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コバルト@NCECのブログ一覧

2012年05月01日 イイね!

ECR33ブレーキ流用の注意点。

ECR33ブレーキ流用の注意点。画像は,
http://tokkyoj.com/data/tk2002-21892.shtml より参照させて頂きました。


ECR33に限らず,リアをスカイライン系のドラム・イン・ディスク式に変更する場合の注意点です。

私のS15は,ブレーキ容量UPのため,ECR33のブレーキに変更してあります。


ブレーキ容量UPといっても,大切なのはキャリパーの大きさよりもブレーキロータの熱容量&放熱性です。

S15→ECR33ブレーキを流用することにより,リアブレーキの容量が飛躍的にUPします。

S15のソリッドディスクからECR33のベンチレーテッドに変わる効果が大きいですね。

そのあたりを検討したブログはこちらです。。。

ECR33ローターとS15ローターの性能比較(入熱編)
ECR33ロータとS15ロータの性能比較(冷却編)


いろいろ検討して,納得の上で流用したつもりだったんですが・・・

やはりやってみて気が付くことってあるものです。

この検討から見事に抜けているものがあります。

そうです。サイドブレーキがディスク→ドラム式になるところの検討が全くないんです。(^o^;



流用するまでは,リアブレーキが厳しく,鉄板ブレーキをやってしまうこともありました。

「フットブレーキはディスク,サイドはドラムになって,負荷が分配されるからいいだろう。。。」

と思っていたんですが・・・違うんですよ。




先日,YZ東コースを走りました。

以前は,ドリフトしかしなかったんですが,最近はグリップもするようになってまして・・・

グリップでしばらく走ってからドリフトをしたわけです。

YZ東コースって,ブレーキにけっこう厳しいコースなんですよね。

1コーナは私のS15でおよそ130km/h程度から60km/hまでの減速ですし,1コーナ立ち上がっても

S字はグリップだと直線ですから,また減速。。。



そんなグリップをした後に,ドリフトに切り替えてサイドブレーキを引いたら・・・効かない。。。(-。-;

「どりゃぁぁぁ!!」ってレバー引いても・・・効かない。。。(>_<)



これがドラム式サイドブレーキの困ったところ。。。

ドラムブレーキのメリット&デメリットって,

メリット:自己倍力作用により,小さな力で大きな制動力が効く。
デメリット:放熱性が悪い,水が入った場合回復が遅い。

主にこんなところです。

自己倍力作用で,冷えてるときは「ガツン!!」と効きます。

もう,引いた瞬間に「キィィィィ~~!!」ってロックしますよ。

ただ,放熱性の悪さゆえ,何度も引いてるとすぐに効かなくなるんです。

 


ECR33のブレーキって,ブレーキロータの内側をドラムブレーキのシューが押さえる構造です。

そのため,今回のように,

「フットブレーキ(ディスクブレーキ)からの入熱により,ロータが温められることによって,

 サイドブレーキ(ドラムブレーキ)がフェードする」

という現象が起こってしまうようです。

エンジンの,「油温が上がっちゃうと,水温も上がっちゃう。」というのに似てます。(笑)



そりゃ,S15純正ブレーキでもサイド引きまくっていればフェードしますが,

ドラム式のほうが急激に効かなくなりますね。

ディスク式だと,「ちょっと効きが悪いなぁ。そろそろかな?」ってわかるんですが,

ドラム式だと,前の周では効いていたのに,突然「あぁ~~効かない。。。」になります。



ドラムブレーキの冷却方法を考えてみましょうかね。。。

ダクト引いて,風を当てて冷やすってのが一般的ですが・・・ドラムだと上手く冷えない気がしますし,

効果が確認しにくいですね。。。

いっそ,ウォータースプレー仕込んだらどうだろう?気化熱で冷やすのが一番効きそうだが。。。

「ブレーキ冷却スプレー」って市販されてないですよね?なんでだろう。。。

変な冷やし方するとローターが割れるからかな?

何か対策を考えてみます。。。(~ヘ~;)





ロデックスさん情報では,今後は”インドラ公認”は実質出来なくなる(?)ようですから,

ビッグローターキットが流行るんですかね。

ただ,前後のブレーキバランスが気になります。

私にとってはあまり必要ないんですが,勉強のために計算してみようかと思っています。

ただ,それにはまず各車種について,

①ブレーキのピストン径
②ブレーキローター寸法(外径とパッドの当たる部分の幅)
③マスターシリンダー径


を調べなくてはいけません。③はとりあえず無くてもいいんですが・・・

どなたか日産走り屋系車種のピストン径一覧みたいなの・・・持ってませんか?(笑)
Posted at 2012/05/01 23:05:00 | コメント(6) | トラックバック(0) | ブレーキ強化(ECR33化) | 日記
2011年04月19日 イイね!

