新たにpon/onの所に来たGC8も、乗り出しで色々と整備がありいつやる何からやるで紛糾。
6月頃から頼まれていたんだけど、結局色々と忙しくお盆前後でようやく着手となりました。
もともとのオーナーの代で結構マメに整備をしてくれていたので、乗り出しでこれをやらないとヤバイってのは無かった。
あとはpon/onが自分で走って足りないと思う部分を補っていくようなチューン的な内容ですね。
先ずはスタートアップで定番の下回り保護塗装。
タイヤハウスやサスペンション回り、飛び石の懸念される箇所を中心にチッピングコート処理を施し、場所によって防錆剤などを塗付後、耐衝撃性に優れるよう軟化剤を入れたクリヤーでフロア下を塗装します。
合間で自分でやるなどと言って、ツナギを着てサス交換に挑むポンさんでしたが・・・遅々として進まないので、さくっと手伝って終わらせました。
結局もとのショックは抜け抜けだったので、クスコの車高調に交換。
この日はポツンと空いた半日で来ていたので、これにて終了。
後日。
目がチカチカするような炎天下の下、本格的な重整備のスタートです。
ミッションを引きずり降ろしてクラッチ周りの整備。
特にやりたくない項目ですw
クラッチ自体は交換してまだそれほど使っていないらしいので、軽量フライホイールへの交換と、クランクシール(リヤ)の交換。
ベルハウジングからのオイル漏れが甚だしいのだ。
前回のクラッチ整備の時点で何故そこを放置!?
と疑問になるが、前オーナー(スバル大ちゃん)がクラッチ周りの整備を依頼した工場が一緒に頼んでおいたフライホイールとリヤシールの交換を単純に忘れたんだと・・・。
「ごめん忘れちゃった。」って言われたらしい。
大事なとこだろwww
まぁ、ヲレも基本的にぼんやりしているが、そこは忘れないで行こうw
ミッション脱着は色々と外すものが多いので、結構面倒である。
ドラシャにペラシャに、インタークーラーにフロントパイプにと、上から下から頑張らなくてはいけない。
ウマで上げるとエンジンルームでの作業が大変になるので、上から外せるものは殆ど外してからジャッキアップします。
結構高くウマで上げないとベルハウジング部に嵩があるのでミッションが外に出せませんよ。
タービン遮熱板のボルトはところどころ既に折れており、留まってない部分もあるが気にしない、こんなものは2、3か所留まってなくても問題ないのだ。
フロントパイプのボルトも緩めで齧ったので、電動グラインダーでカット。
こういう作業は迷ったらどんどん荒業で先に進まないといくら時間があっても足りません。
しかし、この炎天下は本当に厳しい・・・。
その辺に置いておいた工具が熱くて素手で触れない。
やはり真夏の日差しの下でやる作業じゃないな。
隣の家はプールまで準備したのに、子供たちを含め誰も出てこないw
暑すぎるのである。
こんな中でミッションの脱着とか自殺行為にしか映っていないだろうな。
全部ボルト取ったのにミッションがなかなか外れてこないな・・・
と思っていたら、セルモーターの下のプルクラッチのピンを抜くのを忘れてたぜ。
コイツが残っていると、クラッチカバーにパチンと嵌ったレリーズベアリングに引っかかっているオペレーティングロッドが引っかかってミッションが抜けてこない。
デカいヘキサゴンの蓋を取ったら奥に刺さってるだけなので、
M6のボルトなどを捻じ込んで引き抜きます。
マイナスドライバーやバールで抉り、隙間をどんどん広げていけばミッションは外れてきます。
クラッチオペレーターや、車速・DCCDのセンサーの配線、ボディーアースなどの接続が残ってないか最後に確認しましょう。
ミッションを取り出したフロアトンネル。
クルマの下が一番涼しいですw
こんな風に寝転がって休憩がてら、あちこちおかしい所がないかチェックしたりします。
フロア下は腐りもなくなかなかきれいな状態。
ただ、硬い足で使われた期間が長かったのか、サイドシルのピッチング方向のしなりが大きい感じ。
ジャッキアップするとドアストライカーがずれてしまう。
ヲレのクルマは、長年あれだけ酷い使い方をしてきたにも拘らず、
