4月24日、国土交通省は、株式会社IHI原動機による舶用エンジン等の燃料消費率に関するデータ改ざん事案について、発表しました。
以下、発表内容です。
本日、株式会社IHI原動機及び親会社の株式会社IHIより、IHI原動機が製造する舶用エンジン等について、試運転時に行う燃料消費率の測定において、データが改ざんされるという不適切行為があった旨の報告を受けました。
このような事態は、ユーザーからの信頼を損なう行為であり、また、船舶の環境・安全性能の確保の観点からも極めて遺憾です。
国土交通省としては、両社に対して、事実関係の詳細な調査及び再発防止策の検討を実施し、速やかに報告するよう指示しました。
引き続き、両社を指導し、船舶の環境・安全性能の確保と再発防止の徹底について、厳正に対処してまいります。
1.IHI原動機及びIHIからの報告概要
・舶用エンジンの組立完了後に行う試運転において、実際に測定された燃料消費率(以下「実測値」という。)とは異なる数値を工場試験成績書に記載していた。詳細は以下の通り。
▶2003年以降に出荷した国内向け舶用エンジン(1,938台)のうち、1,594台において工場試験成績書における燃料消費率のデータ改ざんが行われていた。
▶このようなデータ改ざんにより、796台において実測値が顧客との間の仕様値を満たさないものとなっていた。
▶実測値を用いたNOx排出量に関する規制の適合性については確認中であるが、海外向けの舶用エンジンで基準を逸脱している恐れのある事例が確認された。
原因究明や再発防止策の策定等を進めるため、外部有識者を中心とした特別調査委員会を設置する。
2.国土交通省の対応
舶用エンジンの不適切行為に対する国土交通省の対応は以下の通り。
・両社の報告を踏まえて、以下の通り両社に指示を行うとともに、今後国土交通省が行う調査を踏まえNOx規制に係る規則の遵守が確認されるまでの間、IHI原動機に対する関連証書の交付は行わない旨を伝達した。
▶2003年以前の不適切行為の確認も含めた全容の解明と再発防止策を策定すること。それに向けて、まず5月末までにその時点までに判明・措置した事項について報告すること。
▶関係事業者への丁寧な説明や対応に努めること。
▶不適切行為のあったエンジンを搭載している船舶について他の関係規則への適合に影響する可能性があるかどうかを確認すること。
・他の舶用エンジンメーカーに対して、環境・安全に関する規則遵守の徹底と適切な業務運営に関する注意喚起を行った。
・今後、IHI原動機に対し、速やかに調査を実施し、事実確認を行った上で、厳正に対応する。
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Posted at
2024/05/07 03:24:00