ECR33ブレーキ移植

ECR33ブレーキ移植土曜日,おわらサーキットでの風間塾を終え,満足感たっぷりでしたが,先週末はまだまだ楽しみがあったんです。

ECR33のブレーキ移植です。
本当はもう少し後でもよかったんですが,いろいろと検討して,ECR33ブレーキの良さを理解したら早くつけたくてしょうがなくなってしまいました。


師匠に相談したら,「いいですよ。」と快諾頂けました。
本当に疲れているのにありがとうございました。


朝,師匠のお店に伺うと,早速おわらに乗って行ってたS14を洗車中。。。
さすがです。「車はキレイに」とよく仰っていますが,本当にキレイにしてる。。。 (☆o☆)




早速作業開始です。
(内容は整備手帳でもよかったのですが,今回自分ではやっていないので。。。)

事前にロータ以外は送っていましたが,送った部品には既にマル秘加工が施工されていました。
「へ~なるほどぉ。」さすがはいろんな競技経験してただけあります。
私には思いもつかない加工でした。いや,勉強になります。ホント。


S15のブレーキバラシを完了したところで,土曜日にやっちまったハブボルトを眺めていたら,
師匠が近くのホームセンターまでロングハブボルトを買いに連れて行ってくれました。


お昼は近くの焼きそば屋へ連れて行ってもらい,土曜日の反省とアドバイスをもらいました。
しかも,ご馳走までしてもらって。。。



ブレーキ取付作業は,随所にいろんなノウハウがありました。
師匠: 「レースの世界じゃ常識ですから。。。」 う~ん,なるほどなるほど。

夕方,試運転に行き,ブレーキを踏んでみると。。。

「凄い効く!!」 (←連発してたらしいですね。(笑))

ローター径が大きくなって,軽い踏力でも効きます。
かといって,効き過ぎるわけでもなく,コントロールしやすい。
まぁ,タイヤ6本積んだままだったので,その真価はまた後日。。。ですが,いい感じかも♪

それから,リアローターが大きくなって,見た目もGood!!
もう小さいなんて言わせません!(誰に?)





お店には製作中のS15もあり,見せて頂きました。
ちょうどガレージマックのフェンダーをフィッティング中で,眺めていると。。。
師匠が突然「ベリッ!!」とリアフェンダーを外し,「フィッティングしてみたら?」と。。。

マイカーにフィッティングしてみると。。。「本当だ!アーチが2cm下がってる!!」

フェンダーは「男は黙って叩出し!」だと思っていたんですが,この2cmは凄く魅力的でした。
グラグラきました。(笑)

ワイドボディ化&オールペンを密かに計画していましたが,もう一度考え直してみることにしました。

リアはさりげなく叩出しにして,大人しめな色でオールペンの予定でしたが,
このフェンダーにすると,もう少しチューニングカーっぽい色にしたほうがよいかな?

また楽しい悩みが増えました♪
師匠のS15の仕上りを見て,また考えようと思います。(^-^)



最後に。。。
ロデックスさん,充実した週末をありがとうございました。
焼きそばもごちそうさまでした。 m(_ _)m
Posted at 2011/04/20 00:05:33 | コメント(1) | トラックバック(0) | ブレーキ強化(ECR33化) | 日記
2011年04月08日 イイね!

ベンチレーテッドディスクの有効性

最近,なんかブログというより,検討レポートみたいになっていますが,まだまだ書きます。(笑)

今日はブレーキの冷却についてもう1考察してみようと思います。

昨日までの計算の結果,S15にECR33のブレーキを流用する場合,フロントよりもリアのほうが容量UPが著しいことがわかりました。
これは,ローター径が大きくなったことよりも,ソリッドローターがベンチレーテッドローターになったことのほうが大きく影響しています。

ブレーキングでの温度上昇を抑えるには,ローター重量を増加させることが必要であることは一昨日書いた通りですが,重量を増加させることは簡単です。径を大きくしたり,厚さを増せばいいからです。
(と言っても,径を大きくするのはホイールの制約がありますし,厚さもキャリパーサイズの限界がありますけどね。)

