2020年04月21日
JTCCラストチャンピオン、トヨタ・チェイサーの挑戦「タイヤを100%使うためにFRを選んだ」
いまも収まる気配の見えない新型コロナウイルス禍。自宅から一歩も出ない生活を送っているレースファンも少なくないはずだ。ここではそんなファンのために、4月1日に発売となった雑誌『レーシングオンNo.506』のJTCC全日本ツーリングカー選手権特集から記事を抜粋して紹介する。
第4弾はシリーズ終盤にトヨタが新規投入したFRマシン、チェイサーに迫る。開幕当初はコロナ、カローラ、セレス、マリノなど複数マシンがマルチに走っていたトヨタ陣営だが、翌年トムスが開発したエクシヴが速さを見せると徐々に収縮、同車を主戦車としてシーズンが進んでいった。
シリーズ3年目の1996年からホンダがアコードを投入し連勝劇を重ねていくが、時をおなじくしてチェイサーの開発が始まっている。アコードに脅威を感じて新車を投入したと思われがちだが、それは必ずしも正しくないようだ。彼らがライバルとして見ていたのはどんなマシンで、彼らは何を考えて新機軸となるFR車両を開発しようと考えたのか。その真実に迫る。
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1994年から1998年というわずか5年の短い期間で終焉を迎えた全日本ツーリングカー選手権(JTCC)には、国内外の自動車メーカーが数多く参加し火花を散らした。
そのなかでも、ほかとは一線を画すマシンとしてトヨタがシリーズの最終盤に投入したのがチェイサーだった。国産でほぼ唯一のFRマシンは“時代の徒花”的に捉えられることもあるが、トヨタにとってはその後の活動に大きくつながるエポックメイキングな1台だったと言っていいだろう。
JTCC初年度、トヨタがシリーズに持ち込んだのはトムスGBが開発し、すでにBTCCで実績を積んでいたコロナ。翌年からはトヨタ・モータースポーツ部とトムスの手によってエクシヴが開発された。
そして3代目のトヨタ主戦車両として設計・開発が進められたのがFRのチェイサーだった(一説には、チェイサーの次に小型FRのアルテッツァを投入することが検討されていたとも言われているが、シリーズの終焉により実現することはなかった)。
そのチェイサーがデビューした1997年からトヨタ・モータースポーツ部でJTCCを担当した柘植和廣は車種選定にあたってBMWを意識していたと言う。
「JTCCはフロントとリヤのタイヤが同サイズに規定されていたんですが、そのタイヤを100%使うならFRの方がいいのでは、という意見が出たんです。FFの場合は駆動と転舵すべてをフロントタイヤが受けもつことになりますから、フロントばかりを酷使することになる」
「その点FRのBMWはタイヤを4輪ともうまく使えているし、やっぱりFRかなと。(中略)マークII3兄弟(マークII/チェイサー/クレスタ)のなかでチェイサーを選んだのはイメージが一番スポーティだったからです」
同じような意見はチームのなかでも出始めていたと、当時若手エンジニアとしてJTCCを担当していたトムスの東條力エンジニアも振り返る。
「僕らはずっとFFでやっていましたが、ほかを見ているとBMWが結構良かったんですよね。だから“やっぱりレーシングカーはFRだよね”って。まずボディをトヨタに出してもらって、トムスで最初の設計をしました」
「そこからロールケージを解析してもらって。足回りとかはトムスで最初に設計をしました。FRということで前後ともダブルウイッシュボーンを採用できましたし、とにかくトラクションとスタートは良かったです。(中略)タイヤが4輪ともに仕事をしてくれる分、エクシヴと比べて一段階ソフト目のタイヤを選択できましたね」
■FRのチェイサーから学んだことが、今のレーシングカーにも生きている
(中略)
ところがチェイサーがデビューした1997年、JTCCは世界共通ルールから一歩離れ、国内独自ルールを設ける。その結果としてオーバーフェンダーの装着が認可され、リヤウイングの大型化も認められることとなった。これも空力開発という面でトヨタやTRDのノウハウ蓄積に役立ったと柘植は言う。
「空力開発に関しては我々モータースポーツ部にも担当がひとりいて、TRDのエンジニアといろいろやっていましたね。まだまだ十分なノウハウがトヨタにもTRDにもなかった頃なので、様々な手作りパーツを試していましたよ」
「何かが分かるとさらに面白くなって、またいろいろ開発するという具合。当時はトヨタにとってJTCCのプライオリティが一番高くて好きなことができるから、エンジニアは楽しくてしょうがなかったと思いますよ」
(中略)
そうして迎えた2年目、チェイサーも大きな飛躍を見せると思われていたが、ホンダと日産が1997年いっぱいでJTCCから撤退。同年は開幕当初からメーカー間の争いが加熱し過ぎてキナ臭い空気がパドックに漂っていたのだが、最後は空中分解といってもいいような最悪の結果となった。
そのため、トヨタとしてもJTCCにリソースや予算を割く意味が失われ、開発計画が停止。1998年に向けて改良する予定だったアイデアはすべて雲散霧消するかたちとなり、活動の軸足は全日本GT選手権(JGTC)へと移っていく。
結局JTCC自体も1998年には終わり、チェイサーはたった2年で姿を消した。だがシリーズ消滅後、トヨタとTRDは残されたチェイサーをテストで走らせたと柘植は言う。
「クルマの基礎研究みたいなことを研究所のコースや十勝でやっていたんですよ。重心を下げるとどれぐらいパフォーマンスが上がるのかとか、重い状態でバラストを順にズラしていくとどうなるかとか、重量配分を変えるとどうなるかなど、チェイサーを使って我々とTRDとで一緒にレーシングカーの特性を学んだのです」
「JTCCまではレースに対するノウハウって、TRDよりもチームの方が上だったんです。その後、GTではチームからのアイデアや意見を吸い上げてTRDが開発をするスタイルを採っていますが、そういうムードになったのはJTCCあってこそ」
「また、チェイサーがFRだったことで、トランスミッションの考え方とかカーボン製のプロペラシャフトに出た問題とか、GTのスープラにはそのノウハウも活きました。JTCCから学んだことが、今のレーシングカーにもつながっているんです」
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この他、カストロール無限シビック・フェリオのマシンギャラリーやニッサン・プリメーラなどのマシン開発秘話、実現するとは思えなかった中子修と本山哲の対談など、多くのJTCCについてを特集しているレーシングオンNo.506は全国書店、オンラインで発売中だ。三栄オンラインでの購入はこちら(https://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=11359)まで。
Posted at 2020/04/21 22:45:49 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月21日
【アウディ・クワトロ40周年】選りすぐりの5台を乗り比べ 歴代最高のクワトロとは? 前編
新たな解決策
パイオニアだと見做されてきたモデルが、実際にはそうではなかったという例など枚挙に暇がない。
史上初の高級SUVの座はレンジローバーのものではなく、ルノー・エスパスもMPVの始祖ではなかった。
ホットハッチというジャンルを創り出したのはフォルクスワーゲン・ゴルフGTIではなく、史上初めて公道に舞い降りたターボモデルはサーブ99でもポルシェ911でも、BMW 2002でもない。
そして、アウディ・クワトロも史上初のハイパフォーマンス四輪駆動モデルではなかった。
1968年から1971年にかけて、ジェンセンFFが生産されていたからだ。
だが、先にご紹介したレンジローバーやゴルフGTIなどと同じく、アウディ・クワトロがハイパフォーマンス四輪駆動モデルという新たなテクノロジーの完成度を高め、ひとびとに知らしめた存在であることに間違いはない。
クワトロ以前の四輪駆動モデルでは、すべてのタイヤに駆動力を伝達するため、重く嵩張るトランスファーボックスが必要なことが問題だった。
こうした方法は実用性に劣るとともに高価でもあり、だからこそジェンセンFFの生産台数はわずか320台に留まることとなったのだろう。
そして、この問題に新たな解決策を発見したのがアウディのヨルグ・ベンジンガーだった。
彼は縦置きギアボックスの背後に設置したセンターディフェレンシャルを中空のシャフトで駆動すれば、このシャフトのなかを通した別のシャフトでフロントホイールへと駆動力を伝達出来ると気が付いたのだ。
その結果、トランスファーボックスが不要となり、史上初の現代的な四輪駆動システムの発明へと繋がっている。
駆動方式以上の意味
1970年代中盤にはすでにベンジンガーたちは開発作業に着手していたものの、彼らの努力がアウディ・クワトロと言う名のボクシーなクーペに結実するには1980年まで待つ必要があった。
以降アウディはつねに四輪駆動モデルをラインナップし続けており、いまや世界中の主要な自動車メーカーからもこうしたモデルが登場している。
だが、アウディにとって四輪駆動システムというものは、単なる駆動方式以上の大きな意味を持つこととなった。
1台のクルマとして始まったクワトロという名だが、すぐに自動車史に残る存在となり、BMWのMやメルセデス・ベンツのAMG同様の輝きを放つ、アウディのサブブランドへと発展している。
では、そんなクワトロのなかでもっとも偉大な1台とはどのモデルだろう?
