クランクプーリーが取れなくていちいちストップしていたBNR34。
色々準備してようやく作業再開。
とにかく鬼のトルクで締まっているクランクプーリーボルトは何とか緩めて終わっていたので、問題なのはシャフトからの抜き取りと、最後の締め付けくらい。
タイベルの交換自体はとてもオーソドックスで単純だ。
結構大変なプーリーの抜き取り。
これはこれで適当な道具が無いと何だかんだでどうにもならなかったりする。
ホールドプレートによる作業失敗によって、正面の6ミリのネジ山を破壊してしまっていたので、8ミリで切り直しました。
そうは言っても、ドリルなどがそのまま入るスペースは無いので、6.35ビットを咥えられる9.5のソケットに7.5ミリのドリルビットを取り付けてエアラチェで穴あけしました。
アングルドリルって高いんだものw
これでホールドプレートのプーラー機能で問題なく抜き取り出来ました。
あとはどんどんファンベルトやカバーを取っていって、タイミングベルトやスプロケットを外すんですが、まずタイベル交換の基本として、バラす前に1番気筒の圧縮上死点を出すという事。
どんな車でも、必ずクランクに上死点を見る合いマークがある筈なので、プーリーを取ったシャフトにボルトを仮付けしてスピンナーなどで回し、印を合わせます。
クランクシャフト1回転でカムシャフトは半周しかしません。
時計回りにどんどん回して行って、クランクの合いマークを合わせ、カムスプロケの合いマークが合っていれば圧縮上死点。
半周ズレて合っていなければ排気上死点となりますので、クランクをもう一周させて全ての印を合わせます。
スプロケの印を合わせたら、どんどん部品を外していきます。
左側中央のスタッドボルトはテンショナーの軸で、これも交換。
隣のアイドラーはボルトで留まっていますが、ここのボルトも交換です。
各アイドラーの支持点が高く、長く使うと折れてしまう事があるらしい。
ウォーターポンプは少し高いN1用を準備してきた模様。
3万円以上するらしい・・・。
確かに羽根の形状が違う。
高流量でキャビテーションが出にくい形状なんだとか。
フリクションはデカそうだなw
クランク回りはかなりオイルで汚れていたので、きれいに洗浄しウォーターポンプの取り付け。
部品としてガスケットの設定はなく、液体ガスケットでの取り付け。
しかし、ウォーターポンプがファンベルト駆動ってクルマ自体が久しぶりで、むしろ新鮮。
あとはもうただひたすら組んでいくだけですが、一つ問題が発生。
クランクのシールの打ち込みがなかなか上手くいかない。
部品屋が気を利かせて社外品のオイルシールを準備したんだと思いますが、内側のリップ部分が柔らかすぎて、捲らずに挿入できないと言えばいいのかな。。
カムシールは規定内径での突出部分が長いので、捲れないように修正しながら挿入し、スプリングの位置も確認してから座面まで着床出来るので問題なかったが・・・
クランク側は、既定の内径になる段差を越えてから取付座面までが浅すぎて、捲れを修正しながら入れられない。
押し込んだ瞬間にプリっと捲れてしまう感じ。
しかも捲れた時点で中でスプリングが外れてる可能性が高く、上手く外からつついて修正したところで上手くいってる確証がないという危険。
ここは純正でないと駄目だ。。。
何度もトライしているうちにシールも傷んできて、どの道使えない事が確定。
再び頓挫か???
