乃東枯（なつかれくさかるる）

2017年6月25日（日）。

この時季は二十四節気で言えば夏至、

七十二候なら、夏至の初候で乃東枯。

この日はその初候も最後の日となった。




乃東枯で「なつかれくさかるる」とは、

【１】（ビヨウヤナギ）





またやけに難しい読みだ。

【２】（アーティチョーク）





そもそも「枯」の意味は分かっても、

【３】（アーティチョーク）





乃東とはなんだろう？

【４】（オオグルマ）





乃東とは夏枯草の古名で、

【５】（ニゲラ）





ウツボグサのことを指す。

【６】（ナツシロギク）







ウツボグサは不思議なライフサイクルで、

【７】（ギボウシ）





冬至の頃に芽吹き、ちょうどこの時季、

【８】（オトギリソウ）





夏至の頃に枯れてゆく野の花である。

【９】（ラバンジンラベンダー）





冬至の初候は「乃東生=なつかれくさしょうず」。

【１０】（アメリカチョウセンアサガオ）





つまり乃東枯の対極になるんだね。

【１１】（ヒデンス）







ウツボグサは道路端や田畑の脇などに咲いている紫の小花で、

【１２】（アリウム）





自分のブログにも何度か掲載したことがある。

【１３】（オオアワダチソウ）





ちなみにウツボグサは漢字だと靫草となる。

【１４】（タイマツバナ）





靫とは矢を入れる道具で、

【１５】（キバナノコギリソウ）





花序の形がこれに似ていることから、

【１６】（カッコウチョロギ）





靫草（ウツボグサ）と呼ばれるようになった とか…。

【１７】（ヨモギギク）







周りの花がツヤツヤと輝く中で、

【１８】（サルビア・ウリギノーサ）





この花だけが黝ずんでしまう、

【１９】（ベニバナ）





そんな自然の不思議を候として表した「乃東枯」。

【２０】（マツモトセンノウ）





この日は残念ながらウツボグサを撮ることはなかったが、

【２１】（カルドン）





季節の小さな変化に目敏い先人の感性に驚くばかりだ。

【２２】（アメリカノウゼンカヅラ）







夏至は太陽の位置が最も北になって、

【２３】（カワラナデシコ）





北緯66.6度以北の全域で白夜となる。

【２４】（マツムシソウ）





思い返せば、昨年のこの時季は日本の最北端に居た。

【２５】（トモエソウ）





北緯45度31分、道北稚内、宗谷岬。

【２６】（チコリ）





朝は3時に明るくなり、夜8時まで空は白かった。。。

【２７】（ヤグルマカッコウ）





あれから1年。

【２８】（ヤグルマカッコウ）





今も時として菜々や舞に無性に逢いたくなる…。

【２９】（ヤグルマカッコウ）





暦は乃東枯でも、この気持ちは枯れることがない。



※Canon 5D MarkⅣ　SIGMA APO 180㎜ F2.8 EX DG OS HSM


（了）