早いもので、我がチンクは本年6月末が初回車検。
ここ一年くらいずっと車検を受けるべきか悩んでいた。どちらかといえば、人生初の車検を受けるつもりでいた。
しかし、今シーズンの札幌圏は異常気象的な大雪に何度も見舞われ、自宅周辺の生活道路は除雪が間に合わずにボコボコのラフロード。チンクは年明け以降、ほぼ不動状態に陥っていた。
もう一台のマツダ「ロードスターRF」はスタッドレスタイヤを用意せず、ガレージ内で冬眠しているため、我が家にとってチンクは冬の間、唯一の移動手段となる。
北海道に住んでクルマを2台所有しているのに、雪が降ったらどっちも不動状態...というのは流石にマズイなと。ならば、チンクの車検取得は泣く泣く断念。
吹雪の中、次期マイカー選定を決意。(トップ画像は大雪に埋もれたチンク...)
チンクは本当に気に入っている。いまでも全く色褪せないデザインや、独特で癖のあるドライブフィールは個性のカタマリみたいなもの。こう言うクルマはもう世界中の何処を探しても出てこないでしょうね。正直なところ、冷淡な販売店には色々言いたいこともあるが、まぁそれは言うまい。
今シーズンの降雪量が10年に一度クラスの異常事態だったのだから、当面大丈夫と楽観的に考えることも出来るだろうが、やはりこれからも雪国で暮らしていくならば相応の備えも必要と考え、今回は雪道に強い4WDの車種から候補を選定する。(ロードスターとの2台体制を当面継続する前提でもある。)
コロナ禍による物流不安や半導体不足の影響もあり、新車生産スケジュールに大きな遅延が発生する最中、チンクの初回車検(6月末)まであと4ヶ月。薄々気づいてはいたが、今からでは納期が間に合わない車種も多数。今回は様々な制約の中からのクルマ選びになりそう....。
まずはこれまで試乗経験のある車種の中から、以下の候補車をピックアップしてみた。
まずはド本命のスズキ「ジムニーシエラ」。
2018年に登場した現行モデルはずっと欲しい...と購入するタイミングを伺ってきたが、ご存知の通り大ヒット街道爆進中。コロナ前からずっと納期は長期化している。今でも1年~1年半位の恐るべき納期が継続しているらしい。
車検まであと4ヶ月しかない私には到底選択肢に入れられないクルマなのだが、ボコボコの雪道がこんなに似合う頼もしいクルマはない(笑)。実際、リアルに目の前を涼しい顔で走り抜けるジムニーが羨ましいゾ。
取り回しの良いコンパクトなボディサイズも含めやっぱり欲しいなぁ。うーん。何か良い方法は無いものだろうか...。
(とはいえ、プレミア価格の転売車は絶対に買わない。)
【参考記事】
[試乗インプレッション]スズキ「ジムニーシエラ」JC (AWD/5MT)
続いてダイハツ「ロッキー」/トヨタ「ライズ」。
2019年11月に発売された「ロッキー」/「ライズ」。ダイハツ製「ロッキー」が本家本元。トヨタ「ライズ」はOEM供給車な訳だが、路上で出会うのは圧倒的に「ライズ」。
近年新車価格の高騰やグローバル化を免罪符にボディサイズの拡大はもはや当たり前となりつつある中、「ロッキー」/「ライズ」は頑なに5ナンバーサイズかつ全長4m未満を達成した事に好感。更に言えば価格もリーズナブル。プレーンでSUVらしいスクエアなボディデザインも悪くない。もはや最新の国民車(笑)的存在。
それでいて、先進安全装備にも抜かりは無く、CVTの嫌なフィーリングを極力排した「D-CVT」が好印象。1.0Lターボエンジンも割と元気に回るタイプで日常用途に不足は無いだろう。テレスコが無いのは減点ポイント。
最低地上高が185mm確保されているのも雪道対策としてはGood。既に札幌市内で大量に走り回っているから実績も抜群。
価格相応にチープな部分も散見されるが、その辺の割り切りもまた良し。クルマに過剰な品質やステータスを求める時代ではない。
ガソリンモデルの納期は3~4ヶ月程度とのこと。ギリギリ車検に間に合うかどうか。
個人的には初代/2代目の箱型「デミオ」が正常進化していたらこんなスタイルだったのでは??と思う。なんだかんだ好きなクルマ。