候補は多いが今回ノミネート出来るのは5台だけであり、初代と最新のクワトロを外すわけにはいかないなか、選考は決して簡単ではなかった。
今回選ばれた5台に納得できないというひとびともいるに違いない。
だが、今回選んだのは初代クワトロの最終モデルと、いまやアウディを象徴する存在である狂気のエステートモデルの始祖となるRS2アバント、初代クワトロ以上にその革新的なデザインがスポーティーな四輪駆動クーペを身近な存在にした初代TT、そして初代R8と最新のRS6アバントだ。
確かにV10モデルやRS4、スポーツクワトロにSQ2も含まれていないが、SQ2が選ばれなかったことで落胆しているひとびとはそれほど多くはないだろう。
記憶に残る速さ
最初にステアリングを握るのはもちろん初代クワトロだ。
後期の20バルブモデルが新車だった当時テストしたことがあるが、なによりも記憶に残っているのはその驚異的な速さだった。
デビューからすでに10年が経っていたにもかかわらず古さを感じなかった記憶があるが、さすがにいまではその時代を感じないわけにはいかない。
現代の基準から見れば奇妙なドライビングポジションとさらに奇妙なギアレシオ、まるでゲームセンターにあるゲーム機を彷彿とさせるダッシュボードデザイン、さらには大量に使用されているハードプラスティックが時の流れを感じさせる。
ギアボックスはスムースさに欠け、ブーストが掛かるまでの間、低速ではまったく活気のないこのエンジンに対しては、時代が違うとは言え、思わず失望という言葉さえ出て来るかもしれない。
だが、回転上昇に伴い「乱れ打ち」という以外に表現のしようがないサウンドが響き渡ると、数十年前のものとは思えないこのエンジンの素晴らしさに改めて気付かされることになる。
いまも思わず夢中になるほどの速さを感じさせ、空力を無視したようなボディデザインのせいで頭打ちにはなるが、193km/hまでは易々と加速してみせるのだ。
そしてこのクルマのドライビングの楽しさにも変わりはない。
初代クワトロの新車当時であれば四輪駆動モデルならではと言えたグリップもいまでは控え目というべきレベルに留まっており、さらにはアンダーステアも明らかだが、ステアリングフィールそのものは素晴らしく、シャシーバランスも記憶にある以上の見事さだ。
ポルシェによるエンジニアリング
一方、RS2アバントに対してこうした評価を与えることは出来ない。
このモデルに続く数多くのRSバッジを纏った狂気のエステートモデル同様、RS2の真骨頂も直線での速さにある。
そして、初代クワトロ引退後わずか3年で登場したというのに、RS2ははるかに現代的なフィールを備えており、この2台はまったく別の時代のモデルだと感じさせる。
まさにRS2は現代のモデルだと言えるが、このクルマの高い組立品質と使われているマテリアルの見事さは、ポルシェの関与がその理由かも知れない。
当時苦境にあったポルシェは本業以外でも収益を上げるべく、あのメルセデス・ベンツ500Eに続いてこのRS2のようなモデルのエンジニアリングも請け負っていたのだ。
そして、このポルシェによるエンジニアリングが、基本的には同じエンジンでありながら、初代クワトロの220psからRS2では315psへとパワーを引き上げることに成功した理由だろう。
RS2が特別なモデルであることはいまも変わらない。
スタイリングは素晴らしく、たっぷりとしたレカロ製ドライビングシートに腰を下ろして、ホワイトダイヤルに目をやれば、このクルマに対する期待が高まって来る。
26年前にリッター当り142psを達成していたこのエンジンではターボラグが明らかなものの、一旦3500rpmを越えれば、そのエンジンサウンドとパワーバンドの広さには思わず驚かされることになるだろう。
そして、RS2は初代クワトロが193km/hに到達した地点で225km/hに達してみせる。
惜しまれるコーナリング性能
だからこそコーナリング性能だけが惜しまれるのだ。
なんとかコーナリングラインを維持しようとはするものの、RS2が断固としたアンダーステア特性を備えたアウディ製ハイパフォーマンスモデルの始祖であり、その伝統は簡単には覆らないということを思い知らされる。
だが、TTへと乗り換えてみれば別の楽しみを味わうことが出来る。
個人的にはつねにデザインよりも中身を優先してきたが、それでもTTに乗り込んでみれば、思わず走り出さずにはいられないだろう。
シートに腰を下ろしてキャビンを見渡せば、すべてが特別で素晴らしい感触を備えていることに気が付く。
いまならこのクルマがあれほどの人気を博した理由を十分理解することが出来る。
見た目も感触もそのほとんどを他のモデルと共有する派生車種だなどとはほとんど感じさせず、完全に専用設計されたモデルのようだ。
そして組立品質も素晴らしく、この個体はすでに21万6000kmを走破しているものの、キャビンには一切の緩みなど感じられない。
新車当時このクルマを冷笑していたようなひとびとは、TTへの評価を改めるべきかも知れない。
もちろん、このクルマはポルシェ・ケイマンではないが、225psを発揮する20バルブエンジンは活気に溢れ、その6速ギアボックスは素晴らしく、ハンドリングは記憶にある以上の落ち着きを見せるとともに、ノーズヘビーな様子など微塵も感じさせない。
【アウディ・クワトロ40周年】選りすぐりの5台を乗り比べ 歴代最高のクワトロとは? 後編
サマリー
アウディ・クワトロ誕生40周年を記念して、これまで登場したなかから選りすぐりの5台を集めました。生まれた時代背景やキャラクターも異なる5台ですが、それぞれが優れたモデルであることに変わりはありません。
もくじ
ー高性能ドライビングマシン
ー明らかな変化
ーもっとも偉大なクワトロ
ー各車のスペック
ー番外編1:さらに特別なクワトロ
ー番外編2:セカンドアルバムは難しい
高性能ドライビングマシン
そして、今回の5台のなかで例外的な存在と言えるのがR8だ。
アウディ初の本格スーパーカーとして唯一ミッドエンジンレイアウトを採用し、クローズドボディとしては唯一の2シーターモデルでもある。
スタイリングとキャビンデザイン、そしてその組立品質のすべてが伝統的なアウディでありながら、R8のドライビングフィールはアウディのモデルとは思えない。
甘美なエンジンと正確なマニュアルギアボックス、さらには優れたシャシーバランスを備えたこの初期型V8モデルのすべてが、ポルシェ911やアストン マーティン・ヴァンテージといった同時代のモデルに匹敵する高性能なドライビングマシンだと感じさせる。
より新しいR8にはパワーで劣るかも知れないが、それでもあっと言う間に241km/hまで到達してみせるこのクルマには公道では十分な速さも備わっている。
なによりも他の俊足アウディとは異なり、このクルマには実際に味わうことの出来る優れたバランスが備わっているのだ。
完全にアンダーステアとは無縁であり、ほとんど無限のトラクションを感じさせながら、嬉々としてノーズをコーナーのアペックスへと向けつつリアを激しく振り出すことも出来る。
さらには決してオーバーパワーだと感じさせることもなく、パワーとグリップの最適なバランスによって、思い通りにリアをスライドさせることが出来るという、偉大なドライバーズカーに必須の能力を備えている。
明らかな変化
だからこそ、最新のRS6アバントに興味が湧くのだ。
そして、このクルマが興味深い存在だと言うのは、599psのパワーと0-100km/h加速3.6秒という速さだけがその理由ではない。
なによりも注目すべきは、ついにアウディがこうしたモデルに対して、これまでとはやや異なるアプローチをとり始めたという明らかな変化だ。
もちろん、RS6アバントにも驚異的なパワーと狂暴なスタイリングというアウディ製俊足エステートの特徴が与えられているが、そうした点以上にこのクルマで注目すべきはその中味かも知れない。
より自然なフィールで機敏さを感じさせ(間違いなく四輪操舵システムのお陰だ)、直線での驚くべき速さ(現在短縮されているブランティングソープの直線路でも軽々と290km/hに到達してみせた)だけでなく、RS6は外周路でも楽しむことが出来る。
もちろん、依然史上最高のハンドリングを備えた俊足エステートとは言えないが、これまでステアリングを握ったことのあるどのアウディ製大型エステートよりも、見事なハンドリングとシャープなターンイン、そしてより優れたフロントグリップを感じさせてくれた。
この「クワトロ」という言葉がアウディにもたらしたものの大きさは計り知れない。
もっとも偉大なクワトロ
単なるニッチなモデルとしてスタートしたクワトロだったが、その後アウディ全体を象徴するブランドとしてクワトロGmbHへと進化しており、2016年にはアウディ・スポーツへと名を変えている(個人的には非常に残念に思っている)。
アウディが「クワトロ」という名を単なる四輪駆動テクノロジーに留まらず、自らのブランド哲学を体現する象徴としたことは、1970年代にはさしたる特徴のないメーカーのひとつに過ぎなかった彼らが、いまの強大なブランドへと成長する大きな助けとなった。
確かにクワトロがアウディを救ったわけではないが、ブランドを築き上げる力となったことは間違いないだろう。
これほど登場した時代背景やパフォーマンス、さらにはコンセプトの異なる5台に順位を付けるなど間違っているかも知れない。
だが、敢えてここでは素晴らしいモデルと、真に偉大な1台との違いをご紹介させて頂こう。
初代クワトロの果たした役割は大きく、確かに魅力溢れるモデルだが、いまやそのパフォーマンスは物足りないと言わざるを得ない。
RS2アバントは期待するほどバランスに優れているわけではないが、それでも素晴らしいモデルであり、見事なスタイリングとともに圧倒的な希少性も備えている。
そして、まったく別の理由からTTとRS6アバントは想像以上に優れたモデルだと感じさせてくれた。
だが、初期のマニュアルギアボックスを与えられたR8は別格の存在だ。
単に偉大なアウディというだけでなく、当時もいまもこうしたモデルとしてはもっとも見事な1台だと言える。
各車のスペック
アウディ・クワトロ2.2 20vターボ
価格:3万2995ポンド(1990年当時)
エンジン:2226cc直列5気筒ターボ
パワー:220ps/5990rpm
トルク:31.5kg-m/1950rpm
ギアボックス:5速マニュアル
乾燥重量:1380kg
0-100km/h加速:6.5秒
最高速:227km/h
燃費性能:na
CO2排出量:na
アウディRS2アバント
価格:4万5760ポンド(1994年当時)
エンジン:2226cc直列5気筒ターボ
パワー:315ps/6500rpm
トルク:41.8kg-m/3000rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乾燥重量:1595kg
0-100km/h加速:5.4秒
最高速:262km/h
燃費性能:na
CO2排出量:na
アウディTT 1.8T 225クワトロ
価格:2万9470ポンド(1999年当時)
エンジン:1781cc直列4気筒ターボ
パワー:225ps/5900rpm
