久々にポンさんのGC8。
ハブベアリングの交換と、フロントブレーキキャリパーのリペア、パーキングブレーキ機構のリフレッシュ。
あとは、オイル漏れの酷いステアリングギヤボックスの交換を頼まれました。
どうも足回りからの異音が気になっているらしく、ブレーキなのかハブなのか・・・というような音らしいんだけど、ヲレが乗ってもガチャガチャと積み荷だか仮付けの補強バーだか何だかが煩くて全く判らない。
日頃乗っているオーナーでないと判別できないような音なんだろうが、とにかく特定できないようで、虱潰しにやっていこうという事なのだろう。
ヲレの経験談だと、
ブレーキなんてものはパッドでも使い切らない限り、案外音を出すなんてことは無くて、異音と言えばその他の回転系であることが多かった。
クネGDBのハブベアリングのアウターシール外れによる擦過音とかは、なかなか攻略に時間が掛かったし、ヲレのGCでも
ドライブシャフトのCVジョイントの損傷による異音も真実に辿り着くまでに時間が掛かった。
これらはリジドラック上での無負荷運転では音がなかなか再現できず、構造をしっかり理解し、意識を潜行させていく事で何とか糸口を見つけ出すような作業だった。
ただ、何れにしてもヒントは回転周期で、タイヤと同一であるファイナルドライブと同期しているのか、その4倍近い速度で回転するプロペラシャフト系なのか、とかしっかり聞いていると判断できるものもある。
旋回Gが掛かっている側だけの異音ならハブだとか、舵を切っている最中だけならギヤボックスやステアリングシャフトだとか、イメージを展開させて原因を追究していく必要がある。
こういったピンポイントを絞っていく作業は、オーナーでないと難しい事が多く、十何年も所有し、毎日運転しているオーナーでもなかなか判断が難しい事も多い。
まぁ、どの道GC8のウィークポイントであるハブやらギヤボックスやらは何れやらないといけない所なんでね、その辺やってそれで何か判ればいいんだけど。
という感じ。
まずはハブとかブレーキ周りだね。
何回やったか判らないスバルPCD100ナックルのオーバーホール。
ヲレも峠に通ってる頃は3年持たなかったイメージである。
まあまあ使ったあと、ジムカーナとかやると一発で終わる軟弱なベアリングである。
ターマックでドリフトするとすぐ駄目になるんだよな。
このベアリングの打ち替え頻度が余りに多いので、自分でプレス機を持つ必要が出てきたんだっけ。
昔は手で叩いて抜いて、叩いて押し込んでってやってたなぁ。
出来ない事も無いんだよ。
大ハンマーで叩けば瞬間的に何十トンってインパクトになるからね。
しっかりした台座や治具があれば叩きでも出来ますが、プレスなんてもう2~3万円で買えるんでね。
苦労するのがアホらしいw
ブレーキも、色々あってフロントのキャリパーのOHになりました。
ナックル組み付け時にGDB純正のタイバーを付けたいというので、ついでに組み付けようとしていたんだけど、ネジが入っては行くんだけどどうも重い。
寸法的には付くんだけど、ネジピッチだけが違ったんだね。
付くはずだと言うんで頑張ってたんだけど、どうにもおかしい。
ピッチ違いも僅かだしネジ山がアルミなもんだから締めてくとどんどん入って行っちゃう訳。
気が付けばネジ山損傷で、なんでだろうと本来のボルトとタイバー用の長ボルトを見比べてみてようやくピッチ違いに気付くっていう・・・。
(純正住友M12PT1.25 GDBブレンボM12PT1.5)
ヲレもうっかりしてたな・・・。
気付いていればタイバー流用は諦めていた所ですが、ネジ山も傷めたことですし、掘り直してPT1.5でリコイル打って、しっかりタイバーを付けてしまおうという事になった訳です。
リコイル付属のドリルとタップで下穴を作り直し、部屋の小型のボール盤で水平を出して垂直に掘り直します。
あとはハンドルでリコイルをクルクルっと捻じ込んで、捻じ込みに必要なタングと呼ばれる出っ張りを叩いて取ればネジ山の復元完成。
元のアルミのインゴットを掘っただけのネジ山よりも、遥かに高強度なネジ山が復元されます。
ネジ山トラブルが多いインプレッサの純正ブレンボキャリパーなどは、ネジ山をよくリコイルでやり直しましたね。
やや動きが渋かったピストンも、リペアキットでオーバーホールして性能回復を図ります。
何か最近ブレーキばっかりやってる気がするw
これらの作業により、GDB純正のタイバーは無事取り付け。
