もう直ぐ20万キロの11アルトワークス。
昨年よりエンジンのOHをはじめとして、
ハブベアリングの交換だの、
タービンの交換だの、
セルモーターや
オルタネーターの交換だのと主機・補機類共々更新作業を続けてきた。
10年10万キロ辺りで行う大規模改修を一巡目と呼んだりするのだが、このクルマに至っては二巡目という節目の作業である。
その合間でちょいちょいオイル漏れが顔を見せ、去年の暮れ位の作業で漸く収束と思っていたのだが、どうもまだ漏れてくる。。
タービン本体からのオイル漏れは交換で直ったし、周辺配管からの滲みもパッキン交換で改修。
ヘッドやヘッドカバー、スプロケット周りのシールからは漏れていない。
あとはリヤシール位しかない・・・。
(打ち込みシクったか?)
走行風で滲みが広がっちゃって下から覗いてみてもイマイチよく判らないんだよな。
そう思案しているうちに、クラッチが異様に重くなるという現象が勃発。
走ってると段々軽くなってはくるんだけど・・・
毎朝これはキツイな。。
ハウジングに小窓もないし・・・
オイル漏れの件もあるし、ミッションを降ろして確認するしかないか。
初めはワイヤーの動きでも渋くなってきたのかと思ったのだが、レバーとの接続を外して単体でチェックしてみると軽く動く。
ペダルやワイヤー側の原因ではないな。
クラッチは3年くらい前にOHしていますが(まぁ、エンジンOH時に一回バラしてますけど)、軽自動車の消耗部品のライフは想像しているよりもずっと短いからね・・・。
毎日乗るクルマなんかだとメンテサイクルは結構早いです。
ディスクの厚みはまだ充分にあることは確認済みなので、レリーズベアリングやオイルシール関係だけ注文して分解整備に挑むことにしました。
以前、
クラッチ交換なんて楽勝だろなんて取り掛かったら、車上でのミッションの接合が思いの外難儀しまして、丸一日掛かってしまった。
フレームの間にギリギリに収まっているエンジンミッションなので、なかなか水平に入れられない。
僅かでも傾いてるとメンドラがディスクのスプラインの途中でかじって全く押せなくなる。
色々試したが兎に角すんなり入らないので、メンドラの先端を少し丸く削って漸く入れたくらいである。
また嵌まると疲れるばっかりなので、多少手間は増えてもエンジンごと下ろすことにしました。
エンジンをマジマジ見られるのでオイル滲みの特定も間違いないですし、
クレーンを使うので腕力も使わないしね。
(クレーンを準備するのが大変なんだけどね。)
エンジンは何度も降ろしてるので手順は割愛。
慣れていれば2時間ほどで降りちゃいますね。
ミッションをガバッと外してまずオイル漏れ箇所の特定。
予想していたクランクシールリヤは全くのシロ。
何だよ、フライホイールまで外したのに…。
そして、オイルパンの継ぎ目より上からたくってきた形跡がない。
オイルレベルゲージの麓も違う。
…ということは、オイルパンの繋ぎ目から漏れていると言うことになる。
オイルパンはエンジンOH何かの際、タガネかなんかでカンカンやって引っぺがすんだけど、結構曲がってしまう。
本来は交換すべきなんだろうけど、省エネOHなので叩いて再利用である。
結構真面目に叩いた積もりなんだけど、まだ甘かったのか。。
液ガスをバッチリ付けとけば問題ないだろうと思っていましたが、塗布から接合までに時間を掛けすぎちゃったのだろうか。(当時はなかなかの陽気だったからね・・・)
再びの御開帳。
一ヶ所にタガネを打ち込んでコジって剥がします。
・・・ん?ここか?
それとも引きはがすときに付いちゃったのか?
でも、オイルはかなりしっかり落としてからの作業。
しかも、一番オイル汚れの酷かった辺りだな・・・怪しい。
まぁ、何にしても液体ガスケットのカスをしっかり掃除して、オイルパンをかなり丁寧に板金。
液ガスもスリーボンドの1207Cを止めて、少し盛れるロックタイトの5699とか言う奴に変更。
シリンダーブロック側とオイルパン側とに、指でしっかり塗り込んで馴染ませ、5分程置いてから丁寧に接合しました。
流石にこれで大丈夫だろう。
先日も、つまらない不手際でGCのトランスファーを再度開けている。
古いガスケットをあまりきちんと掃除しなかったせいだと思うが、紙ガスケットを使わずに液ガスだけでいくからいいやと高を括ったのが油断だったのか、つなぎ目からオイルが漏れてしまった。
平日夜中のクソ寒い中、トランスファーを再び開けてガスケットのやり直しであった・・・Orz
やはり、ガスケット接合面はかなりしっかり掃除をしないとダメだな。(アタリマエ)
そして、クラッチのカバーディスクを装着し、エンジン側の準備はOK!
