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２０１５年６月２８日（日）。


明け方、西の雲が僅かに焼け、

富士山が浮かび上がりつつあった。

冬以来、久しぶりに遠望できる富士。

梅雨のこの時期には極めて珍しい光景だ。





薄っすら明けてきた空に、ぼんやりとその優美なシルエットを現す。

遥か手前に雨上がりを知らしめる低い雲を棚引かせ、

青く紅く泰然と山裾を広げている。

【１】






太陽が雲間から顔を覗かせたある瞬間、

大きな姿は、希薄な水蒸気を伴った紅い斜光に染まった。

【２】





【３】





６月の富士は、その身を覆う雪化粧の大半を溶かし、

開山に向けた最終準備を進めていた。

【４】※加工画像





※EOS 6D　EF85㎜ F1.2L Ⅱ USM【Top/1/4】
　　　　　　EF100-400㎜ F4.5-5.6L IS Ⅱ USM＋EX2【2-3】


（了）

梅雨真っ盛りの頃。


敢えてシンプルなMIDORIと

僅かな紫陽花のカラーを撮った

とある休日の雨上がりの散歩。






【１】山椒





雨滴に濡れた新芽のフレッシュさ。

【２】





そして、旬の紫陽花の控えめな色合い。

【３】





視覚への直接的なビビッド感はないはずなのに、

【４】ハナイカダ





【５】





なぜか鮮烈な印象が無意識に刻み込まれる。

【６】





【７】





風の音も、雨音さえもしない静寂の中、

【８】





【９】





植物たちは芽吹いた命を雨に広げ、

【１０】





【１１】ラシャカキグサ





次世代へのメッセージを送り続けてゆく。

【１２】





雨の季節は、MIDORIのシーズン。

【１３】





【１４】ラシャカキグサ





植物たちの命を育む季節。

【１５】





※EOS 6D　EF100-400㎜ F4.5-5.6L IS Ⅱ USM


（了）

タチアオイは凡そ6月から8月に咲く。

丁度梅雨の始まりと終わりの時季。

よってツユアオイとも呼ばれる。。。





民家の軒先などで見かけるが、この花が咲くと梅雨が始まったなと思う。

【１】





直線的に高い所まで茎を伸ばし、そして大きな柔らかい花を咲かせる。

【２】





花色も、赤やピンク、白、紫、黄色と多様で、まるで南国の花のようだ。

【３】






植物に別名は付き物だが、タチアオイについても梅雨葵や花葵以外に、

ちょっと面白い名が付けられている。

【４】





その名は、コケコッコ花。

花根に粘り気があり、子供たちが花を引き抜き、顔などに付けて遊ぶ。

この様子がニワトリ（鶏冠）のようだと、先の別名になったとか。

【５】






静岡市や会津若松市の市花ともされるが、、、

・・・そうか、成る程そういうことか。「葵」だからね、得心。

【６】






関東もいよいよ梅雨のシーズンに突入した。

【７】





じめじめと高い湿度に悩まされる日が続きそうだが、せめて気分だけは、

【８】





このタチアオイのように真っ直ぐに上を向いて明るく過ごしたいものだ。

【９】





※EOS 5D MarkⅢ　EF100-400㎜ F4.5-5.6L IS Ⅱ USM


（了）

紫陽花は不思議な花だ。


普段はごく一般的な花として

気にも留めずただ通り過ぎる。




【１】





しかし、梅雨の始まる頃、この花を見て思うのは「雨」のことだ。

【２】





そして・・・。

【３】






実生活において、雨降りを嫌う人は多い。

【４】





少なくとも晴天を嫌う人の何千倍いや何万倍にも上るだろう。

【５】






その一方、雨は記憶を焼き付ける。

【６】





古く霞み取り戻せない想い出や懐かしく切ない出来事を

【７】





いつまでも瑞々しく記憶の中に閉じ込める。

【８】





あの時、あの人、あの場所を、降り注ぐ雨がふわりとヴェールに包み込み、

【９】





煩雑な日常から隔絶してくれる。

【１０】






曇り硝子を通した光のように薄っすらと紗が掛かり、淡い影絵にも見える記憶には、

【１１】





もう決して戻れない残酷なまでの現実と甘く切ない雨の想いが入り混じる。

【１２】






紫陽花は、雨脚の変化を楽しむように、その姿を刻々と替えてゆく。

【１３】





また新たな雨粒に打たれ、また新たな滴の結晶を紡いでゆく。

【１４】





雨が包むアンダートーンの記憶に、赤紫、水色、青、白と柔らかな彩りを与えてくれる。

【１５】






梅雨はまだ始まったばかり。

【１６】





そして紫陽花もまた、序章を迎えている。

【１７】





※EOS 5D MarkⅢ　EF100-400㎜ F4.5-5.6L IS Ⅱ USM


（了）

先月石楠花園に行く機会があった。

既に少し時期がズレてしまったが、

備忘録的にブログに残したい。





シャクナゲを石楠花と書ける方がどれ程いるだろうか。

あるいは、石楠花をシャクナゲと読める方はどうだろう。

受験前後の方や漢字検定に興味のある方以外は、

そう多くはないだろうと推察する。

【１】






ということを踏まえ、今回は自分自身のためにも、

石楠花の名前の由来について触れてみたいと思う。

【２】






「花木の女王」とも言われる石楠花は中国原産。

見た目通り、ツツジやサツキの親族（ツツジ科ツツジ属）になる。

【３】





もともとは「石南花」で「しゃくなんげ」と呼ばれていたと言われる。

石の間からも生えること、南向きの土地でよく育つことかららしい。

【４】





これが年月の経過でいつしか「シャクナゲ」と呼ばれるようになった。

※中国では「石南」「石楠」両方の表記がある。

【５】





当説は文字と意味が一致していて、一定の納得感があるのだが、

俗説も少しだけ挙げてみると、、、

石楠花はその樹高が一尺に満たないためという説（尺無花）、

薬として癪（≒腹痛）を予防する効能がある（癪無花）から、

などというものがあった。

【６】





比較論的に言えば、やはり冒頭の説が最もそれらしい気がする。

【７】






石楠花は中国が原産と書いたが、元来は高山で咲く花だった。

【８】





高い山の奥でしか観ることができないミステリアスな花・・・。

【９】





そんなことから、高嶺の花という言い回しのモデルになったとも聞く。

【１０】






現に「危険」という花言葉を持ってもいる。

つまり高い嶺に咲く花を手折ること＝危険ということだろう。

また、石楠花は葉の中にグラヤノトキシンという痙攣毒を持つ。

これも「危険」の１つかも知れない。

漢方薬の「石南（オオカナメモチ）」と字面が似ていることから、

未だに誤飲されるケースがあると聞く。お気をつけあれ。

【１１】






今回は石楠花について調べてみた。

【１２】





こんなどうでもいい雑学は、日常生活を豊かにはできないだろうが、

みんカラを確認しながら、まさに今「石楠花の葉を煎じて飲もう」

と考えていた多くの方の不調防止に貢献できたなら幸いである。

＜注意＞「まさに今石楠花茶を飲もうとしてたんです！助かりました♪」というボケコメは禁止です（笑）

【１３】





※EOS 5D MarkⅢ　EF100-400㎜ F4.5-5.6L IS Ⅱ USM


（了）