Autumn-Leaf Last Viewing 　〜12月15日 豊島山道場寺〜

都内の今年最後の紅葉を観に

練馬区にある道場寺を訪れた。

ここは武蔵野33観音霊場2番だ。




正式には、曹洞宗豊島山無量院道場寺という。

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縁起を見てみると、1372年石神井城主豊島景村の養子輝時が、

自ら土地を拠出し、大覚禅師を招いて創建されたものと伝えられる。

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従って今でも、豊島氏の菩提が弔われ、境内には1477年に大田道灌に

滅ぼされた豊島氏最後の城主泰経や一族の墓と伝えられる石塔が残る。

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境内の三重塔には、人間国宝であった香取正彦作の金銅薬師如来像が

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置かれ、その台座にはスリランカから拝受した仏舎利が奉安されている。

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この日はどんよりとした雲が垂れ込めていたが、

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短いながら、強い陽射しが寺院を照らす時間帯もあった。

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12月半ばにも関わらず、比較的暖かな日で、

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最後の紅葉を愛でるには絶好のコンディションだったと思う。

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境内の多くの樹はすでに落葉が進んでいたが、

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山門や三重塔・鐘楼周りの楓は、十分に鮮やかな色に染まっていた。

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参道や苔むす庭園のあちらこちらに、楓の落葉が散りかかり、

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折から射し込んだ陽光と相まって、控えめな浄土の様相を呈していた。

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色づく葉たちは雨風に打たれ、やがて地の滋養に変わっていく。

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土に還った葉たちは、再び大樹の養分となり、春の鼓動を待ち望む。

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禅寺らしく飾りのない境内に咲いた素朴で優しい楓の葉。

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最後の紅葉は、静寂の禅寺の記憶となって脳裏に焼き付いた。

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道場寺の晩秋の幕は、ことさらゆっくりと降りて行く・・・。

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※EOS 6D　EF70-200㎜ F2.8L IS Ⅱ USM【Top/1-15】
　Leica Q（Typ116）【16-18】


（了）