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2024年04月27日 イイね!

RETURNS

RETURNS30年ぶりに単車を買ってしまった。
MC31ホーネット250である。
高校生の時に買ったゼファー400以来の中型バイク購入。


戻ってきてしまった。


通勤用でずっと原付には乗っていたけど・・・
ジョグなんて追い込むとすぐ壊れちまうし、だからって弄らないと遅いし・・・
KSRも立派に単車ではあるけどね、50㏄だ80㏄だで結局原付だし、古いから常に壊れる心配がある。

止まってばっかじゃ会社にも迷惑掛かるし、やっぱりもうひと回り大きいエンジンで、走りにも余裕があれば、バイクだってそうそう壊れるものじゃない。

ま、そんな理由から、一台買おうと決めてはいた。



クネが250を買い戻してブンブンやってる影響も大きい。
どうせ通勤用だし何だっていいや、安いの買おうと思っていたんだけど、奴がアホみたいに単車に入れ込んでる所を見てると、こっちまでどうせ買うんだったらという気になってくる。



「クネだったら単車でも気が合うかもな。」


ヲレはバイクでツーリングみたいなことをしない。
てか、した事が無い。
みんなでツルんでトロトロ流すだけで、海鮮丼でも食べて帰ろうぜ!
みたいなことが想像出来ない。

そういう事が好きな人は沢山居るだろうし、寧ろそういう人が殆どじゃないかなと思うので、否定する訳じゃない。
気の合うみんなでツーリング、素晴らしいいい趣味だと思う。

でもヲレは馬鹿なので、もっとしっかり走りたいと思ってしまう。
「走る」乗り物オートバイをわざわざ引っ張り出したのならば、もっと楽しみたい、もっと回したい、もっと倒したいなどと思ってしまう。
ただヲレがジャンキーなだけなのである。

別に峠やサーキットをガチで攻め倒したいとかって訳じゃない。
「夜に峠を攻める」は、バイクではナシだと思っているので、日中しか乗らない時点でストリートでガチはないのだけれど・・・
基本的にどこでも回せるところは回して、追い越せるところは追い越して、リーン出来る所はリーンする。
バイクならではのフットワークを最大限に生かし、逆にバイク側が求めてくる要求にこちらが応えていく作業。
それこそがバイクとの対話=ライディングだと思っているので、そういったものが趣旨に無いのであれば、そもそもバイクなんぞ出さないのである。


ま、簡単に言うと、カーン!と飛ばして、
どんどん追い抜いて、どんどん先に行きたいのに、それに合わせて一緒に走れそうな人が全然いなかったのである。

またコイツはゼロか100かみたいなこと言ってんな・・・
と、思った方も多いかとは思うが、
クルマはクルマ、バイクはバイクとして、「走る乗り物」として芯から楽しみたいだけだ。

中途半端な付き合いだけなら危険なだけであり、
真剣に向き合い取り組むからこそ、本当の安全と愉しさがある。
それがクルマであり、オートバイなんだろうと思っているのだ。


昨今のオートバイ事情も昔とはずいぶん変わってしまっている。
公道自体がコンプラ重視の監視社会のようになってしまっているからかも知れないが、誰も追い越しをしないし、すり抜けをしないし、特に回すような事も無く、ずっとクルマの間に挟まって走っている。


・・・別に自由だけどさ・・・ヲレには何にも言えねえ。


昔は、峠でも幹線道路でも、バイクであれば車種を問わずバチバチだった。
NSRみたいなレーサータイプは勿論、オフ車もネイキッドも関係なかった。

朝の通勤時間帯の国道246の信号待ちでは、停止線の前にあれよあれよとすり抜けてきたバイクがずらりと並び、信号が変わるのを待つ。
ブリッピングでけん制している者もいる。

そして、青信号を合図に十何台かが横並びで全力ダッシュするのである。

峠で速いのは言うまでもなくレプリカだが、市街地ではオフローダーが速かった。
上手い奴が多いという感じ。
あとはフリーウェイなどといった中型スクーターも意外と速く、低速のダッシュ力と取り回しの良さがあって混雑時のすり抜けなどは無敵の機動力を誇っていた。
ネイキッドはどちらにも振り切っていないので、性能は中途半端だが、むき出しの機械感と美しいスタイリングの機種が多く、「単車」って感じで好きだった。