オーバーホールとパッドの新調、フルードの交換によってブレーキタッチはかなり改善したと思われる。
わざわざリコイルでピッチ変更してまで住友4ポッドにブレンボ用タイバーを流用した奴は他に居ないだろうな。
効果の程はヲレには判らないw
あとはパーキングブレーキ周りのインナーシューやらホールドスプリングやら消耗品ぽい子部品を全交換して組み付け。
(インナーシューは鬼サイドを多用しない限り減ることがないので、必要なさそうですが達ての願いでしたので)
相変わらずシューホールドスプリングの組み付けは面倒ですな・・・
手が3本無いと厳しい感じの作業。
ポンさんに手伝ってもらって作業時間を短縮しました。
あとはナックル裏側の小窓からインナーシューのイニシャル調整をしてハブやブレーキ周りの作業は完了。
残りは、オイル駄々洩れだったステアリングラックをリビルトラックに交換します。
昔は幾らでもネット上に存在したリンク品も今は完全に絶滅しましたので、準備しておいた中古品をジャパンリビルトにて現物修理で依頼し、送ってから2~3週間ほどでリペアされて帰ってきました。
中古品も10万円程度で取引され、リビルトの依頼も4~5万円程度掛かります。
エライ費用だな・・・。
昔は2万円程度のリンク品を買って、ポンと取り換えて送り返すだけだったのに。。
GC8も気楽に維持できるクルマではなくなったって事ですね。
まぁ、高額なのはSTiRAに搭載のスーパークイック13:1のラックですので、標準的な15:1のラックであれば半値位でリペアできるみたい。
相場の高いものは足元を見られるって訳で、商売の基本ですね。。
汚いギヤボックスだなぁw
オイル漏れだけならユニオンのOリングがカチカチになるからってだけなんだけどね。
タービンが近いせいで直ぐにパッキンが逝かれてオイル漏れが発生しますね。
ステアリングシャフトのユニバーサルジョイントを移植したら、リビルトラックを車体に取付します。
簡単に書いていますけどコイツの脱着は結構鬼でして、本体の固定自体はメンバーの下からキャップで取付されているだけですが、パワステ配管2本のユニオンの付け外しがかなり厳しい。
とにかく手や工具が入らないので、薄口の小型スパナだとか首振りのフレアナットレンチだとかを駆使した上で奇跡が起きれば成功するレベルw
まぁ、外すだけなら何とかなるかも知れないが、取り付け難易度が高いですね。
手で触れない位置のユニオンナットを片口レンチの先っぽだけでネジ山の入り口に入れるだけでも難しいですね。
ナットが舐めたら続行は不可能。
毎回なんで成功したのか判らないような狐につままれた様な気持ちになりながら、何とか組み付けを終えますwww
このクルマも、色々と取付した補強バーなどのせいで下回りの整備が困難になっています。
今回のラック交換も、ロアアームバーを撤去しなければ作業できませんでした。
変な鳥居みたいなのとかいっぱい付けちゃったから、ミッションとかも降ろすの大変そうだな・・・。
あとは結構ズレてしまったステアリングのセンターを、
ハンドル側で調整、一番センターに近いスプラインで差し直し、あとはタイロッドで微調整していきます。
大モンキー片手にその辺を走り回ってステアリングのドセンターを意識しながらトープラマイゼロからややトーイン辺りで調整しておきます。
ブレーキの当たりなんかもある程度付けたかったので、それなりにアクセルもブレーキも踏んでみたりしてみましたが・・・速いなこのクルマ。
っていうか、エンジンが凄く良いな。
ブーストを抑えてるせいかピークパワー自体は大したことないと思われるが、低回転の無過給でもトルクがあるので、アクセルの踏み返しで立ち遅れが殆ど無い。
大排気量NAぽいレスポンスがありますね。
しっかりブーストを掛けたらかなりパワーも出そうなエンジンになってますね。
凄い速いです。
ヲレのGCがかなり遅いんだなと判ってしまった・・・^^;
まぁ、もうOHしてから10万キロ以上使ってるエンジンなんで仕方がないですが、内部仕様の違いもかなりあるのではと思います。
何が一番効いてるんだろう・・・
ツインスクロールのGDBタービンだろうか、HKSのピストンや東名の軽量コンロッド?シムレスリフターだろうか・・・色々やったからな、全部の集大成なのかも知れないな。
ヲレのGCも次のエンジンをそろそろ作り始めます。
金額的にとても模倣は出来ないが、安く済む部類で出来る限りの事はやっていいエンジンを作ってみようと思う。
まだ乗るのかよ!