トルク:28.6kg-m/2200rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乾燥重量:1465kg
0-100km/h加速:6.6秒
最高速:243km/h
燃費性能:10.8km/L(NEDC基準)
CO2排出量:223g/km(NEDC基準)
アウディR8 4.2 FSIクワトロ
価格:7万6532ポンド(2007年当時)
エンジン:4163cc自然吸気V8
パワー:420ps/7800rpm
トルク:43.8kg-m/4500rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乾燥重量:1560kg
0-100km/h加速:4.6秒
最高速:301km/h
燃費性能:6.8km/L(NEDC基準)
CO2排出量:349g/km((NEDC基準)
アウディRS6アバント・クワトロ・ティプトロニック
価格:9万2750ポンド(1251万円)
エンジン:3996cc V8ツインターボ
パワー:599ps/6000-6250rpm
トルク:81.6kg-m/2050-4500rpm
ギアボックス:8速オートマティック
乾燥重量:2075kg
0-100km/h加速:3.6秒
最高速:304km/h(リミッター解除)
燃費性能:8.0km/L(WLTP基準)
CO2排出量:283g/km(WLTP基準)
番外編1:さらに特別なクワトロ
スポーツクワトロ(1984年)
このスポーツというモデルは1984年のグループBラリー向けに登場したホモロゲーション用の特別なクワトロであり、狂気のルックスと驚くほど短くなったホイールベースを与えられていた。
310psのパワーを誇る当時史上最速のアウディであり、わずか200台に留まる生産台数によって、現在ももっとも希少な1台となっている。
RS6/RS6アバント(2008年)
ランボルギーニ・ガヤルドの5.0L自然吸気V10をツインターボ化したエンジンを、アウディA6に搭載したモデルだ。
12年後に登場した新型RS6アバントと比べてもわずか20psしか違わない579psを与えられたこのクルマは、まさに狂気のモデルだった。
Q7 V12 TDI(2008年)
多くの点でもっとも狂気のクワトロと呼ぶべきモデルであり、単に巨大というだけでなく、これまで登場したなかでディーゼルV12エンジンを積んだ唯一のモデルであり、101.9kg-mというとてつもないトルクがその理由だ。
これほどのトルクがあれば、なんの苦もなくウッドストックにあるブレナム宮殿を牽引することが出来るだろう。
RS4アバント(2012年)
史上最高のオールラウンド性能を誇るクワトロを探しているのであれば、このクルマで決まりだ。
R8譲りの4.2L V8エンジンを搭載したモデルはこのクルマ以前にも存在しているが、先代よりもはるかにシャープで楽しめるドライビング性能を実現していた。
さらに、素晴らしいルックスと特筆すべき品質がこのクルマを完ぺきな存在にしている。
eトロンS(2020年)
クワトロも電動化の時代に突入している。
電子トルク制御によってかつてないほど四輪駆動の必要性が高まる一方、柔軟なメカニカルレイアウトが可能になったことで、これまでよりもはるかに簡単に四輪駆動を実現することが出来るようになっている。
40年に及ぶアウディの四輪駆動への情熱は、ふたたび新たな時代に相応しい存在になろうとしている。
番外編2:セカンドアルバムは難しい
11年にも渡る素晴らしい活躍を終え、初代クワトロが引退したのは1991年のことだった。
もちろんこれほどアウディのイメージを高めることに成功したクワトロには、当然ながら後継モデルが登場している。
あれほど成功したクワトロの名を使わないなど奇妙に思えたが、S2クーペは新たなルックスで若返りを果たすとともに、はるかにキャビン品質は改善され、1993年以降は6速マニュアルまで与えられていた。
にもかかわらず、このクルマはその人気という面では初代に近づくことすら出来なかった。
間違いなく速さは備えていたもののシャープさを失い、クルマ好きのためのモデルというよりも、まるでビジネスマンのための移動ツールのようだった。
ラリーやレースに出場することもなかったこのクルマは、実際初代とはまったく別のモデルだった。
販売期間はわずか4年に留まっており、後継モデルも登場していない。
Posted at 2020/04/21 22:40:44 | |
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AUDI | 日記
2020年04月21日
FCA 限定車パワーアップされたアバルト「595/595C Pista」を発売
FCAジャパンは、Abarth(アバルト)の高性能ハッチバック/カブリオレ「595/595C」に、通常は設定のないボディカラーや、出力を向上したエンジン、走りの楽しみを広げるパフォーマンスパーツを採用した限定車「595/595C Pista(ピスタ)」を設定し、2020年5月16日(土)より、240台限定で販売すると発表しました。
価格
メーカー希望小売価格(消費税含む)は、595Pistaが328万円(MT)/345万円円(MTA)、595C Pistaは361万円(MT)/378万円(MTA)です。
モデル概要
この限定車に付けられた「Pista」という車名は、イタリア語で“レーストラック”を意味しています。そのピスタは数々のスポーティ装備をし、パフォーマンスを高めたモデルになっています。
ボディカラー には通常は設定のない「Blu Podio」(ブルー)を採用し、さらにリップスポイラー、ブレーキ キャリパー、ドアミラーカバー、リヤディフューザーにはイエローのアクセントカラーをあしらい、スポーティさが強められています。
限定車のベースは「595」、ならびに国内未導入の「595C」で、これにベース車比で 20ps増となる、最高出力165ps の1.4Lターボエンジンを搭載。さらにハイパフォーマンスエキゾーストシステム「レコードモンツァ」を標準装備し、リヤサスペンションにはKONI製FSDショックアブソーバーを搭載し、シャシーも強化されています。
装備については、マットブラック仕上げの17インチアルミホイールを装備するほか、フルオートエアコン(ダストポーレンフィルター付)やリヤプライバシーガラスを特別装備し、スポーティなルックスと共に快適性が引き上げられています。
またこの限定車では、ハッチバックとカブリオレの2種類のボディタイプが選択できることに加え、トランスミッションもATモード付5速シーケンシャルトランスミッション(MTA)と5速マニュアルトランスミッション(MT)が用意されてます。
通常は設定のないカブリオレ+MTの組み合わせも可能となっており、好みのスタイルでスポーティな走りが楽しめます。
アバルト595/595Cの限定車を5月に発売。ガソリンエンジン仕様を手にする残り少ないチャンスか
2020年4月21日、FCAジャパンはアバルト595の特別仕様車、595 ピスタと595C ピスタ(Abarth 595 Pista/595C Pista)を発表。328万円~378万円の車両価格で、2020年5月16日に発売される。
1.4L 直4ターボは20ps向上して165psを発生
現在のアバルト595は、2代目のフィアット500をベースに内外装をアグレッシブなデザインとし、エンジンをハイパワーな1.4L 直4ターボに換装。さらに、ボディ剛性を高めることで刺激的なモデルとして知られている。
このハイパフォーマンスハッチバックに特別仕様車「ピスタ」が追加、2020年5月16日に発売される。ピスタ(pista)とはイタリア語で「レーストラック」を意味する言葉で、エンジンパワーをさらに向上、高性能さを想起させるパーツをいくつも採用されているモデルだ。
ベースとなるのはクローズドボディの595とオープンエアの595Cで、いずれも5速MTと5速AMTを用意されている。車両価格は328万円~378万円で、合計240台限定。通常グレードに設定されていないボディカラー「Blu Podio」を採用し、さらにリップスポイラーやブレーキキャリパー、ドアミラーカバー、リアディフューザーといったパーツをイエローに塗装されて、アクセントカラーとなっている。
エンジンはベースモデル比で20ps増強されて165ps/210Nmを発生する1.4L 直4ターボ。さらにリアサスペンションにKONI製FSDショックアブソーバーを搭載するなど、走行性能を高められている。また「レコードモンツァ」と呼ばれるエキゾーストシステムによって、ドライブの楽しさを聴覚にも訴えかけてくる。
このほかにもマットブラック仕上げの17インチアルミホイール(タイヤサイズは205/40R17)を装備し、フルオートエアコンやリアプライバシーガラスなども特別装備し、外観のスポーティさと快適性も高められている。
ちなみに2020年3月、ベースとなるフィアット500の次世代モデルがEV(電気自動車)として発表されている。そのため、現行のフィアット500とアバルト595は近いうちに生産終了することも考えられる。となると今回の限定車発売が、エンジン搭載モデルを手に入れる数少ないチャンスとなるかもしれない。
アバルト 595 ピスタ 車両価格
595 ピスタ(5速MT):328万円(95台限定)
595 ピスタ(5速AMT):345万円(51台限定)
595C ピスタ(5速MT):361万円(61台限定)
595C ピスタ(5速AMT):378万円(33台限定)
アバルト 595 ピスタ(MT) 主要諸元
●全長×全幅×全高=3660×1625×1505mm
●ホイールベース=2300mm
●車両重量=1120kg
●エンジン=直4 DOHCターボ
●総排気量=1368cc
●最高出力=165ps/5500rpm
●最大トルク=230Nm/2250rpm(通常時210Nm/2000rpm)
●駆動方式=FF
●トランスミッション=5速MT
●車両価格(税込)=328万円
アバルト 595/595C ピスタ 限定発売! 出力アップして戦闘力を高めた青いサソリ誕生
Abarth 595 / 595C Pista
アバルト 595/595C ピスタ
2020年5月16日より合計240台の限定で発売
FCAジャパンは、アバルト595及び595Cに特別なエクステリアカラーとパフォーマンスパーツを与え、ベースモデルよりもエンジン出力をアップした限定モデル「アバルト 595/595C ピスタ」を設定。2020年5月16日(土)より全国のアバルト正規ディーラーを通じて発売する。
最高出力を20psアップしてシャシーも強化
限定モデルのベースになったのは既存のハッチバックボディである595と、国内未導入だったカブリオレボディをもつ595C。イタリア語でレーストラックを意味する“ピスタ”の車名が示すとおり、パフォーマンスアップを導く特別装備と出力を向上したエンジンを搭載した高性能モデルで、アバルトのスペシャルモデルに相応しいスポーツ性能を発揮する。