各々がそれぞれの持ち味を100%出し切ってバイクを使っていた。


みんなが自分のマシンと技術に自信を持っており、「いつでも相手になるぜ」と背中で語っていた。
通勤だと毎日秒単位で同じヤツと出くわすので、ここから信号二区間だけ、みたいなバトルが毎朝行われていた。


そんなバイクは「走る」が当たり前の時代。
それが90年代である。


そして現在、特に交通法規の面では、改正などでオートバイの自由が奪われたという事もない。
この場合のすり抜けはアリかナシかみたいな所は、グレーゾーンとして残されており、まぁ要するに「やり過ぎるなよ」みたいな感じで、各自のモラルに託されている領域が未だにある。


だが誰もやらない。
言われるまでもなくやらないのである。

だから、どんどんすり抜けて走っていると何だかヲレが間違っているような気になってくる。(間違ってます)
馬鹿が一人ではっちゃけちゃってる感じになっちゃうのである。(感じじゃなくてそうなんだけどw)


だからね、単車なんて買い戻してもつまんねえと思ってたんだよ。
クルマだってそうだったけどよ、やっぱ一緒に走る奴が居るから面白いしちょっとやってやろうかという気になってくる。



やっぱりクネが買い戻した事が大きいのかな。

あいつは多分馬鹿だからよ、ヲレと同じタイプだろ。
ヲレがKSRのレストア始めてちょっと遊び始めてた頃には、バイクには絶対戻らねえみたいな事言ってたくせによ、気が付いたらテメエの方がしっかり戻っちまってるじゃねえか。


「だいちゃん、乗るんだったらもう今しかないよ!」


やっぱりジジイになると変わってくるんだな。
残り時間を数えるようになるからさ、心残りと言うか、やり残しが無いような考え方になる。

ヲレもクネももう50手前だが、中型以上のバイクなんか転がせるのはいいとこ70歳位までだろ。
正直70まで行けるか判らん。
ずっと乗り続けてれば行けるかも知れないが、途中で辞めてたらもう乗れないだろうね。

そういう風にいろんな事を考えてると、リミットは向こう20年くらいだと判る。
それなりに走れるように感覚を取り戻すのにも少し時間が掛かりそうだし、年齢的にもまだ身体が動くのは今が最後って感じだろ。
正味な所は十何年か、だろうね。


「今やらないなら確かにもう出来ないだろうな。」単純にそう思った。


クルマを弄るのが大変になってきた事も関係している。
体力は人よりある方だと思うけど、それでも昔のようには出来なくなってきている。
ちょいちょいエンジンを降ろしてバラして、今週中に元に戻そうみたいな事はそろそろ出来なくなってきている。
クルマバイクの修理だ弄りだなんて、くたびれるし下らねえと思ってたんだけど、いざ、だんだんやらなくなってくると、物足りないなとか思ってしまう。
何かやっぱり常に直していたいんだろうね。

だから、もっと気軽に弄れる手頃なエンジンの乗り物が、老後に向けて欲しいという他人には良く判らないであろう目的もあるのだ。



alt
さぁ、前置きは長くなったが、MC31ホーネット。
1996年にホンダが発売した250㏄のネイキッドバイクである。
ずっとオートバイは川崎か山葉を推してきた人生だったが、人生で初めて購入するホンダである。

元々ネイキッドが好きなんだけど、バイクで大事なのはやはりエンジン。
結局色々考えたが旧くても、250㏄の4発になってしまった。
最近の250㏄や400㏄は単気筒や2気筒が主流で、低速トルクはあるが、高回転まで回らないので物足りないんですよね。
音もでっかいカブみたいだし、回らないんだったら2ストの方が楽しいです。