そういったボディーアライメントのずれは殆ど無い。
純正程度のスプリングしか使ってこなかったからである。
一見きれいでも、分不相応な車高調などでボディーはガタガタになってしまう。
同じGを掛けるにしても、ジワリと押すかぶん殴るかの違いである。
硬すぎる足はゴンゴン殴ってるようなものであり、元々持っているしなやかなボディーのしなりと連動出来ないのだ。
クラッチカバー&ディスクと、フライホイールを取り外すと、クランクシャフトのリヤ側のシールが見える。
インプレッサでは長く乗ってると必ずオイルが漏れる箇所なので、クラッチ周りの整備をする際には必須の作業項目である。
ヲレのGCも3~5年のペースでミッションかエンジンを降ろす機会があるが、前回は諸般の事情があり交換できていない(というより、一度外したシールを再利用するという暴挙に出た)ので、早くもベタベタになっている。
そろそろヘッドのOHを考えているので、一緒に改修したいところです。
ゼロスポーツのフライホイール。
GC8譲渡時に一緒に引き取った中古品だ。
固着したパイロットベアリングを打ち換え、軽くペーパーでも当てて使用しましょう。
いつも思うのだが、何故フライホイールのディスク当たり面は、平滑に減ってくれないのだろう・・と。
ブレーキディスクの様にレコード盤状になるなら判るのだが、部分的に抉ったようなまだら模様になっていく。
高温時の膨張ムラなのだろうか。
半クラなどの使い方でも減り方は変わりそうな気がするが、ヲレのGCも、こんな風にまだら模様になっていたな。
8000回転とか高回転時にクラッチが切れやすくなるのもこういう当たり面と関係しているのかも知れない。
さてさて、クランクのオイルシールを交換後フライホイールを装着。
カバーディスクだけ装着して今日は終わりにしようかな~と思っていると、フラホにカバーがなかなか装着できない。
フラホから出ているピンにカバーの穴が微妙に合わないのだ、シビア過ぎるというかキツキツである。
結構埒が明かないレベルだったので、テーパードリルでチャンファを切ることに。
これで叩き込んで漸く装着。
社外品なんてものはまぁ、大体こんなもんである。
目方で大体のディスクの芯出しをしてこの日の作業は終了。
暑さも相まってとっても疲れてしまったな・・・。
最近は気合で一気にやり切ってしまおうという無茶をしなくなっている。
リバウンドが大体計算できるからね。
ライフが満タンで100スタートなら、最低でも30くらいは残して終わるようにする。
一晩寝ても、大体60程度しか回復しないので、無理をすると翌々日までに影響してしまう。
土日クルマやったって平日は会社ですからね。
基本的にはただのサラリーマンなのである。
さて翌週、ミッションさえ積んでしまえば終わったようなものだ。
F型からのTY754。
バラシてミッション降ろしで一日。
ミッション積んで諸々組み付けて一日。
くらいでのんびりやるのが無理が無くていいと思う。
ジャッキに上手い事載せて、小一時間ほど格闘していると漸くメンドラが刺さる所まで行きました。
ミッションだけ揚げてそのまま差そうとしても実際はなかなか入っていきません・・・、ミッションが無い状態だとエンジンが前のめりになっているからなんですね。
エンジン側も前の方でパンタジャッキなどで押し上げてやると、メンドラとディスクのスプラインが水平になり、ストンと入ってくれるところがあります。
最後の数センチがなかなか押せないですが、ベルハウジングのボルトが一本だけ長いものがあり、そいつが届くようになるので、ボルトの締め込みでドッキングすることが出来ます。
TY752ではそういった親切なボルトが無かったので、メカニックの声が反映されたのでしょう。
ミッションをなんとか搭載し、各部の組み付けをして漸く走る状態まで持っていきました。
GC用の新しいタイヤホイールまで準備し、試運転です。
と、走り出すものの・・
変な音がする。
縦に横にGが掛かるとゴツゴツと何かが留まってないような音。
うーん、重量物を押さえていないような音だな。
何を締め忘れたんだろう・・・音的にピッチングストッパーかな???