難しいのはむしろ上昇した温度を如何にして下げるかということだと思います。温度を下げるには,表面積を増やす必要がありますが,そこで考え出されたのがベンチレーテッドディスクです。
考えた人は頭いいですね。



写真はECR33のフロントローターですが,ソリッドローターの表面積はAだけであるのに対し,ベンチレーテッドにすると,Bの部分の表面積が加わります。これにより,ソリッドローターのほぼ倍の表面積を稼ぐことができるようになります。



・・・とここまではいいのですが,ちょっと待ってください。本当にそうでしょうか。
確かにBの表面積は増えますが,
問題は,「Bの表面積が冷却に本当に有効な表面積なのか」ということです。

ブレーキは外気との温度差で冷やされます。
ブレーキング中,場合によっては真っ赤になったローターに挟まれているBの部分の空気は,本当に外気と同じ温度でしょうか?
とてもそうは思えません。
Bの部分の空気の温度が高ければ高いほど,Bの表面積は冷却に有効な表面積ではなくなります。

逆を言えば,「Bの部分に冷えた外気を取り込めれば,ローターをより冷やすことができる」ということになります。


偉そうに書いてきましたが,既に本業の自動車メーカーさんは当然そんなことわかっています。(笑)
そのため,スポーツカーとかスーパーカーと言われる類の車や,レーシングカーのブレーキローターはこんな形状になっています。


http://autoprove.net/より引用。

写真はAudi A8のブレーキローターです。ECR33等はフィンは中心から放射状に伸びる形状ですが,A8はそうではありません。

これとよく似た形状のものがあります。大型のファン(送風機)です。

 

http://patent.astamuse.com/ より引用。

このような形にすることで,ローターの回転を利用し,ローター中心から外周側に空気を流すことができ,効率的に冷却することができるようになります。
但し,この形状にすると,回転方向を持つ,左右非対称のローターになります。当然,ブレーキローターの鋳型も2種類作る必要があるので,恐らくコスト面で大衆車には採用されないんでしょうね。



また,私の中では,R32GTR以降メジャーになったと思っていますが,ローターに穴明け加工を施した「ドリルドローター」は,よく「表面積を増やす」と言われています。


http://www.hobidas.com/より引用。

写真はR35GTRのフロントローターです。
数えてみると,80個×2面の計160個の穴があけてあるようです。
これでどの程度表面積が増えるのか計算してみました。



ECR33に160個のドリル穴をあけたとします。穴の径は恐らく5mm程度でしょう。
図のように,157mm2が増え,20mm2×2が減りますから,1つの穴あたり,117mm2の表面積が増えます。
117mm2×160個 = 18720mm2 = 0.019m2

元の表面積0.247m2に対し,0.019m2しか増えません。
穴だらけにしたのに,表面積の増加は8%未満です。

ただ,このドリル穴を通って,内側の空気が出てくるのであれば効果はありそうですけどね。
ドリルドローター使っている人からは怒られそうですが,穴だらけにしたことにより,ヒートクラックが発生しやすくなるわけですから,私はとても使う気になれません。
1/1000秒を争い,1レース持ってくれればいいレーシングカーなら,当然話は別ですけどね。

ちなみに,ドリル穴を開ける場合,小さい穴ほどヒートクラックは発生しやすくなるはずですので,ご注意を。といっても,大きい穴は大きい穴で,ローターの剛性を保てなくなるはずですから,市販車で実績のある穴径にしておくのが無難です。


ドリルドローター同様,スリットローターも表面積の増加については大した効果はありません。パッド表面をきれいにするという効果がどの程度有効なものなのか私にはわかりませんが。。。


以上,またダラダラと書いてしまいました。(^o^;
今日はこのへんで終わりにします。

Posted at 2011/04/09 03:45:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブレーキ強化(ECR33化) | 日記
2011年04月07日 イイね!

