南海トラフ地震の前兆ではない…えっ？ #深発地震 #南海トラフ #マントル上部 #マントル地震

7月28日、03:31頃、三重県南東沖（北緯33.0度、東経137.4度）、震源の深さ約420kmで、M6.5と推定される地震がありました。

最大震度4を観測したのは、震源から離れた宮城県丸森町鳥屋でした。

深い場所が震源（マントル上部内）の地震は、地震波の反射、伝播速度の違い当により、震源直上が最も強い揺れとならず、離れた場所で強い揺れを観測する異常震域を観測することが多いです。

以前にアップした2015年05月30日に、小笠原諸島西方沖（北緯27.9度、東経140.8度）で発生したM8.1の地震は、震源の深さは約682kmで、震源に比較的近かった小笠原、離れた埼玉で震度５強の揺れを観測し、47都道府県全てで震度1以上の揺れを観測しています。
この地震は、上部マントルと下部マントルの境界に近い部分で発生した地震で、今回の地震と発生メカニズムがやや異なりますが、震源から離れた場所で強い揺れを観測すること、ゆっくりと長い時間、揺れること等々、揺れ方に共通項が多いです。

さて、今回の地震、震源が深いことから、発生が懸念される南海トラフ地震と発生メカニズムが違う、全く関係のない地震で前兆でないとコメントしている自称・地震の専門家や学者の方々がいますが、深発地震の場合、上部層へ崩壊が進み地殻内での大きな地震を発生させる予兆と考える説も有力であることを考えると（同じプレートの下の方で大きな崩壊があって、上部に影響がないと考える方が楽観的過ぎる）、注意深く観測を続ける方が良いと考えます。

必ずしもモデルの通り地殻が動くとは限りませんし、不安を煽るようなことは慎むべきですが、短期的な観測機器の集中投入等の観測強化はしても良いのではないかと思います。

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