インタークーラーを急いで外すが、ちゃんと締まってるな。
・・そこではっと思い出す。
ミッションメンバーのボルトが仮締めのままだったわw
ジャッキで搭載する時に、落下防止で仮でボルトを入れてそのままだったな。
本締めした記憶が無い物はあとではっと思い出すことがある。
しっかり締めたものは後で記憶を辿るとちゃんと覚えてるもので、締めてない物の所まで意識が遡れればだいたい「あっ!」と思い出すものである。
人は忘れる生き物ですからね・・・
自分を信用せず、こうやって何度も確認して漸く完成していくものなのです。
(テヘペロ)
さて、フライホイールの交換は終わりましたが、まだ諸々の作業が残っています。
トランスバースリンク(Fロアアーム)の圧入ブッシュのピロ化と、フロント周りの補強パーツ一式の装着。
先ず、ストックパーツとして保有しているロアアームを持ち帰り、圧入ブッシュのピロ化です。
クスコから出ているピロボールブッシュです。
こういった圧入ブッシュの打ち替えは結構大変で、固着が酷いと10トンクラスのプレスでも抜けてきません。
こういう場合は、内側からドリルやエアソーを使ってブッシュの外周カラーに切り込みを入れてテンションを解除してやる必要があります。
きちんと破壊しておけば、小さめのプレスでもちゃんと抜けてきます。
入れる時もアーム側をトーチなどで炙り、膨張させておけばすんなり入ります。
力だけで無理やり入れようとするとアーム側が割れてしまったりして全てがおじゃんになるので注意!
譲渡の時点でフロント周りの補強は殆ど無いポンさんのGC8。
いっぺんに色々付けるので、効果は如実に表れるでしょう
まずはピロ化したトランスバースリンク。
ロールセンターアダプターを装着してから交換します。
そして、レイルのロアアームバー。
ジャッキポイントのお皿と交換するタイプのゴツイパーツで。
最も体感できそうなオイニーがします。
ターンバックル機構があり、ボルト穴とドンピシャの位置まで調整します。
あとは、これまたロアアームのボルトと共締めする鳥居。
後ろ側はミッションメンバーのボルトと共締めする珍しいタイプで、ロアアームの後ろ側のボルトは、将来的にサイドシル補強パーツ装着の為に取っておきたい為の選択でした。
この取り回し・・・
どうやってミッションオイルを交換するんだよw
ミッションオイル交換は上抜きを検討するようですねwww
写真に撮らなかったけど、ストラットタワーとバルクヘッドをガッチリ繋ぐシャキッとプレートみたいなものも付けました。
タワーバーと併用できない点が???と思いましたが、タワーバーのカラー(ストラットタワーのシーラーをかわす為に一段浮かせるカラーが溶接されている)を削っちゃえば、共締め出来そうな感じ。
ま、暇なら自分でやるんじゃないかなw
そして極めつけのレイルのアンダーガード。
こいつはヲレのGCにも付けたいですが、オイルクーラーのホースの取り回しを変えないと付けられない代物。
GCはオイルクーラー無いと怖いからね・・・みんななんで無しで平気なのか判らない。
ヲレは絶対エンジン壊すので、色々気を遣う部分はあるけれどオイルクーラーは絶対必要。
前にGDBにも付けたローフリクションオルタネーターもGCに装着。
どれだけ軽くなるのかヲレには不明ですが、オルタネーターだけでも5㎰前後のパワーが食われていますので、これが3㎰くらいになったとして2㎰ほど損失がなくなったとしても・・・
やっぱヲレには判らないかなw
まぁ、チューニングは2㎰、3㎰の積み重ねですからね。
「それをわずかと笑うものにチューニングを語る資格はない」
って北見さんが言ってましたw
取り敢えずチューニング関係はひと段落し?