と思ったが、HIKO君があちこち電話を掛け捲って日曜に対応してくれる共販を探し出しました。
「オイルシールあるみたいです!これから取ってきます!!!」
相模原の部品共販まで走るHIKO君。
そうか、あったか。
なら何とかなるかな。
出来る事を進めておこう。
オイルシールが来るまでのあいだ、超大変なサージタンクの取り付け。
セルモーターを先に取付し、新品ガスケットをセット。
苦戦するかな~と思いましたが、外すときに要領を理解していたので、どうにもならない部分はありませんでしたが・・・首振り系の小さい工具を駆使しまくって約1時間半w
まぁ、こういう部分は気力と集中力の問題だよね。。
1日の最後の方で暗い中でやると3時間掛かったりする。
面倒な部分はフィジカル万全で挑みたい。
ちょうどいい具合にオイルシールをゲットしてきたHIKO君到着。
何の問題もなく一発挿入ですw
リップ部分に厚みがあって硬く、捲れない構造になっている。
やっぱこの手の絶対に失敗したくないマシンのタイベル交換とかは、極力純正部品を使うべきだとつくづく思う。
特に、オイルシールとかの安い部品ほどね・・・
何百円のシールをケチってジェネリック使ったら、失敗とかアホらしい・・・。
こういう部品は確かに規格ものだから、基本的に純正も社外品も同じじゃないかなとは思う。
ただ、純正だと車種ごとの独特の条件に合わせて進化している部品もあるので、汎用品の社外ではそれを満たしていない事もある。
社外品は安い分だけ、賭けになる部分があるという事だね。
再び合いマークを確認しながら、新品のタイミングベルトを張っていきます。
(当然純正品ていうか同等品w)
よくタイミングベルトも強化品が使われたりするんだけど、殆どの人には必要が無いと思うんだよね・・・
特殊アラミド繊維がどうのこうのと、その強靭さを謳っていたりするんだけど、そもそもカムをクランクに同調させているだけなので、そんなに負荷が掛かる部分ではないし、たとえ600馬力出したって純正のタイミングベルトが切れたりコマ飛びするなんてことはない。
交換サイクルが伸びる訳ではないので、長く使える訳でもない。
ブローすれば強化品だって一発で切れるし、値段が2倍も3倍もする強化品を入れるメリットって何なんだろうね。
まぁ、1000馬力出してドラッグレースに使うっていうんじゃ判らないけどw
カムスプロケの合いマーク。
(回してしまったので、ベルトの印はズレています)
クランクを何周かさせてベルトを馴染ませてから、テンショナープーリーのナットを締め付け。
各部を締め付け確認をしたら組み戻してタイミングベルト交換終了。
クランクプーリーのボルトの締め付けは約500Nm。
800Nmまで締められるトルクレンチを知り合いから借りてきましたよ。
5速ギヤに入れてサイドブレーキ鬼引き。
それでも動きそうだったので、HIKO君にクルマに乗ってもらってフットブレーキを踏んでもらいながら、体重をかけながら一気に締め付けてようやくカチンまで行きました。
しかし、あとちょっとという所で・・・
何故か、パワステポンプの配管フランジの部分からオイル漏れが発生・・・
おいおい何でですか。
ポンプのベルトを張ろうとしただけなのに・・・。
どうもパッキンが痩せすぎてて限界だった所で、色々ゴツイ作業をした為に耐えきれずお漏らしをしたようです・・・。
わざわざクランクのオイルシールを取りに行ってまで間に合わせたのに、作業は中断。
これは改めて部品を取るしかないなぁ。
この日の作業は終了。
どちらが駄目でもいいように、配管とパッキンは両方交換。
ついでにクタクタだったラジエターのブッシュも注文しました。
元々パワステポンプ周りのオイル滲みが激しかったんだけどここだったのかも知れないな。
このクルマもひと通りメンテしてそろそろ完封かと思っていたけど、
やってない部分はとことんダメだな・・・。
無事エンジンも掛かり、LLCとパワステオイルのエア抜きも完了。
シールや脱着した配管などからオイルや水が漏れていないか充分に確認して終了・・・
あ~、まだ残ってた。
エアコンのガスが少ないとかって話だった。
少ないって事はどこかからか漏れてるって事で、20年も経ってるクルマなんでそりゃ仕方がない事なんだけど、今回は原因を究明してしっかり直すと予算オーバーらしいので、補充でやめときます。
漏れ留め剤入りのオイルを注入後、2缶補充。
低圧はほぼゼロだったな・・・
ま、シューシュー漏れてる訳ではないので、今年の夏くらいは大丈夫でしょ。
これでお盆に熊本まで自走で帰るんだって!