2011年06月05日
究極のブーストアップについて,レポート書いてきましたが,
やはり文章だけで伝えるのには限界がありました。(^o^;
なので,「感覚派な方」向けに,パワーチェック動画を公開します。(笑)
「究極のブーストアップ」の真髄は,
①究極のハイレスポンス
と,
②極低回転域で発生する最大トルク
なのですが,
①については,残念ながらパワーチェックではわかりません。
ただ,②についてはパワーチェック動画からでも感覚的にわかると思います。
まずは,ブーストアップ前の動画です。
・Apexiエアクリーナー
・HPIタービンアウトレット
・HPIフロントパイプ
・YashioFactory 岡ちゃんスーパー触媒
・YashioFactory スーパーサイレントマフラーⅢ
の吸排気パーツを交換しています。
パワーチェックは4速にて。
なんか5速でやってるようにも聞こえますが,4速です。
画面上部が見苦しいですが,プライバシー保護のため,ご容赦ください。(^o^;;
量販店の店員さんがウロウロしすぎです。。。
次に,究極のブーストアップ後の動画です。
4速だと滑ってしまうため,5速でやってます。
低回転域からの吹けの良さはおわかり頂けると思います。
アルトラックのエキマニのおかげで,イイ音しますね♪
以上,パワーチェック動画でした。m(_ _)m
Posted at 2011/06/05 19:31:37 | |
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究極のブーストアップ | 日記
2011年05月29日
その⑥の続きです。
「究極のブーストアップ」について,長々と書いてきましたが,今回で一旦終わりにしようと思います。
まだまだ書くネタはあると思うんですが,また掘り下げすぎて底が見えなくなりそうなので。。。(^o^;
パーツセレクトについても書いてみようかと思いましたが,現時点ではあまりおもしろいこと書けないので「ボツ」にしました。(笑)
最後は,「現車合わせセッティング」について書いてみようと思います。
といっても,現車合わせセッティングの方法論を書くわけではありません。
これからショップ等で「現車合わせセッティング」をしようと思っている方の少しでも参考になれば。。。
と思い書きました。
私の中では,セッティング後の車とのつきあい方が,
今よりももっと楽しくなるか,つまらなくなるかの分かれ道
だと思っているからです。
力が入りすぎて,とても長い文章になってしまいましたが,読んで頂けると幸いです。m(_ _)m
「究極のブーストアップ」をする際,私はパーツにばかり目が行っていました。
インタークーラーはどこのを使うとか,NAスロットルはなぜいるかとか,
エキマニは換える必要があるのかとか。。。
もちろん,これらのパーツそれぞれに善し悪しがありますから,どのパーツを選ぶかは重要です。
ですが,そればかりに気を取られて,大事なことを忘れていました。
それが「現車合わせセッティング」です。
「そんなの当たり前だろ?」
と思われる方もいると思いますが,意外と抜けてしまうことだと思います。
前置きインタークーラーと言われると
○○のは高いとか,○○のは安いとか。。。
コアが大きいとか,厚みがあるとか。。。
いろんなメーカーのものを比較しますよね?
ですが,「現車合わせセッティング」ってネットや広告の情報だけでは
高いか安いか・・・しか比べようがありませんよね?
高いか安いかしか比べようがなかったら,安い方を選びますよね?
・・・というように,値段だけで決めてしまっていないでしょうか?
「現車合わせセッティング」って“値段”よりも“内容”のほうが重要ではないでしょうか?
いろんなエンジンの補記類パーツをつけて,最後にそれらのパーツの性能と,
エンジンの性能を最大限引出すことができるか否かは「現車合わせセッティング」に
かかってくるのではないでしょうか?
この行為こそ,ショップの差が最も出るところではないでしょうか?
セッティング次第では,
壊れない快調なエンジンになるかもしれないし,
すぐに壊れてしまうエンジンになるかもしれないし,
壊れないけどなんか吹けの悪いエンジンになるかもしれないし。。。
実は一番重要なところではないでしょうか?