やっぱり4サイクルなら当時のバイクに乗るしかない。

ホーネットの原動機はMC19型CBR250Rに搭載されていたMC14E。
これをややハイコンプにして低回転寄りに振ったエンジンだが、それでも15000回転まで淀みなくふけ上がり、F1サウンドと呼ばれた超高回転ゾーンは充分に堪能することが出来そうではないか。
ホーネットは当時でも新し目のバイクで、後方排気と極太リヤタイヤが格好良かったので、乗ってみたいバイクのひとつであった。

こんな風に、絶頂期だった当時に憧れていたが選択しなかったものを、KSRの時もそうだったが、今になって一つづつ取り返していくっていう事そのものが楽しいのかも知れない。


ただね、今はこの頃のバイクが高いんだよ。
当時買うよりも高い。
ホーネットなんか、初期型は新車で50万円しなかったのに、今店頭で買おうとすると60万~みたいな価格になってる。
値段は上がり続けてる模様。

バイクが安くなる12月~3月の間でマシンを探し、やや距離を走っていながらも問題が無い状態を維持し、一般には敬遠されがちなカスタムされてる様な個体をネット上で隈なく探す。
マフラーみたいにあとから買うと高いが、入っていたら有難い物もあるしね。

3月中に見つからなかったら今年は買わないと決めていたんだが、大阪の店が出品している最初期型、5万キロ走行のチョイカスタムみたいなのが30万円。
これが気になった。
個人出品車は然ることながら、店出品であってもノークレームノーリターンを謳うヤフオク出品車の中、ばっちり「整備済み」を謳って30万円か・・・。

ヤフオクの闇なんて言われてるけど、
何か落とし穴があるかな?
わざわざ悪くして出す出品者なんて居ないだろうから、結局個体で判断するしかない。出品車両の写真と雰囲気で見るしかないのだ。

カスタムと言ってもセパハン、バックステップ、マフラー位で、あとはリヤカウルが社外でディオランプ仕様になってる位。
ホーネットホーネット!って探してる人には敬遠されそうな弄り方をされている事と、ド前期、5万キロ走行を含めての評価が30万円って感じなんだろう。
程度やメンテに関しては寧ろいい方ではないかと推測できた。
ディオのテールランプも小僧っぽいかと思ったが、実際はきれいに収まっていて悪くない。
別にオリジナルに拘りは無いので、機械に不具合が無ければ全然アリである。
気に入らなければ全部戻せるしね。

良く判っていない素人がノーマルで乗りっ放しノーメンテって車両よりは、好きそうな奴が出来る範囲でもちゃんとメンテして弄りながらも面倒見てきました、みたいな車両の方が、エンジンやシャーシの状態が良い事が多い。


これ、安いけど実はいいかもな。
正直なところを聞き出すべく店に直接電話を掛け探りを入れ、致命的な問題点が無さそうだと判断。
購入を決断しました。

自賠5年とナンバー取得、ETCの取り付けまでやってもらい、横浜のデポまで送ってもらいました。
諸費用10万円弱。

総額40万円の買い物です。



横浜のデポ(上星川)まで取りに行って、片道30分を乗って帰ってきて判った事は・・・まずセパハンが無理ww
ネイキッドバイクのセパハン、バックステップ仕様が、見た目以上に無理って事が判った。
タンクがシュッとしちゃってるので、前傾姿勢になると下半身が固定出来ない。
ブレーキを掛けると、全体重をハンドルで押し返すようなGが掛かる。
電信柱を逆さになって降りてんのか!ってくらい疲れた。
(降りたことないけど)


・・・これは駄目だな。。
ハンドルは速攻でバーハンに戻さないとだな。
バックステップは、ハンドル戻してどうかに依るのでそっから考えよう。


あとはヘッドライト不灯ww

整備済じゃなかったのかよ。
結構大事なトコだろ・・・まぁ、スイッチボックスが純正じゃなかったり、灯火類で色々小細工してるっぽいので、素人配線がどっか悪さしてるんだろう。
まずはその辺の手直しからだな。。


alt
配線図がネットで引っ張れなかったので、一本一本どれが何の配線かチェックしながら、ヘッドライトの電源がどこで途切れているのか確認。

どうも常点のライトをON/OFF出来る様に加工した配線の途中で電源が途切れていまして、ヘッドライトのお椀の中まで手繰って漸く見つけました。
エレクトロタップでの接続部分が焼けていましたよ。

