にわとり ５

（つづき） ＊ 100％ 実話です




本当にバンジージャンプのようだと思う。

気持ちの葛藤と闘ったあと、僕はズボンを持つ手をはなした。



お披露目。

にわとりパンツ男。

まるで、コテカ。

アフリカに行ったら酋長にホメられる。

… 酋長になれるかも。


下を見る。


タ、タイム！

レントゲン撮影を止める。





自分でアホかと思う。

さっさと撮影しちゃって終わりにすればいいのだと思う。


でも、、

脱いじゃったあとは、つおい☆彡

僕は暴走をはじめる。




「どうしました？」

レントゲン技師さんが僕に問う。



あの、、

絵的に許せないんですけど。

と僕は答える。



意味が分からなくて、技師さんが扉を開けてこちらへ顔を出す。



ｺﾎﾝ、、

事情説明。



こんなヘンなパンツ履いて、ズボンを足首までおろしているとヘンタイみたいじゃないですか、、

と僕は言う。

（今、思うと、、ズボンがどうであれ、ヘンタイである）

なんだか露出狂みたいでイヤなんです。

と僕は主張する。

（ヘンタイの主張である）



ズボンを足首から抜きたい、、ズボンを脱いでしまいたい。

と僕は言う。

（自分でこれからの方向性、及び解決策を主張する）

（デキるオトコはいつでも素早く自己解決）



「…」

返事がない。



ヘンタイみたいだ。

もう一度、僕は言ってみる。

（だからヘンタイだってば）



「はい、、あの、、気のすむようにしてください」

技師さんが青年の主張を認める。

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ


５センチの段差もこえられない激痛。

左足首をそっと抜く。

続いて、右足首を抜く。

おー！ ヘンタイからの脱出。

右足でそっとズボンを台から落とす。

スローモーション的アウトサイドキック。



絶対、休憩時間になったら技師さんは友だちにメールするんだ、、

もー、やんなっちゃう、、、ヘンタイが来てさぁー、、、

…



「それでは撮影します」

技師さんが言う。

指示された場所を確認。

もう一度、下を見る。


にわとり。

目があう。


…

タ、タイム！ と僕は言う。




（もうヤメる？）

（次で終わりです）