ECR33ロータとS15ロータの性能比較(冷却編)

昨日はブレーキングの際のブレーキへの入熱について書きました。
今日は温度の上がったローターが冷却されていく過程について書いてみます。

********* 以下,計算式ばっかりですみません。どうでもいいよ~って方は,下のグラフまで飛ばしてください。*********

ブレーキローターは普通の車は空冷ですから,外気によって冷やされます。
外気によって冷やされるときの単位時間(1秒間)あたりの放熱量qは,
q = α×(t-T)×S・・・①
で表されます。ここで,
t:ローター温度[℃]
T:外気温度[℃]  ←今回は30℃とします。
S:ローター表面積[m2]  ←各ローターの表面積を入れます。
α:熱伝達率[W/m2K]
です。
熱伝達率は流体(ここでは空気)の種類や流速(今回は車速ですかね)等で決まる値ですが,実際のところローター温度の実測をするとかコンピュータでの解析が必要になってきます。
さすがにそこまでやる元気もないので,今回は適当に決めます。

①の式で,1秒間での放熱量qが求まります。
この放熱により,ローター温度が何度になるかは,昨日の熱容量の式を使うことで求めることができます。
q = m×C×Δt
ですから,これを変形して温度降下Δtを求める式にします。
Δt = q ÷ m ÷ C・・・②
昨日同様,m:ローター重量[kg],C:比熱→鋳鋼なので0.6 kJ/kgK を使います。

①と②を繰返し計算すれば,ローターがどのように冷えていくかわかります。

計算結果です。
放熱だけではイメージしにくいので,ブレーキングの温度上昇からグラフにします。
まずはフロントブレーキから。


ローター初期温度はよくわかりませんが,サーキットでの連続走行という前提で,300℃としました。
また,熱伝達率もよくわかりませんが,だいたい30秒くらいでもとの温度まで冷えるように適当に合わせてあります。
(今回のブレーキローターの冷却は「強制対流(流体:空気)」ですので,一般的に10~500くらいの値をとるようです。)

次にリアブレーキの結果です。


リアブレーキの性能差は顕著ですね。


以上の結果から少し考えてみます。
②の式に①式を代入して整理すると,

の形になります。分子に表面積Sがあり,分母に質量mがあります。

つまりブレーキの冷却過程に関して言えば,
「表面積が大きく,軽い(質量が小さい)ローターほど冷えやすい」
ということになります。ただし,昨日書いたように,ブレーキング中は
「重い(質量が大きい)ローターほど温度上昇しにくい」
わけですから,サーキット連続走行に耐えうるブレーキ強化をするためには,
「ローターを重くし,重くしたぶんだけ表面積を大きくする」
必要があります。


今回のS15にECR33ブレーキを流用する場合のまとめです。
【フロントブレーキ】
ECR33フロントブレーキは,S15と比べ重量は1.4倍,表面積は1.3倍となる。
・重量が1.4倍になるので,ブレーキング時の温度上昇は70%(1÷1.4倍)になる。
・重量1.4倍に対し,表面積は1.3倍のため,冷却時間は若干長くなる。
(但し,同じブレーキングをしたときの温度上昇が小さいので,ローター平均温度は下がります。仮に同じローター温度から冷却したら,ECR33ローターのほうが時間がかかりますという意味です。)

【リアブレーキ】
ECR33リアブレーキは,S15と比べ重量は2.2倍,表面積は2.7倍となる。
・重量が2.2倍になるので,ブレーキング時の温度上昇は45%(1÷2.2倍)になる。
・重量2.2倍に対し,表面積は2.7倍のため,冷却時間も短い。
リアブレーキは温度も上がらなければ冷却も早いと加熱・冷却のどちらの性能もECR33が勝っています。

【ローター研磨の影響】
ローター研磨は,ローター重量と表面積ともに減少しますが,重量の減少のほうが大きいです。
研磨ローターは,ブレーキングでの温度上昇は大きくなりますが,冷却速度も速くなります。(そのため,フロントブレーキのグラフ中の25秒あたりから,ローター温度が逆転します。)今回,熱伝達率を適当に決めましたが,風がよくあたる条件下では,冷却速度が今回の計算よりも速くなる可能性があり,その場合,研磨ローターのほうが平均温度が低くなることもありそうです。


昨日,今日とわけわからない計算ばかり載せてしまいました。
なんかどっかの教科書みたいですね。。。
わかりにくくてすみません。
ここまで読んで頂き,ありがとうございました。m(_ _)m
Posted at 2011/04/08 00:16:29 | コメント(1) | トラックバック(0) | ブレーキ強化(ECR33化) | 日記
2011年04月06日 イイね!