搭載する1.4リッター直列4気筒DOHCターボはベースモデル比で20psアップの最高出力165psを発生し、最大トルクは230Nm(SPORTスイッチ使用時)に及ぶ。ハイパフォーマンスエキゾーストシステム、レコードモンツァを標準装備し、リヤサスペンションにはKONI製FSDショックアブソーバーを採用、パフォーマンスに合わせシャシーも強化された。
ボディは2タイプ、トランスミッションも2種類用意
鮮烈な印象を与えるブルーのボディカラー「Blu Podio」は通常モデルに選定のない特別色であり、さらにリップスポイラー/ブレーキキャリパー/ドアミラーカバー/リヤディフューザーにはイエローのアクセントカラーが付されている。マットブラック仕上げの17インチアルミホイールとの組み合わせも相まってスポーティなアピアランスを実現した。
ハッチバックの595 ピスタとカブリオレの595C ピスタという2タイプのボディをラインナップするうえ、トランスミッションもATモード付5速シーケンシャル(MTA)と5速MTを用意。通常ではカブリオレ+5速MTは設定されていないため、より幅広いニーズに応えることができる。
インテリアではフルオートエアコン(ダストポーレンフィルター付)やリヤプライバシーガラス、スポーツドライブをサポートするハイバック式のファブリックシートを採用。このシートは595 ピスタと595C ピスタでデザインを変えるなど凝った仕様になっている。
車両本体価格並びに限定販売台数は下記参照のこと。
【車両本体価格(税込)】
595 ピスタ MT:328万円(限定95台)
595 ピスタ MTA:345万円(限定51台)
595C ピスタ MT:361万円(限定61台)
595C ピスタ MTA:378万円(限定33台)
【問い合わせ】
アバルト
TEL 0120-130-595
最高出力165PSの1.4ℓターボエンジンを搭載したAbarthの限定スポーツモデル「595/595C Pista」
FCAジャパンは、Abarth(アバルト)の高性能ハッチバック/カブリオレ「595 / 595C」に、通常は設定のないボディカラーや、出力を向上したエンジン、走りの楽しみを広げるパフォーマンスパーツを採用した限定車「595 / 595C Pista(ピスタ)」を設定し、2020年5月16日(土)より計240台限定で販売する。
メーカー希望小売価格(消費税含む)は、595 Pistaが3,280,000円(MT)/3,450,000円(MTA)、595C Pistaは3,610,000円(MT)/3,780,000円(MTA)。
この限定車は、イタリア語で“レーストラック”を意味する「Pista」という車名が示すとおり、数々のスポーティな装備によりパフォーマンスを高めたモデルとなっている。
また、ボディカラーには通常は設定のない「Blu Podio」(ブルー)を採用し、さらにリップスポイラー、ブレーキキャリパー、ドアミラーカバー、リアディフューザーにはイエローのアクセントカラーをあしらうことで、スポーティな佇まいが一層強められている。
限定車のベースとなったのは「595」、ならびに国内未導入の「595C」で、これにベース車比で20ps増となる、最高出力165psの1.4ℓターボエンジンを搭載。
さらにハイパフォーマンスエキゾーストシステム「レコードモンツァ」を標準装備している。また、リアサスペンションにはKONI製FSDショックアブソーバーを搭載し、シャシーも強化。装備については、マットブラック仕上げの17インチアルミホイールを装備するほか、フルオートエアコン(ダストポーレンフィルター付)やリアプライバシーガラスを特別装備し、スポーティなルックスと共に快適性が引き上げられている。
またこの限定車では、ハッチバックとカブリオレの2種類のボディタイプが選択できることに加え、トランスミッションもATモード付5色シーケンシャルトランスミッション(MTA)と5速マニュアルトランスミッション(MT)を用意。
通常は設定のないカブリオレ+MTの組み合わせも可能となっており、好みのスタイルでスポーティな走りを楽しむことができる。
関連情報:https://www.abarth.jp/
構成/DIME編集部
アバルト 595/595C、スポーティチューンの限定モデル「ピスタ」発売へ
FCAジャパンは、アバルト『595/595C』にスポーティにチューンナップした特別仕様車「Pista(ピスタ)」を設定し、5月16日より合計240台限定で発売する。
「Pista(ピスタ)」はイタリア語で「レーストラック」という意味。限定車は数々のスポーティな装備によりパフォーマンスを高めたモデルとなっている。また、ボディカラーには通常は設定のない「Blu Podio(ブルー)」を採用。リップスポイラー、ブレーキキャリパー、ドアミラーカバー、リアディフューザーにはイエローのアクセントをあしらうことでスポーティな佇まいを強めている。
ベースモデルは『595』と国内未導入の『595C』。搭載する1.4リットルターボエンジンは、ベースモデル比20psアップの最高出力165psを発生する。さらに高性能エキゾーストシステム「レコードモンツァ」を標準装備。リアサスペンションにはKONI製FSDショックアブソーバーを搭載し、シャシーも強化している。
さらにマットブラック仕上げの17インチアルミホイールを装備するほか、フルオートエアコン(ダストポーレンフィルター付)やリアプライバシーガラスを特別装備。スポーティなルックスだけでなく、快適性も高めている。
限定車は、ハッチバックとカブリオレの2種類のボディタイプが選択できることに加え、トランスミッションもATモード付5速シーケンシャル(MTA)と5速マニュアル(MT)を用意。通常は設定のないカブリオレ+MTの組み合わせもでき、好みのスタイルでスポーティな走りを楽しめる。
価格は595ピスタが328万円(MT)/345万円(MTA)、595Cピスタは361万円(MT)/378万円(MTA)。限定台数は595ピスタが146台、595Cピスタが94台。
『アバルト595』にレースの血統を感じさせる限定車“Pista”が登場
フィアットのチューナーとして名を馳せ、世界中で“サソリの毒”に犯されたファンを持つAbarth(アバルト)から、主力車種『フィアット500(チンクエチェント)』をベースとした『595』と、キャンバストップ仕様の『595C』に通常は設定のないボディカラーや出力向上のエンジン、走りの楽しみを広げるパフォーマンスパーツを採用した限定車『Abarth595/595C Pista(ピスタ)』が登場。5月16日からの発売開始となることが明らかにされた。
この限定車はイタリア語で、レーストラックを意味する『Pista』という車名が示すとおり、数々のスポーティな装備によりパフォーマンスを高めたモデルとなっており、ベース車比で20ps増となる最高出力165psの1.4リッターのターボエンジンを搭載する。
さらにハイパフォーマンスエキゾーストシステム“レコードモンツァ”を標準装備し、リヤサスペンションにはKONI製FSDショックアブソーバーを採用するなど、出力増強に合わせたシャシー強化も施される。
またボディカラーには通常は設定のない“Blu Podio(ブルー)”を採用し、さらにリップスポイラー、ブレーキキャリパー、ドアミラーカバー、リアディフューザーにはイエローのアクセントカラーをあしらうことで、スポーティな佇まいが一層強められた。
さらにマットブラック仕上げの17インチアルミホイールで足元を強化し、フルオートエアコン(ダストポーレンフィルター付)やリヤプライバシーガラスを特別装備するなど、スポーティなルックスとともに快適性も引き上げられている。
この限定車のベースとなったのは『595』と国内未導入の『595C』で、これによりハッチバックとカブリオレの2種類のボディタイプが選択できることに加え、トランスミッションもATモード付5色シーケンシャルトランスミッション(MTA)と5速マニュアルトランスミッション(MT)が用意された。
そのため、通常は設定のないカブリオレ+MTの組み合わせも可能となっており、好みのスタイルでスポーティな走りを満喫できるラインアップとなっている。
各仕様とも限定での用意となり、『Abarth595 Pista』のMT仕様が95台限定で328万円、MTA仕様が51台限定で345万円。そしてオープンエアが楽しめる『Abarth595C Pista』のMT仕様が61台限定で361万円、MTA仕様が33台限定で378万円の計250台、全車右ハンドル仕様の設定となっている。
公式サイト:https://www.abarth.jp/limited/595-pista/
アバルト「595Pista」&「595C Pista」を240台限定発売、専用装備と特別色のハイパフォーマンス仕様へ
リヤプライバシーガラスなど特別装備
アバルトから“サーキット”を意味するネーミングに相応しい魅力の限定モデルが登場した。カブリオレのマニュアル車が選べるのにも注目したい。
FCAジャパンは4月21日、Abarth(アバルト)のホットハッチモデル「595」と同じくカブリオレの「595C」に、通常は設定のないボディカラーや出力を向上したエンジン、走りの楽しみを広げるパフォーマンスパーツを採用した限定車の「595Pista(ピスタ)」と「595C Pista」を設定。5月16日から全国の正規ディーラーを通じて計240台の限定でリリースする。 限定車の車名である「Pista(ピスタ)」は、イタリア語でレーストラック(サーキット)を意味するとのこと。ベースモデルは「595」ならびに国内未導入の「595C」で、ベース車よりも40馬力引き上げられた165馬力を発揮する1.4リッター直列4気筒のターボエンジンを搭載。 さらにハイパフォーマンスエキゾーストシステムの「レコードモンツァ」を標準装備したほか、リヤサスペンションにはKONI製「FSDショックアブソーバー」を採用し、シャーシ自体も強化されるなど、走りのパフォーマンスはさらに磨きがかかった。
今回はこのハイパフォーマンスに見合うだけの内外装にも注目したい。ボディカラーに通常は設定のない「Blu Podio(ブルーポディオ)」を設定。さらにリップスポイラー/ブレーキキャリパー/ドアミラーカバー/リヤディフューザーには、イエローのアクセントカラーを配色。他にもマットブラック仕上げの17インチアルミホイールを採用するほか、フルオートエアコン(ダストポーレンフィルター付き)やリヤプライバシーガラスを特別装備した。
さらにバリエーションにも注目。前述のように国内未導入の「595C」もベース車となり、トランスミッションも5速マニュアルトランスミッション(MT)とATモード付き5速シーケンシャルトランスミッション(MTA)がそれぞれ選択できる。 とくにカブリオレと5速マニュアルという組み合わせは、今回が初となる。各グレードのメーカー希望小売価格(消費税込み)と限定台数は、595PistaのMTが328万円(95台)、同じくMTAが345万円(51台)、595C PistaのMTが361万円(61台)、同じくMTAが378万円(33台)となっている。
スポーツ性と独自装備が魅力! 「アバルト595ピスタ」が限定発売
通常設定のないMTのカブリオレも選択可能!