ロデックスタイルさんの「現車合わせセッティング」は高かったです。(^-^;
ロデックスさんはなぜ高いのか本当に丁寧に説明してくれました。
対話していくなかで,
「現車合わせセッティング」って,ものすごく曖昧な定義の言葉なんだな。。。
と私は思いました。
①街乗り~高速~サーキット・・・あらゆるシーンを想定し実走行でセッティングする
②シャシーダイナモ上で実走行を想定した負荷を与えセッティングする
③そのショップで実績のあるセッティングデータを入れて,不具合がないか確認する
①~③の全てが「現車合わせセッティング」として行われているようです。
③は不具合が出なければそれで終わり!
・・・正直ヒドイとは思いますが,こういったショップもあるようです。
安くやろうと思ったら,③は安くできますよね。。。
今回,「究極のブーストアップ」をお願いしたロデックスタイルさんでは,
①の実走行でセッティングしています。
実走って危ないと思います。下手をすれば客の車をぶつけることもあるでしょう。
現車合わせってシャシダイでやるショップも多いと思いますが,合理的な方法だと思います。
客の車をぶつけることもなければ,自分の命を危険にさらすこともありません。
それなのに,わざわざ実走でセッティングするのには理由があるようです。
ロデックスさんに,なぜ実走行でセッテイングするのか聞いてみると,返ってきた答えは
「シャシダイでは実走行の負荷を完全には再現できないから」
なんだそうです。当時はよくわかっていなかったので勉強しました。
以下,できるだけ簡単に説明します。(^-^;
現車合わせセッティングは,
「燃料マップ」と「点火マップ」を作り込むこと
だと私は理解しています。
セッティングの細かいところまで説明できるほど,勉強できていませんので,(^o^;
ここでは,「燃料マップ」と「点火マップ」の例を示します。
まず燃料マップです。形状よりも,「軸」に注目してください。
次に点火マップです。
http://www.asahi-net.or.jp/~VS6N-MRYM/romtune/na8crom.htmlより引用させてもらいました。
どちらのマップも,横軸はエンジン回転数です。
縦軸はどちらも吸入空気量です。
吸入空気量=エンジン負荷=走行抵抗
と言えると思います。
つまり,
「走行抵抗が,エンジン制御に重要な吸入空気量を決めてしまう」
ということなんです。
(空ぶかししている状態(=ほぼ無負荷)ではブーストもかかりませんよね。)
ということは,
「セッティングする車の走行抵抗を如何に忠実に再現するかで,
セッティングの善し悪しが決まる」
ということなんです。
*********以下の説明は読み飛ばしてもらっても結構です。**********************
走行中の車にかかる走行抵抗は,以下の4つです。
走行抵抗(R)=ころがり抵抗(Rr)+空気抵抗(RAir)+加速抵抗(Ra)+勾配抵抗(Rs)
ここで,
ころがり抵抗Rr=μr×W
空気抵抗RAir=CD×A×(Va)2
加速抵抗Ra=(W+△W)×a/g
勾配抵抗Rs=W×sinθ
W:車両総重量
μr:ころがり抵抗係数
CD:空気抵抗係数
A:前面投影面積
Va:対気速度
ΔW:回転部分相当重量
a:自動車の加速度
g:重力加速度
θ:傾斜角
また・・・難しい式が。。。と思われるかもしれませんが,この走行抵抗のうち,
シャシダイと実走行で何が違うかだけ説明します。
まず,ころがり抵抗は実走行をシャシダイでほぼ再現できますし,
もともと小さな抵抗なので,無視してもそれほど支障はないはずです。
次に,空気抵抗は,シャシダイで再現するには,
車速に合わせて風量を制御可能な巨大な送風機が必要です。
普通のショップにあるシャシダイではまずないと思います。
空気抵抗は意外とバカにできません。
RAirの式にあるように,速度の2乗に比例するからです。
例えば,100km/h=27m/sですから,計算すると,数百kgの抵抗になります。
シャシダイでのセッティングでは多くがこの抵抗を無視しているはずです。
また,走行中に車が受ける風速は,走行抵抗だけでなく,吸入空気温度にも影響します。
・・・ということは,
巨大な送風機がないと,シャシダイでセッティングするのは難しいのではないでしょうか?
