![[試乗インプレッション]マツダ・アクセラスポーツ 15XD L Package [試乗インプレッション]マツダ・アクセラスポーツ 15XD L Package](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/038/574/515/38574515/p1m.jpg?ct=494b42e346a5)
大規模改良を受けたマツダ「アクセラ・スポーツ」をテストする事が出来た。テスト車のグレードは1.5Lターボディーゼルの最上級となる「15XD L Package」。更にCD/DVDプレイヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)とBoseサウンドシステム(9スピーカー)がメーカーOPで追加(+108,000円)されていたから、フルオプション仕様と言える豪華なモデルだった。価格は268.9万円に特別塗装色としてマシーングレープレミアムメタリックが+54,000円と前述のメーカーOP2点を加えて285.1万円(税込)。惜しいのは、1.5LターボディーゼルモデルにはAWDとサンルーフが設定されないことか。
最近は輸入車を中心にクリーンディーゼルの選択肢が増えてきた。プジョー「308Allure BlueHDi」が299万円(税込)で買えるから、こちらもテストしてみたいと思っている。本来なら、VWゴルフにもクリーンディーゼル(TDI)が設定されていれば市場も盛り上がるのだが、例の不祥事以降クリーンディーゼル(TDI)の話が聞こえなくなっている。BMWは1シリーズにクリーンディーゼルを導入し、「118d Sport」が365万円~と言う価格設定。FRである事は独自の魅力と言えるが、価格帯が違うので競合はしないか...。(個人的にはデザインが好みではない。)
さて。我が愛車「デミオ」にも搭載される1.5Lターボディーゼルエンジンが、より大きくて重い「アクセラ・スポーツ」に搭載されるとどうなるのかが興味の対象。
アクセラの「15XD L Package」は全長4,470mm全幅1,795mm全高1,470mmでホイルベースは2700mm。車重は1,360kgである。一方、デミオの「XD Touring L Package」は全長4,060mm全幅1,695mm全高1,500mmでホイルベースは2570mm。車重は1,130kgである。比較すると、「アクセラ」は全長+410mm全幅+100mm全高-30mmでホイルベースは+130mm。車重は+230kgと結構大きくて重い。1.5Lターボディーゼルエンジンは105ps/4,000rpm 27.5kg-m/1,600-2,500rpmを発揮し、デミオよりもトルクが2.0kg程上乗せされたCX-3と共通のスペックである。数値だけを見れば一抹の不安を覚えるものの、実際に乗ってみればなんの心配も不要。溢れ出す図太いトルクの波に乗る様に軽快な走りを披露することに安堵。今後は「アクセラ」も1.5Lターボディーゼルが販売の主力になると確信が持てた。
少し回りくどい書き方をしたが、そもそも「CX-3」のAWD(6AT)モデルは1330kgであったから、「アクセラ」に搭載しても力不足な筈は無い。もっと早くから日本市場にも「アクセラ」の1.5Lターボディーゼルを投入して欲しかった。
「アクセラ」と「デミオ」の違いを書くとすれば、両車のベクトルはかなり近似した方向を向いているが、「アクセラ」の方がどっしりと安定していて長距離走行が快適なモデルだと思う。やはり、リヤサスがトーションビームの「デミオ」に比べ、「アクセラ」はマルチリンクを奢るから、路面のうねりや凸凹の追従性はワンランク以上高い。もちろん、ホイルベース・トレッド・重量が大きいことも要因だろう。「デミオ」も直進安定性に不満はないが、乗り比べてしまうとその差は顕著に感じた。但し、この直進安定性の印象の違いには新機能である「G-ベクタリング コントロール」が作用しているかも知れぬ。正直、直接的に「G-ベクタリング コントロール」の動作を体感する事は出来なかったが、全般的に修正舵が少なくなった印象が残る。(MC前のアクセラも含めた印象として)この辺りはもう少し長距離を走りこんでみて判断したい。まぁ噂では「デミオ」にも遠からず「G-ベクタリング コントロール」が搭載されるらしいから、その時は比較がし易くなるだろう。
車内のエンジン音透過については、車格相応に「デミオ」よりは幾分遮音性が高まっている印象だが、低回転域の「カラカラ」音は完全に遮断されるものではない。マツダも苦労して「ナチュラル・サウンド・スムーザー」等の騒音対策を施しているが、本質的にガソリンエンジンと違う音が出るのは当然であり、それを無理に封じ込める必要はないと思うが、世間一般の解釈は違うのだろう。あえてモーターレスの純エンジン車を選ぶのだから、そのサウンドも今のうちにしっかり楽しんでおくべき。
インテリアも「デミオ」とデザインは似ているが、全幅が広くなる分、「アクセラ」の方に余裕を感じる。質感もワンランク上だと感じるが、競争の激しいセグメントだから、もうひと踏ん張りを期待したいところ。次期「インプレッサ」は随分と室内の質感には拘っているようだし。
そろそろ結論を。大規模改良を受けた「アクセラ」は1.5Lターボディーゼルとのマッチングも良く、コストパフォーマンスも含め、商品力は大幅に向上したと言える。走りにおいても、「デミオ」と比較し価格相応の性能向上が感じられ、特に長距離を走る方には最適な選択肢と言える。一方、「デミオ」で充分と感じる方に「アクセラ」の価格や拡大するボディサイズを許容させるのは容易ではない。(日本では「デミオ」の値付けがかなり安いのかも)私も「アクセラ」のテスト終了後、我が「デミオ」で同テストコースを再トレースしたが、価格やサイズを考慮すると「デミオ」に軍配を上げたいと感じた。それ故、「デミオ」に「G-ベクタリング コントロール」が搭載されるのが楽しみである。
私が「アクセラ」を買うとしたら、1.5Lターボディーゼルではなく、「22XD L Package」のAWD/6MT(価格は331万円)と言うのが現時点での結論である。


↓MC前のフロントフェイス。こっちの方が好みだったな...。
Posted at 2016/09/20 19:11:14 | |
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