FCAジャパンは、アバルトの高性能ハッチバック/カブリオレ「595/595C」に、通常は設定のないボディカラーや出力を向上したエンジン、走りの楽しみを広げるパフォーマンスパーツを採用した限定車「595/595Cピスタ」を設定。2020年5月16日より、全国のアバルト正規ディーラーを通じて合計240台限定で販売する。消費税込みの車両本体価格は、「595ピスタ」のMTが3,280,000円でMTA(ATモード付き5速シーケンシャル)が3,450,000円。「595Cピスタ」は同じく3,610,000円と3,780,000円となる。
このモデルは、イタリア語で“レーストラック”を意味する「ピスタ」という車名が示すとおり、数々のスポーティな装備によりパフォーマンスが高められた。ボディカラーには通常は設定のない「Blu Podio」(ブルー)を採用。エクステリアはリップスポイラー、ブレーキキャリパー、ドアミラーカバー、リアディフューザーにイエローのアクセントカラーがあしらわれてスポーティな佇まいが一層強められている。
ベースとなったのは「595」、および国内未導入の「595C」。これに、ベース車比で20ps増となる最高出力165psの1.4Lターボエンジンを搭載。さらに、ハイパフォーマンスエキゾーストシステムの「レコードモンツァ」を標準装備している。また、リヤサスペンションにはKONI製FSDショックアブソーバーを搭載し、シャシーも強化される。
装備については、マットブラック仕上げの17インチアルミホイールを装備するほかフルオートエアコン(ダストポーレンフィルター付き)やリヤプライバシーガラスを特別装備。スポーティなルックスとともに、快適性が引き上げられている。
このピスタでは、ハッチバックとカブリオレの2種類のボディタイプが選択できることに加え、トランスミッションもATモード付き5色シーケンシャルトランスミッション(MTA)と5速マニュアルトランスミッション(MT)を用意。通常は設定のないカブリオレ+MTの組み合わせも可能となっており、好みのスタイルでスポーティな走りを楽しむことが可能だ。
なお、発売前だがモデルごとの販売台数と詳細は以下の商品サイトで確認できる。
アバルト595ピスタ商品サイト
URL:https://www.abarth.jp/limited/595-pista/
FCAジャパン、アバルト595と595Cに高性能な限定車「ピスタ」
FCAジャパン(ポンタス・ヘグストロム社長、東京都港区)は21日、アバルトのハッチバック「595」と国内未導入のオープンカー「595C」に計240台限定の特別車「ピスタ」を設定し、来月16日に発売すると発表した。
ベース車に比べて20馬力増の最高出力165馬力を実現した1・4リットルターボエンジンを搭載し、高性能マフラー「レコードモンツァ」も標準装備とするなど、走りの楽しさを追求した。フルオートエアコンやリアプライバシーガラスを特別装備して快適性も高めた。
ボディーカラーは専用色のブルーで、リップスポイラーなど各部にイエローのアクセントを施した。トランスミッションは5速MTとATモード付5速シーケンシャルトランスミッション(MTA)の2種類を用意する。内訳は595のMTが95台、MTAが51台、595CのMTが61台、MTAが33台。価格は595CのMT車で361万円(消費税込み)。
Posted at 2020/04/21 20:43:15 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月20日
F1がコロナに挑む…通常2年を「100時間」で完成 メルセデスF1が作り上げた人工呼吸器が凄すぎる
日本でも自動車業界が新型コロナウイルスへの支援として、持ち前の技術や設備を用いる取り組みが行わている。
これからも官民問わない取り組みが行われていくのだが、日本よりひと足早く”緊急事態”となったヨーロッパではすでに多くの支援が始まっている。
なかでもF1の各チームが取り組んだ人工呼吸器開発プロジェクトは非常に大きな話題を呼んだ。今回はドイツ在住のジャーナリストにメルセデスがどのような取り組みをしたのかをまとめてもらった。
ドイツではどのような支援が自動車業界を通じて行わているのだろうか?
超突貫開発でもクオリティ高し!! メルセデス製の美しい人工呼吸器の姿はこちらから
文:Midori Ikenouchi/写真:Daimler, Mercedes AMG F1 Team
■全メーカーが稼働停止のドイツ国内の現状だが……
世界中に蔓延し、猛威を振るう新型コロナウイルスへの感染拡大防止の為、ドイツ政府は外出自粛要請を日本よりも3週間前に発令し、一部の特定管理エリア以外はすべての自動車製造ラインを休止しているメルセデス・ベンツ。
ドイツ政府は自動車メーカーへの稼働停止は強制していないが、すべての自動車メーカーが社員の健康・安全確保の為に独自に製造ラインを休止しているのが現状だ。
メルセデスF1チームが開発した人工呼吸器の一部。こちらは酸素流量や、酸素濃度を調整するコントローラーとなる
世界中の感染患者が爆発的に増え、医療現場での物資や医療機器不足が深刻化しているなか、イギリスに本拠地を置くメルセデス・AMG ペトロナスF1チームでは、最先端のF1技術を駆使し、異業種ながら迅速に医療業界へ手を差し伸べた事が話題を呼んでいる。
3月18日からイギリスのメルセデス・AMGペトロナスのF1ファクトリーでは、ユニバーシティカレッジ ロンドン(UCL)の工学エンジニアと、ユニバーシティカレッジ ロンドン病院(UCLH)の臨床医が、F1チームのハイパフォーマンスパワートレインのエンジニアらとともに、持続的起動陽圧装置(CPAP)の開発から製造に乗り出した。
CPAP(シーパップ)と呼ばれる持続的起動陽圧治療を施すための機器をメルセデスが開発し納品した。CPAPでは呼吸困難の患者に対して鼻や口から圧力をかけた空気を肺に送り込むもので、気管挿管を必要としない治療法となる
Covid-19感染患者が自発呼吸だけで酸素吸入が困難な場合、この装置を装着することにより呼吸を補助する役割を果たし、重篤患者の命を救い続けているのだ。
■なんと100時間でプロトタイプを完成させる
メルセデスのF1エンジンファクトリーが、ロンドン大学と共同で記録的な速さで開発した、持続的起動陽圧装置は、最初のミーティングから第一試作品の完成までに費やした時間は、なんと100時間未満。
通常それらの工程には2年もの年月が必要と言われているだけに、驚異的な短時間で完成させた事になる。すでに100台のデバイスが臨床試験のためにUCLHに提供され、英国政府は今後最大1万台の呼吸補助装置を発注。
器具の一部の製作工程。これほど細かいネジ穴を刻めるのはF1の緻密なパワーユニットを作るファクトリーならではの技術となる
その内の1000台は、ノーサンプトンシャーのブリックスワークスにあるメルセデス・AMGペトロナスF1チームのハイパフォーマンスパワートレインのテクノロジーセンターで製造されているという。
通常はF1のピストンとターボチャージャーを作成している40台の機械は、作業をしやすいようにファクトリーの中を配置転換し、UCLおよびメルセデス・AMGのエンジニアらが24時間体制で大量生産を行えるよう、迅速に社内体制も整えられている。
口と鼻を覆うマスクや湿度を維持するフィルターなどもあわせて開発されている
今回はメルセデス・AMGの取り組みを紹介したが、イギリスに本拠地を置くアストン・マーティン レッドブル、BWT レーシングポイント、ハース、マクラーレン、ルノー、ROKiTウィリアムズの7つのF1チームとテクノロジー企業が協力して医療機器などの開発に取り組んでいる。
その名も『プロジェクトピットレーン』と称し、イギリス政府のサポート要請に応えるべく、持続的起動陽圧装置の設計から開発・プロトタイプの製造、試験、組み立てまでの製造作業を担っている。
日頃のF1レースではライバルとして戦う立場であるが『プロジェクトピットレーン』では、F1で培われた高スキルとスポーツマンシップで結束し、多くの重篤患者の命を救い続けており、今後も英国全土の病院に迅速に供給されるという。
今回メルセデスF1チームが開発した器具の使用イメージ。マスクなども含めて非常に多くの器具か供給されている
UCL機械工学部のティム・ベーカー教授は「F1の技術からの助けを受けるという特殊なシチュエーションではありますが、UCL機械工学部とF1のハイパワーパワートレインのエンジニアの密室な関係によって出来上がったコラボレーションです」と述べた。
アンディ・コーウェル メルセデス・AMGペトロナスF1のハイパフォーマンスパワートレイン マネージングディレクターは「プロジェクトピットレーンとして、F1ファミリーの数多くのスタッフがこのプロジェクトに共感し、高機能の持続的起動陽圧装置を可能な限り早急に作り上げ、人命救助に携われる事を誇りに思います」と述べている。
医療機器もその安全性と、いかなる故障もしてはならないという信頼の両立が必要であり、日々医療現場からのフィードバックを生かして技術者が戦い続けている。一朝一夕で完成させられるものではないのだ。臨時的措置とはいえ医療機器開発の技術にメルセデスが太刀打ちできたのは、一件無駄にも思えるモータースポーツが極限を追い求めてきたからに他ならない
ランボルギーニ、人工呼吸器の増産を支援…専用シミュレーターを開発
ランボルギーニ(Lamborghini)は4月15日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大により不足している人工呼吸器の増産を支援する取り組みを開始した、と発表した。
ランボルギーニは、イタリアの人工呼吸器メーカー最大手、Siareエンジニアリング・インターナショナル・グループを支援している。その方法は、ランボルギーニの研究開発部門が中心になって、人工呼吸器専用のシミュレーターを開発したことだ。
人工呼吸器専用のシミュレーターは、人工呼吸器完成後の品質検査を効率化するために開発された。ランボルギーニによると、完成後の人工呼吸器が最終チェックを受ける前に、人工呼吸器の性能の初期評価が行えるという。
ランボルギーニは、3Dプリンターを使用して、わずか2週間でこの人工呼吸器専用のシミュレーターを設計し、完成させた。現在では、1週間あたり18個の人工呼吸器専用のシミュレーターを生産している。
ランボルギーニは、先進技術を持つ2社のコラボレーションが、イタリア企業が力を合わせて、新型コロナウイルスと戦う責任感と結束力のさらなる証明になる、としている。
対コロナにイタリア企業が団結! ランボルギーニが呼吸シミュレーターを共同開発
■イタリア企業の責任感と団結力の象徴
ランボルギーニは、イタリアの人工呼吸器トップメーカー、シアレ・エンジニアリング・インターナショナルグループに対し、研究開発部門による支援をおこなうと発表した。
この支援の目的は、呼吸シミュレーターの共同開発と製造だ。呼吸シミュレーターは、人工呼吸器を認定検査機器で最終検査をする前段階で、性能の初期評価をするために使用されるものである。
ランボルギーニは、自社の3Dプリンティングラボでシミュレーターの設計、製造、検証をわずか2週間で完了させ、構成部品の最適化を果たし1週間に1台のペースでシミュレーター生産を可能にした。
さらに、これと並行して、HP Jet Fusion 3D 4200プリンターを使用し、0.08mmの精度での印刷を可能にするMJFテクノロジーを活用したポリカーボネート製医療用フェイスシールドの生産も続ける方針だ。
