになる。


1台限定だからこそっていうのもあるんだろうけど、オークションの落札されたあとどうなるのかな


ポルシェ「極秘」旧車プロジェクト、全貌発表…最後の空冷 911 ターボを20年ぶりに新車で

ポルシェは8月24日、トップシークレットで進めてきた旧車プロジェクト、「クラシック・プロジェクト・ゴールド」の全貌を発表した。

この新プロジェクトは、ポルシェの旧車部門、「ポルシェクラシック」が担当。ポルシェクラシックは、ポルシェの旧車に関して豊富なノウハウを持ち、レストアや修理、パーツ供給などを行っている。

クラシック・プロジェクト・ゴールドは、「最後の空冷ポルシェ」として人気の高い「993型」ポルシェ『911』(1993~1998年)をベースにしたプロジェクト。993型の頂点に立っていた『911ターボ』を、生産終了から20年が経過した今、ポルシェが993向けに用意する6500点以上の新品パーツを使って、新たに組み上げている。

中でもポルシェはこのプロジェクトのために、3.6リットル水平対向6気筒ガソリンツインターボエンジンを、新たに生産。最大出力は450hpと、345台が限定生産された993型ポルシェ『911ターボS』と同じスペックが与えられた。

また、マニュアルトランスミッションと4WDパワートレーンも、ポルシェクラシックの純正パーツを使用。シャシー番号は、1998年に生産を終えた993型911ターボの最後の1台に続くナンバーとした。

なお、ポルシェは、この993型911ターボを1台のみ生産し、チャリティオークションに出品する予定。中古市場で人気の高い993型ポルシェ911が新車で購入できるとなれば、高値が付くと予想される。



ポルシェ、タイプ993の911ターボを純正パーツで復元

独ポルシェは8月24日、最後の空冷モデルであるタイプ993の911ターボを、オリジナルパーツを用いて新たに製作したと発表した。

ポルシェのレストア部門「ポルシェ・クラシック」が、1年半をかけてタイプ993を現代に蘇らせた。「プロジェクトゴールド」と名付けられた今回の計画は、メーカー創設70周年の節目を記念するとともに、「タイカン」でピュアEVの世界に踏み出すポルシェにとって重要な意味を持つ“伝統”を改めてアピールするもの。

公開された“新型”993ターボは、現行型「911ターボS エクスクルーシブ」と同じゴールデン イエローメタリックにペイントされ、生産終了20年を経たモデルとは思えない新鮮な輝きを放つ。用いられたパーツは純正品で、ポルシェはビンテージカー用に5万2000ものパーツをストック。タイプ993用パーツだけでその数は6500におよび、それらの純正パーツをセレクトして組み上げているのだ。もちろん最新の塗装を始めとする生産工程は現代の技術が取り入れられている。

パワーユニットなども忠実に再現され、新規に組み上げられた3.6リッター水平対向6気筒ユニットは、オリジナルとまったく同じ450馬力を発生し、マニュアルトランスミッションを介して4輪を駆動。また、タイプ993が世界初採用した中空スポークホイールもブラックペイントにゴールドのアクセントで足元を引締めている。さらに、1998年にロールオフしたタイプ993のファイナルモデルに続くシャシーナンバーが刻印されるというから、ファンにはたまらない仕上がりだ。

実車は9月27日に米ラグナ・セカで行われるヒストリックポルシェの一大イベント「ポルシェ・レンシュポルト・リユニオン」でワールドプレミアされた後、10月27日にはRMサザビーズ主催のオークションにかけられる予定。売上げはポルシェ70周年を記念して設立されたNPO法人「フェリー・ポルシェ基金」に寄付されることとなる。このスペシャルモデル、残念ながら公道走行は不可能なようだが、コレクターズアイテムとして評価の高いタイプ993だけに落札価格は天井知らずになりそうだ。



なぜポルシェが993型ターボSをレストアし、金ピカの「新車」を作ったのか

残されていた1台の「993」

そもそもコトの始まりは、今からおよそ2年前に遡るらしい。

ポルシェの特別オーダーを引き受ける「ポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥール」と、そこに近接するクラシック専門の「ポルシェ・クラシック」の両陣営のスタッフが、1台ぶんだけファクトリーに残されていた993型ポルシェ『911ターボ』ボディの活用方法を巡り、互いにいろんなアイデアを出し合ったという。

どうせなら、そのスペアボディを使って70周年の年に発表できるような特別なモデルを創ることはできないだろうか。ちょうど特注部門では、現行型『911ターボS』の限定モデルの計画があった。のちに、「911ターボSエクスクルーシブ」として登場する、世界限定500台の“スーパー”ポルシェターボだ。それとイメージを共有するというのは、どうだろう?