加速抵抗は,車を加速させるのに必要な力です。
シャシダイで再現するには,ローラー式シャシダイであれば,
車両重量とローラー部分の慣性重量を合わせれば可能ですが,
合わせるためには緻密な制御が必要です。
自動車メーカー等の非常に高価なシャシダイならできると思いますが,
通常のパワーチェックに使うようなシャシダイでは,そこまでの制御はできないはずです。
勾配抵抗は,斜面を登るのに必要な力です。
これを通常のシャシダイで再現するのはほぼ不可能と考えます。
これをやるには,電気的に制御可能なシャシダイで,予めコースを想定したプログラムを組み,
それに忠実に従ってアクセル操作をしなければならないはずです。
加速抵抗よりはるかに難しい制御になるはずです。
****************************************************************************
また小難しい説明をしてしまいましたが,(^o^;;
言いたいことは,
「通常のパワーチェックするようなシャシダイで,
実走行における走行抵抗を完全に再現するのはムリ!」
ということです。
そこを十分にわかっているからこそ,ロデックスタイルさんでは,
危険を冒してまで実走行でのセッティングをしているそうです。
これから「現車合わせセッティング」をしようと思っている方には,是非
「現車合わせセッティング」を「価格」ではなく,「内容」で決めて欲しいと思います。
セッティングに出すときに,
「現車合わせセッティングってどのようにしてやるんですか?」
と聞いてみることをお勧めします。
改めて,ロデックスタイルさんでの現車合わせセッティングの流れを聞いてみました。
(このブログを読んで頂いてるみんなが気になると思ったので。。。)
セッティングはロデックスさんが運転し,ロデックスさんが「先生」と呼ぶ
セッティングのプロとの2人で行うそうです。
① 初期データ入力(30分程度)
・ 空燃費計を取付後,初期データを入力し,エンジンをかけ,暖気をする。
・ 暖気をしながら,エンジンルーム内の最終チェックをする。
② 街乗り(20分程度)
・通常の街乗りを行い,街乗りでの使い勝手を確認しつつ,全開テストに向けて
初期データを補正。
③ 全開テスト(40分程度)
<全負荷>
・ 3速3000rpmから全開にし,レッドゾーンの7800rpmまで回す。これを2回繰返す。
※ この1回目が一番緊張するそうで,空燃費計から目が離せないとか。。。
<0ブースト>
・3速3000rpmからブースト0のパーシャルアクセルで7800rpmまで回す。
<加速増量補正>
・4速3000rpmから全開にし,4000rpmでキープ→全開→5000rpmでキープ→全開
→6000rpmでキープ→全開→7000rpmでキープ→全開→7800rpmでキープ ・・・
↑けっこう難しい運転ですね。(笑)
この後,その車のオーナーに合わせて,マージンを決定するそうです。
<高速域でのフィーリングチェック>
・素早くシフトチェンジしたり,アクセルをパカパカやったりし,フィーリングをチェックし,
気になるところがあれば補正をするそうです。
最後にもう一度,全負荷テストを行い,高速域でのセッティングは終了。
セッティングとしてはここまでで8割くらいの完成度になっているとのことです。
④ 最終チェック(90分程度)
・ミニサーキットやワインディングを想定し,中低速での限界走行でアクセルのレスポンスやドリフトでのパーシャル域のトルク感をチェックし,気になるところがあれば補正を繰り返す,とのことでした。
以上は,パワーFCの場合です。Vプロはもっとかかるそうです。
以上が私が聞いたロデックスタイルさんでの「現車合わせセッティング」の流れです。
セッティングに出す際,新品タイヤにし,走行距離もこっそりメモしておきました。
(いやらしくてすみません。(^-^;)
引取の際,タイヤにはきちんとスライドした跡が残っており,実走90kmのセッティングでした。
改めてロデックスさんに聞いてみました。
私「セッティングって通常1人でやりますよね?なんで2人でやるんですか?
