長い梅雨が明けたと思ったら・・恐るべき酷暑。
暦の上ではもう秋ですが、親の仇のような熱波が日本列島を襲っていますね。
半端な雨天以上に作業系が厳しい季節になってしまいました。
只でさえコロナ禍で自粛にマスクにと、根拠さえ覚束ないパッシブセーフティーを強いられている不自由のさなか、熱中症にも注意したい所。
無理してやってると、気が付かないうちに意識消失を招き、死ぬことだってあります。
八月は重整備はやらない。
・・・といつも心に堅く誓うものの、うちの子(GC)ももう25万キロ。
常に何かが曲がり角を迎えていますので、合間を見てヤバそうなのから片付けていかなければなりません。
特に放置少女系なのは、ブレーキとクラッチの油圧系統。
フロントのブレーキキャリパーはピストンの動きが悪く、パッド一枚だけ異常摩耗してバックプレート擦過。
クラッチもタッチ不良になり、切れ位置が安定しなくなってきました。
高回転まで回すとカバーダイヤフラムが反転してしまいます。
カバー&ディスクはまだ5年使っていない筈ですが、マスターシリンダーは10年以上OHしていません。
お盆前に2連休が取れたので、その辺をまとめてやってしまう事にしました。
クラッチマスター、クラッチレリーズ、ブレーキマスター、ブレーキキャリパーと、細切れにも出来るのでね、気分が悪くなったら途中で止めようw
・・・的な感じで、
年始め位に買い置きしておいた各リペアキットを押し入れから探し出して、GCをジャッキアップしていきます。
まずはインタークーラーを取って、クラッチ周りから。
(手始めに短時間で終われるラクな奴から始末します。)
ぱっと見て、クラッチのレリーズフォークにスプリングが掛かっていませんね。
タッチ不良はこれが原因でしょう。
しかしまあ、何度も何度も切れるねぇ・・・。
リターンスプリングが結構ちゃっちい引きバネだから仕方ないんだけどね。
取り敢えず、ここはその内新品買ってくるとして(準備しとけや)、先をひん曲げて再使用しときますw
マスターを取ります。
室内側はペダル側のピンを抜くだけなので、ラジオペンチで充分ですね。
漏れていると言うほどではありませんが、しっとりとしてきているブーツ回り。
もう数年放っておくとダバダバ漏れてきてバルクヘッドを腐らせます。
外れてきたクラッチマスタシリンダーと、リペアキット。
中身とサークリップ、ダストブーツを交換するだけの簡単なお仕事です。
サークリップを精密マイナスなどで外し、シリンダー内壁を傷にしないようにピストンを素早く突っつくと、自己の反力で中身が出てきます。
突っつくとブレーキパイプの取り付け穴からフルードが噴出するので注意。
フルードは強酸なので顔面に食らうと大惨事です。
ブーツの交換はロッドからコの字金具を取らないと交換出来ないので、長さを測っておくか、何回転で外れたか数えておくといいよ。
次はオペレーター(レリーズシリンダーとも言うよ)のリペア。
これも単純な内容物とダストブーツを交換するだけです。
前回のOHはクラッチのカバーディスクの交換時なので、まだ5年程度しか使っていませんが、簡単なのでついでにやってしまいます。
ピストンは同じに見えますが、リターンスプリングの巻き数が変わっていますね。
フォークのスプリング破損がなくてもタッチ不良が多く出る箇所なので、ノックバック対策なのでしょう。
エア抜きが楽になるように、オペレーターを組み立てる際にフルードをなみなみ入れておきます。
呼び水効果でフルードが通りやすくなりますよ。
強化スプリングのせいでイニシャルでピストンが収まっていませんね。
ブーツが付いていても飛び出そうとする力が強いので、組む時には少し押し込みながらセットする塩梅になります。
齧りやすいピストンなので丁寧に作業しましょう。
マスターとバルクヘッド間のガスケットの注文を忘れてたので、マスキングテープで代用。
異種金属が直接接触しなければ何でもいいと思う。
あとは車体へ組み付け。
特に難しい点は無いと思いますが、ペダル側でロッドのコの字金具がちゃんと噛み合ってるか確認してから組み付けることと、オペレーターはミッションに取り付ける前にエア抜きを済ませる事。
オペレーター本体を出来るだけ高い位置で固定し、エアニップルを上に向けた状態で緩め、ゆっくり数回ペダリングすれば完璧に抜けてくるはず。
ニップルをしっかり締めたら、オペレーターをミッションにしっかり固定してクラッチのオペレーティングシステムの改修は完了です。
クラッチペダルにもリターンスプリングがあり、反転ポイントがあります。
マスター側の反力がなければあるポイントからペダルが行きっ放しになってしまうんですが、ペダルにピンで固定するプッシュロッドの調整位置(切れ位置の高さ調整)に寄っては、リターンスプリングの反転力に負けて行きっ放しになる場合があります。