一方、ポルシェ本体は本体で、70周年を盛大に祝うべく、『タイカン』という名の“未来のポルシェ”をカタチにしつつあった。けれども、ポルシェにはこれまでも、そしてこの先も、ヘリテージを守りぬくブランドであり続けるという、強い意志もまたあった。自らの歴史を顧みないブランドに未来はないことを知っているのだ。

過去を盛り上げながら、未来を率先して切り開くブランドになる。それがポルシェの理想というわけだ。

明かされた「プロジェクト・ゴールド」

残されていた993ターボのスペアボディは、その姿勢を示す、ひとつの手段として活用されることになった。よく知られているように、ポルシェ911の現存率は驚くほど高い。一説ではこれまでに生産された911の実に7割以上が現在もまだ存命で走行可能なコンディションにあるという。

ポルシェは、そんなクラシックモデルのオーナーたちが困らないように、純正パーツのストックに熱心に取り組んできた。否、熱心だからこそ、それだけの911が生き残っているのかもしれない。

そんなポルシェの、クラシックモデルへの取組みをアピールする絶好のチャンスとばかりに企画されたのが、謎の「プロジェクト・ゴールド」だった。

ポルシェファンなら先刻承知のことだろう。8月までの数週間に渡り、「プロジェクト・ゴールド」の内容は、公式サイトにて少しずつ明らかにされてきた。そして、その成果は、「ペブルビーチ・コンクールデレガンス」や「ラグナセカ・モータースポーツ・リユニオン」といった名だたるビッグイベントが開催されるモントレーカーウィークにおいて、ポルシェのロイヤルカスタマーたちの前で披露される、ともアナウンスされていた。

「新車」として作られた993ターボS

翌日からいよいよビッグイベントが目白押しとなる木曜夜、モントレー半島にある最も標高の高いゴルフコースのひとつ、テハマ・ゴルフクラブで、そのプレミアは行なわれた。

ゴールデン・イエロー・メタリックにペイントされた911ターボSエクスクルーシブの横に、同じ色にペイントされて鎮座していたのは、懐かしい993型の911ターボS、だった(実は筆者も993ターボに乗っていた)。

もっとも、懐かしく見えるのは、見た目だけだった。実はこの個体、残されていたホワイトボディをベースに、改めて組み立てた、と言ったほうが正しい。

5万2000点もの豊富な在庫を誇る純正パーツのなかから、993シリーズ用をかき集めて、450psを発揮するターボS用3.6リットル空冷水平対向エンジンはもとより、6速マニュアルトランスミッションや4WDシステムなども、新品が組み込まれているのだ。

つまり、この金色に輝く993ターボSは、単なるレストレーションではなく、またプリザベーションでもなく、ポルシェが2018年に改めて造り上げた、993ターボSの“新車”というわけだった。

そのため、モントレー半島で発表された個体には、98年にロールオフした最後の993ターボの続きの車体番号が刻印されることになったという。ちなみに、993ターボSそのものの生産台数は、わずかに345台である。

詳細は写真をご覧いただきたい。前述したように、このプロジェクトはエクスクルーシブ部門との共同企画である。ゴールデン・イエロー・メタリックのボディカラーは500台限定の911ターボSエクスクルーシブのテーマカラーだ。ホイールにはブラックのトップコートをレーザーでリング状にキレイに剥がし、中からゴールドを浮き上がらせるという凝った処理が施されている。インテリアにもゴールドが随所に映えていた。実際、その質感は非常に高く、クラフツマンシップに溢れていた。

手に入れるチャンスは誰にでもある

ひとつだけ、残念な点を挙げておくと、このクルマを公式に登録することはできないという。この個体を手にした幸運なカスタマーは、ガレージに収めて眺めるか、クローズドな場所で乗って楽しむほかない。

ポルシェが造った最新かつ最後の993ターボS。993ターボSそのものの価値が驚くほど上昇した今、その価値は計り知れない。ナンバーが付かないからといって、安くなることはないだろう。たった一台かぎりの存在なのだから。

さぁ、どなたかこの個体を手に入れたいと思った人はいないだろうか?実を言うと、このクルマを手に入れるチャンスは誰にでもあるのだ。希望者は、10月、アトランタのポルシェ・エクスペリエンス・センターで開催されるRMオークションに出席することを検討されたい。ゴールドの993ターボSは、そこで、チャリティオークションに掛けられるという。
Posted at 2018/08/26 21:42:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | ポルシェ | 日記

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