セッティングを「先生」がするのなら,ロデックスさんは運転しなくてよいのでは?」
ロ「うちのお店から出すんですから,私が納得できないものは出しません。
だから私が1台1台運転してフィーリングを必ずチェックします。」
「先生」のことはとても信頼しているようでしたが,必ずロデックスさん自らが運転し,
納得できるレベルのセッティングを一緒にするのだそうです。
D1トップドライバーであったロデックスさんが,ほんのわずかな瞬間のアクセルレスポンス等,
オーナーの運転レベルでは感じ取れないところのわずかなフィーリングに拘って,セッティングしてくれる。。。
これって凄いことだと思います。
まさに「車に魂を込める」作業なんだと思います。
最初にロデックスタイルさんを訪れたときには何とも思わなかった,
「命かけて!営業中」
ようやくその意味がわかりました。
セッティングの「金額」は他のお店より高いですが,
私は,「作り込み」のレベルの高さへの対価として,適正であると感じました。
その①からその⑦まで,あれこれ理屈をこねましたが,
結局のところ,乗ってみて,体感した方が早いです。(^o^;
セッティング後,車好きの先輩を横に乗せてサーキットを走ったときの感想が印象的でした。
「速くなったね」とかではなく,第一声は
「別の車じゃん!!」 w(゜o゜)w
でした。私も全くその通りだと思いました。
セッティング後,S15に乗るのが楽しくなったか否か・・・
今更説明するまでもありません。
気になる耐久性ですが,ブーストアップから1年3ヶ月,
真夏のサーキット含めて15,000km走りましたが,
今のところノントラブルです。(^-^)v
以上,あくまで私が感じた所感です。
私としては大満足の「究極のブーストアップ」でした。
その⑦までお付合い頂き,ありがとうございました。m(_ _)m
Posted at 2011/05/29 21:21:23 | |
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究極のブーストアップ | 日記
2011年05月27日
その⑤の続きです。
その⑤では,(ドリフトにおいて)評価すべきは,「馬力」ではなく「トルク」であることを述べました。
ここまで来るのにだいぶかかりましたが,(^o^;;
「究極のブーストアップ」前後でのパワーチェック結果を比較します。
まずは,「馬力」の比較です。
その⑤で述べたように,「馬力」はそれほど重要でないと思いますので,特に言うことありません。。。
次に,「トルク」の比較です。
ノーマルでパワースライドを維持しようと思ったらだいたい4000rpm以上をキープする必要があると思います。
(路面状況,タイヤサイズにもよりますが。)
ノーマルの4000rpmでのトルクは25kg-mくらいです。
「究極のブーストアップ」後は,2700rpmくらいで同程度のトルクが発生します。
つまり,
ノーマルで4000rpm~であったパワーバンドが,
「究極のブーストアップ」により,2700rpm~となります。
それだけでなく,
パワーバンド全域に渡ってトルクがアップしており,
特に3000~4500rpmでのトルクが大幅にアップしています。
低回転域重視とはこういうことなんでしょう。
今までアクセル全開でも吹けていかなかった3000~4000rpmの加速は・・・すごいですよ。 ( ̄ー ̄)
今回,このブログを書くにあたり,改めてロデックスさんにいろいろと質問しました。
ここで,そのやりとりの一部を紹介します。
私「究極のブーストアップの“売り”って何でしょう?」
ロ「誰が乗っても乗りやすいエンジン特性ですかね。」
私「私のS15と同様のメニューで,
ピークパワー重視でセッティングしたら何馬力くらい出ますか?」
ロ「そうですねぇ。。。多分315~320PSくらいは出るんじゃないでしょうか?
