2018年9月9日(日)。
予約していた函館からのフライトで、9月8日土曜日(=作日) 北海道から帰宅しました。
・・・何も出来ず、ただただもどかしい思いで一杯です。
今回の地震により亡くなられた方々や直接的な被害に遭われた方々に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
各メディアで報道されている通り、北海道は未だ混乱の最中にあります。
もちろん、様々な復旧支援により日常を取り戻した部分も少なからずあるにせよ。
断水などライフラインの分断によって避難所等での生活を余儀無くされている方々や、寝る間もなく復旧支援にあたっている方々、そしてそれぞれのご家族など関係者のみなさま、どうぞお身体ご自愛ください。
昨日まで、斑らに電力の供給が再開された函館市内にいたなんて何だかウソのようです。
初めての経験ではないものの、被災地と通常の生活を営める地域とのギャップに、あらためて驚きを覚えます。
本当は6日、つまり地震の起きた日に胆振の洞爺から函館に移動する旅程でした。
しかし先日のブログに記載した通り、地震発生から3時間が経過した頃、当日の予約をしていた函館のホテルから「満足なサービス提供ができない」という電話が入り、ホテルの深刻な状況が伺えたため、同市内の他の施設を当たろうとしました。
しかし直後から、通信キャリアや基地局の障害、もしくは蓄電の枯渇などによって、電話が函館に繋がらずネットも不安定な状態に陥り、そうこうしているうちにスマホのバッテリーも怪しくなり、代替策を講じることが難しくなって、久しぶりに有事の閉塞感をひしひしと感じることになりました。
止むを得ず洞爺のホテルに延泊を申し入れました。
当然平時のサービスメニューなどは一切なく、「予備電源と貯水タンクの残量も限定的で、いつ暗闇&断水となるかは分からない」と説明されました。
温泉地にいながら入浴も不可、夜は停電によるブラックアウト…、もちろん全て了解の上で延泊しました。
明かりの灯らないホテルは、当然エレベーターも稼働せず(実はこれが一番堪えたかも知れません。自分たちはともかく、ご高齢の方や杖や車椅子を使われている方には特にそうだっただろうと思います)、館内放送や非常灯も最小限、情報はロビーのホワイトボードに手書きでアップデートされるというものでした。
しかし幸いだったのは、滞在したホテルの体力なのか、危機管理マニュアルのなせる技なのか、スタッフ教育なのか、電気は使えないもののトイレを始めとする水回りは使用可であったこと、朝食はコンロ調理(!)ではありましたが提供があったこと、時間や人数制限はあったものの夕食やカフェの営業もあったことです。
札幌の地下街などに寝泊まりされている旅行者のみなさんに比べれば、なんと恵まれた環境だったでしょうか!
これらのことがあったからこそ、思考や行動がいわゆる負の連鎖に陥らず、落ち着いて物事を考えることができる環境にあったとも言えます。
食事は自助努力でセコマなどのコンビニを回りましたが、おにぎりやサンドイッチなどはそのカケラも残っておらず、飲み物とスナック菓子をいくつか購入しました。
ホテルの情報ではガソリンスタンドも閉鎖中とされていましたが、前々日給油した洞爺湖畔のGSに電話を入れてみると営業中であることが分かり、すぐに満タン給油ができました。
これは非常に大きく、レンタカー内にあったUSB経由でスマホが充電でき、通信障害さえなければ、電話もしくはネットでの情報入手もできるという安心感が得られました。
結局、7日の午前中には函館のホテルに連絡がつきました。
たまたま同ホテルでは前夜に電力供給が再開されたため、7日夜から通常に近い営業が可能との説明があり、更なる洞爺での延泊も視野に入れていたものの、1日遅れで函館への移動を決行しました。
洞爺をチェックアウトする際、クレジットカードは使えず、事後の請求書払いにしましたが、停電はこうした日常の全てに支障を来すものだと再認識しました。
道央道(虻田洞爺湖ー大沼公園)は地割れなどの被害もなく順調(ETCも普通に使えます)で、途中のPAなども営業中、ただし電池など生活用品は在庫切れでした。
高速を降り峠下にさしかかると、道の駅ななえやラッキーピエロが営業中(久しぶりに明かりのついた店を見たかも)だったため、ラッピに立ち寄りました。
バーガー類は物流の関係でNGでしたが、カレーやオムライス、コロッケやオニオンリングなどは普段通りに注文可能でした。
函館市内の信号は大半が復旧していましたが、一部は未稼働、コンビニも同様、飲食店はほぼNG、GSは閉鎖や時間制限、給油量制限がありました。
自宅に荷物を送ろうと思っていましたが、宅配便会社が荷受けを停止していたため、自力で持ち帰ることにしました。
お陰様で湯の川温泉のホテルは通常に近い営業・サービス提供で、至極快適に過ごすことができました。
エアーも機材変更があったものの、遅延もなく予約便が予定通りに羽田に到着し、帰宅することが出来ました。
今回の北海道旅行は、あらゆる意味で思い出深いものになりました。
被災地域を離れてしまえば、現地は何の復旧も進んでいないにせよ、自分の中で有事が平常モードになってしまうという現実に違和感を覚えつつ、大好きな北海道にできる限り寄り添う気持ちを持ち続け、個人の出来得る支援を考えていきたいと思います。
今回の紀行ブログは、気持ちを整理の上、遠い北の大地に想いを馳せながら、おいおい書き綴っていけたらなと思っています。
取り急ぎ帰宅の報告をと思うあまり、だらだらと書きなぐってしまい大変失礼しました。
◇ 9/8 函館市内
被災された全てのみなさまが、1日でも早く通常の生活に戻れますよう、願って願ってやみません。。。
(了)