H4の60Wを赤いタップだけの接続じゃちょっと無理があるだろ。

配線を繋ぎ直すとヘッドライト復旧。
この他、使わずに束ねてあるだけの追加配線がいろいろとあったので、要らなそうなものは間引き、使いそうなものは長さを揃えて束ね直し、とにかく配線をきれいにまとめ直しました。

汚く束ねてあったのはウインカースモールの線か・・・日中ヘッドライト消して走ってる時にもデイライト感があっていいかもな。
ただ、フィラメント球で常点にすると熱持ちそうなので、運用するならLED化してからの方が良いかもね。

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あとはハリケーンタイプのセパハンだな。

・・・格好いいけど無理だよ。

幸いブレーキラインやクラッチラインは短くされてなかったので、バーハンだけポチって秒で交換です。

alt
トップブリッジを外さないと脱着出来ないセパレートハンドル。
なぜみんな挙って付けたがるんだろう。。。

alt
無事ノーマル(風)ハンドルになりました。


alt
これで試運転。

うわうわ、めちゃくちゃ乗りやすい。
ていうか、ようやく落ち着いて普通に乗れるようになった・・・。
ハンドルだけ戻したら、バックステップは別に気にならなくなりました。
ちゃんと走ったら、こっちの方が良いかも知れないしな、当分これはこのままでいいかな?


alt
あとは、破れてこそいないが固くなって滑りやすく、色褪せやシミが目立つシート表皮の張り替え。
滑るからお尻の座りも悪いんだよな。


alt
ノンスリップタイプの生地に貼り替えて、リフレッシュ!


よしよし!
またちょっと乗りたくなったぜ。

ヘッドライトバルブも余り物のLEDバルブに換えたので、光軸とリヤショックの調整も兼ねて試運転だな。

alt
とか言って、近所をしょっちゅう単車で走り回ってるだ い 。
久々に童心に還ってるな^^;

最近こんな事ばかりやってるので部屋でやりっ放しのEJ20のオーバーホールが全然進まないんですけど・・・。
まぁ、腰下はもう完成してるんであとはヘッドをやり直すだけ。
やっちゃえば直ぐだろ。

30年越しに単車を購入し、見事にリターンライダーとなっただ い 。
250なんて、音ばっかりで速くないけれど、それでも通勤にも走るのにも十二分である。
飛ばし過ぎないで済むのでむしろ安全ではないかw

オジサンはもうそんなに飛ばさないので、音だけで充分なんだよ。
だからこその250㏄4気筒。
15000回転以上のF1サウンド!

ちくしょう!ヲレの人生の後半戦が色付いてきやがったぜ。


頼むぜ相棒!

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alt馬鹿だなぁ・・
Posted at 2024/04/28 15:44:56 | コメント(4) | トラックバック(0) | ヴァイクも直します。 | クルマ
2024年04月02日 イイね!

身延山

身延山寒の戻り故、予想を覆して開花の遅かった今年。
ここ10年で最も遅い開花となった。

いつもは想定日の二週間ほど前に、旅の相棒のコウヘイと一度打ち合わせをして、自分たちの予定と旅のエリア選定のすり合わせをするわけなんだけど、
どこどこの桜を攻めたいと思っても、そこの開花日で都合がつかなければ無理だし、逆にこの週でしか休みが取れないとなれば、その期間で満開のエリア選定をしなければならない。
見に行く桜の花期に完璧に合わせていかなければ意味がないイベントなので、エリアとスケジュールの見極めが実に難しいのが桜の旅である。


今年も日帰りで予定しているので、遠くても北関東、西は東海エリア、甲信越も視野に入れているけれど、やっぱり遠いんだよね・・・。
ここ十余年で近郊の目ぼしい所は一通り訪れたと思うけど、案外まだきちんと訪れていないのが、山梨県南側の東海と呼ぶべきか中部と呼ぶべきか微妙な地域。
身延町や南部町などといった寺院が多く点在するエリアです。