外観のアンチエイジングですね。
大体汚くなってるCピラーのガーニッシュとリップスポイラー、ワイパーアームなどを半艶ブラックで塗装し直してやるだけで、全体的に小ぎれいになります。
フロントバンパーなども飛び石だらけだし、ボディーも小傷が多いですがその辺は追々ですかね。
取り敢えず走りが一番。
さてさて、締めの作業が終わりまして再び試運転。
山陰の峠っぽい道を適当にかっ飛ばしてチェックするんですが、かなり変わるだろうなとは思いましたが・・・
ちょっとカッチリし過ぎな気がする。
ボディもブッシュも逃げが無いので、ステア操作が非常にシビアになる感じ。
うまく真ん中を取ってくれないので、路面の僅かな凹凸を拾い右に左に常に細かく修正舵を切らなくてはならない感じがある。
例えて言うなら、FD3Sみたいである。
少し強めのトーインにでも振って直進安定性を出した方がいい気がするが・・・
ポンさん的には現状で狙い通りという事なので様子を見ましょうか。
やはり一般的には、ブッシュの逃げやボディーのしなりという物は必要だなと感じます。
そういうぼんやりした部分をわざと残すことで、轍や段差、カントなどが多数ある公道という場所を、缶コーヒー片手に気兼ねなく運転することが出来るんだと思うのです。
今回はオーナー本人がそういう方向性で作るために様々なパーツを取り付けしましたが、一般的にはお勧めできない部分も多くあります。
例えばピロブッシュや、ロールセンターアダプター。
これらはステアリングの操縦性があまりにも大きく変わり過ぎるので、そういった変化が目的に合っていない限りやるべきではない。
敏感な人なら後悔しかしない。
商売の為に各メーカーから様々なパーツが出ていますが、
何でも付ければいいという物ではありません。
付ければ変わるだろうけど、良くなるとは限らない。
メーカーが本気で作ってきたバランスをわざと崩していく意味を、自分の中に見つけられないならやるべきではない事が多くあります。
目的と走る場所に合わせて、必要なものとそうでないもの、無意味なものをきちんと見極めて、熟慮の上で導入すべきです。
インプレッサのSTiバージョンなどというクルマは、純正の時点であまりにも良く出来たクルマなので、それ程足りないと思う事が無い。
長く乗ってきたなら、ヘタった消耗品を純正新品に交換するくらいで充分である。
本来のバランスを崩さず、本当に足りないと思う部分だけにきちんと手を入れて長く楽しみたいいいクルマだと思うんだよね。
GC8もGDBも、15年、20年選手ですからね。
ただ普通に維持していくだけでも大変なクルマになりました。
現実的な話をすると、この辺のクルマの維持費は、最低限のメンテナンスをしていくだけでも年間30~50万円程度掛かります。
掛けないで走ってるクルマもあるだろうけど、どんどんボロくなっていくだけです。
これは年収500万円前後の中流サラリーマンが、家庭との両立をしながらギリギリ維持できるレベルの内容です。
家のローンに子供の養育費、学費の積み立てに・・・なんて言ってたら本来、とてもじゃないけどインプレッサがどうだとか言ってられない筈なのだ。
殆どの人が、峠やサーキットで使うだけの遊びグルマってだけじゃない、通勤や、ファミリーカーとして使ってる人も多くいると思います。
だからこそ余計な事にお金を使わず、きちんとメンテナンスをして、
それでもどうしても足りないと思う事、やりたい事に余ったお金を使えばいいのだ。
余らなかったら使っちゃ駄目なのであるw
みんなのインプレッサはどうかな?
クタクタなくせにくだらないパーツばっかり付けてメンテナンスを疎かにしてないかな?
整備不良は危ないからね、先ずはメンテナンス。
それを忘れないでね!
ヲレのGCなんて、メンテだけでギリギリであるw