エミリア・ロマーニャ州に拠点を置く、異なる分野において最先端の技術で製品を生み出す2社による今回のコラボレーションは、新型コロナウイルスに対して力を合わせて闘うイタリア企業の責任感と団結力の象徴となる。
人工呼吸器アプリの参照設計、ルネサスが作成 新型コロナ対応
車載用半導体大手のルネサス エレクトロニクスは4月16日、医療用人工呼吸器アプリケーションを効率的に短期間で設計できるようオープンソースの設計仕様に基づいた人工呼吸器向けにリファレンスデザイン(参照設計)を作成したと発表した。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染が世界中で拡大する中、医療機関で人工呼吸器が大幅に不足していることが課題となっている。同社のエンジニアは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)と闘う中で世界が直面する課題に対処するため、メドトロニックの「PB560」などのいくつかの設計仕様が公開されているオープンソースの人工呼吸器システムを基に、人工呼吸器用のリファレンスデザインを用意した。
患者の状態を監視しながら、患者に送られる1回のガスの量や配分量をコントロールするもの。この人工呼吸器は持ち運び可能で、ガスタンクの有無にかかわらず使用可能。加湿器を人工呼吸器の摂取経路に接続して患者の呼吸を和らげ、長時間接続することで、効率的に快方に向かわせることができる可能性がある。
同社では幅広い製品ポートフォリオとシステム設計のノウハウを活かすことで、病院や自宅での操作が可能な医療用人工呼吸器システムを短期間で開発できるよう支援するとしている。
GMが人工呼吸器を量産開始、フォードモーターは移動式の検査車両を提供…新型コロナウイルス
◆GMは米当局から3万個の人工呼吸器を受注
GMは4月14日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大で不足している人工呼吸器の量産を、米国で開始した、と発表した。
GMは、人工呼吸器を製造する米国の医療機器メーカーのベンテック・ライフ・システムズ社と協力。GMの生産、調達、物流の専門知識を活用しながら、人工呼吸器を生産する。
すでにGMは、米国保健社会福祉省から、3万個の人工呼吸器の受注を獲得している。GMはココモ工場の製造ラインを改修。1000人を超える人員を採用し、新型コロナウイルスの感染を防ぐ対策を施したうえで、人工呼吸器を生産する。
4月は600個以上の人工呼吸器を出荷し、3万個の受注のほぼ半分が、6月末までに生産できる見通し。8月末までに、すべての受注分の生産が完了する予定だ。GMは必要に応じて、8月以降により多くの人工呼吸器を生産することもできる、としている。
◆フォードモーターはドライブスルー検査を支援
フォードモーター(Ford Motor)は4月15日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染の疑いのある米国の人々を検査するために、移動式の検査車両を提供した、と発表した。
この取り組みは、3月20日に米国ミシガン州デトロイトとディアボーンで開始された新型コロナウイルスのドライブスルー検査の延長にあるものだ。現在までに、医療従事者とボランティアによって、合計3300人の警察官、消防士、医療従事者が検査を受けた。
フォードモーターは、移動しながら行える検査をサポートするために、テント、衛生設備、バッテリー、Wi-Fiネットワークを装備した車両を提供している。車両には、医療器具を含めた新型コロナウイルスの検査キットが、搭載されている。
フォードモーターが提供した車両は、1日あたり最大100人を検査でき、検査結果は24~36時間以内に通知される、としている。
フェラーリ、人工呼吸器用バルブを生産開始…跳ね馬のマーク入り
フェラーリ(Ferrari)は4月16日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対応する医療従事者を支援する取り組みとして、人工呼吸器用のバルブの生産を開始した、と発表した。
人工呼吸器用のバルブを生産しているのは、フェラーリのイタリア・マラネッロ工場だ。普段はフェラーリ車のプロトタイプを製作している部門が、積層造形技術を使用して、熱可塑性コンポーネントの人工呼吸器用バルブを製造している。
バルブはダイビング用品メーカーのマーレス社によって開発されたもので、医療マスクを作成するためにカスタマイズされている。人工呼吸器用のバルブには、色が白と黒の2種類がある。バルブには、フェラーリブランドを象徴する「跳ね馬」のロゴマークが添えられた。
また、フェラーリはイタリア・マラネッロ工場において、防護マスク用の部品の生産も開始した。この部品はソリッドエナジー社に送られ、デカトロン社のシュノーケルマスクを改造して、医療従事者を保護する目的の防護マスクに作り替えられる。
フェラーリでは各社の協力を得ながら、人工呼吸器用バルブと防護マスク用の部品を生産する。イタリア当局の調整に従い、イタリア国内の病院などに提供していく予定だ。
フェラーリが人工呼吸器のパーツを製造、新型コロナ対策で
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受けて、イタリアの高級車メーカーであるフェラーリが医療支援のための部品生産を開始しました。
フェラーリが製造するのは、人工呼吸器に使うバルブとシュノーケル用マスクを医療従事者のための防護マスクに組み替えるための部品などです。イタリア・マラネロにある本社工場で、通常はスポーツカーのプロトタイプを製作する部門が積層型の3Dプリンタなどを使って作ります。完成したバルブには“跳ね馬”のエンブレムが刻まれます。
フェラーリ製の部品はイタリアの医療機関向けに提供される予定。異業種の各社が緊急生産した物資の流通を取りまとめるNuovamacut Gruppo TeamSystemを通じて、最前線に届けられます。
日産もフェイスシールド生産へ、メーカー一丸で医療を支援 新型コロナウイルス対策
日産自動車は4月16日、新型コロナウイルス対策への支援の一環として、医療用フェイスシールドを製造し、国内医療現場に提供すると発表した。
新型コロナウイルス感染が拡大する中、医療現場ではフェイスシールドの不足が深刻な問題となっている。これを受け、トヨタやホンダが医療用フェイスシールドの生産を発表。日産もこれに続き、各事業所で保有する3Dプリンターを活用して医療用フェイスシールドの生産を開始する。
まずは、テクニカルセンター、総合研究所、横浜工場にて、月約2500個のフェイスシールドを4月より生産開始し、医療現場に提供する予定だ。
また、日本政府の要請に基づき、人工呼吸器及び人工心肺装置の製造メーカーへの支援の検討を開始。今後、日産グループとして、これらの医療用機器製造のための工程改善の提案、増産場所や人材の提供、不足部品の供給等を提案していく。
【スーパーGT】国内レース技術を新型コロナウイルスと戦う医療現場へ! 日産/ニスモが医療用フェイスシールドを開発
日産自動車株式会社および、同社のモータースポーツ活動を担うニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社(ニスモ)は、医療用のフェイスシールドを製作し、新型コロナウイルスの対応でひっ迫した状況が続く医療現場を支援するべく同製品の提供を開始することを明らかにした。
これは日産が新型コロナウイルスの感染拡大への対策の一環として打ち出したもの。主に同社の車両をベースとしたレーシングカーやパーツの製造を主に手がけるニスモと共同で、現在も世界中で感染拡大が続く新型コロナウイルスに立ち向かう医療現場への支援に乗り出し、国内の医療現場で働く方たちが使用する「医療用フェイスシールド」を開発した。
まずはニスモがレーシングカーのパーツ製作にも使用している3Dプリンターを活用しフレームを製作すると、それを受け取った日産自動車がフェイスシールドを取り付け、国内の医療現場へ提供することとなった。
新型コロナウイルスの脅威は拡大を続ける一方で、4月17日時点では同ウイルスの感染者は世界で合計210万人を突破。日本国内でも感染者数が1万人を超えようとしており、医療崩壊の問題が世界中で叫ばれている。
ヨーロッパではF1チームを始め、持てる技術で医療支援を開始しているが、その動きが日本でもついに始まることとなった。
日産自動車、新型コロナウイルス対策への支援として医療用フェイスシールドを製造
4月16日、日産自動車は世界中で影響が出ている新型コロナウイルス感染症への対策として、神奈川県内の日産テクニカルセンター、総合研究所、横浜工場で新型コロナウイルス対策への支援の一環として医療用フェイスシールドを製造し、日本の医療現場に提供すると発表した。
日産は、逼迫している医療現場に役立つよう、各事業所で保有する3Dプリンターを活用して医療用フェイスシールドの製造を行っていく。まずは、厚木のテクニカルセンター、追浜の総合研究所、さらに横浜工場で、月あたり約2500個のフェイスシールドを4月から生産を開始し、医療現場に提供する予定だ。
また日本政府の要請に基づき、人工呼吸器および人工心肺装置の製造メーカーへの支援の検討を開始した。今後日産グループとして、これらの医療用機器製造のための工程改善の提案、増産場所や人材の提供、不足部品の供給等を提案していく。
海外でも医療現場への支援を開始しており、アメリカでは3Dプリンターを活用し医療用フェイスシールドの生産を行い、ミシガン州、ミシシッピ州、テネシー州の医療施設に寄付。またイギリスでは、サンダーランド工場の従業員がボランティアとして、医療用フェイスシールドの提供を支援している。
サンダーランド工場では、今週までに7万7000個のフェイスシールドを出荷し、その後は最大で毎週10万個を出荷する見とおし。日産はフェイスシールドの生産能力を大幅に引き上げるため射出成形機の購入を援助していく。またスペインでは、サンパウ病院、QEVテクノロジーズ、Eurecatとのコラボレーションにより、人工呼吸器の製造を開始する。今週からバルセロナのパワートレイン工場にて生産を開始する。
日産グループは「引き続き自動車の開発および生産で培ったノウハウや、保有する設備を活用し、各国の政府や関係者の皆様と連携し、新型コロナウイルス感染拡大防止への支援を進めてまいります」としている。
ニスモ、医療用フェイスシールドのフレームを製作…レーシングカーのパーツ製作技術を活用
ニスモは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)対策への支援の一環として、日産自動車とともに医療用フェイスシールドを製作し、医療現場を支援するために提供を開始すると発表した。
新型コロナウイルス感染が拡大する中、医療現場ではフェイスシールドの不足が深刻な問題となっている。
今回、日産自動車のモータースポーツ活動を担うニスモは、レーシングカーのパーツ製作に使用している3Dプリンターを活用して医療用フェイスシールドのフレームを製作。フレームは日産自動車に納品された後、医療用フェイスシールドとして、医療現場に提供される。
自動車メーカーでは、トヨタやホンダが医療用フェイスシールドの生産を発表しているが、ニスモも日産グループの一員として、医療現場をサポートしていく。
ブリヂストン、簡易マスクの自社生産開始 週10万枚