東西を静岡県に挟まれているので感覚的には東海エリアですが、中央道双葉JCTと東名の清水JCT間をつなぐ中部横断道が開通したことで、実は中央道からアクセスする方が近いという意外なエリアだ。


市井も幹線道路も無かった山深い地域。
旅行遠征の中継地点にすらならない隠れ里のような場所。
だがここには「身延山久遠寺」ある。

久遠寺は身延山の南面に広がる巨大な寺院で、日蓮宗の総本山です。
全国各地5300もある寺院の本拠地ですから、その敷地面積はそれはもう広大で、本堂・祖師堂前にある樹齢400年の枝垂桜を筆頭に、西谷、東谷と分かれる身延山麓には数多くの宿坊と1000本を超える桜が点在し、この世の物とは思えない程の華やかさに彩られます。


有名な「久遠寺の枝垂れ桜」を見たくて過去に何度か個人的に訪れたことがありますが、常に予想よりも開花が早く、ちょうど満開であろうと見込んで行っても、ほぼ葉桜になっていた記憶があります。

枝垂れ桜の花期自体が染井に比べてやや早いという事もありますが、山あいにある事などを鑑みれば関東平野部の染井吉野と同等位だろうとアタリを付けると、見事に裏切られます。
富士川に沿って静岡側から太平洋の南風が入ってくるんでしょうね。
一昨年の大井川エリアもそうでしたが、東海エリアは暖かくなるのが早いです。


兎に角想像より全然早い。


なので、予想の付け方としては、
関東の染井吉野の満開予想の5日から一週間ほど早めた時期に行くと、身延エリアの枝垂れが満開なのではないかと結論付けました。
そうなると、週末の打ち合わせでしたが異例の「来週の前半に行こう」という急展開となりました。



現地7時前着を基本としているので、2時間以上を見込んでの4時半出発。
中央道での車窓は、朝日に照らされて輝く八ヶ岳や富士山、甲斐駒ヶ岳なんかを見るのがいいのだ。



「空」「無相」「無願」の三解脱を表す「三門」。
本堂へ続く石段へ至る最後の門である。

早い時間に訪れたので、門の脇の無料駐車場にクルマを停めることが出来ました。

ハイシーズンの日中は沿道が大変に混雑し、ここまで上がってくるにも一苦労という場所なので、このアドバンテージは大きい。
兎にも角にも朝早く来ましょう!



趣のある門をくぐり参道を真っすぐ行くと、「菩提梯」と呼ばれる天まで突き抜けるような強烈な石段が立ちはだかる。

「マジでこれを登るのか・・・。」

まず、その壁のような階段に圧倒される。



傾斜角50°の287段、高低差104メートルの石段でかなりキツイです。
一段一段が大きく、半分も登らない内に太腿に乳酸が溜まってきます。

登山で慣らした筈の僕でさえ、途中休憩を余儀なくされました。

菩提梯とは「一段登るごとにさとりに近づくことができるきざはし」という意味であり、ここを自分の足で登ってこその開眼・解脱と解釈していいだろう。


いやはや、それにしてもキツイ。
これは・・最後まで登り切れないひとも居るでしょうね。



頑張れ!あの枝垂れ桜まで登れば踏破である。



息切れしながらも10分程かけて菩提梯をクリアすると、久遠寺のシンボルでもある五重塔がお出迎え。


そして真向いには立派な本堂。
その右手にある祖師堂の正面にある巨大な枝垂れ桜。



更に東側の仏殿の向かいにも形の整った枝垂れ桜が。


この二つの巨樹がかの有名な「久遠寺のしだれ桜」である。




しかしまぁ、ひとえに「久遠寺の~」と言ったら、大伽藍と一緒の画角に収められ、見上げるような樹高も見事な祖師堂前(正確には隣の受付事務所前かな)の枝垂れの方ではないかなと思う。