ですが,ウチでは低回転域からしっかりエンジンが吹けるようにセッティングします。」
「誰が乗っても乗りやすい仕様」・・・データからもそれは立証されていると思います。
「誰が乗っても乗りやすい仕様=パワーバンドが広い」ということなんでしょう。
サーキットでタイムアタックしますという場合には,最大トルクが発生する回転数を
もっと高い回転数に持って行き,ピークパワーの出るセッティングにしたほうがタイムは出るんだと思います。
その代わりに,パワーバンドは狭くなり,高回転をキープする運転が要求されます。
ドリフトの場合には,「1周つなげるぞ!!」ってなれば,
ピークパワーは犠牲にしても 広いパワーバンドが欲しいですよね?
だって,
「あそこのコーナーまでアクセル踏んでないと届かないけど,2速だと吹け切っちゃう!」 (>。<)
ってときに,3速にしないといけないですよね?
でも,グリップと違い,
ドリフトでのシフトアップって振返しの瞬間だったり,慣性で流せる瞬間だったり,
ほんのわずかな「ここ!!」ってポイントがありますよね?
シフトアップ後,5000rpmキープできないときもありますよね?
そんなときに,
広~いパワーバンドなら無理せずシフトアップできますから,余裕を持って走れるはずです。
焦ってシフトを叩き込んでミッションを壊すことも少なくなるはずです。
クラッチなんか蹴らなくたって,アクセルコントロールだけでいけちゃいます♪(^∇^)
だから,私はドリフトに使う場合は特に,
ピークパワーより低回転からエンジンがしっかり吹ける,広いパワーバンドが必要
だと思います。
なんか・・・当たり前な結論になってしまいましたね。。。(-。-;)
<おまけ>
その⑤ではずいぶんと難しく書いてしまいましたが,
ドリフトには「馬力」より「トルク」が重要という一例を紹介します。
S15とS2000のエンジン性能曲線を比較します。
ご存知のように,S15もS2000もカタログスペックは共に250PSです。
私はS2000には乗ったことありませんが,サーキットでたまにドリフトしているのを見かけます。
S15と比べればかなり難しそうです。
比べてみると,トルクが全然違います。
若干こじつけですが・・・仮に,パワースライドを持続するのに,20.5kg-m以上のトルクが必要だったとします。
(20.5kg-m=200N-m)
S2000で20.5kg-m以上のトルクを発生させようと思えば,6000rpm以上を常にキープしないといけません。
しかし,S15の場合,同様のトルクは2000rpmくらいから発生します。
もちろん,エンジンだけでなく,ハンドリング特性の違いもありますから,一概にトルクが小さいからS2000のドリフトは難しいとは言い切れませんが,難しさの1つの要因ではあると思います。
それだけに・・・S2000でのドリフトができたときには,S15以上の喜びがあるのかもしれませんけどね。。。
・・・その⑦に続きます。。。次回はパーツセレクトについて私の思うところを書いてみます。。。
Posted at 2011/05/27 01:01:51 | |
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究極のブーストアップ | 日記
2011年05月26日
その④の続きです。
写真は・・・イメージです。。。
本当は,パワーチェックの結果を元に,「究極のブーストアップ」前後でエンジン特性がどう変わったのか考察するつもりだったのですが,
「馬力」と「トルク」の違いについて先に述べておく必要があると思い,以下の説明を記述しました。
私自身,よくわかっていなかったもので・・・。(^o^;;
「究極のブーストアップ」からは話がそれてしまっていますし,
完全に教科書みたいな書き方になってしまいました。
「んなこと,もう知ってるよ!!(ー_ーメ)」
って人は読んで頂かなくて結構です。。。(-.-;)
【馬力とトルクの関係】
今更ですが,「馬力」と「トルク」って何でしょう?
