4月にキャロルから引きずり下ろしたF6A型エンジン。
ちまちまと部屋でオーバーホールしてました。
小さいからね、EJとか4AGとかと比べても楽だね。
可愛いエンジンだよ。
・・・とか舐めてかかってたらギックリ腰が再発。
数日動けなくなったりしていましたが、何とか持ち直し作業再開。
ゴールデンウィークには積み換えたかったので、のんびりもしてられません。
まずはヘッドの組み上げから。
新品のステムシールをガイドに装着します。
ちなみにバルブはすり合わせ済み。
そしてコンプレッサーを持っていないのでw
お得意のT字クランプと加工ボックスでコッター取り付け。
バルブを全部組み上げたら、カムを挿入してストッパーのプレートで固定します。
シャフトにロッカーアームとスプリングを通して皿ビスで固定します。
ロックタイトの指定はありませんが、一応中強度を使用しておきます。
タペット調整のネジはまだ緩々のまま。
ヘッドをブロックに取り付けして、タイミングベルトをかけてからタペット調整をするのです。
デストリビューターハウジングを取り付けして・・・腰上は完成。
さてさて腰下です。
家にあった古いプラスチゲージはグズグズで使えなかったので、新しく買ってきました。
こいつでベアリング関係のクリアランスを見ましょう。
先ずは大端のクリアランスを古いベアリングで。
0.35ミリって所でしょうか。
クリアランス限度値は0.40ミリと言う事なので規定値内ではありますが、
コンロッド大端ベアリングはクランクのメインジャーナルよりは摩耗しやすいので、今回は交換致します。
そして、ピストンリングセット。
こいつらは値段が高かったけど、ケチらずに全て交換します。
シリンダーに傷らしいものもなかったので、軽くホーニングしてリング新品で組めばオイル消費も完封で圧縮もバッチリ戻るでしょ。
新品リングには符号がふってあって、文字が上になります。
断面が小さい方がトップリングで、その下がセカンドリング。
写真にないけど、オイルの掻き取り用のリングはエキスパンダを二本のレールで挟むようにして、3段目の溝に装着します。
EJなんかとは違って、ピストンにコンロッドを取付した状態でシリンダーに挿入していきます。
(普通のエンジンはみんなそう)
ピストンにも向きがあるので、挿入時に注意。
コンロッドキャップは未装着なので、シリンダーを傷にしないようにボルトのアタマにマスキングテープなどを巻いたり気を使いましょう。
クランクベアリングは再使用するので、全て元位置になるようにセットします。
3番ジャーナルの前後にはスラストメタルが入るので、忘れないように。
ここは新品に換えています。
ジャーナルやシリンダー側面にはレッドラインのアセンブリールブを塗付して組み付けしています。
エンジンオイルはすぐ乾いちゃうから・・・
クランクキャップを規定トルク(5.8キロ)で締付けし、コンロッドキャップを(3.3キロ)締めます。
腰下は概ね出来上がったので、ヘッドとシリンダーブロックをドッキングしましょう。
向きを間違えないように新品のガスケットを乗せて・・・
ヘッドボルトの取り付け。
規定トルク6.8キロを基準として、既定の50%と80%で二段階対角締めを実施したのち、
一度逆手順で緩めます。
そして次は80%と100%の二段対角締めでフィニッシュ。
ヲレが二十歳くらいの頃に当時の彼女に買ってもらったトルクレンチが今もこうやって活躍している。
(勿論いまのカミさんではないw)
うーむ・・・感慨深いではないか。
意外と大事なのがオイルストレーナーのOリング。
きちんと新品にしよう。
ここが切れたり痩せたりしてるとエアを吸って油圧が下がってしまう。
オイルパンをくっつけたら、カムとクランクのオイルシールを打ち込みし、ウォーターポンプやスプロケなどを組んでタイミングベルトを装着してしまいます。
ここら辺も全て新品使おうね。
昔、オイルシールを叩いて入れてたら、中でリップスプリングが外れててオイル漏れしたことがあった。
なるべく叩かないようにグイグイ押して入れよう。
タイベルを組んだら、タペット調整をします。
ロッカーアームだからね、クルクルとマイナスドライバーで調整できますね。
シクネスゲージでIN0.15㎜ EX0.17㎜に合わせます。
タペット調整完了!
何だかいい加減な感じのタペットカバーパッキン(新品)を取付したら・・・
ショートエンジンの完成です。
オーナーに頼まれてヘッドカバーをブルメタに塗ってみました。
なんだかチューニングエンジンみたいでカッコいいな。
ノーマルだけどねw
そして積み換えですww
メンバーから何からまとめて降ろすんだから訳はない。
バンパーとコアサポートとラジエター取ってコンデンサーとコンプレッサーを端に退かしておけば、エンジンはラクラク前から降ろせます。
手順的には・・・
先ずはウマに載せたら、エンジンオイルやミッションオイル、LLCなどを全て抜き取ります。
そしたら、ナックル廻りをバラシてドラシャを引っこ抜きます。
下に潜って、フロントパイプとエキマニの接続を外してぶらぶらにし、シフトリンケージなども分離します。
ミッションマウント2ヶ所のボルトを抜いていきます。
エンジンメンバーとボディの取り付けのボルトを全て緩めておき、いつでも外れるようにしておきます。
ヒーターホースをバルクヘッド側で外しておき、フューエルコックを緩めたら燃料系のホースを外します。
ECUからのハーネスカプラーや、その他補器類のカプラーを数個抜いておき、
バッテリー端子線をリレーボックスからカプラで分離します。
あとはスピードメーターケーブルと、マスターバックの負圧ホース位かな・・・
はい降りた。
20年間休まず働いたF6A型エンジンお疲れ様。
もう20万キロも近いというのに、オイル消費が早いという程度の問題しか起きなかった。
なんて丈夫なエンジンなんだよ。
降りた絵はこんな感じね。
こう見えてただのマンションの駐車場だからねw
そして自走でやってくるニューエンジンw
補器類の移し替えなどがあるので、それが若干時間が掛かるんだよね。
1日で終わらせるくらいの積りでいましたが・・・
腰の踏ん張りが利かないので、結局ゆっくりじっくりやることになりました。
コンプレッサーのステーやクランクプーリーなどが若干違って、
使えない事が判りましたので、色々と互換性の検証をしているうちに日没へ。。。
まぁ、あと半日って所でしょう。
軽量フラホを移植し、クラッチの山もまだ充分なので続投。
インマニやタービン、ミッションやセルモーターを取付して動力コンポーネントが完成。
よっしゃ、イケるだろ。
翌日の午前中には搭載まで来ました。
なかなかいいペース。
あ、ベニカミキリだ。
きれいだなぁ・・・
ちょっと手を止めてカミキリムシを追いかけたりしている。
もともと昆虫大好きだからね。
ひと通り全部組み戻して、もう一度全ての箇所に工具をかけて増し締めの点検。
あとはLLCや油脂類を入れたら火入れです。
こうしてみると、ヘッドカバーが青ってのもスズキらしくていいじゃないか。
カッコいい!
そしてエンジンはあっけなく一発始動。
水やオイル漏れがないか・・・ウマに載ってるうちに確認します。
今の所大丈夫そう。
しかし、あちこちホースは古い所もあるからね・・
温まった時に何処かから微妙に漏れたり、少しの間は注意が必要です。
新生アルトワークス始動!!!
最初の1000キロは慣らし運転!