どちらの樹も齢400年を超えているとされています。



しばし無心にシャッターを切るだけでした。

この場所は西側は山の斜面があり日の入りが早い・・開けているのは東側だけなので、朝日の入りが素晴らしい。
撮影は断然午前中狙いがいいですね。







どんどん日が上がってきて、陰影が変化してゆく。
同じ場所で撮っていても、撮るごとに顔を変えていく。

華やかで煌びやかな久遠寺と枝垂れの古桜。
初めて見る満開の巨大天蓋。
何か特別な力が宿っていると感じずにはいられない、強い霊気を纏った枝垂れ桜でした。





本堂や仏殿など、伽藍の内部も見学コースがあり、無料で観覧できます。
撮影は禁止でしたが、中も凄いですよ。


日蓮宗と言えば、日本仏教の中では異端とされる少数派で、ブッダの教えをルーツにしている事は同じですが、やや独自の解釈をしている事で有名です。
マジョリティーである「南無阿弥陀仏」ではなく、「南無妙法蓮華経」と唱える独自の教えを説いています。

「嘘も方便」という言葉があるように、相手に合わせて様々な方法や言い回しで説法をしたとされるブッダの手法は、多くの解釈を生み出してしまい、後に沢山の宗派に分かれました。

それが空海が広めた真言宗であったり、親鸞の浄土真宗であったり、最澄(さいちょう)の説いた天台宗だったりする訳です。
日蓮宗は天台宗の説く「法華経」がベースとなっており、更には日蓮正宗と派閥を二分しました。
これが、富士宮の「大石寺」です。

日蓮宗はブッダの経典に一切記述の無い内容を布教していると言われ、日本仏教界からはやや爪弾きにされている感はあります。
「創○学会」を生み出したのも大元は日蓮宗ですから、偏見で見られがちですが、今は一切関係ないとHPでも謳っています。


手塚治の「ブッダ」を読破した事でとっくに「悟り」の境地に到達しているヲレに言わせれば、「俺が正しい」とか言って諍いを起こすこと自体がナンセンスで、悟りからは程遠いハナシ。
結局宗教は統治や政治と常に結びつき、大多数を導き富を集めるための手法と成り下がってしまっている。

原点の教えは崇高でも、利用されてしまっているのだ。


自身の幸福と安寧が訪れるのであれば、
何を信じたって信じなくたって同じである。
お経の文言が何であろうと、無宗教のヲレにとっては同じ事、そんなものがあったって無くたって、充分に幸せだと思えているヲレ自身がその証明ではないか。


ただ、人々が信じてきた歴史の長さ、深さを感じる事の出来る立派な寺院や、神社といった古い建造物などにはやはり感じるものがあります。
「信じる」という心には邪な思いがありませんからね、神社仏閣には神聖な静謐があるのはやはり多くの人々の真摯な思いが反映されているからなのかも知れません。




心が洗われるような素晴らしい寺院でしたよ。





朝イチで本丸の久遠寺に乗り込んだので、早くも撮れ高的には充分過ぎる位ですが、西谷、東谷、奥の院と広大に広がる身延山周辺をもう少し散策したい。







西谷には徒歩でしか回れない宿坊や寺院が密集しており、庭園や参道には所狭しと桜が植えられている。
もはや、この世のものとは思えないような美しさがそこにはあった。



新緑の輝く西谷の沢を上がってゆく。



日蓮が晩年の九年間を過ごしたとされる草庵跡地を横目に、もう更に一段上がると、日蓮聖人の御廟所(びょうしょ)があった。(廟所とは簡単に言うとお墓の事である)



巨大な御りんが置かれた拝殿。
「立正」とは法華経を通して世を正していこうと言う仏教用語。





久遠寺境内や参道近辺には陽が上がってゆくにつれ、多くの観光客で賑わいを見せていましたが、じめじめした渓谷のはずれの墓所にまで上がってくる人は殆ど居ません。
敬虔な信者か我々のような物好き位であろう。



沢に沿ってもう少し降りてゆくと、再びスタート地点の三門に戻ってくる。
早朝の時と違い、多くの人が菩提梯に挑んでいるのが見える。


今度は東谷を見て回りたいのだが、再び本堂から下りてゆくルートとなる。
菩提梯にもう一度チャレンジするのも良いのだが・・・女坂という少し遠回りして登ってゆく山道があるので、そっちから行ってみる。


実際女坂は、味気の無い山道をだらだら登ってゆくだけの長いルートだった。
再び菩提梯を上がってゆく方が良かったかもしれないが、それはそれで結構削られるのでどっちもどっちかな?