この場合は少しプッシュロッドを伸ばす方向(切れ位置を高くする調整)で反転ポイントから遠ざけるとちゃんと戻ってくるようになります。
これらの多くは何らかの理由でタッチ不良が出た際(スプリング切れによるノックバックや高温下における内圧上昇など)に、切れ位置が上がってきてしまった際などにロッドを短く調整してしまう事が原因でしょう。
タッチ不良は一時的なものが多いので、悪戯に長さ調整で対処せずに、フォーク側のスプリング不良やフルードの劣化を疑いましょうね。
さてさて日陰で作業できているとはいえ、尋常ではない高温下での作業。
汗が絶え間なく顎の先端から滴り落ちていきます。
暑い・・・ていうか熱い。。
気合を入れれば初日で終わらせられる内容ですが、明日もあるのでゆっくりやることにします。
あとはブレーキ周りの取り外しと、マスターのリペア位にしときますか。
キャリパーのOHは涼しい部屋でゆっくりやることにしましょう。
ブレーキマスターシリンダーもOHは単純で、内容物を交換するだけです。
リペアキットは約8000円位。
前回のOHは大体10年くらい前ですが、やや高くなっていますね。
心配な人はASSY交換してしまうみたいですが、3万円くらいします。
長くリペアをさぼってるとピストンシールが痩せすぎてピストンとシリンダーが齧りを起こすこともあるので、この場合は丸ごと交換した方が無難ですが、自分はほぼリペアで済ませますね。
重要保安部品ですので、各自で充分に判断しましょう。
本体の取り外しはマスターバックへのナット二つだけですが、油圧配管のフレアナットが狭くて大変です。
下向きの配管はPバルブごとまとめて外しましょう。
10年くらいの使用ではシールも大して痩せてないですね。
油圧系統のシールやゴムの性能が昔に比べて格段にあがっているお陰です。
ハッキリ言って10年10万キロくらいでは、OHもまだ早いんじゃないかなと思う位です。
ただまあ、こういう部分で大事なのは予防整備。
何かトラブルが起きてからでは遅いような部分なので、距離や期間できちんと管理していった方が良いでしょう。
シリンダー内部や外観などをしっかり清掃して、新しい内容物を組み付け、金属のキャップを取り付けして終わりです。
あとはエンジンルーム側は組み戻して終わりなので、ついでに劣化の著しかったインタークーラーのホースをシリコンの社外品に交換してしまいます。
純正もシリコンのブレードタイプなので、熱による劣化などは殆ど無い筈ですが、脱着が余りにも多いので、トライドンでの締め込み部分が切れたりしちゃってました。
カットして無理やり詰めて使っていましたのよ。
GCはアプライドによって小変更が多いので、間違いないようにちゃんとD・E型用で購入しました。
F・G用だとブローオフ側がまた全然違っちゃいます。
流石フルセットで6000円台の激安品、全てがかなり長めで来ているので、カットしながら合わせていきます。
インタークーラー裏側のY字パイプは一体物のGRB用を流用しているので、ホース接続部分が一ヶ所余ります。
何とかいい感じになりました。
インタークーラー取り付けしてフード下の作業はだいたい終了。
以前シュンジに貰ったGDA用インタークーラーの流用もそろそろやりたいけれど・・・今の時期、兎に角溶接をしたくないので・・・。
ISCVを交わすブローオフへのパイプの加工とか、フード裏のシュラウドの流用もちゃんとやると時間が掛かりそうなので、涼しくなってからやるかな。
もう西日、クルマは今日はこのまま放置です。
あ~、早くビールが飲みたいですが、まだ小僧の保育園のお迎えがありますので・・・時間になるまでキャリパーピストンをエアーガンでぶっこ抜いて熱湯とアルカリイオン系洗剤でキャリパーとピストンを洗浄してました。
こういう洗浄系の下準備が一番時間が掛かりますね。
こういったものが無ければ整備なんて大して時間は掛かりません。
D整備みたいに、何でもかんでも交換で済めばそりゃ速いしラクですけど、二倍も三倍も部品代が掛かるし今で言うサステナビリティにも反していますからね、再生できるものは再生する。
当たり前の事なんだけどね、使えるものは出来る限り使う。
残り少ないリソースの奪い合いを資本力で圧倒するような考え方は、自分だけが良ければよいという典型的なもの。
勿体ない精神は人としての最低限のルールではないだろうかと思う。
すっかりきれいにしたキャリパーとピストン八つ。
あとはパチパチと組み立てるだけなんですが・・
ピストンが結構腐っていたんでね、もうひと手間加えておこうかなと。
「そんな下らねえ手間はいいから、ヲレの水槽も掃除してくれよ!」
と、後ろのプロトプテルス君も言っています。
今年で31歳になるアフリカ肺魚の一種で、我が家の最古参です。
凄まじく低代謝の生物で、未だに成長を続けています。
