
哲学堂公園にある「哲学の庭」。
彫像が3グループに分かれ設置されている。
ハンガリーとの国交回復50周年を記念し、
2009年に中野区に寄贈されたものらしい。
同じものがブダペストにもあるとのこと。
作者はワグナー・ナンドール氏。
公式ホームページによると、哲学の庭は、以下のことを具現化しているとのことだ。
『法、哲学、宗教を代表する人がそれぞれ同心円上に配置されており、
世界の異なる場所の人々が、より相手に近づくことが出来るようになるためには、
プラスマイナスゼロの原点に立ち返ることが必要だという思考を反映している。
また、作品には、民族や歴史、文化などが違っても、洋の東西を問わず、
人間社会の本質を考察し、人類の恒久平和の理想を追求する意味も含まれる』
逆順になるが、それぞれの輪の意義と輪に加わる登場人物を一気に紹介したい。
[第三の輪:法の輪]
異なった時代に法を作り、現存する法律の源流を作った人物が配置されている。
・聖徳太子(冠位十二階などの他憲法17条を制定、仏教の興隆に尽力)
【1】
・ハムラビ(バビロン第1王朝第6代王。慣習法を成文化したハムラビ法典を制定)
【2】
・ユスチニアヌス(ローマ法大全を編纂し、ローマ法の集大成を図った)
【3】
[第二の輪:悟りの輪]
文化や時代が異なれど、それぞれの時代で悟りの境地に達した人物が配置されている。
・聖フランシス(フランシスコ修道会の創設者。カトリック修道士)
【4】
・ガンジー(インド独立の父。弁護士、宗教家、政治指導者)
【5】
【6】
・達磨大師(禅宗の開祖とされ、中国で活躍した仏教僧侶)
【7】
【8】
[第一の輪:宗教の輪]
中心点に集まる完全輪を異文化の象徴とし、世界の宗教の祖となった人物が配置されている。
・エクナトン(エジプト第18王朝第10代の王アメンホテプ4世。アモン信仰からアトン崇拝に転換)
【9】
・釈迦(仏教の開祖)
【10】
・キリスト(キリスト教の基礎を築いた)
【11】
・老子(道家の祖)
【12】
【13】
・アブラハム(ユダヤ、キリスト、イスラム教を信じる所謂聖典の民の始祖)
【14】
【15】
古建築群にもある意味度肝を抜かれたが、この彫像群もなかなかのインパクトだった。
かなりリアリティーのある作品からデフォルメされた人物まで、同じ作者の像とは思えないほど。
それぞれの輪の意義は相応に受け止められるものの、人選については正直よく判らない。
ただ不思議なことに、一定時間眺めていると、どことなく気持ちの波が穏やかになる。
彫像の質感やサークル状の配置がそうさせるのかと思ったが、
実はこの賢人たちの直向きな眼差しに拠るところが大きいのかも知れない。
「日曜の午後は哲学三昧」の巻、これにて終幕。
※EOS 6D Carl Zeiss Makro-Planar T*2/100㎜ ZE【Top/1-14】
EOS 5D MarkⅢ EF24㎜ F1.4L Ⅱ USM【15】
(了)
Posted at 2015/01/30 21:56:13 |
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