本堂をスルーして東谷に降りてゆく。
しっかりした車道が整備されていて、その沿道に宿坊が点在すると言った按配だった。



途中、久遠寺十一代法主を務めた日朝上人(にっちょうしょうにん)を祀ったお堂があり、にっちょうさまと呼ばれている。

にっちょうさまは目の神様だと言うので、あのお金を使わない「だい」が、唯一お賽銭をして願掛けをしたんです。


「どうか老眼がこれ以上酷くなりませんように。」


そして、全てを眼に頼って生きてきた人生なので、この視力が奪われるような残酷な人生とはどうか無縁でありますように・・・とお願いをしてきたのであります。





東谷もだいぶ降りてくると左手にある志摩坊には、
今度はさいじょうさま(最上位経王大菩薩)を祀っている祠というものがあり、この神様に関しては、「もう何にでも効くやつ」みたいな、兎に角何でも叶えてくれる・・・みたいな凄い神様がいらっしゃるようでした。


何かパワースポット巡りみたいな感じになってますが、桜を巡る旅です。




山を歩いて降りてくると、三度「三門」のすぐ下の商店街辺り。
午前中はすっかり、久遠寺界隈の散策で終わってしまった。
本当は歩いて奥の院などへも行ってみたかったが、片道数時間かかる登山になるので、恐らく一日が終わってしまう行程。
またの機会にしたいと思う。

昼も近いので、そろそろクルマに戻り身延山をあとにします。

桜も然ることながら、歴史の古い名刹古刹も雰囲気が素晴らしく、なかなか良きお寺巡りであった。錦秋の頃にまた訪れてもいいかも知れない。





この可愛らしい二両編成は甲府・富士間をつなぐJR身延線。

塩之沢駅周辺の桜が~という事でしたが、
染井吉野はまだ二部~三分咲き程度でした。
お昼を買って、何処か雰囲気のいい場所で休憩にしようと思ってロケハンしているのですが、ココじゃない感じ。



南部町の少し山間に入って立派な枝垂れがあるという妙覚寺へ。



昼休憩のロケーションには拘る方なので、なかなかいい場所が見つからないと結構ウロウロすることになる。

しかし、ひと目見て「あっ、ここだな。」
そんな感じのいい場所がありました。


巨大な枝垂れ桜の真下に椅子を出して、コンビニで買ってきたお弁当昼食。
ふんわりと白い木漏れ日の中で、しばしの昼寝タイム。







樹齢300年の枝垂れ桜の下から、薄紅色の天蓋を見上げてぼんやりする。
なんだか夢と現の境目がなくなる様な不思議な雰囲気。

他に訪客も居らず、ただメジロやムクドリの鳴き声だけが聞こえてくる。

人生の最後にこんな樹を見上げることが出来たなら、
それだけでもう何も思い残すことなく、すっかり成仏できるような気がする。
他に何が要るんだろうという気になる。
まるで曼荼羅を見上げているように宇宙が完結している。
過去と現在、未来が混在し、ゼロポイントに集約しているようなそんな特異点を持っている。

桜と言うのはそういう樹なんだなぁ。






集落を少し散策して、里山にぽつぽつと佇む桜を収めていく。

暫くの間、よそ者が何の用だ!という顔で茶虎の猫がこちらを見ていたが、害が無いと悟ったのか、裏路地の石垣のあいだに去っていきました。
野良猫がよ!