惜しいのは期待のシリーズハイブリッドが2WDしか無く、4WDはガソリンモデルに限られることか。
【参考記事】
[試乗インプレッション]トヨタ「ライズ」X“S” (4WD/CVT) 1台のかけそば
次はトヨタ「ヤリスクロス」と「ヤリス」。
2021年にマイカー以外で最も良く乗ったクルマ。前身「ヴィッツ」とは比較にならない大きな進化を遂げたTNGAのBプラットホーム採用は自身のトヨタに対するネガティブなイメージを大きく覆したほど。
特にハイブリッドモデルの高レスポンスはスポーティーと表現したくなる仕上がりには毎度舌を巻く。まぁその分の価格上昇も顕著。ハイブリッドモデルの4WDを選択するとなんやかんや300万円コース。その割にプアな内装や遮音性能(特にロードノイズ)は物足りない印象だ。一方、昨今頻発する自然災害を考えると、クルマから電源(1500W)が取れるのは大きな魅力。
個人的に「ヤリス」/「ヤリスクロス」のデザインは結構好き。欧州市場ではマツダ「MAZDA2」として「ヤリス」がOEM供給されているのも納得。
残念なのは納期。「ヤリスクロス」は一部改良を控えオーダー停止中。「ヤリス」もハイブリッドは半年以上の納期見通し...。なかなか厳しい展開です。
とはいえ、先述したトヨタ「ライズ」を含め、候補車種にトヨタ車が複数含まれていることに驚く。以前は徹底したトヨタ嫌いで試乗することも稀だったが、変わるものですね。
走りの楽しさなら「ヤリス」を選ぶべきだが、雪道の走破性を考慮すると僅差なのだが最低地上高を+10mmの170mmを確保した「ヤリスクロス」か。走破性はアクティブトルクコントロールを備えるガソリンモデルの方が高いだろうな...。この辺りは購入前に乗り比べて判断したいところ。
【参考記事】
[試乗インプレッション]トヨタ「ヤリス」再び。ガソリン/ハイブリッドを一気比較してみた
ラストはマツダ「MAZDA2」/「CX-3」。もはや心の友みたいなクルマ。
「MAZDA2」と改名する以前の
「デミオ」初期モデル(2015年モデル)に乗っていたから、もし「MAZDA2」を購入するなら2度目と言って良いだろうか。
続々と新世代へ移行したライバルと比べモデル設計年次の古さは隠せなくなっているが、やはり未だ魅力的なデザインや、運転姿勢・ペダルレイアウトに拘った開発思想は全く色褪せていない。むしろモデル末期の今だからこそ、熟成された最新かつ最終モデルに乗っておきたい。
前述の通り、既にCO2排出規制が厳しい欧州市場ではトヨタ「ヤリス」を「MAZDA2」として販売が開始。恐らくマツダは「MAZDA2」/「CX-3」を近い将来モデル廃止にしてこのセグメントから撤退。スバル同様にボトムラインをCセグメントの「MAZDA3」にしたいのだろうと勝手に推察。
ならば、尚更「MAZDA2」/「CX-3」に乗っておくのもアリだろう。
問題は「MAZDA2」の最低地上高が145mmで雪道に強いとは言い難い。今回の選定テーマに照らせば、最低地上高を160mmとした「CX-3」なんだろうが、しばらく「CX-3」には乗っていないので「MAZDA2」との違いをしっかり把握したいところだ。
更に両モデル共、若干リセールの弱さが気になるところだが、納期は2~3ヶ月程度と短いのは有り難い。
噂では近々「CX-3」は広島での生産を終了し、タイへ生産移管されるらしい。国内生産の「CX-3」を買うならラストチャンスかも。
【参考記事】
[試乗インプレッション]マツダ「MAZDA2」15S Proactive S Package(AWD/6AT)
以上が今回の次期マイカー候補としてリストアップしたモデル。
面白いことに、今回輸入車は全くリストに入りませんでした。やはり雪道を中心に走行環境の厳しい条件下での運用を考慮すると選べないですね。
リストアップした各車の魅力も重要ですが、納期も重要な問題ですから、いつにも増して難しい判断を迫られそうだ。近日中には結論を出す予定です。
(私の中では既に大筋の結論は出ているのですが、条件面で合致するかどうか...)
うーん。こうなるのだったらもっと早くから動いておくべきでした。