馬力とトルクは以下の関係式で表されます。
馬力[PS] = トルク[kg・m] × 回転数[rpm] ÷ 716.6
上の式は,馬力はエンジントルクとエンジン回転数に比例することを表しています。
すなわち,
(1) トルクが大きいほど,回転数が高いほど馬力が出る。
(2) 同じ回転数であれば,トルクが大きいほど馬力が出る。
(3) 同じトルクであれば,回転数が高いほど馬力が出る。
ということになります。
(言い方を変えているだけで,(1)~(3)全て同じことを言っています。)
まず,「馬力」ですが,近年のカタログには,従来単位の[PS]とSI単位の[kW]の両方が表記されています。
ご存知のように,[PS]と[kW]の表しているものは「最高出力」という同じものです。
(長さを表すフィートとメートル,重さを表すポンドとキログラムのようなものです。)
ここでは,説明のしやすい,[kW](キロワット)で説明します。
[kW]は電気製品等ではおなじみの単位です。
キロは1000倍を表します。(kmと一緒です。)
ワットは,W = J/s (= J÷s) と表すことができます。
Jはジュールと読み,「物理学での仕事」を表します。
Sは秒(seconds)を表しています。
つまり,[kW]は,「1秒間あたりに,どれだけ(物理学における)仕事をしたか」を表します。
ここで,「物理学での仕事」というものが厄介です。
私は,「車を運転する上では,直接感じ取ることができないもの」であると思います。
(馬力を直接感じることができる人は教えてください・・・(汗))
なぜならば,物理学での仕事は,
Q = F×x (仕事=力×移動距離)
で表されるからです。
エンジンに置き換えると,力=トルク,移動距離=回転数となります。
何が言いたいかと言えば,
「大きな力で少しだけ動かしたこと」と,「小さな力でたくさん動かしたこと」が
「物理学での仕事においては同じ」とされるのです。
エンジンに置き換えて言えば,
「低回転域での大トルク」と,「高回転域の小トルク」が
「馬力においては同じ」とされるのです。
私たちが,車が「速い」と感じられるのはどんなときでしょう?
チューニングカーの場合,
「アクセルを踏んだときに,その加速が大きかったとき」ではないでしょうか?
(加速が大きかったとき=シートに押しつけられる と言うこともできますかね。)
物体を加速させるには,運動方程式に示されるように,
F =m×a(力=質量×加速度)
「力」が必要です。
今回の場合,力=トルク,質量=車両重量です。
(逆に言えば,「力(=トルク)」を加えなければ,車は加速しません。)
エンジンの「力(=トルク)」が大きければ大きいほど,
車の加速がよくなり,「速い」と体感できるのです。
繰返しになりますが,
車を加速させるエンジンの「力」とは,「馬力」ではありません!
エンジンのように,回転運動をするものの場合,「力」に相当するものは「トルク」です。
【ドリフトに必要なのは「馬力」か?「トルク」か?】
次に,ドリフトに必要なエンジン特性を考えてみます。
ドリフトは(進入時など,慣性を使ったスライド状態を除いて,)ホイルスピンを持続する運転の仕方です。
ホイルスピンを持続あるいは開始する場合,
タイヤと路面の摩擦力を超える駆動力を与える必要があります。
摩擦力という「力」に打ち勝つ駆動力とは,「馬力」ではなく,「トルク」です。
すなわち,
ドリフトにおいて,パワーチェックで評価すべきものは,
「馬力」という回転数の掛けられた間接的なものではなく,
パワースライドを持続させる「力」である「トルク」
を評価すべきと考えます。
別の言い方をすれば,
「パワースライドを維持しにくい,トルクの小さいエンジンであっても,
高回転まで回すことができるエンジンであれば,馬力は出てしまう」
「馬力の大きなエンジンであっても,トルクが大きいとは限らない」
「トルク」はそのエンジンにとっての得意な回転数を表す。と言ってもよいのではないでしょうか。
【なぜ馬力で評価するのか】
ここまで読んで,
「トルクが大事って言うなら,なんで馬力で性能評価するの?」
と思われた方もいるかもしれません。
私なりの理解では,
「他のものとの比較や変換が容易であるから」
と考えます。
これを利用した1つが,「シャシーダイナモ」という馬力を測定する機械です。
・・・長々と説明してしまいましたが,
ようやく次回は「究極のブーストアップ」前後でのエンジン特性がどう変わったのか,考察してみようと思います。(^o^;
Posted at 2011/05/26 00:30:12 | |
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究極のブーストアップ | 日記