今回の旅で最も古木である「本郷の千年桜」。
千年桜とはいうものの、実際は5~600年のエドヒガンザクラである。


特殊な形態をしている樹で、約5メートルの高さまでは根っ子なのだという。
沢山の添え木が成されながらも、まだまだ立派な花を付けている。

ここもロケーション的には朝だったな~という感じでしたが、これは仕方がない。


午前中のブルーバックなら、何処から撮っても可憐な花を強調できるが、午後の鈍色の空ではそれも難しい。
昏い山陰をうまく利用して、英を際立たせるのがいいだろう。



千年桜から程近い民家の桜。

接道にまでクルマが入ってきてしまうのか、庭へ続くスロープの手前には丸太が転がしてありました。
お寺や神社と違って民家の桜を見学する時は、マナーや節度が必要ですね。



ウチのインプレッサと同じく、2004年から運用しているNCP13ヴィッツRS。
未だに我々の旅の相棒として活躍してくれている。

1.5リッターツインカム4気筒エンジンの5速マニュアルである。
年式の割りに低走行ということもあるが、流石はトヨタ!この20年で殆ど壊れた事が無い。
大きめの事件でも、セルモーターを交換したとか、VVTのオイルコントロールバルブが逝かれて始動不良になった事があるくらい。

ドラシャのブーツすら変えたことないな・・・どうなってんだこのクルマ。。

なにしろ燃費が素晴らしいので、同じガソリンの量でも高速ではGC8の倍くらいは走ってしまう。(しかもレギュラーガソリンだし)
何と言うか、不満が無いので買い替えられないでいる一台である。



菜の花畑とだ い 。
ヲレの写真は全てコウヘイが撮ってくれていて、コウヘイの写真はヲレが撮っている。


学生の頃から一緒に写真を始めた間がらだが、コウヘイは動画メインではあるが独立しているプロのカメラマンである。
未だに劇団員なども掛け持ちしているが、お金にも何にもならないからそろそろ辞めたら?といつも言ってるんだけど、しがらみもあってなかなか難しいらしい。


もういい加減オジサンになってしまったが、未だ未婚である。



本日の最後は「原間のイトザクラ」と呼ばれていて、町指定の天然記念物になっている。
樹齢は400年。

傍らには石碑や墓標が一列にならんでいます。


実は枝垂れ桜という品種は無く、枝垂れている桜の総称であり、品種上は「イトザクラ」と呼ぶのが正解である。
エドヒガンの変異種であるとされていて、更に品種改良により多くの品種がある。
元々は庭木として植えると家運が衰退すると言われていた為、好まれなかったが、近年ではその美しい見た目から、その価値を見直され始めている。





枝垂れ桜はやはりお墓で見る事が多いせいか、柳のようにおどろおどろしいイメージはありますね。
美しさも相まって何か魔性のようなものを感じます。

ここも午前中ですね~。
青空バックで撮ってみたかったですが、午後に斜面の下からアオリで撮っても完全逆光なので、大分オーバーにして白い花を拾いました。

まぁ、今回の主役は身延山の久遠寺でしたので、これは仕方がない。

桜の撮影で大事なのは、複数の桜が狙いであっても、その日のメインは必ず一番最初に持ってくることですね。
遅くとも午前10時前には撮り終えてしまった方が良い。
正午付近のハイライトでは陰影が消えてしまい、あまりいい写真は見込めないですし、春先はだいたい昼過ぎから湿気が出てきて花曇りになってくる。
雨まで降らないまでも、透き通るような青空が午後まで続くことは滅多にない。

昼はゆっくり休んで、午後は西日で映える物件を残しておこう。
日没後にはライトアップされるような桜を最後に持って来られればベスト。
今回はライトアップ物件は無かったので、早めに切り上げて地元のもつ鍋屋で打ち上げして帰りました。

歩いていける場所だから飲めるんだよワハハ。


今回は「一本桜」という括りの桜は少なかったですが、「寺院の桜」がメインでしたね。
こういう趣の桜旅もまたいい。


この齢になるとね、なかなかワクワク出来るような事が無くなってくるんだけど、それでも未だに変わらないときめきを与えてくれる不思議な存在「桜」。




来年はどんな桜に出逢えるかな。


altそろそろ宮城/岩手を再訪してみたい。
Posted at 2024/04/20 23:16:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | 桜を追いかけて | 旅行/地域

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「[整備] #その他 HA11S アルトワークス 社外ラジエター装着 https://minkara.carview.co.jp/userid/271921/car/262720/7405733/note.aspx
何シテル?   06/30 04:17
だ い です。空白が二つですw 板金塗装と整備をちょこっとかじってマス。
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2009/09/13 00:37:18
 

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