水換えは3~4ヶ月に一回、エサやりも1~2週間に一度です。
冬場も最も寒い1、2月以外は無加温。
飼育している生き物というものは、矢鱈と構うよりも、放っておく方が圧倒的に長生きする傾向がありますね。
世界の「安定」というものは、殆どの場合が人間の思い込みで壊している気がします。
クルマも割とそうですね、あんまり愛し過ぎると短命に終わる気がします。
「なんだいたのか」 くらいの感じで、
たまには面倒見てやるか位の感じでいると、ずっと手元に居てくれますね。
不思議。
ひとつのクルマに注げる愛情の総量一定の法則があるような気がする。
翌朝、ピストンの摺動部分をマスキングしてブーツの外側になる部位を耐熱塗料で塗装しました。
結構ピストンの筒の中がね、錆びて腐りが酷かったので、極力削り取って磨いて塗装しておけば腐食の進行が少しは遅らせられるかなと。
摺動部分にもやや腐りが出ていましたが、磨きで対処。
浸食が酷くなるとフルードのにじみに繋がるので本当は交換すべきでしょうがね。
もし組んですぐ滲んでくるようでしたら交換することに。
ピストンにダストブーツをセットして、組み立ての準備。
ピストンの挿入部側面にはシリコングリスを薄く万遍無く塗り付けておきます。
多めに塗ってもピストンシールにこそがれるので、ブーツ内に溜まる仕組み。
ピストンシールをピックアップツールなどで全数交換したら、ピストンを垂直に押し込んでブーツの外周をパチンと嵌め込みます。
外れ留めのCリングを取り付けたらピストンの組み込みはOK。
全数丁寧に組み付けして、キャリパー完成です。
色でも塗ろうかなと思っていましたが、いざやろうとなると下らないな・・・という気持ちが大きくなりますね。
ブレーキ性能が上がる訳でもなし、ガンガン走るクルマだと直ぐ汚れて、変色して、ホイールの脱着で傷になって、その内剥がれたり、いいことが一つも想像できないので止めました。
さて、フロントキャリパーをクルマに取付したら、フルード通しです。
タンデムマスター(前後独立ピストン)なので、前後ろの順番は守らなくて大丈夫ですが、慣例で左後ろからやってしまいますね。
ひとりでの作業ですので、なるべく抜け状況が目視できるように工夫しながら作業しています。
室内にはこぼさないように。
フロントに通し始めた辺りでブレーキフルードが足りなくなりましたw
使いかけの1L缶じゃちょっと足りなかったか・・。
ブレーキ周りだけなら、全交換でも600~700mlあれば足りるんだけどね、
クラッチもやったからね。
ちょうど1Lくらいだったか。
通勤最強マシンKSR-1.5で近所のNAPSまで買い出しに行ってきました。
近かった相模原店が、多摩境に移ってしまったので、
ちょっとついでに見に行ってこようかなって思えない距離感になっちゃったし・・・
まぁ、もう必要に駆られていく事しかないんだけど。
それにこう暑いとバイクもダメだな・・・
薄着でもジリジリ炙られるだけでちっとも涼しくない。
さっさとクルマを走るようにしないととヤバイぜ!
追加で買ってきたワコーズのDOT4を投入し、キャリパー4か所のエア抜きを完了。
ブレーキパッド(エンドレスMX72)が異常摩耗でちんばになっちゃったので、フロントの外側だけディクセルの中古ストックにして左右合わせています。
新品ではないけれど、貰い物の割と程度のいいストックディスクがあるので、新品パッドを買ったら付け替えようかな。
試運転しようと走り出すものの、ハンドブレーキを戻してもブレーキ警告灯が消えず。
・・???
リザーブの液量は充分。
蓋を取って茶漉しを外してみると、フロートが沈んだままだなぁ・・・。
このフロートって、中が空洞の空気浮きなんだろうか。
軽い素材の中実浮きなら破損する事は考えにくいんだが・・・
ちょんちょんと突いてみるが、変わらず。
構造的にこれ以上やりようがないので、シリンダーのリペアまでして片手落ち決定では少々萎えるなぁ・・・。
このランプが点きっ放しは結構目に付くので、
フロートスイッチのカプラーを取り敢えず引っこ抜いて試運転開始。
もういいや放っておこう。
ブレーキパッドの配置が一部変わったので、当たりが付くまで完全なタッチではないものの、制動力の立ち上がりは段違い。
それだけ、ピストンの動きが悪くなっていた証拠ですね。
クラッチもタッチ不良が完全に直り、高回転でのクラッチ切れ症状も収まりました。(まぁ、これらは全てリターンスプリング不良によるものですが)
今年のお盆は雰囲気的に秋田へは帰れないので近場で済ませますが、GCの出動回数は多くなるので、不安要素をかなり潰せましたね。
そうは言っても二巡目真っただ中。
怪しい奴をあと2~3年かけてぶっ潰していきますか。
数日走ったら、いつの間にかフロートが上がって来てました(∩´∀`)∩
そう言えば、PCVバルブ替えたらエンジンオイルが余り減らなくなったな。