ブリヂストンとブリヂストン化成品、ブリヂストンケミテックは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症の影響による国内のマスク不足緩和に向け、国内ブリヂストングループ会社従業員向けにウレタンを活用した簡易マスクの生産を開始した。
ブリヂストングループでは、過去に業務用マスクを製造していた際のノウハウをもとに、ウレタン製品の生産ラインを活用して早期生産を実現、週10万枚の生産を予定している。
今回生産する簡易マスクは、同社グループ従業員が販売活動や生産活動を行う際に飛沫飛散防止用として使用するためのもので、マスクを自社生産することで市場からの調達量を減らし、国内マスク不足の緩和に貢献していく。
ブリヂストン、グループ内の事業活動で使用する簡易マスクを自社生産
ウレタンを活用した簡易マスクを生産
ブリヂストンとそのグループ会社であるブリヂストン化成品、ブリヂストンケミテックは、COVID-19(新型コロナウイルス)の影響により深刻化している国内のマスク不足緩和に対し、国内ブリヂストングループの会社従業員が使用するためのウレタンを活用した簡易マスクの生産を開始した。
ブリヂストン化成品とブリヂストンケミテックは過去に業務用マスクを製造していたノウハウをもち、ウレタン製品の生産ラインを用いて早期生産を実現。週10万枚の生産を予定している。この簡易マスクはグループ従業員が販売活動や生産活動を行う際に飛沫飛散防止用として使うことを想定し、マスクを自社生産することで市場からの調達を減らして国内のマスク不足緩和に貢献するもの。
ブリヂストンでは、地域住民やカスタマー、従業員の生命安全、健康を守ることを最優先に位置付け、政府・各自治体の方針に基づいた「3密」の回避徹底や在宅勤務の推進などをグループをあげて行っており、今回のような自社資産や技術を活用した取り組みを通じて社会・地域に積極的に貢献していく。また、生産拠点や営業/物量拠点など社会インフラを支えるために必須な業務については、安全確保に万全を期したうえでオペレーションを継続すると共に、本社機能ではテレワークのレベルを上げて対応するなどの抜本的な働き方改革に繋がるように取り組む。
【勘違いも】トヨタやホンダが人工呼吸器の製造に乗り出すワケ 高い技術力/多様な研究で柔軟に
人工呼吸器の生産 1つの「勘違い」
text:Kenji Momota(桃田健史)
自動車メーカー各社で、人工呼吸器の生産に向けた動きがある。新型コロナ感染拡大の影響によるものだ。
こうした報道を見聞きして、多くの人が「勘違い」しているかもしれない。
まず、「工場が止まっているからクルマの代わりの商売として作る」という、勘違い。
確かに、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スズキ、ダイハツなど、自動車メーカー各社の国内工場は現在、その一部が稼働を停止している。
理由は、大きく2つあり、1つは海外から輸入している部品が納入されないから。もう1つは、従業員の中で新型コロナウイルスのPCR検査で陽性反応が出たため、工場内の消毒などが必要になったためだ。
また、スバルなど日本から海外への輸出が多い工場では、アメリカや欧州での需要急減によって生産調整のために工場の稼働を止めるケースもある。
国内需要についてはまだ、欧米と比べて大きな落ち込みがないため、明確な生産調整に至っていない。
こうした止まった製造ラインで、人工呼吸器を流す。または、製造ライン従事者の手が空いたので、人工呼吸器を作る部門にまわる、ということではない。
人工呼吸器の生産は、既存の自動車生産とは別枠として、自動車メーカー各社が検討していることである。
自動車メーカー 呼吸器の知見、なし
技術については「自動車メーカーはEV(電気自動車)や各種の電装部品に関して優秀な技術力があるから、人工呼吸器を早期に開発/生産できるはず」という見方も、勘違いだと思う。
この点について、トヨタの豊田章男社長が2020年4月10日、日本自動車工業会・会長の立場で次のように発言している。
「人工呼吸器の製造を期待する声があることも認識しております」
「しかし、これは、人の命に直結する医療器具です」
「自動車も人命にかかわる製品ですので命に関わるモノづくりが、どれだけ難しいかをわれわれは認識しています」
「簡単なことではありません」
「まずは、医療機器を作っている方々のところに行き、その生産を1つでも増やせるような、生産工程の改善など、われわれのノウハウを活かせるサポートを始めてまいります」
自動車産業は、数万に及ぶ部品をサプライチェーンが製造し、効率的な物流網によって最適なタイミングで最終組立てを行い量産化している。
こうした産業構造に裏打ちされた、生産技術を人工呼吸器など精密医療機器に応用する手助けをするのだ。
この他、自動車本業を活用する事例としては、ホンダが感染者搬送用でオデッセイ/ステップワゴンの特装車を仕立てる。
運転席と荷室との圧力差を作り、車内感染を予防するシステムを搭載する。
人工呼吸器 日本より米が先だったが
人工呼吸器など、新型コロナウイルス対策で自動車メーカーが動いたのは、日本よりアメリカが先だ。しかも、それは大統領命令だった。
トランプ大統領は、アメリカ全土に国家緊急事態宣言を発令してから15日後となる3月28日、ゼネラルモーターズ(GM)に対して国防生産法に基づき人工呼吸器の生産を命じた。
同法は50年代の朝鮮戦争のために米政府が整備したもの。トランプ大統領は新型コロナウイルスとの闘いを「これは戦争だ」と表現しており、GMの人工呼吸器生産はまさに有事への対応だ。
GMはインディアナ州の部品工場で、医療機器メーカーと連携した生産体制を進めた。
だが、「準備が遅い」というトランプ大統領がツイートに国民の中から賛否両論。GMとしては、トヨタのように医療機器メーカーを手助けする方が、結果的に生産がスムーズに進んだのかもしれない。
北米でもトヨタは、医業機器メーカーと手助けする形式をとっている。
このほか、テスラが1000台を病院に寄付した人工呼吸器について課題あり、との報道がある。新型コロナウイルス感染で重症化した患者には適さないタイプの人工呼吸器だとの指摘だ。
この件について、テスラのマスクCEOはツイートなどでコメントしていない。
有事では、情報が錯綜したり、情報の真偽がわかりにくこともある。
新領域への挑戦 高い技術力で柔軟に
この他で注目されるのが、自動車メーカーが3Dプリンターを活用して医療機器を製造する動きだ。
トヨタやダイムラーは3Dプリンターを使用して医療従事者向けのフェイスシールドを作る。
日本でもホンダが感染者輸送車両の開発を合わせて、フェイスシールドの生産に乗り出すことが明らかになった。
このように、自動車メーカーは高い生産技術を持ち、かつ多様な研究開発を定常的に行っているため、今回のような有事でもフレキシブルな動きがとれる。
いまのところ、社会貢献を目的としており、収益性を問うことはしていないと思われる。
有事でのクルマの対応では近年、全国各地で発生した豪雨災害の際、PHEV(プラグインハイブリッド車)、EV(電気自動車)、そして燃料電池車が移動用電源として活用された。
このように、自動車メーカーとしては今後、社会がこれから直面する様々な試練の場を乗り切るために、これまでには想定していなかった技術やサービスを考える必要が出てくるのだろう。
世界各地で未だ収束の目途が立たない、新型コロナウイルス感染の拡大。一刻も早くワクチンが量産され、世界各地で再び、平穏な社会が訪れることを願う。
新型コロナ感染終息に向けて一致団結! 国内外の自動車関連企業もマスク製造へ!
■新型コロナ感染の終息に向けて
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の対策として、異業種のメーカーが医療用マスクの生産に乗り出すなど、多くの企業がさまざまな取り組みをおこなっています。自動車メーカーは、いったいどのような動きを見せているのでしょうか。
●日本自動車工業会を含む自動車製造に関わる4団体
日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、日本自動車車体工業会、日本自動車機械器具工業会の自動車製造に関わる4団体は、医療崩壊をさせないために少しでも役に立てることとして、自動車産業の手でマスクを作ることを発表。
しかし、クルマの部品から作ったマスクの最初の試作品はゴワゴワであったことを明かし、改良が進んではいるものの、まずは自分達の身を守るためにこれらの試作品を使用し、その分、外部からの購入を減らすことで少しでも需給緩和に寄与したいとしています。
また、空いている寮や保養施設についても、たとえばトヨタグループだけで、1500室程度、自工会会員各社では合計3000程度の部屋が用意できる見通しがあるとし、状況によっては、軽症患者が療養する施設として提供する考えがあることも名言しました。
さらに、自動車産業には約550万人の就業者がおり、これは日本の就業人口の約1割にあたります。
そして、自動車には他の産業へ波及する力があり、その生産波及を数字で表すと2.5倍。これは自動車が1生産すれば、世の中の生産が2.5誘発されるという数値で、日本の産業別ではトップのレベルとなっています。
そんな自動車産業が踏ん張って事業を回し続け、なんとしても雇用を守っていくことが日本経済の崩壊を食い止めるための大きな力になると自覚しているとも明言。
事業を止めぬよう努力する方針であるとともに、自動車に関わる全員が、まずは、絶対に感染しないよう予防を徹底することが、医療崩壊を食い止めるためにも大切であるとしています。
●トヨタグループ
トヨタ自動車ならびにトヨタグループ各社は、「安全・安心を最優先に現場で戦っている方々、苦しんでいる方々の気持ちに寄り添いながら、私たちにできることを即断、即決、即実行していく」という方針に基づき、現在、社会的な最優先課題となっている感染拡大の抑制や医療現場の支援に向けて、自動車産業が持つ製造・物流面でのノウハウや、グローバルに広がるサプライチェーンを活かし、さまざまな側面から対策を検討し、迅速に取り組むことを明言しています。
そして、具体的な対応として、トヨタ自動車貞宝工場で試作型による医療用フェイスシールドの生産準備を進めており、まずは週500個から600個程度のペースで生産を開始する予定です。さらに、グループ企業でも生産が可能か検討を進める方針です。
また、政府による自工会への調達協力要請を受け、トヨタ自動車のサプライチェーンを通じ、医療用マスクや防護服、体温計など衛生用品の調達支援に向けた取組みを開始。病院向けの簡易ベッド台や消毒液容器、医療機関等での簡易間仕切り壁など、医療機器以外で必要とされる備品を生産することでの協力の可能性について、アイシン精機が調査を開始しました。
さらに海外においても、医療用フェイスシールド(防護マスク)の生産および寄贈、マスク等の衛生用品の地元医療機関への提供や、トヨタ生産方式のノウハウを活用した医療関連企業における生産・物流面での生産性向上支援、医療機関等への車両提供など、各国・各地域の事業体が中心となり、政府をはじめとする地元関係者と連携しながら、可能な支援を検討し、順次対応。
社会的なマスク不足への対応として、生産活動においてグループ内で必要とされるマスクの自給自足を進めるため、自社施設内でマスクの生産をおこなうことで、市場からの調達量を低減し、社会におけるマスク不足の緩和に少しでも寄与する活動を進めています。
その流れとしてデンソーは、製造現場を中心に社内で必要となるマスクを自主生産することを決定。2020年4月中の生産開始を目指して試作品の生産に着手しており、軌道に乗れば1日10万枚ペースでの量産が可能となる見通しです。