(勿論ディスクのセンター出しは目方調整であるw)
そしてもう一つの問題はクラッチレバーの動きの悪さ。
油圧式ではないにせよ、ヲレのGCより重いというのは問題である。
それに、ただ重いというより引っかかるような抵抗感がある。
エンジンOH時の脱着で簡単なグリスアップはしていますが、なんかそう言う問題ではない感じ。
レバーの動きを単体で見てみるが、それほど悪くない。
きちんとグリスを摺り込めばもっと軽くなりそうだけどここじゃない。
予想はしていましたが、メンドラの麓で摺動しているレリーズベアリングの滑りが悪い感じです。
どうもクリアランスが広くなっていて、レバーからの入力時にスティック(齧る)するような感じです。
レリーズベアリングは新品を準備していたので当然交換。
保持性の高いMPグリスをメンドラとクラッチレバーの摺動部に充分に擦り込んでやります。
これで長期的にスムースな動きは約束されるでしょう。
夜も遅いので、ミッションをエンジン側に接合して作業終了。
車上ではあれだけ苦労したミッションの装着ですが、外で行えば一瞬で終了。
それこそ3分である。
さて翌朝。
忘れるところだったが、サーモ周りのクーラント漏れの改修をやっておかねば。
数年前にサーモ交換時にガスケット新品、周辺ホース類新品と落ち度はなかったはずだが、ホースの継ぎ目やキャップの接合面などから悉く滲んでいる。熱がこもりやすいのだろうか・・・。
それぞれしっかり清掃して、液体ガスケットを塗付して再組付け。
長男が仮面ライダーの変身ベルト(仮面ライダービルド)を装着して邪魔をしに来るので全然捗らない。。
もうエンジンを載せるだけなので2~3時間の内容である。
F6A型OHCターボ。
何とも可愛らしいエンジンであるが、とても2バルブとは思えないとてつもないパワーユニットである。
トランスミッションも丈夫で、20万キロノンOHながらシンクロナイザーリングなどにも一切の不具合は感じない。
エンジンも無事搭載し、LLCと油脂類の充填後、エンジン始動。
水、オイルの漏洩がないか長くアイドリングさせながら下回りを確認します。
ヲレの代わりに息子がチェックしています。(ウソ、邪魔しているだけですw)
最後にサクションポンプで新しいミッションオイルを入れて作業は完了ですかね。
規定量は2.1Lですが、まぁ・・2Lでいいでしょうw
当分換えないと思いますので、カストロールの少し高めの奴を入れておきましょうか。
漸くエンジンもミッションもクラッチも足回りも、全て問題ない状態まで持って行けました。
この年式のアルトワークスでここまでのコンディションのマシンはなかなかないと思います。
このクルマのオーナーも、このマシンに乗り換えてそろそろ10年目という所。
元々は黄色いエボ7に乗っていたオーナーです。
家庭の諸事情有りでクルマに金を掛けられなくなり、維持費の安い軽自動車に乗り換えた訳ですが、Kスポーツの魅力に嵌まり、ランエボ所有時より充実したカーライフを送っています。
やはり軽くてキビキビ走るクルマってのは楽しいんだよ。
それこそ、峠やサーキットを攻めなくたって楽しい。
通勤に使うだけでも、路地裏を走り回るだけでも楽しい。
幸せというものは身近にある方が人生が充実している時間が長い。
インプレッサやランサーを苦労して維持し、ほんの一瞬のカタルシスの為に莫大な費用をつぎ込むことが馬鹿らしくなってしまう。
お金なんて掛けたって掛けなくたって、本人が充実していれば幸せの本質や重みは全く同じなのである。
大排気量ターボ車で散々バカやってた人達が、結局最後に辿り着くのが、ジムニーやアルトワークスなどのKスポーツだという事の意味がよく判る。
スポーツドライビングの神髄を集約したスノードライビングでさえ、花形と言われるインプレッサやランサーであっても、同じドライバーが運転して比較したらKスポーツには歯が立たないのである。
何のために頑張って2000のターボ車を維持しているのかよく判らなくなってくる今日この頃である。
(まぁ、ファミリーカーとしての役割も大きいので、軽自動車という訳にはいかないという事情が大きい。)
このアルトも、ヲレが面倒を見ている限り、あと10年は乗れると思う。
ただ、製造から30年とかになると補修部品の製造が怪しくなってきて、規格系の部品以外は入手が難しくなってくると思う。
その辺で手こずるようなら、買い替えてもいいと思う。
現行のアルトワークスとかを10年落ちとかで買えばいい。
そうすれば、そこから15~20年は乗れるだろ?
10年後は50代だから、そこから20年で計算すると、次が人生最後のクルマだな。
一応死ぬまでエンジン車に乗れる計算だ。
化石燃料の供給があと30年安定していればの計算だけど・・・どうなんだろうねい。
最後まで邪魔でしかない長男でした。