![[ニューモデル]トヨタ・MIRAI(ミライ) 世界初の量産型燃料電池車 [ニューモデル]トヨタ・MIRAI(ミライ) 世界初の量産型燃料電池車](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/034/933/028/34933028/p1m.jpg?ct=b54c061642cd)
すっかり遅くなりましたが、2015年の初投稿です。さて、昨年の自動車業界にとって一番のニュースはいよいよ一般販売が開始された燃料電池車のトヨタ・MIRAI(ミライ)だったかもしれない。恐らく、ずっと先の時代になって過去を振り返る時、2014年のページには「燃料電池車MIRAIが発売された」と書かれるだろうね。
2007年に発表され、翌2008年に生産が開始されたホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」は限られた顧客に対し、リースというカタチで提供された。当時もし市販化したとすれば、1億円/台以上と言われたものだが、トヨタ「MIRAI」は723.6万円とギリギリ現実的な価格に収まった。補助金を活用すれば、実質的に500万円台で入手可能らしい。水素ステーションにストレス無くアクセス可能な環境であれば、不人気な大型セダン(ガソリンエンジン)に500万円以上払うよりも、いっそ燃料電池車を買ってみようかと考えても不思議では無い。そう言う先進的なユーザーがいなければ市場が育たないのも事実。以前の日本人は総じて新しいモノ・技術を好む風土があった様に思うが、永く続く不況と少子高齢化の影響か、手堅くこなれた商品しか受け入れられない風潮は寂しい。まぁ結局の所はニワトリと卵。水素ステーションの数が増え、燃料(水素)の販売価格がこなれて来れば普及期に入るのだろう。
燃料電池について詳しく解説は出来ないが、水素をタンクに入れ、空気中の酸素と反応させる事で電力を発生させ、水を排出する。水素は水を電気分解する事で得られるから、理論上の埋蔵量は無限大。しかし、現実的には電気分解するための電力に多大なエネルギーを消費する。技術革新が進み、各家庭のソーラーパネルで発電したエネルギーを基に水道水を電気分解し、燃料電池に水素を供給する様な仕組みが完成したら世の中は変わるだろう。まぁそれは夢の話。当面は石油燃料と比較してコストメリットが有るかが興味のポイントであろう。
燃料電池車は水素と酸素で「発電」するシステムであるから、発電した以降は完全な電気自動車である。一般的な電気自動車は航続距離が短い事がネックだが、燃料電池車の「MIRAI」は3分程度の水素の充填で走行距離約650km(JC08モード走行パターンによるトヨタ測定値)を発揮する。これならば、ガソリンエンジン車の代替として普及しそうな性能ではある。
現時点で燃料電池車「MIRAI」をあれこれ評価する段階では無く、電気自動車と並ぶ「未来の自動車」として、この国の道を走り始めたと理解すべき。トヨタに期待するのは酷だろうが、経済性だけでは無く、走りの楽しさも忘れずに開発を進めて欲しいものだ。私がトヨタを好きか嫌いかという些末な問題はさておき、燃料電池車「MIRAI」が日本の企業から生み出され、発売にこぎ着けたことは文句なしに称賛に値する。1997年にハイブリッドカーの元祖となる初代「プリウス」を生み出したトヨタ。一方で悲しくなる様な手抜きモデルを平気で発売するトヨタ。不思議な会社である。
さて、トヨタ「MIRAI」のスタイリングについてはどうだろうか。「MIRAI」の名前の通り、従来のガソリン車に埋もれてしまうコンサバなデザインは避けたかったのだろうが、さりとて「先進的でカッコイイ」と表現するには躊躇がある。不可解なデザインを採用し、あまり売れない様に仕込んだのでは無いだろうから、もう少し夢があって憧れを感じる様な美しいデザインが出来ないものだろうか。トヨタのデザイン下手は仕方が無いにしても、もったいない話ではある。(マツダにお願いすれば、格段にカッコイイクルマになっただろうに)
2015年は4代目となる新型「プリウス」が控えており、燃費は40km/Lに達する予定とか。燃費も大切だが、今後も大量に売れ続けるクルマだとすれば、もう少し街中に融け込み、美しいと思わせるデザインを実現して欲しい。そして後方視界が悪く、無意味なオニギリ型のシルエットはそろそろ卒業すべきだろう。まぁ個人的には「プリウス」のモデルチェンジなんぞに興味は無く、「ロードスター」「S660」「コペン(丸目)」の発売が待ち遠しい。どれを買う事になるか....。

Posted at 2015/01/21 20:44:10 | |
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