2016年8月20日(土)。
台風の影響で朝から続いた雨が
漸く落ち着いたと思い写活に出た。
しかし、大気は予想以上に不安定。
西日本では猛暑の続くこの日、関東を含む東日本は大荒れの天気だった。
台風や熱帯低気圧が東海上を北上中で、次々と暖かく湿った雲を運んでくる。
朝から黒い雲に覆われた街は霧雨が舞い、時折大粒で密度の高い雨粒が落ちる。
【1】
(昼頃から咲き始める1日花「午時花=ゴジカ」)
昼過ぎ、雲に切れ間が見え始め、南に青空が覗くようになった。
Webで雨雲の様子を確認すると南東から北西に動いているようだ。
【2】
(オオケタデ)
14:00、この雲の塊りが通り過ぎれば、落ち着きそうだと見込んで、
一応折りたたみ傘を持って、強引な写活(自主トレか)に出かけてみた。
【3】
(ゴマ)
撮影を始めてしばらくは青空が出たり、強烈な日差しが戻ったりと、
順調に回復していくように見えたが、半時間経たぬうちに真っ黒な雲が湧き上がり、
あっという間に強いシャワーのような、直線的に降る雨に見舞われてしまった。
強い雨に、申し訳程度の折りたたみ傘では心許なく感じ、一旦温室に避難した。
【4】
(雨に濡れるペディキウム・コロナリウム)
よってこの日、屋外で撮った写真は、【1】から【4】が総てとなった。
したがって、これ以降は雨宿りをした小さな温室で撮影したものとなる。
【5】
外は昼間とは思えない暗さになっていたため、室内も一層暗く、
【6】
ISOを上げざるを得ず、いつもにも増して粒子の粗い画になってしまった。
【7】
小さな温室はさすがに蒸し暑いが、雨宿りをするには悪くない。
【8】
生育されている植物たちに物珍しさはないのだが、折角なので、
【9】
普段あまり目を留めないような葉などをゆっくり鑑賞することにした。
【10】
考えてみれば、紅葉の時季以外に葉っぱの類いを観察することがない。
【11】
だから思いの外新鮮だったし、新たな気づきのようなものを感じることも出来た。
【12】
そもそもこれまで鮮やかで見た目の麗しい花は観賞するもので、
【13】
緑一辺倒の葉は脇役であって、それを観察するという発想が欠けていた。
【14】
しかしどうだろう、葉をつぶさに見てみると、どうして魅力に富んでいた。
【15】
ひと口に葉と言っても、形や大きさは言うに及ばず、色味も質感も、
【16】
実に多様で個性的で、何より内に秘めた生命力のようなものを感じる。
【17】
瑞々しく青々と輝き、光合成を繰り返し、空気を知らぬ間に浄化する。
【18】
規則正しく整然と並ぶ葉、まるで血管のような葉脈、陽光に透ける淡い緑色…。
【19】
総てが植物の息吹を宿し、満々と水分を湛え、光に向かって伸びてゆく。
【20】
植物の魅力は、花だけではないことを一所懸命に伝えてくるかのようだった。
【21】
不安定な天気に振り回されたが、それは一方で、有意義な雨宿りにも繋がった。
【22】
こんな雨降りの休日も、たまには悪くないかも知れないね。
【23】
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
※EOS 5DsR Tamron SP 90㎜ Di Macro VC USD(F017)
(了)