ECR33ローターとS15ローターの性能比較(入熱編)

さて,いよいよブレーキ性能比較をしてみます。
といっても,式の計算ばかりではイメージしにくいので,YZサーキット東コースの1コーナー進入を事例に検討します。

ブレーキはご存知のように,走行している車を止める装置ですが,エネルギー的に言えば,車の運動エネルギーを熱エネルギーに変換する装置と言えます。
ここで言う熱とは,パッドとローターの摩擦熱です。
運動エネルギーが熱エネルギーに変換されることにより,運動エネルギーは小さくなり,車速が下がるということになります。

**********以下計算内容なんて見てられないよって方は飛ばして頂いて結構です。********

まずは,運動エネルギーを求めます。
運動エネルギーE=0.5×M×v^2です。ここで,Mは車重[kg],vは車速[m/s]です。

YZサーキット東コースの順走インコースでの実際の走行データを使用します。



ブレーキング直前の車速は134 km/h です。
(遅いとか言わないでください。(ToT))
計算のため単位を変換すると,134 km/h = 37.2 m/s です。
ここからブレーキングし,クリップ通過時点での車速は51 km/h = 14.2 m/s
今回の計算では使用しませんが,この減速に要した時間は5.6秒です。
S15の車重は1300kgとします。


ブレーキング直前の運動エネルギーE1 = 0.5×1300 kg×37.2^2 = 900 kJ
クリップ通過時の運動エネルギーE2 = 0.5×1300 kg×14.2^2 = 130 kJ
運動エネルギーの減少量はE1-E2 = 900-130 = 770 kJ
(kJはエネルギーの単位で,キロジュールと読みます。)

この770kJが全て摩擦熱に変わり,ブレーキローターの温度上昇をさせると仮定します。
(実際にはエンジンブレーキとか空気抵抗とかありますが,ここでは無視します。)

次に前輪2つ,後輪2つのブレーキがありますから,その分担を決めないといけません。
そうです。ブレーキバランスです。
軸荷重からすると,前軸:700kg,後軸600kgなので,54:46なんですが,ブレーキングでの前荷重もありますから,そんなにリアブレーキは効かないと思います。
ここでは,仮に7:3とします。

フロントブレーキは左右ありますから,フロントブレーキ1箇所に加わる熱量Qfは
Qf= 770 kJ×0.7(ブレーキバランス)÷2=270 kJ
リアブレーキ1箇所に加わる熱量Qrも同様に
Qr=770 kJ×0.3(ブレーキバランス)÷2=112 kJ
となります。

それではいよいよこの熱が加わったときにローター温度が何度上昇するのか見てみます。
質量mの物体に熱量Qが加わったときの温度上昇Δtは,物体の比熱をCとすると
Q=m×C×Δt
で表せます。これを式変形して,温度上昇Δtを求める式にすれば,
Δt=Q÷m÷C
です。

熱量Qは先ほどまでに計算したQf=270 kJと,Qr=112 kJです。
質量mは,昨日のブログで記載したローター重量です。
比熱Cは,ブレーキローターは鋳鋼なので,0.6 kJ/kgKを使います。

以上より,ECR33のフロントブレーキの温度上昇は,
Δtf=270÷8.5kg÷0.6=53℃
となります。他も同じように計算すると以下のような結果になりました。



今回求めたのは,134km/hから51km/hまで減速した場合,どれだけ温度上昇するかです。当然,ブレーキングする前にはローター温度は200℃とか300℃とかになっているでしょうから,200℃ならECR33フロントブレーキの場合,200℃→253℃になるということです。

計算式からも明らかですが,要するに
「ローターの重量が増加した分だけ,温度上昇は小さくなる」
ということです。
ローター研磨した場合も同様に,研磨により重量が軽くなった分だけ,温度上昇します。
ECR33の場合,1mm研磨で8.5kgが8.1kgになり,4%重量が軽くなりましたが,温度上昇も53℃から56℃と,4%上昇しています。
しかし・・・S15のリアブレーキは貧弱ですね。。。7:3のブレーキバランスでも97℃も上がってしまうのですから。。。

ここまで読んで頂いて,「じゃぁ,ブレーキローターは何でも重くすればいいんだな?」と思われるかもしれませんが,単純にそうではないんです。
ブレーキローターの質量を上げれば,ローター温度は上がりにくくなりますが,同時に上がった温度が下がりにくくもなるんです。(なかなか冷えない)

そこで,次回は熱くなったローターが冷却されていく過程を説明しようと思います。
Posted at 2011/04/07 00:35:43 | コメント(1) | トラックバック(0) | ブレーキ強化(ECR33化) | 日記

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