トヨタ紡織は、4月上旬より刈谷工場において1日1500枚ペースでの生産を開始。順次、増産を図るとともに、翌5月以降は猿投工場に移管し、1日1万2000枚ペースでの増産を計画中です。そのほかにも、アイシン精機、ダイハツ工業、日野自動車などでもマスクの自社生産を検討していく方針としています。
●日産自動車
日産は、新型コロナウィルス対策への支援の一環として、医療用フェイスシールドを製造し、日本の医療現場に提供することを発表しました。
まずは、テクニカルセンター、総合研究所、横浜工場で保有する3Dプリンターを活用し、1か月約2500個のペースでフェイスシールドを、医療現場に提供する予定です。
また、日本政府の要請に基づき、人工呼吸器及び人工心肺装置メーカーへの支援の検討を開始しました。今後は、日産グループとして、これらの医療用機器製造のための工程改善の提案や、増産場所、人材の提供、不足部品の供給などを提案して行く方針です。
海外においても、医療現場への支援を開始。米国では3Dプリンターを活用した医療用フェイスシールドの生産をおこない、ミシガン州、ミシシッピ州、テネシー州の医療施設に寄付しています。
英国では、サンダーランド工場の従業員がボランティアとして、医療用フェイスシールドの提供を支援。同工場では、2020年4月の3週目までに7万7000個のフェイスシールドを出荷し、その後は最大で毎週10万個を出荷する見通しです。さらに日産は、フェイスシールドの生産能力を大幅に引き上げるための射出成形機の購入を援助しています。
スペインでは、サンパウ病院、QEVテクノロジーズ、Eurecatとのコラボレーションによる人工呼吸器の製造を開始。2020年4月の3週目から、バルセロナのパワートレイン工場での生産を始めました。
■海外のクルマ関連企業も続々と新型コロナ対策に貢献
● ランボルギーニ
ランボルギーニは呼吸シミュレーターの共同開発と製造のために、イタリアの人工呼吸器トップメーカー、 シアレ・エンジニアリング・インターナショナルグループに対する技術的支援を発表しています。
呼吸シミュレーターは、人工呼吸器を認定検査機器で最終検査をする前段階で、性能の初期評価をするために使用されるものです。
ランボルギーニは、自社3Dプリンティングラボでシミュレーターの設計、製造、検証をわずか2週間で完了させ、構成部品の最適化を果たし1週間に18台のペースでのシミュレーターの生産を可能にしています。
また、これと並行して、HP Jet Fusion 3D 4200プリンターを使用し、0.08mmの精度での印刷を可能にするMJFテクノロジーを活用したポリカーボネート製医療用フェイスシールドの生産も続けています。
●グループPSA
プジョー、シトロエン、DS、オペル、ヴォクスホールなどの自動車ブランドを擁するグループPSAは、コロナウィルスの蔓延の状況を踏まえ、それに対抗すべき取り組みとして、約40万枚のマスクを病院、救急施設や自治体に寄付しました。
また、グループ内の医療施設の主導によって、ミラノ、マドリード、そしてミュールーズにも医療装備(AED=自動体外式除細動器や応急措置キット、手袋等)の寄付を推進。病院の職員や医療従事者に対し、パリ、マドリード、リスボンなどの都市内に自社が保有する車両を提供しています。
ほかにも、フランスの3社(Air Liquide、Schneider Electric、Valeo)と共同で1万台の人工呼吸器を、2020年4月上旬から翌5月中旬での完成をめどに50日以内で製造するというプロジェクトを推進。グループ自社のポワシー工場では、人口呼吸器の本体部分の製造に乗り出すべく、ワークショップが開催されました。
さらに、エール・リキードのアントニー工場には、自社グループ内からボランティア社員を派遣し、人工呼吸器の生産力向上に貢献しています。
そしてブラジルブランチでは3Dプリンターを使って、感染患者と接触を余儀なくされる医療従事者が利用するためのフェイスシールドのパーツ製造に着手。出来上がったフェイスシールドは公的な医療施設に寄付される予定です。
●ミシュラン
ミシュランは、世界的な新型コロナウィルス感染拡大抑制のために、欧州の10拠点でマスクおよび医療従事者向け防護フェイスシールドの生産を開始すると発表しました。
生産するマスクは、使い捨て用と再利用可能の2種類で、事業展開する国々の医療機関や従業員に提供する予定です。
まずは欧州の10拠点で毎週約40万枚の使い捨てマスクを生産し、順次増産していく方針としています。
再利用可能マスクについては2020年5月までに週100万枚、翌6月には週500万枚のペースでの生産を目標としており、再利用可能マスクは洗浄可能で交換可能なフィルターにより100回まで使用可能なため、500万枚は使い捨てマスク5億枚に相当します。
また、フランスの病院からの要請により、医療従事者向けの滅菌可能なポリカーボネート製フェイスシールド(防護マスク)の製造も開始しており、4月中旬以降に1万枚を外部委託生産予定です。
ミシュランはこのほかにも人工呼吸器、医療機器部品、医療用クッション、手の消毒剤などの生産プロジェクトに着手しており、今後も行政や業界団体と連携を図りながら、必要な支援をおこなうとしています。
IHI、AIで異常体温を瞬時に通知 非接触検測定システム
IHI子会社のIHI検査計測(柏﨑昭宏社長、横浜市金沢区)は、異常体温者を自動的に通知するスクリーニングシステムを20日発売すると発表した。人工知能(AI)による顔認識機能を持ち、対象者の体表面温度のみを瞬時に非接触で測定。異常体温者が通過するとオペレーターにリアルタイムで通知する。新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、多くの人々が出入りする施設などで接触による感染リスクを大幅に低減する機器として役立ててもらう。
赤外線と光学の双眼カメラのほか、AIによる顔認識や異常体温の判定、警報、データ保存の機能を持つディスプレー一体型PC、計測精度を向上させるキャリブレーターなどで構成する「フィーバーチェック」として発売する。設営は20分程度で完了し、構成機器は1つのキャリーバックに収納されており移設も容易にできる。
顔認識で人の顔を正確に特定し、複数人の体表面温度を非接触で同時に測定する。測定範囲は30~45度で、精度はプラスマイナス0・3度となる。測定距離は2~3メートル。パソコン上に顔画像とともに測定温度をリアルタイムで表示し、異常体温者が通過すると音を鳴らす。オフィスや工場、学校、ホテル、商業施設、空港、駅、イベント会場など屋内の多数の利用者が入場する場所でスクリーニングの効率的な実施に活かしてもらう。
フェラーリもコロナウイルス対策で医療従事者向けパーツを製造へ
プロトタイプ車両の開発部門が成形を担当
4月16日、フェラーリは新型コロナウイルスの感染者を救うために尽力している医療従事者を支える取り組みとして、本社マラネロ工場で人口呼吸器用バルブと防護マスク用フィッティングパーツの製造を開始したと発表した。
製造作業は、車両のプロトタイプを作成する部門が、積層造形技術によって熱可塑性(熱を加えることによってさまざまな形状に加工できる)プラスチックのコンポーネントを製造。一方、人工呼吸器用バルブは、ダイビング用品メーカー「Mares」の協力を得て開発された。
これらは数日後に、イタリアの民間保健機関の指導のもと、ベルガモやジェノバ、モデナを含むイタリアの病院に送られ、医療従事者のもとに届けられる。
なお、この取り組み以外にも、フェラーリはさまざまな形で支援活動に取り組んでいる。すでに4月9日にはモデナ州の医療機関を支援するために募金活動を開始し、フェラーリとそのオーナーによって100万ユーロ(約1億1600万円)を寄付。この寄付金は、今後さらに増加していく見込みだ。
寄付金は、新型コロナウイルスの感染者を治療するための医療機器の購入に充てられるほか、感染の疑いのある市民を遠隔でモニタリングする遠隔医療システムに活用。さらに、AUSLモデナに対しては救急車が寄付。あらゆる側面から患者、そして医療従事者の支援に使用されている。
今後もフェラーリは、この緊急事態が続く限り、世界中の多くのフェラーリ・オーナーの善意に支えてもらいつつ具体的で素早く地域社会に届けられる支援活動を検討していく方針という。
Posted at 2020/04/20 23:33:49 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2020年04月20日
「スタリオンにV8マッスルパワーを」セルシオのパワートレインをフル移植した超快適仕様!
アメ車よりもアメ車っぽい!? 国産V8換装で鬼トルクを手にした高速ツアラー
キャノンボールやゴリラに劇中車として登場したA187A
1982年にギャラン系から派生した、三菱のフラッグシップスポーツのスタリオン。北米市場を強く意識したロングノーズ&ショートデッキのスタイリングに一目惚れする人は決して少なくなかった。
性能面では、全世界での販売を狙い200キロオーバーの巡航性能なども盛り込まれて設計。WRCなどの国際ラリーにも積極参戦し、グループBラリーに向け4WDモデルなどの開発が進められていたことも有名だ。
さらに映画『キャノン・ボール』ではジャッキーチェンの愛車として登場した他、テレビドラマ『ゴリラ』ではガルウイング化された車両が主役級マシンとして採用されるなど、当時の三菱が積極的にプロモーション活動を行なっていたことが伺える。
ここで紹介するマシンは、北米仕様の2.6Lブリスターフェンダーモデルだ。エンジンは4気筒のG54をターボモデルに発展させたもので、最大トルクは30kgmオーバー、当時の国産車の中ではトップクラスに位置するスペックを誇っていた。
そうしたベース車の素性まで加味し、最新のメカニズムをインストールしたのはエンジン換装チューニングを得意とする“C&Yスポーツ”。
オーナーの希望で選ばれたのは、なんと20系セルシオ用のV8エンジン(1UZ-FE)&ミッション。元々、4気筒エンジン搭載車のため、当初は“無理だったら作業を中断してエンジンを変更する”という約束で作業に取り掛かったそうだが、依頼を受けた側の意地もあってなんとか完成までこぎつけたとか。
実際、エンジンの搭載位置やワンオフのEXマニ周辺などを見ると、そのクリアランス調整は場所によってはミリ単位。ある程度の振動や熱害まで計算しながら、メイク&トライを繰り返して製作は進められたのである。
ロードクリアランスを確保するためにマフラーはテール直前まで左右バンクを独立させている。結果的にトルクアップにも繋がったそうだ。
ホイールにはメッキの深リム(バセットタイプ)をチョイスし、アメリカンなスタイルを演出する。
ステータスの高い左ハンドルのインテリアは基本的にオリジナル。B&M社製のAT用機械式シフトレバーを、セルシオの電気式のセレクターに組み合わせるは意外に大変な作業だったそう。
「苦労したけど、他にないクルマ作りに挑戦したという満足感が残ったし、オーナーさんも満足してくれたからチャラですね(笑)。V8の走りは気持ち良いですよ!」と、取材時にはC&Yスポーツらしいコメントを話してくれた。
●取材協力:C&Yスポーツ TEL:0561-38-8325
Posted at 2020/04/20 21:54:52 | |
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自動車業界あれこれ | 日記